JP3842420B2 - 模様現出用二次チップおよびそれを用いた模様現出方法 - Google Patents

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、天然大理石の砕石をコンクリートで固め表面を研磨して作られる、いわゆるテラゾー模様やコルク片を樹脂で固めて形成される模様のように極めて自然な意匠性を有する模様を形成するための模様現出用二次チップおよびそれを使用して床材などに適した熱可塑性合成樹脂板またはシートに模様を形成する方法に関する。
【０００２】
【従来技術】
従来は、クラッシャー、ペレタイザー、ビク抜きなどで形成されたチップ片が模様現出片として使用されているが、クラッシャーによる場合は、鋭角部分を有するチップ片となり、ペレタイザーによる場合は、四角形のチップ片となるなど、いずれの方法によっても刃で切ったような切り口をもつ形状となり、自然な模様を形成しにくいチップ片となり、またビク抜きによる場合には小チップ化にも問題を抱えている。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】
そこで本発明の目的は、模様現出用チップ片の切断部が、機械的切断状であったり、機械的な歪力による割れであったりといったような直線部分の多いチップ片ではなく、できるだけ直線部分を少なくした形状のチップ片とすることにより、極めて自然な意匠性を有する模様を形成するのに適した模様現出用二次チップを提供する点およびそれを使用した熱可塑性樹脂板またはシートの模様現出方法を提供する点にある。
【０００４】
【課題を解決するための手段】
本発明の第一は、単色または複数の色模様を有する熱可塑性合成樹脂シートを粉砕またはカッティングして得られた一次チップを一次チップエッジの直線部分が不規則な形状に変形するように圧延または加圧することにより得られたものであることを特徴とする模様現出用二次チップに関する。
【０００５】
本発明の第二は、熱可塑性合成樹脂板またはシート上に請求項１記載の模様現出用二次チップを適用して加圧することにより熱可塑性合成樹脂板またはシートに模様を形成する方法に関する。
【０００６】
本発明の模様現出用二次チップを製造する方法について、以下に説明する。クラッシャー、ペレタイザーあるいはビク抜きなどで得たチップおよび／またはチップを常温ないし約５０℃に加熱し、カレンダーロールに供給する。このときのカレンダーロールの温度は、チップがカレンダーロールに張り付きにくい温度を選択することが好ましい。この温度は通常、常温ないし５０℃である。カレンダーから出てきたチップは圧延によりかなり不規則な形状のものとなっている。
【０００７】
通常、本発明の原料は、熱可塑性樹脂シートを粉砕またはカッティングしたものであるが、より具体的にはクラッシャー片、ペレット片あるいはビク抜片である。クラッシャー片は、目が０．５〜１００ｍｍの大きさのスクリーンを通過したものを用いる。ペレット片は、一辺が２〜１００ｍｍの四角形状のものを用いる。トムソン刃などを用いて得られたビク抜き片は１００〜１０，０００ｍｍ²の面積を有する切り抜き片を用いる。これらのチップ片は、通常０．３〜４．０ｍｍの厚みを有するが、圧延後は通常０．１〜１．０ｍｍの厚みとなる。
【０００８】
これらの原料チップ片を構成する樹脂は、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体などの塩化ビニル系樹脂；ポリエチレンやポリプロピレンなどのポリオレフィン系樹脂、ポリエチレンテレフタレートやポリアミドなどの縮合系ポリマーを挙げることができるが、これらに限るものではない。
【０００９】
これらの熱可塑性樹脂に、必要に応じて充填剤、各種安定剤、着色剤、可塑剤などを配合して熱可塑性樹脂組成物をつくり、本発明の原料チップを製造する。本発明の熱可塑性樹脂組成物における樹脂の含有量は、それが３０重量％以下のコンポジションタイプのものであってもよいし、３０重量％以上のホモジニアスのものであってもよい。
【００１０】
【実施例】
以下に実施例を挙げて本発明を説明するが、本発明はこれにより何ら限定されるものではない。
【００１１】
実施例１
薄い灰色に着色したポリ塩化ビニル製シート上に濃い灰色のポリ塩化ビニル製チップを散布して圧延することにより厚さ１．２ｍｍのシートを得、これを一辺約２ｍｍのほぼ正方形状のチップ片にカットした。このチップ片を４５℃に温め、表面温度４５℃のカレンダーロールで圧延し、厚さ０．５ｍｍ、大きさ５ｍｍ程度の不定形の模様現出用二次チップを得た。
なお、前記ポリ塩化ビニルシートの組成はＰＶＣ４０ｗｔ％、充填剤２７ｗｔ％、可塑剤３３ｗｔ％であり、濃い灰色のポリ塩化ビニルチップの組成もＰＶＣ４０ｗｔ％、充填剤２７ｗｔ％、可塑剤３３ｗｔ％である。
【００１２】
ポリ塩化ビニル製基材シート（厚さ１．８ｍｍ）上にポリ塩化ビニルペーストを０．１ｍｍ圧に塗布した後、この上に前記模様現出用二次チップを散布（１ｍ²当たり４００〜６００ｇ）し、プレスロールで加熱加圧することにより、厚さ約２ｍｍのポリ塩化ビニル製床材を得た。
なお、前記ポリ塩化ビニル製基材シートの組成は、ＰＶＣ３０ｗｔ％、充填剤４５ｗｔ％、可塑剤２５ｗｔ％であり、ポリ塩化ビニルペーストの組成はＰＶＣ５０ｗｔ％、充填剤２３ｗｔ％、可塑剤２７ｗｔ％である。
【００１３】
この模様現出用二次チップは厚さが均一なフレーク状のものであるため、基材シート上に均一に散布でき、その結果不均一散布時に生じるチップの流れがなく、極めて自然にできた状態の模様が現出していた。
【００１４】
【効果】
本発明により、均一な厚みのフレーク状模様現出用二次チップを提供することができた。
このフレーク状模様現出用二次チップを用いて形成した模様は、例えば、天然の大理石模様のように極めて自然な意匠性を持つものとすることができた。

Claims (2)

1. 単色または複数の色模様を有する熱可塑性合成樹脂シートを粉砕またはカッティングして得られた一次チップを一次チップエッジの直線部分が不規則な形状に変形するように圧延または加圧することにより得られたものであることを特徴とする模様現出用二次チップ。
2. 熱可塑性合成樹脂板またはシート上に請求項１記載の模様現出用二次チップを適用して加圧することにより熱可塑性合成樹脂板またはシートに模様を形成する方法。