JP3838489B2 - 鉛蓄電池 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、鉛蓄電池に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
正極活物質として二酸化鉛(PbO2)、負極活物質として海綿状鉛(Pb)、電解液として希硫酸を用いることを基本構造とする鉛蓄電池は、正極板である複数のPbO2板と負極板であるPb板とが、電解液である希硫酸(H2SO4)を保持した多孔体の微細ガラス繊維等によって構成されたセパレータを介して交互に積層された単位発電要素を有しており、複数の単位発電要素がケース内に収納されている。
【0003】
図5は、従来の鉛蓄電池1の内部構造の一例を示す斜視図である。
【0004】
鉛蓄電池1は、上部が開放された中空の直方体状に形成されたケース本体2を有している。このケース本体2の中空になった内部は、隔壁3によって、長手方向に沿って3分割されると共に、幅方向に沿って2分割されて、6個のセル2a〜2fに構成されており、各セル2a〜2fは、それぞれ、ケース本体2の長手方向に沿って長くなった断面長方形状になっている。
【0005】
各セル2a〜2fには、それぞれが同様の平板状に形成された複数の正極板(PbO2板)と、同じく、それぞれが同様の平板状に形成された複数の負極板(Pb板)とを有する単位発電要素がそれぞれ収納されている。単位発電要素は、正極板と負極板とが、希硫酸を保持した多孔性の微細ガラス繊維等によって構成されたセパレータを介して、交互に積層されて構成されている。
【0006】
ケース本体2における一方の端部には、第1セル2a及び第6セル2fが、ケース本体2の幅方向に沿って並んで配置されており、第1セル2aに対してケース本体2の長手方向に沿って第2セル2b及び第3セル2cが並んで配置されている。そして、第3セル2cに対してケース本体2の幅方向に隣接して第4セル2dが配置されており、第4セル2dと第6セル2fとの間に第5セル2eが配置されている。そして、各セル2a〜2f内に収納された単位発電要素の正極板及び負極板は、それぞれ、ケース本体2の長手方向に沿った状態になっている。
【0007】
第1セル2a及び第6セル2fを除く第2セル2b〜第5セル2e内にそれぞれ収納された各単位発電要素における全ての正極板は、一括して各正極板の一方の側部上に設けられたストラップ4に接続されており、また、各単位発電要素における全ての負極板は、一括して、正極板の側部に設けられたストラップ4とは反対側の側部上に設けられたストラップ4に接続されている。一方のストラップ4は、全ての正極板と導通状態になっており、また、他方のストラップ4は、全ての負極板と導通状態になっている。
【0008】
第1セル2a内に収納された単位発電要素の全ての正極板は、一括してストラップ4に接続されているが、全ての負極板は、一括して端子部材5に接続されている。これに対して、第6セル2fに収納された単位発電要素の全ての負極板が、一括してストラップ4に接続されており、全ての正極板が、一括して端子部材5に接続されている。
【0009】
第1セル2a内に収納された単位発電要素の負極板に接続されたストラップ4は、第2セル2b内の単位発電要素の正極板に接続されたストラップ4と、隔壁3に設けられた貫通孔を介して相互に接続されており、図5に示すように、第2セル2b内の単位発電要素の負極板に接続されたストラップ4は、第3セル2c内の単位発電要素の正極板に接続されたストラップ4と、隔壁3に設けられた貫通孔を介して相互に接続されている。第3セル2c内の単位発電要素の負極板に接続されたストラップ4は、ケース本体2の幅方向に隣接する第4セル2d内の単位発電要素の正極板に接続されたストラップ4と、隔壁3に設けられた貫通孔を介して相互に接続されている。
【0010】
第4セル2d内の単位発電要素の負極板に接続されたストラップ4は、第5セル2e内の単位発電要素の正極板に接続されたストラップ4と、隔壁3に設けられた貫通孔を介して相互に接続されている。そして、第5セル2e内の単位発電要素の負極板に接続されたストラップ4は、第6セル2f内の単位発電要素の正極板に接続されたストラップ4と、隔壁3に設けられた貫通孔を介して相互に接続されている。これにより、第1セル2a〜2f内にそれぞれ収納された各単位発電要素は、直列に接続されており、第1セル2a内の単位発電要素に接続された端子部材5は正極端子、第6セル2f内の単位発電要素に接続された端子部材5は負極端子になっている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
図6は、従来の鉛蓄電池1の各セル2a〜2fに収納される正極板及び負極板を構成する極板10の正面図である。極板10は、矩形状に形成された極板本体部13と、この極板本体部13の一方の側部に、極板本体部13から上方に長方形状に突出するように設けられた集電部11とを有している。集電部11は、極板本体部13の一方の側縁に対して適当な間隔をあけた状態で、しかも、極板本体部13の幅方向の中央に対しても適当な間隔をあけた状態で設けられている。
【0012】
このような構成の極板10は、図7(a)に示すように、一対の極板10を、それぞれの集電部11が、反対側の側部にそれぞれ位置するように、一方の極板10の表裏を反転させた状態で、相互にセパレータを介して突き合わされることによって、正極板及び負極板とされる。
【0013】
第2セル2b〜第5セル2e内にそれぞれ収納される単位発電要素では、図7(b)に示すように、正極板を構成する全ての極板10の集電部11に、一方のストラップ4が溶接によって接続され、負極板を構成する全ての極板10の集電部11に、他方のストラップ4が溶接によって接続される。
【0014】
各ストラップ4は、図8に示すように、極板10に設けられた集電部11の上端縁に溶接される平板状の極板接続部4aと、この極板接続部4aの一方の側部から上方に向かって屈曲されたセル間接続部4bとを有している。極板接続部4aは、セル間接続部4bが、隣接するセルとの間に配置された隔壁3に沿った状態になるように、正極板または負極板を構成する全ての極板10の集電部11に対して、溶接によって接続される。
【0015】
極板10に設けられた集電部11は、極板10と同じ材料である鉛(Pb)または酸化鉛(PbO2)により形成され、相当の重量を有するため、装置の軽量化を図るためには幅方向の長さを小さく形成することが好ましい。
【0016】
しかし、集電部11の上部に設けられるストラップ4は、その幅方向の長さが集電部11の幅方向の長さより大きくなるように形成されるため、ストラップ4の幅方向の長さに対する集電部11の幅方向の長さの相対比が小さくなり過ぎると、振動等によって、集電部11の周辺部分に断裂等の損傷が発生するおそれがある。したがって、ストラップ4の幅方向の長さと集電部11の幅方向の長さとの相対比を適正にすることは、断裂等の損傷を防止しつつ、装置の軽量化を図る上で重要である。
【0017】
また、集電部11の上端に設けられるストラップ4の幅方向の長さが極板10の幅方向の長さに比較して小さくなり過ぎると、ストラップ4の抵抗が高くなるために、大電流放電時に電圧降下が大きくなる。したがって、極板10の幅方向の長さに対するストラップ4の幅方向の長さの相対比を適正にすることは、電圧降下を防止する上で重要である。
【0018】
本発明は、上記問題を解決するためになされたものであり、集電部の断裂等の損傷を防止しつつ装置の軽量化を図ることができ、かつ、ストラップの高抵抗化による電圧降下を防止することができるように、ストラップ及び集電部の幅方向の長さを適正にし得る鉛蓄電池を提供することを目的とする。
【0019】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明の鉛蓄電池は、正極板と負極板をセパレータを介して積層してなる鉛蓄電池において、該正極板及び該負極板は、極板本体部と、該極板本体部に設けられた集電部とを有する極板によって構成されて、該正極板の集電部がストラップに接合されるとともに、該負極板の集電部がストラップに接合されており、各極板の集電部の長さをA、ストラップの該集電部と同方向の長さをW、極板本体部の該集電部と同方向の長さをXとした場合に、
A>W/2
X/5≦W<X/2
を満足することを特徴とするものである。
【0020】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の鉛蓄電池の一例を示す斜視図である。
【0021】
本発明の鉛蓄電池1は、上部が開放された中空の直方体状に形成されたケース本体2を有しており、このケース本体2の中空になった内部は、隔壁3によって、第1〜第6の6個のセル2a〜2fに分割されている。ケース本体2の内部は、長手方向に沿って3分割されるとともに、幅方向に沿って2分割されて、6個のセル2a〜2fが構成されており、各セル2a〜2fは、それぞれ、ケース本体2の長手方向に沿って長くなった断面長方形状になっている。
【0022】
各セル2a〜2fには、それぞれ同様の平板状に形成された複数の正極板(PbO2板)と、同じく、それぞれが同様の平板状に形成された複数の負極板(Pb板)とを有する単位発電要素がそれぞれ収納されている。単位発電要素は、正極板と負極板とが、希硫酸を保持した多孔性の微細ガラス繊維等によって構成されたセパレータを介して、交互に積層されて構成されている。
【0023】
ケース本体2における一方の側部には、第1セル2aおよび第6セル2fが、ケース本体2の幅方向に沿って並んで配置されており、第1セルに対してケース本体2の長手方向に沿って第2セル2bおよび第3セル2cが並んで配置されている。そして、第3セル2cに対してケース本体2の幅方向に隣接して第4セル2dが配置されており、第4セル2dと第6セル2fとの間に第5セル2eが配置されている。そして、各セル2a〜2f内に収納された単位発電要素の正極板および負極板は、それぞれ、ケース本体2の長手方向に沿った状態になっている。
【0024】
第1セル2aおよび第6セル2fを除く第2セル2b〜第5セル2e内にそれぞれ収納された各単位発電要素における全ての正極板は、一括して各正極板の一方の側部上に設けられたストラップ4に接続されており、また、各単位発電要素における全ての負極板は、一括して、正極板の側部に設けられたストラップ4とは反対側の側部上に設けられたストラップ4に接続されている。一方のストラップ4は、全ての正極板と導電状態になっており、また、他方のストラップ4は、全ての負極板と導電状態になっている。
【0025】
第1セル2a内に収納された単位発電要素の全ての正極板は、一括してストラップ4に接続されているが、全ての負極板は、一括して端子部材5に接続されている。これに対して、第6セル2f内に収納された単位発電要素の全ての負極板が、一括してストラップ4に接続されており、全ての正極板が、一括して端子部材5に接続されている。
【0026】
第1セル2a内に収容された単位発電要素の負極板に接続されたストラップ4は、第2セル2b内の単位発電要素の正極板に接続されたストラップ4と、隔壁3に設けられた貫通孔を介して相互に接続されており、図4に示すように、第2セル2b内の単位発電要素の負極板に接続されたストラップ4は、第3セル2c内の単位発電要素の正極板に接続されたストラップ4と、隔壁3に設けられた貫通孔を介して相互に接続されている。第3セル2c内の単位発電要素の負極板に接続されたストラップ4は、ケース本体2の幅方向に隣接する第4セル2d内の単位発電要素の正極板に接続されたストラップ4と、隔壁3に設けられた貫通孔を介して相互に接続されている。
【0027】
第4セル2d内の単位発電要素の負極板に接続されたストラップ4は、第5セル2e内の単位発電要素の正極板に接続されたストラップ4と、隔壁3に設けられた貫通孔を介して相互に接続されている。そして、第5セル2e内の単位発電要素の負極板に接続されたストラップ4は、第6セル2f内の単位発電要素の正極板に接続されたストラップ4と、隔壁3に設けられた貫通孔を介して相互に接続されている。これにより、第1セル2a〜2f内にそれぞれ収納された各単位発電要素は、直列に接続されており、第1セル2a内の単位発電要素に接続された端子部材5は正極端子、第6セル2f内の単位発電要素に接続された端子部材5は負極端子になっている。
【0028】
図2は、本発明の鉛蓄電池1の各セル2a〜2fに収納される正極板及び負極板を構成する極板の正面図である。極板10は、矩形状に形成された極板本体部13と、この極板本体部13の一方の側部に、極板本体部13から上方に長方形状に突出するように設けられた集電部11とを有している。集電部11は、極板本体部13の一方の側縁に対して適当な間隔をあけた状態で、しかも、極板本体部13の幅方向の中央に対しても適当な間隔をあけた状態で、所定の長さAとなるように設けられている。
【0029】
このような構成の極板10は、図3(a)に示すように、一対の極板10を、それぞれの集電部11が、反対側の側部にそれぞれ位置するように、一方の極板10の表裏を反転された状態で、相互にセパレータを介して突き合わされることによって、正極板および負極板とされる。
【0030】
第2セル2b〜第5セル2e内にそれぞれ収納される単位発電要素では、図3(b)に示すように、正極板を構成する全ての極板10の集電部11に、一方のストラップ4が溶接によって接続され、負極板を構成する全ての極板10の集電部11に、他方のストラップ4が溶接によって接続される。
【0031】
その際、各ストラップ4の単位発電要素に対し、内側に存在する端面と集電部の単位発電要素に対し、内側に存在する端面が一致するように接続する。
【0032】
各ストラップ4は、極板10に設けられた集電板11の上側縁に溶接される平板状の極板接続部4aと、この極板接続部4aの一方の側部から上方に向かって屈曲されたセル間接続部4bとを有している。極板接続部4aは、セル間接続部4bが、隣接するセルとの間に配置された隔壁3に沿った状態になるように、正極板または負極板を構成する全ての極板10の集電部11に対して、溶接によって接続される。
【0033】
極板10の集電部11の長さAは、極板10の集電部11に沿った長さWに対して、次の関係になっている。
【0034】
A>W/2
また、極板10の集電部11の長さAは、極板本体部10の集電部11に沿った長さ(幅)Xに対して次の関係を有している。
【0035】
X/5≦W<X/2
次に、単位発電要素とストラップとの接合強度に関する実施例について説明する。
【0036】
鉛蓄電池1に使用される極板としては、極板本体部13の高さ115mm、幅100mmの極板10を正極板及び負極板として用いた。15枚の極板を集電部11が同じ側部に位置するように揃えられた負極板とし、14枚の極板を集電部11が反対側の側部に位置するように揃えられた正極板として、負極板と正極板とを、セパレータを介して交互に積層状態として単位発電要素とした。そして、正極板とされた全ての極板10の上端部に設けられた集電部11の上側縁に、一方のストラップ4の極板接続部4aを溶接によって接合するとともに、負極板とされた全ての極板10の上端部に設けられた集電部11の上側縁に、他方のストラップ4の極板接続部4aを溶接によって接合し、単位発電要素の電気容量60Ahとした。
【0037】
なお、極板本体13の集電部11に沿った幅方向の長さをX、各集電部11の長さをA、ストラップの集電部に沿った長さをWとする。
【0038】
極板10は、極板本体13の幅方向の長さXを115mm、高さを100mmと一定の長方形になっており、集電部11の幅方向の長さA及びストラップ4の長さWを種々変更して、一対のストラップ4が接合された単位発電要素を所定の高さから落下させた時のストラップ4に生じる変形量を調べる落下試験と、その落下試験を行った後の完全充電状態から所定時間放電した後の単位発電要素の電圧降下量を測定する電圧降下試験を行った。
【0039】
落下試験では、一対のストラップ4が接合された単位発電要素を上下を反転させた状態で、1mの高さから落下させて、その後に生じる各ストラップ4の変形量を測定した。その結果を下記の表1に示す。
【0040】
【表1】
表1を参照すると、集電部11の長さAが、ストラップ4の同方向の長さWの1/2よりも大きい場合(A>W/2)には、上記の落下試験を行った後でも、ストラップ4に変形が生じていなかった。これに対して、集電部11の長さAが、ストラップ4の同方向の長さWの1/2よりも小さい場合(A<W/2)には、落下試験を行った後に、ストラップ4に変形が生じる場合がある。また、このストラップ4の変形量は、集電部11の長さAが小さくなる程、大きくなっている。
【0041】
したがって、集電部11の長さAは、ストラップ4の長さWの1/2よりも大きくなっている(A>W/2)ことが好ましい。
【0042】
なお、表1中、ストラップ4の長さWが極板本体13の幅方向の長さXの1/2になる場合は、単位発電要素に設けられる一対のストラップ4の長さの合計(W×2)は、極板本体13の幅方向の長さXに等しくなっており、このような長さのストラップ4を単位発電要素の上側に相互に分離した状態とすれば、スペース的に無駄が生じるために、本実験では制作しなかった。
【0043】
また、ストラップ4の長さWが極板本体13の幅方向の長さXの1/10であって、集電部11の長さAをストラップ4の長さWの1/10〜3/10とした場合には、集電部11の長さAは、極板本体13の幅方向の長さXに対して、1/10×1/10〜3/10×1/10、即ち、1/100〜3/100の長さ、すなわち、115mm×100mmの極板本体部では、1mm〜3mm程度の長さになる。このような微小な長さの集電部11を制作することは、非常に困難であり、本実験では制作しなかった。
【0044】
さらに、ストラップ4の長さWが極板本体13の幅方向の長さXの1/5または3/10であって、集電部11の長さAをストラップ4の長さWの1/10とした場合にも、同様に、集電部11の長さが微小になり、制作が非常に困難になるために、本実験では制作しなかった。
【0045】
次に、落下試験後の単位発電要素に対して、240Aの放電を10秒間にわたって行った後の電圧降下量を測定した。その結果を下記の表2に示す。なお、表2では、ストラップ4の長さWが極板本体13の幅方向の長さXの2/5であり、集電部11の長さAがストラップ4の長さWに等しい場合を、基準(1.00)として電圧降下量を記載している。
【0046】
【表2】
表2を参照すると、ストラップ4の長さWが短くなるほど、電圧降下量が増大している。
【0047】
さらに、詳細に検討すると、ストラップ4の長さWが極板本体13の幅方向の長さXの1/5から1/10に低下した場合に、特に、電圧降下量の大きさが顕著になっている。
【0048】
したがって、表2から、ストラップ4の長さWは、極板本体13の幅方向の長さXの1/5以上とすることが、電圧降下を防止する点から好ましい。
【0049】
以上の実験結果をまとめると、集電部11の長さA及び集電部11と同方向のストラップ4の長さWは、極板本体13の幅方向の長さをXとした場合に、
A>W/2
X/5≦W<X/2
の条件を満たせば、ストラップ4等の変形等の損傷を防止しつつ軽量化を図ることができ、しかも、ストラップ4の高抵抗化による電圧降下を防止することができる。
【0050】
なお、本発明における鉛蓄電池は、開放型・密閉型を問わないが、電池自動車等の電力供給源とした場合に、強い振動が加えられる可能性の高い密閉型の方がその効果はより顕著なものとなる。
【0051】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の鉛蓄電池は、集電部の長さAと、集電部の長さと同方向のストラップの長さWおよび極板本体部の幅方向の長さXとが、A>W/2およびX/5≦W<X/2を満たしているために、ストラップ等の変形等の損傷が防止されるとともに、軽量化を図ることができ、さらには、ストラップの高抵抗化による電圧降下を防止することができる。その結果、自動車等の振動が強い用途に適している。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の鉛蓄電池の概略構成を示す斜視図である。
【図2】その鉛蓄電池に使用される極板の正面図である。
【図3】(a)は、その鉛蓄電池に用いられる単位発電要素における極板の構成を示す正面図、(b)は、極板にストラップを設けた状態の正面図である。
【図4】その鉛蓄電池の各セルに配置された単位発電要素を示す断面図である。
【図5】従来の鉛蓄電池の概略を示す斜視図である。
【図6】その鉛蓄電池に使用される極板の正面図である。
【図7】(a)は、従来の鉛蓄電池に用いられる極板を示す側面図、(b)は、この極板にストラップを設けた状態の側面図である。
【図8】その鉛蓄電池の各セルに配置された単位発電要素を示す断面図である。
【符号の説明】
1 鉛蓄電池
2 セル
3 隔壁
4 ストラップ
10 極板
11 集電部
13 極板本体部
Claims (1)
- 正極板と負極板をセパレータを介して積層してなる鉛蓄電池において、
該正極板及び該負極板は、極板本体部と、該極板本体部に設けられた集電部とを有する極板によって構成されて、該正極板の集電部がストラップに接合されるとともに、該負極板の集電部がストラップに接合されており、
各極板の集電部の長さをA、ストラップの該集電部と同方向の長さをW、極板本体部の該集電部と同方向の長さをXとした場合に、
A>W/2
X/5≦W<X/2
を満足することを特徴とする鉛蓄電池。
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