JP3838898B2 - 符号分割アレイ・アンテナ - Google Patents

符号分割アレイ・アンテナ Download PDF

Info

Publication number
JP3838898B2
JP3838898B2 JP2001332016A JP2001332016A JP3838898B2 JP 3838898 B2 JP3838898 B2 JP 3838898B2 JP 2001332016 A JP2001332016 A JP 2001332016A JP 2001332016 A JP2001332016 A JP 2001332016A JP 3838898 B2 JP3838898 B2 JP 3838898B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
antenna element
delay
signal
element block
antenna
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2001332016A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2003133837A (ja
Inventor
嘉彦 竹内
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Japan Radio Co Ltd
Original Assignee
Japan Radio Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Japan Radio Co Ltd filed Critical Japan Radio Co Ltd
Priority to JP2001332016A priority Critical patent/JP3838898B2/ja
Publication of JP2003133837A publication Critical patent/JP2003133837A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3838898B2 publication Critical patent/JP3838898B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Variable-Direction Aerials And Aerial Arrays (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、符号分割多元接続(CDMA)基地局用のアレイ・アンテナ、特に縦方向及び横方向にそれぞれ複数のアンテナエレメントを面状に配置した符号分割アレイ・アンテナに関する。
【0002】
【従来の技術】
符号分割多元接続(CDMA)を用いたセルラー方式の移動体電話装置においては、多くの移動局に対するサービスを同時に行うために、互いに相関の小さい符号系列、例えば直交符号系列、を多数用意し、それぞれの通話に対応する情報をこの符号系列それぞれにて拡散して送信している。受信時には通話回線に対応する符号にて逆拡散することにより、必要な通話情報を取得できる。
【0003】
CDMAを用いた場合、受信された信号を分離すべき符号にて逆拡散する操作により、必要な信号を個別に取得できるから、複数のアンテナエレメントで取得された信号を、区別すべき符号毎に位相合成することにより特定の信号に対するアンテナ指向性を、区別すべき信号毎に同時に形成できる。この様な複数のアンテナエレメントを空間的に分離して配置し、区別すべき符号に対応して個別に且つ同時に振幅および位相調整して合成するアンテナが符号分割アレイ・アンテナである。この符号分割アレイ・アンテナの構成例を図6に示している。
【0004】
図6において、(a)は円筒状に配置された符号分割アレイ・アンテナ構成を示し、縦方向にN個のアンテナエレメントが直線上に配置され、横方向にM個のアンテナエレメントが円周上に配置され、合計N×Mのアンテナエレメントで構成されている。また、(b)は平面状に配置された符号分割アレイ・アンテナ構成を示し、縦方向にN個のアンテナエレメントが直線上に配置され、横方向にM個のアンテナエレメントが直線上に配置され、同じく合計N×Mのアンテナエレメントで構成されている。
【0005】
この様に面状(円筒面、平面など)に配置された符号分割アレイ・アンテナ構成において、それぞれ縦方向に配置された複数N個のアンテナエレメントと、それぞれ横方向に配置された複数M個のアンテナエレメントとは、それぞれ役割が異なっている。
【0006】
横方向に配置された複数M個のアンテナエレメントは、基地局から見た移動体の方向に関係し、移動体をそれぞれ方位角で分離することにより、SN比を改善したり、他局への干渉を低減したりするために使用される。したがって、それら横方向の各アンテナエレメントに対する重み付けを、移動体の方向に応じて設定する必要がある。
【0007】
一方、縦方向に配置された複数N個のアンテナエレメントは、基地局の電波を送受するセル形状に関わる。この符号分割アレイ・アンテナは所定の高さに設置されており、縦方向のアンテナ指向性として、チルト角を与えて、セル端に当たる角度で指向性のカットオフを設けて、セル端を越える場所からの電波の送受を防ぎ、またセル内においては伝搬損失を補償する強度、則ちセル内で基地局に近い抑角の大きい方向には伝搬損失の少なさに見合った弱い電波を送受し、セル端の抑角の小さい方向には強い電波の送受を距離減衰に見合って補償することが望まれる。このセル形状に関するアンテナ指向性を実現するように、縦方向の各アンテナエレメントに対する重み付けを、設定する必要がある。
【0008】
このように、符号分割アレイ・アンテナでは、受信された信号を分離すべき符号にて逆拡散して、必要な信号を個別に取得し、複数のアンテナエレメントで取得された信号を、区別すべき符号毎に個別に且つ同時に振幅および位相調整して合成することにより特定の信号に対するアンテナ指向性を、区別すべき信号毎に同時に形成することができる。
【0009】
面状(円筒面、平面など)に配置された符号分割アレイ・アンテアでは、縦方向・横方向(円周方向)に配置されたすべてのアンテナエレメントからの信号を一旦取り込み、信号合成を行うべき複数の信号チャンネルについて、振幅および位相調整して加算する合成を同時に行う。このために、アンテナが屋外に設置される場合には、アンテナエレメントの数に応じて屋外から信号を引き込む必要があり、信号線数が著しく増加する。特に、アンテナエレメントの信号をディジタル信号に変換してから引き込む場合には、さらにそのビット数に比例して信号線数が増加してしまうことになる。
【0010】
また、縦方向・横方向(円周方向)に配置されたすべてのアンテナエレメントからの信号に対して重み付けを行う必要があり、この重み付けの設定を適時に行うことが大変である。
【0011】
この点を解決するために、本発明者は、面状(円筒面、平面など)に配置された符号分割アレイ・アンテナにおいて、同時刻の縦方向・横方向(円周方向)の複数のアンテナエレメントの信号を用いて、分離すべき信号各々に対して重み付け加算する操作を、隣接アンテナエレメント間の限られた数の信号線のみを用いて行うと共に、分離された各信号を屋内装置に伝送するように構成した符号分割アレイ・アンテナを、既に提案している(特願2000−189550)。以下、これを先行例という。
【0012】
先行例の符号分割アレイ・アンテナでは、面状(円筒面、平面など)に配置された符号分割アレイ・アンテナにおいて、同時刻の縦方向・横方向(円周方向)の複数のアンテナエレメント1−1〜m−nの受信信号を用いて、分離すべき信号各々に対して重み付け加算する操作を行うために、縦方向及び横方向にそれぞれ列1〜m及び行1〜nを形成し、まず、列毎に同時に縦方向に順次加算し、次いで、列毎に縦方向に加算された信号を、分離すべき信号チャンネル各々に対して横方向に順次加算している。以下、先行例の符号分割アレイ・アンテナについて、説明する。
【0013】
図7において、1−1〜m−nは、アンテナエレメントブロックであり、縦方向にM列、横方向にN行の面状に配置されている。ここで面状の配置としては、図6のように円筒面、円筒面の一部等の曲面状や、平面状などの任意の形状とすることができる。11−1〜11−mは、第2遅延部であり、横方向に加算する際の遅延時間を与える。12−1−1〜12−k−mは、横方向重み付け部であり、各チャンネルの各列毎にそれぞれ横方向に重み付け値Wh1−1〜Whk−mが受信用横方向重み付け制御回路14から設定される。add1−1〜addk−mは、横方向加算部であり、チャンネル毎に重み付け、加算された各チャンネル信号が、受信信号処理回路15に供給される。また、13は、受信用縦方向重み付け制御回路であり、各アンテナエレメントブロック内の重み付け部に縦方向の重み付け値Wv1−1〜Wvm−nを与える。
【0014】
アンテナエレメントブロック1−1〜n−mはそれぞれ、図8に示されるように、アンテナエレメント21が設けられ、送受共用器22に結合されている。送受共用器22は、送信信号或いは受信信号を切り換えて振り分ける。
【0015】
受信系では、受信回路部23は受信した信号を増幅・周波数変換し、A/D変換回路部24は受信したアナログ信号を各アンテナエレメント間で同期してサンプリングしディジタル信号に変換する。第1遅延回路部25は、加算部27で行う加算に充分な単位時間幅に対して、整数倍の遅延時間を持っている。縦方向重み付け部26は、第1遅延回路部25からの遅延された受信信号に縦方向の指向性を与えるための振幅及び位相の重み付け値Wvijを乗算し調整を行う。そして、受信され、A/D変換され、所定時間遅延され、振幅及び位相の調整された受信信号は、加算部27に加えられ、縦方向に配置された前段のアンテナエレメントの同時刻の受信信号と加算されて出力される。
【0016】
また、送信系では、送信用縦方向重み付け部28は、送信すべき信号に縦方向の指向性を与えるための振幅及び位相の重み付け値Wtvijを乗算し調整を行う。D/A変換回路部29は、重み付け調整された信号をアナログ信号に変換 し、変調回路部30はアナログ信号に変換された重み付け信号で搬送波を変調する。そして、変調された搬送波が、送受共用器22を介して、アンテナエレメント21から送信される。
【0017】
図7において、アンテナエレメントブロック1−1〜m−nは、列毎に縦方向に直列に接続される。第1列1−1〜1−nについてみると、それぞれのアンテナエレメントブロックで縦方向重み付け値Wv1−1〜Wv1−nが、受信用縦方向重み付け制御回路13から制御線Wvを介して設定される。
【0018】
この縦方向のアンテナ指向性は、チルト角を与えて、セル端に当たる角度で指向性のカットオフを設けて、セル端を越える場所からの電波の送受を防ぎ、またセル内においては伝搬損失、則ち距離減衰に見合って送受する電波の強度を補償する必要があるから、縦方向の各アンテナエレメントブロック1−1〜1−nに対する重み付けWv1−1〜Wv1−nは、その条件を満たすように設定される。なお、この縦方向のアンテナ指向性は、各列において同一の条件となるから、通常は各列において同じ値に設定される。
【0019】
また、列毎に縦方向に加算される信号は、同時刻の信号とする必要があるから、縦方向加算部27の加算処理に要する単位時間をΔTvとすると、順次加算する方向に各アンテナエレメントブロックに順次単位時間ΔTvずつ長い遅延時間を設定する。つまり、アンテナエレメントブロック1−1に遅延時間ΔTvを設定する場合には、アンテナエレメントブロック1−2に遅延時間2ΔTv、アンテナエレメントブロック1−nに遅延時間nΔTvを設定することになる。この結果、縦方向に重み付け加算された受信信号は、時間(n+1)ΔTvだけ遅延する。
【0020】
なお、各列とも同じ条件であるから、それぞれ同じ時間(n+1)ΔTvだけ遅延した信号が得られる。
【0021】
次に、列毎に縦方向に加算された信号を、分離すべき信号チャンネル1ch〜kch各々に対して横方向に順次加算して、各チャンネル信号を得る。横方向に配置された複数M個のアンテナエレメントは、基地局から見た移動体の方向に関係し、移動体をそれぞれ方位角で分離して、SN比を改善したり、他極への干渉を低減する必要があるから、列毎に縦方向に加算された信号に対する振幅及び位相の重み付けは、分離すべき信号チャンネル1ch〜kch毎に、しかも各列毎に高速に制御される。
【0022】
この横方向の振幅及び位相の重み付け値Wh1−1〜Whk−mは受信用横方向重み付け制御回路14から、制御線Whを介して、個別に設定される。これら重み付け値Wh1−1〜Whk−mは移動体の移動等の通信状況に応じて高速に且つ個別に設定値を変更する必要があるから、受信用縦方向重み付け制御回路13の制御線Wvとは別に高速制御可能な専用の制御線として設けられる。
【0023】
この列毎に縦方向に加算された信号の横方向への加算を、信号チャンネル1chについてみると、横方向に加算される信号についても、同時刻の信号とする必要があるから、列毎に第2遅延部11−1〜11−mを設ける。ここで、縦方向に加算された信号に横方向加算部add1−1〜addk−mの加算処理に要する単位時間をΔThとすると、第2遅延部11−1〜11−mに、順次加算する方向に縦方向に加算された信号に順次単位時間ΔThずつ長い遅延時間を設定する。つまり、縦方向に加算された第1列の信号の第2遅延部11−1に遅延時間ΔThを設定する場合には、縦方向に加算された第2列の信号の第2遅延部11−2に遅延時間2ΔTh、縦方向に加算された第m列の信号の第2遅延部11−2に遅延時間mΔThを設定することになる。
【0024】
縦方向に加算された第1列の信号は、重み付け値Wh1−1と乗算されて、初期値0と加算部add1−1で加算され、次段に送られる。次段では、縦方向に加算された第2列の信号は、重み付け値Wh1−2と乗算され、重み付けされた第1列の信号と加算され、次段に送られる。このようにして、縦方向に加算された第m列の信号まで順次加算され第1信号チャンネル1chの信号が形成され、屋内側に設けられている受信信号処理回路15に供給される。この第1信号チャンネル1chの信号は、面配置された全てのアンテナエレメントブロック1−1〜m−nの同時刻の受信信号を、縦方向重み付け値及び横方向重み付け値に従って振幅及び位相が調整され、合成した所望の受信信号となっている。
【0025】
他の信号チャンネル2ch〜kchについても、信号チャンネル1chと同様であり、縦方向に加算された第1列〜第m列の信号を、各チャンネルの横方向重み付け値Wh2−1〜Wh2−m、・・・Whk−1〜Whk−mを乗じて加算し、第2信号チャンネル2ch〜第k信号チャンネルkch信号がそれぞれ形成され、屋内側に設けられている受信信号処理回路15に供給される。
【0026】
以上のようにして、面状(円筒面、平面など)に配置された符号分割アレイ・アンテアにおいて、同時刻の縦方向・横方向(円周方向)の複数のアンテナエレメント1−1〜m−nの受信信号を用いて、分離すべき信号各々に対して重み付け加算する操作が行われる。
【0027】
なお、図7では、縦方向の各列の一番目と2番目のアンテナエレメントブロック1−1,1−2に単位遅延時間ΔTv、2ΔTvを設定し、初期値0を加算するようにしているが、これに代えて一番目と2番目のアンテナエレメントブロック1−1,1−2の遅延時間をなくし、それらの出力を直接加算するようにしてもよい。なお、この時には第3番目のアンテナエレメントブロック1−3の遅延時間を単位遅延時間ΔTvに設定し、以後順次、単位遅延時間ΔTvを増やしていく。また、横方向の遅延部11−1〜11−mについても、同様に、一番目と2番目の遅延部11−1,11−2の遅延時間を0に設定することができる。この場合には、全体としての遅延時間を短縮することができる。
【0028】
また、縦方向の第1遅延部の単位遅延時間ΔTvと、横方向の第2遅延部ΔThは、縦方向の加算部27と横方向の加算部add1−1〜addk−mが加算すべき桁数の違いに基づいて、それぞれ異なるものとしているが、同じ遅延時間とすることができる。
【0029】
図9は、基地局に設けられる符号分割アレイ・アンテナの受信系に関わる、先行例の他の構成を示すブロック構成図である。
【0030】
図9において、図7のブロック構成図と異なる点は、図7の第2遅延部11−1〜11−mを削除し、その遅延時間ΔTh、2ΔTh、・・・mΔThを、アンテナエレメントブロック内の各遅延部に付加して補償している。
【0031】
則ち、第1列のアンテナエレメントブロックには付加しないが、第2列のアンテナエレメントブロックには、各遅延部にそれぞれ遅延時間ΔThを付加し、第3列のアンテナエレメントブロックには、各遅延部にそれぞれ遅延時間2ΔThを付加し、第m列のアンテナエレメントブロックには、各遅延部にそれぞれ遅延時間(m−1)ΔThを付加している。
【0032】
また、これに加えて、図7のブロック構成図では、縦方向の各列の一番目と2番目のアンテナエレメントブロック1−1,1−2に単位遅延時間ΔTv、2ΔTvを設定し、初期値0を加算するようにしているが、これに代えて、初期値0の加算をなくし、且つ一番目と2番目のアンテナエレメントブロック1−1,1−2の遅延時間をなくし、それらの出力を直接加算するようにしている。これに伴い、第3番目のアンテナエレメントブロック1−3の遅延時間を単位遅延時間ΔTvに設定し、以後順次、単位遅延時間ΔTvを増やしている。他の列についても、同様である。なお、その他の構成は、図7のブロック図と同様である。
【0033】
この図9のブロック構成によれば、さらに、アンテナエレメントブロック1−1〜m−n毎に設けられる遅延部に、縦方向への第1の単位遅延時間分(ΔTv)に加えて、横方向への第2の単位遅延時間分(ΔTh)も遅延させることにより、遅延回路構成が簡素化される。
【0034】
図10は先行例の符号分割アレイ・アンテナの特に送信系に関わるブロック構成図である。
【0035】
図10において、1−1〜m−nは、図6のアンテナエレメントブロックであり、縦方向にM列、横方向にN行の面状に配置されている。この各アンテナエレメントブロック1−1〜m−n内の送信系の回路部分は、図8に示されており、送信すべき信号に縦方向の指向性を与えるための振幅及び位相の重み付け値Wtvijを乗算し調整を行う送信用縦方向重み付け部28、重み付け調整された信号をアナログ信号に変換するD/A変換回路部29、アナログ信号に変換された重み付け信号で搬送波を変調する変調回路部30を有しており、そして、変調された搬送波が、送受共用器22を介して、アンテナエレメント21から送信される。
【0036】
31は、送信用縦方向重み付け制御回路であり、各アンテナエレメントブロック内の重み付け部に送信用の縦方向の重み付け値Wtv1−1〜Wtvm−nを与える。32は、送信用横方向重み付け制御回路であり、横方向重み付け部35−1−1〜35−k−mに、各チャンネル1ch〜kchの各列毎にそれぞれ横方向の重み付け値Wth1−1〜Wthk−mを設定する。33は、送信信号処理回路であり、各チャンネル1ch〜kchの送信信号を、それぞれ横方向重み付け部35−1−1〜35−k−mに供給する。34−1〜34−mは、加算部であり、各チャンネル1ch〜kchの送信信号に横方向の重み付け値Wth1−1〜Wthk−mが乗じられた信号を、列毎に加算し、各列のアンテナエレメントブロックに同時に供給する。
【0037】
さて、送信時の縦方向のアンテナ指向性は、受信時と同様にチルト角を与えて、セル端に当たる角度で指向性のカットオフを設けて、セル端を越える場所からの電波の送受を防ぎ、またセル内においては伝搬損失、則ち距離減衰に見合って送信する電波の強度を補償する必要があるから、縦方向の各アンテナエレメントブロック1−1〜1−nに対する送信用重み付けWtv1−1〜Wtv1−nは、その条件を満たすように設定される。なお、この縦方向のアンテナ指向性は、各列において同一の条件となるから、通常は各列において同じ値に設定される。
【0038】
また、送信時の横方向のアンテナ指向性は、基地局から見た移動体の方向に関係し、移動体をそれぞれ方位角で分離して、SN比を改善したり、他極への干渉を低減する必要があるから、各チャンネルの送信信号に対する信号に対する振幅及び位相の重み付けは、アンテナエレメントの列毎にしかも各チャンネル毎に高速に制御される。
【0039】
この横方向の振幅及び位相の重み付け値Wth1−1〜Wthk−mは送信用横方向重み付け制御回路32から、制御線Wthを介して、個別に設定される。これら重み付け値Wth1−1〜Wthk−mは移動体の移動等の通信状況に応じて高速に且つ個別に設定値を変更する必要があるから、送信用縦方向重み付け制御回路31の制御線Wtvとは別に高速制御可能な専用の制御線として設けられる。
【0040】
この送信動作を、第1送信信号チャンネル1chについてみると、送信信号処理回路33から第1送信信号が、横方向重み付け部35−1−1〜35−1−mに同時に与えられ振幅及び位相の重み付けを受けて、加算部34−1〜34−mを介して、それぞれ縦方向の列毎のアンテナエレメントブロックに供給される。例えば、横方向重み付け部35−1−1を通った第1送信信号は、アンテナエレメントブロック1−1〜1−nの列に同時に供給され、また横方向重み付け部35−1−2を通った第1送信信号は、アンテナエレメントブロック2−1〜2−nの列に同時に供給される。このようにして、第1チャンネル1chの送信信号は、横方向及び縦方向の重み付けを受けて、全アンテナエレメントから所定の方向に送信される。他の第2〜第kchについても、同様に送信動作がおこなわれる。
【0041】
以上のように、先行例の符号分割アレイ・アンテナでは、受信動作において、縦方向及び横方向にそれぞれM列及びN行を形成して円筒面状や平面状に配置された複数のアンテナエレメントの同時刻の受信信号を重み付け加算する操作を、振幅及び位相調整された信号を遅延操作と隣接アンテナエレメント間の加算操作の繰り返しにより行う。これにより、屋内等の信号処理装置15への信号線数を、アンテナエレメント数(N×M)に関わらず、セクタ数などの分離すべき信号数(チャンネル数)に見合った数に抑制できると共に、隣接するアンテナエレメント間の限られた数の配線のみを用いて、全体の配線長を短くすることができる。
【0042】
また、円筒面状や平面状に配置されたアンテナエレメントの同時刻の信号を重み付け加算する操作を、まず、列毎(M)に同時に縦方向(1〜n)に順次加算し、次いで、列毎に縦方向に加算された信号を、分離すべき信号チャンネル(1〜k)各々に対して横方向に順次加算して行うから、全てのアンテナエレメントを従属接続するのに比較して、全体の遅延時間を著しく短くできる。
【0043】
また、円筒面状や平面状に配置された各アンテナエレメントの指向性制御に際し、高速性を要求される横方向(水平方向)の指向性制御(横方向重み付け値:Wh1−1〜Whk−m)と、高速性を要求されない縦方向(垂直方向)の指向性制御(縦方向重み付け値:Wv1−1〜Wvm−n)とを分離して扱えるから、LMSアルゴリズム等の高速のアダプティブアレイ制御を必要とする回路部を、少なくすることができる。
【0044】
また、縦方向の指向性を水平方向で一定にするように、横方向(行方向)に振幅および位相の調整値(重み付け)を同一に設定することにより、同一重み付け値を同時に設定できるから、縦方向指向性の設定を簡素化できる。
【0045】
送信動作においても、円筒面状や平面状に配置された各アンテナエレメントの指向性制御に際し、高速性を要求される横方向(水平方向)の指向性制御(横方向重み付け値:Wth1−1〜Wthk−m)と、高速性を要求されない縦方向(垂直方向)の指向性制御(縦方向重み付け値:Wtv1−1〜Wtvm−n)とを分離して扱える。
【0046】
また、縦方向の指向性を水平方向で一定するように、横方向(行方向)に振幅および位相の調整値(重み付け)を同一に設定することにより、同一重み付け値を同時に設定できるから、縦方向指向性の設定を簡素化できる。
【0047】
【発明が解決しようとする課題】
先行例の符号分割アレイ・アンテナは、以上のように、種々の利点を有している。しかし、面状に配置されている多数のアンテナエレメントブロック(m×n)の同時刻の信号の重み付け加算を、各アンテナエレメントブロックでの重み付け・遅延操作と隣接アンテナエレメントブロック間での加算操作の繰り返しにより行っているから、各アンテナエレメントブロックの構成要素が故障したときの対策を施す必要がある。
【0048】
そこで、本発明は、先行例の符号分割アレイ・アンテナにおいて、アンテナエレメントブロックの構成要素に故障が発生した場合に、その故障発生を検出するとともに、その故障によるアレイ・アンテナ特性への影響を低減することを目的とする。
【0049】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の符号分割アレイ・アンテナは、縦方向及び横方向にそれぞれ列及び行を形成して面状に配置される複数のアンテナエレメントを有し、前記アンテナエレメントより取り出された信号を所定時間間隔で同期してサンプリングするサンプリング手段、このサンプリング手段でサンプリングされたサンプリング信号を、列毎に縦方向に隣接する前記アンテナエレメント毎に第1の単位遅延時間づつ順次長く設定された時間だけ遅延させるとともに、縦方向の指向性を決める振幅および位相を調整する第1の遅延・調整手段、この第1の遅延・調整手段で調整された信号を、前記第1の遅延・調整手段の遅延時間の短い側から縦方向に逐次加算するための第1の加算手段を有する、各アンテナエレメントに対応して設けられたアンテナエレメントブロックと、各列に対応して設けられ、縦方向に加算された信号を、横方向に隣接する列毎に第2の単位遅延時間づつ順次長く設定された時間で遅延させる第2の遅延手段と、各列に対応し且つ分離すべき信号チャンネル数に対応して設けられ、前記第2の遅延手段でそれぞれ遅延された信号に、横方向の指向性を決める振幅および位相を調整する第2の調整手段と、これら第2の調整手段で調整された信号を前記第2の遅延手段の遅延時間の短い側から逐次加算するための第2の加算手段と、を備え、前記面状に配置された複数のアンテナエレメントの同時刻の信号の重み付け加算する操作を、まず、列毎に同時に縦方向に順次加算し、次いで、列毎に縦方向に加算された信号を、分離すべき信号チャンネル各々に対して横方向に順次加算して行う、符号分割アレイ・アンテナにおいて、前記各アンテナエレメントブロックに、当該アンテナエレメントブロック内の前記各手段を含む構成要素の故障を検出する故障検出手段と、前記第1の加算手段をバイパスするバイパス遅延手段とを設けるとともに、前記第1の遅延・調整手段を、当該アンテナエレメントブロックでの振幅及び位相を調整するための調整値或いは、この調整値に隣接するアンテナエレメントブロックでの振幅及び位相を調整するための調整値を加えた加算調整値を選択可能にし、当該アンテナエレメントブロックの前記故障検出手段により、前記バイパス遅延手段で前記第1加算手段をバイパスするとともに、前記隣接するアンテナエレメントブロックの前記第1の遅延・調整手段の調整値として、前記加算調整値を選択することを特徴とする。
【0050】
請求項2記載の符号分割アレイ・アンテナは、縦方向及び横方向にそれぞれ列及び行を形成して面状に配置される複数のアンテナエレメントを有し、前記アンテナエレメントより取り出された信号を所定時間間隔で同期してサンプリングするサンプリング手段、このサンプリング手段でサンプリングされたサンプリング信号を、列毎に縦方向に隣接する前記アンテナエレメント毎に第1の単位遅延時間づつ順次長く設定された時間に横方向に隣接する列毎に第2の遅延時間ずつ順次長く設定された時間を加えた時間だけ遅延させるとともに、縦方向の指向性を決める振幅および位相を調整する第1の遅延・調整手段、この第1の遅延・調整手段で調整された信号を、前記第1の遅延・調整手段の遅延時間の短い側から縦方向に逐次加算するための第1の加算手段を有する、各アンテナエレメントに対応して設けられたアンテナエレメントブロックと、各列に対応し且つ分離すべき信号チャンネル数に対応して設けられ、前記第1の遅延・調整手段でそれぞれ遅延された信号に、横方向の指向性を決める振幅および位相を調整する第2の調整手段と、これら第2の調整手段で調整された信号を前記第1の遅延・調整手段の遅延時間の短い側から逐次加算するための第2の加算手段と、を備え、前記面状に配置された複数のアンテナエレメントの同時刻の信号の重み付け加算する操作を、まず、列毎に同時に縦方向に順次加算し、次いで、列毎に縦方向に加算された信号を、分離すべき信号チャンネル各々に対して横方向に順次加算して行う、符号分割アレイ・アンテナにおいて、前記各アンテナエレメントブロックに、当該アンテナエレメントブロック内の前記各手段を含む構成要素の故障を検出する故障検出手段と、前記第1の加算手段をバイパスするバイパス遅延手段とを設けるとともに、前記第1の加算・調整手段を、当該アンテナエレメントブロックでの振幅及び位相を調整するための調整値或いは、この調整値に隣接するアンテナエレメントブロックでの振幅及び位相を調整するための調整値を加えた加算調整値を選択可能にし、当該アンテナエレメントブロックの前記故障検出手段により、前記バイパス遅延手段で前記第1加算手段をバイパスするとともに、前記隣接するアンテナエレメントブロックの前記第1の遅延・調整手段の調整値として、前記加算調整値を選択させることを特徴とする。
【0051】
請求項3記載の符号分割アレイ・アンテナは、請求項1、2記載の符号分割アレイ・アンテナにおいて、前記加算調整値として、隣接アンテナエレメントブロックとの位置関係を考慮した重み付けを重畳することを特徴とする。
【0052】
請求項4記載の符号分割アレイ・アンテナは、縦方向及び横方向にそれぞれ列及び行を形成して面状に配置される複数のアンテナエレメントを有し、前記アンテナエレメントより取り出された信号を所定時間間隔で同期してサンプリングするサンプリング手段、このサンプリング手段でサンプリングされたサンプリング信号を、列毎に縦方向に隣接する前記アンテナエレメント毎に第1の単位遅延時間づつ順次長く設定された時間だけ遅延させるとともに、縦方向の指向性を決める振幅および位相を調整する第1の遅延・調整手段、この第1の遅延・調整手段で調整された信号を、前記第1の遅延・調整手段の遅延時間の短い側から縦方向に逐次加算するための第1の加算手段を有する、各アンテナエレメントに対応して設けられたアンテナエレメントブロックと、各列に対応して設けられ、縦方向に加算された信号を、横方向に隣接する列毎に第2の単位遅延時間づつ順次長く設定された時間で遅延させる第2の遅延手段と、各列に対応し且つ分離すべき信号チャンネル数に対応して設けられ、前記第2の遅延手段でそれぞれ遅延された信号に、横方向の指向性を決める振幅および位相を調整する第2の調整手段と、これら第2の調整手段で調整された信号を前記第2の遅延手段の遅延時間の短い側から逐次加算するための第2の加算手段と、を備え、前記面状に配置された複数のアンテナエレメントの同時刻の信号の重み付け加算する操作を、まず、列毎に同時に縦方向に順次加算し、次いで、列毎に縦方向に加算された信号を、分離すべき信号チャンネル各々に対して横方向に順次加算して行う、符号分割アレイ・アンテナにおいて、前記アンテナエレメントブロックに、当該アンテナエレメントブロック内の前記各手段を含む構成要素の故障を検出する故障検出手段と、前記第1の遅延・調整手段に入力するサンプリング信号を、当該アンテナエレメントブロックで得たサンプリング信号とするか、隣接するアンテナエレメントブロックで得たサンプリング信号とするかを選択する選択手段を設け、当該アンテナエレメントブロックの前記故障検出手段により、前記選択手段を制御して前記第1の遅延・調整手段に入力するサンプリング信号を選択することを特徴とする。
【0053】
請求項5記載の符号分割アレイ・アンテナは、縦方向及び横方向にそれぞれ列及び行を形成して面状に配置される複数のアンテナエレメントを有し、前記アンテナエレメントより取り出された信号を所定時間間隔で同期してサンプリングするサンプリング手段、このサンプリング手段でサンプリングされたサンプリング信号に、縦方向の指向性を決める振幅および位相を調整するとともに、列毎に縦方向に隣接する前記アンテナエレメント毎に第1の単位遅延時間づつ順次長く設定された時間に横方向に隣接する列毎に第2の遅延時間ずつ順次長く設定された時間を加えた時間だけ遅延させる第1の遅延・調整手段、この第1の遅延・調整手段で遅延されたサンプリング信号を、前記第1の遅延・調整手段の遅延時間の短い側から縦方向に逐次加算するための第1の加算手段を有する、各アンテナエレメントに対応して設けられたアンテナエレメントブロックと、各列に対応し且つ分離すべき信号チャンネル数に対応して設けられ、前記第1の遅延・調整手段でそれぞれ遅延された信号に、横方向の指向性を決める振幅および位相を調整する第2の調整手段と、これら第2の調整手段で調整された信号を前記第1の遅延・調整手段の遅延時間の短い側から逐次加算するための第2の加算手段と、を備え、前記面状に配置された複数のアンテナエレメントの同時刻の信号の重み付け加算する操作を、まず、列毎に同時に縦方向に順次加算し、次いで、列毎に縦方向に加算された信号を、分離すべき信号チャンネル各々に対して横方向に順次加算して行う、符号分割アレイ・アンテナにおいて、前記アンテナエレメントブロックに、当該アンテナエレメントブロック内の前記各手段を含む構成要素の故障を検出する故障検出手段と、前記第1の加算手段に入力する前記第1の遅延・調整手段で遅延・調整された信号を、当該アンテナエレメントブロックで得た遅延・調整された信号とするか、隣接するアンテナエレメントブロックで得た遅延・調整された信号とするかを選択する選択手段を設け、当該アンテナエレメントブロックの前記故障検出手段により、前記選択手段を制御して前記第1の遅延・調整手段に入力する遅延・調整された信号を選択することを特徴とする。
【0054】
請求項6記載の符号分割アレイ・アンテナは、請求項1〜5記載の符号分割アレイ・アンテナにおいて、前記行が同一で隣接する複数のアンテナエレメントブロックのうちの少なくとも前記サンプリング手段を含む部分を、接続端子つきの1つのアンテナエレメントブロックセットとして形成し、このアンテナエレメントブロックセットを、前記アンテナエレメントブロックの他の手段を含む部分が設けられたマザーボードに、挿抜可能に形成したことを特徴とする。
【0055】
本発明の符号分割アレイ・アンテナによれば、縦方向及び横方向にそれぞれ列及び行を形成して面状に配置された複数のアンテナエレメントの同時刻の信号を用いて、分離すべき信号各々に対して重み付け加算する操作を、まず、列毎に同時に縦方向に順次加算し、次いで分離すべき信号チャンネル各々に対して横方向に順次加算することにより、必要な信号線数を減少した符号分割アレイ・アンテナにおいて、各アンテナエレメントブロックの故障時に、隣接するアンテナエレメントブロックの信号を利用して、符号分割アレイ・アンテナ全体としての故障状況の緩和を計ることができる。
【0056】
また、各アンテナエレメントブロックの故障時に、当該アンテナエレメントブロックを遅延バイパス処理して故障回避するとともに、隣接するアンテナエレメントブロック重み付けに当該故障したアンテナエレメントブロックの重み付けを重畳することにより、符号分割アレイ・アンテナ全体としての故障状況の緩和を計ることができる。さらに、重み付けを重畳する際に、アンテナエレメント間の物理的な位置関係を考慮して重畳することにより、より故障状況の緩和を計ることができる。
【0057】
また、各アンテナエレメントブロックの故障時に、当該アンテナエレメントブロックの信号として、隣接するアンテナエレメントブロックの信号を代用することにより、符号分割アレイ・アンテナ全体としての故障状況の緩和を計ることができる。
【0058】
また、アンテナエレメントブロックセットは、全てのアンテナエレメントブロックに共通する構成要素で構成されており、信号を遅延する手段や信号を重み付け調整する手段は含まれていないから、内部の構成要素に故障が発生しても、共通する代替品にてセット毎交換することができるから、故障時の対応が簡単である。
【0059】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態について、先行例の図面も参照して説明する。
【0060】
図1は本発明の第1の実施の形態に係り、隣り合う2つのアンテナエレメントブロックのそれぞれ一部を含むアンテナエレメントブロックセット100を模式的に示す図であり、図2は本発明の第1の実施の形態に係り、アンテナエレメントブロックの他の部分200が形成されたマザーボード側の一部を模式的に示す図である。
【0061】
本発明においても先行例と同じく、符号分割アレイ・アンテナは、複数のアンテナエレメントが縦方向及び横方向にそれぞれ列及び行を形成して面状に配置される。図1,図2では列をi、行をjで表しており、遅延時間などの標記は、先行例の図7や図9、及びその説明におけるように異なることがあるが、ここでは1つの例として示している。なお、これらの点は、他の実施の形態でも同様である。
【0062】
図1のアンテナエレメントブロックセット100は、行jが同一で隣接する2つアンテナエレメントブロックi−j、i+1−jのうちの、サンプリング手段である変換器や送受信回路部など主として高周波信号を扱う構成要素を含む部分Ai−j及びAi+1−jを、接続端子つきの1つのセットとして形成されている。これを例えば、第1行目について見ると、アンテナエレメントブロック1−1と1−2、1−3と1−4、・・・となる。このセット100は、その接続端子により、アンテナエレメントブロックi−j、i+1−jの他の手段である遅延、調整、加算などのための主としてベースバンド部分の構成要素を含む部分200が設けられたマザーボードに、挿抜可能に構成されている。
【0063】
図1において、101はアンテナエレメント(ANT−ELE)であり、図8のアンテナエレメント21に相当する。102及び106はアンテナエレメントブロックの校正を行うキャリブレーション手段であり、無線部キャリブレーション手段102(CAL−RF)とベースバンド部キャリブレーション手段106(CAL−BB)から構成される。このキャリブレーション手段102,106は、複数のアンテナ素子それぞれに対する受信系信号経路及び送信系信号経路の振幅特性及び位相特性を均一化して良好なアンテナ指向性を確保するものである。具体的な構成としては、本発明者等による特開2001ー53663号公報に多元接続通信装置として記載されているものが利用できる。
【0064】
103は送受共用器(T/R)であり、図8の送受共用器22に相当する。104は送受信回路部(TRX)であり、図8の受信回路部23及び変調回路部30に相当する。105は送信信号をD/A変換し受信信号をサンプリングしA/D変換する変換器(A/D,D/A)で、図8のA/D変換回路部24及びD/A変換回路部29に相当する。107はマザーボード側とのインターフェース手段(I/F)であり、図8には示されていない。108は以上の各構成要素の動作状況を監視し故障を検出する故障検出手段(F−DET)であり、本発明において設けられたものである。そして、送信信号TX、受信信号RX、故障検出信号を含む制御信号CNTが、インターフェース手段107により、マザーボード側とやりとりされる。なお、各記号の使用において、列及び行を指すi−jなどを省略して使用することがある。
【0065】
また、このセット100は、全てのアンテナエレメントブロックに共通する構成要素で構成されており、信号を遅延する手段や信号を重み付け調整する手段は含まれていない。したがって、内部の構成要素に故障が発生しても、共通する代替品にてセット毎交換することができるから、故障時の対応が簡単である。
【0066】
図2は本発明の実施の形態に係るマザーボードに形成されているアンテナエレメントブロックの他の部分200を模式的に示す図であり、アンテナエレメントブロックi−j及びi+1−jの他の手段を含む部分Bi−j及びBi+1−jが示されている。なお、他の部分200の中央の2点鎖線は、アンテナエレメントブロックセット100の中央の2点鎖線とともに、アンテナエレメントブロック間の境界を示している。なお、列iに属するアンテナエレメントブロックi−1〜i−n及び列i+1に属するアンテナエレメントブロックi+1−1〜i+1−nはそれぞれ独立した系統であるが、共通のマザーボードに形成されている。
【0067】
図2において、201は送信信号TXに縦方向の指向性を与えるための振幅及び位相の重み付け値Wtvを乗算する調整手段であり、図8の送信用縦方向重み付け部28に相当し、重み付け値は制御線にて供給される。202は受信信号を遅延する第1遅延手段であり、図8の第1遅延回路部25に相当する。203は第1調整手段であり、図8の縦方向重みづけ部26に対応するが、本発明ではそのアンテナエレメントブロックi−jでの振幅及び位相を調整するための調整値Wvi−jと、この調整値Wvi−jにセットになっている隣のアンテナエレメントブロックi+1−jでの振幅及び位相を調整するための調整値Wvi+1−jを加えた加算調整値Wvi−j+Wvi+1−jとのどちらかを指令信号に応じて選択して出力するように構成されている。この調整値は制御線にて供給される。なお、第1遅延手段202を、第1調整手段203の出力側に設けるようにしてもよい。
【0068】
204は第1加算手段であり、列方向に順次加算されれた受信信号ΣRXiに第1調整手段203からの信号を加算するもので、図8の加算部27に相当する。205はバイパス遅延手段であり、第1加算手段204での加算処理に要する時間に応じた遅延時間を持つ。207は以上の調整手段210,203や遅延手段202等の構成要素の動作状況を監視し故障を検出する故障検出手段であり、本発明において設けられたものである。206は故障検出手段108や故障検出手段206での受信系の構成要素が故障した検出信号に応じて、第1加算手段204を切り離しバイパス遅延手段205を接続する選択手段であり、本発明において設けられたものである。また、210は接続用のスロットであり、アンテナエレメントブロックセット100が挿入され端子同士が接続されることにより、この図1,図2の例では、アンテナエレメントブロックi−j及びi+1−jとして完成する。
【0069】
このアンテナエレメントブロックi−jは、先行例の図7及び図10の各アンテナエレメントブロック1−1〜m−nに対応する。また、図1及び図2ではアンテナエレメントブロックのみを示しているが、本発明では図1及び図2のアンテナエレメントブロックとともに、先行例の図7の受信系、即ち受信用縦方向重み付け制御回路13,受信用横方向重み付け制御回路14、第2遅延部11−1〜11−m、加算部add1−1〜k−m、横方向重み付け部12−1−1〜12−k−m、受信信号処理回路15や所要の制御線、信号線が設けられており、また先行例の図10の送信系、即ち、送信用縦方向重み付け制御回路31、送信用横方向重み付け制御回路32、送信信号処理回路33、加算部34−1〜34−m、横方向重み付け部35−1−1〜35−k−mや所要の制御線、信号線が設けられている。
【0070】
したがって、本発明の符号分割アレイ・アンテナにおいては、各アンテナエレメントブロック1−1〜m−nが正常であり、故障検出手段108、207が動作していない場合には、先行例の符号分割アレイ・アンテナと同様に制御動作が行われる。
【0071】
さて、符号分割アレイ・アンテナ中のいずれかのアンテナエレメントブロックi−jで構成要素に故障が発生すると、その故障が故障検出手段108或いは故障検出手段207で検出される。
【0072】
その故障が受信系の構成要素に発生したものである場合には、当該アンテナエレメントブロックi−jの信号を、列方向に順次加算されれた受信信号ΣRXiに加算することはできない。
【0073】
本発明では、受信系の構成要素に故障が発生したことを故障検出手段108、207が検出すると、まず当該アンテナエレメントブロックi−jの選択手段206を動作させて、第1加算手段204を切り離す一方、バイパス遅延手段205を接続する。
【0074】
このバイパス遅延手段205は、レジスタ部や加算部から構成される第1加算手段204がディジタル信号の加算処理を行うに要する時間と等しく設定された遅延時間を有する。したがって、第1加算手段204を切り離し、代わりにバイパス遅延手段205を接続することで、当該アンテナエレメントブロックi−jに入力された受信信号ΣRXiは予定の時間だけ遅延されて、次のアンテナエレメントブロックi−j+1に供給されるから、アレイ・アンテナとしての時間的な整合には何ら問題はない。
【0075】
さらに、本発明では、故障したアンテナエレメントブロックi−jがバイパスされ、その信号が加算されないことによるアンテナビームパターンの生じる影響を、行方向に隣接するアンテナエレメントブロックi+1−jを利用することにより、低減している。即ち、
【0076】
故障検出手段108、207が受信系の構成要素の故障発生を検出すると、当該アンテナエレメントブロックi−jの故障検出手段から、行方向に隣接するアンテナエレメントブロックi+1−jの第1調整手段203に故障発生の指令信号を供給する。この第1調整手段203には、その隣接するアンテナエレメントブロックi+1−jでの振幅及び位相を調整するための調整値Wvi+1−jと、この調整値Wvi+1−jにセットになっている故障した当該アンテナエレメントブロックi−jでの振幅及び位相を調整するための調整値Wvi−jを加えた加算調整値Wvi+1−j+Wvi−jとが用意されており、故障発生の指令信号により、加算調整値Wvi+1−j+Wvi−jが選択される。
【0077】
これにより、行方向に隣接するアンテナエレメントブロックi+1−jでは、受信信号RXi+1−jに加算調整値Wvi+1−j+Wvi−jが乗算された値が、隣のi+1列の列方向に順次加算されれた受信信号ΣRXi+1に加算されて、次のアンテナエレメントブロックi+1−j+1に供給される。
【0078】
この場合、バイパスされたアンテナエレメントブロックi−jの受信信号RXi−jは、隣接するアンテナエレメントブロックi+1−jの受信信号RXi+1−jで代用されたことになり、最終的に第2遅延部11−1〜11−mで遅延され加算部add1−1〜k−m(図7参照)で加算される。これらの2つのアンテナエレメントブロックi−j及びi+1−jは、隣接し位置的に近いので、符号分割アレイ・アンテナ全体としての故障状況の緩和を計ることができる。
【0079】
さらに、これら2つの隣接するアンテナエレメントブロックi−j及びi+1−jの加算調整値として、両アンテナエレメントブロック間の物理的な位置関係やアンテナビームパターンを考慮した重み付けを重畳するようにしても良い。即ち、両アンテナエレメントブロック間の位置関係は既知であるから、アンテナビームパターンとの関係でアンテナエレメント間の相互の電波伝搬の遅延時間が想定できる。したがって、この遅延時間分の信号の位相回転を補正して加算することにより、欠落データをより正確に補間する重み付けを重畳することができる。
【0080】
また、故障検出手段108、207による故障検出結果は、故障が発生したアンテナエレメントブロックセット100、アンテナエレメントブロックi−j、構成要素等が、故障検出信号線FDに供給されて制御部側に伝送され、表示や警報などにより故障の発生を監視員に知らせるようにしても良い。
【0081】
図3は本発明の第2の実施の形態に係るアンテナエレメントブロックの他の部分200が形成されたマザーボード側の一部を模式的に示す図であり、図1のアンテナエレメントブロックの一部を含むアンテナエレメントブロックセット100とともに用いられる。
【0082】
この図3において、図2と異なる点は、受信信号TXi−j、TXi+1−jを遅延する第1遅延手段202aが、縦方向への第1の遅延時間jΔTvに加えて、横方向への第2の遅延時間iΔTh、(i+1)ΔThも遅延させるように構成されている点である。これは、符号分割アレイ・アンテナの受信系が、先行例の図9のように構成されることに伴う構成変更である。
【0083】
この図3による第2の実施の形態においても、故障検出手段108、207の故障検出に伴う制御動作は、図2の第1の実施の形態におけると同様に行われる。
【0084】
図4は本発明の第3の実施の形態に係るアンテナエレメントブロックの他の部分200が形成されたマザーボード側の一部を模式的に示す図であり、図1のアンテナエレメントブロックの一部を含むアンテナエレメントブロックセット100とともに用いられる。
【0085】
この図4において、図2と異なる点は、図2におけるバイパス遅延手段205及び選択手段206を削除し、受信信号RXi−j、RXi+1−jを選択的に切り替える選択手段208を設けている点である。また、第1調整手段203には当該アンテナエレメントブロックi−j、i+1−jの調整値Wvi−j、 Wvi+1−jが供給され、加算調整値は供給されていない。
【0086】
この選択手段208は、第1遅延手段202と第1調整手段203との間に設けられている。アンテナエレメントブロックi−jについてみると、第1調整手段203に当該アンテナエレメントブロックの受信信号RXi−jを供給するか、或いは隣接するアンテナエレメントブロックi+1−jの受信信号RXi+1−jを供給するかを、選択的に切り替える。
【0087】
故障が検出されていない間は、当該アンテナエレメントブロックの受信信号RXi−j、RXi+1−jがそれぞれ当該アンテナエレメントブロックの第1遅延手段202を介してそれぞれ当該アンテナエレメントブロックの第1調整手段203に供給されている。
【0088】
例えば、アンテナエレメントブロックi−jについてみると、その故障検出手段108、207が故障を検出すると、選択手段208が切り替えられ、隣接するアンテナエレメントブロックi+1−jの受信信号RXi+1−jが第1調整手段203に供給されるようになる。なお隣接するアンテナエレメントブロックi+1−jでは、何の変更も生じない。
【0089】
これにより、故障が発生したアンテナエレメントブロックi−jでは、その受信信号RXi−jが、隣接するアンテナエレメントブロックi+1−jの受信信号RXi+1−jで代用される。これらの2つのアンテナエレメントブロックi−j及びi+1−jは、隣接し位置的に近いので、符号分割アレイ・アンテナ全体としての故障状況の緩和を計ることができる。
【0090】
なお、第1遅延手段202を、選択手段202と第1調整手段203との間や、第1調整手段203の出力側に設けるようにしてもよい。
【0091】
図5は本発明の第4の実施の形態に係るアンテナエレメントブロックの他の部分が形成されたマザーボード側の一部を模式的に示す図であり、図1のアンテナエレメントブロックの一部を含むアンテナエレメントブロックセットとともに用いられる。
【0092】
この図5において、図4の第3の実施の形態と異なる点は、受信信号TXi−j、TXi+1−jを遅延する第1遅延手段202aが、縦方向への第1の遅延時間jΔTvに加えて、横方向への第2の遅延時間iΔTh、(i+1)ΔThも遅延させるように構成されている点である。これは、符号分割アレイ・アンテナの受信系が、先行例の図9のように構成されることに伴う構成変更である。
【0093】
この図5の第4の実施の形態では、受信信号TXi−j、TXi+1−jを遅延する第1遅延手段202aは、図のように第1の調整手段203の出力側に設けるか、選択手段208と第1の調整手段203との間に配置されることになる。これは、隣接するアンテナエレメントブロックの受信信号TXi−j、TXi+1−jを選択的に切り替えて利用するために、同時刻の受信信号を選択するためである。
【0094】
この図5による第4の実施の形態においても、故障検出手段108、207の故障検出に伴う制御動作は、図4の第3の実施の形態におけると同様に行われる。
【0095】
なお、アンテナエレメントブロックセット100を、行jが同一で隣接する3列分のアンテナエレメントブロックi−1−j、i−j、i+1−jとすることもできる。これに対応して、他の手段を含む部分200も、3列分が同じマザーボードに設けられる。この場合にも、互いに隣接するアンテナエレメントブロック間で故障時の対策をとることができる。
【0096】
【発明の効果】
本発明の符号分割アレイ・アンテナによれば、縦方向及び横方向にそれぞれ列及び行を形成して面状に配置された複数のアンテナエレメントの同時刻の信号を用いて、分離すべき信号各々に対して重み付け加算する操作を、まず、列毎に同時に縦方向に順次加算し、次いで分離すべき信号チャンネル各々に対して横方向に順次加算することにより、必要な信号線数を減少した符号分割アレイ・アンテナにおいて、各アンテナエレメントブロックの故障時に、隣接するアンテナエレメントブロックの信号を利用して、符号分割アレイ・アンテナ全体としての故障状況の緩和を計ることができる。
【0097】
また、各アンテナエレメントブロックの故障時に、当該アンテナエレメントブロックを遅延バイパス処理して故障回避するとともに、隣接するアンテナエレメントブロック重み付けに当該故障したアンテナエレメントブロックの重み付けを重畳することにより、符号分割アレイ・アンテナ全体としての故障状況の緩和を計ることができる。さらに、重み付けを重畳する際に、アンテナエレメント間の物理的な位置関係を考慮して重畳することにより、より故障状況の緩和を計ることができる。
【0098】
また、各アンテナエレメントブロックの故障時に、当該アンテナエレメントブロックの信号として、隣接するアンテナエレメントブロックの信号を代用することにより、符号分割アレイ・アンテナ全体としての故障状況の緩和を計ることができる。
【0099】
また、アンテナエレメントブロックセットは、全てのアンテナエレメントブロックに共通する構成要素で構成されており、信号を遅延する手段や信号を重み付け調整する手段は含まれていないから、内部の構成要素に故障が発生しても、共通する代替品にてセット毎交換することができるから、故障時の対応が簡単である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る、アンテナエレメントブロックの一部を含むアンテナエレメントブロックセットを模式的に示す図。
【図2】本発明の第1の実施の形態に係るマザーボードに形成されているアンテナエレメントブロックの他の部分200を模式的に示す図。
【図3】本発明の第2の実施の形態に係るマザーボードに形成されているアンテナエレメントブロックの他の部分200を模式的に示す図。
【図4】本発明の第3の実施の形態に係るマザーボードに形成されているアンテナエレメントブロックの他の部分200を模式的に示す図。
【図5】本発明の第4の実施の形態に係るマザーボードに形成されているアンテナエレメントブロックの他の部分200を模式的に示す図。
【図6】符号分割アレイ・アンテナの構成例を示す図。
【図7】先行例の符号分割アレイ・アンテナの受信系に関わるブロック図。
【図8】先行例のアンテナエレメントブロックの構成図。
【図9】先行例の他の符号分割アレイ・アンテナの受信系に関わるブロック図。
【図10】先行例の符号分割アレイ・アンテナの送信系に関わるブロック図。
【符号の説明】
1−1〜m−n アンテナエレメントブロック
11−1〜11−m 遅延部
12−1−1〜12−k−m 横方向重み付け部
13 受信用縦方向重み付け制御回路
14 受信用横方向重み付け制御回路
15 受信信号処理回路
31 送信用縦方向重み付け制御回路
32 送信用横方向重み付け制御回路
33 送信信号処理回路
34−1〜34−m 加算部
35−1−1〜35−k−m 横方向重み付け部
100 アンテナエレメントブロックの一部を含むアンテナエレメントブロックセット
101 アンテナエレメント
102 無線部キャリブレーション手段
103 送受共用器
104 送受信回路部
105 変換器
106 ベースバンド部キャリブレーション手段
107 インターフェース
108 故障検出手段
200 マザーボードに形成されているアンテナエレメントブロックの他の部分
201 調整手段
202、202a 第1遅延手段
203 第1調整手段
204 第1加算手段
205 バイパス遅延手段
206 選択手段
207 故障検出手段
208 選択手段
210 接続用スロット

Claims (6)

  1. 縦方向及び横方向にそれぞれ列及び行を形成して面状に配置される複数のアンテナエレメントを有し、
    前記アンテナエレメントより取り出された信号を所定時間間隔で同期してサンプリングするサンプリング手段、このサンプリング手段でサンプリングされたサンプリング信号を、列毎に縦方向に隣接する前記アンテナエレメント毎に第1の単位遅延時間づつ順次長く設定された時間だけ遅延させるとともに、縦方向の指向性を決める振幅および位相を調整する第1の遅延・調整手段、この第1の遅延・調整手段で調整された信号を、前記第1の遅延・調整手段の遅延時間の短い側から縦方向に逐次加算するための第1の加算手段を有する、各アンテナエレメントに対応して設けられたアンテナエレメントブロックと、
    各列に対応して設けられ、縦方向に加算された信号を、横方向に隣接する列毎に第2の単位遅延時間づつ順次長く設定された時間で遅延させる第2の遅延手段と、
    各列に対応し且つ分離すべき信号チャンネル数に対応して設けられ、前記第2の遅延手段でそれぞれ遅延された信号に、横方向の指向性を決める振幅および位相を調整する第2の調整手段と、これら第2の調整手段で調整された信号を前記第2の遅延手段の遅延時間の短い側から逐次加算するための第2の加算手段と、を備え、
    前記面状に配置された複数のアンテナエレメントの同時刻の信号の重み付け加算する操作を、まず、列毎に同時に縦方向に順次加算し、次いで、列毎に縦方向に加算された信号を、分離すべき信号チャンネル各々に対して横方向に順次加算して行う、符号分割アレイ・アンテナにおいて、
    前記各アンテナエレメントブロックに、
    当該アンテナエレメントブロック内の前記各手段を含む構成要素の故障を検出する故障検出手段と、
    前記第1の加算手段をバイパスするバイパス遅延手段とを設けるとともに、
    前記第1の遅延・調整手段を、当該アンテナエレメントブロックでの振幅及び位相を調整するための調整値或いは、この調整値に隣接するアンテナエレメントブロックでの振幅及び位相を調整するための調整値を加えた加算調整値を選択可能にし、
    当該アンテナエレメントブロックの前記故障検出手段により、前記バイパス遅延手段で前記第1加算手段をバイパスするとともに、前記隣接するアンテナエレメントブロックの前記第1の遅延・調整手段の調整値として、前記加算調整値を選択することを特徴とする符号分割アレイ・アンテナ。
  2. 縦方向及び横方向にそれぞれ列及び行を形成して面状に配置される複数のアンテナエレメントを有し、
    前記アンテナエレメントより取り出された信号を所定時間間隔で同期してサンプリングするサンプリング手段、このサンプリング手段でサンプリングされたサンプリング信号を、列毎に縦方向に隣接する前記アンテナエレメント毎に第1の単位遅延時間づつ順次長く設定された時間に横方向に隣接する列毎に第2の遅延時間ずつ順次長く設定された時間を加えた時間だけ遅延させるとともに、縦方向の指向性を決める振幅および位相を調整する第1の遅延・調整手段、この第1の遅延・調整手段で調整された信号を、前記第1の遅延・調整手段の遅延時間の短い側から縦方向に逐次加算するための第1の加算手段を有する、各アンテナエレメントに対応して設けられたアンテナエレメントブロックと、
    各列に対応し且つ分離すべき信号チャンネル数に対応して設けられ、前記第1の遅延・調整手段でそれぞれ遅延された信号に、横方向の指向性を決める振幅および位相を調整する第2の調整手段と、これら第2の調整手段で調整された信号を前記第1の遅延・調整手段の遅延時間の短い側から逐次加算するための第2の加算手段と、を備え、
    前記面状に配置された複数のアンテナエレメントの同時刻の信号の重み付け加算する操作を、まず、列毎に同時に縦方向に順次加算し、次いで、列毎に縦方向に加算された信号を、分離すべき信号チャンネル各々に対して横方向に順次加算して行う、符号分割アレイ・アンテナにおいて、
    前記各アンテナエレメントブロックに、
    当該アンテナエレメントブロック内の前記各手段を含む構成要素の故障を検出する故障検出手段と、
    前記第1の加算手段をバイパスするバイパス遅延手段とを設けるとともに、
    前記第1の加算・調整手段を、当該アンテナエレメントブロックでの振幅及び位相を調整するための調整値或いは、この調整値に隣接するアンテナエレメントブロックでの振幅及び位相を調整するための調整値を加えた加算調整値を選択可能にし、
    当該アンテナエレメントブロックの前記故障検出手段により、前記バイパス遅延手段で前記第1加算手段をバイパスするとともに、前記隣接するアンテナエレメントブロックの前記第1の遅延・調整手段の調整値として、前記加算調整値を選択させることを特徴とする符号分割アレイ・アンテナ。
  3. 前記加算調整値として、隣接アンテナエレメントブロックとの位置関係を考慮した重み付けを重畳することを特徴とする請求項1、2記載の符号分割アレイ・アンテナ。
  4. 縦方向及び横方向にそれぞれ列及び行を形成して面状に配置される複数のアンテナエレメントを有し、
    前記アンテナエレメントより取り出された信号を所定時間間隔で同期してサンプリングするサンプリング手段、このサンプリング手段でサンプリングされたサンプリング信号を、列毎に縦方向に隣接する前記アンテナエレメント毎に第1の単位遅延時間づつ順次長く設定された時間だけ遅延させるとともに、縦方向の指向性を決める振幅および位相を調整する第1の遅延・調整手段、この第1の遅延・調整手段で調整された信号を、前記第1の遅延・調整手段の遅延時間の短い側から縦方向に逐次加算するための第1の加算手段を有する、各アンテナエレメントに対応して設けられたアンテナエレメントブロックと、
    各列に対応して設けられ、縦方向に加算された信号を、横方向に隣接する列毎に第2の単位遅延時間づつ順次長く設定された時間で遅延させる第2の遅延手段と、
    各列に対応し且つ分離すべき信号チャンネル数に対応して設けられ、前記第2の遅延手段でそれぞれ遅延された信号に、横方向の指向性を決める振幅および位相を調整する第2の調整手段と、これら第2の調整手段で調整された信号を前記第2の遅延手段の遅延時間の短い側から逐次加算するための第2の加算手段と、を備え、
    前記面状に配置された複数のアンテナエレメントの同時刻の信号の重み付け加算する操作を、まず、列毎に同時に縦方向に順次加算し、次いで、列毎に縦方向に加算された信号を、分離すべき信号チャンネル各々に対して横方向に順次加算して行う、符号分割アレイ・アンテナにおいて、
    前記アンテナエレメントブロックに、
    当該アンテナエレメントブロック内の前記各手段を含む構成要素の故障を検出する故障検出手段と、
    前記第1の遅延・調整手段に入力するサンプリング信号を、当該アンテナエレメントブロックで得たサンプリング信号とするか、隣接するアンテナエレメントブロックで得たサンプリング信号とするかを選択する選択手段を設け、
    当該アンテナエレメントブロックの前記故障検出手段により、前記選択手段を制御して前記第1の遅延・調整手段に入力するサンプリング信号を選択することを特徴とする符号分割アレイ・アンテナ。
  5. 縦方向及び横方向にそれぞれ列及び行を形成して面状に配置される複数のアンテナエレメントを有し、
    前記アンテナエレメントより取り出された信号を所定時間間隔で同期してサンプリングするサンプリング手段、このサンプリング手段でサンプリングされたサンプリング信号に、縦方向の指向性を決める振幅および位相を調整するとともに、列毎に縦方向に隣接する前記アンテナエレメント毎に第1の単位遅延時間づつ順次長く設定された時間に横方向に隣接する列毎に第2の遅延時間ずつ順次長く設定された時間を加えた時間だけ遅延させる第1の遅延・調整手段、この第1の遅延・調整手段で遅延されたサンプリング信号を、前記第1の遅延・調整手段の遅延時間の短い側から縦方向に逐次加算するための第1の加算手段を有する、各アンテナエレメントに対応して設けられたアンテナエレメントブロックと、
    各列に対応し且つ分離すべき信号チャンネル数に対応して設けられ、前記第1の遅延・調整手段でそれぞれ遅延された信号に、横方向の指向性を決める振幅および位相を調整する第2の調整手段と、これら第2の調整手段で調整された信号を前記第1の遅延・調整手段の遅延時間の短い側から逐次加算するための第2の加算手段と、を備え、
    前記面状に配置された複数のアンテナエレメントの同時刻の信号の重み付け加算する操作を、まず、列毎に同時に縦方向に順次加算し、次いで、列毎に縦方向に加算された信号を、分離すべき信号チャンネル各々に対して横方向に順次加算して行う、符号分割アレイ・アンテナにおいて、
    前記アンテナエレメントブロックに、
    当該アンテナエレメントブロック内の前記各手段を含む構成要素の故障を検出する故障検出手段と、
    前記第1の加算手段に入力する前記第1の遅延・調整手段で遅延・調整された信号を、当該アンテナエレメントブロックで得た遅延・調整された信号とするか、隣接するアンテナエレメントブロックで得た遅延・調整された信号とするかを選択する選択手段を設け、
    当該アンテナエレメントブロックの前記故障検出手段により、前記選択手段を制御して前記第1の遅延・調整手段に入力する遅延・調整された信号を選択することを特徴とする符号分割アレイ・アンテナ。
  6. 前記行が同一で隣接する複数のアンテナエレメントブロックのうちの少なくとも前記サンプリング手段を含む部分を、接続端子つきの1つのアンテナエレメントブロックセットとして形成し、このアンテナエレメントブロックセットを、前記アンテナエレメントブロックの他の手段を含む部分が設けられたマザーボードに、挿抜可能に形成したことを特徴とする請求項1〜5記載の符号分割アレイ・アンテナ。
JP2001332016A 2001-10-30 2001-10-30 符号分割アレイ・アンテナ Expired - Fee Related JP3838898B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001332016A JP3838898B2 (ja) 2001-10-30 2001-10-30 符号分割アレイ・アンテナ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001332016A JP3838898B2 (ja) 2001-10-30 2001-10-30 符号分割アレイ・アンテナ

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2003133837A JP2003133837A (ja) 2003-05-09
JP3838898B2 true JP3838898B2 (ja) 2006-10-25

Family

ID=19147500

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001332016A Expired - Fee Related JP3838898B2 (ja) 2001-10-30 2001-10-30 符号分割アレイ・アンテナ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3838898B2 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4003229B2 (ja) 2002-06-20 2007-11-07 日本電気株式会社 アレーアンテナ受信装置
JP3117833U (ja) 2005-10-21 2006-01-12 船井電機株式会社 パネル型テレビジョンおよび液晶テレビジョン
JP4390086B2 (ja) 2007-09-25 2009-12-24 船井電機株式会社 スマートアンテナシステム、及び、放送受信システム
KR101644892B1 (ko) * 2015-07-21 2016-08-02 국방과학연구소 안테나 고장 복원 장치

Also Published As

Publication number Publication date
JP2003133837A (ja) 2003-05-09

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7181245B2 (en) Wireless transmitter, transceiver and method
CN101595637B (zh) 有源天线中的相位和功率校正的方法和装置
JP3233088B2 (ja) 指向性制御アンテナ装置
AU686858B2 (en) Phased array spread spectrum system and method
EP1777838B1 (en) Adaptive array antenna transceiver apparatus
US20120020396A1 (en) Calibration of smart antenna systems
US20140086354A1 (en) System and method for distinguishing between antennas in hybrid mimo rdn systems
JP3967452B2 (ja) スペクトラム拡散無線伝送受信装置
KR20090088193A (ko) 멀티 빔 결합을 이용한 스위치 빔 포밍 장치 및 방법
JPH11284530A (ja) 無線受信装置及びその方法
WO1995034997A2 (en) Diversity combining for antennas
EP1575187A2 (en) Radio equipment capable of real time change of antenna directivity and doppler frequency estimating circuit used for the radio equipment
US7680196B2 (en) Array antenna transceiver and calibrating method of transmission route used for the same
US7006042B2 (en) Antenna array system, method of controlling the directivity pattern thereof, and mobile terminal
JP2001156688A (ja) 無線受信装置およびキャリブレーション方法
EP1406399A1 (en) Radio communication device, radio communication method, and radio base station device
JP3838898B2 (ja) 符号分割アレイ・アンテナ
JP3462088B2 (ja) 遅延線アンテナ・アレイ・システムおよびその方法
US20230387985A1 (en) Beamformer and method of operation of a beamformer for mimo antenna system
JP2000286629A (ja) 無線送信装置及び送信指向性調整方法
JP3597694B2 (ja) 適応アンテナ装置
EP1235362A1 (en) Base station device and arrival direction deducing method
JP4024966B2 (ja) アダプティブアレイ基地局
CN100369399C (zh) 基于智能天线的cdma系统时空分集发射的方法及装置
JP3930456B2 (ja) アレイアンテナ通信装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20040831

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20060327

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20060404

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20060801

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20060801

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Ref document number: 3838898

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100811

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110811

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120811

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130811

Year of fee payment: 7

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees