JP3841769B2 - 保存庫 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、ペルチェ素子よりなるサーモモジュールにより庫内を保冷または保温して、飲料を冷却保存したり、食品を低温保存したりする保存庫に関する。
【0002】
【従来の技術】
飲食物等を収納した庫内をサ−モモジュールにより保冷または保温する保存庫としては、例えば、特開平10−325664号公報に記載されたものが知られている。この従来装置は、収納物を所定温度に保存するための断熱容器と、この断熱容器の後壁に配設されたサーモモジュールと、このサーモモジュールの庫内側の面(利用側熱交換面部)に取り付けられた吸熱用のヒートシンクと、このサーモモジュールの庫外側の面(熱源側熱交換面部)に取り付けられた排熱用のヒートシンクとを有する。そして、庫内の熱が吸熱用ヒートシンクを介してサーモモジュールによって庫外側の面へ移動し、この移動した熱が放熱用ヒートシンクを介して庫外へ放出されるように、断熱容器の後壁の外側に吸気口、排気口を有するカバー部が取り付けられて冷却空気通路が形成されている。また、上記公報には記載されていないが、一般的には、庫内で発生するドレンを受けるためのドレンパンが断熱容器の下方の床面に直接的に配置されていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような保存庫では、ドレンパンが直接床に配置されているため、ドレンパンの位置が固定せず、ドレンパンを所定の位置に固定するのが困難であった。
【0004】
この発明は、このような従来の技術に存在する上記問題点に着目してなされたものであって、ドレンパンを所定の位置に容易に取り付けられるようにした保存庫を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、この発明は、収納物を所定温度に保存するための断熱容器と、前記断熱容器内を冷却する冷却手段と、前記断熱容器内で発生したドレンを受けるドレンパンを前記断熱容器の下方に備えた保存庫において、前記断熱容器の下面に、正面から見て左右にそれぞれ2個ずつ配置されるように4個の台足を設け、かつ、この4個の台足のそれぞれに段差部を設け、かつ、前記ドレンパンの水平面形状を前部の幅寸法が後部の幅寸法より大きい略T字型に形成するとともに、正面から見て左右に相対する前記台足の前記段差部が向き合うように前記台足を前記断熱容器の下面にねじ止めして固定し、かつ、この左右の前記台足の前記段差部間の寸法Lが前記ドレンパンの前記後部の幅寸法より大きく形成されて、左右の前記台足の前記段差部と前記断熱容器の下面との間に前記ドレンパンの前記後部をスライド式に前方から取り付けできるようにしたことを特徴とする。
また、さらに、前記ドレンパンは、前記ドレンパンの前記前部の後縁が前方の前記台足に当接する位置までスライドさせて挿入するようにした。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下、この発明を具体化した実施の形態を、図1〜図19に基づいて詳細に説明する。なお、各実施の形態において、同一または共通する部分には、同一の符号を付し、その説明を簡略化する。
【0007】
実施の形態1.
そこで、先ず実施の形態1について図1〜図14に基づいて説明する。1は、内箱2、外箱3、内箱2と外箱3との間に介在するように注入された断熱材4を備えた断熱容器である。この内箱2は熱伝導性がよく腐食に強いアルミ系金属板で形成されている。また、外箱3は、プラスチックで形成されており、この実施の形態1においては前部外箱3aと後部外箱3bとに分割されており、図2および図3に示されるように後部外箱3bの前端部が絞り部とされて、前部外箱3aの内側に嵌まり込んで一体に結合されている。また、この断熱容器1の正面部には開放口が設けられており、この開放口に開閉扉5が設けられている。
【0008】
10は、ペルチェ素子10a、利用側熱交換面部10bおよび熱源側熱交換面部10cからなるサーモモジュールである。断熱容器1の後壁において、このサーモモジュール10とほぼ同じ大きさの収納穴が外箱3、断熱材4を貫通し、内箱2を成す金属板を残して形成され、この収納穴内にサーモモジュール10が配設されている。また、このサーモモジュール10と、内箱2との間に熱伝導性のよいアルミ系合金の伝熱ブロック11を介在させ、この伝熱ブロック11を内箱2にねじ止めにより熱伝導される状態に接合している。また、サーモモジュール10の利用側熱交換面部10bと内箱2とをこの伝熱ブロック11を介し伝熱可能に接合している。なお、伝熱ブロック11は、断熱材4の注入により断熱容器1に一体的に固定されている。この伝熱ブロック11に対し、サーモモジュール10は、ねじ等により後面側から脱着自在に固定されている。また、内箱2の内面における伝熱ブロック11に対応する位置には、この伝熱ブロック11よりやや大きい凹面を設け、この凹面にポリプロピレンなどの断熱部材よりなる断熱シート2aが貼り付けられている。なお、この凹面の深さは、断熱シート2aの厚みに略等しく形成されている。
【0009】
また、12は、サーモモジュール10の熱源側熱交換面部10cと熱伝導的に接合されたヒートシンクである。このヒートシンク12は、正面から見て右側から左側へ(背面からみて左側から右側へ)、横方向に庫外空気を流通させて熱交換させるように、多数のアルミフィン12aが横方向に配置されて構成されている。また、13はこのヒートシンク12を覆う風路形成板、14はこの風路形成板13のみならず断熱容器1の背面全体をカバーし、断熱容器1の後壁外側に庫外室を形成する背面カバーである。従って、この背面カバー14は、前面を開放した略箱型に形成されている。背面カバー14の左右側面部14a,14bの後方角部は、後方に向かうにしたがって左右方向の中心側に傾斜する傾斜面部とされ、同様に背面カバー14の上下面部14c、14dにおける後方角部も上下方向の中心側に傾斜する傾斜面部とされている。そして、この背面カバー14の正面から見て右側面部14aにおける傾斜面部には吸気口15が、また、正面から見て左側面部14bにおける傾斜面部には排気口16がそれぞれ形成されている。また、背面カバー14の下面部14dにおける傾斜面部の正面から見て右半分には吸気口15の補助吸気口15aが、また、正面から見て左半分には排気口16の補助排気口16aが形成されている。
【0010】
前記風路形成板13は、上下面部13c,13dが水平面に形成され、正面から見て右側面部13aは背面カバー14の右側面部14aの傾斜面部と略平行な傾斜面部とされている。この右側面部13aにおいて背面カバー14側には、背面カバー14の右側面部と対向するように、2台の軸流送風機20が上下に間隔を置いて取り付けられている。なお、この右側面部13aの傾斜面部には軸流送風機20のファンガイド用穴が2個設けられ、このガイド用穴を通して庫外空気が風路形成板13内を右方向から左方向に流通するように軸流送風機20が2個取り付けられている。風路形成板13の左側面部13bは、後方に曲折され、その先端が背面カバー14の左側面部14bの後端部に接触するまで延設されている。また、風路形成板13の背面部13eにおける背面側には、この保存庫の制御回路構成機器を配設したコントロール基板31が取り付けられている。さらに、この風路形成板13の背面部13eにおけるコントロール基板31の左右および上下を封鎖するように背面カバー14から、左右立ち上げ片14e、14fおよび上下立ち上げ片14g、14hが立設され、これによりコントロール基板31の収納部が形成されている。
【0011】
また、風路形成板13の上部であって断熱容器1の背面には保存庫の電源回路構成機器を配設した電源基板32が取り付けられている。また、背面カバー14の上面部14cにおける傾斜面部に平行な面部と背面カバー14の背面に平行な面部とから形成される保護カバー33が取り付けられ、この保護カバー33と断熱容器1の背面と風路形成板13の上面部13cとにより、この電源基板32の収納室が形成されている。そして、風路形成板13の上面部13cには複数個の穴からなる連通孔17が設けられ、風路形成板13内を流通する庫外空気の一部を電源基板32の収納室内に導入している。
また、断熱容器1の底壁には、内箱2の内面に形成されたドレン水を、断熱容器1の下方に配設された皿状のドレンパン41に導くための排水口42が設けられている。
【0012】
図7に示されるように、断熱容器1の底面において、50は台足である。この台足50は、前後2箇所に左右対称的に、即ち、計4箇所に配置されている。この台足50は、それぞれが上部品52と、ねじ53を備えた下部品51とから構成されている。また、台足50は、上部品52を断熱容器1との間に挟んだ状態にして下部品51を断熱容器1の底壁にねじ止めして固定している。また、上部品52には、ドレンパン41の高さ寸法より少し大きい程度の段差Hを有する段差部54が形成されている。そして、この左右の台足50の段差部54が向き合うように配置されている。
【0013】
ドレンパン41は、水平面形状が略T字型を成し、前部の幅寸法を後部の幅寸法より大きくして、ドレン収容量を多くできるようにしている。また、左右台足50の段差部54間の寸法Lが、ドレンパン41の後部幅寸法より若干大きく形成されている。このように構成されていることにより、ドレンパン41は、その後部が台足50の段差部54と断熱容器1の底面との間に出し入れ自在にスライド式に挿入されて、取り付けられている。また、ドレンパン41を、その前部の後縁が前方の台足50に当接する位置までスライドさせて挿入することにより、ドレンパン41が所定位置に配置されるように形成されている。このときドレンパン41の後端部は断熱容器1の後縁よりも後方へ延出される。また、このドレンパン41のこの延出部の上方に位置する背面カバー14の下面部における水平部分には通風孔18が形成され、背面カバー14内を流通する庫外空気の一部空気がドレンパン41内を流通するように形成されている。
【0014】
断熱容器1正面の開閉扉5は、断熱容器1の正面寸法にほぼ合わされた正面寸法を有し、内部に中空空間部を備えた外板5aと、この外板5aの中空内部に断熱材5cを注入したものであって、断熱性能を備えた開閉扉5である。この開閉扉5は、右上部の上部ヒンジ60、右下部の下部ヒンジ70により正面から見て右開きに開閉自在に軸支されている(図1、図9〜図14参照)。また、開閉扉5の左端部分と対面する外箱3の左端前部には磁石等の係止機構が設けられ、この開閉扉5を閉鎖状態に保持可能としている。また、図1および図2に示すように、80は、意匠性を加味して開閉扉5のほぼ中央に上下に長く設けた操作パネルで、開閉扉5の内部に配設された保存庫の制御回路構成機器を配設した操作基板81に対応する部分に、庫内温度を設定、表示する操作部82が形成されている。
【0015】
上部ヒンジ60の取り付け部の詳細は、図9〜図11に示されるが、上部本体側ヒンジ61等が開閉扉5および断熱容器1の側方または上下にはみ出さないように構成されている。上部本体側ヒンジ61はプラスチック材よりなり、断熱容器1に図示しないねじにより固定されている。また、本体側ヒンジ61の軸支部には軸支穴62が設けられている。63はプラスチック製の軸支ピンで、この図9では開閉扉5から外された状態で示されているが、実際には開閉扉5側に固定され、軸支穴62に回転自在に軸支されている。また、64は開閉扉5の角部に設けられた切り欠きであって、これにより、図11のように所定角度まで開閉扉5を開いたときに、本体側ヒンジ61が開閉扉5に当たるのを避けている。また、切り欠き64は、開閉扉5の側部の途中までとして、開閉扉5の前方や右側方から見ても外観の見栄えが損なわれることのないように配慮されている。
【0016】
下部ヒンジ70の取り付け部の詳細は、図12〜図14に示されるが、下部本体側ヒンジ71は金属部材よりなり、強度を増すために、この実施の形態では鉄板を絞って下方に開く断面コの字型に形成されている。また、この下部本体側ヒンジ71の先端には開閉扉5の下面を支持する貫通孔73を備えた軸支ピン72を備えている。また、下部ヒンジ70の断熱容器1への取り付け部分は、側方から見えないように下方に開放した凹部74として形成されており、下部ヒンジ70が断熱容器1に対し下方からねじ止めされ固定されている。また、図14に示すように、開閉扉5の角部には、開閉扉5が所定の角度まで開くように、前面壁を残して切り欠き75が形成されている。そして、開閉扉5を開放したときに操作パネル80への電線85の捩じれが少なくなるように、本体側ヒンジ71の断面コの字型の内部および軸支ピン72の貫通孔73を通して電線85を断熱容器1側から開閉扉5側へ渡している。
【0017】
次に、上記のように構成された保存庫の作用について説明する。操作者が操作部82で庫内設定温度(例えば、0〜50℃の任意の温度)を選択して、保存庫を運転する。このとき、庫外空気温度、収納物の温度および庫内設定温度との関係により、サーモモジュール10への直流電流の印加方向が選択され、サーモモジュール10の利用側熱交換面部10bで吸熱作用あるいは放熱作用が行われるとともに、軸流送風機20が運転され、庫外空気が吸気口15および補助吸気口15aから吸入され風路形成板13内を流通し、排気口16および補助排気口16aから排出される。これにより断熱容器1内では、伝熱ブロック11を介して断熱容器1の内箱2が冷却あるいは加熱され、断熱容器1内が所定温度にコントロールされる。また、サーモモジュール10の熱源側熱交換面部10cでは、放熱あるいは吸熱がヒートシンク12を介し風路形成板13内を流通する庫外空気との間で行われ、断熱容器1内で吸熱あるいは放熱された熱量分が庫外空気に対し放熱あるいは吸熱される。
【0018】
また、庫内設定温度が低い場合には、断熱容器1内が内箱2の表面から冷却されることにより、内箱2表面に結露したドレン水が内箱2底表面に落下して、排水口42からドレンパン41に排水される。そして、このドレンパン41内に貯留されたドレン水は、背面カバー14の下面部に形成された通風孔18から流出する庫外空気による自然蒸発が促進される。また、保存庫の運転中、風路形成板13内を流れる庫外空気の一部が、風路形成板13の上面部13cに形成された連通孔17から電源基板32の収納室内に導入され、電源基板32が冷却され、電源基板32の過熱が防止されている。
【0019】
実施の形態1は上記のように構成されているので、保存庫の背面、あるいは、保存庫の背面および左右側面の3方が建築物の壁面に接近あるいは接触していても、背面カバー14の左右側面部14a、14bにおける後方角部が内側に傾斜した傾斜面部として形成され、この傾斜面部に吸気口15および排気口16が形成されているので、背面カバー14の後方角部のスペースにより吸気口および排気口16が塞がれない。また、背面カバー14の上下面部14c、14dの後方角部に傾斜面部が設けられているため、この傾斜面部に沿って吸気口15および排気口16に連通する空気通路が確保される。これにより、風路形成板13内での庫外空気の流通がスムーズに行われる。
なお、庫外空気の流れをスムーズに行わせるためには、吸気口または排気口を背面カバー14の上面部に設けることも考えられるが、この場合には、ごみが入りやすいという欠点がある。また、保存庫では、所要床面積を少なくしたいというニーズがあるため、左右方向寸法を小さくし高さ方向寸法を大きくしても市場に受け入れられ易いという傾向がある。従って、吸気口および排気口を左右側面部14a,14bに吸気口、排気口を設ける方が、これら吸気口、排気口の寸法を大きくとることができる利点がある。
また、庫外室内において庫外空気を流通させるための送風機として2台の軸流送風機20を用い、この2台の軸流送風機20を背面カバー14の右側面部14aと対向するように設けているので、保存庫の奥行き寸法がコンパクトになる。
【0020】
また、背面カバー14の左右側面部14a、14bの後方角部を傾斜させたこと、および、背面カバー14の上下面部14c、14dの後方角部を傾斜させたことにより、保存庫の奥行き寸法を小さく感じさせる意匠上の効果が発揮される。
また、上下面部14c、14dの傾斜面部に沿って吸気口15および排気口16への空気通路が確保され、庫外室内における庫外空気の流通がより一層スムーズに行われる。さらに、背面カバー14の下面部14dに置ける傾斜面部に補助吸気口15aおよび補助排気口16aが設けられているので、庫外室内における庫外空気の流通がさらに一層スムーズに行われる。
【0021】
また、サーモモジュール10の利用側熱交換面部10bを伝熱ブロック11を介して、アルミ系金属製の内箱2に伝熱可能に取り付け、断熱容器1内を冷却あるいは加熱するようにしているので、構成が簡略化されるとともに、断熱容器1内の有効収納スペースが拡大する。また、伝熱ブロック11に対応する内箱2の内面部分に凹面を形成し、この部分に断熱シート2aを貼り付けているので、断熱シート2aの保温効果により、この部分の結露が防止され、また、この部分近くの収納物が局部的に過冷却あるいは加熱されることがない。また、断熱シート2aは凹面部分に貼り付けられるので、貼付作業時において断熱シート2aの貼付位置の確認作業が容易となる。
【0022】
また、電源回路構成機器を配設した電源基板32の収納室には、庫外室内を流通する庫外空気の一部を流通させているので、電源基板32は常時冷却されており、過熱する恐れがない。また、この電源基板32は、風路形成板13の上面部13cの上方に配置されているため、風路形成板13の下方部分に配置される場合に比しごみ等の異物の溜まりが少なくなり、電源基板32の信頼性が向上する。
【0023】
また、背面カバー14から立ち上げ片14e,14f,14g,14hを立設し、風路形成板13の背面部13eに取り付けられたコントロール基板31の収納室を形成しているので、コントロール基板31をごみ等の異物から保護し、コントロール基板の信頼性が向上する。また、この立ち上げ片14e,14f,14g,14hは、背面カバー14の強度を向上させる機能を有し、さらには、吸気口15,15aから吸入した庫外空気をスムーズに風路形成板13内にガイドする機能を有する。また、背面カバー14を外すことにより、コントロール基板31のメンテナンスが容易に行える。
【0024】
また、ドレンパン41は、スライド式に取り付けられているので、清掃等のための取り外しが容易となる。また、背面カバー14の下面部14dに設けられた通風孔18から、庫外室内を流通する庫外空気の一部をドレンパン41内に流し込むので、ドレン水がこの庫外空気で積極的に蒸発される。従って、ドレンパン41からドレン水が益水するようなことがない。
また、上部ヒンジ60および下部ヒンジ70が左右上下にはみ出していないため前方から見て外観が意匠的に阻害されることがない。
【0025】
実施の形態2.
この実施の形態2は、図15に示すように、背面カバー14の左右側面部14a、14bの後方角部に傾斜面部を設けずに、断熱容器1の左右側面部と同じ方向に真っ直ぐ後方に延ばし、このように形成された左右側面部14a、14bに吸気口15および排気口16を設けたものである。このように構成しても、吸気口15および排気口16が背面カバー14の左右側面部に形成されている以上、保存庫の背面に壁面が接近した状態で設置されても、風路形成板13内の庫外空気流がスムーズに行われる。
【0026】
実施の形態3.
この実施の形態3は、図16に示すように、背面カバー14の左右側面部14a、14bを実施の形態2と同様に後方へ真っ直ぐ延ばすとともに、風路形成板13の右側面部13aについても、一旦背面カバー14まで傾斜して延ばし、さらに、この背面カバー14の内面の位置で前方へ真っ直ぐに折返し、このように形成された右側面部13aに軸流送風機20を取り付けている。このようにすると、軸流送風機20が傾斜して取り付けられていないことから、背面カバー14の奥行き寸法が増すが、前記実施の形態1および2と同様に、保存庫の背面に壁面が接近した状態で設置されても、風路形成板13内の庫外空気流がスムーズに行われる。
【0027】
実施の形態4.
この実施の形態4は、前記各実施の形態のように、サーモモジュール10の利用側熱交換面部10bでの吸熱あるいは放熱を、固体の伝熱ブロック11を介し内箱2に熱伝導して内箱2を通じて断熱容器1内を冷却あるいは加熱するのではなく、図17に示すように、熱媒体パイプ90内を循環する水等の流体熱媒体を介し、断熱容器1内を冷却あるいは加熱するものである。熱媒体パイプ90には、サーモモジュール10の利用側熱交換面部10bと熱交換する熱交換器91が接続されている。そして、この熱交換器91を介し熱媒体パイプ90内を循環する水等の熱媒体が冷却あるいは加熱される。また、熱媒体パイプ90は内箱2の外側に添設して配設されており、この熱媒体パイプ90を循環する熱媒体を通じ内箱2の広い範囲が冷却あるいは加熱され、断熱容器1内が冷却あるいは加熱される。なお、92は、熱媒体循環ポンプである。従って、この場合には構成部品が増加するが、内箱2を均一に冷却し、断熱容器1内の温度分布を良好にすることができる。
【0028】
次に、上記実施の形態に関する変形例を記す。
(1) 保存庫は、冷蔵専用であってもよく、また、温蔵専用であってもよい。
(2) サーモモジュール10は、収納物の冷却負荷との関係で個数を決めれば良く、1個にしてもよいし、また、3個以上としてもよい。
(3) 実施の形態1〜3においてサーモモジュール10の利用側熱交換面部10bは、内箱2と直接的に熱交換させるようにしてもよい。
【0029】
(4) サーモモジュール10を冷却専用、つまり、利用側熱交換面部10bにおいて吸熱のみ行わせるように利用し、一方、専用の加熱ヒータを設け、加熱が必要な場合にこの加熱ヒータにより断熱容器1内を加熱させるごとくしても良い。
(5) サーモモジュール10の熱源側熱交換面部10cとヒートシンク12とを直接的に熱交換させずに水等の流体熱媒体を介し間接的に熱交換させてもよい。この場合部品点数が増加するが、他の効果は各実施の形態と同じである。
(6) 実施の形態1〜3において、サーモモジュール10の利用側熱交換面部10bを、伝熱ブロック11を介さず直接内箱2に接触させて熱伝導させてもよい。この場合、サーモモジュール10の交換は行い難くなるが、部品点数が少なくなる、また、他の効果は実施の形態1〜3と同様となる。
【0030】
(7) 外箱3は、図18に示すように、前部と後部とに分割せずに一体型としてもよい。
(8) 台足50は、図19に示すように分割型とせずに一体型としてもよい。
【0031】
(9) 風路形成板13内の庫外空気流は、上記各実施の形態とは逆に正面から見て左側から右側に流れるように形成してもよい。また、軸流送風機20に代えて他の送風機、例えば遠心型送風機を用いるようにしてもよい。
(10) 開閉扉5は、軸支部を正面から見て左側として、左開きとしてもよい。
【0032】
(11) 台足50の段差部54を利用したドレンパン41の取り付け構造は、通常の圧縮機を構成部品とする冷凍サイクルを用いた冷蔵庫等に応用してもよい。
【0033】
【発明の効果】
本発明は、以上のように構成されているため、次のような効果を奏する。
本発明は、収納物を所定温度に保存するための断熱容器と、前記断熱容器内を冷却する冷却手段と、前記断熱容器内で発生したドレンを受けるドレンパンを前記断熱容器の下方に備えた保存庫において、前記断熱容器の下面に、正面から見て左右にそれぞれ2個ずつ配置されるように4個の台足を設け、かつ、この4個の台足のそれぞれに段差部を設け、かつ、前記ドレンパンの水平面形状を前部の幅寸法が後部の幅寸法より大きい略T字型に形成するとともに、正面から見て左右に相対する前記台足の前記段差部が向き合うように前記台足を前記断熱容器の下面にねじ止めして固定し、かつ、この左右の前記台足の前記段差部間の寸法Lが前記ドレンパンの前記後部の幅寸法より大きく形成されて、左右の前記台足の前記段差部と前記断熱容器の下面との間に前記ドレンパンの前記後部をスライド式に前方から取り付けできるようにしたので、簡易な構成でありながらドレンパンの出し入れが容易となる。また、ドレンパンのドレン収容量を多くできる。
また、さらに、前記ドレンパンは、前記ドレンパンの前記前部の後縁が前方の前記台足に当接する位置までスライドさせて挿入するようにしたので、ドレンパンが所定位置に配置される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1に係る保存庫の前方からの外観斜視図である。
【図2】 図1におけるII−II線断面図である。
【図3】 図2におけるIII−III線断面図である。
【図4】 この発明の実施の形態1に係る保存庫の背面図である。
【図5】 この発明の実施の形態1に係る保存庫を、背面カバーと保護カバーとを外して後方から見た斜視図である。
【図6】 この発明の実施の形態1に係る保存庫の分解斜視図である。
【図7】 図2におけるVII−VII線断面図である。
【図8】 この発明の実施の形態1に係る保存庫の台足の説明図である。
【図9】 図1におけるA部の、一部を分解した状態の斜視図である。
【図10】 図1におけるX−X断面図である。
【図11】 開閉扉を開いた状態とした図10に相当する断面図である。
【図12】 図1におけるB部の、一部を断面図として表した側面図である。
【図13】 図12に使用される下部本体側ヒンジの斜視図である。
【図14】 図1におけるB部を、開閉扉が開いた状態として、下方から見た図面である。
【図15】 この発明の実施の形態2に係る保存庫の背面カバー部分の図3に相当する断面図である。
【図16】 この発明の実施の形態3に係る保存庫の背面カバー部分の図3に相当する断面図である。
【図17】 この発明の実施の形態4に係る保存庫の図2に相当する断面図である。
【図18】 この発明の各実施の形態に係る保存庫の外箱の変形例を示す図面である。
【図19】 この発明の実施の形態1に係る保存庫の台足の変形例を示す図面である。
【符号の説明】
1 断熱容器、2 内箱、2a 断熱シート、3 外箱、10 サーモモジュール、10a ペルチェ素子、10b 利用側熱交換面部、10c 熱源側熱交換面部、11 伝熱ブロック、12 ヒートシンク、14 背面カバー、15 吸気口、16 排気口、17 連通孔、18 通風孔、20 軸流送風機、31コントロール基板、32 電源基板、33 保護カバー、41 ドレンパン、50 台足、54 段差部。
Claims (2)
- 収納物を所定温度に保存するための断熱容器と、前記断熱容器内を冷却する冷却手段と、前記断熱容器内で発生したドレンを受けるドレンパンを前記断熱容器の下方に備えた保存庫において、前記断熱容器の下面に、正面から見て左右にそれぞれ2個ずつ配置されるように4個の台足を設け、かつ、この4個の台足のそれぞれに段差部を設け、かつ、前記ドレンパンの水平面形状を前部の幅寸法が後部の幅寸法より大きい略T字型に形成するとともに、正面から見て左右に相対する前記台足の前記段差部が向き合うように前記台足を前記断熱容器の下面にねじ止めして固定し、かつ、この左右の前記台足の前記段差部間の寸法Lが前記ドレンパンの前記後部の幅寸法より大きく形成されて、左右の前記台足の前記段差部と前記断熱容器の下面との間に前記ドレンパンの前記後部をスライド式に前方から取り付けできるようにしたことを特徴とする保存庫。
- 前記ドレンパンは、前記ドレンパンの前記前部の後縁が前方の前記台足に当接する位置までスライドさせて挿入するようにしたことを特徴とする請求項1記載の保存庫。
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