JP3838447B2 - 送信装置及び受信装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【目次】
以下の順序で本発明を説明する。
発明の属する技術分野
従来の技術(図21〜図24)
発明が解決しようとする課題
課題を解決するための手段
発明の実施の形態
(1)送信回路
(1−1)第1実施例(図1〜図4)
(1−2)第2実施例(図5及び図6)
(1−3)第3実施例(図7〜図11)
(1−4)第4実施例(図12)
(2)受信回路
(2−1)第5実施例(図13〜図16)
(2−2)第6実施例(図17及び図18)
(2−3)第7実施例(図19)
(2−4)第8実施例(図20)
(3)他の実施例
発明の効果
【0002】
【発明の属する技術分野】
本発明は送信装置及び送信信号の利得調整方法並びに受信装置及び受信信号の利得調整方法に関し、例えばセルラー電話等の移動無線通信システムに適用して好適なものである。
【0003】
【従来の技術】
従来、この種の移動無線通信システムにおいては、移動端末と基地局との間で無線回線を接続することにより通信するようになされている。このような移動無線通信システムでは、基地局との通信距離が変化したり、或いは伝送路上でフエージングの影響を受けたりするため、信号レベルが時々刻々と変化する。
【0004】
このため移動端末においては、増幅器や減衰器等の利得調整回路を設け、この利得調整回路によつて受信信号のレベル変動分を吸収し、一定の信号レベルに調整した上で当該受信信号を復調器に供給するようになされている。また送信についても同様に利得調整回路を設け、この利得調整回路によつて送信信号を所望の信号レベルに調整することにより基地局に対して所望の信号レベルを供給するようになされている。
【0005】
このようにしてレベル変動の影響を回避するため、一般に移動端末に対しては送受信ともに何らかの利得調整回路を設けるようになされている。その際、利得調整回路に要求される利得調整幅はシステムによつて異なるものである。
ところでシステムが要求する利得調整幅が80〜90〔dB〕にも及ぶ場合には、素子のアイソレーシヨンやダイナミツクレンジを考慮すると、1つの利得調整回路でこれを実現することは技術的に殆ど困難である。また技術的に可能だとしてもコスト面を考えると殆ど実現不可能である。
【0006】
そこで従来、送信に関しては、図21に示すように、移動端末の送信回路1において利得調整回路を複数に分割するようにしている。例えばシステムとして80〔dB〕の利得調整が要求される場合には送信アンテナ2において80〔dB〕のレベル変化を可能にしなければならないため、50〔dB〕を中間周波数(いわゆるIF周波数)で、残り30〔dB〕を無線周波数(いわゆるRF周波数)で利得調整するようにしている。
【0007】
すなわち入力端子3から入力された一定レベルのIF信号S1はIF信号線路4を介して第1の利得可変増幅器5に入力され、ここで50〔dB〕の幅で利得調整される。このIF信号S1は次に周波数混合器6に入力され、ここでローカル信号S2を用いた周波数変換を施すことによりRF信号S3に変換される。このRF信号S3は帯域通過フイルタ7によつて不要周波数成分が除去された後、第2の利得可変増幅器8に入力され、ここで30〔dB〕の幅で利得調整が行われる。そして利得調整されたRF信号S3は最後に電力増幅器9によつて一定の信号増幅(例えば20〔dB〕程度)を受けた後、RF信号線路10を介して帯域通過フイルタ11に入力され、ここで不要周波数成分が除去される。この不要成分が除去されたRF信号S3は最終的に所望電力の送信信号として送信アンテナ2に供給される。
【0008】
このようにして送信回路1においては、利得調整を振り分けることにより、入力端(3)から出力端(2)に至るまでの間で信号のレベル変化を最大で50〔dB〕に抑えることができる。またこのことにより、各素子の接続点において信号の最大レベルと最小レベルが圧縮されるため、各素子のダイナミツクレンジを軽減することができる。その結果、送信回路1では、各素子のダイナミツクレンジを抑えた上で全体としては広いダイナミツクレンジを得ることができる。
【0009】
これとは別に近年、移動無線通信システムにおいては、通話チヤンネルの増加に伴つて周波数帯域自体が拡がる傾向にある。この場合、図21に示したような帯域通過フイルタ7、11を1つの素子で形成しようとすると、フイルタの物理的容積が非常に大きくなつてしまうとか、或いは電気的に通過帯域に大きな損失が生じてしまう(すなわち要求される帯域特性を満足し得なくなつてしまう)等といつた不都合が生じる。
【0010】
これを回避するため周波数帯域が広い場合には、従来、帯域通過フイルタの通過帯域を複数に分割することにより、複数のフイルタ素子によつて1つの帯域通過フイルタを実現するようになされている。例えば図21との対応部分に同一符号を付した図22に示すように、送信回路20においては、通過帯域を2つに分割し、2つのフイルタ素子によつて1つの帯域通過フイルタを実現するようにしている。
【0011】
すなわち帯域通過フイルタ7は通過帯域の異なる2つの帯域通過フイルタ21、22とそれらのフイルタを切り替えるスイツチ23、24とによつて構成され、RF信号S3の周波数に応じてスイツチ23、24を切り替えることにより所望の帯域特性を得るようにしている。また帯域通過フイルタ11は通過帯域の異なる2つの帯域通過フイルタ25、26とそれらのフイルタを切り替えるスイツチ27、28とによつて構成され、RF信号S3の周波数に応じてスイツチ27、28を切り替えることにより所望の帯域特性を得るようにしている。このようにすることにより、スイツチ23、24及び27、28の物理的容積や損失を割り引いたとしても低容積かつ低損失の帯域通過フイルタ7及び11を実現できると共に、送信回路20全体としても省スペースかつ省電力化を図ることができる。
【0012】
一方、受信に関しては、図23に示すように、移動端末の受信回路30において利得調整回路を複数に分割するようにしている。例えばシステム上、受信アンテナ31において受信信号に80〔dB〕のレベル変動があるとすると、受信回路30では、信号出力端子32において信号レベルを一定にするため少なくとも80〔dB〕の利得調整ができなければならない。このため受信回路30では、50〔dB〕を中間周波数(いわゆるIF周波数)で、残り30〔dB〕を無線周波数(いわゆるRF周波数)で利得調整するようにしている。
【0013】
まず受信アンテナ31によつて受信された80〔dB〕のレベル変動を有するRF信号S5は、帯域通過フイルタ33で不要周波数成分が除去された後、RF信号線34を介して第1の利得可変増幅器35に入力される。第1の利得可変増幅器35は信号レベルに応じて30〔dB〕の幅の利得調整をRF信号S5に対して施す。このため第1の利得可変増幅器35から出力されるRF信号S5は50〔dB〕のレベル変動を有することになる。このRF信号S5は帯域通過フイルタ36によつて不要周波数成分が除去された後、周波数混合器37に入力され、ここでローカル信号S6を用いた周波数変換を施すことによりIF信号S7に変換される。
【0014】
このIF信号S7は帯域通過フイルタ38に入力され、ここで周波数混合器37によつて発生した非線形歪みや妨害波の周波数成分が除去された後、第2の利得可変増幅器39に入力される。第2の利得可変増幅器39は入力されたIF信号S7に対して50〔dB〕の幅の利得調整を施すことにより当該IF信号S7の信号レベルを一定にする。これにより信号出力端子32には一定レベルに調整されたIF信号S7が供給されることになる。
【0015】
このようにして受信回路30においては、利得調整を振り分けることにより、入力端(31)から出力端(32)に至るまでの間で信号のレベル変化を最大で50〔dB〕に抑えることができる。またこのことにより、各素子の接続点において信号の最大レベルと最小レベルが圧縮されるため、各素子のダイナミツクレンジを軽減することができる。その結果、受信回路30では、各素子のダイナミツクレンジを抑えた上で全体としては広いダイナミツクレンジを得ることができる。
【0016】
これとは別に近年、移動無線通信システムにおいては、通話チヤンネルの増加に伴つて周波数帯域自体が拡がる傾向にある。この場合、図23に示したような帯域通過フイルタ33、36を1つの素子で形成しようとすると、フイルタの物理的容積が非常に大きくなつてしまうとか、或いは電気的に通過帯域に大きな損失が生じてしまう(すなわち要求される帯域特性を満足し得なくなつてしまう)等といつた不都合が生じる。
【0017】
これを回避するため周波数帯域が広い場合には、従来、帯域通過フイルタの通過帯域を複数に分割することにより、複数のフイルタ素子によつて1つの帯域通過フイルタを実現するようになされている。例えば図23との対応部分に同一符号を付した図24に示すように、受信回路40においては、通過帯域を2つに分割し、2つのフイルタ素子によつて1つの帯域通過フイルタを実現するようにしている。
【0018】
すなわち帯域通過フイルタ33は通過帯域の異なる2つの帯域通過フイルタ41、42とそれらのフイルタを切り替えるスイツチ43、44とによつて構成され、RF信号S5の周波数に応じてスイツチ43、44を切り替えることにより所望の帯域特性を得るようにしている。また帯域通過フイルタ36は通過帯域の異なる2つの帯域通過フイルタ45、46とそれらのフイルタを切り替えるスイツチ47、48とによつて構成され、RF信号S5の周波数に応じてスイツチ47、48を切り替えることにより所望の帯域特性を得るようにしている。このようにすることにより、スイツチ43、44及び47、48の物理的容積や損失を割り引いたとしても低容積かつ低損失の帯域通過フイルタ33及び36を実現できると共に、受信回路40全体としても省スペースかつ省電力化を図ることができる。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】
ところで上述のような送信回路1、20では、利得調整のため利得可変増幅器5、8や電力増幅器9に常時電力を供給しておかなければならず、無駄に電力が消費されるといつた問題がある。
特に、電力増幅器9はRF段の増幅器であり、一般に低レベルの信号が入力された場合には電力付加効率が著しく悪化する傾向にあり、利得可変増幅器8によつて利得調整したとしても電力増幅器9によつてさらに無駄に電力が消費されるおそれがある。
このように送信回路1、20において無駄に電力が消費されると、電池によつて駆動される移動端末では通話時間の低下を招き、大きな問題となつてしまう。
【0020】
同様に、上述のような受信回路30、40では、利得調整のために利得可変増幅器35、39に常時電力を供給しておかなければならず、無駄に電力が消費されるといつた問題がある。このように受信回路30、40において無駄に電力が消費されると、電池によつて駆動される移動端末では、待ち受け時間や通話時間の低下を招き、大きな問題となつてしまう。
また受信回路30、40においては、帯域通過フイルタ33の通過帯域内で受信信号(S5)に妨害波が存在すると、妨害波のレベルによつては利得可変増幅器35或いは周波数混合器37に飽和状態が起き、その結果、受信信号が抑圧されて受信感度が著しく劣化するおそれがある。
【0021】
本発明は以上の点を考慮してなされたもので、不要な電力消費を抑制し得る送信装置及び送信信号の利得調整方法、並びに不要な電力消費を抑制し得る受信装置及び受信信号の利得調整方法を提案しようとするものである。
【0022】
【課題を解決するための手段】
かかる課題を解決するため本発明は、利得可変手段を有し、当該利得可変手段によつて送信信号に対して利得調整する送信装置であつて、その利得可変手段に、複数の入力端子と、複数の出力端子と、当該入力端子と出力端子との接続関係を切り替えるための制御端子とを有する第1の信号路選択手段と、複数の入力端子と、少なくとも1つ以上の出力端子と、当該入力端子と出力端子との接続関係を切り替えるための制御端子とを有する第2の信号路選択手段と、少なくとも1つ以上の入力端子と、複数の出力端子と、当該入力端子と出力端子との接続関係を切り替えるための制御端子とを有する第3の信号路選択手段と、第1の信号路選択手段の複数の出力端子と第2の信号路選択手段の複数の入力端子とを一対一で接続し、かつ信号利得調整手段によつてそれぞれ異なる利得を有する複数の第1の信号路と、第3の信号路選択手段の複数の出力端子と第1の信号路選択手段の複数の入力端子とを一対一で接続し、かつフイルタ手段によつてそれぞれ異なる通過帯域特性を有する複数の第2の信号路と、第1、第2及び第3の信号路選択手段の制御端子に制御信号を与えることにより、当該第1、第2及び第3の信号路選択手段内の接続関係を切り替え制御する信号路制御手段とを設け、信号路制御手段によつて第1及び第2の信号路のうち最適な信号路を選択することにより第3の信号路選択手段の入力端子に供給される送信信号に対して利得調整を施すと共に、通過帯域を切り替えるようにした。
これにより選択されない信号路中の信号利得調整手段を動作させないようにできると同時に、通過帯域特性を切り替えることができ、かつ各信号利得調整手段の消費電力を利得値に応じて最適化できる。
【0023】
また本発明は、利得可変手段を有し、当該利得可変手段によつて送信信号に対して利得調整する送信装置であつて、その利得可変手段に、少なくとも1つ以上の入力端子と、複数の出力端子と、当該入力端子と出力端子との接続関係を切り替えるための制御端子とを有する第1の信号路選択手段と、複数の入力端子と、複数の出力端子と、当該入力端子と出力端子との接続関係を切り替えるための制御端子とを有する第2の信号路選択手段と、複数の入力端子と、少なくとも1つ以上の出力端子と、当該入力端子と出力端子との接続関係を切り替えるための制御端子とを有する第3の信号路選択手段と、第1の信号路選択手段の複数の出力端子と第2の信号路選択手段の複数の入力端子とを一対一で接続し、かつ信号利得調整手段によつてそれぞれ異なる利得を有する複数の第1の信号路と、第2の信号路選択手段の複数の出力端子と第3の信号路選択手段の複数の入力端子とを一対一で接続し、かつフイルタ手段によつてそれぞれ異なる通過帯域特性を有する複数の第2の信号路と、第1、第2及び第3の信号路選択手段の制御端子に制御信号を与えることにより、当該第1、第2及び第3の信号路選択手段内の接続関係を切り替え制御する信号路制御手段とを設け、信号路制御手段によつて第1及び第2の信号路のうち最適な信号路を選択することにより第1の信号路選択手段の入力端子に供給される送信信号に対して利得調整を施すと共に、通過帯域を切り替えるようにした。
これにより選択されない信号路中の信号利得調整手段を動作させないようにできると同時に、通過帯域特性を切り替えることができ、かつ各信号利得調整手段の消費電力を利得値に応じて最適化できる。
【0025】
さらに本発明は、利得可変手段を有し、当該利得可変手段によつて受信信号に対して利得調整する受信装置であつて、その利得可変手段に、複数の入力端子と、複数の出力端子と、当該入力端子と出力端子との接続関係を切り替えるための制御端子とを有する第1の信号路選択手段と、複数の入力端子と、少なくとも1つ以上の出力端子と、当該入力端子と出力端子との接続関係を切り替えるための制御端子とを有する第2の信号路選択手段と、少なくとも1つ以上の入力端子と、複数の出力端子と、当該入力端子と出力端子との接続関係を切り替えるための制御端子とを有する第3の信号路選択手段と、第1の信号路選択手段の複数の出力端子と第2の信号路選択手段の複数の入力端子とを一対一で接続し、かつ信号利得調整手段によつてそれぞれ異なる利得を有する複数の第1の信号路と、第3の信号路選択手段の複数の出力端子と第1の信号路選択手段の複数の入力端子とを一対一で接続し、かつフイルタ手段によつてそれぞれ異なる通過帯域特性を有する複数の第2の信号路と、第1、第2及び第3の信号路選択手段の制御端子に制御信号を与えることにより、当該第1、第2及び第3の信号路選択手段内の接続関係を切り替え制御する信号路制御手段とを設け、信号路制御手段によつて第1及び第2の信号路のうち最適な信号路を選択することにより第3の信号路選択手段の入力端子に供給される受信信号に対して利得調整を施すと共に、通過帯域を切り替えるようにした。
ことにより各信号利得調整手段の消費電力を利得値に応じて最適化できると共に、選択されない信号路中の信号利得調整手段を動作させないようにできる。また受信信号が十分な信号レベルを有する場合には利得の低い信号路が選択されるため、受信帯域内で強い妨害波があつたとしても妨害波による信号利得調整手段の飽和を未然に防いで受信信号の抑圧を防ぐことができ、これによつて妨害波による受信感度の劣化を回避し得る。
【0026】
さらに本発明は、利得可変手段を有し、当該利得可変手段によつて受信信号に対して利得調整する受信装置であつて、その利得可変手段に、少なくとも1つ以上の入力端子と、複数の出力端子と、当該入力端子と出力端子との接続関係を切り替えるための制御端子とを有する第1の信号路選択手段と、複数の入力端子と、複数の出力端子と、当該入力端子と出力端子との接続関係を切り替えるための制御端子とを有する第2の信号路選択手段と、複数の入力端子と、少なくとも1つ以上の出力端子と、当該入力端子と出力端子との接続関係を切り替えるための制御端子とを有する第3の信号路選択手段と、第1の信号路選択手段の複数の出力端子と第2の信号路選択手段の複数の入力端子とを一対一で接続し、かつ信号利得調整手段によつてそれぞれ異なる利得を有する複数の第1の信号路と、第2の信号路選択手段の複数の出力端子と第3の信号路選択手段の複数の入力端子とを一対一で接続し、かつフイルタ手段によつてそれぞれ異なる通過帯域特性を有する複数の第2の信号路と、第1、第2及び第3の信号路選択手段の制御端子に制御信号を与えることにより、当該第1、第2及び第3の信号路選択手段内の接続関係を切り替え制御する信号路制御手段とを設け、信号路制御手段によつて第1及び第2の信号路のうち最適な信号路を選択することにより第1の信号路選択手段の入力端子に供給される受信信号に対して利得調整を施すと共に、通過帯域を切り替えるようにした。
ことにより各信号利得調整手段の消費電力を利得値に応じて最適化できると共に、選択されない信号路中の信号利得調整手段を動作させないようにできる。また受信信号が十分な信号レベルを有する場合には利得の低い信号路が選択されるため、受信帯域内で強い妨害波があつたとしても妨害波による信号利得調整手段の飽和を未然に防いで受信信号の抑圧を防ぐことができ、これによつて妨害波による受信感度の劣化を回避し得る。
【0036】
【発明の実施の形態】
以下図面について、本発明の一実施例を詳述する。
【0037】
(1)送信回路
(1−1)第1実施例
まず図1を用いて送信回路の原理を説明する。本発明を適用した送信回路では、図1に示すような利得可変手段50を用いることにより、不要な電力消費を抑制して利得調整を行う。
この利得可変手段50は大きく分けて複数の入出力端子を有する第1及び第2の信号路選択手段51、52と、その第1及び第2の信号路選択手段51、52の端子間を接続する利得の異なる複数の信号路53〜56と、第1及び第2の信号路選択手段51、52の選択動作を制御する信号路制御手段57とによつて構成されている。
【0038】
まず第1の信号路選択手段51は少なくとも1つ以上の入力端子58と、複数の出力端子59と、制御端子60とを有し、制御端子60に供給される制御信号S10に応じて入力端子58と出力端子59との接続関係を切り替え得るようになされている。
また第2の信号路選択手段52は複数の入力端子61と、少なくとも1つ以上の出力端子62と、制御端子63とを有し、制御端子63に供給される制御信号S11に応じて入力端子61と出力端子62との接続関係を切り替え得るようになされている。
【0039】
信号路選択手段51の出力端子59と信号路選択手段52の入力端子61はそれぞれ利得の異なる信号路53〜56によつて接続されている。この場合、信号路53〜56にはそれぞれ利得の異なる信号増幅手段64〜67が介挿されており、これにより信号路毎に利得が異なるようになされている。
【0040】
信号路制御手段57は第1及び第2の信号路選択手段51、52の選択動作を制御するものであり、出力端子62に出力されるべき信号レベルに応じてどの信号路(53〜56)を選択すれば良いか判断し、その判断結果に応じた制御信号S10、S11を出力して信号路選択手段51、52の選択動作を制御する。
【0041】
この場合具体的には、信号路制御手段57としては、図2に示すような制御手順を実行する。すなわちステツプSP1から入つたステツプSP2において、まず出力端子62に出力されるべき信号レベルとして送信パワーのデータを読み込む。次にステツプSP3において、入力端子58に供給される入力信号の信号レベルのデータを読み込む。次にステツプSP4において、読み込んだ2つのデータのレベル差を求め、求めたレベル差に応じてどの信号路を選択するか判断する。次にステツプSP5において、その判断結果に応じた制御信号S10、S11を出力することにより、信号路選択手段51、52の選択動作を切り替えて最適な信号路を選択する。この処理が終わると、信号路制御手段57はステツプSP6に移つて処理を終了する。
【0042】
このようにして利得可変手段50では、出力端子62に出力されるべき信号レベルに応じて信号路53〜56を変えることにより全体として利得調整を行う。この場合、信号増幅手段64〜67の利得値が固定値であるため、利得可変手段50では離散的な利得調整になる。しかしながら利得可変手段50では、各信号増幅手段64〜67の消費電力を利得値に応じて最適化しておくことができると共に、選択されない信号路に存在する信号増幅手段をオフするようにできるため、不要な電力消費を抑制することができる。
【0043】
なお、複数の信号路53〜56のうち少なくとも1つ以上を信号増幅手段のない単なる伝送線路に置き換えたり、或いは複数の信号路53〜56のうち少なくとも1つ以上に対して信号増幅手段の代わりに減衰器を介挿するようにしても良い。このようにすれば、一段と大きな利得差を得ることができる。またこの場合には、受動素子である減衰器や伝送線路ではそもそも電力消費が発生しないため、一段と不要な電力消費を抑制することができる。
【0044】
ここで図21との対応部分に同一符号を付して示す図3において、上述のような利得可変手段50を実際に組み込んだ送信回路を示す。この送信回路70では、利得可変回路71が上述の利得可変手段50に対応する。また利得可変回路71はRF周波数での利得調整を行う。
この利得可変回路71は大きく分けて信号路切替スイツチ72、73と、その信号路切替スイツチ72、73によつて切り替えられる利得の異なる信号路74、75と、信号路切替スイツチ72、73の切り替え動作を制御する信号路制御回路76とによつて構成されている。すなわち信号路切替スイツチ72、73が上述の信号路選択手段51、52に対応するものであり、信号路74、75が上述の信号路53〜56に対応するものであり、信号路制御回路76が上述の信号路制御手段57に対応するものである。
【0045】
この利得可変回路71の場合には、2つの信号路のうち一方の信号路74は増幅器を持たない単なる伝送線路によつて形成されており、他方の信号路75は増幅器77によつて例えば20〔dB〕の電力増幅を行えるようになされている。なお、信号路75に設けられた増幅器77の消費電力は利得値に応じて最適化されている。
【0046】
また信号路制御回路76は制御信号S10、S11を出力して信号路切替スイツチ72、73を切り替え、これによつて2つの信号路74、75のうち一方を選択する。この場合、信号路制御回路76は送信アンテナ端で必要な信号レベルを調べることによりRF信号S3に対して電力増幅が必要か否かを判断し、電力増幅が必要な場合には信号路75を選択し、電力増幅が不要な場合には信号路74を選択する。因みに、信号路74が選択された場合には、増幅器77は信号路制御回路76によつてオフ状態にさせられる。
【0047】
このようにして利得可変回路71では、信号路(74、75)を切り替えることにより利得調整を行う。この場合、利得可変回路71では、2つの利得状態を取り得る。1つは信号路74を選択した場合の0〔dB〕の状態であり、もう1つは信号路75を選択した場合の20〔dB〕の状態である。このことから明らかなように、RF段では離散的な利得調整になる。しかしながらIF段には連続的に利得調整のできる利得可変増幅器5が設けられており、この送信回路70では、この利得可変増幅器5によつて連続的に利得調整することによりRF段での離散的な利得調整を補うようにしている。すなわち送信回路70では、離散的な利得調整を行う利得可変回路71と連続的な利得調整を行う利得可変増幅器5の2つによつて最終的に所望の利得を得るようにしている。
【0048】
ここで信号路制御回路76の制御手順を図4に示すフローチヤートを用いて具体的に説明する。まずはじめにステツプSP10から入つたステツプSP11において、送信アンテナ端で必要な信号レベルの情報として送信パワーデータ(A)を所定の記憶手段から読み込む。次にステツプSP12において、信号路を切り替える際の基準レベル(B)を所定の記憶手段から読み込む。この場合、RF信号S3の信号レベルの代わりに基準レベルを読み込んでいる理由は、切り替える信号路が2つであるため要求されている送信パワーが基準レベルを越えているか否かを判断すれば必然的に何方の信号路を選択すれば良いか分かるからである。
【0049】
次にステツプSP13において、読み込んだ送信パワーデータ(A)と基準レベル(B)とを比較する。その結果、送信パワーデータ(A)が小さければステツプSP14に移行し、送信パワーデータ(A)が大きければステツプSP15に移行する。
ステツプSP14では、信号路切替スイツチ72、73を制御して単なる伝送線路でなる信号路74を選択する。一方、ステツプSP15では、信号路切替スイツチ72、73を制御して所定の利得を有する信号路75を選択すると共に、その利得を発生する増幅器77をオン状態にする。
【0050】
ステツプSP14又はステツプSP15の処理が終了すると、続くステツプSP16に移行し、ここで利得可変増幅器5の利得を調整することにより送信回路70全体としての利得を調整する。これにより送信アンテナ2に対しては所望の電力に増幅されたRF信号S3が供給されることになる。すなわち送信アンテナ端で要求される信号レベルが満たされることになる。ステツプSP16の処理が終了すると、ステツプSP17に移行して最終的に処理を終了する。
【0051】
以上の構成において、この利得可変回路71の場合には、利得の異なる2つの信号路74、75を切り替えることにより利得調整を行う。具体的には、送信アンテナ端で要求されている信号レベルを調べ、電力増幅の必要があれば増幅器77を有する信号路75を選択し、電力増幅の必要がなければ増幅器のない単なる伝送線路でなる信号路74を選択する。その際、信号路75を選択したときだけ増幅器77を動作させる。これにより従来のように増幅器を常に動作させる必要がなくなり、不要な電力消費を抑制することができる。従つてこのような利得可変回路71によつて利得調整する送信回路70を用いれば、移動端末の電池寿命を延ばすことができ、通話時間を延ばすことができる。
【0052】
なお、利得可変回路71では、利得の異なる2つの信号路74、75を切り替えて利得調整を行つているため、離散的な利得調整になる。このためこの送信回路70では、IF段に設けられた利得可変増幅器5によつてこの離散的な利得変化を補い、全体として所望の利得変化を得ている。このように全体としての利得調整を利得可変回路71と利得可変増幅器5の2つで行うことにより、この送信回路70でも、各素子のダイナミツクレンジを軽減することができる。
【0053】
また、一般にRF段の電力増幅器は低レベルの信号が入力されたときに電力付加効率が悪化する傾向があり、IF段の利得可変増幅器によつて利得調整したとしてもRF段の電力増幅器によつて無駄に電力が消費されるおそれがあるが、この実施例の場合には、必要なときだけ増幅器77を動作させるため、このようなおそれも低減し得る。
【0054】
以上の構成によれば、増幅器のない単なる伝送線路でなる信号路74と増幅器77を有する信号路75とを切り替えることによつて利得調整するようにしたことにより、信号路75を選択したときだけ増幅器77を動作させることができ、これによつて従来のように常時増幅器を動作させる必要がなくなつて不要な電力消費を抑制することができる。
【0055】
(1−2)第2実施例
図22との対応部分に同一符号を付して示す図5において、第2実施例による送信回路79を示す。上述の第1実施例においては、利得可変回路71によつて単に利得だけを切り替えるようにした場合について述べたが、この実施例の場合には、利得可変回路によつて利得と共に帯域通過フイルタも切り替える。
【0056】
利得可変回路80は大きく分けて信号路切替スイツチ81、82及び83、84と、利得の異なる2つの信号路85、86と、通過帯域の異なる帯域通過フイルタ21、22及び25、26と、信号路切替スイツチ81、82及び83、84の切り替え動作を制御する信号路制御回路87とによつて構成されている。
【0057】
信号路切替スイツチ81は4つのスイツチ81A〜81Dを環状に接続した環状スイツチからなり、その4つの接続交点のうち対向する2つを入力端子とし、残り2つを出力端子とすることによつて1つのスイツチで入力端子と出力端子とを接続し得るようになされている。この場合、2つの入力端子にはそれぞれ帯域通過フイルタ21、22が接続され、2つの出力端子にはそれぞれ信号路85、86が接続されており、信号路切替スイツチ81は帯域通過フイルタ21、22と信号路85、86との接続を切り替える。
【0058】
また同様に、信号路切替スイツチ82も4つのスイツチ82A〜82Dを環状に接続した環状スイツチからなり、その4つの接続交点のうち対向する2つを入力端子とし、残り2つを出力端子とすることによつて1つのスイツチで入力端子と出力端子とを接続し得るようになされている。この場合、2つの入力端子にはそれぞれ信号路85、86が接続され、2つの出力端子にはそれぞれ帯域通過フイルタ25、26が接続されており、信号路切替スイツチ82は信号路85、86と帯域通過フイルタ25、26との接続を切り替える。
【0059】
一方、信号路切替スイツチ83はRF信号S3にかけるフイルタを切り替えるスイツチであり、帯域通過フイルタ21、22のうち一方を周波数混合器6に接続する。また信号路切替スイツチ84は帯域通過フイルタ25又は帯域通過フイルタ26によつて帯域制限されたRF信号S3を送信アンテナ2に供給するスイツチであり、帯域通過フイルタ25、26のうち一方を送信アンテナ2に接続する。
【0060】
この実施例の場合にも、2つの信号路のうち一方の信号路85は増幅器を持たない単なる伝送線路によつて形成されており、他方の信号路86は増幅器88によつて例えば20〔dB〕の電力増幅を行えるようになされている。なお、この実施例の場合にも、信号路86に設けられた増幅器88の消費電力は利得値に応じて最適化されている。
【0061】
帯域通過フイルタ21、22はそれぞれ通過帯域が異なるフイルタであり、2つでRF信号S3の全帯域をカバーしている。同様に、帯域通過フイルタ25、26もそれぞれ通過帯域が異なるフイルタであり、2つでRF信号S3の全帯域をカバーしている。このように通過帯域を分割することにより、この送信回路79でも、低容積かつ低損失の帯域通過フイルタを実現している。
【0062】
信号路制御回路87は制御信号S20、S21を出力して信号路切替スイツチ81、82を切り替えると共に、制御信号S22、S23を出力して信号路切替スイツチ83、84を切り替える。この場合、信号路制御回路87は送信アンテナ端で必要な信号レベルを調べることによりRF信号S3に対して電力増幅が必要か否かを判断し、電力増幅が必要な場合には信号路86を選択し、電力増幅が不要な場合には信号路85を選択する。因みに、信号路85が選択された場合には、増幅器88は信号路制御回路87によつてオフ状態にさせられる。
また信号路制御回路87はRF信号S3の使用周波数を調べることによりどちらの帯域通過フイルタを使用したら良いかを判断し、その判断結果に基づいて信号路切替スイツチ81〜84を切り替える。
【0063】
なお、この実施例の場合も、信号路(85、86)を選択することにより利得調整しているためRF段では離散的な利得調整になる。このため送信回路79では、IF段の利得可変増幅器5で連続的に利得調整することによりRF段での離散的な利得調整を補うようにしている。
【0064】
ここで信号路制御回路87の制御手順を図6に示すフローチヤートを用いて具体的に説明する。まずはじめにステツプSP20から入つてステツプSP21において、送信アンテナ端で必要な信号レベルの情報として送信パワーデータ(A)を所定の記憶手段から読み込み、そして次のステツプSP22において信号路を切り替える際の基準レベル(B)を所定の記憶手段から読み込む。次にステツプSP23においてRF信号S3の使用周波数(f)を所定の記憶手段から読み込み、そして次のステツプSP24において帯域通過フイルタを切り替える際の基準周波数(f0 )を所定の記憶手段から読み込む。
次のステツプSP25では、読み込んだ送信パワーデータ(A)と基準レベル(B)とを比較する。その結果、送信パワーデータ(A)が小さければステツプSP26に移行し、送信パワーデータ(A)が大きければステツプSP27に移行する。
【0065】
ステツプSP26では、読み込んだ使用周波数(f)と基準周波数(f0 )とを比較する。その結果、使用周波数(f)が小さければステツプSP28に移行し、使用周波数(f)が大きければステツプSP29に移行する。
ステツプSP28に移行した場合、信号路制御回路87は、信号路切替スイツチ83を帯域通過フイルタ21側に切り替えると共に、信号路切替スイツチ84を帯域通過フイルタ25側に切り替え、さらに信号路切替スイツチ81のスイツチ81A及び信号路切替スイツチ82のスイツチ82Aをオン状態にする。これによりRF信号S3は帯域通過フイルタ21、信号路85、帯域通過フイルタ25を順に介して送信アンテナ2に供給される。
一方、ステツプSP29に移行した場合、信号路制御回路87は、信号路切替スイツチ83を帯域通過フイルタ22側に切り替えると共に、信号路切替スイツチ84を帯域通過フイルタ26側に切り替え、さらに信号路切替スイツチ81のスイツチ81B及び信号路切替スイツチ82のスイツチ82Dをオン状態にする。これによりRF信号S3は帯域通過フイルタ22、信号路85、帯域通過フイルタ26を順に介して送信アンテナ2に供給される。
【0066】
これに対してステツプSP27に移行した場合、ここでも同じように読み込んだ使用周波数(f)と基準周波数(f0 )とを比較する。その結果、使用周波数(f)が小さければステツプSP30に移行し、使用周波数(f)が大きければステツプSP31に移行する。
ステツプSP30に移行した場合、信号路制御回路87は、信号路切替スイツチ83を帯域通過フイルタ21側に切り替えると共に、信号路切替スイツチ84を帯域通過フイルタ25側に切り替え、さらに信号路切替スイツチ81のスイツチ81D及び信号路切替スイツチ82のスイツチ82Bをオン状態にすると共に、増幅器88をオン状態にする。これによりRF信号S3は帯域通過フイルタ21、信号路86、帯域通過フイルタ25を順に介して送信アンテナ2に供給される。
一方、ステツプSP31に移行した場合、信号路制御回路87は、信号路切替スイツチ83を帯域通過フイルタ22側に切り替えると共に、信号路切替スイツチ84を帯域通過フイルタ26側に切り替え、さらに信号路切替スイツチ81のスイツチ81C及び信号路切替スイツチ82のスイツチ82Cをオン状態にすると共に、増幅器88をオン状態にする。これによりRF信号S3は帯域通過フイルタ22、信号路86、帯域通過フイルタ26を順に介して送信アンテナ2に供給される。
【0067】
このようにしてステツプSP28、SP29、SP30又はSP31の処理が終了すると、次のステツプSP32に移行し、ここで利得可変増幅器5の利得を調整することにより送信回路79全体としての利得を調整する。ステツプSP32の処理が終了すると、ステツプSP33に移行して最終的に処理を終了する。
【0068】
以上の構成において、この実施例の場合には、利得可変回路80によつて利得調整と共に帯域通過フイルタを切り替える。その際、利得可変回路80では、信号路制御回路87によつて信号路切替スイツチ81〜84のスイツチ状態を制御することにより利得調整と帯域通過フイルタの切り替えを同時に行う。
【0069】
ところでこの実施例の場合、通過帯域特性の異なる2つの信号路(すなわち帯域通過フイルタ21を有する信号路と帯域通過フイルタ22を有する信号路)と、利得の異なる2つの信号路85、86との接続切り替えを環状スイツチからなる信号路切替スイツチ81で行つている。
このようにして環状スイツチからなる信号路切替スイツチ81によつて接続切り替えを行うと、信号路切替スイツチ81で発生する挿入損失を低減することができる。なぜなら環状スイツチの場合には、4つのスイツチ81A〜81Dのうち1つをオンさせれば信号路が切り替わるため、信号路中に介挿されるスイツチとしては1つになるからである。通常、入力側の2つの線路と出力側の2つの線路とを接続切り替えする場合には、2つのスイツチの組み合わせで行うのが一般的である。しかしその場合には、信号路中に介挿されるスイツチは2つになり、挿入損失が大きくなつてしまう。ところがこの実施例のように環状スイツチを用いた場合には、信号路中に介挿されるスイツチは1つになるため挿入損失を低減することができる。
【0070】
またこの実施例の場合には、利得の異なる2つの信号路85、86と、通過帯域特性の異なる2つの信号路(すなわち帯域通過フイルタ25を有する信号路と帯域通過フイルタ26を有する信号路)との接続切り替えを環状スイツチからなる信号路切替スイツチ82で行つているが、同様の理由により、この部分でも挿入損失を低減することができる。
【0071】
なお、この実施例の場合にも、信号路86を選択した場合にだけ増幅器88を動作させるため無駄な電力消費を抑えることができると共に、利得可変回路80と利得可変増幅器5の2つで全体の利得調整を行つているため各素子のダイナミツクレンジを軽減できる。
【0072】
以上の構成によれば、信号路の切り替えに対して環状スイツチからなる信号路切替スイツチ81、82を用いるようにしたことにより、通過帯域特性の異なる信号路と利得の異なる信号路85、86との接続を低挿入損失で同時に切り替えることができる。
【0073】
(1−3)第3実施例
図7において、90は全体として第3実施例による送信回路を示し、この送信回路90の場合には、利得可変回路91を用いることにより不要な電力消費を抑制して利得調整を行う。
まず入力端子3に入力された一定レベルのIF信号S1はIF信号線路4を介して利得可変増幅器5に入力され、ここで例えば50〔dB〕の幅で利得調整が行われる。因みに、利得可変増幅器5においては、例えば所定の制御手段から出力されるデイジタルの利得制御信号をアナログ信号に変換して供給することにより所望の利得値に制御し得るようになされている。
【0074】
利得可変増幅器5によつて所望の値に利得調整されたIF信号S1は次に周波数混合器6に入力され、ここでローカル信号S2を用いた周波数変換が施されることにより高周波のRF信号S3に変換される。このRF信号S3は次にRFドライバ回路92に入力され、ここで所定の信号処理が施された後、利得可変回路91に入力される。因みに、RFドライバ回路92は帯域通過フイルタやバツフアアンプ回路等からなり、周波数混合器6によつて周波数変換されたRF信号S3から不要な周波数成分を除去すると共に、当該RF信号S3を利得可変回路91に渡す際のインピーダンス調整等を行う。
【0075】
利得可変回路91は、RF信号S3を増幅する必要がある場合には所定の利得値を有する信号路を通過させ、増幅する必要がない場合には単なる伝送線路を通過させることにより、当該RF信号S3をアンテナ端で要求される所望の信号レベルに利得調整する。このようにして利得調整されたRF信号S3は最終的に送信アンテナ2に供給され、ここから放射される。
【0076】
ここで利得可変回路91は、大きく分けて信号路切替スイツチ93、94と、その信号路切替スイツチ93、94によつて切り替えられる利得の異なる信号路95、96と、信号路切替スイツチ93の切り替え動作を制御する信号路制御回路97とによつて構成されている。
この利得可変回路91の場合には、2つの信号路のうち一方の信号路96は増幅器を持たない単なる伝送線路によつて形成されており、他方の信号路95は増幅器(PA)98によつて例えば10〔dB〕の電力増幅を行えるようになされている。なお、信号路95に設けられた増幅器98の消費電力は利得値に応じて最適化されている。
【0077】
信号路切替スイツチ93はいわゆる半導体スイツチによつて形成されるスイツチであり、入力端にはRFドライバ回路92が接続され、2つの出力端にはそれぞれ信号路95、96が接続されており、RF信号S3の通過ルートを信号路95又は96のいずれか一方に切り替える。
一方、信号路切替スイツチ94は、いわゆる平行二線路(94A、94B)からなる方向性結合器によつて形成されるスイツチであり、信号路95又は信号路96を通過してきたRF信号S3を送信アンテナ2に出力するものである。具体的に説明すれば、信号路切替スイツチ94においては、第1の線路94Aの一端に信号路95が接続され、その他端には送信アンテナ2が接続されており、これにより信号路95を通過してきたRF信号S3は当該第1の線路94Aを通つて送信アンテナ2に供給される。また第2の線路94Bの一端には信号路96が接続され、その他端には第2の線路94Bの特性インピーダンスと等価の抵抗R1が接続されており、これにより信号路96を通過してきたRF信号S3は平行二線路の線路間結合によつて第1の線路94Aに拾われて送信アンテナ2に供給される。
【0078】
信号路制御回路97は制御信号S25を信号路切替スイツチ93に出力することにより送信アンテナ端で要求される信号レベルに応じて当該信号路切替スイツチ93の接続関係を制御する。具体的には、信号路制御回路97は、送信アンテナ端で要求される信号レベルを調べることによりRF信号S3に対して電力増幅が必要か否かを判断し、電力増幅が必要な場合には信号路切替スイツチ93を信号路95側に切り替え、電力増幅が不要な場合には信号路切替スイツチ93を信号路96側に切り替える。因みに、電力増幅が不要なため信号路96が選択された場合には、信号路95に設けられた増幅器98は信号路制御回路97によつてオフ状態にさせられる。
【0079】
ここで信号路切替スイツチ94を形成する方向性結合器について、図8を用いて説明する。図8に示すように、方向性結合器100は一般に平行二線路(100A、100B)からなり、その4端子(101A〜101D)に線路100A、100Bの特性インピーダンス(Z0 )と同じインピーダンスの負荷RA〜RDをそれぞれ接続することにより基本的動作が実現される。
例えば線路100Aを進行波aが通過すると、平行二線路の線路間結合により線路100Bには進行波aと逆方向の信号波bが現れる。その際、信号波bの信号レベルとしては平行二線路の結合損失(いわゆるカツプリングロス)に応じた信号レベルとなる。またこれとは逆に線路100Bを進行波bが通過すると、同様に線路間結合によつて線路100Aには進行波bと逆方向の信号波aが現れる。
【0080】
因みに、線路100A又は100Bに接続される負荷RA〜RDが線路の特性インピーダンスと一致していない場合には、インピーダンス不整合によつて線路の端で反射波が生じるが、この反射波も線路間結合によつて他方の線路に現れる。例えば端子101Dに特性インピーダンスZ0 と異なるインピーダンスの負荷RDを接続した場合には進行波aの反射波cが線路100Aに現れるが、この場合にも、線路間結合によつて線路100Bには逆方向の信号波dが結合損失に応じた信号レベルで現れる。
このように方向性結合器100は4端子の方向性を持つ受動素子であり、各端子間で可逆の関係になつている。
この実施例による利得可変回路91では、このような方向性結合器100を用いて信号路切替スイツチ94を形成し、これによつて信号路95又は信号路96を通過してきたRF信号S3を送信アンテナ2に出力するようになされている。
【0081】
以上の構成において、利得可変回路91の場合には、利得の異なる2つの信号路95、96を切り替えることにより利得調整を行う。具体的には、送信アンテナ端で要求されている信号レベルを調べ、電力増幅の必要があれば増幅器98を有する信号路95を選択し、電力増幅の必要がなければ増幅器のない単なる伝送線路でなる信号路96を選択する。その際、信号路95を選択したときだけ増幅器98を動作させる。これにより従来のように増幅器を常に動作させる必要がなくなり、不要な電力消費を抑制することができる。従つてこのような利得可変回路91によつて利得調整する送信回路90を用いれば、移動端末の電池寿命を延ばすことができ、通話時間を延ばすことができる。
【0082】
なお、利得可変回路91では、利得の異なる2つの信号路95、96を切り替えて利得調整を行つているため、離散的な利得調整になる。このためこの送信回路90では、IF段に設けられた利得可変増幅器5によつてこの離散的な利得変化を補い、全体として所望の利得変化を得ている。このように全体としての利得調整を利得可変回路91と利得可変増幅器5の2つで行うことにより、この送信回路90でも、各素子のダイナミツクレンジを軽減することができる。
【0083】
因みに、このような送信回路90によつて実際に移動端末を構成した場合のダイナミツクレンジの一例を図9に示す。また参考までに、従来のように1つの利得可変増幅器で利得調整した場合のダイナミツクレンジの一例を図10に示し、第1実施例のように利得可変回路71と利得可変増幅器5とによつて利得調整した場合のダイナミツクレンジの一例を図11に示す。但し、図中のMODは変調器、PADは減衰器、AGC1は可変利得増幅器、BPFは帯域通過フイルタ、MIXERは周波数混合器、RFDはRFドライバ回路、PAは増幅器、DUPはデユプレクサ回路、AGC2は可変利得回路をそれぞれ示すものとする。
【0084】
図9に示すように、IF段の可変利得増幅器(AGC1)で50〔dB〕、RF段の可変利得回路(AGC2)で25〔dB〕の幅で利得調整を行うことにより利得調整の配分を分けた場合には、少なくとも可変利得増幅器からRFドライバ回路までの素子で50〔dB〕のダイナミツクレンジがあれば良くなる。これに対して図10に示すように、IF段の可変利得増幅器(AGC1)で80〔dB〕の利得調整を行うことにより1つの素子で利得調整を行つた場合には、可変利得増幅器からRFドライバ回路までの素子で80〔dB〕のダイナミツクレンジが必要になる。このようにして利得調整の配分を分けることにより、各素子のダイナミツクレンジを軽減することができる。
【0085】
また図10に示すように、従来のように利得可変増幅器で80〔dB〕の利得調整を行つた場合には、その前段に減衰量の大きい減衰器が必要になり、その分全体的にレベルダイヤが下がつてしまう。このため従来の場合には、高出力時において雑音指数NFの悪さから帯域外ノイズフロアレベルが高くなるといつた不都合が生じる。しかしながら図9に示すように、利得配分を分けた場合には、可変利得増幅器の前段に入る減衰器の減衰量が小さくなるため、このような問題も未然に回避し得る。
因みに、図11から明らかなように第1実施例の場合にも、ダイナミツクレンジや帯域外ノイズフロアレベルに関しては同様の理由により改善されている。
また図9と図11の比較から分かるように、この実施例の場合には、可変利得回路91で増幅しなかつたとき(すなわち信号路96を選択したとき)に方向性結合器の結合損失によつて15〔dB〕程度のレベルダウンが生じるが、前段までの回路でその分を補償しておけば特に問題は生じない。
【0086】
またこの実施例の場合には、利得可変回路91の出力側の信号路切替スイツチ94として半導体スイツチではなく、方向性結合器を用いたことにより、信号路切替スイツチ94で発生する挿入損失を低減し得る。具体的に説明すると、一般に半導体スイツチの場合には挿入損失が 0.6〔dB〕程度、方向性結合器の場合には挿入損失が 0.1〔dB〕程度であり、その差分( 0.5〔dB〕=約10%)だけ挿入損失を低減することができる。
またこの実施例の場合には、信号路切替スイツチ94として方向性結合器を用いたことにより、利得可変回路91の大きさを小さくすることができ、その分全体として送信回路90の大きさを小さくすることができる。具体的に説明すると、増幅器(PA)98の出力側に入れるような半導体スイツチは、通過するRF信号S3の電力が大きいためハンドリングパワーが大きくなり、その結果、IC化する際の内部マスクが大きくなり、外形パツケージも現状では 4.0×4.0 〔mm〕程度が一般的である。しかしながら方向性結合器の場合には、通過するRF信号S3の信号レベルに影響されることはなく、その大きさは一般的に 3.2×1.6 〔mm〕程度である。このため方向性結合器を用いた方が回路の大きさを小さくすることができる。
【0087】
以上の構成によれば、増幅器のない単なる伝送線路でなる信号路96と増幅器98を有する信号路95とを切り替えることによつて利得調整するようにしたことにより、信号路95を選択したときだけ増幅器98を動作させることができ、これによつて従来のように常時増幅器を動作させる必要がなくなつて不要な電力消費を抑制することができる。
また利得可変回路91の出力側に設ける信号路切替スイツチ94として方向性結合器を用いたことにより、利得可変回路91の大きさを小さくし得ると共に、挿入損失を小さくし得る。
【0088】
(1−4)第4実施例
図7との対応部分に同一符号を付して示す図12において、105は全体として第4実施例による送信回路を示し、この実施例の場合にも、利得可変回路106によつて利得の異なる信号路を切り替えることによりRF信号S3の利得調整を行う。
【0089】
まず利得可変回路106は大きく分けて信号路切替スイツチ107、108と、利得の異なる2つの信号路109、110と、信号路切替スイツチ107、108の切り替え動作を制御する信号路制御回路111とによつて構成されている。
この利得可変回路106の場合には、2つの信号路のうち一方の信号路110は増幅器を持たない単なる伝送線路によつて形成されており、他方の信号路109は増幅器(PA)112によつて電力増幅が行えるようになされている。なお、信号路109に設けられた増幅器112の消費電力は利得値に応じて最適化されている。
【0090】
信号路切替スイツチ107は2つの半導体スイツチ107A、107Bを組み合わせた4端子のスイツチによつて形成されており、一方の半導体スイツチ107Aは信号路109とRFドライバ回路92との接続を切り替え、他方の半導体スイツチ107Bは信号路110とRFドライバ回路92との接続を切り替えるようになされている。因みに、半導体スイツチ107Bは信号路110をRFドライバ回路92に接続しなかつた場合に当該信号路110を抵抗R2に接続するようになされている。
【0091】
一方、信号路切替スイツチ108は、第3実施例の場合と同様に、平行二線路(108A、108B)からなる方向性結合器によつて形成され、信号路109又は信号路110を通過してきたRF信号S3を送信アンテナ2に出力する。具体的には、信号路切替スイツチ108においては、第1の線路108Aの一端に信号路109が接続され、その他端には送信アンテナ2が接続されており、これにより信号路109を通過してきたRF信号S3は当該第1の線路108Aを通つて送信アンテナ2に供給される。また第2の線路108Bの一端には信号路110が接続され、その他端には当該第2の線路108Bの特性インピーダンスと等価の抵抗R3が接続されており、これにより信号路110を通過してきたRF信号S3は平行二線路の線路間結合によつて第1の線路108Aに拾われて送信アンテナ2に供給される。
【0092】
信号路制御回路111は制御信号S26を信号路切替スイツチ107に出力することにより送信アンテナ端で要求される信号レベルに応じて当該信号路切替スイツチ107の接続関係を制御する。具体的には、信号路制御回路111は、送信アンテナ端で要求される信号レベルを調べることによりRF信号S3に対して電力増幅が必要か否かを判断し、電力増幅が必要な場合には信号路切替スイツチ107の半導体スイツチ107Aをオン状態に切り替えると共に半導体スイツチ107Bを抵抗R2側に切り替え、電力増幅が不要な場合には信号路切替スイツチ107の半導体スイツチ107Aをオフ状態に切り替えると共に半導体スイツチ107BをRFドライバ回路92側に切り替える。これによりRFドライバ回路92から出力されるRF信号S3は、電力増幅が必要な場合には信号路109を通つて増幅された後に送信アンテナ2に供給され、電力増幅が不要な場合には信号路110を通つて増幅されずに送信アンテナ2に供給され、かくして利得調整が行われる。因みに、RF信号S3の通過ルートとして信号路110が選択された場合には、信号路109の増幅器112は信号路制御回路111によつてオフ状態にさせられる。
【0093】
ところで信号路切替スイツチ108の第2の線路108Bと抵抗R3との接続交点はダイオードD1を介して信号レベル検出回路113に接続されており、これによつて第2の線路108Bに現れた信号の電圧値を信号レベル検出回路113で取り込めるようになつている。信号レベル検出回路113は送信アンテナ2に供給されるRF信号S3の信号レベルを検出する回路であり、第2の線路108Bに現れた信号の電圧値を基にRF信号S3の信号レベルを検出する。
【0094】
例えばRF信号S3が信号路109を通つて送信アンテナ2に供給される場合には、方向性結合器の線路間結合により線路108BにはRF信号S3に応じた信号が現れる。信号レベル検出回路113はこの信号の電圧値を調べることにより信号路109を通つて送信アンテナ2に供給されるRF信号S3の信号レベルを検出する。因みに、このとき線路108Bの他端が半導体スイツチ107Bを介して当該線路108Bの特性インピーダンスと等価の抵抗R2に接続されることより、線路108Bはインピーダンス整合が取られる。これにより線路108Bは安定した状態で信号を拾うことができる。なお、線路108Bに接続される抵抗R2は、送信アンテナ2で反射された信号成分が線路108Bで拾われたときにその信号成分を吸収し、送信アンテナ2より放射された信号のみのレベル検出をできるようにしている。
【0095】
またRF信号S3が信号路110を通つて送信アンテナ2に供給される場合には、RF信号S3が線路108Bを通るため、線路108Bには当然RF信号S3が現れる。信号レベル検出回路113はこの信号の電圧値を調べることにより信号路110を通つて送信アンテナ2に供給されるRF信号S3の信号レベルを検出する。
【0096】
因みに、方向性結合器には結合損失があるため第2の線路108Bに現れる信号の電圧値は必ずしも送信アンテナ端でのRF信号S3の信号レベルに等しくならないが、結合損失は一定であるためその分だけ電圧値にオフセツトを与えれば信号レベル検出回路113において容易に正確なRF信号S3の信号レベルを検出することがてきる。
またこのような信号レベル検出回路113を設けてRF信号S3の信号レベルを調べる理由は、増幅器112の自己発振や誤動作を検出することにより送信電力が所望値からずれてしまうことを防止するためである。特にCDMA(Code Division Multiple Access :符号分割多重)方式のセルラー電話システムでは送信電力が厳しく管理されており、そのためにもこのような信号レベル検出回路113を設けて送信電力を確認する必要がある。
【0097】
以上の構成において、この実施例の場合には、利得可変回路106に設けられた利得の異なる2つの信号路109、110を切り替えることにより利得調整を行う。具体的には、送信アンテナ端で要求されている信号レベルを調べ、電力増幅の必要があれば増幅器112を有する信号路109を選択し、電力増幅の必要がなければ増幅器のない単なる伝送線路でなる信号路110を選択する。その際、信号路109を選択したときだけ増幅器112を動作させる。これにより従来のように増幅器を常に動作させる必要がなくなり、不要な電力消費を抑制することができる。従つてこのような利得可変回路106によつて利得調整する送信回路105を用いれば、移動端末の電池寿命を延ばすことができ、通話時間を延ばすことができる。
また利得可変回路106の出力側の信号路切替スイツチ108として方向性結合器を用いたことにより、第3実施例と同様に、半導体スイツチを用いた場合に比べて信号路切替スイツチ108で発生する挿入損失を低減し得る。
【0098】
またこの利得可変回路106においては、信号路切替スイツチ108を形成する方向性結合器の線路108Bの一端をダイオードD1を介して信号レベル検出回路113に接続するようにしている。この利得可変回路106では、信号路切替スイツチ107を切り替えてRF信号S3を信号路109、方向性結合器の線路108Aを介して送信アンテナ2に供給したとき、方向性結合器の線路108BにはRF信号S3に応じた信号が現れる。また信号路切替スイツチ107を切り替えてRF信号S3を信号路110、方向性結合器の線路108B、線路108Aを順に介して送信アンテナ2に供給したとき、当然線路108BにはRF信号S3が現れる。従つて上述のように線路108Bの一端を信号レベル検出回路113に接続したことにより、信号レベル検出回路113では線路108Bに現れる信号の電圧値を取り込むことができ、当該電圧値に基づいて送信アンテナ端でのRF信号S3の信号レベルを容易に検出し得る。
【0099】
このように信号路切替スイツチ108を形成する方向性結合器の線路108Bを信号レベル検出回路113に接続するようにしたことにより、当該信号路切替スイツチ108をRF信号S3の信号レベルを検出する際に使用する信号抽出手段と共通化し得、これによつて別に信号抽出手段を設ける必要もなく、簡易な構成でRF信号S3の信号レベルを検出することができる。
【0100】
以上の構成によれば、増幅器のない単なる伝送線路でなる信号路110と増幅器112を有する信号路109とを切り替えることによつて利得調整するようにしたことにより、信号路109を選択したときだけ増幅器112を動作させることができ、これによつて従来のように常時増幅器を動作させる必要がなくなつて不要な電力消費を抑制することができる。
また利得可変回路106の出力側に設ける信号路切替スイツチ108として方向性結合器を用いたことにより、低挿入損失で信号路109、110を切り替えることができる。
また信号路切替スイツチ108を形成する方向性結合器の第2の線路108Bを信号レベル検出回路113に接続するようにしたことにより、当該信号路切替スイツチ108をRF信号S3の信号レベルを検出する際に使用する信号抽出手段と共通化し得、これによつて簡易な構成でRF信号S3の信号レベルを検出することができる。
【0101】
(2)受信回路
(2−1)第5実施例
まず図13を用いて受信回路の原理を説明する。本発明を適用した受信回路では、この図13に示すような利得可変手段120を用いることにより、不要な電力消費を抑制して利得調整を行うと共に、妨害波による受信感度の劣化を回避する。
この利得可変手段120は大きく分けて複数の入出力端子を有する第1及び第2の信号路選択手段121、122と、その第1及び第2の信号路選択手段121、122の端子間を接続する利得の異なる複数の信号路123〜126と、第1及び第2の信号路選択手段121、122の選択動作を制御する信号路制御手段127とによつて構成されている。
【0102】
まず第1の信号路選択手段121は少なくとも1つ以上の入力端子128と、複数の出力端子129と、制御端子130とを有し、制御端子130に供給される制御信号S30に応じて入力端子128と出力端子129との接続関係を切り替え得るようになされている。
また第2の信号路選択手段122は複数の入力端子131と、少なくとも1つ以上の出力端子132と、制御端子133とを有し、制御端子133に供給される制御信号S31に応じて入力端子131と出力端子132との接続関係を切り替え得るようになされている。
【0103】
信号路選択手段121の出力端子129と信号路選択手段122の入力端子131はそれぞれ利得の異なる信号路123〜126によつて接続されている。この場合、信号路123〜126にはそれぞれ利得の異なる信号増幅手段134〜137が介挿されており、これにより信号路毎に利得が異なるようになされている。
【0104】
信号路制御手段127は第1及び第2の信号路選択手段121、122の選択動作を制御するものであり、入力端子128に供給される信号レベルに応じてどの信号路(123〜126)を選択すれば良いか判断し、その判断結果に応じた制御信号S30、S31を出力して信号路選択手段121、122の選択動作を制御する。
【0105】
この場合具体的には、信号路制御手段127としては、図14に示すような制御手順を実行する。すなわちステツプSP40から入つたステツプSP41において、まず信号路選択手段121、122を制御して信号路123〜126のうち適当な信号路を設定する。次にステツプSP42において、その設定した信号路が有する利得値(G)を所定の記憶手段から読み出す。次にステツプSP43において、設定した信号路を介して出力端子132に出力される出力信号のレベル(C)を測定する。次にステツプSP44において、測定した信号レベル(C)と利得値(G)とを基に入力端子128に供給された入力信号のレベル(D)を求める。次にステツプSP45において、入力信号の信号レベル(D)に基づいて信号路123〜126のうち最適な信号路を選択する。すなわち入力信号を出力端子132で要求されているレベルにするために一番最適な信号路を選択する。次にこの選択した信号路をステツプSP41で設定し、以下、処理を繰り返す。
【0106】
このようにして利得可変手段120では、入力端子128に供給される信号レベルに応じて信号路123〜126を変えることにより全体として利得調整を行い、出力端子132に一定レベルの信号を供給する。この場合、信号増幅手段134〜137の利得値が固定値であるため、利得可変手段120では離散的な利得調整になる。しかしながら利得可変手段120では、各信号増幅手段134〜137の消費電力を利得値に応じて最適化しておくことができると共に、選択されない信号路に存在する信号増幅手段をオフするようにできるため、不要な電力消費を抑制することができる。
【0107】
また利得可変手段120では、各信号増幅手段134〜137の飽和レベルをそれぞれ異なるように設定できるため、受信帯域内に強い妨害波が存在したとしても飽和レベルを変えた信号路を適宜切り替えれば、飽和による受信感度の劣化を回避し得、耐妨害波特性を向上し得る。
【0108】
なお、複数の信号路123〜126のうち少なくとも1つ以上を信号増幅手段のない単なる伝送線路に置き換えたり、或いは複数の信号路123〜126のうち少なくとも1つ以上に対して信号増幅手段の代わりに減衰器を介挿するようにしても良い。このようにすれば、一段と大きな利得差を得ることができ、これによつて各素子の飽和レベルを妨害波レベルに対してさらに余裕を持たせることができ、耐妨害波特性が一段と向上する。またこの場合には、受動素子である減衰器や伝送線路ではそもそも電力消費が発生しないため、一段と不要な電力消費を抑制することができる。
【0109】
ここで図23との対応部分に同一符号を付して示す図15において、上述のような利得可変手段120を実際に組み込んだ受信回路を示す。この受信回路140では、利得可変回路141が上述の利得可変手段120に対応する。また利得可変回路141はRF周波数での利得調整を行う。
この利得可変回路141は大きく分けて信号路切替スイツチ142、143と、その信号路切替スイツチ142、143によつて切り替えられる利得の異なる信号路144、145と、信号路切替スイツチ142、143の切り替え動作を制御する信号路制御回路146とによつて構成されている。すなわち信号路切替スイツチ142、143が上述の信号路選択手段121、122に対応するものであり、信号路144、145が上述の信号路123〜126に対応するものであり、信号路制御回路146が上述の信号路制御手段127に対応するものである。
【0110】
この利得可変回路141の場合には、2つの信号路のうち一方の信号路144は増幅器を持たない単なる伝送線路によつて形成されており、他方の信号路145は増幅器147によつて例えば20〔dB〕の電力増幅を行えるようになされている。なお、信号路145に設けられている増幅器147は利得値に応じて消費電力が最適化されていると共に、飽和レベルも最適化されている。
【0111】
また信号路制御回路146は制御信号S30、S31を出力して信号路切替スイツチ142、143を切り替え、これによつて2つの信号路144、145のうち一方を選択する。この場合、信号路制御回路146は受信アンテナ端での信号レベルを調べることにより受信したRF信号S5に対して電力増幅が必要か否かを判断し、電力増幅が必要な場合には信号路145を選択し、電力増幅が不要な場合には信号路144を選択する。これによりRF信号S5の信号レベルが低い場合には増幅器147によつて電力増幅が行われ、信号レベルが十分高い場合には電力増幅が行われなくなる。
【0112】
このようにして利得可変回路141では、信号路(144、145)を切り替えることにより利得調整を行う。この場合、利得可変回路141では2つの利得状態を取り得る。1つは信号路144を選択した場合の0〔dB〕の状態であり、もう1つは信号路145を選択した場合の20〔dB〕の状態である。このことから明らかなように、RF段では離散的な利得調整になる。しかしながらIF段には連続的に利得調整のできる利得可変増幅器39が設けられており、この受信回路140では、この利得可変増幅器39によつて連続的に利得調整することによりRF段での離散的な利得調整を補うようにしている。すなわち受信回路140では、離散的な利得調整を行う利得可変回路141と連続的な利得調整を行う利得可変増幅器39の2つによつて最終的に所望の利得を得るようにしている。
【0113】
ここで信号路制御回路146の制御手順を図16に示すフローチヤートを用いて具体的に説明する。まずはじめにステツプSP50から入つたステツプSP51において、信号路切替スイツチ142、143を制御して2つの信号路のうち信号路145を設定すると共に、その信号路145に設けられた増幅器147をオン状態にする。次にステツプSP52において、その信号路145が有する利得値(G1)を所定の記憶手段から読み込む(すなわちこの場合には増幅器147の利得値を読み込む)。次にステツプSP53において、出力端子32に出力される信号レベルが所望値(C)になるように利得可変増幅器39を調整する。次にステツプSP54において、調整した利得可変増幅器39の利得値(G2)を読み込む。次にステツプSP55において、信号レベル(C)、信号路145の利得値(G1)及び利得可変増幅器39の利得値(G2)から受信したRF信号S5の信号レベル(D)を求める。具体的には、信号レベル(C)から信号路145の利得値(G1)及び利得可変増幅器39の利得値(G2)を差し引いて信号レベル(D)を求める。
【0114】
次にステツプSP56において、信号路を切り替える際の基準信号レベル(R)を所定の記憶手段から読み込む。そして次のステツプSP57において、読み込んだ基準信号レベル(R)と先程求めたRF信号S5の信号レベル(D)とを比較する。その結果、RF信号S5の信号レベル(D)が大きければ電力増幅不要のためステツプSP58に移行し、ここで信号路切替スイツチ142、143を制御して信号路144を設定すると共に、増幅器147をオフ状態に設定し、その後、ステツプSP52に戻つて処理を繰り返す。一方、RF信号S5の信号レベル(D)が小さければ電力増幅が必要であるためそのままステツプSP51に戻つて処理を繰り返す。なお、信号路144を設定した場合には、ステツプSP53で再び利得可変増幅器39を調整することにより、出力端子32で所望値の信号レベルが得られる。
このようにして信号路制御回路146はRF信号S5の信号レベル(D)を求め、その求めた信号レベル(D)を基に最適な信号路を選択して当該RF信号S5に対して利得調整を施し、出力端子32で所望の信号レベルが得られるようにしている。
【0115】
以上の構成において、この利得可変回路141の場合には、利得の異なる2つの信号路144、145を切り替えることにより利得調整を行う。具体的には、受信したRF信号S5の信号レベルを調べ、電力増幅の必要があれば増幅器147を有する信号路145を選択し、電力増幅の必要がなければ増幅器のない単なる伝送線路でなる信号路144を選択する。その際、信号路145を選択したときだけ増幅器147を動作させる。これにより従来のように増幅器を常に動作させる必要がなくなり、不要な電力消費を抑制することができる。従つてこのような利得可変回路141によつて利得調整する受信回路140を用いれば、移動端末の電池寿命を延ばすことができ、待ち受け時間や通話時間を延ばすことができる。
【0116】
また利得可変回路141では、RF信号S5が十分な信号レベルを有する場合、単なる伝送線路である信号路144を選択して電力増幅を施さない。このため受信帯域内に強い妨害波があつたとしても、妨害波によつて増幅器147が飽和することはなく、飽和による受信信号の抑圧を防げる。これにより利得可変回路141を用いれば、妨害波による受信感度の劣化を回避し得る。
【0117】
なお、利得可変回路141では、利得の異なる2つの信号路144、145を切り替えて利得調整を行つているため、離散的な利得調整になる。このためこの受信回路140では、IF段に設けられた利得可変増幅器39によつてこの離散的な利得変化を補い、全体として所望の利得変化を得ている。このように全体としての利得調整を利得可変回路141と利得可変増幅器39の2つで行うことにより、この受信回路140でも、各素子のダイナミツクレンジを軽減することができる。
【0118】
以上の構成によれば、増幅器のない単なる伝送線路でなる信号路144と増幅器147を有する信号路145とを切り替えることにより利得調整するようにしたことにより、信号路145を選択したときだけ増幅器147を動作させることができ、これによつて従来のように常時増幅器を動作させる必要がなくなつて不要な電力消費を抑制することができる。
またRF信号S5が十分な信号レベルを有する場合には、単なる伝送線路である信号路144を選択するため、妨害波による受信信号の抑圧を防ぐことができ、これにより妨害波による受信感度の劣化を回避し得る。
【0119】
(2−2)第6実施例
図24との対応部分に同一符号を付して示す図17において、第6実施例による受信回路149を示す。上述の第5実施例においては、利得可変回路141によつて単に利得だけを切り替えるようにした場合について述べたが、この実施例の場合には、利得可変回路によつて利得と共に帯域通過フイルタも切り替える。
【0120】
利得可変回路150は大きく分けて信号路切替スイツチ151、152及び153、154と、利得の異なる2つの信号路155、156と、通過帯域の異なる帯域通過フイルタ41、42及び45、46と、信号路切替スイツチ151、152及び153、154の切り替え動作を制御する信号路制御回路157とによつて構成されている。
【0121】
信号路切替スイツチ151は4つのスイツチ151A〜151Dを環状に接続した環状スイツチからなり、その4つの接続交点のうち対向する2つを入力端子とし、残り2つを出力端子とすることによつて1つのスイツチで入力端子と出力端子とを接続し得るようになされている。この場合、2つの入力端子にはそれぞれ帯域通過フイルタ41、42が接続され、2つの出力端子にはそれぞれ信号路155、156が接続されており、信号路切替スイツチ151は帯域通過フイルタ41、42と信号路155、156との接続を切り替える。
【0122】
また同様に、信号路切替スイツチ152も4つのスイツチ152A〜152Dを環状に接続した環状スイツチからなり、その4つの接続交点のうち対向する2つを入力端子とし、残り2つを出力端子とすることによつて1つのスイツチで入力端子と出力端子とを接続し得るようになされている。この場合、2つの入力端子にはそれぞれ信号路155、156が接続され、2つの出力端子にはそれぞれ帯域通過フイルタ45、46が接続されており、信号路切替スイツチ152は信号路155、156と帯域通過フイルタ45、46との接続を切り替える。
【0123】
一方、信号路切替スイツチ153は受信アンテナ31で受信したRF信号S5にかけるフイルタを切り替えるスイツチであり、帯域通過フイルタ41、42のうち一方を受信アンテナ31に接続する。また信号路切替スイツチ154は帯域通過フイルタ45又は帯域通過フイルタ46によつて帯域制限されたRF信号S5を周波数混合器37に供給するスイツチであり、帯域通過フイルタ45、46のうち一方を周波数混合器37に接続する。
【0124】
この実施例の場合にも、2つの信号路のうち一方の信号路155は増幅器を持たない単なる伝送線路によつて形成されており、他方の信号路156は増幅器158によつて例えば20〔dB〕の電力増幅を行えるようになされている。なお、この実施例の場合にも、信号路156に設けられている増幅器158は利得値に応じて消費電力が最適化されていると共に、飽和レベルも最適化されている。
【0125】
帯域通過フイルタ41、42はそれぞれ通過帯域が異なるフイルタであり、2つでRF信号S5の全帯域をカバーしている。同様に、帯域通過フイルタ45、46もそれぞれ通過帯域が異なるフイルタであり、2つでRF信号S5の全帯域をカバーしている。このように通過帯域を分割することにより、この受信回路149でも、低容積かつ低損失の帯域通過フイルタを実現している。
【0126】
信号路制御回路157は制御信号S40、S41を出力して信号路切替スイツチ151、152を切り替えると共に、制御信号S42、S43を出力して信号路切替スイツチ153、154を切り替える。この場合、信号路制御回路157は受信したRF信号S5の信号レベルを調べることにより当該RF信号S5に対して電力増幅が必要か否かを判断し、電力増幅が必要な場合には信号路156を選択し、電力増幅が不要な場合には信号路155を選択する。因みに、信号路155が選択された場合には、増幅器158は信号路制御回路157によつてオフ状態にさせられる。
また信号路制御回路157はRF信号S5の使用周波数を調べることよりどちらの帯域通過フイルタを使用したら良いかを判断し、その判断結果に基づいて信号路切替スイツチ151〜154を切り替える。
【0127】
なお、この実施例の場合も、信号路を選択することにより利得調整を施しているためRF段では離散的な利得調整になる。このため受信回路149では、IF段の利得可変増幅器39で連続的に利得調整することによりRF段での離散的な利得調整を補うようにしている。
【0128】
ここで信号路制御回路157の制御手順を図18に示すフローチヤートを用いて具体的に説明する。まずはじめにステツプSP60から入つたステツプSP61において、受信したRF信号S5の使用周波数(F)を調べる。次にステツプSP62において、帯域通過フイルタを切り替える際の基準周波数(FC )を所定の記憶手段から読み込む。次にステツプSP63において、RF信号S5の使用周波数(F)と基準周波数(FC )とを比較し、その結果、使用周波数(F)が小さければステツプSP64に移行し、使用周波数(F)が大きければステツプSP65に移行する。
【0129】
ステツプSP64では、制御信号S42を出力して信号路切替スイツチ153を帯域通過フイルタ41側に切り替えると共に、制御信号S43を出力して信号路切替スイツチ154を帯域通過フイルタ45側に切り替える。すなわち通過帯域が低い方の帯域通過フイルタ41、45を選択する。さらにステツプSP64では、制御信号S40を出力して信号路切替スイツチ151のスイツチ151Dをオンさせると共に、制御信号S41を出力して信号路切替スイツチ152のスイツチ152Bをオンさせ、さらに増幅器158を動作させて信号路156を設定する。
【0130】
次にステツプSP66において、信号路156の有する利得値(G1)を所定の記憶手段から読み込む。次にステツプSP67において、出力端子32に出力される信号レベルが所望値(C)になるように利得可変増幅器39を調整する。次にステツプSP68において、調整した利得可変増幅器39の利得値(G2)を読み込む。次にステツプSP69において、信号レベル(C)、信号路156の利得値(G1)及び利得可変増幅器39の利得値(G2)から受信したRF信号S5の信号レベル(D)を求める。具体的には、信号レベル(C)から信号路156の利得値(G1)及び利得可変増幅器39の利得値(G2)を差し引いて信号レベル(D)を求める。
【0131】
次にステツプSP70において、信号路を切り替える際の基準信号レベル(R)を所定の記憶手段から読み込む。そして次のステツプSP71において、読み込んだ基準信号レベル(R)と先程求めたRF信号S5の信号レベル(D)とを比較する。その結果、RF信号S5の信号レベル(D)が大きければ電力増幅不要のためステツプSP72に移行し、ここで制御信号S40、S41を出力してスイツチ151A、152Aをオンさせて信号路155を設定すると共に、増幅器158をオフ状態にし、その後、ステツプSP66に戻つて処理を繰り返す。一方、RF信号S5の信号レベル(D)が小さければ電力増幅が必要であるためそのままステツプSP64に戻つて処理を繰り返す。なお、信号路155を設定した場合には、ステツプSP67で再び利得可変増幅器39を調整することにより、出力端子32で所望値の信号レベルが得られる。
【0132】
これに対してステツプSP65では、制御信号S42を出力して信号路切替スイツチ153を帯域通過フイルタ42側に切り替えると共に、制御信号S43を出力して信号路切替スイツチ154を帯域通過フイルタ46側に切り替える。すなわち通過帯域が高い方の帯域通過フイルタ42、46を選択する。さらにステツプSP65では、制御信号S40を出力して信号路切替スイツチ151のスイツチ151Cをオンさせると共に、制御信号S41を出力して信号路切替スイツチ152のスイツチ152Cをオンさせ、さらに増幅器158を動作させて信号路156を設定する。
【0133】
次にステツプSP73において、信号路156の有する利得値(G1)を所定の記憶手段から読み込む。次にステツプSP74において、出力端子32に出力される信号レベルが所望値(C)になるように利得可変増幅器39を調整する。次にステツプSP75において、調整した利得可変増幅器39の利得値(G2)を読み込む。次にステツプSP76において、信号レベル(C)、信号路156の利得値(G1)及び利得可変増幅器39の利得値(G2)から受信したRF信号S5の信号レベル(D)を求める。具体的には、信号レベル(C)から信号路156の利得値(G1)及び利得可変増幅器39の利得値(G2)を差し引いて信号レベル(D)を求める。
【0134】
次にステツプSP77において、信号路を切り替える際の基準信号レベル(R)を所定の記憶手段から読み込む。そして次のステツプSP78において、読み込んだ基準信号レベル(R)と先程求めたRF信号S5の信号レベル(D)とを比較する。その結果、RF信号S5の信号レベル(D)が大きければ電力増幅不要のためステツプSP79に移行し、ここで制御信号S40、S41を出力してスイツチ151B、152Dをオンさせて信号路155を設定すると共に、増幅器158をオフ状態にし、その後、ステツプSP73に戻つて処理を繰り返す。一方、RF信号S5の信号レベル(D)が小さければ電力増幅が必要であるためそのままステツプSP65に戻つて処理を繰り返す。なお、信号路155を設定した場合には、ステツプSP74で再び利得可変増幅器39を調整することにより、出力端子32で所望値の信号レベルが得られる。
【0135】
このようにして信号路制御回路157は、RF信号S5の使用周波数に応じて帯域通過フイルタ(41、42、45、46)を切り替えると共に、RF信号S5の信号レベル(D)に応じて最適な信号路を選択して当該RF信号S5に対して利得調整を施し、出力端子32で所望の信号レベルが得られるようにしている。
【0136】
以上の構成において、この実施例の場合には、利得可変回路150によつて利得調整と共に帯域通過フイルタを切り替える。その際、利得可変回路150では、信号路制御回路157によつて信号路切替スイツチ151〜154のスイツチ状態を制御することにより利得調整と帯域通過フイルタの切り替えを同時に行う。
【0137】
ところでこの実施例の場合には、通過帯域特性の異なる2つの信号路(すなわち帯域通過フイルタ41を有する信号路と帯域通過フイルタ42を有する信号路)と、利得の異なる2つの信号路155、156との接続切り替えを環状スイツチからなる信号路切替スイツチ151で行つている。
このようにして環状スイツチからなる信号路切替スイツチ151によつて接続切り替えを行うと、信号路切替スイツチ151で発生する挿入損失を低減することができる。なぜなら環状スイツチの場合には、4つのスイツチ151A〜151Dのうち1つをオンさせれば信号路が切り替わるため、信号路中に介挿されるスイツチとしては1つになるからである。通常、入力側の2つの線路と出力側の2つの線路とを接続切り替えする場合には、2つのスイツチの組み合わせで行うのが一般的である。しかしその場合には、信号路中に介挿されるスイツチは2つになり、挿入損失が大きくなつてしまう。ところがこの実施例のように環状スイツチを用いた場合には、信号路中に介挿されるスイツチは1つになるため挿入損失を低減することができる。
【0138】
またこの実施例の場合には、利得の異なる2つの信号路155、156と、通過帯域の異なる2つの信号路(すなわち帯域通過フイルタ45を有する信号路と帯域通過フイルタ46を有する信号路)との接続切り替えを環状スイツチからなる信号路切替スイツチ152で行つているが、同様の理由により、この部分でも挿入損失を低減することができる。
【0139】
なお、この実施例の場合にも、信号路156を選択した場合にだけ増幅器158を動作させるため無駄な電力消費を抑えることができると共に、RF信号S5が十分な信号レベルを有する場合には単なる伝送線路である信号路155を選択するため受信帯域内に妨害波があつたとしても増幅器158の飽和を避けて妨害波による受信感度の劣化を回避し得る。またこの実施例の場合にも、利得可変回路150と利得可変増幅器39の2つで全体の利得調整を行つているため各素子のダイナミツクレンジを軽減できる。
【0140】
以上の構成によれば、信号路の切り替えに対して環状スイツチからなる信号路切替スイツチ151、152を用いるようにしたことにより、通過帯域特性の異なる信号路と利得の異なる信号路155、156との接続を低挿入損失で同時に切り替えることができる。
【0141】
(2−3)第7実施例
図19において、160は全体として第7実施例による受信回路を示し、この受信回路160の場合には、利得可変回路161を用いることにより不要な電力消費を抑制して利得調整を行う。
まず受信アンテナ31によつて受信されたレベル変動を有するRF信号S5は利得可変回路161に入力される。利得可変回路161は、RF信号S5を増幅する必要がある場合には所定の利得値を有する信号路を通過させ、増幅する必要がない場合には単なる伝送線路を通過させることにより、当該RF信号S5を所望の信号レベルに利得調整する。
【0142】
利得可変回路161によつて利得調整されたRF信号S5はRFドライバ回路162に入力され、ここで所定の信号処理が施された後、周波数混合器37に入力される。因みに、RFドライバ回路162は帯域通過フイルタやバツフアアンプ回路等からなり、RF信号S5から不要な周波数成分を除去すると共に、当該RF信号S5を周波数混合器37に渡す際のインピーダンス調整等を行う。
周波数混合器37はローカル信号S6を用いてRF信号S5を低周波のIF信号S7に周波数変換する。このIF信号S7は可変利得増幅器39に入力され、ここで最終的に所望の値に利得調整された後、出力端子32に出力される。
【0143】
ここで利得可変回路161は、大きく分けて信号路切替スイツチ163、164と、その信号路切替スイツチ163、164によつて切り替えられる利得の異なる信号路165、166と、信号路切替スイツチ163、164の切り替え動作を制御する信号路制御回路167とによつて構成されている。
この利得可変回路161の場合には、2つの信号路のうち一方の信号路166は増幅器を持たない単なる伝送線路によつて形成されており、他方の信号路165は増幅器168によつて電力増幅を行えるようになされている。
【0144】
信号路切替スイツチ163は、いわゆる平行二線路(163A、163B)からなる方向性結合器によつて形成されるスイツチであり、受信アンテナ31によつて受信されたRF信号S5を信号路165、166に出力する。具体的には、信号路切替スイツチ163においては、第1の線路163Aの一端に受信アンテナ31が接続され、その他端には信号路165の増幅器168が接続されており、これにより受信アンテナ31で受信されたRF信号S5は当該第1の線路163Aを通つて信号路165に供給される。また第2の線路163Bの一端には信号路166が接続され、その他端には第2の線路163Bの特性インピーダンスと等価の抵抗R10が接続されており、これによりRF信号S5は平行二線路の線路間結合によつて第2の線路163Bに拾われて信号路166に供給される。一方、信号路切替スイツチ164は、いわゆる半導体スイツチによつて形成されるスイツチであり、信号路165又は166を通過してきたRF信号S5をRFドライバ回路162に供給するものである。
【0145】
信号路制御回路167は制御信号S50を信号路切替スイツチ164に出力することにより当該信号路切替スイツチ164の接続関係を切り替え、これによつて2つの信号路165、166のうち一方を選択する。具体的には、信号路制御回路167は受信アンテナ端での信号レベルを調べることにより受信したRF信号S5に対して電力増幅が必要か否かを判断し、電力増幅が必要な場合には信号路165を選択し、電力増幅が不要な場合には信号路166を選択する。これによりRF信号S5の信号レベルが低い場合には信号路165の増幅器168によつて電力増幅が行われ、信号レベルが十分高い場合には電力増幅が行われなくなる。なお、信号路166が選択された場合には、信号路165の増幅器168は信号路制御回路167によつてオフ状態にさせられる。
【0146】
因みに、この実施例の場合も、信号路(165、166)を選択することにより利得調整を施しているためRF段では離散的な利得調整になる。このため受信回路160では、IF段の利得可変増幅器39で連続的に利得調整することによりRF段での離散的な利得調整を補うようにしている。
【0147】
以上の構成において、利得可変回路161の場合には、受信したRF信号S5の信号レベルを調べ、電力増幅の必要があれば増幅器168を有する信号路165を選択し、電力増幅の必要がなければ増幅器のない単なる伝送線路でなる信号路166を選択することにより、利得調整を行う。その際、信号路165を選択したときだけ増幅器168を動作させる。これにより従来のように増幅器を常に動作させる必要がなくなり、不要な電力消費を抑制することができる。従つてこのような利得可変回路161によつて利得調整する受信回路160を用いれば、移動端末の電池寿命を延ばすことができ、待ち受け時間や通話時間を延ばすことができる。
また利得可変回路161では、RF信号S5が十分な信号レベルを有する場合、単なる伝送線路である信号路166を選択して電力増幅を施さないため、受信帯域内に強い妨害波があつたとしても妨害波によつて増幅器168が飽和することはなく、飽和による受信信号の抑圧を防げる。これにより利得可変回路161を用いれば、妨害波による受信感度の劣化を回避し得る。
【0148】
また利得可変回路161では、信号路切替スイツチ163として半導体スイツチではなく、方向性結合器を用いたことにより、信号路切替スイツチ163で発生する挿入損失を低減し得る。具体的には、一般に半導体スイツチの場合には挿入損失が 0.6〔dB〕程度、方向性結合器の場合には挿入損失が 0.1〔dB〕であり、その差分( 0.5〔dB〕=約10%)だけ挿入損失を低減することができる。
【0149】
以上の構成によれば、増幅器のない単なる伝送線路からなる信号路166と増幅器168を有する信号路165とを切り替えることにより利得調整するようにしたことにより、信号路165を選択したときだけ増幅器168を動作させることができ、これによつて従来のように常時増幅器を動作させる必要がなくなつて不要な電力消費を抑制することができる。
また信号路切替スイツチ163として方向性結合器を用いたことにより、利得可変回路161における挿入損失を小さくし得る。
【0150】
(2−4)第8実施例
図19との対応部分に同一符号を付して示す図20において、170は全体として第8実施例による受信回路を示し、この実施例の場合にも、利得可変回路171によつて利得の異なる信号路を切り替えることによりRF信号S5の利得調整を行う。
【0151】
まず利得可変回路171は大きく分けて信号路切替スイツチ172、173と、利得の異なる2つの信号路174、175と、信号路切替スイツチ173の切り替え動作を制御する信号路制御回路176とによつて構成されている。
この利得可変回路171では、2つの信号路のうち一方の信号路175は増幅器を持たない単なる伝送線路によつて形成されており、他方の信号路174は増幅器(PA)177によつて電力増幅が行えるようになされている。なお、信号路174に設けられた増幅器177の消費電力は利得値に応じて最適化されている。
【0152】
信号路切替スイツチ172は、第7実施例の場合と同様に、平行二線路(172A、172B)からなる方向性結合器によつて形成され、受信アンテナ31によつて受信されたRF信号S5を信号路174、175に出力する。具体的には、信号路切替スイツチ172においては、第1の線路172Aの一端に受信アンテナ31が接続され、その他端には信号路174の増幅器177が接続されており、これによつて受信アンテナ31で受信されたRF信号S5は当該第1の線路172Aを通つて信号路174に供給される。また第2の線路172Bの一端には信号路175が接続され、その他端には第2の線路172Bの特性インピーダンスと等価の抵抗R11が接続されており、これによりRF信号S5は平行二線路の線路間結合によつて第2の線路172Bに拾われて信号路175に供給される。
一方、信号路切替スイツチ173は2つの半導体スイツチ173A、173Bを組み合わせた4端子のスイツチによつて形成されており、一方の半導体スイツチ173Aは信号路174とRFドライバ回路162との接続を切り替え、他方の半導体スイツチ173Bは信号路175とRFドライバ回路162との接続を切り替えるようになされている。因みに、半導体スイツチ173Bは信号路175をRFドライバ回路162に接続しなかつた場合に当該信号路175を抵抗R12に接続するようになされている。
【0153】
信号路制御回路176は制御信号S51を信号路切替スイツチ173に出力することにより当該信号路切替スイツチ173の接続関係を制御する。具体的には、信号路制御回路176は受信アンテナ端での信号レベルを調べることにより受信したRF信号S5に対して電力増幅が必要か否かを判断し、電力増幅が必要な場合には信号路174を選択し、電力増幅が不要な場合には信号路175を選択する。これによりRF信号S5の信号レベルが低い場合には信号路174の増幅器177によつて電力増幅が行われ、信号レベルが十分高い場合には電力増幅が行われなくなる。なお、信号路175が選択された場合には、信号路174の増幅器177は信号路制御回路176によつてオフ状態にさせられる。
【0154】
ところで信号路切替スイツチ172の第2の線路172Bの一端はダイオードD2を介して信号レベル検出回路178に接続されており、これによつて第2の線路172Bに現れる信号の電圧値を信号レベル検出回路178で取り込めるようになつている。信号レベル検出回路178は受信アンテナ31で受信されたRF信号S5の信号レベルを検出する回路であり、第2の線路172Bに現れる信号の電圧値を基にRF信号S5の信号レベルを検出する。
【0155】
例えばRF信号S5を信号路174及び半導体スイツチ173Aを介してRFドライバ回路162に供給する場合、方向性結合器の線路間結合により線路172BにはRF信号S5に応じた信号が現れる。信号レベル検出回路178はこの信号の電圧値を調べることにより受信されたRF信号S5の信号レベルを検出する。因みに、このとき線路172Bの一端が半導体スイツチ173Bを介して当該線路172Bの特性インピーダンスと等価の抵抗R12に接続されることにより、線路172Bはインピーダンス整合が取られる。これにより線路172Bは安定した状態で信号を拾うことができる。
またRF信号S5を信号路175及び半導体スイツチ173Bを介してRFドライバ回路162に供給する場合、RF信号S5は線路間結合によつて線路172Bに拾われ、これによつてRFドライバ回路162に供給される。従つて線路172Bには当然RF信号S5が現れる。信号レベル検出回路178はこの信号の電圧値を調べることにより受信されたRF信号S5の信号レベルを検出する。
【0156】
因みに、方向性結合器には結合損失があるため線路172Bに現れる信号の電圧値は必ずしも受信アンテナ端でのRF信号S5の信号レベルと等しくならないが、結合損失は一定であるためその分だけ電圧値にオフセツトを与えれば信号レベル検出回路178において容易に正確なRF信号S5の信号レベルを検出することができる。
このようにして信号レベル検出回路178によつて検出されたRF信号S5の信号レベルの情報は信号路制御回路176に供給される。これにより信号路制御回路176では、上述したようにRF信号S5の信号レベルに応じて信号路切替スイツチ173の切り替え動作を制御し得る。
【0157】
以上の構成において、利得可変回路171の場合には、受信したRF信号S5の信号レベルを調べ、電力増幅の必要があれば増幅器177を有する信号路174を選択し、電力増幅の必要がなければ増幅器のない単なる伝送線路でなる信号路175を選択することにより、利得調整を行う。その際、信号路174を選択したときだけ増幅器177を動作させる。これにより従来のように増幅器を常に動作させる必要がなくなり、不要な電力消費を抑制することができる。従つてこのような利得可変回路171によつて利得調整する受信回路170を用いれば、移動端末の電池寿命を延ばすことができ、待ち受け時間や通話時間を延ばすことができる。
また利得可変回路171では、第7実施例と同様に、RF信号S5の信号レベルが十分なとき信号路175を選択して電力増幅を施さないため、受信帯域内に強い妨害波があつたとしても妨害波によつて増幅器177が飽和することはなく、飽和による受信信号の抑圧を防げる。これにより利得可変回路171を用いれば、妨害波による受信感度の劣化を回避し得る。
【0158】
また利得可変回路171では、第7実施例と同様に、信号路切替スイツチ172として半導体スイツチではなく、方向性結合器を用いたことにより、信号路切替スイツチ172で発生する挿入損失を低減し得る。
また信号路切替スイツチ172を形成する方向性結合器の第2の線路172BをダイオードD2を介して信号レベル検出回路178に接続するようにしたことにより、信号レベル検出回路178では第2の線路172Bに現れる信号を取り込んでその電圧値を調べることができ、これによつてRF信号S5の信号レベルを容易に検出することができる。従つてこの利得可変回路171では、信号路切替スイツチ172をRF信号S5の信号レベルを検出する際に使用する信号抽出手段と共通化し得、これによつて別に信号抽出手段を設ける必要もなく、簡易な構成でRF信号S5の信号レベルを検出することができる。
【0159】
以上の構成によれば、増幅器のない単なる伝送線路からなる信号路175と増幅器177を有する信号路174とを切り替えることによつて利得調整するようにしたことにより、信号路174を選択したときだけ増幅器177を動作させることができ、これによつて従来のように常時増幅器を動作させる必要がなくなつて不要な電力消費を抑制することができる。
また利得可変回路171の信号路切替スイツチ172として方向性結合器を用いたことにより、低挿入損失で信号路174、175を切り替えることができる。
また信号路切替スイツチ172を形成する方向性結合器の第2の線路172Bを信号レベル検出回路178に接続するようにしたことにより、当該信号路切替スイツチ172をRF信号S5の信号レベルを検出する際に使用する信号抽出手段と共通化し得、これによつて簡易な構成でRF信号S5の信号レベルを検出することができる。
【0160】
(3)他の実施例
なお上述の第1、第2、第3及び第4実施例においては、増幅器77、88、98又は112を用いて信号路の利得を変えたり、単なる伝送線路を組み合わせることにより信号路の利得を変えた場合について述べたが、本発明はこれに限らず、減衰器を用いて信号路の利得を変えるようにしても良い。この場合、受動素子である減衰器自体には電力消費がないため、不要な電力消費を抑えるという点においては、一段と大きな効果が得られる。
【0161】
また上述の第1、第2、第3及び第4実施例においては、利得可変回路71、80、91又は106を用いてRF周波数の信号(すなわちRF信号S3)に対して利得調整を施した場合について述べたが、本発明はこれに限らず、利得可変回路71、80、91又は106を用いてIF周波数の信号(すなわちIF信号S1)に対して利得調整を施すようにしても良い。因みに、組み合わせを考えると、利得可変回路71、80、91又は106を周波数混合器の前段及び後段に設け、第1及び第2の周波数の信号に対して利得調整する場合と、利得可変回路71、80、91又は106を周波数混合器の前段又は後段のいずれか一方に設け、第1の周波数の信号に対しては当該利得可変回路71、80、91又は106を用いて利得調整し、第2の周波数の信号に対しては所定の利得可変増幅器によつて利得調整する場合とが考えられる。
【0162】
また上述の第1、第2、第3及び第4実施例においては、単に複数の信号路の利得を変えた場合について述べたが、本発明はこれに限らず、信号路内に遅延素子を設け、信号路間の信号遅延差を等化するようにしても良い。このようにすれば、利得可変回路で信号遅延差も同時に等化することができる。
【0163】
また上述の第2実施例においては、利得可変回路80の入力側と出力側の両方に通過帯域フイルタを有する信号路と信号路切替スイツチとを設けた場合について述べたが、本発明はこれに限らず、利得可変回路の入力側と出力側のいずれか一方にだけ通過帯域フイルタを有する信号路と信号路切替スイツチとを設けるようにしても良い。因みに、このように構成した場合には、第3及び第4実施例に合わせて利得可変回路の最も出力側にある信号路切替スイツチを方向性結合器で形成するようにしても良い。
【0164】
また上述の第3及び第4実施例においては、利得可変回路91、106の最も出力側にある信号路切替スイツチ94、108に方向性結合器を用いた場合について述べたが、本発明はこれに限らず、第1及び2実施例において利得可変回路71、80の最も出力側にある信号路切替スイツチ73、84に方向性結合器を用いるようにしても良い。このようにすれば信号路切替スイツチ73、84で発生する挿入損失を低減し得ると共に、信号路切替スイツチ73、84を信号レベル検出時の信号抽出手段と共通化し得る。
【0165】
また上述の第5、第6、第7及び第8実施例においては、増幅器147、158、168又は177を用いて信号路の利得を変えたり、単なる伝送線路を組み合わせることにより信号路の利得を変えた場合について述べたが、本発明はこれに限らず、減衰器を用いて信号路の利得を変えるようにしても良い。この場合、受動素子である減衰器自体には電力消費がないため、不要な電力消費を抑えるという点においては、一段と大きな効果を得られる。
【0166】
また上述の第5、第6、第7及び第8実施例においては、利得可変回路141、150、161又は171を用いてRF周波数の信号(すなわちRF信号S5)に対して利得調整を施した場合について述べたが、本発明はこれに限らず、利得可変回路141、150、161又は171を用いてIF周波数の信号(すなわちIF信号S7)に対して利得調整を施すようにしても良い。因みに、組み合わせを考えると、利得可変回路141、150、161又は171を周波数混合器の前段及び後段に設け、第1及び第2の周波数の信号に対して利得調整する場合と、利得可変回路141、150、161又は171を周波数混合器の前段又は後段のいずれか一方に設け、第1の周波数の信号に対しては当該利得可変回路141、150、161又は171を用いて利得調整し、第2の周波数の信号に対しては所定の利得可変増幅器によつて利得調整する場合とが考えられる。
【0167】
また上述の第5、第6、第7及び第8実施例においては、単に複数の信号路の利得を変えた場合について述べたが、本発明はこれに限らず、信号路内に遅延素子を設け、信号路間の信号遅延差を等化するようにしても良い。このようにすれば、利得可変回路で信号遅延差も同時に等化することができる。
【0168】
また上述の第6実施例においては、利得可変回路150の入力側と出力側の両方に通過帯域フイルタを有する信号路と信号路切替スイツチとを設けた場合について述べたが、本発明はこれに限らず、利得可変回路の入力側と出力側のいずれか一方にだけ通過帯域フイルタを有する信号路と信号路切替スイツチとを設けるようにしても良い。因みに、このように構成した場合には、第7及び第8実施例に合わせて利得可変回路の最も入力側にある信号路切替スイツチを方向性結合器で形成するようにしても良い。
【0169】
さらに上述の第7及び第8実施例においては、利得可変回路161、171の最も入力側にある信号路切替スイツチ163、172に方向性結合器を用いた場合について述べたが、本発明はこれに限らず、第5及び第6実施例において利得可変回路141、150の最も入力側にある信号路切替スイツチ142、153に方向性結合器を用いるようにしても良い。このようにすれば信号路切替スイツチ142、153で発生する挿入損失を低減し得ると共に、信号路切替スイツチ142、153を信号レベル検出時の信号抽出手段と共通化し得る。
【0170】
【発明の効果】
上述のように本発明によれば、信号利得調整手段によつてそれぞれ異なる利得を有する複数の信号路のうち最適な信号路を選択して入力端子に供給される送信信号に対して利得調整を施すようにしたことにより、各信号利得調整手段の消費電力を利得値に応じて最適化できると共に、選択されない信号路中の信号増幅手段を動作させないようにでき、これによつて不要な電力消費を抑制できる。
【0171】
また本発明によれば、信号利得調整手段によつてそれぞれ異なる利得を有する複数の信号路のうち最適な信号路を選択して入力端子に供給される受信信号に対して利得調整を施すようにしたことにより、各信号利得調整手段の消費電力を利得値に応じて最適化できると共に、選択されない信号路中の信号利得調整手段を動作させないようにでき、これによつて不要な電力消費を抑制できる。また受信信号が十分な信号レベルを有する場合には利得の低い信号路が選択されるため、受信帯域内で強い妨害波があつたとしても妨害波による信号増幅手段の飽和を未然に防いで受信信号の抑圧を防ぐことができ、これによつて妨害波による受信感度の劣化を回避し得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の原理の説明に供する送信回路の利得可変手段を示すブロツク図である。
【図2】利得可変手段の信号路制御手段の制御手順を示すフローチヤートである。
【図3】第1実施例による送信回路を示すブロツク図である。
【図4】第1実施例の信号路制御回路の制御手順を示すフローチヤートである。
【図5】第2実施例による送信回路を示すブロツク図である。
【図6】第2実施例の信号路制御回路の制御手順を示すフローチヤートである。
【図7】第3実施例による送信回路を示すブロツク図である。
【図8】方向性結合器の動作の説明に供するブロツク図である。
【図9】第3実施例の送信回路によるダイナミツクレンジの一例を示す特性曲線図である。
【図10】ダイナミツクレンジの比較説明に供する従来の場合のダイナミツクレンジの一例を示す特性曲線図である。
【図11】ダイナミツクレンジの比較説明に供する第1実施例の場合のダイナミツクレンジの一例を示す特性曲線図である。
【図12】第4実施例による送信回路を示すブロツク図である。
【図13】本発明の原理の説明に供する受信回路の利得可変手段を示すブロツク図である。
【図14】利得可変手段の信号路制御手段の制御手順を示すフローチヤートである。
【図15】第5実施例による受信回路を示すブロツク図である。
【図16】第5実施例の信号路制御回路の制御手順を示すフローチヤートである。
【図17】第6実施例による受信回路を示すブロツク図である。
【図18】第6実施例の信号路制御回路の制御手順を示すフローチヤートである。
【図19】第7実施例による受信回路を示すブロツク図である。
【図20】第8実施例による受信回路を示すブロツク図である。
【図21】従来の送信回路を示すブロツク図である。
【図22】帯域通過フイルタを分けた従来の送信回路を示すブロツク図である。
【図23】従来の受信回路を示すブロツク図である。
【図24】帯域通過フイルタを分けた従来の受信回路を示すブロツク図である。
【符号の説明】
1、20、70、79、90、105……送信回路、30、40、140、149、160、170……受信回路、50、120……利得可変手段、51、52、121、122……信号路選択手段、53〜56、74、75、85、86、95、96、109、110、123〜126、144、145、155、156、165、166、174、175……信号路、57、127……信号路制御手段、71、80、91、106、141、150、161、171……利得可変回路、72、73、81〜84、93、94、107、108、142、143、151〜154、163、164、172、173……信号路切替スイツチ、76、87、97、111、146、157、167、176……信号路制御回路。

Claims (13)

  1. 利得可変手段を有し、当該利得可変手段によつて送信信号に対して利得調整する送信装置において、
    上記利得可変手段は、
    複数の入力端子と、複数の出力端子と、当該入力端子と出力端子との接続関係を切り替えるための制御端子とを有する第1の信号路選択手段と、
    複数の入力端子と、少なくとも1つ以上の出力端子と、当該入力端子と出力端子との接続関係を切り替えるための制御端子とを有する第2の信号路選択手段と、
    少なくとも1つ以上の入力端子と、複数の出力端子と、当該入力端子と出力端子との接続関係を切り替えるための制御端子とを有する第3の信号路選択手段と、
    上記第1の信号路選択手段の複数の出力端子と上記第2の信号路選択手段の複数の入力端子とを一対一で接続し、かつ信号利得調整手段によつてそれぞれ異なる利得を有する複数の第1の信号路と、
    上記第3の信号路選択手段の複数の出力端子と上記第1の信号路選択手段の複数の入力端子とを一対一で接続し、かつフイルタ手段によつてそれぞれ異なる通過帯域特性を有する複数の第2の信号路と、
    上記第1、第2及び第3の信号路選択手段の制御端子に制御信号を与えることにより、当該第1、第2及び第3の信号路選択手段内の接続関係を切り替え制御する信号路制御手段と
    を具え、上記信号路制御手段によつて上記第1及び第2の信号路のうち最適な信号路を選択することにより上記第3の信号路選択手段の入力端子に供給される送信信号に対して利得調整を施すと共に、通過帯域を切り替えるようにした
    ことを特徴とする送信装置。
  2. 利得可変手段を有し、当該利得可変手段によつて送信信号に対して利得調整する送信装置において、
    上記利得可変手段は、
    少なくとも1つ以上の入力端子と、複数の出力端子と、当該入力端子と出力端子との接続関係を切り替えるための制御端子とを有する第1の信号路選択手段と、
    複数の入力端子と、複数の出力端子と、当該入力端子と出力端子との接続関係を切り替えるための制御端子とを有する第2の信号路選択手段と、
    複数の入力端子と、少なくとも1つ以上の出力端子と、当該入力端子と出力端子との接続関係を切り替えるための制御端子とを有する第3の信号路選択手段と、
    上記第1の信号路選択手段の複数の出力端子と上記第2の信号路選択手段の複数の入力端子とを一対一で接続し、かつ信号利得調整手段によつてそれぞれ異なる利得を有する複数の第1の信号路と、
    上記第2の信号路選択手段の複数の出力端子と上記第3の信号路選択手段の複数の入力端子とを一対一で接続し、かつフイルタ手段によつてそれぞれ異なる通過帯域特性を有する複数の第2の信号路と、
    上記第1、第2及び第3の信号路選択手段の制御端子に制御信号を与えることにより、当該第1、第2及び第3の信号路選択手段内の接続関係を切り替え制御する信号路制御手段と
    を具え、上記信号路制御手段によつて上記第1及び第2の信号路のうち最適な信号路を選択することにより上記第1の信号路選択手段の入力端子に供給される送信信号に対して利得調整を施すと共に、通過帯域を切り替えるようにした
    ことを特徴とする送信装置。
  3. 上記複数の第1の信号路のうち、少なくとも1つ以上の信号路に対して信号利得調整手段を持たない単なる伝送線路を用いるようにした
    ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の送信装置。
  4. 上記複数の第1の信号路のうち、少なくとも1つ以上の信号路に対して減衰器で利得を変えた信号路を用いるようにした
    ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の送信装置。
  5. 上記第1、第2及び第3の信号路選択手段は、
    入出力端子数が共に「2」のとき、4つのスイツチを環状に接続した環状スイツチからなり、4つの接続交点のうち対向する2つを上記入力端子とし、残り2つを上記出力端子とすることによつて1つのスイツチで当該入力端子と出力端子とを接続するようにした
    ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の送信装置。
  6. 上記信号路制御手段は、選択されなかった信号路における信号利得調整手段を動作させないようにした
    ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の送信装置。
  7. 利得可変手段を有し、当該利得可変手段によつて受信信号に対して利得調整する受信装置において、
    上記利得可変手段は、
    複数の入力端子と、複数の出力端子と、当該入力端子と出力端子との接続関係を切り替えるための制御端子とを有する第1の信号路選択手段と、
    複数の入力端子と、少なくとも1つ以上の出力端子と、当該入力端子と出力端子との接続関係を切り替えるための制御端子とを有する第2の信号路選択手段と、
    少なくとも1つ以上の入力端子と、複数の出力端子と、当該入力端子と出力端子との接続関係を切り替えるための制御端子とを有する第3の信号路選択手段と、
    上記第1の信号路選択手段の複数の出力端子と上記第2の信号路選択手段の複数の入力端子とを一対一で接続し、かつ信号利得調整手段によつてそれぞれ異なる利得を有する複数の第1の信号路と、
    上記第3の信号路選択手段の複数の出力端子と上記第1の信号路選択手段の複数の入力端子とを一対一で接続し、かつフイルタ手段によつてそれぞれ異なる通過帯域特性を有する複数の第2の信号路と、
    上記第1、第2及び第3の信号路選択手段の制御端子に制御信号を与えることにより、当該第1、第2及び第3の信号路選択手段内の接続関係を切り替え制御する信号路制御手段と
    を具え、上記信号路制御手段によつて上記第1及び第2の信号路のうち最適な信号路を選択することにより上記第3の信号路選択手段の入力端子に供給される受信信号に対して利得調整を施すと共に、通過帯域を切り替えるようにした
    ことを特徴とする受信装置。
  8. 利得可変手段を有し、当該利得可変手段によつて受信信号に対して利得調整する受信装置において、
    上記利得可変手段は、
    少なくとも1つ以上の入力端子と、複数の出力端子と、当該入力端子と出力端子との接続関係を切り替えるための制御端子とを有する第1の信号路選択手段と、
    複数の入力端子と、複数の出力端子と、当該入力端子と出力端子との接続関係を切り替えるための制御端子とを有する第2の信号路選択手段と、
    複数の入力端子と、少なくとも1つ以上の出力端子と、当該入力端子と出力端子との接続関係を切り替えるための制御端子とを有する第3の信号路選択手段と、
    上記第1の信号路選択手段の複数の出力端子と上記第2の信号路選択手段の複数の入力端子とを一対一で接続し、かつ信号利得調整手段によつてそれぞれ異なる利得を有する複数の第1の信号路と、
    上記第2の信号路選択手段の複数の出力端子と上記第3の信号路選択手段の複数の入力端子とを一対一で接続し、かつフイルタ手段によつてそれぞれ異なる通過帯域特性を有する複数の第2の信号路と、
    上記第1、第2及び第3の信号路選択手段の制御端子に制御信号を与えることにより、当該第1、第2及び第3の信号路選択手段内の接続関係を切り替え制御する信号路制御手段と
    を具え、上記信号路制御手段によつて上記第1及び第2の信号路のうち最適な信号路を選択することにより上記第1の信号路選択手段の入力端子に供給される受信信号に対して利得調整を施すと共に、通過帯域を切り替えるようにした
    ことを特徴とする受信装置。
  9. 上記複数の第1の信号路のうち、少なくとも1つ以上の信号路に対して信号利得調整手段を持たない単なる伝送線路を用いるようにした
    ことを特徴とする請求項又は請求項に記載の受信装置。
  10. 上記複数の第1の信号路のうち、少なくとも1つ以上の信号路に対して減衰器で利得を変えた信号路を用いるようにした
    ことを特徴とする請求項又は請求項に記載の受信装置。
  11. 上記第1、第2及び第3の信号路選択手段は、
    入出力端子数が共に「2」のとき、4つのスイツチを環状に接続した環状スイツチからなり、4つの接続交点のうち対向する2つを上記入力端子とし、残り2つを上記出力端子とすることによつて1つのスイツチで当該入力端子と出力端子とを接続するようにした
    ことを特徴とする請求項又は請求項に記載の受信装置。
  12. 上記第1及び又は第2の信号路に遅延素子を設け、信号路間の信号遅延差を等化するようにした
    ことを特徴とする請求項又は請求項に記載の受信装置。
  13. 上記信号路制御手段は、選択されなかった信号路における信号利得調整手段を動作させないようにした
    ことを特徴とする請求項又は請求項に記載の受信装置。
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