JP3838779B2 - 採血管ホルダー - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば真空採血法などにおいて採血針を採血管に取り付けて採血を行う際に用いられる採血管ホルダーに関し、より詳細には、様々な採血管に適用することができ、採血に際しては採血管を確実に保持することができると共に、採血後に速やかに採血管を取り外すことが可能な採血管ホルダーに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、真空採血に際し、作業を容易としかつ安全に行うために採血管ホルダーが広く用いられている。採血管ホルダーを用いて採血を行う場合、先ず、採血針を採血管ホルダーにセットし、採血針を血管に穿刺する。次に、採血管を採血管ホルダーに挿入し、採血針を採血管ホルダー内において採血管の栓体に穿刺し、採血を行う。採血後、採血管ホルダーから採血管を抜き取り、しかる後、採血針を血管から抜去する。次に、採血針を採血管ホルダーから取り外す。
【0003】
複数の採血管に採血する場合には、上記採血管をホルダーに挿入し、採血する工程及び採血管をホルダーから抜去する工程を採血管の本数に応じて繰り返す。ところで、上述した工程のうち、採血針を血管に穿刺する工程においては、穿刺した瞬間に血液が採血針を通り採血管ホルダー内に漏洩するおそれがある。そこで、近年、採血針として、採血管の栓体を刺通する側の針先を覆うようにゴム鞘を設けることにより、血液の漏洩を防止するものが広く用いられている。
【0004】
ところが、上記ゴム鞘を有する採血針を用いた場合、採血管を採血管ホルダーに挿入する工程において、ゴム鞘が採血管の栓体により採血管ホルダーの軸方向に圧縮されることになる。その結果、採血中に作業者が採血管から手を離すと、ゴム鞘の弾揆力により採血管が採血管ホルダーから抜け落ち、採血管内に所望の量の血液を採取することができないことがあった。
【0005】
上記のように、採血管から手を離した際に、ゴム鞘の弾揆力により採血管が採血管ホルダーから抜け落ちる現象を、以下、キックバックと称することとする。上記キックバックを防止するために、従来、様々な採血管ホルダーが提案されている。
【0006】
例えば、実開平3−111307号公報には、上記キックバックを防止するための抜け止めリングが設けられた採血管ホルダーが開示されている。この採血管ホルダーの構造を、図14及び図15を参照して説明する。
【0007】
採血管ホルダー101は、ホルダー本体102と抜け止めリング103とを有する。ホルダー本体102は、略円筒状の形状を有し、一端側に採血針104が取り付けられている。採血管ホルダー102の他端側は開口されており、採血管105が挿入されている。採血管105は、採血管本体105aと栓体105bとを有する。
【0008】
ホルダー本体102の側面には対向し合うように一対の開口部102a,102bが形成されている。この開口部102a,102bに一部が入り込み得るように弾性を有する抜け止めリング103が取り付けられている。抜け止めリング103は、図15においてホルダー本体102の先端から見た略図で示すように、外力が加えられない状態では、上記開口部内に入り込み、採血管本体105aを弾力挟持している。この抜け止めリング103は、略楕円形状を有し、長径側端部103a,103bを近接するように指等で力を変えることにより、図15の二点鎖線で示すように変形される。従って、このように変形させることにより、採血管本体105aを弾力挟持している状態を解き、採血管105の挿入や抜去を容易とすることができる。
【0009】
また、採血管105が取り付けられた状態では、図14で示されているように、抜け止めリング103が採血管本体105aを弾力挟持しており、かつ栓体105bの採血管本体105aの開口縁から外側にはみ出している部分を係止しているため、上記キックバックを確実に防止することができる。
【0010】
実開平3−111307号公報に開示されている採血管ホルダーでは、上記抜け止めリング103によりキックバックが防止されるが、現在一般的に用いられている採血管ホルダーの多くはこのような抜け止めリングを有していない。すなわち、一般の採血管ホルダーの多くは、後述のように、採血管の栓体と採血管ホルダー内面との摩擦力によりキックバックを防止するように構成されている。従って、作業者は、実開平3−111307号公報に開示されている採血管ホルダーを用いた場合でも、誤って採血管を採血管ホルダーから強い力で引き抜きがちとなる。
【0011】
しかしながら、実開平3−111307号公報に開示されている採血管ホルダーでは、抜け止めリングによりキックバックが防止されているので、採血管を採血管ホルダーから無理矢理引き抜こうとすると、栓体105bが抜け止めリング103に係止されているため、採血管本体105aから栓体105bが外れるおそれがあった。また、ゴム以外の硬質の材料からなる栓体105bの場合には、抜け止めリング103により係止されているため、無理矢理採血管105を採血管ホルダー101から引き抜こうとしても、栓体が変形せず、採血管105を採血管ホルダー101から引き抜くことが事実上不可能であった。
【0012】
他方、特開昭56−89266号公報には、キックバックを防止し得る採血管ホルダーが開示されている。ここでは、採血管ホルダーの側面に、内側に押圧することにより移動され得る保持片が形成されている。他方、採血管として、採血管本体を閉栓している栓体の外側にキャップが取り付けられているものが用いられている。このキャップは、採血管本体の外側において他方端側に延ばされており、キャップの延ばされている部分の内面と採血管本体の外面との間に上記保持片が挿入される隙間が形成されている。従って、採血管を採血管ホルダーに挿入した後、保持片を外側から押圧し、上記隙間内にくい込ませることにより、上記キックバックが防止されている。
【0013】
しかしながら、特開昭56−89266号公報に記載の採血管ホルダーでは、上述した保持片がくい込み得る隙間が設けられた採血管しか用いることができなかった。すなわち、例えば図16に略図的に示すように、この採血管ホルダー111に通常の採血管105を挿入した場合、キックバックを確実に防止することはできない。すなわち、保持片112を外部から押圧し、採血管105の採血管本体105aに接触させたとしても、保持片112がその弾性復元力により矢印方向に移動し、栓体105bの側方に移動し、採血管105から保持片112が外れがちであった。すなわち、特定の採血管を用意しなければ、キックバックを確実に防止することはできなかった。
【0014】
他方、特開平3−39695号公報には、採血管の栓体として、横断面が楕円形状のものを用い、採血管ホルダー内に対向し合うように一対のリブを設けた構造が開示されている。ここでは、採血管を採血管ホルダーに挿入する際には、栓体の長径方向が一対のリブを結ぶ方向と直交する方向となるようにして採血管を挿入し、挿入後に採血管を90度回転させることにより、長径方向と一対のリブを結ぶ方向とを一致させてキックバックの防止が図られている。採血管を採血管ホルダーから抜去する際には、再度採血管を90度回転させ、栓体の短径方向を一対のリブを結ぶ方向と一致させればよい。
【0015】
しかしながら、特開平3−39695号公報に開示されている方法では、上記のように、横断面が楕円形状の特殊な栓体及び一対のリブが設けられた特殊な採血管本体を必要とし、やはり適用される採血管が限定されるという問題があった。
【0016】
すなわち、特開昭56−89266号公報や特開平3−39695号公報に開示されている採血管ホルダーは、病院で用いられている様々な採血管にそのまま適用することはできないものであった。
【0017】
他方、上述した採血管ホルダーの他、採血管ホルダー内の一部の内径を採血管の外径より小さくし、採血管を採血管ホルダーに押し込んだ際に内径の小さな部分と採血管との摩擦力によってキックバックを防止する構造も種々提案されている(実開平5−35106号公報、実開平5−35108号公報、特開平6−38944号公報など)。
【0018】
しかしながら、真空採血法で用いられる採血管では、内部の真空度を維持するために採血管本体に栓体が取り付けられている。また、採血に際しては、栓体に採血針を刺通させることが必要である。従って、この刺通抵抗が大きいと、採血作業者に大きな負担が加わり、大きな病院や集団検診等において数多くの採血作業をしなければならない場合、上記負担が非常に大きな問題となっていた。
【0019】
よって、上記刺通抵抗だけでなく、採血管ホルダーにキックバックを防止するために採血管を押し込む構造では、キックバックを防止するための採血管の挿入作業が、さらに採血作業者に大きな負担を強いることとなっていた。
【0020】
加えて、これらの多くの採血管ホルダーでは、採血管を抜去する際にも、大きな力で採血管を採血管ホルダーから引き抜く必要があった。ところが、採血管ホルダーから採血管を抜去する際には、採血針は血管に挿入されたままである。従って、採血管ホルダーの位置を固定したまま、採血管を引き抜かなければならず、採血管を引き抜くための力と同等の力を採血管ホルダーに対して反対向きに加えねばならなかった。ところが、採血管が採血管ホルダーの上記摩擦接触部分を通過した後には、採血管と採血管ホルダーとの間の抵抗は急激に小さくなる。しかしながら、採血管ホルダーには、上記のとおり採血管を引き抜く方向と反対方向に、すなわち血管方向に力が加えられたままであるため、採血針が血管に深く入り込み、甚だしき場合には、血管壁を突き破り、内出血等を引き起こすという問題があった。
【0021】
本発明の目的は、上述した従来技術の欠点を解消し、対象とする採血管の種類の制約が少なく、様々な採血管に適用することができ、採血管を挿入する際の抵抗が小さく、かつ上述したキックバックを確実に防止し得る採血管ホルダーを提供することにある。
本発明の他の目的は、採血管を抜き取る際に、血管方向に移動し難いように操作し得る採血管ホルダーを提供することにある。
【0022】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明に係る採血管ホルダーは、一端に採血針が貫通された状態で保持される採血針保持部が構成されており、他端から採血管が挿入されるように構成されており、側面に互いに対向された一対の開口部が形成された筒状のホルダー本体と、前記ホルダー本体の外側からホルダー本体の一対の開口部内に弾力挟持部分が入り込み得るように該ホルダー本体に装着されており、挿入された採血管を弾力挟持し得るように構成された抜け止めリングとを備え、前記抜け止めリングの一対の弾力挟持部分のホルダー本体軸方向に沿った中間位置に、一対の弾力挟持部分間の距離が、採血管の栓体の外径よりも小さい最狭部がホルダー本体の軸方向中間に形成されており、該弾力挟持部分のホルダー本体軸方向両端部分における一対の弾力挟持部分間の距離が採血管の栓体の外径よりも大きくされており、かつ前記最狭部から弾力挟持部分の軸方向両端に向かって一対の弾力挟持部分間の距離が大きくなるようにテーパーが付けられていることを特徴とする。
【0023】
請求項2に記載の発明では、前記弾力挟持部分の最狭部から採血針側端部に向かって形成されたテーパーの角度が、採血管ホルダーの軸方向に対して45〜60度の範囲とされている。
【0024】
請求項3に記載の発明では、前記抜け止めリングの一対の弾力挟持部分を結ぶ方向と直交する方向の長さが、一対の弾力挟持部分を結ぶ方向の長さよりも長くされている。
【0025】
請求項4に記載の発明に係る採血管ホルダーは、一端に採血針が貫通された状態で保持される採血針保持部が構成されており、他端から採血管が挿入されるように構成されており、側面に開口部が形成されている筒状のホルダー本体と、前記ホルダー本体の外側から開口部内に一部が入り込み得るようにホルダー本体に装着されており、一部が欠除された略リング状の構造を有し、採血管を弾力挟持するように構成された抜け止めリングと、前記抜け止めリングに連結されており、かつ該抜け止めリングに連結されている側とは反対側の端部をホルダー本体の外側においてホルダー本体外表面に対して近接・離間させ得るように構成された操作レバーとを備え、前記ホルダー本体の外表面にリブが形成されており、前記操作レバーをホルダー本体外表面に対して近接させるに際し、該リブを支点として操作レバーがホルダー本体外表面に対して近接されるように構成されていることを特徴とする。
【0026】
請求項5に記載の発明では、抜け止めリングの採血管を弾力挟持する部分のホルダー本体軸方向に沿う中間位置に採血管の栓体の外径よりも小さな内径を有する最狭部が形成されており、該弾力挟持部分のホルダー本体軸方向両端の内径が採血管の栓体の外径よりも大きくなるように、最狭部から弾力挟持部分のホルダー本体軸方向両端に向かってテーパーが付けられている。
【0027】
請求項6に記載の発明では、前記弾力挟持部分の最狭部から採血針側端部に向かって形成されたテーパーの傾斜角度が、ホルダー本体軸方向に対して45〜60度の範囲とされている。
【0028】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の非限定的な実施例を挙げることにより本発明を明らかにする。
(第1の実施例)
図1は、本発明の第1の実施例に係る採血管ホルダーを用いた採血器具を示す縦断面図であり、図2(a)及び(b)は、該採血管ホルダーの縦断面図及び側面図である。
【0029】
図1に示すように、採血器具1を使用する際には、採血管ホルダー2の前方に採血針3を固定すると共に、採血管ホルダー2内に採血管4を挿入する。なお、本明細書では、採血針3が装着される側、すなわち血管側を前方、その反対側を後方とする。
【0030】
図2に示すように、採血管ホルダー2は、略円筒状のホルダー本体5と、ホルダー本体5に装着された抜け止めリング6とを有する。ホルダー本体5には、前方端に採血針3(図1参照)が貫通された状態で保持される採血針保持部5aが形成されている。採血管ホルダーの他端は開口されており、採血管4(図1参照)が開口5bから挿入されるように構成されている。
【0031】
図3(a)〜(c)は、それぞれ、上記ホルダー本体の縦断面図、側面図、並びに(b)とは異なる方向から見た側面図を示す。
採血管ホルダー5の側面には、図3(a)〜(c)に示す一対の開口部5c,5dが形成されている。本実施例では、開口部5b,5cは側方から見た場合略矩形の形状を有するように構成されている。
【0032】
開口部5c,5dは、上記抜け止めリング6の弾力挟持部(後述)を入り込ませるために設けられている。
上記筒状のホルダー本体2を構成する材料については、特に限定されず、ポリプロピレン、ポリエステル、ナイロン、ポリエチレン等の適宜の合成樹脂あるいは金属等を用いることができる。
【0033】
図1に戻り、上記ホルダー本体5の一対の開口部5c,5dに弾力挟持部が入り込み得るように、抜け止めリング6がホルダー本体5に装着されている。この抜け止めリング6を、図4〜図6を参照して説明する。
【0034】
抜け止めリング6は、略角環状の部材により構成されており、互いに対向するように一対の弾力挟持部6a,6bが配置された構造を有する。本実施例では、抜け止めリング6は、略矩形のリング状部材において、長辺側の略中央に、それぞれ、弾力挟持部分6a,6bが形成されている。すなわち、弾力挟持部分6a,6bを結ぶ方向と直交する方向の長さが、弾力挟持部分6a,6bを結ぶ方向の長さよりも長くされている。
【0035】
従って、短辺側部分6c,6dを指等により相手方に向かって押圧することにより、弾力挟持部分6a,6b間の距離を拡大することができる。また、上記短辺側部分6c,6dに加えた力を開放すると、弾力挟持部分6a,6b間の距離が抜け止めリング6の弾性復元力により小さくなり、初期状態に復帰する。
【0036】
上記抜け止めリングの弾力挟持部分6a,6b間の距離は、採血管ホルダー2に挿入される採血管4の栓体4bの外径(最大径)よりも小さくされており、好ましくは採血管本体4aの外径よりも若干小さくされており、それによって栓体4bの採血管本体4の開口縁よりも外側にはみ出ている部分の後面4b1 が傾斜面6g,6hにより係止されることになる。さらに採血管本体4aを弾力挟持し得ることでより係止力を向上させることができる。
【0037】
本実施例の特徴は、上記弾力挟持部分6a,6bの構造にある。これを、図5のA−A線に沿う断面図である図6を参照して説明する。
図6において、抜け止めリング6の前端6c側が採血針3が位置する側であり、後端6d側が採血管4が挿入される側である。従って、前端6cと後端6dとを結ぶ方向が採血管ホルダー2の軸方向と一致されている。
【0038】
弾力挟持部分6a,6bにおいては、採血管ホルダーの軸方向中間位置において、互いの対向距離が最も小さくなるように内方に突出したエッジ6e,6fが形成されている。エッジ6e,6fは互いに対向されており、該エッジ6e,6fの形成により、エッジ6e,6fによって本発明における最狭部が構成されている。
【0039】
この最狭部におけるエッジ6e,6f間の距離Bは、採血管ホルダー2に挿入される採血管4の栓体4bの外径(最大径)よりも小さくされている。
他方、抜け止めリング6の前端における弾力挟持部分6a,6b間の距離Cは、栓体4bの外径(最大径)よりも大きくされている。同様に、抜け止めリング6の後端における弾力挟持部分6a,6b間の距離Dも、栓体4bの外径よりも大きくされている。
【0040】
なお、エッジ6e,6f間の距離Bが栓体4bの外径よりも小さくされているのは、距離Bが栓体4bの外径よりも大きい場合には、採血管4を係止し、キックバックを防止する効果が得られないからである。また、距離Cが栓体4bの外径より大きくされているのは、小さい場合には栓体4bが傾斜面6g,6hではなく、前端に係止されることになり、上記傾斜面6g,6hを設けた意味がなくなるからである。
【0041】
また、距離Dが栓体4bの外径より大きくされているのは、小さい場合には採血管4の挿入に際し、抜け止めリング6を通過させ難いからである。
また、エッジ6e,6fから前端あるいは後端に向かって弾力挟持部分6a,6b間の距離が次第に大きくなるように、エッジ6e,6fの上下にテーパーが付けられている。このテーパーのうち、エッジ6e,6fから前端にかけて形成されているテーパー面6g,6hの傾斜角度は、採血管ホルダー2の軸方向に対して、特に限定されるわけではないが、本実施例では約45〜60度の範囲とされている。
【0042】
上述した抜け止めリング6を構成する材料についても特に限定されず、径方向に弾性を有するように構成することができ、繰り返し使用し得るものである限り、適宜の材料により構成することができる。もっとも、焼却処分の容易性を考慮すると、合成樹脂を用いることが好ましく、例えばポリプロピレン、ポリアセタール、ナイロン、ポリエチレンなどを例示することができる。
【0043】
次に、図1を参照しつつ、本実施例の採血管ホルダー2を用いた場合の採血操作を説明することにより、上記採血管ホルダー2の他の構成及び効果を明らかにする。
【0044】
採血に際しては、ホルダー本体5の前方端側に形成された採血針保持部5aに採血針3を装着する。この採血針3の装着は、採血針3の種類に応じて適宜の方法で行われる。すなわち、採血針3が採血管ホルダーに圧入する形式の場合には、採血針保持部5aに採血針3を圧入することにより、ねじ込むことにより採血管ホルダーに固定する採血針の場合には、採血針保持部5aにねじ込むことにより採血針が保持される。
【0045】
従って、上記採血針保持部5aは、目的とする採血針3に応じて採血針3を保持し得る適宜の構造を有するように構成されている。
次に、採血針3の血管穿刺側の刃先3aを血管に穿刺する。
【0046】
この場合、採血針3の採血管側刃先3bは、予めゴム鞘3cにより覆われている。従って、採血針3内に流入してきた血液はゴム鞘3c内にとどまり、採血管ホルダー2内に漏洩し難い。
【0047】
次に、採血管4を採血管ホルダー2に挿入する。採血管4の挿入に際しては、予め抜け止めリング6の短辺側部分6c,6d間を近づけるように指で押圧し、弾力挟持部分6a,6b間の距離を採血管4の外径よりも大きくしておく。
【0048】
従って、採血管4は採血管ホルダー2内において抜け止めリング6が設けられている位置を何らの支障なく通過する。その結果、採血管4の栓体4bに採血針3の採血管側刃先3bが刺通し、血液が採血管4内に流入する。また、採血管を挿入した後は、抜け止めリング6に加えていた外力を開放する。その結果、弾力挟持部分6a,6b間の距離が小さくなり、採血管本体4aが弾力挟持される。
【0049】
上記採血管4の挿入に際しては、刃先3bを覆っていたゴム鞘3cは図1に示すように圧縮される。従って、ゴム鞘3の弾揆力により前述したキックバックが生じるおそれがある。
【0050】
しかしながら、抜け止めリング6の弾力挟持部分6a,6bによりキックバックは確実に防止される。すなわち、弾力挟持部分6a,6bの前述した最狭部を構成しているエッジ6e,6f間の距離は、栓体4bの外径よりも小さくされているので、抜け止めリング6の弾力挟持部分6a,6bにより採血管本体4aが弾力挟持されると共に、栓体4bの採血管本体4の開口縁よりも外側にはみ出ている部分の後面4b1 が傾斜面6g,6hにより係止されることになる。
【0051】
従って、ゴム鞘3cの弾揆力によるキックバックを、上記弾力挟持部分6a,6bにより確実に防止することができる。
採血後には、採血管ホルダー2から採血管4を抜き取る。この抜き取りに際しては、好ましくは、抜け止めリング6の短辺側部分6c,6dに指等により外力を加え、短辺側部分6c,6d間の距離を近づけるように変形させる。その結果、弾力挟持部分6a,6b間の距離が拡大され、採血管4を採血管ホルダー2から無理なく抜き取ることができる。
【0052】
また、たとえ作業者が、抜け止めリング6の操作に習熟していない場合であっても、採血管4を採血管ホルダー2から滑らかに抜き取ることができる。すなわち、弾力挟持部分6a,6bにおいては、エッジ6e,6fから前端6cに向かって前述した傾斜面6g,6hが形成されている。従って、採血管4を採血管ホルダー2から無理矢理引き抜こうとした場合、栓体4bが変形しつつ傾斜面6g,6hに沿って移動するので、栓体4bは弾力挟持部6の上記最狭部から無理なく引き抜かれ得る。
【0053】
好ましくは、上記傾斜面6g,6hのテーパー角度は前述したとおり45〜60度の範囲とされる。このテーパー角度が45度未満の場合には、栓体4bが硬質材料からなる場合には採血管4を栓体4bごと容易に引き抜くことができるものの、ゴムなどの柔軟な材料から栓体4bが構成されている場合には、傾斜面6g,6hによる係止力が低下し、意図しない時にキックバックが生じることがある。逆に、上記傾斜面6g,6hのテーパーの角度が60度を超えると、採血管4に対する係止力が強くなりすぎ、栓体4bが硬質材料からなる場合には採血管4を図1に示す状態からそのまま引き抜こうとした場合抜けなくなり、栓体4bが採血管本体4aから外れることがある。従って、上記傾斜面4g,4hの角度が45〜60度の範囲にある場合には、栓体の材料の如何に関わらず、キックバックを確実に防止し得ると共に、無理矢理採血管4を引き抜こうとした場合であっても採血管4を採血管ホルダー2から無理なく引き抜くことができ、望ましい。
【0054】
(第1の実施例の変形例)
第1の実施例の採血管ホルダー2においては、略矩形の平面形状を有する抜け止めリング6が用いられたが、抜け止めリング6の形状については、適宜変更し得る。例えば、図7(a)に示すように、平面形状が略楕円環である抜け止めリング16としてもよく、図7(b)に示すように平面形状が矩形の抜け止めリング26を用いてもよい。なお、図7(a)に示す抜け止めリング16では、楕円の短軸方向両側に弾力挟持部分16a,16bが配置されている。また、図7(b)に示す抜け止めリング26では、長辺側中央に弾力挟持部分26a,26bが配置されている。さらに、図8に示す抜け止めリング36のように、平面形状が略矩形であり、弾力挟持部分36a,36bが長辺側の中央でなく、長辺側の全辺に至るように形成されているものであってもよい。
【0055】
従って、抜け止めリング16,26,36に示したように、本実施例で用いられる抜け止めリングの形状については、上記最狭部から弾力挟持部分の軸方向両端に向かって一対の弾力挟持部間の対向距離が大きくなるようにテーパーが付けられている限り、特に限定されるものではない。
【0056】
(第2の実施例)
図9(a)〜(c)は、本発明の第2の実施例に係る採血管ホルダーを用いた採血器具を利用した採血操作を説明するための断面図である。なお、第2の実施例を示す各図においては第1の実施例と同様であるため、採血針の図示は省略してあることを指摘しておく。
【0057】
図10(a)及び(b)は、本実施例の採血管ホルダーのホルダー本体の側面図及び正面図、図11はその縦断面図である。
図9に示すように、採血器具41は、採血管ホルダー42を用いて構成されている。採血管ホルダー42は、略円筒状のホルダー本体43に抜け止め部材44を装着した構造を有する。
【0058】
図10及び図11を参照して、ホルダー本体43を説明する。
ホルダー本体43は、合成樹脂やステンレスなどの金属からなる筒状の部材を用いて構成されている。ホルダー本体43の一端には、採血針が貫通された状態で保持される採血針保持部43aが構成されている。採血針保持部44の構造は、取り付けられる採血針に応じて適宜変更されるが、本実施例では、第1の実施例の採血針保持部5a(図2参照)と同様の構造とされている。従って、特に図示はしないが、図1に示した採血針3を本実施例においても採血針保持部45に取り付けることができる。
【0059】
ホルダー本体43の他端には開口43bが形成されており、該開口43bから採血管が挿入されるように構成されている。
ホルダー本体43の側面には、互いに対向するように一対の開口部43c,43dが形成されている。開口部43c,43dは、抜け止め部材44の後述の抜け止めリングの一部を入り込ませるために形成されている。
【0060】
ホルダー本体43においては、開口部43cの近傍において、外側面から外側に向かって突出するようにリブ43eが形成されている。リブ43eは、後述の操作レバー46を操作する際の支点を構成するために設けられている。
【0061】
次に、上記抜け止め部材44の詳細を図12及び図13を参照して説明する。抜け止め部材44は、抜け止めリング45と、操作レバー46とを一体化した構造を有する。抜け止めリング45は、ホルダー本体43の外側から開口部43c,43d内に一部が入り込み得るようにホルダー本体43に装着されている。この抜け止めリング45は、略リング状の構造を有し、一部45aが欠除されている。すなわち、欠除されている部分45aの両側に、弾力挟持片45b,45cが形成されるように、略リング状の形状を有する。この抜け止めリング45は、採血管を弾力挟持するために設けられているため、弾力挟持片45b,45cが常時は採血管を保持し得るように、抜け止めリング45の径は、採血管の外径よりも小さくされている。
【0062】
また、後述の操作レバー46を操作することにより欠除されている部分45aの幅が拡大され、それによって抜け止めリング45の径が拡大されるように構成されている。従って、抜け止めリング45は、特に限定されるわけではないが、合成樹脂、例えばポリプロピレン、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリアセタール、ナイロンなどの弾性を有する材料により構成することが望ましい。
【0063】
抜け止めリング45の欠除された部分45aとは反対側の部分に操作レバー46が抜け止めリング45と一体に形成されている。この操作レバー46は、抜け止めリング45の外側面に連結されるように、抜け止めリング45と一体に成形されている。
【0064】
操作レバー46は、抜け止めリング45と連結されている部分から遠ざかるにつれてその幅が広がるように構成されている。また、操作レバー46は、ホルダー本体43の外表面に対応して、ホルダー本体43側が凹状とされた円筒曲面を有するように構成されている。これは、操作レバー46をホルダー本体43側に近接させる際に、操作レバー46をホルダー本体43の外表面に無理なく近接させるためである。
【0065】
従って、好ましくは、操作レバー46のホルダー本体43側の面の形状は、ホルダー本体43の外表面と同じ曲率を有するように、あるいはホルダー本体43が外表面よりも大きな曲率を有する円筒曲面とすることが望ましい。操作レバー46の抜け止めリング45と連結されている部分と反対側の端部46bは自由端とされている。この端部46bとホルダー本体43のリブ43eとの間の操作レバー部分が操作部46cを構成する。
【0066】
次に、本実施例の採血器具41の操作方法を、図9を参照して説明する。
本実施例の採血管ホルダー42では、上記筒状本体43に、上述した抜け止めリング45と操作レバー46とが一体化された抜け止め部材44が予め装着されている。すなわち、抜け止めリング45の一部がホルダー本体43の開口部43c,43dに入り込み得るようにして、抜け止め部材44がホルダー本体43に装着されている。この場合、抜け止めリング45の内径は採血管4の最大外径よりも小さくされている。
【0067】
図9(a)に示すように、採血に際しては、先ず、採血管ホルダー42の採血針保持部43aに採血針(図示せず)を装着する。この採血針としては、例えば図1に示した採血針3を用いることができるが、これに限定されず、採血管保持部43aに適合し得る適宜の採血針を取り付けることができる。
【0068】
次に、採血針の血管側刃先を血管に挿入する。その結果、血液が採血針の採血管側刃先に導かれてくる。この場合、漏洩した血液はゴム鞘により覆われている。従って、採血針内に流入してきた血液はゴム鞘内にとどまり、採血管ホルダー42内に漏洩し難い。
【0069】
次に、採血管ホルダー42のホルダー本体43に採血管4を挿入する。
採血管4の挿入に際しては、操作レバー46の操作部46cをホルダー本体43の外側面に近接させて抜け止めリング44の内径を拡大させる。この場合、操作レバー46の内面をリブ43eに当接させ、操作部46cを手指で押圧することにより、操作レバー46をホルダー本体43の外側面に近接させる。
【0070】
その結果、リブ43eが支点となって操作レバー46の操作部46c側の部分がホルダー本体43の外表面に近接する。従って、リブ43eよりも端部46a側の部分はリブ43eを中心として図9(b)に矢印で示すようにホルダー本体43から遠ざかるように移動する。そのため、抜け止めリング45の欠除された部分45aの幅が広がり、内径が拡大される。このようにして、抜け止めリング45の内径を採血管4の最大外径部分よりも大きくし、その状態で採血管4を挿入する。
【0071】
しかる後、操作レバー46に加えていた力を開放することにより、図9(c)に示すように、抜け止めリング45の弾性復元力により、抜け止めリング45が縮径される。そのため、抜け止めリング45の内面が採血管4の採血管本体4aの外表面に圧接される。従って、抜け止めリング45により採血管本体4aが弾力挟持される。また、抜け止めリング45の前端が、栓体4bの採血管本体4aの開口外側に延びている部分の後面4cに対向されることになる。
【0072】
従って、上述したキックバックを抜け止めリング45の前端45dにより確実に防止することができる。すなわち、採血管4の挿入により、ゴム鞘3cが軸方向に圧縮され、ゴム鞘3cの復元力により採血管4がホルダー本体43から排出される方向に応力が発生する。しかしながら、栓体4bの後面4cが、前述した抜け止めリング45の前端45dにより係止されることになるため、上記採血管4の排出、すなわちキックバックが確実に抑制される。
【0073】
採血終了後には、再度操作レバー46の操作部46cを手指等により押圧し、抜け止めリング45を拡径させる。この拡径により、抜け止めリング45の内径を採血管4の最大径よりも大きくする。従って、採血後に、採血管4をホルダー本体43から無理なく抜き去ることができる。
【0074】
上記のように、本実施例の採血器具41では、ホルダー本体43に抜け止め部材44が取り付けられているので、上記操作レバー46を操作し、抜け止めリング45の内径を拡大もしくは縮小させることにより、採血管4の挿入及び抜去を無理なく行うことができ、かつゴム鞘によるキックバックも確実に防止することができる。
【0075】
また、上記抜け止めリング45は、その径を縮小させて採血管4を弾力挟持するものであるため、特殊な採血管を必要としない。すなわち、様々な採血管に対して採血管ホルダー42を用いることができる。
【0076】
また、採血管4を採血管ホルダー42から抜去する際には、上記のように操作レバー46を操作し、抜け止めリング45を拡径することにより、採血管4を無理なく抜去することができる。従って、採血管の抜去に際し、採血管ホルダー42が血管側に移動し難い。よって、採血管ホルダー42から採血管4を抜去する際に、血管の損傷等が生じ難い。
【0077】
好ましくは、上記抜け止めリング45については、図13に断面図で示すように、前端45dと後端45eとの間に内径が最も小さくなる最狭部を構成するようにエッジ45fを設けてもよい。この場合、エッジ45fよりも前端45d側に、径が前端45dに至るにつれて大きくなるようにテーパーが付けられた傾斜面45gを構成することが望ましい。また、エッジ45fから後端45eに向けて徐々に径が大きくなるようにテーパーが付された傾斜面45hを形成してもよい。
【0078】
この場合、前端45d及び後端45eの内径は、挿入される採血管4の栓体4bの最大径よりも大きくすることが望ましい。径Gが栓体4bの外径よりも小さいと、最狭部を形成した意味がなくなり、後端45eにおける径Gが栓体4bの外径よりも小さい場合には、採血管4の挿入が困難となることがある。
【0079】
また、上記エッジ45fが形成されている最狭部の内径は栓体4bの外径(最大径)よりも小さくされている。従って、上述した操作レバー46を用いた操作により抜け止めリング45の内径を拡大することにより採血管4を無理なく挿入することができる。また、採血管4の抜去に際しては、操作レバー46を操作し、抜け止めリング45の内径を拡大することにより、同様に採血管4を無理なく抜去することができる。
【0080】
しかも、図13に示した抜け止めリング45では、上記エッジ45fから前端45dに向けて傾斜面45gが形成されているため、たとえ操作レバー46bを操作せずとも、採血管4を抜去することも可能である。すなわち、作業従事者が操作レバー46の操作を失念し、誤って採血後に採血管4を採血管ホルダー42から引き抜こうとすることがある。この場合であっても、傾斜面45gが形成されているので、採血管4を引き抜こうとした場合、前端45dが傾斜面45gに沿って変形し、エッジ45fが形成されている最狭部分を通過し、採血管4が採血管ホルダー42から引き抜かれ得る。
【0081】
このように、採血管4を採血管ホルダー42から無理矢理引き抜くことを可能とするには、上記傾斜面45gの角度は、好ましくは、ホルダー本体43の軸方向に対して45〜60度の角度で傾斜されていることが望ましい。傾斜角度が45度未満の場合には、栓体4bが硬質材料からなる場合には、採血管4を栓体4bごと容易に引き抜くことができるものの、ゴムなどの柔軟な材料から構成されている場合には、傾斜面45gによる係止力が低下し、意図しないときにキックバックが生じることがある。逆に、傾斜面45gのテーパーの角度が60度を超えると、採血管4に対する係止力が強くなりすぎ、栓体4bが硬質材料からなる場合には、そのまま抜去することができなくなり、栓体4bが採血管本体4aから外れることがある。
【0082】
本願発明者の実験によれば、採血管の栓体と採血管ホルダー内面との摩擦力によりキックバックを防止するように構成された従来の市販の採血管ホルダーを用いた場合、採血管の挿入に際し約900〜1200gfの力が必要であり、採血管ホルダーから採血管を抜去する際には300〜700gfの力が必要であることが確かめられた。
【0083】
これに対して、第2の実施例の採血管ホルダー42を用いた場合、採血管挿入時には、約800gfの力で済み、採血管4を抜去する際には、操作レバー46を100gfの力で操作するだけで採血管4を引き抜く操作自体には、ほとんど力を要しなかった。
【0084】
また、操作レバー46の操作に際しては、操作レバー46の操作部46cをホルダー本体43の外側面に近づける方向に力を加えるだけでよいため、すなわち、採血管ホルダー42の軸方向に大きな力を加える必要がないため、採血管4の抜去に際し血管を損傷することもなかった。
【0085】
【発明の効果】
請求項1に記載の発明に係る採血管ホルダーでは、筒状のホルダー本体の一対の開口部に一部が入り込み得るように抜け止めリングが筒状のホルダー本体に取り付けられており、該抜け止めリングの弾力挟持部分によりホルダー本体に挿入された採血管が保持される。この場合、抜け止めリングの一対の弾力挟持部分においては、採血管の栓体の外径よりも小さい最狭部がホルダー本体軸方向中間位置に形成されており、該弾力挟持部分のホルダー本体軸方向両端における一対の弾力挟持部分間の距離が先端の外径よりも大きくされており、さらに最狭部から弾力挟持部分の軸方向両端に向かって一対の弾力挟持部分間の距離が大きくなるように抜け止めリングにテーパーが付けられている。
【0086】
従って、採血管の挿入に際しては、上記抜け止めリングの弾力挟持部分間の距離を拡大させることにより、採血管を容易に挿入し、該抜け止めリングの内径を小さくすることにより採血管を採血管ホルダーに確実に保持させることができる。しかも、上記最狭部における一対の弾力挟持部分間の距離が、栓体の外径よりも小さくされているので、キックバックを確実に防止することができる。すなわち、採血管の挿入により圧縮されたゴム鞘の弾揆力により採血管が採血管ホルダーから排出されるように力が働いたとしても、上記最狭部から採血針側に向かってテーパーが付けられているので、かつ最狭部における弾力挟持部分間の距離が栓体の外径よりも小さくされているので、キックバックを確実に防止することができる。
【0087】
加えて、作業従事者が誤って従来の採血管ホルダーの場合と同様に、採血後に採血管を採血管ホルダーから無理矢理引き抜こうとした場合であっても、上記最狭部から弾力挟持部分の軸方向両端に向かってテーパーが付けられているので、該テーパーが付けられている傾斜面に沿って栓体が変形し、栓体を採血管本体から離脱させることなく、採血管ホルダーから抜き取ることができる。すなわち、安全性に優れた採血管ホルダーを提供することができる。
【0088】
請求項2に記載の発明では、上記弾力挟持部分に形成されたテーパーの角度が、採血管ホルダーの軸方向に対して45〜60度の範囲とされているので、採血管を十分に保持し、キックバックを確実に防止することができると共に、種々の材質からなる栓体を用いた採血管を採血管ホルダーから採血後に無理矢理引き抜こうとした場合であっても、採血管を採血管ホルダーから無理なく引き抜くことが可能となる。
【0089】
請求項3に記載の発明では、抜け止めリングの一対の弾力挟持部分を結ぶ方向と直交する方向の長さが、一対の弾力挟持部分を結ぶ方向の長さよりも長くされているので、弾力挟持部分を結ぶ方向と直交する方向両側に配置された部分を指等により互いに近接させるように操作することにより、弾力挟持部分間の距離を容易に拡大もしくは縮小させることができる。従って、採血管の挿入及び抜去を一層容易に行うことが可能となる。
【0090】
請求項4に記載の発明に係る採血管ホルダーでは、筒状のホルダー本体の開口部内に一部が入り込み得るように抜け止めリングが装着されており、該抜け止めリングが一部が欠除された略リング状の構造を有し、採血管を弾力挟持するように構成されている。また、抜け止めリングに連結された操作レバーが、ホルダー本体の側面に形成されたリブを支点として操作され得るように構成されている。従って、採血管の挿入に際しては、リブを支点として操作レバーをホルダー本体外表面に対して近接させることにより抜け止めリングの内径を拡大させて採血管を容易に挿入することができる。また、操作レバーに加えられていた力を開放するだけで抜け止めリングの径が小さくなり、挿入された採血管を確実に保持することができ、キックバックを効果的に防止することができる。
【0091】
加えて、採血後に採血管を採血管ホルダーから抜去する際には、操作レバーに再度力を加えるだけで、抜け止めリングの径が拡大されて採血管を容易に抜去することができる。この場合、操作レバーに加える力は、ホルダー本体軸方向と異なる方向であるため、採血管の抜去に際し血管を損傷するおそれもない。
【0092】
よって、採血管の挿入・抜去を容易に行うことができ、ゴム鞘の圧縮に起因するキックバックを確実に防止することができ、さらに血管の損傷等が生じ難い、安全性に優れた採血管ホルダーを提供することができる。この採血管ホルダーにおいても、上記抜け止めリングにより採血管を保持するものであるため、特殊な採血管を必要としない。すなわち、様々な市販の採血管に対して広く適用することができる。
【0093】
請求項5に記載の発明では、略リング状の抜け止めリングの採血管を弾力挟持する部分において、採血管の栓体の外径よりも小さな内径を有する最狭部が軸方向中間に形成されており、弾力挟持部分のホルダー本体軸方向両端の内径が採血管の栓体の外径よりも大きくなるように最狭部から弾力挟持部分のホルダー本体軸方向両端に向かってテーパーが付けられているので、採血後に誤って採血管をそのまま引き抜こうとした場合でも採血管を確実にかつ容易に抜去することができる。すなわち、栓体が上記テーパーが付けられている部分に沿って変形し得るので、操作レバーを操作することなく無理矢理採血管を引き抜こうとした場合であっても、採血管を採血管ホルダーから容易に引き抜くことができる。
【0094】
請求項6に記載の発明では、上記テーパーの傾斜角度がホルダー本体軸方向に対して45〜60度の範囲とされているので、採血後に誤って採血管を採血管ホルダーから無理矢理引き抜こうとした場合であっても、より一層確実に栓体を変形させて採血管を引き抜くことができる。従って、栓体の離脱を生じることなく、採血管ホルダーから採血管を容易に引き抜くことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例に係る採血管ホルダーに採血針及び採血管を取り付けた状態を示す縦断面図。
【図2】(a)及び(b)は、それぞれ、本発明の第1の実施例に係る採血管ホルダーの縦断面図及び側面図。
【図3】(a)〜(c)は、それぞれ、本発明の第1の実施例で用いられているホルダー本体を説明するための縦断面図、側面図及び正面図。
【図4】本発明の第1の実施例で用いられている抜け止めリングを説明するための斜視図。
【図5】図4に示した抜け止めリングの平面図。
【図6】本発明の第1の実施例で用いられている抜け止めリングの断面図。
【図7】(a)及び(b)は、本発明の第1の実施例に係る採血管ホルダーで用いられる抜け止めリングの変形例を説明するための各平面図。
【図8】本発明の第1の実施例で用いられる抜け止めリングのさらに他の変形例を示す斜視図。
【図9】(a)〜(c)は、それぞれ、本発明の第2の実施例に係る採血管ホルダーにより採血を行う工程を説明するための各縦断面図。
【図10】(a)及び(b)は、本発明の第2の実施例に係る採血管ホルダーで用いられているホルダー本体を説明するための正面図及び側面図。
【図11】本発明の第2の実施例で用いられているホルダー本体の正面断面図。
【図12】本発明の第2の実施例で用いられている抜け止め部材及び操作レバーを一体化した部材を説明するための斜視図。
【図13】本発明の第2の実施例の好ましい変形例において用いられている抜け止め部材の構造を説明するための縦断面図。
【図14】従来の採血管ホルダーを説明するための部分切欠縦断面図。
【図15】図14に示した従来の採血管ホルダーにおける抜け止めリングを説明するための図であり、採血管ホルダーの先端側から見た状態を示す略図的断面図。
【図16】従来の採血管ホルダーの他の例を説明するための略図的縦断面図。
【符号の説明】
1…採血器具
2…採血管ホルダー
3…採血針
4…採血管
4a…採血管本体
4b…栓体
5…ホルダー本体
5a…採血針保持部
5b…開口
5c,5d…開口部
6…抜け止めリング
6a,6b…弾力挟持部分
6e,6f…最狭部を構成するためのエッジ
6g,6h…テーパーが付けられた傾斜面
16…抜け止めリング
16a,16b…弾力挟持部分
26…抜け止めリング
26a,26b…弾力挟持部分
36…抜け止めリング
36a,36b…弾力挟持部分
41…採血器具
42…採血管ホルダー
43…ホルダー本体
43a…採血針保持部
43b…開口
43c,43d…開口部
43e…リブ
44…抜け止め部材
45…抜け止めリング
45a…欠除された部分
45b,45c…弾力挟持片
45d…前端
45e…後端
45f…最狭部を構成しているエッジ
45g…テーパーが付けられた傾斜面
46…操作レバー
46b…端部
46c…操作部
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば真空採血法などにおいて採血針を採血管に取り付けて採血を行う際に用いられる採血管ホルダーに関し、より詳細には、様々な採血管に適用することができ、採血に際しては採血管を確実に保持することができると共に、採血後に速やかに採血管を取り外すことが可能な採血管ホルダーに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、真空採血に際し、作業を容易としかつ安全に行うために採血管ホルダーが広く用いられている。採血管ホルダーを用いて採血を行う場合、先ず、採血針を採血管ホルダーにセットし、採血針を血管に穿刺する。次に、採血管を採血管ホルダーに挿入し、採血針を採血管ホルダー内において採血管の栓体に穿刺し、採血を行う。採血後、採血管ホルダーから採血管を抜き取り、しかる後、採血針を血管から抜去する。次に、採血針を採血管ホルダーから取り外す。
【0003】
複数の採血管に採血する場合には、上記採血管をホルダーに挿入し、採血する工程及び採血管をホルダーから抜去する工程を採血管の本数に応じて繰り返す。ところで、上述した工程のうち、採血針を血管に穿刺する工程においては、穿刺した瞬間に血液が採血針を通り採血管ホルダー内に漏洩するおそれがある。そこで、近年、採血針として、採血管の栓体を刺通する側の針先を覆うようにゴム鞘を設けることにより、血液の漏洩を防止するものが広く用いられている。
【0004】
ところが、上記ゴム鞘を有する採血針を用いた場合、採血管を採血管ホルダーに挿入する工程において、ゴム鞘が採血管の栓体により採血管ホルダーの軸方向に圧縮されることになる。その結果、採血中に作業者が採血管から手を離すと、ゴム鞘の弾揆力により採血管が採血管ホルダーから抜け落ち、採血管内に所望の量の血液を採取することができないことがあった。
【0005】
上記のように、採血管から手を離した際に、ゴム鞘の弾揆力により採血管が採血管ホルダーから抜け落ちる現象を、以下、キックバックと称することとする。上記キックバックを防止するために、従来、様々な採血管ホルダーが提案されている。
【0006】
例えば、実開平3−111307号公報には、上記キックバックを防止するための抜け止めリングが設けられた採血管ホルダーが開示されている。この採血管ホルダーの構造を、図14及び図15を参照して説明する。
【0007】
採血管ホルダー101は、ホルダー本体102と抜け止めリング103とを有する。ホルダー本体102は、略円筒状の形状を有し、一端側に採血針104が取り付けられている。採血管ホルダー102の他端側は開口されており、採血管105が挿入されている。採血管105は、採血管本体105aと栓体105bとを有する。
【0008】
ホルダー本体102の側面には対向し合うように一対の開口部102a,102bが形成されている。この開口部102a,102bに一部が入り込み得るように弾性を有する抜け止めリング103が取り付けられている。抜け止めリング103は、図15においてホルダー本体102の先端から見た略図で示すように、外力が加えられない状態では、上記開口部内に入り込み、採血管本体105aを弾力挟持している。この抜け止めリング103は、略楕円形状を有し、長径側端部103a,103bを近接するように指等で力を変えることにより、図15の二点鎖線で示すように変形される。従って、このように変形させることにより、採血管本体105aを弾力挟持している状態を解き、採血管105の挿入や抜去を容易とすることができる。
【0009】
また、採血管105が取り付けられた状態では、図14で示されているように、抜け止めリング103が採血管本体105aを弾力挟持しており、かつ栓体105bの採血管本体105aの開口縁から外側にはみ出している部分を係止しているため、上記キックバックを確実に防止することができる。
【0010】
実開平3−111307号公報に開示されている採血管ホルダーでは、上記抜け止めリング103によりキックバックが防止されるが、現在一般的に用いられている採血管ホルダーの多くはこのような抜け止めリングを有していない。すなわち、一般の採血管ホルダーの多くは、後述のように、採血管の栓体と採血管ホルダー内面との摩擦力によりキックバックを防止するように構成されている。従って、作業者は、実開平3−111307号公報に開示されている採血管ホルダーを用いた場合でも、誤って採血管を採血管ホルダーから強い力で引き抜きがちとなる。
【0011】
しかしながら、実開平3−111307号公報に開示されている採血管ホルダーでは、抜け止めリングによりキックバックが防止されているので、採血管を採血管ホルダーから無理矢理引き抜こうとすると、栓体105bが抜け止めリング103に係止されているため、採血管本体105aから栓体105bが外れるおそれがあった。また、ゴム以外の硬質の材料からなる栓体105bの場合には、抜け止めリング103により係止されているため、無理矢理採血管105を採血管ホルダー101から引き抜こうとしても、栓体が変形せず、採血管105を採血管ホルダー101から引き抜くことが事実上不可能であった。
【0012】
他方、特開昭56−89266号公報には、キックバックを防止し得る採血管ホルダーが開示されている。ここでは、採血管ホルダーの側面に、内側に押圧することにより移動され得る保持片が形成されている。他方、採血管として、採血管本体を閉栓している栓体の外側にキャップが取り付けられているものが用いられている。このキャップは、採血管本体の外側において他方端側に延ばされており、キャップの延ばされている部分の内面と採血管本体の外面との間に上記保持片が挿入される隙間が形成されている。従って、採血管を採血管ホルダーに挿入した後、保持片を外側から押圧し、上記隙間内にくい込ませることにより、上記キックバックが防止されている。
【0013】
しかしながら、特開昭56−89266号公報に記載の採血管ホルダーでは、上述した保持片がくい込み得る隙間が設けられた採血管しか用いることができなかった。すなわち、例えば図16に略図的に示すように、この採血管ホルダー111に通常の採血管105を挿入した場合、キックバックを確実に防止することはできない。すなわち、保持片112を外部から押圧し、採血管105の採血管本体105aに接触させたとしても、保持片112がその弾性復元力により矢印方向に移動し、栓体105bの側方に移動し、採血管105から保持片112が外れがちであった。すなわち、特定の採血管を用意しなければ、キックバックを確実に防止することはできなかった。
【0014】
他方、特開平3−39695号公報には、採血管の栓体として、横断面が楕円形状のものを用い、採血管ホルダー内に対向し合うように一対のリブを設けた構造が開示されている。ここでは、採血管を採血管ホルダーに挿入する際には、栓体の長径方向が一対のリブを結ぶ方向と直交する方向となるようにして採血管を挿入し、挿入後に採血管を90度回転させることにより、長径方向と一対のリブを結ぶ方向とを一致させてキックバックの防止が図られている。採血管を採血管ホルダーから抜去する際には、再度採血管を90度回転させ、栓体の短径方向を一対のリブを結ぶ方向と一致させればよい。
【0015】
しかしながら、特開平3−39695号公報に開示されている方法では、上記のように、横断面が楕円形状の特殊な栓体及び一対のリブが設けられた特殊な採血管本体を必要とし、やはり適用される採血管が限定されるという問題があった。
【0016】
すなわち、特開昭56−89266号公報や特開平3−39695号公報に開示されている採血管ホルダーは、病院で用いられている様々な採血管にそのまま適用することはできないものであった。
【0017】
他方、上述した採血管ホルダーの他、採血管ホルダー内の一部の内径を採血管の外径より小さくし、採血管を採血管ホルダーに押し込んだ際に内径の小さな部分と採血管との摩擦力によってキックバックを防止する構造も種々提案されている(実開平5−35106号公報、実開平5−35108号公報、特開平6−38944号公報など)。
【0018】
しかしながら、真空採血法で用いられる採血管では、内部の真空度を維持するために採血管本体に栓体が取り付けられている。また、採血に際しては、栓体に採血針を刺通させることが必要である。従って、この刺通抵抗が大きいと、採血作業者に大きな負担が加わり、大きな病院や集団検診等において数多くの採血作業をしなければならない場合、上記負担が非常に大きな問題となっていた。
【0019】
よって、上記刺通抵抗だけでなく、採血管ホルダーにキックバックを防止するために採血管を押し込む構造では、キックバックを防止するための採血管の挿入作業が、さらに採血作業者に大きな負担を強いることとなっていた。
【0020】
加えて、これらの多くの採血管ホルダーでは、採血管を抜去する際にも、大きな力で採血管を採血管ホルダーから引き抜く必要があった。ところが、採血管ホルダーから採血管を抜去する際には、採血針は血管に挿入されたままである。従って、採血管ホルダーの位置を固定したまま、採血管を引き抜かなければならず、採血管を引き抜くための力と同等の力を採血管ホルダーに対して反対向きに加えねばならなかった。ところが、採血管が採血管ホルダーの上記摩擦接触部分を通過した後には、採血管と採血管ホルダーとの間の抵抗は急激に小さくなる。しかしながら、採血管ホルダーには、上記のとおり採血管を引き抜く方向と反対方向に、すなわち血管方向に力が加えられたままであるため、採血針が血管に深く入り込み、甚だしき場合には、血管壁を突き破り、内出血等を引き起こすという問題があった。
【0021】
本発明の目的は、上述した従来技術の欠点を解消し、対象とする採血管の種類の制約が少なく、様々な採血管に適用することができ、採血管を挿入する際の抵抗が小さく、かつ上述したキックバックを確実に防止し得る採血管ホルダーを提供することにある。
本発明の他の目的は、採血管を抜き取る際に、血管方向に移動し難いように操作し得る採血管ホルダーを提供することにある。
【0022】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明に係る採血管ホルダーは、一端に採血針が貫通された状態で保持される採血針保持部が構成されており、他端から採血管が挿入されるように構成されており、側面に互いに対向された一対の開口部が形成された筒状のホルダー本体と、前記ホルダー本体の外側からホルダー本体の一対の開口部内に弾力挟持部分が入り込み得るように該ホルダー本体に装着されており、挿入された採血管を弾力挟持し得るように構成された抜け止めリングとを備え、前記抜け止めリングの一対の弾力挟持部分のホルダー本体軸方向に沿った中間位置に、一対の弾力挟持部分間の距離が、採血管の栓体の外径よりも小さい最狭部がホルダー本体の軸方向中間に形成されており、該弾力挟持部分のホルダー本体軸方向両端部分における一対の弾力挟持部分間の距離が採血管の栓体の外径よりも大きくされており、かつ前記最狭部から弾力挟持部分の軸方向両端に向かって一対の弾力挟持部分間の距離が大きくなるようにテーパーが付けられていることを特徴とする。
【0023】
請求項2に記載の発明では、前記弾力挟持部分の最狭部から採血針側端部に向かって形成されたテーパーの角度が、採血管ホルダーの軸方向に対して45〜60度の範囲とされている。
【0024】
請求項3に記載の発明では、前記抜け止めリングの一対の弾力挟持部分を結ぶ方向と直交する方向の長さが、一対の弾力挟持部分を結ぶ方向の長さよりも長くされている。
【0025】
請求項4に記載の発明に係る採血管ホルダーは、一端に採血針が貫通された状態で保持される採血針保持部が構成されており、他端から採血管が挿入されるように構成されており、側面に開口部が形成されている筒状のホルダー本体と、前記ホルダー本体の外側から開口部内に一部が入り込み得るようにホルダー本体に装着されており、一部が欠除された略リング状の構造を有し、採血管を弾力挟持するように構成された抜け止めリングと、前記抜け止めリングに連結されており、かつ該抜け止めリングに連結されている側とは反対側の端部をホルダー本体の外側においてホルダー本体外表面に対して近接・離間させ得るように構成された操作レバーとを備え、前記ホルダー本体の外表面にリブが形成されており、前記操作レバーをホルダー本体外表面に対して近接させるに際し、該リブを支点として操作レバーがホルダー本体外表面に対して近接されるように構成されていることを特徴とする。
【0026】
請求項5に記載の発明では、抜け止めリングの採血管を弾力挟持する部分のホルダー本体軸方向に沿う中間位置に採血管の栓体の外径よりも小さな内径を有する最狭部が形成されており、該弾力挟持部分のホルダー本体軸方向両端の内径が採血管の栓体の外径よりも大きくなるように、最狭部から弾力挟持部分のホルダー本体軸方向両端に向かってテーパーが付けられている。
【0027】
請求項6に記載の発明では、前記弾力挟持部分の最狭部から採血針側端部に向かって形成されたテーパーの傾斜角度が、ホルダー本体軸方向に対して45〜60度の範囲とされている。
【0028】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の非限定的な実施例を挙げることにより本発明を明らかにする。
(第1の実施例)
図1は、本発明の第1の実施例に係る採血管ホルダーを用いた採血器具を示す縦断面図であり、図2(a)及び(b)は、該採血管ホルダーの縦断面図及び側面図である。
【0029】
図1に示すように、採血器具1を使用する際には、採血管ホルダー2の前方に採血針3を固定すると共に、採血管ホルダー2内に採血管4を挿入する。なお、本明細書では、採血針3が装着される側、すなわち血管側を前方、その反対側を後方とする。
【0030】
図2に示すように、採血管ホルダー2は、略円筒状のホルダー本体5と、ホルダー本体5に装着された抜け止めリング6とを有する。ホルダー本体5には、前方端に採血針3(図1参照)が貫通された状態で保持される採血針保持部5aが形成されている。採血管ホルダーの他端は開口されており、採血管4(図1参照)が開口5bから挿入されるように構成されている。
【0031】
図3(a)〜(c)は、それぞれ、上記ホルダー本体の縦断面図、側面図、並びに(b)とは異なる方向から見た側面図を示す。
採血管ホルダー5の側面には、図3(a)〜(c)に示す一対の開口部5c,5dが形成されている。本実施例では、開口部5b,5cは側方から見た場合略矩形の形状を有するように構成されている。
【0032】
開口部5c,5dは、上記抜け止めリング6の弾力挟持部(後述)を入り込ませるために設けられている。
上記筒状のホルダー本体2を構成する材料については、特に限定されず、ポリプロピレン、ポリエステル、ナイロン、ポリエチレン等の適宜の合成樹脂あるいは金属等を用いることができる。
【0033】
図1に戻り、上記ホルダー本体5の一対の開口部5c,5dに弾力挟持部が入り込み得るように、抜け止めリング6がホルダー本体5に装着されている。この抜け止めリング6を、図4〜図6を参照して説明する。
【0034】
抜け止めリング6は、略角環状の部材により構成されており、互いに対向するように一対の弾力挟持部6a,6bが配置された構造を有する。本実施例では、抜け止めリング6は、略矩形のリング状部材において、長辺側の略中央に、それぞれ、弾力挟持部分6a,6bが形成されている。すなわち、弾力挟持部分6a,6bを結ぶ方向と直交する方向の長さが、弾力挟持部分6a,6bを結ぶ方向の長さよりも長くされている。
【0035】
従って、短辺側部分6c,6dを指等により相手方に向かって押圧することにより、弾力挟持部分6a,6b間の距離を拡大することができる。また、上記短辺側部分6c,6dに加えた力を開放すると、弾力挟持部分6a,6b間の距離が抜け止めリング6の弾性復元力により小さくなり、初期状態に復帰する。
【0036】
上記抜け止めリングの弾力挟持部分6a,6b間の距離は、採血管ホルダー2に挿入される採血管4の栓体4bの外径(最大径)よりも小さくされており、好ましくは採血管本体4aの外径よりも若干小さくされており、それによって栓体4bの採血管本体4の開口縁よりも外側にはみ出ている部分の後面4b1 が傾斜面6g,6hにより係止されることになる。さらに採血管本体4aを弾力挟持し得ることでより係止力を向上させることができる。
【0037】
本実施例の特徴は、上記弾力挟持部分6a,6bの構造にある。これを、図5のA−A線に沿う断面図である図6を参照して説明する。
図6において、抜け止めリング6の前端6c側が採血針3が位置する側であり、後端6d側が採血管4が挿入される側である。従って、前端6cと後端6dとを結ぶ方向が採血管ホルダー2の軸方向と一致されている。
【0038】
弾力挟持部分6a,6bにおいては、採血管ホルダーの軸方向中間位置において、互いの対向距離が最も小さくなるように内方に突出したエッジ6e,6fが形成されている。エッジ6e,6fは互いに対向されており、該エッジ6e,6fの形成により、エッジ6e,6fによって本発明における最狭部が構成されている。
【0039】
この最狭部におけるエッジ6e,6f間の距離Bは、採血管ホルダー2に挿入される採血管4の栓体4bの外径(最大径)よりも小さくされている。
他方、抜け止めリング6の前端における弾力挟持部分6a,6b間の距離Cは、栓体4bの外径(最大径)よりも大きくされている。同様に、抜け止めリング6の後端における弾力挟持部分6a,6b間の距離Dも、栓体4bの外径よりも大きくされている。
【0040】
なお、エッジ6e,6f間の距離Bが栓体4bの外径よりも小さくされているのは、距離Bが栓体4bの外径よりも大きい場合には、採血管4を係止し、キックバックを防止する効果が得られないからである。また、距離Cが栓体4bの外径より大きくされているのは、小さい場合には栓体4bが傾斜面6g,6hではなく、前端に係止されることになり、上記傾斜面6g,6hを設けた意味がなくなるからである。
【0041】
また、距離Dが栓体4bの外径より大きくされているのは、小さい場合には採血管4の挿入に際し、抜け止めリング6を通過させ難いからである。
また、エッジ6e,6fから前端あるいは後端に向かって弾力挟持部分6a,6b間の距離が次第に大きくなるように、エッジ6e,6fの上下にテーパーが付けられている。このテーパーのうち、エッジ6e,6fから前端にかけて形成されているテーパー面6g,6hの傾斜角度は、採血管ホルダー2の軸方向に対して、特に限定されるわけではないが、本実施例では約45〜60度の範囲とされている。
【0042】
上述した抜け止めリング6を構成する材料についても特に限定されず、径方向に弾性を有するように構成することができ、繰り返し使用し得るものである限り、適宜の材料により構成することができる。もっとも、焼却処分の容易性を考慮すると、合成樹脂を用いることが好ましく、例えばポリプロピレン、ポリアセタール、ナイロン、ポリエチレンなどを例示することができる。
【0043】
次に、図1を参照しつつ、本実施例の採血管ホルダー2を用いた場合の採血操作を説明することにより、上記採血管ホルダー2の他の構成及び効果を明らかにする。
【0044】
採血に際しては、ホルダー本体5の前方端側に形成された採血針保持部5aに採血針3を装着する。この採血針3の装着は、採血針3の種類に応じて適宜の方法で行われる。すなわち、採血針3が採血管ホルダーに圧入する形式の場合には、採血針保持部5aに採血針3を圧入することにより、ねじ込むことにより採血管ホルダーに固定する採血針の場合には、採血針保持部5aにねじ込むことにより採血針が保持される。
【0045】
従って、上記採血針保持部5aは、目的とする採血針3に応じて採血針3を保持し得る適宜の構造を有するように構成されている。
次に、採血針3の血管穿刺側の刃先3aを血管に穿刺する。
【0046】
この場合、採血針3の採血管側刃先3bは、予めゴム鞘3cにより覆われている。従って、採血針3内に流入してきた血液はゴム鞘3c内にとどまり、採血管ホルダー2内に漏洩し難い。
【0047】
次に、採血管4を採血管ホルダー2に挿入する。採血管4の挿入に際しては、予め抜け止めリング6の短辺側部分6c,6d間を近づけるように指で押圧し、弾力挟持部分6a,6b間の距離を採血管4の外径よりも大きくしておく。
【0048】
従って、採血管4は採血管ホルダー2内において抜け止めリング6が設けられている位置を何らの支障なく通過する。その結果、採血管4の栓体4bに採血針3の採血管側刃先3bが刺通し、血液が採血管4内に流入する。また、採血管を挿入した後は、抜け止めリング6に加えていた外力を開放する。その結果、弾力挟持部分6a,6b間の距離が小さくなり、採血管本体4aが弾力挟持される。
【0049】
上記採血管4の挿入に際しては、刃先3bを覆っていたゴム鞘3cは図1に示すように圧縮される。従って、ゴム鞘3の弾揆力により前述したキックバックが生じるおそれがある。
【0050】
しかしながら、抜け止めリング6の弾力挟持部分6a,6bによりキックバックは確実に防止される。すなわち、弾力挟持部分6a,6bの前述した最狭部を構成しているエッジ6e,6f間の距離は、栓体4bの外径よりも小さくされているので、抜け止めリング6の弾力挟持部分6a,6bにより採血管本体4aが弾力挟持されると共に、栓体4bの採血管本体4の開口縁よりも外側にはみ出ている部分の後面4b1 が傾斜面6g,6hにより係止されることになる。
【0051】
従って、ゴム鞘3cの弾揆力によるキックバックを、上記弾力挟持部分6a,6bにより確実に防止することができる。
採血後には、採血管ホルダー2から採血管4を抜き取る。この抜き取りに際しては、好ましくは、抜け止めリング6の短辺側部分6c,6dに指等により外力を加え、短辺側部分6c,6d間の距離を近づけるように変形させる。その結果、弾力挟持部分6a,6b間の距離が拡大され、採血管4を採血管ホルダー2から無理なく抜き取ることができる。
【0052】
また、たとえ作業者が、抜け止めリング6の操作に習熟していない場合であっても、採血管4を採血管ホルダー2から滑らかに抜き取ることができる。すなわち、弾力挟持部分6a,6bにおいては、エッジ6e,6fから前端6cに向かって前述した傾斜面6g,6hが形成されている。従って、採血管4を採血管ホルダー2から無理矢理引き抜こうとした場合、栓体4bが変形しつつ傾斜面6g,6hに沿って移動するので、栓体4bは弾力挟持部6の上記最狭部から無理なく引き抜かれ得る。
【0053】
好ましくは、上記傾斜面6g,6hのテーパー角度は前述したとおり45〜60度の範囲とされる。このテーパー角度が45度未満の場合には、栓体4bが硬質材料からなる場合には採血管4を栓体4bごと容易に引き抜くことができるものの、ゴムなどの柔軟な材料から栓体4bが構成されている場合には、傾斜面6g,6hによる係止力が低下し、意図しない時にキックバックが生じることがある。逆に、上記傾斜面6g,6hのテーパーの角度が60度を超えると、採血管4に対する係止力が強くなりすぎ、栓体4bが硬質材料からなる場合には採血管4を図1に示す状態からそのまま引き抜こうとした場合抜けなくなり、栓体4bが採血管本体4aから外れることがある。従って、上記傾斜面4g,4hの角度が45〜60度の範囲にある場合には、栓体の材料の如何に関わらず、キックバックを確実に防止し得ると共に、無理矢理採血管4を引き抜こうとした場合であっても採血管4を採血管ホルダー2から無理なく引き抜くことができ、望ましい。
【0054】
(第1の実施例の変形例)
第1の実施例の採血管ホルダー2においては、略矩形の平面形状を有する抜け止めリング6が用いられたが、抜け止めリング6の形状については、適宜変更し得る。例えば、図7(a)に示すように、平面形状が略楕円環である抜け止めリング16としてもよく、図7(b)に示すように平面形状が矩形の抜け止めリング26を用いてもよい。なお、図7(a)に示す抜け止めリング16では、楕円の短軸方向両側に弾力挟持部分16a,16bが配置されている。また、図7(b)に示す抜け止めリング26では、長辺側中央に弾力挟持部分26a,26bが配置されている。さらに、図8に示す抜け止めリング36のように、平面形状が略矩形であり、弾力挟持部分36a,36bが長辺側の中央でなく、長辺側の全辺に至るように形成されているものであってもよい。
【0055】
従って、抜け止めリング16,26,36に示したように、本実施例で用いられる抜け止めリングの形状については、上記最狭部から弾力挟持部分の軸方向両端に向かって一対の弾力挟持部間の対向距離が大きくなるようにテーパーが付けられている限り、特に限定されるものではない。
【0056】
(第2の実施例)
図9(a)〜(c)は、本発明の第2の実施例に係る採血管ホルダーを用いた採血器具を利用した採血操作を説明するための断面図である。なお、第2の実施例を示す各図においては第1の実施例と同様であるため、採血針の図示は省略してあることを指摘しておく。
【0057】
図10(a)及び(b)は、本実施例の採血管ホルダーのホルダー本体の側面図及び正面図、図11はその縦断面図である。
図9に示すように、採血器具41は、採血管ホルダー42を用いて構成されている。採血管ホルダー42は、略円筒状のホルダー本体43に抜け止め部材44を装着した構造を有する。
【0058】
図10及び図11を参照して、ホルダー本体43を説明する。
ホルダー本体43は、合成樹脂やステンレスなどの金属からなる筒状の部材を用いて構成されている。ホルダー本体43の一端には、採血針が貫通された状態で保持される採血針保持部43aが構成されている。採血針保持部44の構造は、取り付けられる採血針に応じて適宜変更されるが、本実施例では、第1の実施例の採血針保持部5a(図2参照)と同様の構造とされている。従って、特に図示はしないが、図1に示した採血針3を本実施例においても採血針保持部45に取り付けることができる。
【0059】
ホルダー本体43の他端には開口43bが形成されており、該開口43bから採血管が挿入されるように構成されている。
ホルダー本体43の側面には、互いに対向するように一対の開口部43c,43dが形成されている。開口部43c,43dは、抜け止め部材44の後述の抜け止めリングの一部を入り込ませるために形成されている。
【0060】
ホルダー本体43においては、開口部43cの近傍において、外側面から外側に向かって突出するようにリブ43eが形成されている。リブ43eは、後述の操作レバー46を操作する際の支点を構成するために設けられている。
【0061】
次に、上記抜け止め部材44の詳細を図12及び図13を参照して説明する。抜け止め部材44は、抜け止めリング45と、操作レバー46とを一体化した構造を有する。抜け止めリング45は、ホルダー本体43の外側から開口部43c,43d内に一部が入り込み得るようにホルダー本体43に装着されている。この抜け止めリング45は、略リング状の構造を有し、一部45aが欠除されている。すなわち、欠除されている部分45aの両側に、弾力挟持片45b,45cが形成されるように、略リング状の形状を有する。この抜け止めリング45は、採血管を弾力挟持するために設けられているため、弾力挟持片45b,45cが常時は採血管を保持し得るように、抜け止めリング45の径は、採血管の外径よりも小さくされている。
【0062】
また、後述の操作レバー46を操作することにより欠除されている部分45aの幅が拡大され、それによって抜け止めリング45の径が拡大されるように構成されている。従って、抜け止めリング45は、特に限定されるわけではないが、合成樹脂、例えばポリプロピレン、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリアセタール、ナイロンなどの弾性を有する材料により構成することが望ましい。
【0063】
抜け止めリング45の欠除された部分45aとは反対側の部分に操作レバー46が抜け止めリング45と一体に形成されている。この操作レバー46は、抜け止めリング45の外側面に連結されるように、抜け止めリング45と一体に成形されている。
【0064】
操作レバー46は、抜け止めリング45と連結されている部分から遠ざかるにつれてその幅が広がるように構成されている。また、操作レバー46は、ホルダー本体43の外表面に対応して、ホルダー本体43側が凹状とされた円筒曲面を有するように構成されている。これは、操作レバー46をホルダー本体43側に近接させる際に、操作レバー46をホルダー本体43の外表面に無理なく近接させるためである。
【0065】
従って、好ましくは、操作レバー46のホルダー本体43側の面の形状は、ホルダー本体43の外表面と同じ曲率を有するように、あるいはホルダー本体43が外表面よりも大きな曲率を有する円筒曲面とすることが望ましい。操作レバー46の抜け止めリング45と連結されている部分と反対側の端部46bは自由端とされている。この端部46bとホルダー本体43のリブ43eとの間の操作レバー部分が操作部46cを構成する。
【0066】
次に、本実施例の採血器具41の操作方法を、図9を参照して説明する。
本実施例の採血管ホルダー42では、上記筒状本体43に、上述した抜け止めリング45と操作レバー46とが一体化された抜け止め部材44が予め装着されている。すなわち、抜け止めリング45の一部がホルダー本体43の開口部43c,43dに入り込み得るようにして、抜け止め部材44がホルダー本体43に装着されている。この場合、抜け止めリング45の内径は採血管4の最大外径よりも小さくされている。
【0067】
図9(a)に示すように、採血に際しては、先ず、採血管ホルダー42の採血針保持部43aに採血針(図示せず)を装着する。この採血針としては、例えば図1に示した採血針3を用いることができるが、これに限定されず、採血管保持部43aに適合し得る適宜の採血針を取り付けることができる。
【0068】
次に、採血針の血管側刃先を血管に挿入する。その結果、血液が採血針の採血管側刃先に導かれてくる。この場合、漏洩した血液はゴム鞘により覆われている。従って、採血針内に流入してきた血液はゴム鞘内にとどまり、採血管ホルダー42内に漏洩し難い。
【0069】
次に、採血管ホルダー42のホルダー本体43に採血管4を挿入する。
採血管4の挿入に際しては、操作レバー46の操作部46cをホルダー本体43の外側面に近接させて抜け止めリング44の内径を拡大させる。この場合、操作レバー46の内面をリブ43eに当接させ、操作部46cを手指で押圧することにより、操作レバー46をホルダー本体43の外側面に近接させる。
【0070】
その結果、リブ43eが支点となって操作レバー46の操作部46c側の部分がホルダー本体43の外表面に近接する。従って、リブ43eよりも端部46a側の部分はリブ43eを中心として図9(b)に矢印で示すようにホルダー本体43から遠ざかるように移動する。そのため、抜け止めリング45の欠除された部分45aの幅が広がり、内径が拡大される。このようにして、抜け止めリング45の内径を採血管4の最大外径部分よりも大きくし、その状態で採血管4を挿入する。
【0071】
しかる後、操作レバー46に加えていた力を開放することにより、図9(c)に示すように、抜け止めリング45の弾性復元力により、抜け止めリング45が縮径される。そのため、抜け止めリング45の内面が採血管4の採血管本体4aの外表面に圧接される。従って、抜け止めリング45により採血管本体4aが弾力挟持される。また、抜け止めリング45の前端が、栓体4bの採血管本体4aの開口外側に延びている部分の後面4cに対向されることになる。
【0072】
従って、上述したキックバックを抜け止めリング45の前端45dにより確実に防止することができる。すなわち、採血管4の挿入により、ゴム鞘3cが軸方向に圧縮され、ゴム鞘3cの復元力により採血管4がホルダー本体43から排出される方向に応力が発生する。しかしながら、栓体4bの後面4cが、前述した抜け止めリング45の前端45dにより係止されることになるため、上記採血管4の排出、すなわちキックバックが確実に抑制される。
【0073】
採血終了後には、再度操作レバー46の操作部46cを手指等により押圧し、抜け止めリング45を拡径させる。この拡径により、抜け止めリング45の内径を採血管4の最大径よりも大きくする。従って、採血後に、採血管4をホルダー本体43から無理なく抜き去ることができる。
【0074】
上記のように、本実施例の採血器具41では、ホルダー本体43に抜け止め部材44が取り付けられているので、上記操作レバー46を操作し、抜け止めリング45の内径を拡大もしくは縮小させることにより、採血管4の挿入及び抜去を無理なく行うことができ、かつゴム鞘によるキックバックも確実に防止することができる。
【0075】
また、上記抜け止めリング45は、その径を縮小させて採血管4を弾力挟持するものであるため、特殊な採血管を必要としない。すなわち、様々な採血管に対して採血管ホルダー42を用いることができる。
【0076】
また、採血管4を採血管ホルダー42から抜去する際には、上記のように操作レバー46を操作し、抜け止めリング45を拡径することにより、採血管4を無理なく抜去することができる。従って、採血管の抜去に際し、採血管ホルダー42が血管側に移動し難い。よって、採血管ホルダー42から採血管4を抜去する際に、血管の損傷等が生じ難い。
【0077】
好ましくは、上記抜け止めリング45については、図13に断面図で示すように、前端45dと後端45eとの間に内径が最も小さくなる最狭部を構成するようにエッジ45fを設けてもよい。この場合、エッジ45fよりも前端45d側に、径が前端45dに至るにつれて大きくなるようにテーパーが付けられた傾斜面45gを構成することが望ましい。また、エッジ45fから後端45eに向けて徐々に径が大きくなるようにテーパーが付された傾斜面45hを形成してもよい。
【0078】
この場合、前端45d及び後端45eの内径は、挿入される採血管4の栓体4bの最大径よりも大きくすることが望ましい。径Gが栓体4bの外径よりも小さいと、最狭部を形成した意味がなくなり、後端45eにおける径Gが栓体4bの外径よりも小さい場合には、採血管4の挿入が困難となることがある。
【0079】
また、上記エッジ45fが形成されている最狭部の内径は栓体4bの外径(最大径)よりも小さくされている。従って、上述した操作レバー46を用いた操作により抜け止めリング45の内径を拡大することにより採血管4を無理なく挿入することができる。また、採血管4の抜去に際しては、操作レバー46を操作し、抜け止めリング45の内径を拡大することにより、同様に採血管4を無理なく抜去することができる。
【0080】
しかも、図13に示した抜け止めリング45では、上記エッジ45fから前端45dに向けて傾斜面45gが形成されているため、たとえ操作レバー46bを操作せずとも、採血管4を抜去することも可能である。すなわち、作業従事者が操作レバー46の操作を失念し、誤って採血後に採血管4を採血管ホルダー42から引き抜こうとすることがある。この場合であっても、傾斜面45gが形成されているので、採血管4を引き抜こうとした場合、前端45dが傾斜面45gに沿って変形し、エッジ45fが形成されている最狭部分を通過し、採血管4が採血管ホルダー42から引き抜かれ得る。
【0081】
このように、採血管4を採血管ホルダー42から無理矢理引き抜くことを可能とするには、上記傾斜面45gの角度は、好ましくは、ホルダー本体43の軸方向に対して45〜60度の角度で傾斜されていることが望ましい。傾斜角度が45度未満の場合には、栓体4bが硬質材料からなる場合には、採血管4を栓体4bごと容易に引き抜くことができるものの、ゴムなどの柔軟な材料から構成されている場合には、傾斜面45gによる係止力が低下し、意図しないときにキックバックが生じることがある。逆に、傾斜面45gのテーパーの角度が60度を超えると、採血管4に対する係止力が強くなりすぎ、栓体4bが硬質材料からなる場合には、そのまま抜去することができなくなり、栓体4bが採血管本体4aから外れることがある。
【0082】
本願発明者の実験によれば、採血管の栓体と採血管ホルダー内面との摩擦力によりキックバックを防止するように構成された従来の市販の採血管ホルダーを用いた場合、採血管の挿入に際し約900〜1200gfの力が必要であり、採血管ホルダーから採血管を抜去する際には300〜700gfの力が必要であることが確かめられた。
【0083】
これに対して、第2の実施例の採血管ホルダー42を用いた場合、採血管挿入時には、約800gfの力で済み、採血管4を抜去する際には、操作レバー46を100gfの力で操作するだけで採血管4を引き抜く操作自体には、ほとんど力を要しなかった。
【0084】
また、操作レバー46の操作に際しては、操作レバー46の操作部46cをホルダー本体43の外側面に近づける方向に力を加えるだけでよいため、すなわち、採血管ホルダー42の軸方向に大きな力を加える必要がないため、採血管4の抜去に際し血管を損傷することもなかった。
【0085】
【発明の効果】
請求項1に記載の発明に係る採血管ホルダーでは、筒状のホルダー本体の一対の開口部に一部が入り込み得るように抜け止めリングが筒状のホルダー本体に取り付けられており、該抜け止めリングの弾力挟持部分によりホルダー本体に挿入された採血管が保持される。この場合、抜け止めリングの一対の弾力挟持部分においては、採血管の栓体の外径よりも小さい最狭部がホルダー本体軸方向中間位置に形成されており、該弾力挟持部分のホルダー本体軸方向両端における一対の弾力挟持部分間の距離が先端の外径よりも大きくされており、さらに最狭部から弾力挟持部分の軸方向両端に向かって一対の弾力挟持部分間の距離が大きくなるように抜け止めリングにテーパーが付けられている。
【0086】
従って、採血管の挿入に際しては、上記抜け止めリングの弾力挟持部分間の距離を拡大させることにより、採血管を容易に挿入し、該抜け止めリングの内径を小さくすることにより採血管を採血管ホルダーに確実に保持させることができる。しかも、上記最狭部における一対の弾力挟持部分間の距離が、栓体の外径よりも小さくされているので、キックバックを確実に防止することができる。すなわち、採血管の挿入により圧縮されたゴム鞘の弾揆力により採血管が採血管ホルダーから排出されるように力が働いたとしても、上記最狭部から採血針側に向かってテーパーが付けられているので、かつ最狭部における弾力挟持部分間の距離が栓体の外径よりも小さくされているので、キックバックを確実に防止することができる。
【0087】
加えて、作業従事者が誤って従来の採血管ホルダーの場合と同様に、採血後に採血管を採血管ホルダーから無理矢理引き抜こうとした場合であっても、上記最狭部から弾力挟持部分の軸方向両端に向かってテーパーが付けられているので、該テーパーが付けられている傾斜面に沿って栓体が変形し、栓体を採血管本体から離脱させることなく、採血管ホルダーから抜き取ることができる。すなわち、安全性に優れた採血管ホルダーを提供することができる。
【0088】
請求項2に記載の発明では、上記弾力挟持部分に形成されたテーパーの角度が、採血管ホルダーの軸方向に対して45〜60度の範囲とされているので、採血管を十分に保持し、キックバックを確実に防止することができると共に、種々の材質からなる栓体を用いた採血管を採血管ホルダーから採血後に無理矢理引き抜こうとした場合であっても、採血管を採血管ホルダーから無理なく引き抜くことが可能となる。
【0089】
請求項3に記載の発明では、抜け止めリングの一対の弾力挟持部分を結ぶ方向と直交する方向の長さが、一対の弾力挟持部分を結ぶ方向の長さよりも長くされているので、弾力挟持部分を結ぶ方向と直交する方向両側に配置された部分を指等により互いに近接させるように操作することにより、弾力挟持部分間の距離を容易に拡大もしくは縮小させることができる。従って、採血管の挿入及び抜去を一層容易に行うことが可能となる。
【0090】
請求項4に記載の発明に係る採血管ホルダーでは、筒状のホルダー本体の開口部内に一部が入り込み得るように抜け止めリングが装着されており、該抜け止めリングが一部が欠除された略リング状の構造を有し、採血管を弾力挟持するように構成されている。また、抜け止めリングに連結された操作レバーが、ホルダー本体の側面に形成されたリブを支点として操作され得るように構成されている。従って、採血管の挿入に際しては、リブを支点として操作レバーをホルダー本体外表面に対して近接させることにより抜け止めリングの内径を拡大させて採血管を容易に挿入することができる。また、操作レバーに加えられていた力を開放するだけで抜け止めリングの径が小さくなり、挿入された採血管を確実に保持することができ、キックバックを効果的に防止することができる。
【0091】
加えて、採血後に採血管を採血管ホルダーから抜去する際には、操作レバーに再度力を加えるだけで、抜け止めリングの径が拡大されて採血管を容易に抜去することができる。この場合、操作レバーに加える力は、ホルダー本体軸方向と異なる方向であるため、採血管の抜去に際し血管を損傷するおそれもない。
【0092】
よって、採血管の挿入・抜去を容易に行うことができ、ゴム鞘の圧縮に起因するキックバックを確実に防止することができ、さらに血管の損傷等が生じ難い、安全性に優れた採血管ホルダーを提供することができる。この採血管ホルダーにおいても、上記抜け止めリングにより採血管を保持するものであるため、特殊な採血管を必要としない。すなわち、様々な市販の採血管に対して広く適用することができる。
【0093】
請求項5に記載の発明では、略リング状の抜け止めリングの採血管を弾力挟持する部分において、採血管の栓体の外径よりも小さな内径を有する最狭部が軸方向中間に形成されており、弾力挟持部分のホルダー本体軸方向両端の内径が採血管の栓体の外径よりも大きくなるように最狭部から弾力挟持部分のホルダー本体軸方向両端に向かってテーパーが付けられているので、採血後に誤って採血管をそのまま引き抜こうとした場合でも採血管を確実にかつ容易に抜去することができる。すなわち、栓体が上記テーパーが付けられている部分に沿って変形し得るので、操作レバーを操作することなく無理矢理採血管を引き抜こうとした場合であっても、採血管を採血管ホルダーから容易に引き抜くことができる。
【0094】
請求項6に記載の発明では、上記テーパーの傾斜角度がホルダー本体軸方向に対して45〜60度の範囲とされているので、採血後に誤って採血管を採血管ホルダーから無理矢理引き抜こうとした場合であっても、より一層確実に栓体を変形させて採血管を引き抜くことができる。従って、栓体の離脱を生じることなく、採血管ホルダーから採血管を容易に引き抜くことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例に係る採血管ホルダーに採血針及び採血管を取り付けた状態を示す縦断面図。
【図2】(a)及び(b)は、それぞれ、本発明の第1の実施例に係る採血管ホルダーの縦断面図及び側面図。
【図3】(a)〜(c)は、それぞれ、本発明の第1の実施例で用いられているホルダー本体を説明するための縦断面図、側面図及び正面図。
【図4】本発明の第1の実施例で用いられている抜け止めリングを説明するための斜視図。
【図5】図4に示した抜け止めリングの平面図。
【図6】本発明の第1の実施例で用いられている抜け止めリングの断面図。
【図7】(a)及び(b)は、本発明の第1の実施例に係る採血管ホルダーで用いられる抜け止めリングの変形例を説明するための各平面図。
【図8】本発明の第1の実施例で用いられる抜け止めリングのさらに他の変形例を示す斜視図。
【図9】(a)〜(c)は、それぞれ、本発明の第2の実施例に係る採血管ホルダーにより採血を行う工程を説明するための各縦断面図。
【図10】(a)及び(b)は、本発明の第2の実施例に係る採血管ホルダーで用いられているホルダー本体を説明するための正面図及び側面図。
【図11】本発明の第2の実施例で用いられているホルダー本体の正面断面図。
【図12】本発明の第2の実施例で用いられている抜け止め部材及び操作レバーを一体化した部材を説明するための斜視図。
【図13】本発明の第2の実施例の好ましい変形例において用いられている抜け止め部材の構造を説明するための縦断面図。
【図14】従来の採血管ホルダーを説明するための部分切欠縦断面図。
【図15】図14に示した従来の採血管ホルダーにおける抜け止めリングを説明するための図であり、採血管ホルダーの先端側から見た状態を示す略図的断面図。
【図16】従来の採血管ホルダーの他の例を説明するための略図的縦断面図。
【符号の説明】
1…採血器具
2…採血管ホルダー
3…採血針
4…採血管
4a…採血管本体
4b…栓体
5…ホルダー本体
5a…採血針保持部
5b…開口
5c,5d…開口部
6…抜け止めリング
6a,6b…弾力挟持部分
6e,6f…最狭部を構成するためのエッジ
6g,6h…テーパーが付けられた傾斜面
16…抜け止めリング
16a,16b…弾力挟持部分
26…抜け止めリング
26a,26b…弾力挟持部分
36…抜け止めリング
36a,36b…弾力挟持部分
41…採血器具
42…採血管ホルダー
43…ホルダー本体
43a…採血針保持部
43b…開口
43c,43d…開口部
43e…リブ
44…抜け止め部材
45…抜け止めリング
45a…欠除された部分
45b,45c…弾力挟持片
45d…前端
45e…後端
45f…最狭部を構成しているエッジ
45g…テーパーが付けられた傾斜面
46…操作レバー
46b…端部
46c…操作部
Claims (6)
- 一端に採血針が貫通された状態で保持される採血針保持部が構成されており、他端から採血管が挿入されるように構成されており、側面に互いに対向された一対の開口部が形成された筒状のホルダー本体と、
前記ホルダー本体の外側からホルダー本体の一対の開口部内に弾力挟持部分が入り込み得るように該ホルダー本体に装着されており、挿入された採血管を弾力挟持し得るように構成された抜け止めリングとを備え、
前記抜け止めリングの一対の弾力挟持部分のホルダー本体軸方向に沿った中間位置に、一対の弾力挟持部分間の距離が、採血管の栓体の外径よりも小さい最狭部がホルダー本体の軸方向中間に形成されており、該弾力挟持部分のホルダー本体軸方向両端部分における一対の弾力挟持部分間の距離が採血管の栓体の外径よりも大きくされており、かつ前記最狭部から弾力挟持部分の軸方向両端に向かって一対の弾力挟持部分間の距離が大きくなるようにテーパーが付けられていることを特徴とする採血管ホルダー。 - 前記弾力挟持部分の最狭部から採血針側端部に向かって形成されたテーパーの角度が、採血管ホルダーの軸方向に対して45〜60度の範囲とされている請求項1に記載の採血管ホルダー。
- 前記抜け止めリングの一対の弾力挟持部分を結ぶ方向と直交する方向の長さが、一対の弾力挟持部分を結ぶ方向の長さよりも長くされている請求項1または2に記載の採血管ホルダー。
- 一端に採血針が貫通された状態で保持される採血針保持部が構成されており、他端から採血管が挿入されるように構成されており、側面に開口部が形成されている筒状のホルダー本体と、
前記ホルダー本体の外側から開口部内に一部が入り込み得るようにホルダー本体に装着されており、一部が欠除された略リング状の構造を有し、採血管を弾力挟持するように構成された抜け止めリングと、
前記抜け止めリングに連結されており、かつ該抜け止めリングに連結されている側とは反対側の端部をホルダー本体の外側においてホルダー本体外表面に対して近接・離間させ得るように構成された操作レバーとを備え、
前記ホルダー本体の外表面にリブが形成されており、前記操作レバーをホルダー本体外表面に対して近接させるに際し、該リブを支点として操作レバーがホルダー本体外表面に対して近接されるように構成されていることを特徴とする採血管ホルダー。 - 抜け止めリングの採血管を弾力挟持する部分のホルダー本体軸方向に沿う中間位置に採血管の栓体の外径よりも小さな内径を有する最狭部が形成されており、該弾力挟持部分のホルダー本体軸方向両端の内径が採血管の栓体の外径よりも大きくなるように、最狭部から弾力挟持部分のホルダー本体軸方向両端に向かってテーパーが付けられていることを特徴とする請求項4に記載の採血管ホルダー。
- 前記弾力挟持部分の最狭部から採血針側端部に向かって形成されたテーパーの傾斜角度が、ホルダー本体軸方向に対して45〜60度の範囲とされている請求項5に記載の採血管ホルダー。
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