JP3840575B2 - 共振子型弾性表面波フィルタ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は弾性表面波フィルタ(以下、SAWフィルタと称す)に関し、特に通過帯域幅を広帯域化したSAWフィルタに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、SAWフィルタは通信分野で広く利用され、高性能、小型、量産性等の優れた特徴を有することから特に携帯電話機等に多く用いられている。SAWフィルタの中で共振子型SAWフィルタの特徴の一つは挿入損失が小さいことであり、携帯電話機等のRFフィルタに適している。欧州の1.8GHz携帯電話システム(DCS)の送信用RFフィルタでは、1710MHzから1785MHzまでを通過帯域(75MHz)とする広帯域なフィルタ特性が要求されている。
例えば、圧電基板に36度回転YカットX伝搬LiTaO3(36°Y X LiTaO3)を用いた共振子型SAWフィルタでは温度特性、経年変化、製造時のバラツキ等を考慮すると、上記帯域幅は90MHz以上あることが望ましい。そこで、広帯域に適したフィルタとして縦結合の1次と3次モードを利用した1次−3次縦結合二重モードSAWフィルタ(以下、二重モードSAWフィルタと称す)が知られており、このRFフィルタを試作すべく検討することにした。
【0003】
図26は二重モードSAWフィルタの構成を示す平面図であって、圧電基板20の主表面上に表面波の伝搬方向に沿って、3つのIDT電極21、22、23を近接配置すると共にこれらの両側にグレーティング反射器(以下、反射器と称す)24a、24bを配設する。IDT電極21、22、23はそれぞれ互いに間挿し合う一対のくし形電極より構成され、IDT電極22、23の一方のくし形電極同士を接続して入力端子INに接続し、他方のくし形電極をそれぞれ接地する。さらに、IDT電極21の一方のくし形電極を出力端子OUTに接続すると共に他方のくし形電極を接地して二重モードSAWフィルタを構成する。この二重モードSAWフィルタでは、中央のIDT電極21と両側のIDT電極22、23との相隣接する電極指の中心間間隔Lをほぼλ/4(λは電極周期)とすることにより最大の帯域幅が得られることが知られている。正規型IDT電極であって電極指幅とスペース幅が等しい場合、隣接電極指の中心間間隔Lをλ/4に設定すると電極指同士が接触することになる。そこで例えば、両外側のIDT電極22、23の中央IDT電極21側の最外側電極指をそれぞれのバスバーから切り離し、中央のIDT電極21のバスバーに接続する如く構成することにより、図26に示すように、中央IDT電極21の最外側の電極指を幅広とするのが一般的である。
【0004】
図27は圧電基板に36°Y X LiTaO3を用い、IDT電極21の電極対数を15.5対、IDT電極22、23の電極対数をそれぞれ10.5対、交叉幅60λ、反射器24a、24bの本数をそれぞれ200本、電極膜厚を0.18μmとして構成した二重モードSAWフィルタのフィルタ特性αと位相特性βである。なお、フィルタを広帯域化するために特開平11−251868に開示された手法、即ちIDT電極のライン占有率(電極指幅とスペース幅の和に対する電極幅の比)を0.7として反射器のライン占有率0.5より大きくする手法を用いた。しかし、図27から4dBの帯域幅は89.89MHzとなり、望ましい帯域幅90MHzを満たしていないことが明らかとなった。
【0005】
図28は通過帯域を広げるべく図27に用いた諸定数の中、交叉幅Wを30λとした場合のフィルタ特性αと位相特性βである。4dBの帯域幅は目標を満足する90.6MHzと広くなったものの、電圧定在波比(VSWR、電圧の最大値と最小値との比)が図29に実線αで示すように劣化し、要求規格(3.5)を満たさないことが明らかになった。なお、破線βは交叉幅が60λである図23に示した二重モードSAWフィルタのVSWRである。
【0006】
そこで、通過帯域幅90MHz以上という広帯域フィルタを実現するべく、特開平1−236809に開示されている2ポートSAW共振子と1ポートSAW共振子とを並列接続した共振子型SAWフィルタを検討することにした。この共振子型SAWフィルタは、2ポートSAW共振子と1ポートSAW共振子とを併置し、入力の位相に対して2ポートSAW共振子の出力が逆相(180°)となるように、1ポートSAW共振子の出力が同相になるように並列接続したものである。電気的等価回路としては格子型回路となり、適当な終端を施すことによりフィルタを構成するタイプの共振子型SAWフィルタである。
図30(a)はその具体例を示す図であって、圧電基板30の主表面上に表面波の伝搬方向に沿って2つのIDT電極31、32を近接配置すると共に、それらの両側に反射器33a、33bを配設して2ポートSAW共振子P2を形成する。IDT電極31、32はそれぞれ互いに間挿し合う複数の電極指を有する一対のくし形電極からなり、IDT電極31、32のそれぞれ一方のくし形電極を入力端子IN及び出力端子OUTに接続し、他方のくし形電極をそれぞれ接地する。そして、入力端子INと出力端子OUTとの間に1ポートSAW共振子P1を接続して、共振子型SAWフィルタを構成する。なお、2ポートSAW共振子P2におけるIDT電極31、32の相隣接する電極指の中心間間隔をLとする。
【0007】
図30(b)は1ポートSAW共振子P1の構成を示す平面図であって、圧電基板34の主表面上に表面波の伝搬方向に沿ってIDT電極35とその両側に反射器36a、36bとを配置して構成する。図30(a)に示す共振子型SAWフィルタの通過帯域幅は、1ポートSAW共振子P1の共振周波数f1と2ポートSAW共振子の共振周波数f2との差(f1−f2)によって決まる。なお、図30(a)では1ポートSAW共振子P1を、記号を用いて表しているが、同一圧電基板30上に2ポートSAW共振子P2と併置して1ポートSAW共振子P1を構成するのが一般的である。
【0008】
上記共振子型SAWフィルタを構成する場合、2ポート共振子P2のインピーダンスは一般的に高くなるので、1ポートSAW共振子P1のインピーダンスを2ポート共振子P2のインピーダンスに整合するように構成する必要がある。図31は1ポートSAW共振子のインピーダンスを高めるために、5つの1ポートSAW共振子Sr1、Sr2、Sr3、Sr4、Sr5をそれぞれ直列接続して複合1ポートSAW共振子P1を構成した例である。
【0009】
上記共振子型SAWフィルタに用いる1ポートSAW共振子P1、2ポートSAW共振子P2のそれぞれの伝送特性と位相特性、および共振子型SAWフィルタのフィルタ特性をシミュレーションによって求めた。共振周波数を1756.02MHzとし、圧電基板に36°Y X LiTaO3を用い、IDT電極35の対数を120対、交叉幅Wを10λ、反射器36a、36bの本数をそれぞれ80本、アルミニウム合金の電極膜厚Hを0.18μmに設定した1ポートSAW共振子を、図31に示すように5個直列接続した複合1ポートSAW共振子P1の伝送特性Aと位相特性Bを図32に示す。
そして、図33は図32と同一圧電基板、電極膜厚を用い、IDT電極31、32の電極対数を共に18対、交叉幅を80λ、反射器33a、33bの本数を200本、電極指中心間間隔Lを0.25λ(λはIDT電極の電極周期)に設定した場合の2ポート共振子P2の伝送特性Aと位相特性Bである。
【0010】
図34は図32、33にそれぞれ示した複合1ポートSAW共振子P1と、2ポート共振子P2とを用いて構成した共振子型SAWフィルタのフィルタ特性αと位相特性βである。しかし、図34に示すフィルタ特性では、挿入損失が4dBとなる周波数の帯域幅が59.75MHzとなり、DCS用RFフィルタに適用できない。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
図35は通過帯域幅を広げ90MHz以上とするべく、複合1ポートSAW共振子P1の共振周波数f1を20MHz程高めて、広帯域化を試みた共振子型SAWフィルタのフィルタ特性αと位相特性βとを示す図である。
【0012】
しかしながら、図30(a)に示すような2ポートSAW共振子P2と、1ポートSAW共振子P1とを並列接続して構成した共振子型SAWフィルタにおいては、図35のフィルタ特性αから明らかなように、通過域に大きなリップルSPが発生しており、欧州DCS送信用RFフィルタの要求通過帯域幅(90MHz以上が望ましい)を満たすことができないという問題があった。
本発明は上記問題を解決するためになされたものであって、欧州DCSの送信用RFフィルタの規格を満たす広帯域な共振子型SAWフィルタを提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明に係る共振子型弾性表面波フィルタの請求項1記載の発明は、圧電基板の主表面上に3つのIDT電極とこれらの両側にグレーティング反射器とを配置すると共に、中央のIDT電極の一方のくし形電極を第1の端子とし、両側の2つのIDT電極のそれぞれ一方の側のくし形電極を接続して第2の端子とし、他のくし形電極をそれぞれ接地して形成した2ポート弾性表面波共振子と、IDT電極とその両側に配置したグレーティング反射器からなる1ポート弾性表面波共振子とを互いに並列を接続したものであって、入力の位相に対して2ポート弾性表面波共振子の出力が逆相となり、1ポート弾性表面波共振子の出力が同相であることを特徴とする共振子型弾性表面波フィルタである。
請求項2記載の発明は、前記1ポート弾性表面波共振子を複数の1ポート表面波共振子から構成したことを特徴とする請求項1記載の共振子型弾性表面波フィルタである。
請求項3記載の発明は、前記2ポート弾性表面波共振子の中央のIDT電極と両側のIDT電極との相隣接する電極指の中心間間隔Lを、λ/4≦L<λ/2(λはIDT電極周期)を満たすように設定したことを特徴とする請求項1または2に記載の共振子型弾性表面波フィルタである。
請求項4記載の発明は、前記2ポート弾性表面波共振子の中央のIDT電極の最外側の電極指、あるいは両側のIDT電極の最内側の電極指を幅広に形成したことを特徴とする請求項1乃至3に記載の共振子型弾性表面波フィルタである。
請求項5記載の発明は、前記2ポート弾性表面波共振子の3つのIDT電極のライン占有率をグレーティング反射器のそれよりも大きくしたことを特徴とする請求項1乃至4に記載の共振子型弾性表面波フィルタである。
請求項6記載の発明は、前記2ポート弾性表面波共振子の中央のIDT電極と両側のIDT電極との相隣接する電極指の中心間間隔LをIDT電極の電極周期λの1/2とすると共に、相隣接する電極指の一方を入力あるいは出力に、他方の電極指を接地したことを特徴とする請求項1に記載の共振子型弾性表面波フィルタである。
請求項7記載の発明は、前記1ポート弾性表面波共振子を2分割すると共にこれらを直列接続したことを特徴とする請求項1乃至6記載の共振子型弾性表面波フィルタである。
請求項8記載の発明は、請求項1乃至7に記載の共振子型弾性表面波フィルタの入力あるいは出力に直列に少なくとも1個の1ポート弾性表面波共振子を接続したことを特徴とする共振子型弾性表面波フィルタである。
請求項9記載の発明は、請求項1乃至8に記載の共振子型弾性表面波フィルタの入力あるいは出力に並列に少なくとも1個の1ポート弾性表面波共振子を接続したことを特徴とする共振子型弾性表面波フィルタである。
請求項10記載の発明は、前記2ポート弾性表面波共振子のIDT電極にミドルグレーティングを形成したことを特徴とする請求項1、2、5、7、8、9のいずれかに記載の共振子型弾性表面波フィルタである。
請求項11記載の発明は、前記2ポート弾性表面波共振子の中央のIDT電極と両側のIDT電極との隣接部の電極周期が他の部分の電極周期より小さくしたことを特徴とする請求項1、2、5、7、8、9のいずれかに記載の共振子型弾性表面波フィルタである。
請求項12記載の発明は、圧電基板の主表面上に表面波の伝搬方向に沿って3つのIDT電極とこれらの両側にグレーティング反射器とを配置した2ポートSAW共振子を形成すると共に、一つのIDT電極とグレーティング反射器とからなる2つの1ポートSAW共振子を、前記2ポートSAW共振子を挟むようにそれぞれ配設し、前記2ポートSAW共振子の中央IDT電極を構成する各バスバーと前記1ポートSAW共振子の2ポートSAW共振子側のバスバーとをそれぞれ一体化し、該2本のバスバーと2つの入力端子IN1、2とをそれぞれ接続すると共に、前記2ポートSAW共振子の外側のIDT電極を構成する少なくとも一方のバスバーと前記1ポートSAW共振子の外寄りのバスバーとを圧電基板上に形成したリード電極にてそれぞれ接続し、これらをそれぞれ2つの出力端子OUT1、2に接続して構成したことを特徴とする平衡型の共振子型弾性表面波フィルタである。
請求項13記載の発明は、前記2ポートSAW共振子の外側のIDT電極のうち1ポートSAW共振子と接続されていないバスバーを接地したことを特徴とする請求項12に記載の平衡型の共振子型弾性表面波フィルタである。
請求項14記載の発明は、圧電基板の主表面上に表面波の伝搬方向に沿って3つのIDT電極とこれらの両側にグレーティング反射器とを配置して2ポートSAW共振子を形成すると共に、該2ポートSAW共振子と並行してIDT電極とグレーティング反射器とからなる1ポートSAW共振子を配設し、前記2ポートSAW共振子の中央IDT電極の1ポートSAW共振子側のバスバーと前記1ポートSAW共振子の2ポートSAW共振子側のバスバーとを一体化し、該バスバーと入力端子INとを接続し、前記2ポートSAW共振子の外側のIDT電極の1ポートSAW共振子側のバスバーと前記1ポートSAW共振子の外側のバスバーとを圧電基板上に形成したリード電極にて接続し、これを出力端子OUTに接続して構成する共振子型SAWフィルタを同一の圧電基板上に2組み形成したことを特徴とする平衡型の共振子型弾性表面波フィルタである。
請求項15記載の発明は、圧電基板の主面上に表面波の伝搬方向に沿って3つのIDT電極とそれらの両側にグレーティング反射器とを配置して形成した1次−3次縦結合二重モードSAWフィルタと請求項12に記載の共振子型SAWフィルタとを縦続接続して構成したことを特徴とする平衡型の共振子型弾性表面波フィルタである。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下本発明を図面に示した実施の形態に基づいて詳細に説明する。
図1は本発明に係る共振子型SAWフィルタの構成を示す平面図であって、圧電基板上に3つのIDT電極と反射器とからなる2ポートSAW共振子P2と、1ポートSAW共振子P1とを配置し、入力に対して2ポートSAW共振子の出力が逆相(180°)となるように、1ポートSAW共振子P1の出力が同相(0°)になるようにし、これらを並列接続して構成した共振子型SAWフィルタである。即ち、圧電基板(図示せず)の主表面上に表面波の伝搬方向に沿って3つのIDT電極1、2、3を近接配置すると共に、これらの両側に反射器4a、4bを配設する。IDT電極1、2、3はそれぞれ互いに間挿し合う一対のくし形電極からなり、両側のIDT電極2、3の一方のくし形電極を接続し、これと入力端子INとを接続し、他のくし形電極はそれぞれ接地する。そして、中央のIDT電極1の一方のくし形電極と出力端子OUTとを接続すると共に、他方のくし形電極を接地して2ポートSAW共振子P2を構成する。さらに、入力端子INと出力端子OUTとの間に1ポートSAW共振子P1を並列接続して共振子型SAWフィルタを構成する。
なお、図1においては中央のIDT電極1と両側のIDT電極2、3の相隣接する電極指の中心間間隔を0.25λに設定したため、中央のIDT電極1の最外側の電極指が幅広となっているが、幅広の電極指は必ずしもIDT電極1の最外側のみに形成する必要はなく、IDT電極2、3のそれぞれ最内側に形成しても効果は同様である。
また、1ポートSAW共振子P1はIDT電極1、2、3が形成する2ポートSAW共振子P2と同一圧電基板上に形成した方が小型化、低コスト化等で望ましい。
【0015】
図1に示す2ポートSAW共振子P2では、電極指の中心間間隔Lを0.25λとし、IDT電極2(IDT電極3)の最内側の電極指を入力端子に、IDT電極1の最外側の幅広の電極指を接地しているために、3次モード(共振周波数f3)を励起し、しかも入力に対し出力が逆相(180°)で動作するように設定している。そして、1ポートSAW共振子P1(周波数fr)では入力に対し出力が同位相となるようにして、これらを並列接続することにより、その電気的等価回路は格子型回路となり、通過帯域幅はほぼ(fr−f3)となる。このとき、2ポートSAW共振子P2は同時に1次モードを励起することになるが、1ポートSAW共振子P1の共振周波数fr近傍に現れることになる。
【0016】
図2は、36°Y X LiTaO3基板上にIDT電極の対数を50対、交叉幅10λ、反射器の本数をそれぞれ150本、アルミニウム合金の電極膜厚Hを0.18μmとした1ポートSAW共振子15個を直列接続して構成した複合1ポートSAW共振子P1の伝送特性Aと、その位相特性Bとを示す図である。
図3に示す実線αは、圧電基板に36°Y X LiTaO3を用い、IDT電極1の電極対数を15.5対、IDT電極2、3の電極対数をそれぞれ10.5対、交叉幅30λ、反射器4a、4bの本数をそれぞれ200本、電極膜厚を0.18μmとして構成した2ポートSAW共振子P2と、図2に示した1ポートSAW共振子P1とを並列接続して構成した共振子型SAWフィルタのフィルタ特性αである。なお、破線βで示すフィルタ特性は図31に示した従来の共振子型SAWフィルタのフィルタ特性である。また、図中に示す斜線はそれぞれ通過域規格と減衰域規格を示している。
【0017】
図4は、図3に示した2つの共振子型SAWフィルタの通過域を拡大して示したもので、実線αが本発明に係る共振型SAWフィルタのフィルタ特性、破線βは従来の共振子型SAWフィルタの通過域特性である。図中に示す斜線はそれぞれ通過域規格と減衰域規格を示している。図3、4より4dBの帯域幅は91.36MHzと要求規格を満たしていることが判明した。また、図3より明らかなように通過域の近傍の低域及び高域において減衰量が大幅に改善されていることが分かる。
図5は本発明に係る共振子型SAWフィルタの入力側から測定したVSWR(実線α)と、図31に示した従来の共振子型SAWフィルタのVSWR(破線β)とを比較した図である。この図から明らかなように、本発明に係る共振子型SAWフィルタはVSWRの要求規格(3.5)を満たしている。
【0018】
図6は本発明に係る共振子型SAWフィルタのフィルタ特性(実線α)と、図24に示した二重モードSAWフィルタのフィルタ特性(破線β)とを比較する図である。図7は図6に示した2つのSAWフィルタの通過帯域を拡大して示した図であって、帯域幅はいずれも90MHz以上という目標を満足しているが、本発明に係る共振子型SAWフィルタの方が図24に示した二重モードSAWフィルタよりも挿入損失が0.4dB程改善されている。
図8は本発明に係る共振子型SAWフィルタの出力側から測定したVSWR(実線α)と、図25に示した二重モードSAWフィルタのVSWR(破線β)とを比較する図である。この図から明らかのように、本発明に係る共振子型SAWフィルタは、入力側、出力側から測定しても通過帯域内において、VSWR(3.5)の規格を満たしていることが分かる。
【0019】
図9は第2の実施例の形態を示す平面図であって、この実施例において電極指の中心間間隔Lを0.25λ<L<0.5λとすることにより、2ポートSAW共振子を3次モードで励振し、中央のIDT電極1’と両側のIDT電極2’、3’との相隣接する電極指ア、イ、ウ、エをそれぞれ接地するように構成して入力に対して出力の位相を逆相で動作させるようにしたものである。そして、入出力間に同相で動作する1ポートSAW共振子P1を接続することにより、共振子型SAWフィルタを構成することができる。
【0020】
図10は第3の実施例の形態を示す平面図であって、IDT電極5、6、7で構成する2ポートSAW共振子の中央のIDT電極5と両側のIDT電極6、7との相隣接する電極指の中心間間隔Lを0.5λに設定し、中央IDT電極5の両側のIDT電極6、7に隣接する電極指5eにつながるくし形電極を出力端子に接続し、他のくし形電極を接地する。さらに、両側のIDT電極6、7の最内側の電極指6e、7eにつながるくし形電極をそれぞれ接地すると共に、他のくし形電極を接続して入力端子に接続する。そして、入出力間に1ポートSAW共振子P1を並列接続することにより、共振子型SAWフィルタを構成する。
この共振子型SAWフィルタの動作は、2ポートSAW共振子P2を1次モード(共振周波数f1)で励振させると共に、出力を入力に対して逆相(180°)で動作させ、1ポートSAW共振子P1(共振周波数fr)を同相で動作させることにより、共振子型フィルタを構成している。通過帯域幅はほぼ(fr−f1)となる。
図11は、周波数を1786.55MHzとし、36°Y X LiTaO3基板上にIDT電極の電極対数を50対、交叉幅Wを10λ、反射器の本数をそれぞれ150本、アルミニウム合金の電極膜厚Hを0.18μmに設定した1ポートSAW共振子を3個直列接続して構成した複合1ポートSAW共振子P1の伝送特性Aと位相特性Bである。また、図12は、図10に示した電極パターンを用い、36°Y X LiTaO3基板上に中央のIDT電極5の電極対数を10.5対、両側のIDT電極6、7の電極対数をそれぞれ7.5対、交叉幅Wを70λ、電極指中心間間隔Lを0.5λ、反射器の本数をそれぞれ200本、アルミニウム合金の電極膜厚Hを0.18μmに設定した2ポート共振子P2の伝送特性Aと位相特性Bを示す図である。
【0021】
図13に示す実線αは、図11に示した複合1ポートSAW共振子と、図12に示した2ポートSAW共振子とを図10に示すように構成した共振子型SAWフィルタのフィルタ特性である。破線βは図3の実線αに示した第1の実施例の共振子型SAWフィルタのフィルタ特性である。また、図14は図13に示したそれぞれのフィルタの通過域特性を拡大表示したものである。図10に示した共振子型SAWフィルタのフィルタ特性は、全体的に減衰量が劣化しているものの、通過域近傍の高域側の急峻度が増していることが分かる。
図15は、第3の実施例のVSWRを実線αで示し、第1の実施例のVSWRを破線βで示している。この図から分かるように第3の実施例の電極指中心間間隔Lを0.5λとした共振子型SAWフィルタのVSWRの方が中心間間隔Lを0.25λとしたものよりVSWRに関しては優れていることが判明した。
【0022】
1ポートSAW共振子と、3つのIDT電極からなる2ポートSAW共振子とから構成する共振子型SAWフィルタでは、2ポートSAW共振子にインピーダンスに整合させるために、1ポートSAW共振子のインピーダンスを高める必要がある。そのために1ポートSAW共振子を複数個直列接続すると圧電基板の表面積が大きくなるという欠点があった。そこで、これを改善するために図16に示すようにIDT電極9の一方のバスバーをほぼ中央で切断し、切断したそれぞれのバスバーを入力端子及び出力端子とすることにより、インピーダンスを約4倍にした1ポートSAW共振子を構成することができる。図17は図16に示した1ポートSAW共振子と一般的な1ポートSAW共振子10とを直列接続することにより、5倍のインピーダンスを有する1ポートSAW共振子を構成した例である。
【0023】
図18は第4の実施例の形態を説明する図であって、図1に示した共振子型SAWフィルタの通過域近傍の減衰量を改善するために、1ポートSAW共振子P12を図1で示した共振子型SAWフィルタの入力側に直列接続したものである。
図19は第5の実施例の形態を説明する図であって、図1に示した共振子型SAWフィルタの通過域近傍の減衰量を改善するために、1ポートSAW共振子P12を図1で示した共振子型SAWフィルタの入力側と接地との間に挿入したものである。
【0024】
図20は第6の実施例の形態を説明する図であって、図9に示した第2の実施例の2ポートSAW共振子における中央のIDT電極1’と、両側のIDT電極2’、3’との隣接する部分の電極指をミドルグレーティングで置換して、中央のIDT電極11と両側のIDT電極12、13とを形成し、2ポートSAW共振子P2を形成した例である。この2ポートSAW共振子P2の入出力間に1ポートSAW共振子P1を並列接続して共振子型SAWフィルタを構成する。特開平1−212015には縦1次モードと2次モードを用いた1次−2次縦結合二重モードSAWフィルタのIDT電極間にミドルグレイティングを配した例が示されているが、ミドルグレーティングを用いるところは類似するものの、本発明は上記の例のように2つのモードを振動的に結合させて帯域幅を決めているのではなく、2つの位相が互いに180度異なる1ポートSAW共振子と、2ポートSAW共振子とを電気的に接続して構成した共振子型SAWフィルタである。この共振子型SAWフィルタの特徴は、IDT電極の隣接する部分において表面波がバルク波へ変換する割合が小さくなるため、フィルタの挿入損失が小さくなるという特徴がある。
【0025】
図21は第7の実施例の形態を説明する図であって、図9に示した第2の実施例の共振子型SAWフィルタにおける中央のIDT電極1と、両側のIDT電極2、3との隣接する部分の電極周期λ2を他の部分の電極周期λ1より小さくするように、中央のIDT電極15と両側のIDT電極16、17を形成し、共振子型SAWフィルタを構成したものである。即ち、図21に示すA部の電極周期λ1は2ポートSAW共振子の周波数を決めるべく設定し、B部の電極周期λ2はλ2<λ1とすることによって、中央のIDT電極の最外側に幅広の電極指を形成した場合に比べて、隣接部における著しい表面波の不連続性が解消されて、放射バルク波を軽減することができるため、フィルタの挿入損失が改善される。その上、中央のIDT電極の最外側に幅広の電極指を設けた場合と同様な効果があることが分かった。
【0026】
図22は第8の実施例の形態を説明する図であって、入出力とも平衡型とした例である。圧電基板(図示しない)上に表面波の伝搬方向に沿って2ポートSAW共振子P2と、2つの1ポートSAW共振子P1a、P1bとを併置すると共に、2ポートSAW共振子P2における中央IDT電極のそれぞれのバスバーと、1ポートSAW共振子P1a、P1bの図中中央寄りのバスバーとを一体化する。さらに、2ポートSAW共振子P2の外側に位置するそれぞれのIDT電極のバスバーと、1ポートSAW共振子P1a、P1bの図中外側に位置するバスバーとを圧電基板上に形成したリード電極にてそれぞれ接続すると共に、2ポートSAW共振子P2の中央のIDT電極のバスバーをそれぞれ入力端子IN1、IN2に接続し、2つの1ポートSAW共振子P1a、P1bの図中外側に位置するバスバーと出力端子OUT1、OUT2とを接続して、入出力平衡の共振子型SAWフィルタを構成する。
【0027】
図23は図22に示した第8の実施例の変形例であって、2ポートSAW共振子P2の外側に位置するIDT電極のバスバーと、1ポートSAW共振子P1a、P1bの図中外側に位置するバスバーとを接続するリード電極の対角に位置するリード電極をそれぞれ取り除くと共に、取り除いた2ポートSAW共振子P2のそれぞれのバスバーを接地して、入出力平衡の共振子型SAWフィルタを構成する。このような構成とすることにより、電極パターンを簡素化することができる。
【0028】
図24は本発明に係る第9の実施例の形態を説明する図であって、圧電基板(図示しない)上に表面波の伝搬方向に沿って2ポートSAW共振子P2aと、1ポートSAW共振子P1aとを併置すると共に、2ポートSAW共振子P2aにおける中央IDT電極のバスバーと、1ポートSAW共振子P1aのバスバーとを一体化し、該バスバーと入力端子IN1とを接続し、2ポートSAW共振子P2aの他方のバスバーは接地する。さらに、2ポートSAW共振子P2aの外側に位置し、1ポートSAW共振子P1aと対向する側のバスバーと、1ポートSAW共振子P1aの図中外側に位置するバスバーとを圧電基板上に形成したリード電極にてそれぞれ接続すると共に、該リード電極と出力端子OUT1とを接続し、他方のバスバーはそれぞれ接地して、一方の共振子型SAWフィルタaを構成する。
同様に、2ポートSAW共振子P2bと1ポートSAW共振子P1bとからなる共振子型SAWフィルタbを構成し、入力端子をIN2、出力端子をOUT2とする。そして、2つの共振子型SAWフィルタa、bのそれぞれの入力端子IN1、IN2を入力とし、OUT1、OUT2を出力として用いることにより、入出力平衡の共振子型SAWフィルタを構成することができる。
【0029】
図25は本発明に係る第10の実施例の形態を説明する図であって、図22に示した第8の実施例(図25(a))と、図26に示した1次−3次二重モードSAWフィルタ(25図(b))とを、図に示すA、Bをそれぞれ接続して構成した入力平衡−出力不平衡の共振子型SAWフィルタである。このような構成とすることにより減衰傾度を急峻にすると共に、保証減衰量を増大することができる。
【0030】
上記では圧電基板に36度回転YカットX伝搬LiTaO3を用いて説明したが、本発明はこの切断角度に限定するものではなく他の切断角度に適用できることは説明するまでもない。また、他の種類の圧電基板、例えばニオブ酸リチウム、四硼酸リチウム、ランガサイト等を用いても広帯域な共振子型SAWフィルタが個性できることは言うまでもない。
【0031】
【発明の効果】
本発明は、以上説明したように構成したので、請求項1乃至3に記載の発明は共振子型SAWフィルタの帯域幅を広げるという優れた効果を表す。請求項4あるいは5に記載の発明は挿入損失が改善されるという優れた効果を表す。請求項6あるいは7に記載の発明は広帯域な共振子型SAWフィルタを構成できるという効果を有する。請求項8あるいは9に記載の発明は広帯域化と共に、通過域近傍の減衰量を改善するという優れた効果が加わる。請求項10あるいは11に記載の発明は広帯域化と挿入損失の低減という効果をもたらす。
請求項12乃至15に記載の発明は広帯域化を可能とすると共に、入出力端子を平衡型とした共振子型SAWフィルタを実現するという優れた効果をもたらす。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る第1の実施例の形態である共振子型SAWフィルタを説明する図である。
【図2】 1ポートSAW共振子を15個直列接続した複合1ポートSAW共振子の伝送特性と位相特性を示す図である。
【図3】第1の実施例である共振子型SAWフィルタのフィルタ特性(実線)と従来の共振子型SAWフィルタのフィルタ特性(破線)を示す図である。
【図4】図3に示す共振子型SAWフィルタのそれぞれの通過域特性を示す。
【図5】第1の実施例である共振子型SAWフィルタのVSWR(実線)と、従来の共振子型SAWフィルタのVSWR(破線)と比較した図である。
【図6】第1の実施例である共振子型SAWフィルタのフィルタ特性と、従来の二重モードSAWフィルタのフィルタ特性を比較した図である。
【図7】図6に示したSAWフィルタのそれぞれの通過域特性を示す。
【図8】図6に示したSAWフィルタのそれぞれのVSWRを示す。
【図9】本発明に係る第2の実施例の形態である共振子型SAWフィルタを説明する図である。
【図10】本発明に係る第3の実施例の形態である共振子型SAWフィルタを説明する図である。
【図11】1ポートSAW共振子を3個直列接続した複合1ポートSAW共振子の伝送特性と位相特性を示す図である。
【図12】第3の実施例の2ポートSAW共振子の伝送特性と位相特性を示す図である。
【図13】第3の実施例である共振子型SAWフィルタのフィルタ特性(実線)と、第1の実施例のフィルタ特性(破線)とを比較した図である。
【図14】第3の実施例のバンドパス特性(実線)と第1の実施例のバンドパス特性(破線)とを比較した図である。
【図15】第3の実施例のVSWR(実線)と第1の実施例のVSWR(破線)とを比較した図である。
【図16】1ポートSAW共振子のインピーダンスを高めた電極パターンを示す図である。
【図17】1ポートSAW共振子のインピーダンスを高めた電極パターンを示す図である。
【図18】本発明に係る第4の実施例の形態である共振子型SAWフィルタを説明する図である。
【図19】本発明に係る第5の実施例の形態である共振子型SAWフィルタを説明する図である。
【図20】本発明に係る第6の実施例の形態である共振子型SAWフィルタを説明する図である。
【図21】本発明に係る第7の実施例の形態である共振子型SAWフィルタを説明する図である。
【図22】本発明に係る第8の実施例の形態である入出力平衡の共振子型SAWフィルタを説明する図である。
【図23】本発明に係る第8の実施例の変形例である。
【図24】本発明に係る第9の実施例の形態を示す図で、2組みのフィルタで構成した入出力平衡の共振子型SAWフィルタである。
【図25】本発明に係る第10の実施例の形態を示す図で、第8の実施例と従来の二重モードSAWフィルタとを縦続接続して、入力平衡−出力不平衡とした共振子型SAWフィルタである。
【図26】従来の1次−3次縦結合二重モードSAWフィルタの構成を示す図である。
【図27】従来の1次−3次縦結合二重モードSAWフィルタ(交叉幅60λ)のフィルタ特性と位相特性を示す図である。
【図28】従来の1次−3次縦結合二重モードSAWフィルタ(交叉幅30λ)のフィルタ特性と位相特性を示す図である。
【図29】従来の1次−3次縦結合二重モードSAWフィルタにおいて交叉幅を60λ、30λとした場合のVSWRを示す図である。
【図30】(a)は2つのIDT電極を用いた2ポートSAW共振子と、1ポート共振子とから構成される従来の共振子型SAWフィルタを説明する図、(b)は1ポートSAW共振子の構成を説明する図である。
【図31】インピーダンスを高めるために1ポートSAW共振子を5個直列接続した複合1ポートSAW共振子の構成を示す図である。
【図32】1ポートSAW共振子を5個直列接続した複合1ポートSAW共振子の伝送特性と位相特性である。
【図33】図26(a)に示す2ポートSAW共振子の伝送特性と位相特性を示す図である。
【図34】2ポートSAW共振子と、1ポートSAW共振子とから構成される従来の共振子型SAWフィルタのフィルタ特性と位相特性を示す図である。
【図35】広帯域化を図った従来の共振子型SAWフィルタのフィルタ特性と位相特性を示す図である。
【符号の説明】
1、1’、2、3、5、6、7、9、10、11、12、13、15、16、17・・IDT電極
4a、4b、8a、8b・・グレーティング反射器
5e、6e、7e・・電極指
14・・ミドルグレーティング
L・・電極指の中心間間隔
λ1、λ2・・IDT電極の電極周期
P1、P11、P12、P1a、P1b・・1ポートSAW共振子
P2、P2a、P2b・・2ポートSAW共振子
Claims (15)
- 圧電基板の主表面上に表面波の伝搬方向に沿って3つのIDT電極とこれらの両側にグレーティング反射器とを配置すると共に、中央のIDT電極の一方のくし形電極を第1の端子とし、両側の2つのIDT電極のそれぞれ一方の側のくし形電極を接続して第2の端子とし、他のくし形電極をそれぞれ接地して形成した2ポート弾性表面波共振子と、IDT電極とその両側に配置したグレーティング反射器からなる1ポート弾性表面波共振子とを互いに並列に接続したものであって、入力の位相に対して2ポート弾性表面波共振子の出力が逆相となり、1ポート弾性表面波共振子の出力が同相であることを特徴とする共振子型弾性表面波フィルタ。
- 前記1ポート弾性表面波共振子を複数の1ポート表面波共振子から構成したことを特徴とする請求項1記載の共振子型弾性表面波フィルタ。
- 前記2ポート弾性表面波共振子の中央のIDT電極と両側のIDT電極との相隣接する電極指の中心間間隔Lを、λ/4≦L<λ/2(λはIDT電極周期)を満たすように設定したことを特徴とする請求項1または2に記載の共振子型弾性表面波フィルタ。
- 前記2ポート弾性表面波共振子の中央のIDT電極の最外側の電極指、あるいは両側のIDT電極の最内側の電極指を幅広に形成したことを特徴とする請求項1乃至3に記載の共振子型弾性表面波フィルタ。
- 前記2ポート弾性表面波共振子の3つのIDT電極のライン占有率をグレーティング反射器のそれよりも大きくしたことを特徴とする請求項1乃至4に記載の共振子型弾性表面波フィルタ。
- 前記2ポート弾性表面波共振子の中央のIDT電極と両側のIDT電極との相隣接する電極指の中心間間隔LをIDT電極の電極周期λの1/2とすると共に、相隣接する電極指の一方を入力あるいは出力に、他方の電極指を接地したことを特徴とする請求項1に記載の共振子型弾性表面波フィルタ。
- 前記1ポート弾性表面波共振子を2分割すると共にこれらを直列接続したことを特徴とする請求項1乃至6記載の共振子型弾性表面波フィルタ。
- 請求項1乃至7に記載の共振子型弾性表面波フィルタの入力あるいは出力に直列に少なくとも1個の1ポート弾性表面波共振子を接続したことを特徴とする共振子型弾性表面波フィルタ。
- 請求項1乃至8に記載の共振子型弾性表面波フィルタの入力あるいは出力に並列に少なくとも1個の1ポート弾性表面波共振子を接続したことを特徴とする共振子型弾性表面波フィルタ。
- 前記2ポート弾性表面波共振子のIDT電極にミドルグレーティングを形成したことを特徴とする請求項1、2、5、7、8、9のいずれかに記載の共振子型弾性表面波フィルタ。
- 前記2ポート弾性表面波共振子の中央のIDT電極と両側のIDT電極との隣接部の電極周期が他の部分の電極周期より小さくしたことを特徴とする請求項1、2、5、7、8、9のいずれかに記載の共振子型弾性表面波フィルタ。
- 圧電基板の主表面上に表面波の伝搬方向に沿って3つのIDT電極とこれらの両側にグレーティング反射器とを配置した2ポートSAW共振子を形成すると共に、一つのIDT電極とグレーティング反射器とからなる2つの1ポートSAW共振子を、前記2ポートSAW共振子を挟むようにそれぞれ配設し、前記2ポートSAW共振子の中央IDT電極を構成する各バスバーと前記1ポートSAW共振子の2ポートSAW共振子側のバスバーとをそれぞれ一体化し、該2本のバスバーと2つの入力端子IN1、2とをそれぞれ接続すると共に、前記2ポートSAW共振子の外側のIDT電極を構成する少なくとも一方のバスバーと前記1ポートSAW共振子の外寄りのバスバーとを圧電基板上に形成したリード電極にてそれぞれ接続し、これらをそれぞれ2つの出力端子OUT1、2に接続して構成したことを特徴とする平衡型の共振子型弾性表面波フィルタ。
- 前記2ポートSAW共振子の外側のIDT電極のうち1ポートSAW共振子と接続されていないバスバーを接地したことを特徴とする請求項12に記載の平衡型の共振子型弾性表面波フィルタ。
- 圧電基板の主表面上に表面波の伝搬方向に沿って3つのIDT電極とこれらの両側にグレーティング反射器とを配置して2ポートSAW共振子を形成すると共に、該2ポートSAW共振子と並行してIDT電極とグレーティング反射器とからなる1ポートSAW共振子を配設し、前記2ポートSAW共振子の中央IDT電極の1ポートSAW共振子側のバスバーと前記1ポートSAW共振子の2ポートSAW共振子側のバスバーとを一体化し、該バスバーと入力端子INとを接続し、前記2ポートSAW共振子の外側のIDT電極の1ポートSAW共振子側のバスバーと前記1ポートSAW共振子の外側のバスバーとを圧電基板上に形成したリード電極にて接続し、これを出力端子OUTに接続して構成する共振子型SAWフィルタを同一の圧電基板上に2組み形成したことを特徴とする平衡型の共振子型弾性表面波フィルタ。
- 圧電基板の主面上に表面波の伝搬方向に沿って3つのIDT電極とそれらの両側にグレーティング反射器とを配置して形成した1次−3次縦結合二重モードSAWフィルタと請求項12に記載の共振子型SAWフィルタとを縦続接続して構成したことを特徴とする平衡型の共振子型弾性表面波フィルタ。
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