JP3842685B2 - オートテンショナおよびそれを備えたエンジン - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ベルト駆動機構の伝動ベルトの張力を自動的に適度に保つためのオートテンショナに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種のオートテンショナは、例えば特開平10−213197号公報に開示されているように、ベースおよび揺動アーム間に捻りコイルバネを予め縮径および圧縮させながら介装する。そして、捻りコイルバネの軸方向の付勢力(伸張方向復元力)により揺動アームのボス部と摩擦板とを圧接させると共に、捻りコイルバネの周方向の付勢力(捻り復元力)により揺動アームおよびプーリをその揺動方向の一側に向けて付勢し、揺動アームに回転自在に設けられたプーリに張力を付与するように構成されている。
【0003】
このような構成により、オートテンショナは、ボス部および摩擦板間に生じた摩擦力と捻り復元力とで減衰力を発生させ、この減衰力により伝動ベルトの張力の緊張・弛緩の変動に応じたプーリの動きを許容しつつ、伝動ベルトからの激しい振動や衝撃を減衰することが可能になっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の構成では、揺動アームのボス部と摩擦板とを伸張方向復元力で圧接させることにより摩擦力を得るようになっているため、常に一定の摩擦力しか発生させることができない。
【0005】
これにより、例えば伝動ベルトの張力が大幅に増加することによって、揺動アームが進み揺動方向に大きく揺動する場合には、大きな摩擦力と戻り揺動方向の捻り復元力とを合計した大きな減衰力で減衰できることが望ましい。ところが、この場合には、伝動ベルトの張力が減少して揺動アームが戻り揺動方向に揺動するときに、揺動アームを戻り揺動方向に揺動させる捻り復元力の作用が摩擦力により大幅に減少されるため、揺動アームの揺動を伝動ベルトの張力変動に対して十分に追従させることができないという問題が生じることになる。一方、小さな摩擦力に設定した場合には、揺動アームの追従性を高くすることができるが、伝動ベルトの張力が大幅に増加する事態に対応することができない。
【0006】
そこで、本発明は上記課題に鑑みなされたものであり、張力変動幅の大きな伝動ベルトにも十分に適用可能な大きな減衰力を発生させることができると共に、張力変動速度の大きな伝動ベルトにも高い追従性を発揮して適応することができるオートテンショナおよびそれを備えたエンジンを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、請求項1の発明は、伝動ベルトの張力変動を減衰するオートテンショナにおいて、芯部が立設されたベースと、前記芯部に回転自在に外挿され、前記ベースに向かって延在するボス部を有した揺動アームと、前記芯部を揺動中心として揺動するように前記揺動アームに回転自在に設けられ、前記伝動ベルトが掛けられるプーリと、前記ボス部の周囲に設けられ、前記伝動ベルトが張力を減少させたときの前記揺動アームの戻り揺動方向に捻り復元力を付与する捻りコイルバネと、一端が前記ベースに固定され、前記伝動ベルトが張力を増加させたときの前記揺動アームの進み揺動方向に、前記ボス部に対して前記一端から他端にかけて螺旋状に巻き付けられた帯状摩擦部材であって、前記揺動アームの揺動開始前に初期巻付力を有して前記ボス部に巻き付けられ、前記揺動アームが前記進み揺動方向に揺動すると前記ボス部に大きな巻付力で巻き付き、前記揺動アームが前記戻り揺動方向に揺動すると前記ボス部に小さな巻付力で巻き付く帯状摩擦部材とを有することを特徴としている。
【0008】
上記の構成によれば、伝動ベルトの張力が増加することによって、揺動アームが進み揺動方向に揺動すると、捻りコイルバネにより戻り揺動方向への捻り復元力が揺動アームに付与される。また、帯状摩擦部材とボス部との関係においては、帯状摩擦部材がボス部に螺旋状に巻き付けられているため、Eulerの理論が成立する。そして、帯状摩擦部材がボス部に対して揺動アームの進み揺動方向に螺旋状に巻き付けられているため、揺動アームが進み揺動方向に揺動すると、帯状摩擦部材は、ボス部との摩擦力により揺動角度の増加に伴ってボス部に大きな巻付力で巻き付くことになる。この結果、揺動アームが進み揺動方向に揺動するときには、捻りコイルバネの捻り復元力と帯状摩擦部材の大きな巻付力に比例した大きな摩擦力とが揺動アームの揺動を阻止するように作用する。これにより、伝動ベルトの張力が急激に大幅に増加する事態になっても、この張力の増加を十分に減衰させることができる。
【0009】
一方、伝動ベルトの張力が減少することによって、揺動アームが戻り揺動方向に揺動すると、帯状摩擦部材がボス部から巻き戻されるため、巻付力が減少し、摩擦力も巻付力に比例して減少する。この結果、揺動アームは、捻りコイルバネの捻り復元力の作用を強く受ける結果、伝動ベルトの張力が急激に減少する事態になっても、この張力の減少に対して揺動アームの戻り揺動方向への揺動を十分に追従させることができる。これにより、本発明によれば、張力変動幅の大きな伝動ベルトにも十分に適用可能な大きな減衰力を発生させることができると共に、張力変動速度の大きな伝動ベルトにも高い追従性を発揮して適応することができる。
【0010】
請求項2の発明は、請求項1に記載のオートテンショナであって、前記帯状摩擦部材は、巻き付き角度、幅、摩擦係数、前記ボス部との接触長さ、前記揺動アームの揺動開始前の初期巻付力を少なくとも減衰パラメータとして有し、これら減衰パラメータの一つ以上を調整することにより所望の減衰特性を示すように設定されていることを特徴としている。
【0011】
上記の構成によれば、伝動ベルトの張力変動の程度や状態に応じてオートテンショナを最適な減衰特性に調整することができる。
【0012】
請求項3の発明は、請求項1または2に記載のオートテンショナであって、前記帯状摩擦部材は、ポリアミド、超高分子量ポリエチレン、ポリテトラフルオロエチレンのいずれかの合成樹脂で形成されていることを特徴としている。
【0013】
上記構成によれば、帯状摩擦部材を一体成形により容易に形成することができる。
【0014】
請求項4の発明は、請求項1ないし3の何れか1項に記載のオートテンショナを備えたエンジンであることを特徴としている。
【0015】
上記構成によれば、出力変動の大きなエンジンであっても、このエンジンの伝動ベルトの弛みが十分に防止される。
【0016】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を図1ないし図3に基づいて以下に説明する。
図1に示すように、本実施の形態に係るオートテンショナ1は、例えばエンジン周りの隔壁や架台等の支持部材に固設されるベース2を備えている。ベース2は、平板状に形成された底面部2aと、底面部2aの中心部に立設された芯部2bと、芯部2bの外周部に立設された側壁部2cとを有している。芯部2bには、上面から下面にかけてベース挿通穴2dが形成されており、ベース挿通穴2dには、上方から図示しない締結ボルトが螺合されるようになっている。
【0017】
上記の芯部2bは、一端(図中上端)から他端(図中下端)にかけて僅かに外径を拡大した円錐形状の外周面を備えている。この芯部2bには、メタルブッシュや合成樹脂等の滑り軸受3が外挿されている。滑り軸受3は、芯部2bの外周面の上部から下部にかけて面状に当接するように円錐筒形状に形成されている。さらに、滑り軸受3には、揺動アーム4のボス部4aが外挿されている。ボス部4aは、滑り軸受3の外周面と面状に摺接するように形成された内周面を備えている。これにより、揺動アーム4は、ボス部4aが滑り軸受3を介して回転自在にベース2に支持された状態にされている。尚、本実施形態においては、オートテンショナ1がベース2の底面部2a側を下側として上下方向に配置された場合について説明するが、配置される方向はこれに限定されるものではなく、例えば左右方向や斜め方向に配置されていても良い。
【0018】
上記のボス部4aは、揺動アーム4の一部を構成している。揺動アーム4は、平板状の上面部4bと、上面部4bの内周部からベース2に向かって延在(垂下)された上述のボス部4aと、上面部4bの外周部からベース2の側壁部2cに向かって延在(垂下)された側壁部4cと、上面部4bの一端に設けられたプーリ支持部4dとを有している。
【0019】
上記の上面部4bには、スラストベアリング10と固定プレート11とがこの順に載置されている。固定プレート11は、上述のベース挿通穴2dに螺合された図示しない締結ボルトにより固定されている。これにより、揺動アーム4は、固定プレート11によりスラストベアリング10を介してベース2に上下方向に固定されていると共に、ベース2に対して回転自在にされている。また、プーリ支持部4dには、プーリ6が回転自在に設けられている。このプーリ6には、伝動ベルト7が巻き掛けられるようになっており、揺動アーム4は、伝動ベルト7の張力の増減に応じた角度でボス部4aを中心として揺動するようになっている。
【0020】
上記の揺動アーム4の側壁部4cとベース2の側壁部2cとは、先端部同士が近接した状態にされている。これら側壁部2c・4cの内部には、バネ収容空間5が形成されている。バネ収容空間5には、ボス部4aの周囲に巻回された捻りコイルバネ9が設けられている。捻りコイルバネ9は、一端部が揺動アーム4に連結されている一方、他端部がベース2に連結されている。これにより、捻りコイルバネ9は、伝動ベルト7が張力を減少させたときの揺動アーム4の戻り揺動方向に捻り復元力を付与するようになっている。
【0021】
また、捻りコイルバネ9の内周側には、帯状摩擦部材12が設けられている。帯状摩擦部材12は、下端部(一端)がベース2に固定されている一方、上端部(他端)が自由端とされている。また、帯状摩擦部材12は、下端部から上端部(他端)にかけて進み揺動方向に螺旋状にボス部4aに対して巻き付けられている。そして、この帯状摩擦部材12は、ボス部4aとの関係においてEulerの理論を成立させている。これにより、揺動アーム4が進み揺動方向に揺動した場合には、帯状摩擦部材12がボス部4aとの摩擦力により揺動角度の増加に伴ってボス部に大きな巻付力で巻き付き、この巻付力に比例した大きな摩擦力を発生させるようになっている。一方、揺動アーム4が戻り揺動方向に揺動した場合には、帯状摩擦部材12がボス部4aから巻き戻されるため、巻付力が減少し、摩擦力も巻付力に比例して減少させるようになっている。
【0022】
ここで、進み揺動方向とは、伝動ベルト7が張力を増加させたときの揺動アーム4が揺動する揺動方向のことである。また、戻り揺動方向とは、伝動ベルト7が張力を減少させたときの揺動アーム4が揺動する揺動方向のことである。
【0023】
また、Eulerの理論とは、Tt/Ts=EXP(μθ)の関係式で示されるものである。尚、Ttは、帯状摩擦部材12をボス部4aに巻き付けたときの張り側の張力のことをである。Tsは、帯状摩擦部材12をボス部4aに巻き付けたときの緩み側の張力のことをである。μは、摩擦係数のことである。θは、巻き付き角度のことである、そして、この理論によれば、帯状摩擦部材12の弾性や捻りコイルバネ9の押圧により帯状摩擦部材12をボス部4aに所定の押圧力で巻き付けておくと、このボス部4aの揺動アーム4を進み揺動方向に揺動させたときに、帯状摩擦部材12およびボス部4a間の摩擦力により強く巻き付いて一層大きな摩擦力が発生する一方、揺動アーム4を戻り揺動方向に揺動させたときに、帯状摩擦部材12がボス部4aから緩んで摩擦力が減少することが推測される。
【0024】
上記の帯状摩擦部材12は、ポリアミド、超高分子量ポリエチレン、ポリテトラフルオロエチレンの何れかの合成樹脂で形成されている。尚、帯状摩擦部材12は、全てが上記の合成樹脂からなることが、一体成形により容易に形成できる点で好ましいが、金属製の螺旋状に形成された板ばねに合成樹脂をライニングすることにより形成されていても良い。
【0025】
上記の構成において、オートテンショナ1の製造方法について説明する。
【0026】
先ず、オートテンショナ1が組み付けれるエンジンの出力変動等の仕様が調査され、この仕様に基づいてオートテンショナ1に要望される減衰特性が求められる。尚、減衰特性とは、揺動アーム4の進み揺動方向の揺動時に要求される減衰力(捻り復元力+摩擦力)と、揺動アーム4の戻り揺動方向の揺動時に要求される減衰力(捻り復元力−摩擦力)とをそれぞれ別々に示したものである。
【0027】
次に、帯状摩擦部材12の巻き付き角度、幅、摩擦係数、ボス部4aとの接触長さ、揺動アーム4の揺動開始前の初期巻付力を少なくとも減衰パラメータとし、所望の減衰特性となるように、これら減衰パラメータの一つ以上を調整する。そして、これら減衰パラ−メータからなる設計仕様が求められると、この設計仕様に対応した材質で帯状摩擦部材12が形成される。
【0028】
この後、ベース2の芯部2bに対して滑り軸受3と帯状摩擦部材12とがこの順に外挿され、帯状摩擦部材12の下端部がベース2に固定される。次いで、揺動アーム4のボス部4aが滑り軸受3と帯状摩擦部材12との間に介装される。そして、揺動アーム4の上面部4bにスラストベアリング10および固定プレート11がこの順に載置され、図示しない締結ボルトがベース挿通穴2dに螺合されることによって、スラストベアリング10が固定プレート11を介して固定される。これにより、ベース2に対して揺動アーム4が回動自在に連結される。そして、揺動アーム4のプーリ支持部4dにプーリ6が回転自在に取り付けられることによって、オートテンショナ1が作成される。
【0029】
上記のようにして製造されたオートテンショナ1の動作について説明する。
【0030】
先ず、オートテンショナ1のベース2が図示しない支持部材の嵌合穴に嵌合されて固定される。この後、図2に示すように、プーリ6に図示しないエンジン等の駆動機構の駆動軸に張設された伝動ベルト7が巻き掛けられる。そして、プーリ6が設けられた揺動アーム4は、捻りコイルバネ9の捻り復元力と伝動ベルト7の張力とに応じた所定の角度で揺動状態を維持する。
【0031】
駆動機構が駆動を開始した後、例えば伝動ベルト7の張力が増加した場合には、揺動アーム4が進み揺動方向に揺動する。この結果、捻りコイルバネ9により戻り揺動方向への捻り復元力が揺動アーム4に付与される。また、帯状摩擦部材12とボス部4aとの関係においては、帯状摩擦部材12がボス部4aに螺旋状に巻き付けられているため、上述のEulerの理論が成立する。そして、帯状摩擦部材12がボス部4aに対して揺動アーム4の進み揺動方向に螺旋状に巻き付けられているため、揺動アーム4が進み揺動方向に揺動すると、帯状摩擦部材12は、ボス部4aとの摩擦力により揺動角度の増加に伴ってボス部4aに大きな巻付力で巻き付き、絞まることになる。この結果、捻りコイルバネ9の捻り復元力と、帯状摩擦部材12の大きな巻付力に比例した大きな摩擦力とが揺動アーム4の揺動を阻止するように作用する。これにより、伝動ベルト7の張力が急激に大幅に増加する事態になっても、この張力の増加が帯状摩擦部材12の大きな摩擦力により十分に減衰されることになる。
【0032】
一方、伝動ベルト7の張力が減少することによって、揺動アーム4が戻り揺動方向に揺動すると、帯状摩擦部材12がボス部4aから巻き戻されて緩むため、巻付力が減少し、摩擦力も巻付力に比例して減少する。この結果、揺動アーム4は、捻りコイルバネ9の捻り復元力の作用を強く受ける結果、伝動ベルト7の張力が急激に減少する事態になっても、この張力の減少に対して揺動アーム4の戻り揺動方向への揺動を十分に追従させることができる。
【0033】
以上のように、本実施形態のオートテンショナ1は、図1に示すように、伝動ベルト7の張力変動を減衰するものであって、芯部2bが立設されたベース2と、芯部2bに回転自在に外挿され、ベース2に向かって延在するボス部4aを有した揺動アーム4と、芯部2bを揺動中心として揺動するように揺動アーム4に回転自在に設けられ、伝動ベルト7が掛けられるプーリ6と、ボス部4aの周囲に設けられ、伝動ベルト7が張力を減少させたときの揺動アーム4の戻り揺動方向に捻り復元力を付与する捻りコイルバネ9と、一端がベース2に固定され、伝動ベルト7が張力を増加させたときの揺動アーム4の進み揺動方向に、ボス部4aに対して一端から他端にかけて螺旋状に巻き付けられた帯状摩擦部材12とを有した構成にされている。
【0034】
上記の構成によれば、図3のねじり角度と減衰トルク(減衰力)との関係が成立する。即ち、帯状摩擦部材12が進み揺動方向に捻られた場合には、帯状摩擦部材12がボス部4aに絞まることによって、捻りコイルバネ9と共に発生するオートテンショナ1の減衰トルク(減衰力)は、図3における『Xライン』をP1からP2に向けて上昇する。一方、帯状摩擦部材12が戻り揺動方向に捻られた場合には、帯状摩擦部材12がボス部4aから巻き戻されることによって、オートテンショナ1の減衰トルク(減衰力)は、図3における『Yライン』をP3からP4に向けて下降する。これにより、帯状摩擦部材12が進み揺動方向と戻り揺動方向とに交互に揺動すると、オートテンショナ1の減衰トルク(減衰力)は、P1→P2→P3→P4のループ状態で増減を繰り返すことになる。
【0035】
ここで、P1、P2、P3およびP4で囲まれる面積は、損失エネルギーを示す。また、図中の『A』の領域は、揺動アーム4を進み揺動方向に揺動させたときに生じる減衰トルク(減衰力)の大きさを示したものである。一方、図中の『B』の領域は、揺動アーム4を戻り揺動方向に揺動させたときに生じる減衰トルク(減衰力)の大きさを示したものである。そして、上記の構成によれば、『A』の減衰トルク(減衰力)>『B』の減衰トルク(減衰力)とすることが可能になる。
【0036】
この結果、伝動ベルト7の張力が増加して揺動アーム4が進み揺動方向に揺動するときには、捻りコイルバネ9の捻り復元力と、帯状摩擦部材12の大きな巻付力に比例した大きな摩擦力とが揺動アーム4の揺動を阻止するように作用し、伝動ベルト7の張力が急激に大幅に増加する事態になっても、この張力の増加を十分に減衰させることができる。
【0037】
一方、伝動ベルト7の張力が減少して揺動アーム4が戻り揺動方向に揺動するときには、帯状摩擦部材12の巻付力が減少し、摩擦力も巻付力に比例して減少するため、捻りコイルバネ9の捻り復元力の作用が強く働く結果、張力の減少に対して揺動アーム4の戻り揺動方向への揺動を十分に追従させることができる。これにより、本実施形態のオートテンショナ1によれば、張力変動幅の大きな伝動ベルト7にも十分に適用可能な大きな減衰力を発生させることができると共に、張力変動速度の大きな伝動ベルト7にも高い追従性を発揮して適応することができる。従って、出力変動の大きなエンジンであっても、本実施形態のオートテンショナ1を搭載することによって、このエンジンの伝動ベルト7の弛みを十分に防止することができる。
【0038】
【発明の効果】
請求項1の発明によれば、張力変動幅の大きな伝動ベルトにも十分に適用可能な大きな減衰力を発生させることができると共に、張力変動速度の大きな伝動ベルトにも高い追従性を発揮して適応することができる。
【0039】
請求項2の発明によれば、伝動ベルトの張力変動の程度や状態に応じてオートテンショナを最適な減衰特性に調整することができる。
【0040】
請求項3の発明によれば、帯状摩擦部材を一体成形により容易に形成することができる。
【0041】
請求項4の発明によれば、出力変動の大きなエンジンであっても、このエンジンの伝動ベルトの弛みが十分に防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】オートテンショナの概略構成図である。
【図2】帯状摩擦部材の絞まる状態と緩む状態とを示す説明図である。
【図3】減衰トルク(力)とねじり角度(巻き付き角度)との関係を示す説明図である。
Claims (4)
- 伝動ベルトの張力変動を減衰するオートテンショナにおいて、芯部が立設されたベースと、前記芯部に回転自在に外挿され、前記ベースに向かって延在するボス部を有した揺動アームと、前記芯部を揺動中心として揺動するように前記揺動アームに回転自在に設けられ、前記伝動ベルトが掛けられるプーリと、前記ボス部の周囲に設けられ、前記伝動ベルトが張力を減少させたときの前記揺動アームの戻り揺動方向に捻り復元力を付与する捻りコイルバネと、一端が前記ベースに固定され、前記伝動ベルトが張力を増加させたときの前記揺動アームの進み揺動方向に、前記ボス部に対して前記一端から他端にかけて螺旋状に巻き付けられた帯状摩擦部材であって、前記揺動アームの揺動開始前に初期巻付力を有して前記ボス部に巻き付けられ、前記揺動アームが前記進み揺動方向に揺動すると前記ボス部に大きな巻付力で巻き付き、前記揺動アームが前記戻り揺動方向に揺動すると前記ボス部に小さな巻付力で巻き付く帯状摩擦部材とを有することを特徴とするオートテンショナ。
- 前記帯状摩擦部材は、巻き付き角度、幅、摩擦係数、前記ボス部との接触長さ、前記揺動アームの揺動開始前の初期巻付力を少なくとも減衰パラメータとして有し、これら減衰パラメータの一つ以上を調整することにより所望の減衰特性を示すように設定されていることを特徴とする請求項1に記載のオートテンショナ。
- 前記帯状摩擦部材は、ポリアミド、超高分子量ポリエチレン、ポリテトラフルオロエチレンのいずれかの合成樹脂で形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載のオートテンショナ。
- 請求項1ないし3の何れか1項に記載のオートテンショナを備えたことを特徴とするエンジン。
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