JP3841111B2 - Si基板上へのAl2O3単結晶膜のヘテロエピタキシャル成長 方法及び該方法に使用する装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、半導体製造工業に於いて、LSI等の基板として使用されるSOI(Si on Insulator)基板の絶縁膜となるAl2O3単結晶膜のヘテロエピタキシャル成長方法及び該方法に使用する装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、Si基板上にAl2O3単結晶膜をヘテロエピタキシャル成長させるには、材料アルミニウム(Al)源として、トリメチルアルミニウムガス(TMA:Al(CH3)3)、酸素(O)源としてN2Oガスを使用し、ガスソ−ス分子線エピタキシャルまたは減圧気相成長法により行っていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
前述した従来の方法では、Al源に有機金属ガスのTMAを使用しているため、Si基板とAl2O3単結晶膜との界面において、TMAの分解による副産物として生成した炭素の混入が避けられなかった。この界面への炭素混入は、従来法では、成長方法の改良などで多少減少させることは可能であったが、分析装置の検出限界以下までの減少は極めて困難であった。
【0004】
Si基板とAl2O3単結晶膜との界面に混入した炭素は、成長させたAl2O3単結晶膜の結晶性、表面平坦性等を劣化させるので、SOI基板として用いてその上に素子を作成したとき、所望の特性が得られない等の欠点を招来する。
この発明は、このような点に着目してなされたものであり、界面への炭素混入量を極端に低減させ、Si基板上のAl2O3単結晶膜の結晶性、表面平滑性等の種々の特性劣化を改善したSi基板上へのAl2O3単結晶膜のヘテロエピタキシャル成長方法及び該方法に使用する装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明者は、鋭意研究の結果、従来の方法でAl源として用いたTMAの代わりに、固体Alを使用することによって、Si基板とAl2O3単結晶膜との界面への炭素混入が低減し、その結果、Si基板上のAl2O3単結晶膜の結晶性、表面平滑性等の種々の特性劣化が著しく改善することを見いだし、本発明に到達した。
【0006】
即ち、本発明の成長方法は、真空装置内にSi基板を配置し、内部を高度の真空度にして不純物を除去した後、該Si基板上へアルミニウム分子線とN₂Oガスとを同時に照射することを特徴とする。
また、本発明の成長装置は、真空装置内に配置したSi基板と、内部を高度の真空度にして不純物を除去した後、該Si基板上へアルミニウム分子線とN 2 Oガスとを同時に照射する、前記真空装置に取着したN₂Oガス導入管及び固体アルミニウムを内装したクヌーセンセルと、アルミニウム分子線を発生させるため該クヌーセンセルを加熱する手段とを具備してなることを特徴とする。
【0007】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の成長装置の該略図であり、円筒形の内部を真空にする真空装置5と、該真空装置5内の中央に配置したSi基板3と、該真空装置5に取着したN2Oガス導入管1と、内部に固体アルミニウムを内装したステンレス製クヌ−センセル2とから構成した例を示す。尚、図中6は、タ−ボ分子ポンプであり、7はロ−タリ−ポンプであり、真空装置5内を高度の真空状態にするため、このように両ポンプを併用している。
【0008】
N₂Oガス導入管1及びクヌーセンセル2は、Si基板3に、それぞれN₂Oガス及びアルミニウム分子線を照射し得るように、照射口がSi基板3に対向配置されている。
クヌーセンセル2の照射口には、シャッター4が開閉自在に取着され、アルミニウム分子線を照射するときは、シャッター4を開口させるようになっている。
クヌーセンセル2内には、ヒーター(図示せず)が内装され、該ヒーターによって、固体アルミニウムを1100℃前後に加熱し、アルミニウムを溶解、蒸発させ、アルミニウム分子線を生成させるようになっている。
【0009】
次に、上記本発明の装置を使用して、Si基板上へAl2O3単結晶膜をヘテロエピタキシャル成長させる方法を、図1に基づいて説明する。
まず最初に、Si基板3を化学洗浄した後、真空装置(成長室)5内に配置する。ついで、タ−ボ分子ポンプ6とロ−タリ−ポンプ7とによって、真空装置5内を1×10-7Paの真空度とし、空気等に含まれている不純物を除去する。
それから、真空装置5内の真空度を3×10-2Paに落とし、温度を850℃とし、クヌ−センセル2のヒ−タ−で固体アルミニウムを1100℃に加熱して、アルミニウムを溶解、蒸発させ、Al分子線を生成させる。
【0010】
Si基板上へのAl分子線の照射は、クヌ−センセル2の照射口に取着したシャッタ−4の開閉によって制御される。
シャッタ−4を開けて、Si基板上へAl分子線を照射し、同時にN2OガスをN2Oガス導入管1からSi基板上へ照射する。
このように850℃で30分間処理して、Si基板上へAl2O3単結晶膜をヘテロエピタキシャル成長させる。
【0011】
上記のようにして成長させたAl2O3単結晶膜を、X線光電子分光法によって組成分析した。結果のチャ−トを図2に示す。
図2より明らかなように、Alと酸素(O)との化学量論比は、サフアイアと一致し、炭素は検出限界以下であった。
【0012】
また、反射高速電子線回折によって、成長膜の結晶性を観測した。結果の反射高速電子線回折像を図3に示す。
図3より明らかなように、回折像はストリ−クパタ−ンとなった。このことは、Al2O3単結晶膜の結晶性及び表面平坦性が、従来の方法によって成長させたAl2O3単結晶膜よりも、はるかに良質であることを示すものである。
【0013】
【発明の効果】
以上述べた如く、本発明によれば、Si基板とAl2O3単結晶膜との界面に混入する炭素量をなくすか、若しくは著しく低減させることができるので、従来法と比べて、Al2O3単結晶膜の結晶性及び平坦性が格段に改善されると共に、このことによって、SOI基板としての素子を作成する際に、素子の特性劣化を防ぎ、高性能な素子の作成が可能となる等の画期的な効果が得られる。
【0014】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の成長装置の概略図である。
【図2】本発明の方法により得たAl2O3単結晶膜のX線光電子分光法による組成分析チヤ−トである。
【図3】本発明の方法により得たAl2O3単結晶膜の結晶構造を示す反射高速電子線回折像である。
Claims (4)
- 真空装置内にSi基板を配置し、内部を高度の真空度にして不純物を除去した後、該Si基板上へアルミニウム分子線とN2Oガスとを同時に照射することを特徴とするSi基板上へのAl2O3単結晶膜のヘテロエピタキシャル成長方法。
- 前記アルミニウム分子線が、固体アルミニウムを前記真空装置内で加熱蒸発させて生成させたものである請求項1に記載のヘテロエピタキシャル成長方法。
- 真空装置内に配置したSi基板と、内部を高度の真空度にして不純物を除去した後、該Si基板上へアルミニウム分子線とN 2 Oガスとを同時に照射する、前記真空装置に取着したN2Oガス導入管及び固体アルミニウムを内装したクヌーセンセルと、アルミニウム分子線を発生させるため該クヌーセンセルを加熱する手段とを具備してなることを特徴とするSi基板上へのAl2O3単結晶膜のヘテロエピキシャル成長装置。
- 前記クヌーセンセルの照射口に、開閉自在なシャッターを取着し、該シャッターを開口させることによって、前記アルミニウム分子線を前記Si基板に照射するように構成してなる請求項3に記載のヘテロエピタキシャル成長装置。
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1995
- 1995-10-17 JP JP29328595A patent/JP3841111B2/ja not_active Expired - Lifetime
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