JP3479679B2 - 炭化珪素基板とその製造方法 - Google Patents

炭化珪素基板とその製造方法

Info

Publication number
JP3479679B2
JP3479679B2 JP2000182454A JP2000182454A JP3479679B2 JP 3479679 B2 JP3479679 B2 JP 3479679B2 JP 2000182454 A JP2000182454 A JP 2000182454A JP 2000182454 A JP2000182454 A JP 2000182454A JP 3479679 B2 JP3479679 B2 JP 3479679B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
silicon carbide
silicon
layer
silicon wafer
carbide substrate
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP2000182454A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2002003299A (ja
Inventor
信輝 坪内
昭義 茶谷原
淳 木野村
裕治 堀野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
National Institute of Advanced Industrial Science and Technology AIST
Original Assignee
National Institute of Advanced Industrial Science and Technology AIST
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by National Institute of Advanced Industrial Science and Technology AIST filed Critical National Institute of Advanced Industrial Science and Technology AIST
Priority to JP2000182454A priority Critical patent/JP3479679B2/ja
Publication of JP2002003299A publication Critical patent/JP2002003299A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3479679B2 publication Critical patent/JP3479679B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Crystals, And After-Treatments Of Crystals (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する分野】本発明は、炭化珪素基板およびそ
の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】単結晶炭化珪素基板は、炭化珪素からな
る単結晶インゴットをスライス・研磨して製造され、炭
化珪素や窒化ガリウム半導体素子の基板として使用され
る。
【0003】単結晶炭化珪素基板の原料となる単結晶イ
ンゴットは、昇華法により製造されるので高価である。
炭化珪素は硬度が高く、その切断・研磨などの加工が困
難であるので、単結晶炭化珪素基板は非常に高価なもの
である。これが、炭化珪素半導体素子の普及の妨げにな
っている。
【0004】そこで、シリコンウェハ(シリコン基板)上
に炭化珪素を薄膜として形成し、これを単結晶炭化珪素
基板として用いることが研究・開発されてきた。シリコ
ンウェハは、現在の主要な半導体材料であり、製造技術
が確立しているので、この技術が確立すればコストを低
減できる。例えば、1000℃程度の高温に保ったシリコン
ウェハ上に炭化水素ガスを供給し、ウェハ表面を炭化
し、次に炭化水素とシランなどの混合ガスを供給し、ウ
ェハ上に炭化珪素の単結晶を成長させる方法が採られて
いる。
【0005】しかしながら、この方法によって得られる
単結晶炭化珪素は、多くの欠陥を含むので、電子素子と
して応用しがたい。また、この方法では、炭化珪素を成
長させるために1000℃程度の高温が必要であるので、シ
リコンと炭化珪素の界面付近に欠陥や転位が生じる。ま
た、素子の電気伝導性を制御するためのドープ剤濃度の
分布に狂いが生じる。これらは、電子素子としての品質
低減の原因となる。
【0006】これらの点を改良するため、シリコン上に
炭素を供給させる際に、希ガスなどのイオンビームで層
の形成をアシストすることにより炭化珪素層を形成する
方法、シリコンウェハに高エネルギーイオン注入を行
い、炭化珪素埋め込み層を形成し、表面に残ったシリコ
ン層を研磨などにより除去する方法などが提案されてい
る。
【0007】しかしながら、いずれの方法を採った場合
にも、炭化珪素単結晶の欠陥が十分に低減されないの
で、実用化に至っていない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、シリコンウ
ェハを下地として用いた高品質の炭化珪素基板およびそ
の製造方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】発明者は、鋭意研究を重
ねた結果、炭素を含むイオン種を特定のエネルギーでシ
リコンウェハに照射することにより、シリコンウェハ表
面に高品質の炭化珪素層を形成できることを見出し、本
発明に至った。
【0010】すなわち、本願発明は、下記の炭化珪素基
板およびその製造方法を提供するものである。1.シリ
コンウェハの表層を単結晶炭化珪素化させた炭化珪素基
板であって、単結晶炭化珪素の反射高速電子線回折像
が、ストリーク形状を示すことを特徴とする炭化珪素基
板。2.シリコンウェハに炭素を含むイオンを低エネル
ギーで照射し、シリコンウェハの表層を単結晶炭化珪素
化させることを特徴とする炭化珪素基板の製造方法。
3.シリコンウェハを300〜1000℃に保ちながら、炭素
を含むイオンを低エネルギーで照射し、シリコンウェハ
の表層を単結晶炭化珪素化させることを特徴とする炭化
珪素基板の製造方法。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明の炭化珪素基板は、シリコ
ンウェハ(シリコン基板)の表層を単結晶炭化珪素化させ
た炭化珪素基板であって、単結晶炭化珪素の反射高速電
子線回折像(RHEED : Reflection High-Energy Electron
Diffraction)が、ストリーク形状を示すことを特徴と
する。以下、本発明の炭化珪素基板においてシリコンウ
ェハからなるシリコン層を「第1層」といい、単結晶炭化
珪素層を「第2層」ということがある。
【0012】本発明の炭化珪素基板におけるシリコンウ
ェハは、シリコン単結晶であることが好ましい。シリコ
ンウェハの厚みは、特に制限されないが、通常1μm〜10
mm程度、好ましくは5μm〜1mm程度である。
【0013】本発明の炭化珪素基板における第2層のRH
EEDは、ストリーク形状、即ち細長い形状を示す。第2
層のRHEEDは、細長ければ特に制限されないが、回折像
の横/縦の比が、通常1/3〜1/100程度、好ましくは1/4〜
1/10程度である。第2層のRHEEDが、ストリーク形状を
示すことから、第2層は、第1層に対してエピタキシャ
ルに成長していることが判る。
【0014】 第2層のRHEEDが、ストリーク形状
を示すことから、本発明の炭化珪素基板は、2次元的に
成長した平滑な単結晶炭化珪素表面を有していると考え
られる。本発明の炭化珪素基板の第2層表面の平滑性
は、第2層のRHEEDにおいてストリーク形状がみら
れる限り特に制限されないが、最大高さとして、通常約
0.5nm以下、好ましくは約0.1nmである。
【0015】本発明の炭化珪素基板における単結晶炭化
珪素層の厚みは、特に制限されないが、通常0.1〜10nm
程度、好ましくは1〜5nm程度である。
【0016】本発明の炭化珪素基板における炭化珪素層
は、単結晶であれば特に制限されず、3C型立方最密充填
構造であることが好ましい。本発明の炭化珪素基板にお
ける炭化珪素層は、必要に応じて、N、Al、Ga、Bなど
のドープ剤を含んでいても良い。ドープ量は、ドープ剤
の種類などに応じて適宜設定することができるが、通常
1013〜1020cm-3程度、好ましくは1014〜1016cm-3程度で
ある。
【0017】本発明の炭化珪素基板は、例えば、シリコ
ンウェハ表面に炭素を含むイオンを低エネルギーで照射
し、シリコンウェハの表層を単結晶炭化珪素化させる方
法などによって製造することができる。
【0018】本発明の炭化珪素基板に用いるシリコンウ
ェハは、特に制限されず、一般に電子素子、集積回路な
どの製造用に用いられているシリコンウェハ(好ましく
は単結晶シリコンウェハ)を使用できる。シリコンウェ
ハは、イオン照射に先立ち、酸による洗浄、高真空下
(通常10-9〜10-7Pa程度)における加熱(通常800〜900℃
程度)などの公知の表面処理を施すことにより、シリコ
ン原子面を露出させておくことが好ましい。
【0019】シリコンウェハ表面に照射するイオン種
は、特に制限されず、C+;CH3 +などの炭化水素イオン;
-;C2 -などの炭素を含むイオンであり、好ましくはC
+、C-、CH3 +などである。炭素を含むイオンの質量は、
特に制限されないが、通常12〜100程度、好ましくは12
〜15程度である。このような炭素を含むイオンをイオン
ビームとしてシリコンウェハ表面に照射する。
【0020】炭素を含むイオンを発生させる方法は、特
に制限されず、公知の方法を用いることができる。炭素
を含むイオンを発生させるためのイオン源は特に制限さ
れず、例えば、フリーマン型イオン源、カウフマン型イ
オン源、ECR型イオン源などを例示できる。
【0021】本発明の炭化珪素基板の製造方法の一例
を、より具体的に以下に示す。まず、シリコンウェハを
照射真空槽などに設置し、別途形成させた炭素を含むイ
オンをこの照射真空槽などに導入する。炭素を含むイオ
ンのイオン形成は、放電箱などにおいて、CH4、C2H2、C
2H4、C2H6、C3H6、C3H8などの炭化水素ガス、CO、CO2
どのガスを導入すると共に10mW〜1kW程度、周波数1〜3G
Hz程度のマイクロ波を0.01〜1テスラ程度の磁場と共に
印加することにより、ガスをプラズマ化し、炭素を含む
イオンを発生させる。発生させたイオンをプラズマから
引き出した後、加速し、更に所望のイオンを質量分離
後、逆電界をかける方法などにより必要なエネルギーに
減速し、シリコンウェハを設置した照射真空槽などに導
く。
【0022】炭素を含むイオンをイオンビームとしてシ
リコンウェハに照射する時のエネルギーは、通常10〜50
0eV程度、好ましくは40〜60eV程度である。イオンビー
ムの電流量は、特に制限されないが、通常1μA〜100mA
程度、好ましくは5〜100μA程度である。
【0023】第2層の形成にあたっては、シリコンウェ
ハに炭素を含むイオンを照射をしながらシリコンウェハ
表面の結晶構造を高速電子線回析法などを用いて観察す
ることにより、シリコンウェハ表面の結晶構造がシリコ
ンから炭化珪素に変化する過程をモニターしておくこと
が望ましい。
【0024】シリコンウェハ上に炭素イオンを照射する
時間は、イオンビームの電流量などに応じて適宜設定す
ることができる。例えば、イオンビームの電流量が1μA
の場合の炭素イオン照射時間は、1cm2あたり、通常1〜1
5分程度、好ましくは5〜10分程度である。或いは、イオ
ン照射時のRHEEDによるモニタリングにおいて、シリコ
ンウェハのパターンが消え、炭化珪素結晶のパターンが
現れるまで、イオンを照射しても良い。シリコンウェハ
上に炭素イオンを照射しすぎると、炭化珪素面において
炭素過剰となる恐れがある。
【0025】イオン照射時におけるシリコンウェハを設
置した照射真空槽などの真空度は、高真空であるほど好
ましい。照射真空槽内の真空度は、通常約5x10-6Pa以
下、好ましくは約10-7Pa以下である。
【0026】イオン照射時のシリコンウェハの温度は、
高く設定するほど第2層の結晶性がよくなると期待され
る。しかしながら、シリコンウェハの温度が高すぎる場
合には、シリコンと炭化珪素との界面付近に欠陥や転位
が生じる恐れがある。また、表面平滑性と製造コストか
らは、低温の方が望ましい。イオン照射時のシリコンウ
ェハの温度は、通常300〜1000℃程度、好ましくは500〜
700℃程度である。
【0027】必要に応じて炭化珪素基板の第2層にドー
プ剤をドーピングする場合には、当該分野において公知
の方法を用いることができる。例えば、炭素を含むイオ
ンと共に、ドープ剤含有のガス、蒸気などをシリコンウ
ェハを設置した照射真空槽に導く方法などを採ることが
できる。より具体的には、Nなどをドーピングする場合
には、N含有ガス(例えば、N2、NH3など)を照射真空槽に
導く方法などを採ることができる。例えば、Ga、Al、B
などをドーピングする場合には、これらの元素を含むガ
ス(例えば、ジボランなどの水酸化物などを)照射真空槽
に導く方法;クヌーセンセルなどの高温セルを使用し、
高温セルから所望の元素種を蒸気として流出させて、こ
れを照射真空槽に導く方法などを採ることができる。
【0028】本発明の炭化珪素基板は、第2層上に更に
高品質炭化珪素(例えば単結晶炭化珪素)層を成長させる
ための基板、第2層上にGaNを成長させる基板などとし
て好適に用いることができる。第2層上への高品質炭化
珪素の成長方法として、例えば、低エネルギーの炭素イ
オンおよび珪素イオンを本発明の炭化珪素基板に交互に
照射し、基板の炭化珪素層上に更に炭化珪素層をホモエ
ピタキシャルに成長させる方法を例示できる。或いは、
第2層上への高品質炭化珪素の成長方法は、当該分野に
おいて公知の方法を用いることができる。第2層状への
GaNなどの成長方法は、当該分野において、公知の方法
を用いることができる。
【0029】
【効果】本発明によると、従来のものよりも炭化珪素単
結晶における欠陥の少ない高品質の炭化珪素基板を得る
ことができる。
【0030】本発明方法によると、シリコンウェハを従
来法に比して低温に保った場合にも炭化珪素基板を得る
ことができる。また、本発明方法によると、シリコンウ
ェハに直接炭素を含むイオンを照射することにより、シ
リコンウェハの最表面だけではなく、最表面から数nmま
での領域にイオンを注入することができる。このため、
Siが拡散しないので、シリコンウェハと炭化珪素層との
界面における欠陥を著しく抑制できる。結果、高品質の
炭化珪素基板を得ることができる。
【0031】
【実施例】以下に、本発明の実施例を挙げ、本発明をよ
り具体的に説明する。本発明は、以下の実施例に限定さ
れるものではない。
【0032】実施例1 (100)表面の出たシリコンウェハを酸で洗浄し、表面酸
化相を取り除いた後、シリコンウェハを照射真空槽に設
置し、真空槽内を7×10-8Pa以下とした。その後、シリ
コンウェハの温度を800℃程度まで上げることにより、
シリコンウェハ表面を清浄化し、シリコン原子面を露出
させた。シリコン表面の(2x1)表面超構造の形成を高速
電子線回折法により観察し、清浄化の確認を行った。
【0033】一方、イオンビーム照射に用いる炭素を含
むイオンを以下のようにして発生させた。ECR型イオン
源内のBN放電箱中にイオン源となるガス(CO2とCH4)を導
入した。このBN放電箱に0.1テスラの磁場をかけ、800W
程度、周波数2.54GHzのマイクロ波を導入し、放電箱中
のガスをプラズマ化した。生成されたプラズマから、
C+;CH3 +などの炭化水素イオンを引き出し、20keV程度
に加速した後、質量12のC+イオンおよび質量15のCH3 +
イオンを質量分離した。質量分離された炭素を含むイオ
ンを照射真空槽へと導き、逆電界をかけることによりシ
リコンウェハ直前で減速させ、イオンのエネルギーを50
eVとした。このようにして得られた低エネルギーの炭素
を含むイオンを照射真空槽内に設置したシリコンウェハ
上へ照射した。
【0034】清浄化されたシリコンウェハを500、600ま
たは700℃に保ち、シリコンウェハ上へ電流量2〜10μA
の上記イオンビームを照射した。その際の真空槽の真空
度は、10-6Pa程度であった。照射された炭素を含むイオ
ンが、シリコンウェハ表面のSiと反応し、シリコンウェ
ハ表面の結晶構造がシリコンから炭化珪素結晶へと変化
した。イオン照射時に、RHEEDによるモニタリングを行
ったところ、RHEEDにおいて、シリコンウェハのパター
ンが消え、炭化珪素結晶のパターンが現れたので、イオ
ン照射を止めた(シリコンウェハ1cm2あたりの照射時
間:10分程度)。
【0035】イオンビーム照射中及び照射後の基板表面
のRHEEDにおいてストリーク形状がみられたことから、
シリコンウェハ上へ炭化珪素がエピタキシャルに形成さ
れていることを確認した。
【0036】得られた基板の炭化珪素層の電子線回折像
が、ストリーク状のパターンを示したことから、表面平
滑性に優れた高品質の単結晶炭化珪素がシリコンウェハ
上に形成されていることがわかった。イオンビーム照射
時にシリコンウェハを600℃に保った場合について、得
られた基板の単結晶炭化珪素面のRHEEDを図1に示す。
イオンビーム照射時にシリコンウェハを500℃または600
℃に保った場合も、図1と同様のRHEEDが得られた。
【0037】比較例 M. Kitabatake, M. deguchi, T. Hatano, J. Appl.Phy
s., 74(7), 4438-4445(1993)に記載の方法に従って、炭
化珪素基板を得た。より具体的には、以下の方法に従っ
て炭化珪素基板を得た。
【0038】グラファイトを電子線加熱法により加熱
し、炭素原子を蒸発させた。蒸発させた炭素原子を940
℃において、シリコンウェハ上へ蒸着させ、炭化珪素基
板を得た。得られた炭化珪素基板の炭化珪素面における
RHEEDを図2に示す。
【0039】従来法を用いて得られた炭化珪素基板の炭
化珪素面におけるRHEEDは、横/縦の比が、約0.7であっ
た。このことから、得られた炭化珪素基板表面は、表面
性において劣っているので、この表面上に更に高品質の
炭化珪素、GaNなどを成長させることは困難である。
【0040】この方法では、本発明の方法よりも処理温
度を高温に保たなければならないので、シリコンウェハ
と炭化珪素層との界面に欠陥が多く存在すると考えられ
る。また、この方法では、反応ガスである炭素原子がSi
最表面にしか供給されないので、SiCを形成するために
は、Si基板からSiが移動して炭化珪素を形成しなくては
ならない。このことからも、比較例において得られた炭
化珪素基板は、上記の界面において欠陥がより多く生じ
ると考えられる。
【0041】参考例 実施例1において得られた単結晶炭化珪素基板上に、更
に単結晶炭化珪素(以下、「第3層」ということがある)を
ホモエピタキシャル成長させた炭化珪素基板を製造し
た。製造方法を以下に記載する。
【0042】ECR型イオン源を用いて発生させた炭素イ
オンを20keVに加速することによりビーム状にし、この
中から質量分離により質数12の炭素イオン(C+)のみを選
別した。炭素イオンとは別個のイオン源(スパッタ型イ
オン源)を用いて、炭素イオンと同様の方法で、質量数2
8の珪素イオン(Si-)ビームを得た。
【0043】得られた炭素イオンビームおよび珪素イオ
ンビームをそれぞれエネルギーが50eVになるまで、逆電
界をかけることにより減速させた。照射真空槽に設置し
た実施例1において得られた単結晶炭化珪素基板表面
(第2層表面)に2種のイオンビームを20分交代で、交互
に照射し、第2層表面上に単結晶炭化珪素層(第3層)を
ホモエピタキシャルに成長させた。炭素イオンと珪素イ
オンのイオン電流量は、それぞれ10μA程度であった。
イオン照射時における照射真空槽の真空度は、1x10-6Pa
程度であった。イオン照射時の炭化珪素基板の温度は、
700℃とした。新たに成長させた炭化珪素層の成長過程
をRHEEDによってモニタリングすることにより、3C-SiC
構造を維持し、第2層および第3層からなる単結晶の3C
-SiC層がシリコンウェハに対してエピタキシャル成長を
していることを確認した。イオン照射は、2種のイオン
ビームの照射時間の合計として、2時間照射した。
【0044】得られた基板の単結晶3C-SiCについて赤外
線吸収測定を行ったところ、800cm- 1に半値全幅(半分の
ピーク強度におけるピーク幅)が約50cm-1である鋭いピ
ークが得られた。この結果から、実施例1において得ら
れた第2層上に、欠陥の程度および結晶性が従来レベル
の単結晶炭化珪素層がホモエピタキシャル成長している
ことが解った。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、実施例1において得られた炭化珪素基
板の単結晶炭化珪素面のRHEEDを示す。
【図2】図2は、比較例1において得られた炭化珪素基
板の単結晶炭化珪素面のRHEEDを示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平3−197385(JP,A) 特開 平4−114995(JP,A) 特開 平7−82098(JP,A) 特開 平5−24999(JP,A) 特開 平5−286794(JP,A) 特開 平6−191997(JP,A) 特開 平9−181011(JP,A) 特開 平10−203897(JP,A) 特開 平11−71200(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C30B 1/00 - 35/00 JSTPlus(JOIS)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】シリコンウェハを500〜700℃に保ち
    ながら、炭素を含むイオンを10〜500eVで照射
    し、シリコンウェハの表層を単結晶炭化珪素化させるこ
    とを特徴とする炭化珪素基板の製造方法。
  2. 【請求項2】炭素を含むイオンを40〜60eVで照射
    する、請求項1に記載の炭化珪素基板の製造方法。
JP2000182454A 2000-06-19 2000-06-19 炭化珪素基板とその製造方法 Expired - Lifetime JP3479679B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000182454A JP3479679B2 (ja) 2000-06-19 2000-06-19 炭化珪素基板とその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000182454A JP3479679B2 (ja) 2000-06-19 2000-06-19 炭化珪素基板とその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2002003299A JP2002003299A (ja) 2002-01-09
JP3479679B2 true JP3479679B2 (ja) 2003-12-15

Family

ID=18683206

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000182454A Expired - Lifetime JP3479679B2 (ja) 2000-06-19 2000-06-19 炭化珪素基板とその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3479679B2 (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
JP2002003299A (ja) 2002-01-09

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4873467B2 (ja) オフ角を有する単結晶基板の製造方法
JP2005047792A (ja) 微細構造、特にヘテロエピタキシャル微細構造およびそのための方法
US5334283A (en) Process for selectively etching diamond
JP2008053343A (ja) 炭化珪素半導体エピタキシャル基板の製造方法
US5744825A (en) Composite structure for an electronic component comprising a growth substrate, a diamond layer, and an intermediate layer therebetween
US20100000967A1 (en) Removal method of surface damage of single crystal diamond
EP2296169B1 (en) Method for manufacturing nitrogen compound semiconductor substrate, nitrogen compound semiconductor substrate, method for manufacturing single crystal sic substrate, and single crystal sic substrate
JP3479679B2 (ja) 炭化珪素基板とその製造方法
JPH1081599A (ja) 炭化珪素の成長法
JP5382742B2 (ja) オフ角を有する単結晶基板の製造方法
JPH06224127A (ja) シリコン膜の成長方法およびその装置
JP3550665B2 (ja) 炭化珪素薄膜の製造方法
JPH07172997A (ja) 炭化珪素薄膜の製造方法及び製造装置
KR102401334B1 (ko) 그래핀과 하이브리드화에 의한 다이아몬드의 밴드갭 제어방법
JPH05213695A (ja) ダイヤモンド薄膜の堆積方法
Nagano et al. Preparation of silicon-on-insulator substrate on large free-standing carbon nanotube film formation by surface decomposition of SiC film
JP2004352537A (ja) 単結晶ダイヤモンド薄膜成長用基板及びその製造方法
Henke et al. Low Temperature Formation of β-SiC by C60Deposition on Silicon
JPH09255495A (ja) 炭化珪素膜及びその形成方法
Bao et al. The formation and microstructures of Si-based blue-light emitting porous β-SiC
Tsubouchi et al. Ion-Beam 3C–SiC Heteroepitaxy on Si
Humphreys et al. Surface preparation of single crystal C (001) substrates for homoepitaxial diamond growth
JP2024066069A (ja) (111)面を主面とする単結晶ダイヤモンド膜
Kim et al. Improved heteroepitaxial MBE GaN growth with a Ga metal buffer layer
JPH11274089A (ja) 薄膜の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
TRDD Decision of grant or rejection written
R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 3479679

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

EXPY Cancellation because of completion of term