JP3842076B2 - 充電装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、二次電池を充電する充電装置に関し、特に、リフレッシュ放電を行い得る充電装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ニッケルカドミウム電池、ニッケル水素電池等の二次電池は、容量を十分に使い切らない状態で充放電を繰り返すと、メモリー効果により充電容量が低下する。このメモリー効果に対応するため、スイッチの操作により二次電池の容量を使い切らせるリフレッシュ回路を備える充電装置が提供されている。
【0003】
更に、特開平6−269131号、特開平7−143680号では、リフレッシュ放電の必要性を判断し、充電前に自動的にリフレッシュ放電を行うことで、メモリー効果が発生しないようにする技術が開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、充電前にリフレッシュ放電を自動的開始してしまうと、リフレッシュ放電を行わず充電する場合と、リフレッシュ放電を行ってから充電する場合とで、電池が使用可能になるまでの時間が大きく異なるため、工場など一定の時間間隔で電池を交換しながら作業を行うような場合に、電池の充電時間管理が煩雑となり、充電装置の使い勝手が悪くなるという課題が発生する。
【0005】
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、リフレッシュ放電を行う際の使い勝手を改善できる充電装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1は、電池のリフレッシュ放電を行うリフレッシュ放電部(21)と、電池を充電する充電部(22)とを備える充電装置であって、
電池のリフレッシュ放電の必要の有無を判断する判断部(S14)を備え、
前記リフレッシュ放電部が、前記判断部がリフレッシュ放電を必要と判断した際に(S14:Yes)、充電開始以前にリフレッシュ放電を行い(S16)、 前記充電部が、電池のリフレッシュ放電が行われた際に、急速充電を行いリフレッシュ放電を行わない場合よりも短時間で充電を完了させる(S38〜S50)ことを技術的特徴とする。
【0009】
請求項1では、電池のリフレッシュ放電の必要の有無を判断し、リフレッシュ放電が必要と判断した際に、充電開始以前にリフレッシュ放電を行う。そして、電池のリフレッシュ放電を行った際に、急速充電を行いリフレッシュ放電を行わない場合よりも短時間で充電を完了させる。このため、自動的にリフレッシュ放電が行われても、リフレッシュ放電及び充電に必要な時間が短縮されるので、リフレッシュ放電を行った際と、リフレッシュ放電を行わない場合とで、電池が再使用できるようになるまでの待機時間の差を小さくできる。
【0010】
請求項2は、電池のリフレッシュ放電を行うリフレッシュ放電部(21)と、電池を充電する充電部(22)とを備える充電装置であって、
電池のリフレッシュ放電の必要の有無を判断する判断部を備え(S14)、
前記リフレッシュ放電部が、前記判断部がリフレッシュ放電を必要と判断した際に(S14:Yes)、充電開始以前にリフレッシュ放電を行い(S16)、 前記充電部が、電池のリフレッシュ放電が行われた際に、急速充電を行いリフレッシュ放電を行わない場合よりも短時間で充電を完了させ、リフレッシュ放電時間と充電時間との合計を、リフレッシュ放電が行われない際の充電時間とほぼ同一にする(S38〜S50)ことを技術的特徴とする。
【0011】
請求項2では、電池のリフレッシュ放電の必要の有無を判断し、リフレッシュ放電が必要と判断した際に、充電開始以前にリフレッシュ放電を行う。そして、電池のリフレッシュ放電を行った際に、急速充電を行いリフレッシュ放電を行わない場合よりも短時間で充電を完了させ、リフレッシュ放電時間と充電時間との合計を、リフレッシュ放電が行われない際の充電時間とほぼ同一にする。このため、自動的にリフレッシュ放電が行われても、また、リフレッシュ放電が行われなくとも、充電が完了して電池が再使用できるようになるまでの待機時間が同一なので、使用者は、リフレッシュ放電の有無を意識することなく電池を充電することができ、リフレッシュ放電を行う充電装置の使い勝手を改善できる。また、リフレッシュ放電を行わない場合には、リフレッシュ放電及び急速充電を行った際と同一の時間で充電を行うため、時間をかけて充電することができ、電池寿命を延ばすことが可能となる。
【0012】
請求項3では、電池に備えられた記憶部の充電履歴に基づきリフレッシュ放電の必要の有無を判断するため、リフレッシュの必要性を正確に判断することが可能である。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態に係る充電装置等について図を参照して説明する。
図1は、充電装置10に電池パック50が装填された状態を示すブロック図である。図2は該充電装置10の外観を示す。図3は電池パック50の外観を示し、図4は該電池パック50により駆動される電池ドリル70を示す。
【0014】
まず、電池パック50の構成を図3に基づいて説明する。電池パック50は、略角柱状に形成された樹脂製のケーシング51内に、図1に示すように複数電気的に直列に接続されたニッケル水素電池58を内蔵するもので、電池58の温度を検出するための温度センサTMと、該電池パックの形式及び充電履歴の情報を保持する記憶部を構成するEEPROM61とを備える。温度センサTMは、温度によって電気抵抗値が変化するサーミスタからなる。
【0015】
図3に示すように、電池パック50のケーシング51の上端側には、電池ドリル70や充電装置10に装着する際に相手側に嵌合可能な嵌合溝53を形成した嵌入部52がレール状に並列して設けられている他、嵌入部52の一端側に位置する部位には上下方向に出入可能なフック54が設けられている。このフック54は、ケーシング51の側面に設けられるレバー55と一体に成形され、図示しないコイルばねにより突出方向に付勢されている。そのため、電池ドリル70や充電装置10に電池パック50を装着したとき、これらに形成されている所定のフック溝に係合することができる。
【0016】
これにより、電池ドリル70や充電装置10から電池パック50が容易に外れないようにする役割を果たす。また、コイルばねの付勢力に抗してレバー55をケーシング51の下端方向に押し下げることによって、フック54も引っ込むように下端方向に移動するので、フック溝との係合が解除され、電池ドリル70や充電装置10から電池パック50を取り外すことが可能になる。
【0017】
また、ケーシング51の上端側には、嵌入部52に挟まれるように位置するところに通気口56、プラス端子溝57、マイナス端子溝59およびコネクタ60が設けられている。通気口56は、充電装置10に電池パック50を装着したとき、充電装置10に設けられた送風口16と連通可能な位置に形成されている。これにより、充電装置10に内蔵された冷却ファン23によって電池パック50内に空気を送出し得るため、充電中の電池パック50を冷却することができる。つまり、充電装置10による空冷システムを構築している。
【0018】
一方、プラス端子溝57、マイナス端子溝59の中には、図示しないプラス端子、マイナス端子がそれぞれ設けられており、電池ドリル70や充電装置10に電池パック50を装着したときに、これらの端子が相手側の受電端子や出力端子と接触し得るように構成されている。そして、コネクタ60の内部には、図1に示す温度センサTM、EEPROM61を接続するための端子が備えられている。
【0019】
上述のように構成された電池パック50は、図4に示すように、電池ドリル70に装着されて使用される。電池ドリル70は、使用者が把持可能なグリップ部74よりも下方に電池パック取付部75が形成されている。そして、この電池パック取付部75には、電池パック50の嵌入部52と係合可能な嵌合部と、電池パック50のフック54が係合可能な所定のフック溝とが形成されているので、かかる電池パック取付部75に電池パック50が脱着自在に取り付られる。
【0020】
このようにして電池パック50が装着された電池ドリル70は、電池パック50のプラス端子およびマイナス端子が電池ドリル70側のそれぞれの受電端子に接続されるので、両端子から電力の供給を受けることができる。これにより、図示しないモータによってチャック76を回動させることができる。
【0021】
続いて、電池パック50を充電する充電装置10の構成を図1および図2に基づいて説明する。
図2に示すように、充電装置10は樹脂製の筐体11を有し、この筐体11には、電池パック50を装着可能な嵌合部12や、内蔵した冷却ファンにより電池パック50内へ送り込む空気を外部から吸気し得る吸気口13等が一体に成形されている。また充電装置10の筐体11には、充電中の電池パック50の容量を表示する容量表示ランプや、充電装置10の動作状況を示す状態表示ランプ等、種々の図示しないインジケータが設けられており、これらは後述する制御回路によって点灯制御されている。
【0022】
嵌合部12には、電池パック50の嵌合溝53を案内可能なガイド14および電池パック50の通気口56に連通可能な送風口16が形成されており、さらにこの送風口16には電池パック50のフック54が係合可能な所定のフック溝も設けられている。またこの嵌合部12には、電池パック50のプラス端子、マイナス端子に対応して電気的に接続可能な出力端子が設けられており、さらに電池パック50のコネクタ60に接続可能な図示しないコネクタが設けられている。これにより、充電装置10内の制御回路は、電池パック50から所定の温度情報等をこのコネクタを介して得ることができる。
【0023】
図1に示すように、充電装置10の制御回路は、主に、電源回路22、充電電流制御部24、制御部26、電圧検出部27、温度検出部28、記憶部29、ファン23、放電負荷21、充放電切替部25等から構成される。
電源回路22は、電池パック50の電池58を充電可能な容量を有するように設定されている。充放電切替部25は、充電の際に、電源回路からの電圧を電池パック50の電池58へ印加し、また、リフレッシュ放電の際に、電池58の電力を放電負荷21側へ流す。温度検出部28は、充電中の電池温度を温度センサTMにより検出可能に構成されており、電圧検出部27は、電池電圧を検出できるように構成されている。一方、記憶部29は所定のマップ等の電流値制御情報を記憶するものである。ファン23は、図2に示す吸気口13を介して外部から取り入れた空気を、送風口16を経て電池パック50の通気口56(図3参照)へ送り、電池パック50内の電池58を強制空冷する。
【0024】
制御部26は、温度検出部28から出力された温度値を微分して温度上昇値を求めたうえで記憶部29の電流値制御情報に基づいて所定の電流値を算出し、この電流値を電流指令値として充電電流制御部24へ出力し得るように構成されている。そして、充電電流制御部24は、制御部26からの電流指令値に基づき電源回路22を制御し、電池パック50の充電電流を調整するようにも構成されている。
【0025】
引き続き、第1実施形態の充電装置の作動原理について説明する。
電池は、充電電流を大きくすれば、充電時間は短くなるが温度上昇は大きくなる。反対に、充電電流を小さくすれば、充電時間が長くなるものの温度上昇は小さくなる。特に、ニッケル水素電池は、充電電流や既に充電された容量により温度勾配(温度上昇値)が大きく変化する特性を有する。このため、本実施態様では、温度上昇を抑制するため電流値を変化させながら充電を行う。即ち、従来技術に係る充電装置では、一定の電流値で充電を行っていたのに対して、本実施態様の充電装置では、電池の状態を温度上昇値に基づき判別し、電池の温度上昇を一定にしつつ流し得る電流、即ち、電池の温度上昇に応じて電流値を変えながら充電を行う。
【0026】
ここでは、温度上昇が高いときには、相対的に小さな充電電流を流し、反対に、温度上昇が低いときには、相対的に大きな充電電流を流す。
【0027】
この第1実施形態の充電装置の動作原理について図5を参照して更に詳細に説明する。図5は、縦軸に電池温度上昇値を、横軸に充電時間を取ってあり、図中の曲線Lは、温度上昇値が一定になるように充電した際の、充電時間に対応する充電完了時の温度上昇値を示している。例えば、20℃で開始した電池温度が43℃(温度上昇値23deg)に到達するように電流を制御した際に、充電時間が60分であり、電池温度が60℃(温度上昇値40deg)に到達するように電流を制御した際に、充電時間が30分であり、電池温度が78℃(温度上昇値58deg)に到達するように電流を制御した際に、充電時間が20分であることを示している。
【0028】
即ち、曲線Lに基づき、充電完了時間と充電完了時の電池温度上昇値とから、温度上昇値(勾配)を求めることができる。例えば、23degの温度上昇で充電完了するためには、図中の0degと曲線L上の23degとを結ぶ直線aに示す温度勾配(温度上昇値)となるように充電すればよいことが分かる。この場合には、ほぼ正確に60分で、温度43℃(温度上昇値23deg)になった時点で充電が完了する。
【0029】
一方、外気温度及び電池温度10℃の際に23degの温度上昇で充電完了する場合も同様に、図中の0degと曲線L上の23degとを結ぶ実線aに示す温度勾配(温度上昇値)となるように充電すればよい。この場合にも正確に60分で、温度33℃(温度上昇値23deg)にて充電が完了する。
【0030】
また、外気温度及び電池温度30℃の際に23degの温度上昇で充電完了する場合も同様に、図中の0degと曲線L上の23degとを結ぶ実線aに示す温度勾配(温度上昇値)となるように充電すればよい。この場合にも正確に60分で、温度53℃(温度上昇値23deg)にて充電が完了する。
【0031】
第1実施形態の充電装置は、リフレッシュ放電を行わない際には、1時間の固定時間で充電を完了する。例えば、電池温度及び外気温度が20℃の場合には、電池温度43℃(温度上昇値23deg)になるように充電を行う。
【0032】
一方、リフレッシュ放電を行う際には、リフレッシュ放電及び充電の時間が合わせて1時間になるように、充電時間を調整する。例えば、リフレッシュ放電に30分掛かった場合には、充電を30分で完了させる。ここでは、30分の充電時間から、図5中に示すように温度上昇値として40degが決定され、図中の0degと曲線L上の40degとを結ぶ実線bに示す温度勾配(温度上昇値)となるように充電が行われる。この場合には、ほぼ正確に30分で、温度60℃(温度上昇値40deg)にて充電が完了する。このため、リフレッシュ放電を行ってから充電を行った場合も、電池パックの充電装置への装填から1時間で充電が完了する。
【0033】
なお、ここで、電池温度と外気温度が異なる場合には、外気温度により図5中の曲線Lがシフトする。即ち、電池温度が15℃で、外気温度が10℃の場合には、曲線Lが5deg分下方へシフトする。反対に、電池温度が10℃で、外気温度が15℃の場合には、曲線Lが5deg分上方へシフトする。本実施形態では、電池温度と外気温度とが異なる場合には、差分だけシフトさせた曲線Lを用いて、上述したように充電時間から温度勾配を求める。
【0034】
引き続き、第1実施形態の充電装置によるリフレッシュ放電及び充電について、当該処理を示す図6及び図7のフローチャートを参照して説明する。
まず、制御部36は、電池パック50のEEPROM61に書き込まれた充電履歴を読み出し(S12)、リフレッシュ放電が必要かを判断する(S14)。本実施形態では、充電を5回繰り返す度に、1回リフレッシュ放電を行っており、前回のリフレッシュ放電から4回充電のみを行ったかを判断する。
【0035】
ここで、リフレッシュ放電を行う必要がない場合には(S14:No)、図7に示すA部へ移行して直ちに充電を開始する。他方、前回のリフレッシュ放電から、充電のみを4回繰り返しており、今回の充電の際にリフレッシュ放電を行う必要がある場合には(S14:Yes)、充放電切替部25(図1参照)を制御して電池58の電力を放電負荷21側へ印加させリフレッシュ放電を開始する(S16)。そして、電池58の電圧を電圧検出部27を介して検出し、所定値以下まで下がったかにより、リフレッシュ放電が終了したかを判断する(S18)。リフレッシュ放電が終了するまでは(S18:No)、S16へ戻り放電を続ける。そして、リフレッシュ放電が終了すると(S18:Yes)、図7に示すB部へ移行し、充電を開始する。
【0036】
図7を参照して充電処理について説明を続ける。ここでは、まず、リフレッシュ放電を行わなかった場合を説明する(S14:No)。温度検出部38を介して電池パック50の温度を検出する(S32)。ここでは、外気温度及び電池温度が20℃であったものとする。リフレッシュ放電を行わないため、充電時間として1時間を設定し(S34)、図5を参照して上述した曲線Lの値を保持している記憶部39を検索することで、温度上昇値23degを決定して、温度勾配を算出する(S40)。ここでは、図5中に示す温度0degと曲線L上の23degとを結ぶ直線aの勾配を求める。
【0037】
制御部36は、温度検出部から入力した前回の温度値と今回入力した温度値との差分を微分して温度上昇値を求め(S42)、この検出した温度上昇値を、上記S40にて算出した勾配と比較することで電流値を確定する(S44)。ここで、温度上昇値が勾配よりも低いときには、電流値を現在値よりも増大させ、反対に低い時には、電流値を減少させる。
【0038】
次に、電流値が所定値以下かを判断する(S46)。即ち、充電が完了すると、充電電流が急激に減少するため、電流値が所定値以下になると充電完了と判断する。充電電流が所定値以下になると(S46:Yes)、充電履歴を電池パック50のEEPROMに書き込んだ後(S52)、充電処理を完了する。他方、電流が所定値以上の際には(S46:No)、電流値の調整で所定の温度勾配が維持できるを判断する(S48)。ニッケル水素電池のおいては、充電満了時、現在の充電電流ではなく、過去の充電履歴により温度が急激に上昇するオーバーシュートと呼ばれる減少が生じることがあるので、オーバーシュートが発生していないかを判断する。ここで、オーバーシュートが発生している際には(S48:Yes)、処置を完了する。一方、オーバーシュートが発生していない場合には(S48:No)、S50へ進み、上記S44で確定した電流値にて電池を充電し、更に、充電処理を続ける。
【0039】
引き続き、リフレッシュ放電を行った場合を説明する。リフレッシュ放電の終了後(S18:Yes)、温度検出部38を介して電池パック50の温度を検出する(S36)。ここでは、外気温度及び電池温度が20℃であったものとする。リフレッシュ放電を行った場合には、リフレッシュ放電及び充電完了時間である1時間からリフレッシュ放電に要した時間を引いて、目標とする充電時間を算出する(S38)。ここでは、リフレッシュ放電に30分を要し、目標充電時間を30分に設定したものとして説明を続ける。そして、図5を参照して上述した曲線Lの値を保持している記憶部39を検索することで、30分の充電時間に対応する温度上昇値40degを決定して、温度勾配を算出する(S40)。ここでは、図5中に示す温度0degと曲線L上の50degとを結ぶ直線bの勾配を求める。以降、上述したS42〜S50の処理を行い、直線bの温度勾配となるように充電電流を制御することで、目標とする充電時間30分で充電を完了する。
【0040】
第1実施形態では、電池のリフレッシュ放電の必要の有無を判断し、リフレッシュ放電が必要と判断した際に、充電開始以前にリフレッシュ放電を行う。そして、電池のリフレッシュ放電を行った際に、急速充電を行いリフレッシュ放電を行わない場合よりも短時間で充電を完了させ、リフレッシュ放電時間と充電時間との合計を、リフレッシュ放電が行われない際の充電時間とほぼ同一にする。このため、自動的にリフレッシュ放電が行われても、また、リフレッシュ放電が行われなくとも、充電が完了して電池が再使用できるようになるまでの時間が同一なので、使用者は、リフレッシュ放電の有無を意識することなく電池を充電することができ、リフレッシュ放電を行う充電装置の使い勝手を改善できる。また、リフレッシュ放電を行わない場合には、リフレッシュ放電及び急速充電を行った際と同一の時間で充電を行うため、時間をかけて充電することができ、電池寿命を延ばすことが可能となる。
【0041】
また、第1実施形態では、電池パック50に備えられた記憶部(EEPROM)61の充電履歴に基づきリフレッシュ放電の必要の有無を判断するため、リフレッシュの必要性を正確に判断することが可能である。
【0042】
第1実施形態の充電装置では、温度上昇値が算出した温度上昇勾配になるように電流値を調整しながら電池を充電する。このため、充電完了時の温度が到達目標温度値となるように充電することができ、温度上昇の著しいニッケル水素電池等を高温にならぬように短時間で充電することが可能になる。ここでは、温度上昇勾配を一定になるように制御したが、所定のパターン(例えば山なりのパターン)となるように充電電流を制御することで、更に充電時間を短縮させることも可能である。
【0043】
上述した第1実施形態では、リフレッシュ放電を行わず充電を行った場合と、リフレッシュ放電を行った後に充電と行った場合とで、充電完了までの時間を正確に同一にしたが、ほぼ一定にすることでもリフレッシュ放電を行う充電装置の使い勝手を改善することが可能になる。この場合には、リフレッシュ放電を行わない場合には、1時間の通常充電、リフレッシュ放電を行った場合には、20分の急速充電を行うように充電時間を固定することで、充電制御を簡易化することが可能になる。
【0044】
更に、上述した実施形態では、リフレッシュ放電の終了後、直ちに充電を開始したが、リフレッシュ放電の完了後、電池の冷却時間を挟んでから充電を開始することも好適である。本実施形態では、温度により充電電流を制御するため、例えリフレッシュ放電で電池の温度が高くなっていても、目標とする時間で充電を完了させることができる。
【0045】
また、上述した実施形態では、充電装置に放電部を内蔵させたが、この代わりに、充電装置と電池パックとの間にアダプタを介在させ、該アダプタに放電部を内蔵させるようにすることも可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係る充電装置の制御回路及び電池パックの構成を示すブロック図である。
【図2】充電装置の外観を示す斜視図である。
【図3】電池パックの外観を示す斜視図である。
【図4】図3に示す電池パックを用いる電池ドリルの側面図である。
【図5】第1実施形態に係る充電装置の充電原理を示す説明図である。
【図6】第1実施形態に係る充電装置の制御部による処理の流れを示すフローチャートである。
【図7】第1実施形態に係る充電装置の制御部による処理の流れを示すフローチャートである。
【符号の説明】
10 充電装置
21 放電負荷
22 電源回路
23 ファン
25 充放電切替部
26 制御部
27 電圧検出部
28 温度検出部
50 電池パック
58 電池
61 EEPROM
70 電池ドリル
TM 温度センサ
Claims (3)
- 電池のリフレッシュ放電を行うリフレッシュ放電部と、電池を充電する充電部とを備える充電装置であって、
電池のリフレッシュ放電の必要の有無を判断する判断部を備え、
前記リフレッシュ放電部が、前記判断部がリフレッシュ放電を必要と判断した際に、充電開始以前にリフレッシュ放電を行い、
前記充電部が、電池のリフレッシュ放電が行われた際に、急速充電を行いリフレッシュ放電を行わない場合よりも短時間で充電を完了させることを特徴とする充電装置。 - 電池のリフレッシュ放電を行うリフレッシュ放電部と、電池を充電する充電部とを備える充電装置であって、
電池のリフレッシュ放電の必要の有無を判断する判断部を備え、
前記リフレッシュ放電部が、前記判断部がリフレッシュ放電を必要と判断した際に、充電開始以前にリフレッシュ放電を行い、
前記充電部が、電池のリフレッシュ放電が行われた際に、急速充電を行いリフレッシュ放電を行わない場合よりも短時間で充電を完了させ、リフレッシュ放電時間と充電時間との合計を、リフレッシュ放電が行われない際の充電時間とほぼ同一にすることを特徴とする充電装置。 - 前記判断部が、電池に備えられた記憶部の充電履歴に基づきリフレッシュ放電の必要の有無を判断することを特徴とする請求項1又は請求項2の充電装置。
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