JP2003272217A - 光ピックアップ装置および光再生装置 - Google Patents

光ピックアップ装置および光再生装置

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JP2003272217A
JP2003272217A JP2002067463A JP2002067463A JP2003272217A JP 2003272217 A JP2003272217 A JP 2003272217A JP 2002067463 A JP2002067463 A JP 2002067463A JP 2002067463 A JP2002067463 A JP 2002067463A JP 2003272217 A JP2003272217 A JP 2003272217A
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Hideaki Yokota
英明 横田
Mitsuru Kinouchi
充 木ノ内
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TDK Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】光記録媒体からの反射光が受光素子の受光パタ
ーン上に合焦するように共役関係を調整可能な構成とす
ることで、ハウジング等の寸法精度を一般公差程度に緩
和し且つ組み付け精度を緩和しても良好な再生信号品質
を確保できるようにする。 【解決手段】光源である半導体レーザ11の第1の波長
の発光点11dと第2の波長の発光点11eとの間隔L
Aに対して、受光部である光検出器18の第1の波長の
各受光部18aと第2の波長の受光部18bとの間隔L
Bを1.1〜1.6倍程度に設定する。光検出器18の
前段に負の屈折率を有するセンサレンズ17を設け、こ
のセンサレンズ17の位置を光軸方向に調整すること
で、光源−受光部の共役調整を行なう。これにより、光
記録媒体からの反射光をその波長に対応した受光部に精
度よく合焦させることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は種類の異なる光記録
媒体に対応する光ピックアップ装置およびそれを備えた
光再生装置に係り、詳しくは各光記録媒体に対応して波
長の異なる複数の光源を備えるとともに各光記録媒体に
対応して複数の受光部を備えた光ピックアップ装置およ
びそれを備えた光再生装置に関する。
【0002】
【従来の技術】特開2000−207766号公報に
は、波長の異なる複数の光源と、複数の光源から射出さ
れて光記録媒体で反射された各々の戻り光を個別に受光
する複数の受光部パターンを同一基板上に形成した光検
出器と、複数の光源から光検出器に至る光路を共有する
光学系とを備えた光ピックアップ装置およびそれを備え
た光再生装置が記載されている。
【0003】上記公報には、複数の受光部パターンを同
一基板上に形成することで、各々の受光部パターンが高
精度な相対位置精度を有することにより、波長の異なる
複数の光源から射出されて光記録媒体で反射された各々
の戻り光を受光部パターンに高精度に導くことが可能と
なり、種類の異なる光記録媒体に対して高品質の再生信
号や記録信号を得ることが可能であることが記載されて
いる。また、上記公報には、複数の光源を同一の半導体
基板に構成すれば、光源の間隔を高精度で位置決めする
ことができることが記載されている。
【0004】例えば、同一の半導体基板上に2つの光源
を形成した2波長半導体レーザを用いることで、各光源
間の間隔を高精度に保つことができる。また、各光源に
対応した2系統の受光部(受光部パターン)を同一の半
導体基板上に形成した受光素子(フォトダイオード集積
回路:PD−IC)を用いることで、各受光部間の間隔
を高精度に保つことができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、光ピックア
ップ装置は、光ピックアップのハウジング(ケース)
に、2波長半導体レーザ、受光素子および光学系を構成
する各種部材を組み付けて作製される。各光源間の間隔
が高精度であり、また、各受光部間の間隔が高精度であ
っても、発光源の発光点と受光素子上の受光点との共役
関係を満足させるには、光ピックアップのハウジングに
高い寸法精度が要求されるとともに、半導体レーザ、受
光部および光学系の組み付けに際して高い組み付け精度
が要求される。このため、光ピックアップのハウジング
が高価になり、また組み付けに要する工数が増加するた
めに、光ピックアップ装置の製造コストが高くなってし
まうという問題を有している。
【0006】さらに、2波長半導体レーザの各光源間の
間隔LAと、受光素子上の各受光部間の間隔LBとを同
一寸法とした光ピックアップ装置では、ハウジングの寸
法誤差および組み付け位置の誤差によって発光点と受光
点との共役関係にずれが生じた場合に、その共役関係の
ずれを光学的に補正することができないだけでなく、上
記の誤差が生じたときは再生信号特性が劣化してしま
う。このため、ハウジングおよび組み付けに極めて高い
精度が要求され、光ピックアップ装置の製造コストが高
くなってしまうという問題を有している。
【0007】本発明はこのような課題を解決するために
なされたもので、ハウジング等の寸法精度を一般公差程
度に緩和し且つ組み付け精度を緩和しても良好な再生信
号品質を確保できるようにした光ピックアップ装置およ
びそれを用いた光再生装置を提供することを目的とす
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的は、同一筺体内
に設けられた波長の異なる2つの光源と、これらの光源
から射出した光ビームを光記録媒体の記録面へと導く光
学系と、光記録媒体で反射された光ビームを受光素子へ
と導く光学系と、光ビームを受光する受光素子とを備え
た光ピックアップ装置において、2つの光源の発光点の
間隔をLAとし、これに対応する受光素子上の2つの受
光部の間隔をLBとしたときに、LAよりもLBを広く
設定することを特徴とする光ピックアップ装置によって
達成される。なお、発光点の間隔LAに対して受光部の
間隔LBを1.1倍〜1.6倍程度に設定するのが望ま
しい。
【0009】また、本発明による光ピックアップ装置
は、受光素子の前段に光記録媒体で反射された光ビーム
の合焦位置を光学的に調整するための反射光合焦位置調
整部を設けることを特徴とする。ここで、反射光合焦位
置調整部は、負の屈折率を有するレンズを用いて構成す
ることができる。さらに、反射光合焦位置調整部は、負
の屈折率を有するレンズを光軸方向へ移動させることで
光源と受光素子の共役を実現する調整機構を備える。
【0010】波長の異なる2つの光源の発光点間隔LA
よりも受光素子上の各受光部の間隔LBを広くすること
で、受光素子の前段に負の屈折率を有するレンズやホロ
グラム等からなる拡大光学系を設けることが可能とな
る。そして、負の屈折率を有するレンズ等からなる拡大
光学系の配置位置を調整することで、光記録媒体で反射
された光ビーム(反射光ビーム)を受光素子の受光部上
に集光させることができる。より具体的には、第1の光
源から射出されて第1の光記録媒体で反射された第1の
波長の反射光ビームを第1の受光部に集光させ、第2の
光源から射出されて第2の光記録媒体で反射された第2
の波長の反射光ビームを第2の受光部に集光させること
ができる。
【0011】なお、各受光部の間隔LBを各光源の発光
点間隔LAの1.1倍〜1.6倍程度にすることで、光
ピックアップ装置の全体寸法をそれほど大きくすること
なく(小型化を図りながら)、光源と受光素子との共役
関係の調整を容易に行うことができる。言い換えれば、
負の屈折率を有するレンズ等を光軸方向に移動させてそ
のレンズの配設位置を調整する際に、高精度の治具や高
精度のレンズ位置自動調整機構等を用いることなく、ま
た、レンズの移動量に高い寸法精度を要求されることな
く、容易に共役関係の調整を行うことができる。
【0012】したがって、ハウジングの寸法誤差および
組み付け位置の誤差等によって反射光ビームの合焦位置
が受光部からずれた場合でも、負の屈折率を有するレン
ズを光軸方向へ移動させることで、反射光ビームを受光
部上に合焦させることができる。これにより、ハウジン
グ等の寸法精度を一般公差程度に緩和し且つ組み付け精
度を緩和しても、負の屈折率を有するレンズに位置を調
整することで光源と受光素子の共役関係を実現できる。
よって、寸法精度や組み付け精度を緩和しても調整ずれ
をなくすことができ、ジッター等の発生が少ない良好な
再生信号を得ることができる。これにより、再生信号特
性が良好な光ピックアップ装置を経済的に提供できる。
【0013】なお、本発明に係る光ピックアップ装置
は、一方の光源を使用して光記録媒体に記録された第1
の信号を再生する場合の光学系倍率と、他方の光源を使
用して光記録媒体に記録された第2の信号を再生する場
合の光学系倍率とが等しい。このため、各光源の発光点
の位置を光軸方向に個別にずらしたり、また、各受光部
の位置を光軸方向に個別にずらしたりする必要がない。
したがって、光源として同一半導体基板上に波長の異な
る光源を有する2波長半導体レーザを用いたり、受光部
として同一半導体基板上の複数の受光部(受光パター
ン)を形成したフォトダイオード集積回路(PD−I
C)を用いたりすることができ、各光源の発光点間距離
および各受光部間距離の相対的な精度を極めて高いもの
にすることができる。
【0014】また、本発明に係る光ピックアップ装置を
用いることで、種類の異なる光記録媒体に対応する光再
生装置を経済的に提供できる。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明の一実施の形態による光ピ
ックアップ装置および光再生装置について図1乃至図8
を用いて説明する。図1は本実施の形態による光ピック
アップ装置の模式構造図である。本実施の形態による光
ピックアップ装置10は、コンパクトディスク(CD)
1aおよび各種のデジタル・バーサタイル・ディスク
(DVD−ROM,DVD−RAM等)1bなどの種類
の異なる光記録媒体に対応できるようになっている。こ
の光ピックアップ装置10は、2波長半導体レーザ(レ
ーザダイオード:LD)11と、位相差板12と、2波
長半導体レーザ11側から順に配置された回折格子13
a,13bと、ビームスプリッタ14と、コリメータレ
ンズ15と、図示を省略した立ち上げミラーと、対物レ
ンズ16と、センサレンズ17と、光検出器(PD−I
C:フォトダイオード集積回路)18とを有している。
【0016】2波長半導体レーザ11は波長の異なる2
つの光源を構成し、CD再生用の波長785nmのレー
ザ光とDVD再生用の波長655nmのレーザ光を出力
する。この2波長半導体レーザ11の光出力は再生クラ
ス(例えば5mW)である。この2波長半導体レーザ1
1は、半導体基板(半導体レーザ本体)を金属製等の筺
体(ケース)に封止し、筺体に設けられたレーザ窓部か
ら各レーザ光が射出されるようになっている。不図示の
バックモニタで2波長半導体レーザ11の射出光量を検
知し、半導体レーザに供給する電力をフィードバック制
御することで射出光量を自動制御(APC:自動パワー
コントロール)するようになっている。
【0017】図2は光源を構成する2波長半導体レーザ
11の概略構造を示す斜視図である。図2は半導体基板
を封止する筺体を除いて、半導体レーザの本体部のみを
示している。半導体レーザ11は、例えばガリウム砒素
(GaAs)半導体基板11a上に波長785nm用導
波路11bおよび波長655nm用導波路11cが所定
の間隔で形成されており、各導波路の端部が各発光点1
1d,11eとなっている。CD用発光点11dからは
波長785nmのレーザ光が射出され、DVD用発光点
11eからは波長655nmのレーザ光が射出される。
【0018】符号LAは2つの光源の発光点の間隔を示
している。本実施の形態において、2つの光源の発光点
11d,11eの間隔LAは110μmである。半導体
レーザ11はフォトリソグラフィ工程で製造されるた
め、間隔LAは高精度に形成され誤差が少ない。
【0019】各発光点11d,11eから射出されたレ
ーザ光は不図示の筺体に形成されたレーザ窓から筺体外
部へ射出される。この2波長半導体レーザ11は、波長
655nm(DVD用)のレーザ光を自励発振モードで
発振させ、波長785nm(CD用)のレーザ光をゲイ
ンガイド型マルチモードで発振させる。なお、2波長半
導体レーザ11は、各波長のレーザ光をシングルモード
で発振させるものでもよい。
【0020】図1に示す位相差板12は1/4波長板で
あり、位相差板12により直線偏光の光ビームを円偏光
に変換する。一般にDVDの高速再生には円偏光が望ま
しいとされている。本実施の形態では、位相差板12と
して薄いガラス板に機能性フィルムを貼り付けたものを
用いている。この位相差板12は、直線偏光の光の偏光
面に対し光学軸が45度傾くように設置する。
【0021】回折格子13aは、例えば半導体レーザ1
1側の面にDVD用の格子面が形成され、回折格子13
bは、ビームスプリッタ14側の面にCD用の格子面が
形成されている。回折格子13a,13bでの分割光量
比率は、DVD/CDともに例えば、1(+1次光):
6(0次光):1(−1次光)である。格子ピッチは、
例えばDVD側が21.2μm、CD側が31.0μm
である。DVD格子面はCD波長(785nm)では回
折しないように、また、CD格子面はDVD波長(65
5nm)では回折しないように波長選択性を持たせてい
る。この排他的な作用(波長選択性)は、通常の回折格
子よりも溝深さを深くするともに、格子間隔のデューテ
ィ比を0.5からずらした格子形状とすることで実現し
ている。
【0022】ビームスプリッタ14は、半導体レーザ1
1側からの光ビームを光記録媒体方向へ反射させ、ま
た、光記録媒体からの反射光を光検出器18側へ透過さ
せるもので、いわゆるハーフミラーの機能を有するもの
である。図1では立方体状のビームスプリッタ14を例
示している。
【0023】コリメータレンズ15は、光源である半導
体レーザ11からの発散光線束を平行光線束に変換して
対物レンズ16に導くとともに、対物レンズ16からの
平行光線束を集束光線束に変換して光検出器18へ導く
ものである。本実施の形態では、プラスチック射出成型
による両面が非球面型のコリメータレンズを用いてい
る。
【0024】図示を省略した立ち上げミラーは、コリメ
ータレンズ15からの平行光線束を対物レンズ16の方
向へ反射させ、また、対物レンズ16からの平行光線束
をコリメータレンズ15側へ反射させるものである。本
実施の形態では立ち上げミラーとして平面状のミラーを
用いている。折り曲げ角度(反射角度)は90度であ
る。
【0025】図3は対物レンズの構造図であり、図3
(a)は正面図を示し、図3(b)は側面図を示してい
る。なお、図3(b)では各ディスク(光記録媒体)1
a,1bの側面も併せて示している。なお、図3(b)
において、符号Kaはコンパクトディスク(CD)の情
報記録面、符号KbはDVDの情報記録面である。符号
taはコンパクトディスク(CD)の厚さ(ta=1.
2mm)、符号tbはDVDの厚さ(tb=0.6m
m)である。
【0026】本実施の形態による光ピックアップ装置1
0では、対物レンズ16として2重焦点回折型の対物レ
ンズを用いている。この対物レンズ(2重焦点回折対物
レンズ)16は、光学プラスチック材料を射出成型して
作製されている。図3(b)に示すように、対物レンズ
16は両面が非球面に形成されている。図3(a)に示
すように、曲率の大きいレンズ面(立ち上げミラー側、
すなわち光記録媒体とは反対側)には、断面が鋸歯状の
多数の同心円輪帯16cからなる回折格子が形成されて
いる。なお、当該回折格子に代えてホログラフィック回
折格子をレンズ面に形成してもよい。同心円輪帯16c
のレンズ面中心側領域はCD/DVD兼用領域16aで
あり、その外周側の領域はDVD専用領域16bであ
る。対物レンズ16はCD用(波長785nm)の光ビ
ームをCD1aの情報記録面Kaに集束させ、また、D
VD用(波長655nm)の光ビームをDVD1bの情
報記録面Kbに集束させる。
【0027】各ディスク(光記録媒体)1a,1bは、
情報記録面Ka,Kbをポリカーボネート等からなる保
護膜で保護している。保護膜の厚さ(ほぼ光記録媒体の
厚さに相当する)は光記録媒体の種類毎に異なる。保護
膜の厚さに依存して入射光の球面収差が変化するので、
光記録媒体の種類に応じて球面収差の量も異なる。そこ
で、2重焦点回折対物レンズ16を用いることで、光記
録媒体の種類による球面収差の相違を補正するようにし
ている。
【0028】なお、対物レンズ16は不図示のアクチュ
エータ組立(アクチュエータアッセンブリ)上にフォー
カス方向およびトラッキング方向(光記録媒体のラジア
ル方向)に移動自在に保持されている。そして、フォー
カスサーボ制御およびトラッキングサーボ制御によって
対物レンズ16の位置が制御されて、光ビームのスポッ
トを光記録媒体上の読み取り点に追従させることができ
るようになっている。
【0029】センサレンズ17は本実施の形態による光
ピックアップ装置10において重要な部材であり、この
センサレンズ17によって以下に記す5つの機能が実現
される。センサレンズ17は、まず第1に、光源(物
点)と光検出器18の各受光部(像点)18a,18b
とがほぼ共役になるように調整(共役調整)し、フォー
カスオフセット調整を行う。第2は、非点収差法による
焦点(合焦)検出のために、非点収差を光ビーム(読み
出し光)に付与する。第3は、ビームスプリッタ14で
発生した不都合な非点収差を取り除く。第4は、光検出
器18上のスポットを大きくし、光検出器18の位置調
整精度を±5μm程度に緩和して、光検出器18の位置
調整を容易にする。第5は、ビームスプリッタ14で発
生した不都合なコマ収差を取り除く。不都合なコマ収差
を取り除くことで、DVD−RAM再生信号の品質を向
上させることができる。
【0030】図4はセンサレンズ17の一構造例であ
り、図4(a)は正面図、図4(b)は一方の側断面
図、図4(c)は他方の側断面図、図4(d)は図4
(a)のA−A’線断面図、図4(e)は図4(a)の
B−B’線断面図である。センサレンズ17は、上記の
各種の機能を実現するために次に示す構成をとってい
る。図4(b)に示すように、センサレンズ17のビー
ムスプリッタ14側の面は、光検出器18側のNA(レ
ンズの開口数)を下げて共役調整を容易にするため凹レ
ンズ17bになっている。。
【0031】また、センサレンズ17の光検出器18側
の面はシリンドリカル凹レンズ17aとしている。シリ
ンドリカル凹レンズ17aは、非点収差発生素子として
機能する。シリンドリカル凹レンズ17aのシリンドリ
カル面の方向は、非点収差法に必要な非点収差の方向
と、ビームスプリッタ14が平行平板形状の場合におけ
る非点収差補正に必要な非点収差の方向とを勘案して決
定される。
【0032】なお、センサレンズ17は、光学性プラス
チックを射出成型によって作製しており、位置調整用ピ
ン穴17cおよび位置調整用ガイドも一体成型されてい
る。
【0033】一般に、集束光線束の光路中に透明平行平
板やレンズ等を光軸に対して斜めに配置するとコマ収差
が発生する。コマ収差があると、後程説明するプッシュ
プル法等で信号を再生した際にプッシュプルバランスが
くずれてしまう。そこで、図4(e)に示すように、発
生しているコマ収差を打ち消すようにセンサレンズ17
のレンズ面を光軸に対して傾斜させてコマ収差を除去す
るようにしている。
【0034】図1に示すように、受光素子を含む光検出
器(PD−IC)18は、コンパクトディスク1aから
の反射光の受光部(CD用)18aと、DVD1bから
の反射光の受光部(DVD用)18bとを備える。図中
の符号LBは各受光部18a,18bの間隔である。各
受光部18a,18bの間隔LBを各発光点11d,1
1eの間隔LAよりも広く設定している点が本実施の形
態による光ピックアップ装置の特徴である。より具体的
には、各受光部18a,18bの間隔LBは、各発光点
11d,11eの間隔LAの1.1倍〜1.6倍程度に
している。すなわち、LA=(1/β)・LBの関係に
おいてβ=1.1〜1.6としている。
【0035】光検出器(PD−IC)18は、メインビ
ームおよびサブビームをそれぞれ受光してメインビーム
およびサブビームのそれぞれに対応した電流信号に変換
する受光部(PD:フォトダイオード部またはフォトデ
ィテクト部)と、受光部で発生した電流信号を電圧信号
に変換して所定の演算を施して各種信号(再生信号(R
F信号)、フォーカス誤差信号、トラッキング誤差信号
等)を生成し出力する演算部(IC部)とを有してい
る。本実施の形態では、受光部および演算部(IC部)
をモノリシックICで構成し、このモノリシックICを
例えば14ピンのCOB(チップ・オン・ボード)パッ
ケージに封入している。
【0036】図5は光検出器の受光部の受光素子パター
ン構成を示す図である。光検出器(PD−IC)18
は、CD用受光部18aとDVD用受光部18bとを備
える。図5中の符号LBは、CD用受光部18aの中心
点とDVD用受光部18bの中心点との間隔である。本
実施の形態において、この間隔LBは152μmとして
いる。したがって、発光点の間隔LA(110μm)に
対して受光部の間隔LB(152μm)は約1.38倍
となる。言い換えれば、LA=(1/β)・LBの関係
においてβ=1.38である。
【0037】CD用受光部18aは、メインビーム受光
素子パターン部18a1と、第1のサブビーム受光素子
パターン部18a2と、第2のサブビーム受光素子パタ
ーン部18a3とを備える。メインビーム受光素子パタ
ーン部18a1は、田の字状に4分割された4個のメイ
ンビーム受光素子パターンA,B,C,Dからなる。
【0038】CD用受光部18aの第1のサブビーム受
光素子パターン部18a2は、図示の上下方向に2分割
された各サブビーム受光素子パターンE1,E2からな
る。メインビーム受光素子パターン部18a1に近い側
のサブビーム受光素子パターンE1は、遠い側のサブビ
ーム受光素子パターンE2よりも面積が広く設定されて
いる。第1のサブビーム受光素子パターン部18a2
は、メインビーム受光素子パターン部18a1に対して
図中左方向に少しずらされて配置されている。
【0039】CD用受光部18aの第2のサブビーム受
光素子パターン部18a3は、図示の上下方向に2分割
された各サブビーム受光素子パターンF1,F2からな
る。メインビーム受光素子パターン部18a1に近い側
のサブビーム受光素子パターンF2は、遠い側のサブビ
ーム受光素子パターンF2よりも面積が広く設定されて
いる。第2のサブビーム受光素子パターン部18a3
は、メインビーム受光素子パターン部18a1に対して
図中右方向に少しずらされて配置されている。なお、本
実施の形態では、各受光素子パターン部内における各受
光素子パターンの分割間隔はそれぞれ4μm程度として
いる。
【0040】DVD用受光部18bは、メインビーム受
光素子パターン部18b1と、第1のサブビーム受光素
子パターン部18b2と、第2のサブビーム受光素子パ
ターン部18b3とを備える。メインビーム受光素子パ
ターン部18b1は、田の字状に4分割された4個のメ
インビーム受光素子パターンa,b,c,dからなる。
【0041】DVD用受光部18bの第1のサブビーム
受光素子パターン部18b2は、田の字状に4分割され
た4個のサブビーム受光素子パターンe1,e2,e
3,e4からなる。この第1のサブビーム受光素子パタ
ーン部18b2は、メインビーム受光素子パターン部1
8b1に対して図中左方向に少しずらされて配置されて
いる。第2のサブビーム受光素子パターン部18b3
は、田の字状に4分割された4個のサブビーム受光素子
パターンf1,f2,f3,f4からなる。この第2の
サブビーム受光素子パターン部18b3は、メインビー
ム受光素子パターン部18b1に対して図示右方向に少
しずらされて配置されている。なお、本実施の形態で
は、各受光素子パターン部内における各受光素子パター
ンの分割間隔はそれぞれ4μm程度としている。
【0042】さらに、DVD用受光部18bのメインビ
ーム受光素子パターン部18b1は、CD用受光部18
a1のメインビーム受光素子パターン部18a1に対し
て図中下方向に少しずらされて配置されている。
【0043】図6は光検出器(PD−IC)の動作様式
の説明図である。図6は光記録媒体(ディスク)の種類
(DVD−ROM,DVD−RAM,CD−ROMおよ
びCD−RWの3区分)と、再生に使用する受光素子
と、フォーカス誤差検出方法およびトラッキング誤差検
出方法との関係を表形式にしたものである。なお、図6
では光ビームスポットを表わす丸印を付けることで再生
に使用する受光素子を示している。
【0044】DVD−ROMを再生する場合は、DVD
用受光部のメインビーム受光素子パターンa,b,c,
dのみを使用する。フォーカス誤差検出(FES)は非
点収差法を用いて行う。各受光素子パターンa,b,
c,dの出力をそれぞれVa,Vb,Vc,Vdとする
と、非点収差法によるフォーカス誤差検出出力FESは
次式で示される。 FES=(Va+Vc)−(Vb+Vd)
【0045】DVD−ROMの再生に際してトラッキン
グ誤差検出(RES)は位相差法を用いて行う。位相差
法は、トラックずれが生じるとピットによる振幅変調に
加えて位相変調も検出できることを利用してトラッキン
グ誤差を検出する。なお、DVD−ROMのみを再生す
る場合は、サブビームが不要であるので回折格子13
a,13bは不要である。
【0046】DVD−RAMを再生する場合は、DVD
用受光部の全ての受光素子パターンを使用する。フォー
カス誤差検出(FES)は差動非点収差法を用いて行
う。DVD−RAMはディスク面に形成されたランドと
グルーブが等幅であり、通常の非点収差法では溝横断ノ
イズが発生する。この溝横断ノイズはメインビームとサ
ブビームで逆位相となるので、メインビームによる検出
出力とサブビームによる検出出力を加算することで溝横
断ノイズを除去することができる。そこで、メインビー
ムとサブビームの双方を用いて非点収差検出を行う。各
受光素子パターンa〜d,e1〜e4,f1〜f4の出
力をそれぞれVa〜Vd,Ve1〜Ve4,Vf1〜V
f4とすると、差動非点収差法(DAD)によるフォー
カス誤差検出出力DAD−FESは次式で示される。な
お、次式において、kは係数である。 DAD−FES={(Va+Vc)−(Vb+Vd)}
+k{(Vf1+Vf3+Ve1+Ve3)−(Vf2
+Vf4+Ve2+Ve4)}
【0047】DVD−RAMの再生に際してトラッキン
グ誤差(RES)の検出は差動プッシュプル法を用いて
行う。DVD−RAMのディスク面はランド−グルーブ
構造であるため3ビーム法を適用できない。また、DV
D−RAMは千鳥状のエンボスピットによって記録され
たアドレス情報(CAPA)を再生するためにプッシュ
プル出力が必要である。一方、単純プッシュプル法は、
メインビームのみでトラッキング誤差を検出するため調
整が簡単であるがラジアルシフト特性が悪い。差動プッ
シュプル法(DPP)は、メインビームのプッシュプル
出力とサブビームのプッシュプル出力とがラジアル方向
のシフトによりオフセットを生じた場合でも、サブビー
ムのプッシュプル出力波形を上下反転させて同相の2信
号を加算することで、ラジアルシフト特性が改善された
良好なトラッキング誤差出力が得られる。なお、この差
動プッシュプル法(DPP)では、各サブビームがメイ
ンビームに対してそれぞれトラックピッチの±1/2周
期ずれていることが前提条件となる。
【0048】CD−ROMおよびCD−RWを再生する
場合は、CD用受光部の各受光素子パターンA,B,
C,D,E1,E2,F1,F2を使用する。フォーカ
ス誤差検出(FES)は非点収差法を用いて行う。各受
光素子パターンA,B,C,Dの出力をそれぞれVA,
VB,VC,VDとすると、非点収差法によるフォーカ
ス誤差検出出力FESは次式で示される。 FES=(VA+VC)−(VB+VD)
【0049】CD−ROMおよびCD−RWの再生に際
してトラッキング誤差検出(RES)は3ビーム法を用
いて行う。3ビーム法はCD(コンパクトディスク)の
トラッキング検出法として広く用いられている。各サブ
ビームはメイントラックに対してそれぞれトラックピッ
チの1/4ピッチ分ずつずれて配置される。各受光素子
パターンE1,E2,F1,F2の出力をそれぞれVE
1,VE2,VF1,VF2とすると、3ビーム法によ
るトラッキング誤差検出出力(RES)は次式で示され
る。 FES=(VE1+VE2)−(VF1+VF2)
【0050】なお、3ビーム法では、第1のサブビーム
の受光素子パターン部を各サブビーム受光素子パターン
E1,E2に2分割しなくてもよく、同様に第2のサブ
ビームの受光素子パターン部を各サブビーム受光素子パ
ターンF1,F2に2分割しなくてもよい。
【0051】図1に示すように、2波長半導体レーザ1
1から射出された直線偏光の光ビーム(レーザ光)は、
位相差板12で円偏光に変えられた後に回折格子13
a,13bに入射し、トラッキング用の2つのサブビー
ム(+1次光,−1次光)とRF検出用及びフォーカシ
ング用のメインビーム(0次光)がビームスプリッタ1
4に入射する。ビームスプリッタ14に入射したメイン
ビームおよび各サブビームのそれぞれの約半分の光量の
光はビームスプリッタ14で反射して進行方向が90度
曲げられてコリメータレンズ15側へ射出する。コリメ
ータレンズ15に入射するメインビーム及び各サブビー
ムは発散光線束である。
【0052】コリメータレンズ15はビームスプリッタ
14側から入射した光ビーム(発散光線束)を平行光線
束に変換する。コリメータレンズ15から射出した光ビ
ーム(平行光線束)は図示を省略した立ち上げミラーに
よって光ビームの進行方向が光記録媒体(各ディスク1
a,1b)のディスク面(記録面)にほぼ直交する方向
へ変更されて、対物レンズ16に入射し、対物レンズ1
6で集束光線束となって各光記録媒体1a,1bの情報
記録面にスポット光として照射される。
【0053】各ディスク(光記録媒体)1a,1bで反
射された反射光は、対物レンズ16、不図示の立ち上げ
ミラー、コリメータレンズ15の順でビームスプリッタ
14に至り、約半分の光量の光がビームスプリッタ14
を透過する。ビームスプリッタ14を透過した光は、セ
ンサレンズ17を介して光検出器(PD−IC)18へ
至り、光検出器(PD−IC)18で電気信号に変換さ
れる。
【0054】本実施の形態において、光源11より射出
した光ビームを光記録媒体へ導く光学系は、位相差板1
2と回折格子13a,13bとビームスプリッタ14と
コリメータレンズ15と図示しない立ち上げミラーと対
物レンズ16とで構成される。また、光記録媒体で反射
された光ビームを受光素子18へ導く光学系は、対物レ
ンズ16と不図示の立ち上げミラーとコリメータレンズ
15とビームスプリッタ14とセンサレンズ17とで構
成される。そして、ビームスプリッタ14とコリメータ
レンズ15と不図示の立ち上げミラーと対物レンズ16
とが、上記両光学系での共用部分(共通光路)となる。
位相差板12と回折格子13a,13bとは投光専用で
あり非共用部分である。また、ビームスプリッタ14か
ら光検出器(PD−IC)18へ至る光路(光学系)は
受光専用でありこれも非共用部分である。本実施の形態
による光ピックアップ装置10は、上記非共用部分の中
で受光専用の光学系の光路(具体的にはビームスプリッ
タ14から光検出器18へ至る光路)に、光記録媒体で
反射された光ビームの合焦位置を光学的に調整するため
の反射光合焦位置調整部としてのセンサレンズ17を設
けたことを特徴としている。
【0055】さらに、ビームスプリッタ14と光検出器
(PD−IC)18との間に設けられた(言い換えれば
光検出器(PD−IC)18の前段に設けられた)セン
サレンズ17は、光記録媒体からの反射光(読み出し
光)に非点収差を発生させるとともに、反射光(読み出
し光)を所定の光学系倍率で拡大させて各受光部18
a,18b上に結像させるようになっている。反射光合
焦位置調整部を構成するセンサレンズ17は、より具体
的には負の屈折率を有するレンズである。なお、センサ
レンズ17は、負の屈折率を有するレンズ作用を発生さ
せるホログラム等で構成してもよい。
【0056】さらに、センサレンズ17は、不図示の光
ピックアップハウジング内に光軸方向に移動可能に取り
付けられている。そして、センサレンズ17を光軸方向
へ移動させることで、光源(各発光点11d,11e)
と受光素子(各受光部18a,18b)とで共役の関係
を実現する調整機構を構成する。なお、センサレンズ1
7は、光記録媒体からの反射光(読み出し光)が光検出
器18の受光部18a,18b上に合焦するようにセン
サレンズ17の位置が調整された後に、接着剤等を用い
て図示しない光ピックアップハウジング内に接着固定さ
れる。
【0057】センサレンズ17の位置を光軸方向におい
て調整することで光記録媒体に記録された信号を再生す
る場合の光学系倍率は変化するが、一方の光源を使用し
て光記録媒体に記録された第1の信号を再生する場合の
光学系倍率と、他方の光源を使用して光記録媒体に記録
された第2の信号を再生する場合の光学系倍率とは等し
い。すなわち、第1の光源(波長785nm)を用いて
コンパクトディスク1aを再生した際の光学系倍率と第
2の光源(波長655nm)を用いてDVD1bを再生
した際の光学系倍率とは同じ値である。
【0058】以上説明したように本実施の形態による光
ピックアップ装置10は、種類の異なる光記録媒体に対
応して波長の異なる複数の光を射出する光源と、各光記
録媒体に対応した複数の受光部とを備えており、発光点
の間隔LAよりも受光部の間隔LBを大きくするととも
に、受光部を構成する光検出器(PD−IC)18の前
段側にセンサレンズ17を設ける構成としたので、セン
サレンズ17の光軸方向の位置を調整することで、光源
−受光素子の共役調整を容易に行うことができる。これ
により、光記録媒体上で合焦なのに受光部で合焦になら
ないというフォーカスオフセットの発生、またはその逆
に受光部上で合焦なのに光記録媒体上で合焦にならない
というフォーカスオフセットの発生を解消することがで
きる。よって、ハウジング等の寸法精度を一般公差程度
に緩和し且つ組み付け精度を緩和しても良好な再生信号
品質を確保できるようにした光ピックアップ装置を提供
することができる。
【0059】そして、本実施の形態による光ピックアッ
プ装置10を用いて光再生装置を構成することで、種類
の異なる光記録媒体に対応した光再生装置を経済的に提
供することができる。
【0060】図7は、本実施の形態による光ピックアッ
プ装置10を搭載した光再生装置50の概略構成を示し
ている。光再生装置50は、図7に示すように光記録媒
体100を回転させるためのスピンドルモータ52と、
光記録媒体100にレーザビームを照射するとともにそ
の反射光を受光する光ピックアップ装置10と、スピン
ドルモータ52及び光ピックアップ装置10の動作を制
御するコントローラ54と、光ピックアップ装置10に
レーザ駆動信号を供給するレーザ駆動回路55と、光ピ
ックアップ装置10にレンズ駆動信号を供給するレンズ
駆動回路56とを備えている。
【0061】コントローラ54にはフォーカスサーボ追
従回路57、トラッキングサーボ追従回路58及びレー
ザコントロール回路59が含まれている。フォーカスサ
ーボ追従回路57が活性化すると、回転している光記録
媒体100の記録面にフォーカスがかかった状態とな
り、トラッキングサーボ追従回路58が活性化すると、
光記録媒体100の偏芯している信号トラックに対し
て、レーザビームのスポットが自動追従状態となる。フ
ォーカスサーボ追従回路57及びトラッキングサーボ追
従回路58には、フォーカスゲインを自動調整するため
のオートゲインコントロール機能及びトラッキングゲイ
ンを自動調整するためのオートゲインコントロール機能
がそれぞれ備えられている。また、レーザコントロール
回路59は、レーザ駆動回路55により供給されるレー
ザ駆動信号を生成する回路であり、光記録媒体100に
記録されている記録条件設定情報に基づいて、適切なレ
ーザ駆動信号の生成を行う。
【0062】これらフォーカスサーボ追従回路57、ト
ラッキングサーボ追従回路58及びレーザコントロール
回路59については、コントローラ54内に組み込まれ
た回路である必要はなく、コントローラ54と別個の部
品であっても構わない。さらに、これらは物理的な回路
である必要はなく、コントローラ54内で実行されるソ
フトウェアであっても構わない。なお、光再生装置50
は記録機能を備えた光記録再生装置に含まれていても、
あるいは記録機能を有していない再生専用の装置であっ
てもよい。
【0063】図8は本実施の形態による他の光ピックア
ップ装置の模式構造図である。図8に示す光ピックアッ
プ装置20は、2波長半導体レーザ21から射出された
光ビームの光軸を、対物レンズ26から光検出器(PD
−IC)28に至る反射光の光軸に直交する方向に対し
て所定の角度傾けることで、光ピックアップ装置20の
幅方向(反射光側の光学系の光軸に直交する方向)の寸
法を小さくして、光ピックアップ装置20のさらなる小
型化を図ったものである。
【0064】この光ピックアップ装置20の構成および
作用は図1に示した光ピックアップ装置10と基本的に
同じである。なお図8では、2波長半導体レーザ21か
ら射出されたレーザ光が位相差板22で反射してレーザ
21に戻ることを防止するため、位相差板22は傾けて
配置した例を示している。符号LAは第1の発光点21
dと第2の発光点21eとの間隔である。符号LBは各
受光部の間隔である。
【0065】この光ピックアップ装置20では、ビーム
スプリッタ24として平行平板形状の基材を用いてい
る。ビームスプリッタ24の一方の面(2波長半導体レ
ーザ21側の面)24aにはハーフミラー膜が形成され
ている。また、ビームスプリッタ板24の他方の面(光
検出器28側の面)24bには有害反射防止膜が形成さ
れている。
【0066】2波長半導体レーザ21から射出された光
ビームは、位相差板22、回折格子23a,23bを介
してビームスプリッタ板24の一方の面24aに入射
し、一部がビームスプリッタ24で反射する。ビームス
プリッタ24で反射した光ビームは、コリメータレンズ
25で平行光線束に変換され、立ち上げミラー(不図
示)によって紙面垂直方向に折り曲げられ、対物レンズ
(2重焦点回折型対物レンズ)26で集束されて不図示
の光記録媒体の情報記録面に光スポットとして照射され
る。
【0067】不図示の光記録媒体で反射された反射光ビ
ームは、対物レンズ26、立ち上げミラー(不図示)、
コリメータレンズ25を経由してビームスプリッタ24
に至り、一部がビームスプリッタ24を透過する。ビー
ムスプリッタ24を透過した反射光ビームは、センサレ
ンズ27を介して光検出器(PD−IC)28の各受光
部28a,28bに入射し、各受光部28a,28bに
よって反射光ビーム強度が検出される。
【0068】センサレンズ27の位置を光軸方向に調整
することで、各受光部28a,28b上に各受光部に対
応する波長の反射光ビームを合焦させることができる。
これにより、光源−受光素子の共役調整がなされる。フ
ォーカスオフセットの発生が解消されるので、種類の異
なるいずれの光記録媒体も良好に再生できる。
【0069】各発光点の間隔LAに対して各受光部の間
隔LBを1.1倍〜1.6倍程度に設定することで、光
ピックアップ装置20の全体寸法をそれほど大きくする
ことなく、光源−受光素子の共役調整を容易に行うこと
ができる。すなわち、センサレンズ27の位置調整に対
して高い精度が要求されることなく、共役調整を行うこ
とができる。したがって、センサレンズ27の位置を自
動で調整する場合でも高い位置制御精度が要求されるこ
とがなく、共役自動調整装置や共役調整治具等を経済的
に実現できる。なお、上記実施の形態では、1パッケー
ジ内に格納された2波長半導体レーザを光源として用い
ているが、本発明はこれに限られない。例えば、3種類
以上の波長の光を射出する半導体レーザを1パッケージ
内に格納した光源を備えた光ピックアップ装置におい
て、各2波長の組に対して本発明を適用することができ
る。
【0070】
【発明の効果】以上説明したように本発明に係る光ピッ
クアップ装置および光再生装置によれば、寸法精度や組
み付け精度を緩和しても調整ずれをなくすことができ、
ジッター等の発生が少ない良好な再生信号を得ることが
できる。これにより、再生信号特性が良好な光ピックア
ップ装置および光再生装置を経済的に提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態による光ピックアップ装
置の模式構造図である。
【図2】光源を構成する2波長半導体レーザ(レーザダ
イオード)の概略構造を示す斜視図である。
【図3】対物レンズの構造図であり、図3(a)は正面
図、図3(b)は側面図である。
【図4】センサレンズの構造図であり、図4(a)は正
面図、図4(b)は一方の側断面図、図4(c)は他方
の側断面図、図4(d)は図4(a)のA−A’線断面
図、図4(e)は図4(a)のB−B’線断面図であ
る。
【図5】光検出器の受光部の受光素子パターン構成を示
す図である。
【図6】光検出器(PD−IC)の動作様式の説明図で
ある。
【図7】本発明の一実施の形態による光ピックアップ装
置を搭載した光再生装置の概略構成を示す図である。
【図8】本発明の一実施の形態における他の光ピックア
ップ装置の模式構造図である。
【符号の説明】
1a コンパクトディスク(CD) 1b デジタル・バーサタイル・ディスク(DVD) 10,20 光ピックアップ装置 11,21 2波長半導体レーザ(光源) 11d,11e,21d,21e 発光点 12,22 位相差板 13a,13b,23a,23b 回折格子 14,24 ビームスプリッタ 15,25 コリメータレンズ 16,26 対物レンズ(2重焦点回折型対物レンズ) 17,27 センサレンズ(反射光合焦位置調整部,負
の屈折率を有するレンズ) 17a シリンドリカル凹レンズ 17b 凹レンズ 17c 位置調整用ピン穴 18,28 光検出器(PD−IC) 18a,28a CD用受光部 18b,28b DVD用受光部 18a1,18b1 メインビーム受光素子パターン部 18a2,18a3,18b2,18b3 サブビーム
受光素子パターン部 50 光再生装置 52 スピンドルモータ 54 コントローラ 55 レーザ駆動回路 56 レンズ駆動回路 57 フォーカスサーボ追従回路 58 トラッキングサーボ追従回路 59 レーザコントロール回路 100 光記録媒体 LA 発光点の間隔 LB 受光部の間隔
フロントページの続き Fターム(参考) 5D119 AA39 AA41 BA01 BB01 BB02 BB04 DA01 DA05 EA02 EA03 EC45 EC47 FA05 FA08 JA09 KA20 LB09 5D789 AA39 AA41 BA01 BB01 BB02 BB04 DA01 DA05 EA02 EA03 EC45 EC47 FA05 FA08 JA09 KA20 LB09

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】同一筺体内に設けられた波長の異なる2つ
    の光源と、前記光源から射出した光ビームを光記録媒体
    の記録面へと導く光学系と、前記光記録媒体で反射され
    た光ビームを所定方向に導く光学系と、前記光ビームを
    受光する受光素子とを備えた光ピックアップ装置であっ
    て、 前記2つの光源の発光点の間隔LAと、前記受光素子上
    の2つの受光部の間隔LBとが、LA<LBであること
    を特徴とする光ピックアップ装置。
  2. 【請求項2】請求項1記載の光ピックアップ装置であっ
    て、 前記2つの光源の発光点の間隔LAと前記受光素子上の
    2つの受光部の間隔LBとの関係をLA=(1/β)・
    LBとしたときに、1.1<β<1.6であることを特
    徴とする光ピックアップ装置。
  3. 【請求項3】請求項1又は2に記載の光ピックアップ装
    置であって、 前記光源より射出した光ビームを前記光記録媒体へ導く
    光学系と前記光記録媒体で反射された光ビームを前記受
    光素子へ導く光学系との非共用部分で且つ前記光記録媒
    体で反射された光ビームを前記受光素子へ導く光学系の
    光路上に、 前記光記録媒体で反射された光ビームの合焦位置を光学
    的に調整するための反射光合焦位置調整部を設けたこと
    を特徴とする光ピックアップ装置。
  4. 【請求項4】請求項3記載の光ピックアップ装置であっ
    て、 前記反射光合焦位置調整部は、負の屈折率を有するレン
    ズを備えることを特徴とする光ピックアップ装置。
  5. 【請求項5】請求項4に記載の光ピックアップ装置であ
    って、 前記反射光合焦位置調整部は、前記負の屈折率を有する
    レンズを光軸方向へ移動させることで前記光源と前記受
    光素子とが共役の関係になる調整機構を備えることを特
    徴とする光ピックアップ装置。
  6. 【請求項6】請求項1乃至5のいずれか1項に記載の光
    ピックアップ装置であって、 一方の光源を使用して前記光記録媒体に記録された第1
    の信号を再生する場合の光学系倍率と、他方の光源を使
    用して前記光記録媒体に記録された第2の信号を再生す
    る場合の光学系倍率とが等しいことを特徴とする光ピッ
    クアップ装置。
  7. 【請求項7】請求項1乃至6のいずれか1項に記載の光
    ピックアップ装置を備えることを特徴とする光再生装
    置。
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KR101275322B1 (ko) * 2012-02-01 2013-06-17 도시바삼성스토리지테크놀러지코리아 주식회사 광픽업 및 이를 적용한 광정보저장매체 시스템

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