JP3841150B2 - モノレール玩具 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、軌道走行玩具に関するもので、さらに詳しくは、モノレール玩具に係わるものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の軌道走行玩具としては、床面状に敷設されるレールと、このレール上をゼンマイ又はモータの動力でもって走行する車両とを備えたものが知られている。
この軌道走行玩具では、例えばレールは直線状又は曲線状のレール片を適宜組み合わせて軌道を形成し、その軌道上で車両を走行させるようになっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の軌道走行玩具の車両は、車体の左右端部に付設された車輪で走行するものが主流であり、電車や自動車のイメージが強く、新しさに欠け、その点では興趣性に乏しいものであった。
【0004】
一方、軌道走行玩具として、ロープを室内に張設し、このロープに沿って車両を走行させるロープウェイ玩具も知られているが、このロープウェイ玩具では、ロープを直線的にしか配設することができず、変化に乏しいばかりか、重力作用で車両を走行させるものであるため、車両を走行させる際に一々人が出向いて車両を高い場所まで移動させる必要があった。
【0005】
本発明は、かかる点に鑑みなされたもので、興趣性に富み、しかも、構造簡素な自走式のモノレール玩具を提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
第1のモノレール玩具は、帯状の平板部の表裏面の短手方向の両縁にそれぞれ外側張出し部及び内側張出し部によって構成され前記短手方向の縁に沿って延在する同形の凹部が前記平板部の表裏方向及び短手方向の対象位置に形成されたレールと、
前記レールを着脱自在に挟持する挟持具が付設されたレール支持部材と、
前記レールに支持され、モータと、前記モータによって回転駆動されて前記レールに対して転動する走行車輪と、走行方向前方に向かって左右に位置する案内車輪とを有する車両とを備え、
前記平板部の表裏面が前記車両の走行方向前方に向かって左右に位置するように前記レールを起立させた状態で、前記平板部の表裏面の短手方向の一方の凹部を前記平板部の表裏面側から前記挟持具で挟持させることによって、前記レールを前記レール支持部材に支持させ、
前記平板部の表裏面の他方の凹部を形成する前記外側張出し部の内面に前記車両の左右の案内車輪を当接させるとともに、前記走行車輪を該外側張出し部の外面に弾性的に当接させることによって、前記車両を前記レールに対して走行可能に設置する、
ことを特徴とする。
【0007】
ここに「走行車輪」としてはローラやピニオン歯車等が考えられる。ローラの場合には、その外周を少なくともゴムとして滑りにくくすることが好ましい。また、ピニオン歯車の場合にはレールにラック歯車を設けることが好ましい。さらに、モータの代わりにゼンマイとすることも可能であるが、走行時間を長く取りたい場合はモータとすることが好ましい。「弾性的に当接」させる手段としては、ばねによって付勢された案内車輪を張出し部分の反対側に当接させる構造のものや、弾性部材によって支持された案内車輪を張出し部分の反対側に当接させる構造のものが考えられる。この場合、案内車輪の代わりに、回転しない当接部材を設けてもよいが、モノレール玩具を円滑に走行させるためには案内車輪とする方が好ましい。
このモノレール玩具によれば、レールに支持された走行車輪がレールに対して転動することによって、車両がレールに沿って走行することになる。したがって、新しい自走式の軌道走行玩具の実現が図れる。また、このモノレール玩具によれば、走行車輪が車両の方向からレールの張出し分に当接するようになっているので、構造が簡素となる。すなわち、走行車輪を張出し部の反対側に当接させる場合には、走行車輪に動力を伝達させるために、多くの機構部品(歯車)を設ける必要があるのに対して、車両の方向から当接するものでは、機構部品が少なくて済むことになる。
【0008】
のモノレール玩具は、第1のモノレール玩具において、前記車両は、連結部材を介して連結される複数の客車を有し、前記客車に電池を収容し、前記連結部材に前記モータと前記走行車輪とを組み込んだことを特徴とする。
【0009】
ここに「走行車輪」としてはローラやピニオン歯車が考えられる。ローラの場合にはその外周を少なくともゴムとして滑りにくくすることが好ましい。また、ピニオン歯車の場合にはレールにラック歯車を設けることが好ましい。さらに、モータの代わりにゼンマイとすることも可能であるが、走行時間を長く取りたい場合はモータとすることが好ましい。また、「電池が収納」される客車は車両中に少なくとも1つ存在すればよい。さらに、「モータと走行車輪の組込み」ができる連結部材も車両中に少なくとも1つ存在すればよい。
このモノレール玩具によれば、電池が客車に収納され、モータや走行車輪が連結部材に組み込まれているので、連結部材を必要以上に大きくする必要がなくなる一方で、客車偶数の場合に真ん中の連結部材にモータや走行車輪を組み込むことで、往復走行する場合の走行状態が良好となる。すなわち、客車が偶数の場合に、客車の1つにモータや走行車輪を組み込むと、当該客車は行きでは他の客車を引く状態となり、帰りは他の客車を押す状態となるので、行きと帰りでは走行状態が異なるのに対して、客車が偶数の場合に真ん中の連結部材にモータや走行車輪を組み込むことで、行きと帰りで走行状態をほぼ同じとすることができる。さらに、連結部材と客車とが縦軸(鉛直軸)で結合され屈曲可能な車両にあっては、連結部材にモータ及び走行車輪を組み込むことで、曲線軌道に応じて連結部材が前記縦軸を中心に回動し、走行車輪の向きを適宜変えることになるので、曲線軌道部分での円滑な走行が可能となる。
【0010】
【発明の実施の形態】
1.モノレール玩具の全体構成
図1には実施形態のモノレール玩具100が示されている。このモノレール玩具100は、レール10と、レール10を支持するレール支持部材20と、レール10に懸垂状態で支持される車両30とを備えている。
【0011】
2.モノレール玩具の細部構成
(1)レール10の構成
図2に示すように、レール10は両面が対象形となっていて、帯状の平板部11の幅方向の両縁にそれぞれ張出し部12が一体的に付設され、その各張出し部12よりも内側にさらに張出し部13が一体的に設けられた構造となっている。また、レール10の長さ方向の一端には鳩尾状の凸部14が一体的に設けられ、他端部には鳩尾状の凹部15が形設された構造となっている。このような構造のレール10が図示はしないが多数用意されている。このレール10は、平板部11の一面を上方に向けた状態で床上に敷設することで、車体の左右端部の車輪で走行する電車玩具や自動車玩具を走行させるのにも利用することが可能となっている。
【0012】
また、実施形態のモノレール玩具100では、図示はしないが、平板部11が反り返ったレール10も用意されている。この反り返ったレール10を使用することにより、周回軌道を構成できるようになっている。
【0013】
なお、レール10の凸部14と凹部15の近傍にはそれぞれスリット16が形設され、このスリット16は、一のレール10の凸部14(又は凹部15)と他のレール10の凹部(又は凸部14)とを嵌合する際の逃げを形成している。
【0014】
(2)レール支持部材20の構成
▲1▼全体構成
レール支持部材20は、図1に示すように、左右脚21と、左右脚21の間に横臥された2つの横木22,23とを含んで構成され、上側の横木22の中央下には取付枠24が取り付けられた構造となっており、この取付枠24にはレール用挟持具25が付設されている。
【0015】
▲2▼レール用挟持具25の構成
挟持具25は、図3に示すように、左右の挟持片26と、各挟持片26のハンドル26aをクローエンド26bが閉じる方向(図3(a)の状態となる方向)に付勢する押しばね27とから構成され、各挟持片26は軸28を中心に開閉動作するようになっている。
【0016】
このうち、各挟持片26はL字状乃至は逆L字状に形成され、屈曲部の箇所で取付枠24に軸支持されている。また、各挟持片26のクローエンド26bの途中部分は内方に向けて突出した構造となっており、図3(b)に示すように、その突出部分26cでレール10における張出し部12と張出し部13の間の平板部11を挟持できるようになっている。
【0017】
また、各挟持片26のハンドル26aは、図3(a),(b)に示すように、取付枠24から下方に突出して設けられている。その結果、上側の横木23を軽く握った状態で人差し指と中指とで各ハンドル26aを同時に引上げ操作できるようになっている。
【0018】
(3)車両30の構成
▲1▼全体構成
車両30は、図1に示すように、2つの客車31と、客車31同士を互いに連結する連結部材32とから構成されている。そして、客車31と連結部材32との間は図示しない縦軸(鉛直軸)によって結合され、車両30がその縦軸を中心に横方向に屈曲可能となっている。
【0019】
▲2▼客車31の構成
2つの客車31の一方には図示はしないが電池が着脱可能に搭載されている。また、各客車31の天井上には正面側から見たときにU字状の枠体33が付設されている。この枠体33内には図4(a)に示す2つの案内車輪44が設置されている。
【0020】
すなわち、枠体33内には、図4(a)に示すように、縦軸(鉛直軸)41を中心に左右方向に所定範囲で回動可能な基台42が設置されている。そして、この基台42の左右の起立部43の内側にそれぞれ案内車輪44が付設されている。この両案内車輪44は同一水平軸線上に存在する軸(指示せず)を中心に回転可能となっている。また、左右の案内車輪44の間には所定の隙間が形成されている。そして、図4(b)に示すように、レール10に車両30を懸垂する際に、左右の案内車輪44の隙間にレール10の平板部11を位置させ、張出し部12の内面(上面)に左右の案内車輪44を載せるようになっている。
【0021】
▲3▼連結部材32の構成
連結部材32には前記電池を電源とするモータ(図示せず)が組み込まれている。また、連結部材32の天井上には正面側から見たときにU字状の枠体34が付設されている。この枠体34内には図5(a)に示す4つの案内車輪51と1つの走行車輪52とが設置されている。
【0022】
すなわち、枠体34内の左右には、図5(a)に示すように、それぞれ各2つずつの案内車輪51が設けられている。この案内車輪51の構成は左右でほぼ同一なので、左右の案内車輪51の一方のみを説明すれば、2つの案内車輪51は前後方向に所定の間隔をもって配設されている。このような2つの案内車輪51の組が左右向かい合った状態で設けられている。また、左右の案内車輪51の間には所定の隙間が形成されている。
【0023】
また、枠体34内のほぼ中央下には図5(a),(b)に示す走行車輪52が設けられている。この走行車輪52は図示しない前記モータによって回転駆動されるもので、横軸(水平軸)54を中心に回転可能に軸支されている。この走行車輪52の外周の両端部にはゴム輪55が付設されている。このゴム輪55は、滑り止めとして機能する。そして、図5(b)に示すように、レール10に車両30を懸垂する際に、左右の案内車輪51の隙間にレール10の平板部11を位置させ、左右の案内車輪51と走行車輪52との間でレール10の外側張出し部12を挟み込むようになっている。
【0024】
なお、各案内車輪51は図示しない付勢手段(押しばね等)によって下方に向けて付勢されるか、或いは、図示しない弾性アーム(弾性部材)に支持され、左右の案内車輪51と走行車輪52との間でレール10の張出し部12を弾性的に挟持することで、走行車輪52を張出し部12に当接させるようになっている。
【0025】
(4)遊び方等
モノレール玩具100で遊ぶには、レール支持部材20の挟持具25を開閉させることで、レール10をレール支持部材20に支持させる。このように支持部材20に支持させたレール10同士を凸部14及び凹部15を嵌合させることで互いに連結する。その際に、レール10の適当な箇所に車両30を懸垂させておく。そうして、全軌道が形成されたならば、図示しない電源スイッチをON側にすることで、走行車輪52がレール10の張出し部12の外面(車両寄りの面)に当接した状態で転動することになる。これにより、車両30はレール10に沿って走行することになる。
【0026】
3.他の実施態様
図6に示すように、縦軸(鉛直軸)を中心に回転する走行車輪52を張出し部12,13の間の平板部11の両面に当接するように配設してもよいし、図7に示すように、横軸(水平軸)を中心に回転する走行車輪52をレール10の張出し部12の内面(上面)に当接するように配設してもよい。
【0027】
また、前記実施形態では、懸垂式のモノレール玩具100について説明したが、レール10を下側に車両30をその上に配設するようにした跨座式のモノレール玩具100として構成してもよい。
【0028】
【発明の効果】
本発明によれば、興趣性に富み、しかも、構造簡素な自走式のモノレール玩具が実現される。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施形態のモノレール玩具の斜視図である。
【図2】図1のモノレール玩具のレールの斜視図である。
【図3】図1のモノレール玩具の挟持具の正面図である。
【図4】図1のモノレール玩具の客車に付設された案内車輪の斜視図である。
【図5】図1のモノレール玩具の連結部材に付設された案内車輪等の斜視図である。
【図6】他の実施形態のモノレール玩具の斜視図である。
【図7】さらに他の実施形態のモノレール玩具の斜視図である。
【符号の説明】
100 モノレール玩具
10 レール
20 レール支持部材
25 挟持具
30 車両
44,51 案内車輪
52 走行車輪

Claims (2)

  1. 帯状の平板部の表裏面の短手方向の両縁にそれぞれ外側張出し部及び内側張出し部によって構成され前記短手方向の縁に沿って延在する同形の凹部が前記平板部の表裏方向及び短手方向の対象位置に形成されたレールと、
    前記レールを着脱自在に挟持する挟持具が付設されたレール支持部材と、
    前記レールに支持され、モータと、前記モータによって回転駆動されて前記レールに対して転動する走行車輪と、走行方向前方に向かって左右に位置する案内車輪とを有する車両とを備え、
    前記平板部の表裏面が前記車両の走行方向前方に向かって左右に位置するように前記レールを起立させた状態で、前記平板部の表裏面の短手方向の一方の凹部を前記平板部の表裏面側から前記挟持具で挟持させることによって、前記レールを前記レール支持部材に支持させ、
    前記平板部の表裏面の他方の凹部を形成する前記外側張出し部の内面に前記車両の左右の案内車輪を当接させるとともに、前記走行車輪を該外側張出し部の外面に弾性的に当接させることによって、前記車両を前記レールに対して走行可能に設置する、
    ことを特徴とするモノレール玩具。
  2. 前記車両は、連結部材を介して連結される複数の客車を有し、前記客車に電池を収容し、前記連結部材に前記モータと前記走行車輪とを組み込んだことを特徴とする請求項1に記載のモノレール玩具。
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