JPH09130275A - 送信装置及び送信信号の利得調整方法並びに受信装置及び受信信号の利得調整方法 - Google Patents

送信装置及び送信信号の利得調整方法並びに受信装置及び受信信号の利得調整方法

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JPH09130275A
JPH09130275A JP8184172A JP18417296A JPH09130275A JP H09130275 A JPH09130275 A JP H09130275A JP 8184172 A JP8184172 A JP 8184172A JP 18417296 A JP18417296 A JP 18417296A JP H09130275 A JPH09130275 A JP H09130275A
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Atsushi Yoshizawa
淳 吉澤
Tomoya Yamaura
智也 山浦
Norio Orimo
紀雄 下茂
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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は送信装置に関し、無駄な電力消費を抑
制し得るようにする。 【解決手段】信号増幅手段(64〜67)によつてそれ
ぞれ異なる利得を有する複数の信号路(53〜56)の
うち最適な信号路を選択することにより入力端子(5
8)に供給される送信信号に対して利得調整を施すよう
にしたことにより、各信号増幅手段の消費電力を利得値
に応じて最適化できると共に、選択されない信号路中の
信号増幅手段を動作させないようにでき、これによつて
不要な電力消費を抑制できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【目次】以下の順序で本発明を説明する。 発明の属する技術分野 従来の技術(図21〜図24) 発明が解決しようとする課題 課題を解決するための手段 発明の実施の形態 (1)送信回路 (1−1)第1実施例(図1〜図4) (1−2)第2実施例(図5及び図6) (1−3)第3実施例(図7〜図11) (1−4)第4実施例(図12) (2)受信回路 (2−1)第5実施例(図13〜図16) (2−2)第6実施例(図17及び図18) (2−3)第7実施例(図19) (2−4)第8実施例(図20) (3)他の実施例 発明の効果
【0002】
【発明の属する技術分野】本発明は送信装置及び送信信
号の利得調整方法並びに受信装置及び受信信号の利得調
整方法に関し、例えばセルラー電話等の移動無線通信シ
ステムに適用して好適なものである。
【0003】
【従来の技術】従来、この種の移動無線通信システムに
おいては、移動端末と基地局との間で無線回線を接続す
ることにより通信するようになされている。このような
移動無線通信システムでは、基地局との通信距離が変化
したり、或いは伝送路上でフエージングの影響を受けた
りするため、信号レベルが時々刻々と変化する。
【0004】このため移動端末においては、増幅器や減
衰器等の利得調整回路を設け、この利得調整回路によつ
て受信信号のレベル変動分を吸収し、一定の信号レベル
に調整した上で当該受信信号を復調器に供給するように
なされている。また送信についても同様に利得調整回路
を設け、この利得調整回路によつて送信信号を所望の信
号レベルに調整することにより基地局に対して所望の信
号レベルを供給するようになされている。
【0005】このようにしてレベル変動の影響を回避す
るため、一般に移動端末に対しては送受信ともに何らか
の利得調整回路を設けるようになされている。その際、
利得調整回路に要求される利得調整幅はシステムによつ
て異なるものである。ところでシステムが要求する利得
調整幅が80〜90〔dB〕にも及ぶ場合には、素子のアイソ
レーシヨンやダイナミツクレンジを考慮すると、1つの
利得調整回路でこれを実現することは技術的に殆ど困難
である。また技術的に可能だとしてもコスト面を考える
と殆ど実現不可能である。
【0006】そこで従来、送信に関しては、図21に示
すように、移動端末の送信回路1において利得調整回路
を複数に分割するようにしている。例えばシステムとし
て80〔dB〕の利得調整が要求される場合には送信アンテ
ナ2において80〔dB〕のレベル変化を可能にしなければ
ならないため、50〔dB〕を中間周波数(いわゆるIF周
波数)で、残り30〔dB〕を無線周波数(いわゆるRF周
波数)で利得調整するようにしている。
【0007】すなわち入力端子3から入力された一定レ
ベルのIF信号S1はIF信号線路4を介して第1の利
得可変増幅器5に入力され、ここで50〔dB〕の幅で利得
調整される。このIF信号S1は次に周波数混合器6に
入力され、ここでローカル信号S2を用いた周波数変換
を施すことによりRF信号S3に変換される。このRF
信号S3は帯域通過フイルタ7によつて不要周波数成分
が除去された後、第2の利得可変増幅器8に入力され、
ここで30〔dB〕の幅で利得調整が行われる。そして利得
調整されたRF信号S3は最後に電力増幅器9によつて
一定の信号増幅(例えば20〔dB〕程度)を受けた後、R
F信号線路10を介して帯域通過フイルタ11に入力さ
れ、ここで不要周波数成分が除去される。この不要成分
が除去されたRF信号S3は最終的に所望電力の送信信
号として送信アンテナ2に供給される。
【0008】このようにして送信回路1においては、利
得調整を振り分けることにより、入力端(3)から出力
端(2)に至るまでの間で信号のレベル変化を最大で50
〔dB〕に抑えることができる。またこのことにより、各
素子の接続点において信号の最大レベルと最小レベルが
圧縮されるため、各素子のダイナミツクレンジを軽減す
ることができる。その結果、送信回路1では、各素子の
ダイナミツクレンジを抑えた上で全体としては広いダイ
ナミツクレンジを得ることができる。
【0009】これとは別に近年、移動無線通信システム
においては、通話チヤンネルの増加に伴つて周波数帯域
自体が拡がる傾向にある。この場合、図21に示したよ
うな帯域通過フイルタ7、11を1つの素子で形成しよ
うとすると、フイルタの物理的容積が非常に大きくなつ
てしまうとか、或いは電気的に通過帯域に大きな損失が
生じてしまう(すなわち要求される帯域特性を満足し得
なくなつてしまう)等といつた不都合が生じる。
【0010】これを回避するため周波数帯域が広い場合
には、従来、帯域通過フイルタの通過帯域を複数に分割
することにより、複数のフイルタ素子によつて1つの帯
域通過フイルタを実現するようになされている。例えば
図21との対応部分に同一符号を付した図22に示すよ
うに、送信回路20においては、通過帯域を2つに分割
し、2つのフイルタ素子によつて1つの帯域通過フイル
タを実現するようにしている。
【0011】すなわち帯域通過フイルタ7は通過帯域の
異なる2つの帯域通過フイルタ21、22とそれらのフ
イルタを切り替えるスイツチ23、24とによつて構成
され、RF信号S3の周波数に応じてスイツチ23、2
4を切り替えることにより所望の帯域特性を得るように
している。また帯域通過フイルタ11は通過帯域の異な
る2つの帯域通過フイルタ25、26とそれらのフイル
タを切り替えるスイツチ27、28とによつて構成さ
れ、RF信号S3の周波数に応じてスイツチ27、28
を切り替えることにより所望の帯域特性を得るようにし
ている。このようにすることにより、スイツチ23、2
4及び27、28の物理的容積や損失を割り引いたとし
ても低容積かつ低損失の帯域通過フイルタ7及び11を
実現できると共に、送信回路20全体としても省スペー
スかつ省電力化を図ることができる。
【0012】一方、受信に関しては、図23に示すよう
に、移動端末の受信回路30において利得調整回路を複
数に分割するようにしている。例えばシステム上、受信
アンテナ31において受信信号に80〔dB〕のレベル変動
があるとすると、受信回路30では、信号出力端子32
において信号レベルを一定にするため少なくとも80〔d
B〕の利得調整ができなければならない。このため受信
回路30では、50〔dB〕を中間周波数(いわゆるIF周
波数)で、残り30〔dB〕を無線周波数(いわゆるRF周
波数)で利得調整するようにしている。
【0013】まず受信アンテナ31によつて受信された
80〔dB〕のレベル変動を有するRF信号S5は、帯域通
過フイルタ33で不要周波数成分が除去された後、RF
信号線34を介して第1の利得可変増幅器35に入力さ
れる。第1の利得可変増幅器35は信号レベルに応じて
30〔dB〕の幅の利得調整をRF信号S5に対して施す。
このため第1の利得可変増幅器35から出力されるRF
信号S5は50〔dB〕のレベル変動を有することになる。
このRF信号S5は帯域通過フイルタ36によつて不要
周波数成分が除去された後、周波数混合器37に入力さ
れ、ここでローカル信号S6を用いた周波数変換を施す
ことによりIF信号S7に変換される。
【0014】このIF信号S7は帯域通過フイルタ38
に入力され、ここで周波数混合器37によつて発生した
非線形歪みや妨害波の周波数成分が除去された後、第2
の利得可変増幅器39に入力される。第2の利得可変増
幅器39は入力されたIF信号S7に対して50〔dB〕の
幅の利得調整を施すことにより当該IF信号S7の信号
レベルを一定にする。これにより信号出力端子32には
一定レベルに調整されたIF信号S7が供給されること
になる。
【0015】このようにして受信回路30においては、
利得調整を振り分けることにより、入力端(31)から
出力端(32)に至るまでの間で信号のレベル変化を最
大で50〔dB〕に抑えることができる。またこのことによ
り、各素子の接続点において信号の最大レベルと最小レ
ベルが圧縮されるため、各素子のダイナミツクレンジを
軽減することができる。その結果、受信回路30では、
各素子のダイナミツクレンジを抑えた上で全体としては
広いダイナミツクレンジを得ることができる。
【0016】これとは別に近年、移動無線通信システム
においては、通話チヤンネルの増加に伴つて周波数帯域
自体が拡がる傾向にある。この場合、図23に示したよ
うな帯域通過フイルタ33、36を1つの素子で形成し
ようとすると、フイルタの物理的容積が非常に大きくな
つてしまうとか、或いは電気的に通過帯域に大きな損失
が生じてしまう(すなわち要求される帯域特性を満足し
得なくなつてしまう)等といつた不都合が生じる。
【0017】これを回避するため周波数帯域が広い場合
には、従来、帯域通過フイルタの通過帯域を複数に分割
することにより、複数のフイルタ素子によつて1つの帯
域通過フイルタを実現するようになされている。例えば
図23との対応部分に同一符号を付した図24に示すよ
うに、受信回路40においては、通過帯域を2つに分割
し、2つのフイルタ素子によつて1つの帯域通過フイル
タを実現するようにしている。
【0018】すなわち帯域通過フイルタ33は通過帯域
の異なる2つの帯域通過フイルタ41、42とそれらの
フイルタを切り替えるスイツチ43、44とによつて構
成され、RF信号S5の周波数に応じてスイツチ43、
44を切り替えることにより所望の帯域特性を得るよう
にしている。また帯域通過フイルタ36は通過帯域の異
なる2つの帯域通過フイルタ45、46とそれらのフイ
ルタを切り替えるスイツチ47、48とによつて構成さ
れ、RF信号S5の周波数に応じてスイツチ47、48
を切り替えることにより所望の帯域特性を得るようにし
ている。このようにすることにより、スイツチ43、4
4及び47、48の物理的容積や損失を割り引いたとし
ても低容積かつ低損失の帯域通過フイルタ33及び36
を実現できると共に、受信回路40全体としても省スペ
ースかつ省電力化を図ることができる。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】ところで上述のような
送信回路1、20では、利得調整のため利得可変増幅器
5、8や電力増幅器9に常時電力を供給しておかなけれ
ばならず、無駄に電力が消費されるといつた問題があ
る。特に、電力増幅器9はRF段の増幅器であり、一般
に低レベルの信号が入力された場合には電力付加効率が
著しく悪化する傾向にあり、利得可変増幅器8によつて
利得調整したとしても電力増幅器9によつてさらに無駄
に電力が消費されるおそれがある。このように送信回路
1、20において無駄に電力が消費されると、電池によ
つて駆動される移動端末では通話時間の低下を招き、大
きな問題となつてしまう。
【0020】同様に、上述のような受信回路30、40
では、利得調整のために利得可変増幅器35、39に常
時電力を供給しておかなければならず、無駄に電力が消
費されるといつた問題がある。このように受信回路3
0、40において無駄に電力が消費されると、電池によ
つて駆動される移動端末では、待ち受け時間や通話時間
の低下を招き、大きな問題となつてしまう。また受信回
路30、40においては、帯域通過フイルタ33の通過
帯域内で受信信号(S5)に妨害波が存在すると、妨害
波のレベルによつては利得可変増幅器35或いは周波数
混合器37に飽和状態が起き、その結果、受信信号が抑
圧されて受信感度が著しく劣化するおそれがある。
【0021】本発明は以上の点を考慮してなされたもの
で、不要な電力消費を抑制し得る送信装置及び送信信号
の利得調整方法、並びに不要な電力消費を抑制し得る受
信装置及び受信信号の利得調整方法を提案しようとする
ものである。
【0022】
【課題を解決するための手段】かかる課題を解決するた
め本発明においては、送信装置が有する利得可変手段に
おいて、第1の信号路選択手段の複数の出力端子と第2
の信号路選択手段の複数の入力端子とを一対一で接続
し、かつ信号増幅手段によつてそれぞれ異なる利得を有
する複数の信号路と、第1及び第2の信号路選択手段の
制御端子に制御信号を与えることにより当該第1及び第
2の信号路選択手段内の接続関係を切り替え制御する信
号路制御手段とを設け、信号路制御手段によつて複数の
信号路のうち最適な信号路を選択することにより第1の
信号路選択手段の入力端子に供給される送信信号に対し
て利得調整を施すようにした。このようにすることによ
り、各信号増幅手段の消費電力を利得値に応じて最適化
できると共に、選択されない信号路中の信号増幅手段を
動作させないようにできる。
【0023】また本発明においては、第2の信号路選択
手段を平行二線路からなる方向性結合器によつて形成す
るようにした。このように利得可変手段の信号路選択手
段を方向性結合器によつて形成するようにしたことによ
り、信号路選択手段で発生する挿入損失を低減し得る。
【0024】また本発明においては、第2の信号路選択
手段を形成する方向性結合器の第2の線路を所定の信号
レベル検出手段に接続するようにした。このように最も
出力側にある信号路選択手段を方向性結合器によつて形
成し、その方向性結合器の第2の線路を所定の信号レベ
ル検出手段に接続するようにしたことにより、信号レベ
ル検出手段では第2の線路に現れる信号の電圧値を取り
込んで最終的に出力される送信信号レベルを容易に検出
することができる。従つて信号路選択手段を信号レベル
検出時の信号抽出手段と共通化して構成を一段と簡易に
し得る。
【0025】また本発明においては、送信装置が有する
利得可変手段において、第1の信号路選択手段の複数の
出力端子と第2の信号路選択手段の複数の入力端子とを
一対一で接続し、かつ信号増幅手段によつてそれぞれ異
なる利得を有する複数の第1の信号路と、第3の信号路
選択手段の複数の出力端子と第1の信号路選択手段の複
数の入力端子とを一対一で接続し、かつフイルタ手段に
よつてそれぞれ異なる通過帯域特性を有する複数の第2
の信号路と、第1、第2及び第3の信号路選択手段の制
御端子に制御信号を与えることにより当該第1、第2及
び第3の信号路選択手段内の接続関係を切り替え制御す
る信号路制御手段とを設け、信号路制御手段によつて第
1及び第2の信号路のうち最適な信号路を選択すること
により第3の信号路選択手段の入力端子に供給される送
信信号に対して利得調整を施すと共に、通過帯域を切り
替えるようにした。このようにすることにより、選択さ
れない信号路中の信号増幅手段を動作させないようにで
きると共に、同時に通過帯域特性も切り替えることがで
きる。
【0026】また本発明においては、送信装置が有する
利得可変手段において、第1の信号路選択手段の複数の
出力端子と第2の信号路選択手段の複数の入力端子とを
一対一で接続し、かつ信号増幅手段によつてそれぞれ異
なる利得を有する複数の第1の信号路と、第2の信号路
選択手段の複数の出力端子と第3の信号路選択手段の複
数の入力端子とを一対一で接続し、かつフイルタ手段に
よつてそれぞれ異なる通過帯域特性を有する複数の第2
の信号路と、第1、第2及び第3の信号路選択手段の制
御端子に制御信号を与えることにより、当該第1、第2
及び第3の信号路選択手段内の接続関係を切り替え制御
する信号路制御手段とを設け、信号路制御手段によつて
第1及び第2の信号路のうち最適な信号路を選択するこ
とにより第1の信号路選択手段の入力端子に供給される
送信信号に対して利得調整を施すと共に、通過帯域を切
り替えるようにした。このようにすることにより、選択
されない信号路中の信号増幅手段を動作させないように
できると共に、同時に通過帯域特性も切り替えることが
できる。
【0027】また本発明においては、送信装置が有する
利得可変手段において、第1の信号路選択手段の複数の
出力端子と第2の信号路選択手段の複数の入力端子とを
一対一で接続し、かつ信号増幅手段によつてそれぞれ異
なる利得を有する複数の第1の信号路と、第3の信号路
選択手段の複数の出力端子と第1の信号路選択手段の複
数の入力端子とを一対一で接続し、かつフイルタ手段に
よつてそれぞれ異なる通過帯域特性を有する複数の第2
の信号路と、第2の信号路選択手段の複数の出力端子と
第4の信号路選択手段の複数の入力端子とを一対一で接
続し、かつフイルタ手段によつてそれぞれ異なる通過帯
域特性を有する複数の第3の信号路と、第1、第2、第
3及び第4の信号路選択手段の制御端子に制御信号を与
えることにより、当該第1、第2、第3及び第4の信号
路選択手段内の接続関係を切り替え制御する信号路制御
手段とを設け、信号路制御手段によつて第1、第2及び
第3の信号路のうち最適な信号路を選択することにより
第3の信号路選択手段の入力端子に供給される送信信号
に対して利得調整を施すと共に、通過帯域を切り替える
ようにした。このようにすることにより、選択されない
信号路中の信号増幅手段を動作させないようにできると
共に、同時に通過帯域特性も切り替えることができる。
【0028】また本発明においては、信号増幅手段によ
つてそれぞれ異なる利得を有する複数の信号路を予め設
けておき、信号路の出力側で要求されている送信信号の
レベルを調べると共に、信号路の入力側での送信信号の
レベルを調べ、2つのレベルのレベル差に応じて信号路
のうちどの信号路を選択するか判断し、当該判断結果に
応じて信号路を適宜選択することよつて送信信号に対し
て最適な利得調整を施すようにした。このようにするこ
とにより、選択されない信号路中の信号増幅手段を動作
させないようにでき、これによつて不要な電力消費を抑
制できる。
【0029】また本発明においては、受信装置が有する
利得可変手段において、第1の信号路選択手段の複数の
出力端子と第2の信号路選択手段の複数の入力端子とを
一対一で接続し、かつ信号増幅手段によつてそれぞれ異
なる利得を有する複数の信号路と、第1及び第2の信号
路選択手段の制御端子に制御信号を与えることにより、
当該第1及び第2の信号路選択手段内の接続関係を切り
替え制御する信号路制御手段とを設け、信号路制御手段
によつて複数の信号路のうち最適な信号路を選択するこ
とにより第1の信号路選択手段の入力端子に供給される
受信信号に対して利得調整を施すようにした。このよう
にすることにより、各信号増幅手段の消費電力を利得値
に応じて最適化できると共に、選択されない信号路中の
信号増幅手段を動作させないようにできる。また受信信
号が十分な信号レベルを有する場合には利得の低い信号
路が選択されるため、受信帯域内で強い妨害波があつた
としても妨害波による信号増幅手段の飽和を未然に防い
で受信信号の抑圧を防ぐことができ、これによつて妨害
波による受信感度の劣化を回避し得る。
【0030】また本発明においては、第1の信号路選択
手段を平行二線路からなる方向性結合器によつて形成す
るようにした。このように利得可変手段の信号路選択手
段を方向性結合器によつて形成するようにしたことによ
り、信号路選択手段で発生する挿入損失を低減し得る。
【0031】また本発明においては、第1の信号路選択
手段を形成する方向性結合器の第2の線路を所定の信号
レベル検出手段に接続するようにした。このように最も
入力側にある信号路選択手段を方向性結合器で形成し、
その方向性結合器の第2の線路を所定の信号レベル検出
手段に接続するようにしたことにより、信号レベル検出
手段では第2の線路に現れる信号の電圧値を取り込んで
入力される受信信号レベルを容易に検出することができ
る。従つて信号路選択手段を信号レベル検出時の信号抽
出手段と共通化して構成を一段と簡易にし得る。
【0032】また本発明においては、受信装置が有する
利得可変手段において、第1の信号路選択手段の複数の
出力端子と第2の信号路選択手段の複数の入力端子とを
一対一で接続し、かつ信号増幅手段によつてそれぞれ異
なる利得を有する複数の第1の信号路と、第3の信号路
選択手段の複数の出力端子と第1の信号路選択手段の複
数の入力端子とを一対一で接続し、かつフイルタ手段に
よつてそれぞれ異なる通過帯域特性を有する複数の第2
の信号路と、第1、第2及び第3の信号路選択手段の制
御端子に制御信号を与えることにより、当該第1、第2
及び第3の信号路選択手段内の接続関係を切り替え制御
する信号路制御手段とを設け、信号路制御手段によつて
第1及び第2の信号路のうち最適な信号路を選択するこ
とにより第3の信号路選択手段の入力端子に供給される
受信信号に対して利得調整を施すと共に、通過帯域を切
り替えるようにした。このようにすることにより、選択
されない信号路中の信号増幅手段を動作させないように
できると共に、同時に通過帯域特性も切り替えることが
できる。
【0033】また本発明においては、受信装置が有する
利得可変手段において、第1の信号路選択手段の複数の
出力端子と第2の信号路選択手段の複数の入力端子とを
一対一で接続し、かつ信号増幅手段によつてそれぞれ異
なる利得を有する複数の第1の信号路と、第2の信号路
選択手段の複数の出力端子と第3の信号路選択手段の複
数の入力端子とを一対一で接続し、かつフイルタ手段に
よつてそれぞれ異なる通過帯域特性を有する複数の第2
の信号路と、第1、第2及び第3の信号路選択手段の制
御端子に制御信号を与えることにより、当該第1、第2
及び第3の信号路選択手段内の接続関係を切り替え制御
する信号路制御手段とを設け、信号路制御手段によつて
第1及び第2の信号路のうち最適な信号路を選択するこ
とにより第1の信号路選択手段の入力端子に供給される
受信信号に対して利得調整を施すと共に、通過帯域を切
り替えるようにした。このようにすることにより、選択
されない信号路中の信号増幅手段を動作させないように
できると共に、同時に通過帯域特性も切り替えることが
できる。
【0034】また本発明においては、受信装置が有する
利得可変手段において、第1の信号路選択手段の複数の
出力端子と第2の信号路選択手段の複数の入力端子とを
一対一で接続し、かつ信号増幅手段によつてそれぞれ異
なる利得を有する複数の第1の信号路と、第3の信号路
選択手段の複数の出力端子と第1の信号路選択手段の複
数の入力端子とを一対一で接続し、かつフイルタ手段に
よつてそれぞれ異なる通過帯域特性を有する複数の第2
の信号路と、第2の信号路選択手段の複数の出力端子と
第4の信号路選択手段の複数の入力端子とを一対一で接
続し、かつフイルタ手段によつてそれぞれ異なる通過帯
域特性を有する複数の第3の信号路と、第1、第2、第
3及び第4の信号路選択手段の制御端子に制御信号を与
えることにより、当該第1、第2、第3及び第4の信号
路選択手段内の接続関係を切り替え制御する信号路制御
手段とを設け、信号路制御手段によつて第1、第2及び
第3の信号路のうち最適な信号路を選択することにより
第3の信号路選択手段の入力端子に供給される受信信号
に対して利得調整を施すと共に、通過帯域を切り替える
ようにした。このようにすることにより、選択されない
信号路中の信号増幅手段を動作させないようにできると
共に、同時に通過帯域特性も切り替えることができる。
【0035】また本発明においては、信号増幅手段によ
つてそれぞれ異なる利得を有する複数の信号路を予め設
けておき、信号路の入力側に供給される受信信号の信号
レベルを調べ、調べた信号レベルに基づいて、信号路の
出力側に所望の信号レベルの受信信号が出力されるよう
に信号路を適宜選択することにより、受信信号に対して
最適な利得調整を施すようにした。このようにすること
により、選択されない信号路中の信号増幅手段を動作さ
せないようにでき、これによつて不要な電力消費を抑制
できる。
【0036】
【発明の実施の形態】以下図面について、本発明の一実
施例を詳述する。
【0037】(1)送信回路 (1−1)第1実施例 まず図1を用いて送信回路の原理を説明する。本発明を
適用した送信回路では、図1に示すような利得可変手段
50を用いることにより、不要な電力消費を抑制して利
得調整を行う。この利得可変手段50は大きく分けて複
数の入出力端子を有する第1及び第2の信号路選択手段
51、52と、その第1及び第2の信号路選択手段5
1、52の端子間を接続する利得の異なる複数の信号路
53〜56と、第1及び第2の信号路選択手段51、5
2の選択動作を制御する信号路制御手段57とによつて
構成されている。
【0038】まず第1の信号路選択手段51は少なくと
も1つ以上の入力端子58と、複数の出力端子59と、
制御端子60とを有し、制御端子60に供給される制御
信号S10に応じて入力端子58と出力端子59との接
続関係を切り替え得るようになされている。また第2の
信号路選択手段52は複数の入力端子61と、少なくと
も1つ以上の出力端子62と、制御端子63とを有し、
制御端子63に供給される制御信号S11に応じて入力
端子61と出力端子62との接続関係を切り替え得るよ
うになされている。
【0039】信号路選択手段51の出力端子59と信号
路選択手段52の入力端子61はそれぞれ利得の異なる
信号路53〜56によつて接続されている。この場合、
信号路53〜56にはそれぞれ利得の異なる信号増幅手
段64〜67が介挿されており、これにより信号路毎に
利得が異なるようになされている。
【0040】信号路制御手段57は第1及び第2の信号
路選択手段51、52の選択動作を制御するものであ
り、出力端子62に出力されるべき信号レベルに応じて
どの信号路(53〜56)を選択すれば良いか判断し、
その判断結果に応じた制御信号S10、S11を出力し
て信号路選択手段51、52の選択動作を制御する。
【0041】この場合具体的には、信号路制御手段57
としては、図2に示すような制御手順を実行する。すな
わちステツプSP1から入つたステツプSP2におい
て、まず出力端子62に出力されるべき信号レベルとし
て送信パワーのデータを読み込む。次にステツプSP3
において、入力端子58に供給される入力信号の信号レ
ベルのデータを読み込む。次にステツプSP4におい
て、読み込んだ2つのデータのレベル差を求め、求めた
レベル差に応じてどの信号路を選択するか判断する。次
にステツプSP5において、その判断結果に応じた制御
信号S10、S11を出力することにより、信号路選択
手段51、52の選択動作を切り替えて最適な信号路を
選択する。この処理が終わると、信号路制御手段57は
ステツプSP6に移つて処理を終了する。
【0042】このようにして利得可変手段50では、出
力端子62に出力されるべき信号レベルに応じて信号路
53〜56を変えることにより全体として利得調整を行
う。この場合、信号増幅手段64〜67の利得値が固定
値であるため、利得可変手段50では離散的な利得調整
になる。しかしながら利得可変手段50では、各信号増
幅手段64〜67の消費電力を利得値に応じて最適化し
ておくことができると共に、選択されない信号路に存在
する信号増幅手段をオフするようにできるため、不要な
電力消費を抑制することができる。
【0043】なお、複数の信号路53〜56のうち少な
くとも1つ以上を信号増幅手段のない単なる伝送線路に
置き換えたり、或いは複数の信号路53〜56のうち少
なくとも1つ以上に対して信号増幅手段の代わりに減衰
器を介挿するようにしても良い。このようにすれば、一
段と大きな利得差を得ることができる。またこの場合に
は、受動素子である減衰器や伝送線路ではそもそも電力
消費が発生しないため、一段と不要な電力消費を抑制す
ることができる。
【0044】ここで図21との対応部分に同一符号を付
して示す図3において、上述のような利得可変手段50
を実際に組み込んだ送信回路を示す。この送信回路70
では、利得可変回路71が上述の利得可変手段50に対
応する。また利得可変回路71はRF周波数での利得調
整を行う。この利得可変回路71は大きく分けて信号路
切替スイツチ72、73と、その信号路切替スイツチ7
2、73によつて切り替えられる利得の異なる信号路7
4、75と、信号路切替スイツチ72、73の切り替え
動作を制御する信号路制御回路76とによつて構成され
ている。すなわち信号路切替スイツチ72、73が上述
の信号路選択手段51、52に対応するものであり、信
号路74、75が上述の信号路53〜56に対応するも
のであり、信号路制御回路76が上述の信号路制御手段
57に対応するものである。
【0045】この利得可変回路71の場合には、2つの
信号路のうち一方の信号路74は増幅器を持たない単な
る伝送線路によつて形成されており、他方の信号路75
は増幅器77によつて例えば20〔dB〕の電力増幅を行え
るようになされている。なお、信号路75に設けられた
増幅器77の消費電力は利得値に応じて最適化されてい
る。
【0046】また信号路制御回路76は制御信号S1
0、S11を出力して信号路切替スイツチ72、73を
切り替え、これによつて2つの信号路74、75のうち
一方を選択する。この場合、信号路制御回路76は送信
アンテナ端で必要な信号レベルを調べることによりRF
信号S3に対して電力増幅が必要か否かを判断し、電力
増幅が必要な場合には信号路75を選択し、電力増幅が
不要な場合には信号路74を選択する。因みに、信号路
74が選択された場合には、増幅器77は信号路制御回
路76によつてオフ状態にさせられる。
【0047】このようにして利得可変回路71では、信
号路(74、75)を切り替えることにより利得調整を
行う。この場合、利得可変回路71では、2つの利得状
態を取り得る。1つは信号路74を選択した場合の0
〔dB〕の状態であり、もう1つは信号路75を選択した
場合の20〔dB〕の状態である。このことから明らかなよ
うに、RF段では離散的な利得調整になる。しかしなが
らIF段には連続的に利得調整のできる利得可変増幅器
5が設けられており、この送信回路70では、この利得
可変増幅器5によつて連続的に利得調整することにより
RF段での離散的な利得調整を補うようにしている。す
なわち送信回路70では、離散的な利得調整を行う利得
可変回路71と連続的な利得調整を行う利得可変増幅器
5の2つによつて最終的に所望の利得を得るようにして
いる。
【0048】ここで信号路制御回路76の制御手順を図
4に示すフローチヤートを用いて具体的に説明する。ま
ずはじめにステツプSP10から入つたステツプSP1
1において、送信アンテナ端で必要な信号レベルの情報
として送信パワーデータ(A)を所定の記憶手段から読
み込む。次にステツプSP12において、信号路を切り
替える際の基準レベル(B)を所定の記憶手段から読み
込む。この場合、RF信号S3の信号レベルの代わりに
基準レベルを読み込んでいる理由は、切り替える信号路
が2つであるため要求されている送信パワーが基準レベ
ルを越えているか否かを判断すれば必然的に何方の信号
路を選択すれば良いか分かるからである。
【0049】次にステツプSP13において、読み込ん
だ送信パワーデータ(A)と基準レベル(B)とを比較
する。その結果、送信パワーデータ(A)が小さければ
ステツプSP14に移行し、送信パワーデータ(A)が
大きければステツプSP15に移行する。ステツプSP
14では、信号路切替スイツチ72、73を制御して単
なる伝送線路でなる信号路74を選択する。一方、ステ
ツプSP15では、信号路切替スイツチ72、73を制
御して所定の利得を有する信号路75を選択すると共
に、その利得を発生する増幅器77をオン状態にする。
【0050】ステツプSP14又はステツプSP15の
処理が終了すると、続くステツプSP16に移行し、こ
こで利得可変増幅器5の利得を調整することにより送信
回路70全体としての利得を調整する。これにより送信
アンテナ2に対しては所望の電力に増幅されたRF信号
S3が供給されることになる。すなわち送信アンテナ端
で要求される信号レベルが満たされることになる。ステ
ツプSP16の処理が終了すると、ステツプSP17に
移行して最終的に処理を終了する。
【0051】以上の構成において、この利得可変回路7
1の場合には、利得の異なる2つの信号路74、75を
切り替えることにより利得調整を行う。具体的には、送
信アンテナ端で要求されている信号レベルを調べ、電力
増幅の必要があれば増幅器77を有する信号路75を選
択し、電力増幅の必要がなければ増幅器のない単なる伝
送線路でなる信号路74を選択する。その際、信号路7
5を選択したときだけ増幅器77を動作させる。これに
より従来のように増幅器を常に動作させる必要がなくな
り、不要な電力消費を抑制することができる。従つてこ
のような利得可変回路71によつて利得調整する送信回
路70を用いれば、移動端末の電池寿命を延ばすことが
でき、通話時間を延ばすことができる。
【0052】なお、利得可変回路71では、利得の異な
る2つの信号路74、75を切り替えて利得調整を行つ
ているため、離散的な利得調整になる。このためこの送
信回路70では、IF段に設けられた利得可変増幅器5
によつてこの離散的な利得変化を補い、全体として所望
の利得変化を得ている。このように全体としての利得調
整を利得可変回路71と利得可変増幅器5の2つで行う
ことにより、この送信回路70でも、各素子のダイナミ
ツクレンジを軽減することができる。
【0053】また、一般にRF段の電力増幅器は低レベ
ルの信号が入力されたときに電力付加効率が悪化する傾
向があり、IF段の利得可変増幅器によつて利得調整し
たとしてもRF段の電力増幅器によつて無駄に電力が消
費されるおそれがあるが、この実施例の場合には、必要
なときだけ増幅器77を動作させるため、このようなお
それも低減し得る。
【0054】以上の構成によれば、増幅器のない単なる
伝送線路でなる信号路74と増幅器77を有する信号路
75とを切り替えることによつて利得調整するようにし
たことにより、信号路75を選択したときだけ増幅器7
7を動作させることができ、これによつて従来のように
常時増幅器を動作させる必要がなくなつて不要な電力消
費を抑制することができる。
【0055】(1−2)第2実施例 図22との対応部分に同一符号を付して示す図5におい
て、第2実施例による送信回路79を示す。上述の第1
実施例においては、利得可変回路71によつて単に利得
だけを切り替えるようにした場合について述べたが、こ
の実施例の場合には、利得可変回路によつて利得と共に
帯域通過フイルタも切り替える。
【0056】利得可変回路80は大きく分けて信号路切
替スイツチ81、82及び83、84と、利得の異なる
2つの信号路85、86と、通過帯域の異なる帯域通過
フイルタ21、22及び25、26と、信号路切替スイ
ツチ81、82及び83、84の切り替え動作を制御す
る信号路制御回路87とによつて構成されている。
【0057】信号路切替スイツチ81は4つのスイツチ
81A〜81Dを環状に接続した環状スイツチからな
り、その4つの接続交点のうち対向する2つを入力端子
とし、残り2つを出力端子とすることによつて1つのス
イツチで入力端子と出力端子とを接続し得るようになさ
れている。この場合、2つの入力端子にはそれぞれ帯域
通過フイルタ21、22が接続され、2つの出力端子に
はそれぞれ信号路85、86が接続されており、信号路
切替スイツチ81は帯域通過フイルタ21、22と信号
路85、86との接続を切り替える。
【0058】また同様に、信号路切替スイツチ82も4
つのスイツチ82A〜82Dを環状に接続した環状スイ
ツチからなり、その4つの接続交点のうち対向する2つ
を入力端子とし、残り2つを出力端子とすることによつ
て1つのスイツチで入力端子と出力端子とを接続し得る
ようになされている。この場合、2つの入力端子にはそ
れぞれ信号路85、86が接続され、2つの出力端子に
はそれぞれ帯域通過フイルタ25、26が接続されてお
り、信号路切替スイツチ82は信号路85、86と帯域
通過フイルタ25、26との接続を切り替える。
【0059】一方、信号路切替スイツチ83はRF信号
S3にかけるフイルタを切り替えるスイツチであり、帯
域通過フイルタ21、22のうち一方を周波数混合器6
に接続する。また信号路切替スイツチ84は帯域通過フ
イルタ25又は帯域通過フイルタ26によつて帯域制限
されたRF信号S3を送信アンテナ2に供給するスイツ
チであり、帯域通過フイルタ25、26のうち一方を送
信アンテナ2に接続する。
【0060】この実施例の場合にも、2つの信号路のう
ち一方の信号路85は増幅器を持たない単なる伝送線路
によつて形成されており、他方の信号路86は増幅器8
8によつて例えば20〔dB〕の電力増幅を行えるようにな
されている。なお、この実施例の場合にも、信号路86
に設けられた増幅器88の消費電力は利得値に応じて最
適化されている。
【0061】帯域通過フイルタ21、22はそれぞれ通
過帯域が異なるフイルタであり、2つでRF信号S3の
全帯域をカバーしている。同様に、帯域通過フイルタ2
5、26もそれぞれ通過帯域が異なるフイルタであり、
2つでRF信号S3の全帯域をカバーしている。このよ
うに通過帯域を分割することにより、この送信回路79
でも、低容積かつ低損失の帯域通過フイルタを実現して
いる。
【0062】信号路制御回路87は制御信号S20、S
21を出力して信号路切替スイツチ81、82を切り替
えると共に、制御信号S22、S23を出力して信号路
切替スイツチ83、84を切り替える。この場合、信号
路制御回路87は送信アンテナ端で必要な信号レベルを
調べることによりRF信号S3に対して電力増幅が必要
か否かを判断し、電力増幅が必要な場合には信号路86
を選択し、電力増幅が不要な場合には信号路85を選択
する。因みに、信号路85が選択された場合には、増幅
器88は信号路制御回路87によつてオフ状態にさせら
れる。また信号路制御回路87はRF信号S3の使用周
波数を調べることによりどちらの帯域通過フイルタを使
用したら良いかを判断し、その判断結果に基づいて信号
路切替スイツチ81〜84を切り替える。
【0063】なお、この実施例の場合も、信号路(8
5、86)を選択することにより利得調整しているため
RF段では離散的な利得調整になる。このため送信回路
79では、IF段の利得可変増幅器5で連続的に利得調
整することによりRF段での離散的な利得調整を補うよ
うにしている。
【0064】ここで信号路制御回路87の制御手順を図
6に示すフローチヤートを用いて具体的に説明する。ま
ずはじめにステツプSP20から入つてステツプSP2
1において、送信アンテナ端で必要な信号レベルの情報
として送信パワーデータ(A)を所定の記憶手段から読
み込み、そして次のステツプSP22において信号路を
切り替える際の基準レベル(B)を所定の記憶手段から
読み込む。次にステツプSP23においてRF信号S3
の使用周波数(f)を所定の記憶手段から読み込み、そ
して次のステツプSP24において帯域通過フイルタを
切り替える際の基準周波数(f0 )を所定の記憶手段か
ら読み込む。次のステツプSP25では、読み込んだ送
信パワーデータ(A)と基準レベル(B)とを比較す
る。その結果、送信パワーデータ(A)が小さければス
テツプSP26に移行し、送信パワーデータ(A)が大
きければステツプSP27に移行する。
【0065】ステツプSP26では、読み込んだ使用周
波数(f)と基準周波数(f0 )とを比較する。その結
果、使用周波数(f)が小さければステツプSP28に
移行し、使用周波数(f)が大きければステツプSP2
9に移行する。ステツプSP28に移行した場合、信号
路制御回路87は、信号路切替スイツチ83を帯域通過
フイルタ21側に切り替えると共に、信号路切替スイツ
チ84を帯域通過フイルタ25側に切り替え、さらに信
号路切替スイツチ81のスイツチ81A及び信号路切替
スイツチ82のスイツチ82Aをオン状態にする。これ
によりRF信号S3は帯域通過フイルタ21、信号路8
5、帯域通過フイルタ25を順に介して送信アンテナ2
に供給される。一方、ステツプSP29に移行した場
合、信号路制御回路87は、信号路切替スイツチ83を
帯域通過フイルタ22側に切り替えると共に、信号路切
替スイツチ84を帯域通過フイルタ26側に切り替え、
さらに信号路切替スイツチ81のスイツチ81B及び信
号路切替スイツチ82のスイツチ82Dをオン状態にす
る。これによりRF信号S3は帯域通過フイルタ22、
信号路85、帯域通過フイルタ26を順に介して送信ア
ンテナ2に供給される。
【0066】これに対してステツプSP27に移行した
場合、ここでも同じように読み込んだ使用周波数(f)
と基準周波数(f0 )とを比較する。その結果、使用周
波数(f)が小さければステツプSP30に移行し、使
用周波数(f)が大きければステツプSP31に移行す
る。ステツプSP30に移行した場合、信号路制御回路
87は、信号路切替スイツチ83を帯域通過フイルタ2
1側に切り替えると共に、信号路切替スイツチ84を帯
域通過フイルタ25側に切り替え、さらに信号路切替ス
イツチ81のスイツチ81D及び信号路切替スイツチ8
2のスイツチ82Bをオン状態にすると共に、増幅器8
8をオン状態にする。これによりRF信号S3は帯域通
過フイルタ21、信号路86、帯域通過フイルタ25を
順に介して送信アンテナ2に供給される。一方、ステツ
プSP31に移行した場合、信号路制御回路87は、信
号路切替スイツチ83を帯域通過フイルタ22側に切り
替えると共に、信号路切替スイツチ84を帯域通過フイ
ルタ26側に切り替え、さらに信号路切替スイツチ81
のスイツチ81C及び信号路切替スイツチ82のスイツ
チ82Cをオン状態にすると共に、増幅器88をオン状
態にする。これによりRF信号S3は帯域通過フイルタ
22、信号路86、帯域通過フイルタ26を順に介して
送信アンテナ2に供給される。
【0067】このようにしてステツプSP28、SP2
9、SP30又はSP31の処理が終了すると、次のス
テツプSP32に移行し、ここで利得可変増幅器5の利
得を調整することにより送信回路79全体としての利得
を調整する。ステツプSP32の処理が終了すると、ス
テツプSP33に移行して最終的に処理を終了する。
【0068】以上の構成において、この実施例の場合に
は、利得可変回路80によつて利得調整と共に帯域通過
フイルタを切り替える。その際、利得可変回路80で
は、信号路制御回路87によつて信号路切替スイツチ8
1〜84のスイツチ状態を制御することにより利得調整
と帯域通過フイルタの切り替えを同時に行う。
【0069】ところでこの実施例の場合、通過帯域特性
の異なる2つの信号路(すなわち帯域通過フイルタ21
を有する信号路と帯域通過フイルタ22を有する信号
路)と、利得の異なる2つの信号路85、86との接続
切り替えを環状スイツチからなる信号路切替スイツチ8
1で行つている。このようにして環状スイツチからなる
信号路切替スイツチ81によつて接続切り替えを行う
と、信号路切替スイツチ81で発生する挿入損失を低減
することができる。なぜなら環状スイツチの場合には、
4つのスイツチ81A〜81Dのうち1つをオンさせれ
ば信号路が切り替わるため、信号路中に介挿されるスイ
ツチとしては1つになるからである。通常、入力側の2
つの線路と出力側の2つの線路とを接続切り替えする場
合には、2つのスイツチの組み合わせで行うのが一般的
である。しかしその場合には、信号路中に介挿されるス
イツチは2つになり、挿入損失が大きくなつてしまう。
ところがこの実施例のように環状スイツチを用いた場合
には、信号路中に介挿されるスイツチは1つになるため
挿入損失を低減することができる。
【0070】またこの実施例の場合には、利得の異なる
2つの信号路85、86と、通過帯域特性の異なる2つ
の信号路(すなわち帯域通過フイルタ25を有する信号
路と帯域通過フイルタ26を有する信号路)との接続切
り替えを環状スイツチからなる信号路切替スイツチ82
で行つているが、同様の理由により、この部分でも挿入
損失を低減することができる。
【0071】なお、この実施例の場合にも、信号路86
を選択した場合にだけ増幅器88を動作させるため無駄
な電力消費を抑えることができると共に、利得可変回路
80と利得可変増幅器5の2つで全体の利得調整を行つ
ているため各素子のダイナミツクレンジを軽減できる。
【0072】以上の構成によれば、信号路の切り替えに
対して環状スイツチからなる信号路切替スイツチ81、
82を用いるようにしたことにより、通過帯域特性の異
なる信号路と利得の異なる信号路85、86との接続を
低挿入損失で同時に切り替えることができる。
【0073】(1−3)第3実施例 図7において、90は全体として第3実施例による送信
回路を示し、この送信回路90の場合には、利得可変回
路91を用いることにより不要な電力消費を抑制して利
得調整を行う。まず入力端子3に入力された一定レベル
のIF信号S1はIF信号線路4を介して利得可変増幅
器5に入力され、ここで例えば50〔dB〕の幅で利得調整
が行われる。因みに、利得可変増幅器5においては、例
えば所定の制御手段から出力されるデイジタルの利得制
御信号をアナログ信号に変換して供給することにより所
望の利得値に制御し得るようになされている。
【0074】利得可変増幅器5によつて所望の値に利得
調整されたIF信号S1は次に周波数混合器6に入力さ
れ、ここでローカル信号S2を用いた周波数変換が施さ
れることにより高周波のRF信号S3に変換される。こ
のRF信号S3は次にRFドライバ回路92に入力さ
れ、ここで所定の信号処理が施された後、利得可変回路
91に入力される。因みに、RFドライバ回路92は帯
域通過フイルタやバツフアアンプ回路等からなり、周波
数混合器6によつて周波数変換されたRF信号S3から
不要な周波数成分を除去すると共に、当該RF信号S3
を利得可変回路91に渡す際のインピーダンス調整等を
行う。
【0075】利得可変回路91は、RF信号S3を増幅
する必要がある場合には所定の利得値を有する信号路を
通過させ、増幅する必要がない場合には単なる伝送線路
を通過させることにより、当該RF信号S3をアンテナ
端で要求される所望の信号レベルに利得調整する。この
ようにして利得調整されたRF信号S3は最終的に送信
アンテナ2に供給され、ここから放射される。
【0076】ここで利得可変回路91は、大きく分けて
信号路切替スイツチ93、94と、その信号路切替スイ
ツチ93、94によつて切り替えられる利得の異なる信
号路95、96と、信号路切替スイツチ93の切り替え
動作を制御する信号路制御回路97とによつて構成され
ている。この利得可変回路91の場合には、2つの信号
路のうち一方の信号路96は増幅器を持たない単なる伝
送線路によつて形成されており、他方の信号路95は増
幅器(PA)98によつて例えば10〔dB〕の電力増幅を
行えるようになされている。なお、信号路95に設けら
れた増幅器98の消費電力は利得値に応じて最適化され
ている。
【0077】信号路切替スイツチ93はいわゆる半導体
スイツチによつて形成されるスイツチであり、入力端に
はRFドライバ回路92が接続され、2つの出力端には
それぞれ信号路95、96が接続されており、RF信号
S3の通過ルートを信号路95又は96のいずれか一方
に切り替える。一方、信号路切替スイツチ94は、いわ
ゆる平行二線路(94A、94B)からなる方向性結合
器によつて形成されるスイツチであり、信号路95又は
信号路96を通過してきたRF信号S3を送信アンテナ
2に出力するものである。具体的に説明すれば、信号路
切替スイツチ94においては、第1の線路94Aの一端
に信号路95が接続され、その他端には送信アンテナ2
が接続されており、これにより信号路95を通過してき
たRF信号S3は当該第1の線路94Aを通つて送信ア
ンテナ2に供給される。また第2の線路94Bの一端に
は信号路96が接続され、その他端には第2の線路94
Bの特性インピーダンスと等価の抵抗R1が接続されて
おり、これにより信号路96を通過してきたRF信号S
3は平行二線路の線路間結合によつて第1の線路94A
に拾われて送信アンテナ2に供給される。
【0078】信号路制御回路97は制御信号S25を信
号路切替スイツチ93に出力することにより送信アンテ
ナ端で要求される信号レベルに応じて当該信号路切替ス
イツチ93の接続関係を制御する。具体的には、信号路
制御回路97は、送信アンテナ端で要求される信号レベ
ルを調べることによりRF信号S3に対して電力増幅が
必要か否かを判断し、電力増幅が必要な場合には信号路
切替スイツチ93を信号路95側に切り替え、電力増幅
が不要な場合には信号路切替スイツチ93を信号路96
側に切り替える。因みに、電力増幅が不要なため信号路
96が選択された場合には、信号路95に設けられた増
幅器98は信号路制御回路97によつてオフ状態にさせ
られる。
【0079】ここで信号路切替スイツチ94を形成する
方向性結合器について、図8を用いて説明する。図8に
示すように、方向性結合器100は一般に平行二線路
(100A、100B)からなり、その4端子(101
A〜101D)に線路100A、100Bの特性インピ
ーダンス(Z0 )と同じインピーダンスの負荷RA〜R
Dをそれぞれ接続することにより基本的動作が実現され
る。例えば線路100Aを進行波aが通過すると、平行
二線路の線路間結合により線路100Bには進行波aと
逆方向の信号波bが現れる。その際、信号波bの信号レ
ベルとしては平行二線路の結合損失(いわゆるカツプリ
ングロス)に応じた信号レベルとなる。またこれとは逆
に線路100Bを進行波bが通過すると、同様に線路間
結合によつて線路100Aには進行波bと逆方向の信号
波aが現れる。
【0080】因みに、線路100A又は100Bに接続
される負荷RA〜RDが線路の特性インピーダンスと一
致していない場合には、インピーダンス不整合によつて
線路の端で反射波が生じるが、この反射波も線路間結合
によつて他方の線路に現れる。例えば端子101Dに特
性インピーダンスZ0 と異なるインピーダンスの負荷R
Dを接続した場合には進行波aの反射波cが線路100
Aに現れるが、この場合にも、線路間結合によつて線路
100Bには逆方向の信号波dが結合損失に応じた信号
レベルで現れる。このように方向性結合器100は4端
子の方向性を持つ受動素子であり、各端子間で可逆の関
係になつている。この実施例による利得可変回路91で
は、このような方向性結合器100を用いて信号路切替
スイツチ94を形成し、これによつて信号路95又は信
号路96を通過してきたRF信号S3を送信アンテナ2
に出力するようになされている。
【0081】以上の構成において、利得可変回路91の
場合には、利得の異なる2つの信号路95、96を切り
替えることにより利得調整を行う。具体的には、送信ア
ンテナ端で要求されている信号レベルを調べ、電力増幅
の必要があれば増幅器98を有する信号路95を選択
し、電力増幅の必要がなければ増幅器のない単なる伝送
線路でなる信号路96を選択する。その際、信号路95
を選択したときだけ増幅器98を動作させる。これによ
り従来のように増幅器を常に動作させる必要がなくな
り、不要な電力消費を抑制することができる。従つてこ
のような利得可変回路91によつて利得調整する送信回
路90を用いれば、移動端末の電池寿命を延ばすことが
でき、通話時間を延ばすことができる。
【0082】なお、利得可変回路91では、利得の異な
る2つの信号路95、96を切り替えて利得調整を行つ
ているため、離散的な利得調整になる。このためこの送
信回路90では、IF段に設けられた利得可変増幅器5
によつてこの離散的な利得変化を補い、全体として所望
の利得変化を得ている。このように全体としての利得調
整を利得可変回路91と利得可変増幅器5の2つで行う
ことにより、この送信回路90でも、各素子のダイナミ
ツクレンジを軽減することができる。
【0083】因みに、このような送信回路90によつて
実際に移動端末を構成した場合のダイナミツクレンジの
一例を図9に示す。また参考までに、従来のように1つ
の利得可変増幅器で利得調整した場合のダイナミツクレ
ンジの一例を図10に示し、第1実施例のように利得可
変回路71と利得可変増幅器5とによつて利得調整した
場合のダイナミツクレンジの一例を図11に示す。但
し、図中のMODは変調器、PADは減衰器、AGC1
は可変利得増幅器、BPFは帯域通過フイルタ、MIX
ERは周波数混合器、RFDはRFドライバ回路、PA
は増幅器、DUPはデユプレクサ回路、AGC2は可変
利得回路をそれぞれ示すものとする。
【0084】図9に示すように、IF段の可変利得増幅
器(AGC1)で50〔dB〕、RF段の可変利得回路(A
GC2)で25〔dB〕の幅で利得調整を行うことにより利
得調整の配分を分けた場合には、少なくとも可変利得増
幅器からRFドライバ回路までの素子で50〔dB〕のダイ
ナミツクレンジがあれば良くなる。これに対して図10
に示すように、IF段の可変利得増幅器(AGC1)で
80〔dB〕の利得調整を行うことにより1つの素子で利得
調整を行つた場合には、可変利得増幅器からRFドライ
バ回路までの素子で80〔dB〕のダイナミツクレンジが必
要になる。このようにして利得調整の配分を分けること
により、各素子のダイナミツクレンジを軽減することが
できる。
【0085】また図10に示すように、従来のように利
得可変増幅器で80〔dB〕の利得調整を行つた場合には、
その前段に減衰量の大きい減衰器が必要になり、その分
全体的にレベルダイヤが下がつてしまう。このため従来
の場合には、高出力時において雑音指数NFの悪さから
帯域外ノイズフロアレベルが高くなるといつた不都合が
生じる。しかしながら図9に示すように、利得配分を分
けた場合には、可変利得増幅器の前段に入る減衰器の減
衰量が小さくなるため、このような問題も未然に回避し
得る。因みに、図11から明らかなように第1実施例の
場合にも、ダイナミツクレンジや帯域外ノイズフロアレ
ベルに関しては同様の理由により改善されている。また
図9と図11の比較から分かるように、この実施例の場
合には、可変利得回路91で増幅しなかつたとき(すな
わち信号路96を選択したとき)に方向性結合器の結合
損失によつて15〔dB〕程度のレベルダウンが生じるが、
前段までの回路でその分を補償しておけば特に問題は生
じない。
【0086】またこの実施例の場合には、利得可変回路
91の出力側の信号路切替スイツチ94として半導体ス
イツチではなく、方向性結合器を用いたことにより、信
号路切替スイツチ94で発生する挿入損失を低減し得
る。具体的に説明すると、一般に半導体スイツチの場合
には挿入損失が 0.6〔dB〕程度、方向性結合器の場合に
は挿入損失が 0.1〔dB〕程度であり、その差分( 0.5
〔dB〕=約10%)だけ挿入損失を低減することができ
る。またこの実施例の場合には、信号路切替スイツチ9
4として方向性結合器を用いたことにより、利得可変回
路91の大きさを小さくすることができ、その分全体と
して送信回路90の大きさを小さくすることができる。
具体的に説明すると、増幅器(PA)98の出力側に入
れるような半導体スイツチは、通過するRF信号S3の
電力が大きいためハンドリングパワーが大きくなり、そ
の結果、IC化する際の内部マスクが大きくなり、外形
パツケージも現状では 4.0×4.0 〔mm〕程度が一般的で
ある。しかしながら方向性結合器の場合には、通過する
RF信号S3の信号レベルに影響されることはなく、そ
の大きさは一般的に 3.2×1.6〔mm〕程度である。この
ため方向性結合器を用いた方が回路の大きさを小さくす
ることができる。
【0087】以上の構成によれば、増幅器のない単なる
伝送線路でなる信号路96と増幅器98を有する信号路
95とを切り替えることによつて利得調整するようにし
たことにより、信号路95を選択したときだけ増幅器9
8を動作させることができ、これによつて従来のように
常時増幅器を動作させる必要がなくなつて不要な電力消
費を抑制することができる。また利得可変回路91の出
力側に設ける信号路切替スイツチ94として方向性結合
器を用いたことにより、利得可変回路91の大きさを小
さくし得ると共に、挿入損失を小さくし得る。
【0088】(1−4)第4実施例 図7との対応部分に同一符号を付して示す図12におい
て、105は全体として第4実施例による送信回路を示
し、この実施例の場合にも、利得可変回路106によつ
て利得の異なる信号路を切り替えることによりRF信号
S3の利得調整を行う。
【0089】まず利得可変回路106は大きく分けて信
号路切替スイツチ107、108と、利得の異なる2つ
の信号路109、110と、信号路切替スイツチ10
7、108の切り替え動作を制御する信号路制御回路1
11とによつて構成されている。この利得可変回路10
6の場合には、2つの信号路のうち一方の信号路110
は増幅器を持たない単なる伝送線路によつて形成されて
おり、他方の信号路109は増幅器(PA)112によ
つて電力増幅が行えるようになされている。なお、信号
路109に設けられた増幅器112の消費電力は利得値
に応じて最適化されている。
【0090】信号路切替スイツチ107は2つの半導体
スイツチ107A、107Bを組み合わせた4端子のス
イツチによつて形成されており、一方の半導体スイツチ
107Aは信号路109とRFドライバ回路92との接
続を切り替え、他方の半導体スイツチ107Bは信号路
110とRFドライバ回路92との接続を切り替えるよ
うになされている。因みに、半導体スイツチ107Bは
信号路110をRFドライバ回路92に接続しなかつた
場合に当該信号路110を抵抗R2に接続するようにな
されている。
【0091】一方、信号路切替スイツチ108は、第3
実施例の場合と同様に、平行二線路(108A、108
B)からなる方向性結合器によつて形成され、信号路1
09又は信号路110を通過してきたRF信号S3を送
信アンテナ2に出力する。具体的には、信号路切替スイ
ツチ108においては、第1の線路108Aの一端に信
号路109が接続され、その他端には送信アンテナ2が
接続されており、これにより信号路109を通過してき
たRF信号S3は当該第1の線路108Aを通つて送信
アンテナ2に供給される。また第2の線路108Bの一
端には信号路110が接続され、その他端には当該第2
の線路108Bの特性インピーダンスと等価の抵抗R3
が接続されており、これにより信号路110を通過して
きたRF信号S3は平行二線路の線路間結合によつて第
1の線路108Aに拾われて送信アンテナ2に供給され
る。
【0092】信号路制御回路111は制御信号S26を
信号路切替スイツチ107に出力することにより送信ア
ンテナ端で要求される信号レベルに応じて当該信号路切
替スイツチ107の接続関係を制御する。具体的には、
信号路制御回路111は、送信アンテナ端で要求される
信号レベルを調べることによりRF信号S3に対して電
力増幅が必要か否かを判断し、電力増幅が必要な場合に
は信号路切替スイツチ107の半導体スイツチ107A
をオン状態に切り替えると共に半導体スイツチ107B
を抵抗R2側に切り替え、電力増幅が不要な場合には信
号路切替スイツチ107の半導体スイツチ107Aをオ
フ状態に切り替えると共に半導体スイツチ107BをR
Fドライバ回路92側に切り替える。これによりRFド
ライバ回路92から出力されるRF信号S3は、電力増
幅が必要な場合には信号路109を通つて増幅された後
に送信アンテナ2に供給され、電力増幅が不要な場合に
は信号路110を通つて増幅されずに送信アンテナ2に
供給され、かくして利得調整が行われる。因みに、RF
信号S3の通過ルートとして信号路110が選択された
場合には、信号路109の増幅器112は信号路制御回
路111によつてオフ状態にさせられる。
【0093】ところで信号路切替スイツチ108の第2
の線路108Bと抵抗R3との接続交点はダイオードD
1を介して信号レベル検出回路113に接続されてお
り、これによつて第2の線路108Bに現れた信号の電
圧値を信号レベル検出回路113で取り込めるようにな
つている。信号レベル検出回路113は送信アンテナ2
に供給されるRF信号S3の信号レベルを検出する回路
であり、第2の線路108Bに現れた信号の電圧値を基
にRF信号S3の信号レベルを検出する。
【0094】例えばRF信号S3が信号路109を通つ
て送信アンテナ2に供給される場合には、方向性結合器
の線路間結合により線路108BにはRF信号S3に応
じた信号が現れる。信号レベル検出回路113はこの信
号の電圧値を調べることにより信号路109を通つて送
信アンテナ2に供給されるRF信号S3の信号レベルを
検出する。因みに、このとき線路108Bの他端が半導
体スイツチ107Bを介して当該線路108Bの特性イ
ンピーダンスと等価の抵抗R2に接続されることより、
線路108Bはインピーダンス整合が取られる。これに
より線路108Bは安定した状態で信号を拾うことがで
きる。なお、線路108Bに接続される抵抗R2は、送
信アンテナ2で反射された信号成分が線路108Bで拾
われたときにその信号成分を吸収し、送信アンテナ2よ
り放射された信号のみのレベル検出をできるようにして
いる。
【0095】またRF信号S3が信号路110を通つて
送信アンテナ2に供給される場合には、RF信号S3が
線路108Bを通るため、線路108Bには当然RF信
号S3が現れる。信号レベル検出回路113はこの信号
の電圧値を調べることにより信号路110を通つて送信
アンテナ2に供給されるRF信号S3の信号レベルを検
出する。
【0096】因みに、方向性結合器には結合損失がある
ため第2の線路108Bに現れる信号の電圧値は必ずし
も送信アンテナ端でのRF信号S3の信号レベルに等し
くならないが、結合損失は一定であるためその分だけ電
圧値にオフセツトを与えれば信号レベル検出回路113
において容易に正確なRF信号S3の信号レベルを検出
することがてきる。またこのような信号レベル検出回路
113を設けてRF信号S3の信号レベルを調べる理由
は、増幅器112の自己発振や誤動作を検出することに
より送信電力が所望値からずれてしまうことを防止する
ためである。特にCDMA(Code Division Multiple A
ccess :符号分割多重)方式のセルラー電話システムで
は送信電力が厳しく管理されており、そのためにもこの
ような信号レベル検出回路113を設けて送信電力を確
認する必要がある。
【0097】以上の構成において、この実施例の場合に
は、利得可変回路106に設けられた利得の異なる2つ
の信号路109、110を切り替えることにより利得調
整を行う。具体的には、送信アンテナ端で要求されてい
る信号レベルを調べ、電力増幅の必要があれば増幅器1
12を有する信号路109を選択し、電力増幅の必要が
なければ増幅器のない単なる伝送線路でなる信号路11
0を選択する。その際、信号路109を選択したときだ
け増幅器112を動作させる。これにより従来のように
増幅器を常に動作させる必要がなくなり、不要な電力消
費を抑制することができる。従つてこのような利得可変
回路106によつて利得調整する送信回路105を用い
れば、移動端末の電池寿命を延ばすことができ、通話時
間を延ばすことができる。また利得可変回路106の出
力側の信号路切替スイツチ108として方向性結合器を
用いたことにより、第3実施例と同様に、半導体スイツ
チを用いた場合に比べて信号路切替スイツチ108で発
生する挿入損失を低減し得る。
【0098】またこの利得可変回路106においては、
信号路切替スイツチ108を形成する方向性結合器の線
路108Bの一端をダイオードD1を介して信号レベル
検出回路113に接続するようにしている。この利得可
変回路106では、信号路切替スイツチ107を切り替
えてRF信号S3を信号路109、方向性結合器の線路
108Aを介して送信アンテナ2に供給したとき、方向
性結合器の線路108BにはRF信号S3に応じた信号
が現れる。また信号路切替スイツチ107を切り替えて
RF信号S3を信号路110、方向性結合器の線路10
8B、線路108Aを順に介して送信アンテナ2に供給
したとき、当然線路108BにはRF信号S3が現れ
る。従つて上述のように線路108Bの一端を信号レベ
ル検出回路113に接続したことにより、信号レベル検
出回路113では線路108Bに現れる信号の電圧値を
取り込むことができ、当該電圧値に基づいて送信アンテ
ナ端でのRF信号S3の信号レベルを容易に検出し得
る。
【0099】このように信号路切替スイツチ108を形
成する方向性結合器の線路108Bを信号レベル検出回
路113に接続するようにしたことにより、当該信号路
切替スイツチ108をRF信号S3の信号レベルを検出
する際に使用する信号抽出手段と共通化し得、これによ
つて別に信号抽出手段を設ける必要もなく、簡易な構成
でRF信号S3の信号レベルを検出することができる。
【0100】以上の構成によれば、増幅器のない単なる
伝送線路でなる信号路110と増幅器112を有する信
号路109とを切り替えることによつて利得調整するよ
うにしたことにより、信号路109を選択したときだけ
増幅器112を動作させることができ、これによつて従
来のように常時増幅器を動作させる必要がなくなつて不
要な電力消費を抑制することができる。また利得可変回
路106の出力側に設ける信号路切替スイツチ108と
して方向性結合器を用いたことにより、低挿入損失で信
号路109、110を切り替えることができる。また信
号路切替スイツチ108を形成する方向性結合器の第2
の線路108Bを信号レベル検出回路113に接続する
ようにしたことにより、当該信号路切替スイツチ108
をRF信号S3の信号レベルを検出する際に使用する信
号抽出手段と共通化し得、これによつて簡易な構成でR
F信号S3の信号レベルを検出することができる。
【0101】(2)受信回路 (2−1)第5実施例 まず図13を用いて受信回路の原理を説明する。本発明
を適用した受信回路では、この図13に示すような利得
可変手段120を用いることにより、不要な電力消費を
抑制して利得調整を行うと共に、妨害波による受信感度
の劣化を回避する。この利得可変手段120は大きく分
けて複数の入出力端子を有する第1及び第2の信号路選
択手段121、122と、その第1及び第2の信号路選
択手段121、122の端子間を接続する利得の異なる
複数の信号路123〜126と、第1及び第2の信号路
選択手段121、122の選択動作を制御する信号路制
御手段127とによつて構成されている。
【0102】まず第1の信号路選択手段121は少なく
とも1つ以上の入力端子128と、複数の出力端子12
9と、制御端子130とを有し、制御端子130に供給
される制御信号S30に応じて入力端子128と出力端
子129との接続関係を切り替え得るようになされてい
る。また第2の信号路選択手段122は複数の入力端子
131と、少なくとも1つ以上の出力端子132と、制
御端子133とを有し、制御端子133に供給される制
御信号S31に応じて入力端子131と出力端子132
との接続関係を切り替え得るようになされている。
【0103】信号路選択手段121の出力端子129と
信号路選択手段122の入力端子131はそれぞれ利得
の異なる信号路123〜126によつて接続されてい
る。この場合、信号路123〜126にはそれぞれ利得
の異なる信号増幅手段134〜137が介挿されてお
り、これにより信号路毎に利得が異なるようになされて
いる。
【0104】信号路制御手段127は第1及び第2の信
号路選択手段121、122の選択動作を制御するもの
であり、入力端子128に供給される信号レベルに応じ
てどの信号路(123〜126)を選択すれば良いか判
断し、その判断結果に応じた制御信号S30、S31を
出力して信号路選択手段121、122の選択動作を制
御する。
【0105】この場合具体的には、信号路制御手段12
7としては、図14に示すような制御手順を実行する。
すなわちステツプSP40から入つたステツプSP41
において、まず信号路選択手段121、122を制御し
て信号路123〜126のうち適当な信号路を設定す
る。次にステツプSP42において、その設定した信号
路が有する利得値(G)を所定の記憶手段から読み出
す。次にステツプSP43において、設定した信号路を
介して出力端子132に出力される出力信号のレベル
(C)を測定する。次にステツプSP44において、測
定した信号レベル(C)と利得値(G)とを基に入力端
子128に供給された入力信号のレベル(D)を求め
る。次にステツプSP45において、入力信号の信号レ
ベル(D)に基づいて信号路123〜126のうち最適
な信号路を選択する。すなわち入力信号を出力端子13
2で要求されているレベルにするために一番最適な信号
路を選択する。次にこの選択した信号路をステツプSP
41で設定し、以下、処理を繰り返す。
【0106】このようにして利得可変手段120では、
入力端子128に供給される信号レベルに応じて信号路
123〜126を変えることにより全体として利得調整
を行い、出力端子132に一定レベルの信号を供給す
る。この場合、信号増幅手段134〜137の利得値が
固定値であるため、利得可変手段120では離散的な利
得調整になる。しかしながら利得可変手段120では、
各信号増幅手段134〜137の消費電力を利得値に応
じて最適化しておくことができると共に、選択されない
信号路に存在する信号増幅手段をオフするようにできる
ため、不要な電力消費を抑制することができる。
【0107】また利得可変手段120では、各信号増幅
手段134〜137の飽和レベルをそれぞれ異なるよう
に設定できるため、受信帯域内に強い妨害波が存在した
としても飽和レベルを変えた信号路を適宜切り替えれ
ば、飽和による受信感度の劣化を回避し得、耐妨害波特
性を向上し得る。
【0108】なお、複数の信号路123〜126のうち
少なくとも1つ以上を信号増幅手段のない単なる伝送線
路に置き換えたり、或いは複数の信号路123〜126
のうち少なくとも1つ以上に対して信号増幅手段の代わ
りに減衰器を介挿するようにしても良い。このようにす
れば、一段と大きな利得差を得ることができ、これによ
つて各素子の飽和レベルを妨害波レベルに対してさらに
余裕を持たせることができ、耐妨害波特性が一段と向上
する。またこの場合には、受動素子である減衰器や伝送
線路ではそもそも電力消費が発生しないため、一段と不
要な電力消費を抑制することができる。
【0109】ここで図23との対応部分に同一符号を付
して示す図15において、上述のような利得可変手段1
20を実際に組み込んだ受信回路を示す。この受信回路
140では、利得可変回路141が上述の利得可変手段
120に対応する。また利得可変回路141はRF周波
数での利得調整を行う。この利得可変回路141は大き
く分けて信号路切替スイツチ142、143と、その信
号路切替スイツチ142、143によつて切り替えられ
る利得の異なる信号路144、145と、信号路切替ス
イツチ142、143の切り替え動作を制御する信号路
制御回路146とによつて構成されている。すなわち信
号路切替スイツチ142、143が上述の信号路選択手
段121、122に対応するものであり、信号路14
4、145が上述の信号路123〜126に対応するも
のであり、信号路制御回路146が上述の信号路制御手
段127に対応するものである。
【0110】この利得可変回路141の場合には、2つ
の信号路のうち一方の信号路144は増幅器を持たない
単なる伝送線路によつて形成されており、他方の信号路
145は増幅器147によつて例えば20〔dB〕の電力増
幅を行えるようになされている。なお、信号路145に
設けられている増幅器147は利得値に応じて消費電力
が最適化されていると共に、飽和レベルも最適化されて
いる。
【0111】また信号路制御回路146は制御信号S3
0、S31を出力して信号路切替スイツチ142、14
3を切り替え、これによつて2つの信号路144、14
5のうち一方を選択する。この場合、信号路制御回路1
46は受信アンテナ端での信号レベルを調べることによ
り受信したRF信号S5に対して電力増幅が必要か否か
を判断し、電力増幅が必要な場合には信号路145を選
択し、電力増幅が不要な場合には信号路144を選択す
る。これによりRF信号S5の信号レベルが低い場合に
は増幅器147によつて電力増幅が行われ、信号レベル
が十分高い場合には電力増幅が行われなくなる。
【0112】このようにして利得可変回路141では、
信号路(144、145)を切り替えることにより利得
調整を行う。この場合、利得可変回路141では2つの
利得状態を取り得る。1つは信号路144を選択した場
合の0〔dB〕の状態であり、もう1つは信号路145を
選択した場合の20〔dB〕の状態である。このことから明
らかなように、RF段では離散的な利得調整になる。し
かしながらIF段には連続的に利得調整のできる利得可
変増幅器39が設けられており、この受信回路140で
は、この利得可変増幅器39によつて連続的に利得調整
することによりRF段での離散的な利得調整を補うよう
にしている。すなわち受信回路140では、離散的な利
得調整を行う利得可変回路141と連続的な利得調整を
行う利得可変増幅器39の2つによつて最終的に所望の
利得を得るようにしている。
【0113】ここで信号路制御回路146の制御手順を
図16に示すフローチヤートを用いて具体的に説明す
る。まずはじめにステツプSP50から入つたステツプ
SP51において、信号路切替スイツチ142、143
を制御して2つの信号路のうち信号路145を設定する
と共に、その信号路145に設けられた増幅器147を
オン状態にする。次にステツプSP52において、その
信号路145が有する利得値(G1)を所定の記憶手段
から読み込む(すなわちこの場合には増幅器147の利
得値を読み込む)。次にステツプSP53において、出
力端子32に出力される信号レベルが所望値(C)にな
るように利得可変増幅器39を調整する。次にステツプ
SP54において、調整した利得可変増幅器39の利得
値(G2)を読み込む。次にステツプSP55におい
て、信号レベル(C)、信号路145の利得値(G1)
及び利得可変増幅器39の利得値(G2)から受信した
RF信号S5の信号レベル(D)を求める。具体的に
は、信号レベル(C)から信号路145の利得値(G
1)及び利得可変増幅器39の利得値(G2)を差し引
いて信号レベル(D)を求める。
【0114】次にステツプSP56において、信号路を
切り替える際の基準信号レベル(R)を所定の記憶手段
から読み込む。そして次のステツプSP57において、
読み込んだ基準信号レベル(R)と先程求めたRF信号
S5の信号レベル(D)とを比較する。その結果、RF
信号S5の信号レベル(D)が大きければ電力増幅不要
のためステツプSP58に移行し、ここで信号路切替ス
イツチ142、143を制御して信号路144を設定す
ると共に、増幅器147をオフ状態に設定し、その後、
ステツプSP52に戻つて処理を繰り返す。一方、RF
信号S5の信号レベル(D)が小さければ電力増幅が必
要であるためそのままステツプSP51に戻つて処理を
繰り返す。なお、信号路144を設定した場合には、ス
テツプSP53で再び利得可変増幅器39を調整するこ
とにより、出力端子32で所望値の信号レベルが得られ
る。このようにして信号路制御回路146はRF信号S
5の信号レベル(D)を求め、その求めた信号レベル
(D)を基に最適な信号路を選択して当該RF信号S5
に対して利得調整を施し、出力端子32で所望の信号レ
ベルが得られるようにしている。
【0115】以上の構成において、この利得可変回路1
41の場合には、利得の異なる2つの信号路144、1
45を切り替えることにより利得調整を行う。具体的に
は、受信したRF信号S5の信号レベルを調べ、電力増
幅の必要があれば増幅器147を有する信号路145を
選択し、電力増幅の必要がなければ増幅器のない単なる
伝送線路でなる信号路144を選択する。その際、信号
路145を選択したときだけ増幅器147を動作させ
る。これにより従来のように増幅器を常に動作させる必
要がなくなり、不要な電力消費を抑制することができ
る。従つてこのような利得可変回路141によつて利得
調整する受信回路140を用いれば、移動端末の電池寿
命を延ばすことができ、待ち受け時間や通話時間を延ば
すことができる。
【0116】また利得可変回路141では、RF信号S
5が十分な信号レベルを有する場合、単なる伝送線路で
ある信号路144を選択して電力増幅を施さない。この
ため受信帯域内に強い妨害波があつたとしても、妨害波
によつて増幅器147が飽和することはなく、飽和によ
る受信信号の抑圧を防げる。これにより利得可変回路1
41を用いれば、妨害波による受信感度の劣化を回避し
得る。
【0117】なお、利得可変回路141では、利得の異
なる2つの信号路144、145を切り替えて利得調整
を行つているため、離散的な利得調整になる。このため
この受信回路140では、IF段に設けられた利得可変
増幅器39によつてこの離散的な利得変化を補い、全体
として所望の利得変化を得ている。このように全体とし
ての利得調整を利得可変回路141と利得可変増幅器3
9の2つで行うことにより、この受信回路140でも、
各素子のダイナミツクレンジを軽減することができる。
【0118】以上の構成によれば、増幅器のない単なる
伝送線路でなる信号路144と増幅器147を有する信
号路145とを切り替えることにより利得調整するよう
にしたことにより、信号路145を選択したときだけ増
幅器147を動作させることができ、これによつて従来
のように常時増幅器を動作させる必要がなくなつて不要
な電力消費を抑制することができる。またRF信号S5
が十分な信号レベルを有する場合には、単なる伝送線路
である信号路144を選択するため、妨害波による受信
信号の抑圧を防ぐことができ、これにより妨害波による
受信感度の劣化を回避し得る。
【0119】(2−2)第6実施例 図24との対応部分に同一符号を付して示す図17にお
いて、第6実施例による受信回路149を示す。上述の
第5実施例においては、利得可変回路141によつて単
に利得だけを切り替えるようにした場合について述べた
が、この実施例の場合には、利得可変回路によつて利得
と共に帯域通過フイルタも切り替える。
【0120】利得可変回路150は大きく分けて信号路
切替スイツチ151、152及び153、154と、利
得の異なる2つの信号路155、156と、通過帯域の
異なる帯域通過フイルタ41、42及び45、46と、
信号路切替スイツチ151、152及び153、154
の切り替え動作を制御する信号路制御回路157とによ
つて構成されている。
【0121】信号路切替スイツチ151は4つのスイツ
チ151A〜151Dを環状に接続した環状スイツチか
らなり、その4つの接続交点のうち対向する2つを入力
端子とし、残り2つを出力端子とすることによつて1つ
のスイツチで入力端子と出力端子とを接続し得るように
なされている。この場合、2つの入力端子にはそれぞれ
帯域通過フイルタ41、42が接続され、2つの出力端
子にはそれぞれ信号路155、156が接続されてお
り、信号路切替スイツチ151は帯域通過フイルタ4
1、42と信号路155、156との接続を切り替え
る。
【0122】また同様に、信号路切替スイツチ152も
4つのスイツチ152A〜152Dを環状に接続した環
状スイツチからなり、その4つの接続交点のうち対向す
る2つを入力端子とし、残り2つを出力端子とすること
によつて1つのスイツチで入力端子と出力端子とを接続
し得るようになされている。この場合、2つの入力端子
にはそれぞれ信号路155、156が接続され、2つの
出力端子にはそれぞれ帯域通過フイルタ45、46が接
続されており、信号路切替スイツチ152は信号路15
5、156と帯域通過フイルタ45、46との接続を切
り替える。
【0123】一方、信号路切替スイツチ153は受信ア
ンテナ31で受信したRF信号S5にかけるフイルタを
切り替えるスイツチであり、帯域通過フイルタ41、4
2のうち一方を受信アンテナ31に接続する。また信号
路切替スイツチ154は帯域通過フイルタ45又は帯域
通過フイルタ46によつて帯域制限されたRF信号S5
を周波数混合器37に供給するスイツチであり、帯域通
過フイルタ45、46のうち一方を周波数混合器37に
接続する。
【0124】この実施例の場合にも、2つの信号路のう
ち一方の信号路155は増幅器を持たない単なる伝送線
路によつて形成されており、他方の信号路156は増幅
器158によつて例えば20〔dB〕の電力増幅を行えるよ
うになされている。なお、この実施例の場合にも、信号
路156に設けられている増幅器158は利得値に応じ
て消費電力が最適化されていると共に、飽和レベルも最
適化されている。
【0125】帯域通過フイルタ41、42はそれぞれ通
過帯域が異なるフイルタであり、2つでRF信号S5の
全帯域をカバーしている。同様に、帯域通過フイルタ4
5、46もそれぞれ通過帯域が異なるフイルタであり、
2つでRF信号S5の全帯域をカバーしている。このよ
うに通過帯域を分割することにより、この受信回路14
9でも、低容積かつ低損失の帯域通過フイルタを実現し
ている。
【0126】信号路制御回路157は制御信号S40、
S41を出力して信号路切替スイツチ151、152を
切り替えると共に、制御信号S42、S43を出力して
信号路切替スイツチ153、154を切り替える。この
場合、信号路制御回路157は受信したRF信号S5の
信号レベルを調べることにより当該RF信号S5に対し
て電力増幅が必要か否かを判断し、電力増幅が必要な場
合には信号路156を選択し、電力増幅が不要な場合に
は信号路155を選択する。因みに、信号路155が選
択された場合には、増幅器158は信号路制御回路15
7によつてオフ状態にさせられる。また信号路制御回路
157はRF信号S5の使用周波数を調べることよりど
ちらの帯域通過フイルタを使用したら良いかを判断し、
その判断結果に基づいて信号路切替スイツチ151〜1
54を切り替える。
【0127】なお、この実施例の場合も、信号路を選択
することにより利得調整を施しているためRF段では離
散的な利得調整になる。このため受信回路149では、
IF段の利得可変増幅器39で連続的に利得調整するこ
とによりRF段での離散的な利得調整を補うようにして
いる。
【0128】ここで信号路制御回路157の制御手順を
図18に示すフローチヤートを用いて具体的に説明す
る。まずはじめにステツプSP60から入つたステツプ
SP61において、受信したRF信号S5の使用周波数
(F)を調べる。次にステツプSP62において、帯域
通過フイルタを切り替える際の基準周波数(FC )を所
定の記憶手段から読み込む。次にステツプSP63にお
いて、RF信号S5の使用周波数(F)と基準周波数
(FC )とを比較し、その結果、使用周波数(F)が小
さければステツプSP64に移行し、使用周波数(F)
が大きければステツプSP65に移行する。
【0129】ステツプSP64では、制御信号S42を
出力して信号路切替スイツチ153を帯域通過フイルタ
41側に切り替えると共に、制御信号S43を出力して
信号路切替スイツチ154を帯域通過フイルタ45側に
切り替える。すなわち通過帯域が低い方の帯域通過フイ
ルタ41、45を選択する。さらにステツプSP64で
は、制御信号S40を出力して信号路切替スイツチ15
1のスイツチ151Dをオンさせると共に、制御信号S
41を出力して信号路切替スイツチ152のスイツチ1
52Bをオンさせ、さらに増幅器158を動作させて信
号路156を設定する。
【0130】次にステツプSP66において、信号路1
56の有する利得値(G1)を所定の記憶手段から読み
込む。次にステツプSP67において、出力端子32に
出力される信号レベルが所望値(C)になるように利得
可変増幅器39を調整する。次にステツプSP68にお
いて、調整した利得可変増幅器39の利得値(G2)を
読み込む。次にステツプSP69において、信号レベル
(C)、信号路156の利得値(G1)及び利得可変増
幅器39の利得値(G2)から受信したRF信号S5の
信号レベル(D)を求める。具体的には、信号レベル
(C)から信号路156の利得値(G1)及び利得可変
増幅器39の利得値(G2)を差し引いて信号レベル
(D)を求める。
【0131】次にステツプSP70において、信号路を
切り替える際の基準信号レベル(R)を所定の記憶手段
から読み込む。そして次のステツプSP71において、
読み込んだ基準信号レベル(R)と先程求めたRF信号
S5の信号レベル(D)とを比較する。その結果、RF
信号S5の信号レベル(D)が大きければ電力増幅不要
のためステツプSP72に移行し、ここで制御信号S4
0、S41を出力してスイツチ151A、152Aをオ
ンさせて信号路155を設定すると共に、増幅器158
をオフ状態にし、その後、ステツプSP66に戻つて処
理を繰り返す。一方、RF信号S5の信号レベル(D)
が小さければ電力増幅が必要であるためそのままステツ
プSP64に戻つて処理を繰り返す。なお、信号路15
5を設定した場合には、ステツプSP67で再び利得可
変増幅器39を調整することにより、出力端子32で所
望値の信号レベルが得られる。
【0132】これに対してステツプSP65では、制御
信号S42を出力して信号路切替スイツチ153を帯域
通過フイルタ42側に切り替えると共に、制御信号S4
3を出力して信号路切替スイツチ154を帯域通過フイ
ルタ46側に切り替える。すなわち通過帯域が高い方の
帯域通過フイルタ42、46を選択する。さらにステツ
プSP65では、制御信号S40を出力して信号路切替
スイツチ151のスイツチ151Cをオンさせると共
に、制御信号S41を出力して信号路切替スイツチ15
2のスイツチ152Cをオンさせ、さらに増幅器158
を動作させて信号路156を設定する。
【0133】次にステツプSP73において、信号路1
56の有する利得値(G1)を所定の記憶手段から読み
込む。次にステツプSP74において、出力端子32に
出力される信号レベルが所望値(C)になるように利得
可変増幅器39を調整する。次にステツプSP75にお
いて、調整した利得可変増幅器39の利得値(G2)を
読み込む。次にステツプSP76において、信号レベル
(C)、信号路156の利得値(G1)及び利得可変増
幅器39の利得値(G2)から受信したRF信号S5の
信号レベル(D)を求める。具体的には、信号レベル
(C)から信号路156の利得値(G1)及び利得可変
増幅器39の利得値(G2)を差し引いて信号レベル
(D)を求める。
【0134】次にステツプSP77において、信号路を
切り替える際の基準信号レベル(R)を所定の記憶手段
から読み込む。そして次のステツプSP78において、
読み込んだ基準信号レベル(R)と先程求めたRF信号
S5の信号レベル(D)とを比較する。その結果、RF
信号S5の信号レベル(D)が大きければ電力増幅不要
のためステツプSP79に移行し、ここで制御信号S4
0、S41を出力してスイツチ151B、152Dをオ
ンさせて信号路155を設定すると共に、増幅器158
をオフ状態にし、その後、ステツプSP73に戻つて処
理を繰り返す。一方、RF信号S5の信号レベル(D)
が小さければ電力増幅が必要であるためそのままステツ
プSP65に戻つて処理を繰り返す。なお、信号路15
5を設定した場合には、ステツプSP74で再び利得可
変増幅器39を調整することにより、出力端子32で所
望値の信号レベルが得られる。
【0135】このようにして信号路制御回路157は、
RF信号S5の使用周波数に応じて帯域通過フイルタ
(41、42、45、46)を切り替えると共に、RF
信号S5の信号レベル(D)に応じて最適な信号路を選
択して当該RF信号S5に対して利得調整を施し、出力
端子32で所望の信号レベルが得られるようにしてい
る。
【0136】以上の構成において、この実施例の場合に
は、利得可変回路150によつて利得調整と共に帯域通
過フイルタを切り替える。その際、利得可変回路150
では、信号路制御回路157によつて信号路切替スイツ
チ151〜154のスイツチ状態を制御することにより
利得調整と帯域通過フイルタの切り替えを同時に行う。
【0137】ところでこの実施例の場合には、通過帯域
特性の異なる2つの信号路(すなわち帯域通過フイルタ
41を有する信号路と帯域通過フイルタ42を有する信
号路)と、利得の異なる2つの信号路155、156と
の接続切り替えを環状スイツチからなる信号路切替スイ
ツチ151で行つている。このようにして環状スイツチ
からなる信号路切替スイツチ151によつて接続切り替
えを行うと、信号路切替スイツチ151で発生する挿入
損失を低減することができる。なぜなら環状スイツチの
場合には、4つのスイツチ151A〜151Dのうち1
つをオンさせれば信号路が切り替わるため、信号路中に
介挿されるスイツチとしては1つになるからである。通
常、入力側の2つの線路と出力側の2つの線路とを接続
切り替えする場合には、2つのスイツチの組み合わせで
行うのが一般的である。しかしその場合には、信号路中
に介挿されるスイツチは2つになり、挿入損失が大きく
なつてしまう。ところがこの実施例のように環状スイツ
チを用いた場合には、信号路中に介挿されるスイツチは
1つになるため挿入損失を低減することができる。
【0138】またこの実施例の場合には、利得の異なる
2つの信号路155、156と、通過帯域の異なる2つ
の信号路(すなわち帯域通過フイルタ45を有する信号
路と帯域通過フイルタ46を有する信号路)との接続切
り替えを環状スイツチからなる信号路切替スイツチ15
2で行つているが、同様の理由により、この部分でも挿
入損失を低減することができる。
【0139】なお、この実施例の場合にも、信号路15
6を選択した場合にだけ増幅器158を動作させるため
無駄な電力消費を抑えることができると共に、RF信号
S5が十分な信号レベルを有する場合には単なる伝送線
路である信号路155を選択するため受信帯域内に妨害
波があつたとしても増幅器158の飽和を避けて妨害波
による受信感度の劣化を回避し得る。またこの実施例の
場合にも、利得可変回路150と利得可変増幅器39の
2つで全体の利得調整を行つているため各素子のダイナ
ミツクレンジを軽減できる。
【0140】以上の構成によれば、信号路の切り替えに
対して環状スイツチからなる信号路切替スイツチ15
1、152を用いるようにしたことにより、通過帯域特
性の異なる信号路と利得の異なる信号路155、156
との接続を低挿入損失で同時に切り替えることができ
る。
【0141】(2−3)第7実施例 図19において、160は全体として第7実施例による
受信回路を示し、この受信回路160の場合には、利得
可変回路161を用いることにより不要な電力消費を抑
制して利得調整を行う。まず受信アンテナ31によつて
受信されたレベル変動を有するRF信号S5は利得可変
回路161に入力される。利得可変回路161は、RF
信号S5を増幅する必要がある場合には所定の利得値を
有する信号路を通過させ、増幅する必要がない場合には
単なる伝送線路を通過させることにより、当該RF信号
S5を所望の信号レベルに利得調整する。
【0142】利得可変回路161によつて利得調整され
たRF信号S5はRFドライバ回路162に入力され、
ここで所定の信号処理が施された後、周波数混合器37
に入力される。因みに、RFドライバ回路162は帯域
通過フイルタやバツフアアンプ回路等からなり、RF信
号S5から不要な周波数成分を除去すると共に、当該R
F信号S5を周波数混合器37に渡す際のインピーダン
ス調整等を行う。周波数混合器37はローカル信号S6
を用いてRF信号S5を低周波のIF信号S7に周波数
変換する。このIF信号S7は可変利得増幅器39に入
力され、ここで最終的に所望の値に利得調整された後、
出力端子32に出力される。
【0143】ここで利得可変回路161は、大きく分け
て信号路切替スイツチ163、164と、その信号路切
替スイツチ163、164によつて切り替えられる利得
の異なる信号路165、166と、信号路切替スイツチ
163、164の切り替え動作を制御する信号路制御回
路167とによつて構成されている。この利得可変回路
161の場合には、2つの信号路のうち一方の信号路1
66は増幅器を持たない単なる伝送線路によつて形成さ
れており、他方の信号路165は増幅器168によつて
電力増幅を行えるようになされている。
【0144】信号路切替スイツチ163は、いわゆる平
行二線路(163A、163B)からなる方向性結合器
によつて形成されるスイツチであり、受信アンテナ31
によつて受信されたRF信号S5を信号路165、16
6に出力する。具体的には、信号路切替スイツチ163
においては、第1の線路163Aの一端に受信アンテナ
31が接続され、その他端には信号路165の増幅器1
68が接続されており、これにより受信アンテナ31で
受信されたRF信号S5は当該第1の線路163Aを通
つて信号路165に供給される。また第2の線路163
Bの一端には信号路166が接続され、その他端には第
2の線路163Bの特性インピーダンスと等価の抵抗R
10が接続されており、これによりRF信号S5は平行
二線路の線路間結合によつて第2の線路163Bに拾わ
れて信号路166に供給される。一方、信号路切替スイ
ツチ164は、いわゆる半導体スイツチによつて形成さ
れるスイツチであり、信号路165又は166を通過し
てきたRF信号S5をRFドライバ回路162に供給す
るものである。
【0145】信号路制御回路167は制御信号S50を
信号路切替スイツチ164に出力することにより当該信
号路切替スイツチ164の接続関係を切り替え、これに
よつて2つの信号路165、166のうち一方を選択す
る。具体的には、信号路制御回路167は受信アンテナ
端での信号レベルを調べることにより受信したRF信号
S5に対して電力増幅が必要か否かを判断し、電力増幅
が必要な場合には信号路165を選択し、電力増幅が不
要な場合には信号路166を選択する。これによりRF
信号S5の信号レベルが低い場合には信号路165の増
幅器168によつて電力増幅が行われ、信号レベルが十
分高い場合には電力増幅が行われなくなる。なお、信号
路166が選択された場合には、信号路165の増幅器
168は信号路制御回路167によつてオフ状態にさせ
られる。
【0146】因みに、この実施例の場合も、信号路(1
65、166)を選択することにより利得調整を施して
いるためRF段では離散的な利得調整になる。このため
受信回路160では、IF段の利得可変増幅器39で連
続的に利得調整することによりRF段での離散的な利得
調整を補うようにしている。
【0147】以上の構成において、利得可変回路161
の場合には、受信したRF信号S5の信号レベルを調
べ、電力増幅の必要があれば増幅器168を有する信号
路165を選択し、電力増幅の必要がなければ増幅器の
ない単なる伝送線路でなる信号路166を選択すること
により、利得調整を行う。その際、信号路165を選択
したときだけ増幅器168を動作させる。これにより従
来のように増幅器を常に動作させる必要がなくなり、不
要な電力消費を抑制することができる。従つてこのよう
な利得可変回路161によつて利得調整する受信回路1
60を用いれば、移動端末の電池寿命を延ばすことがで
き、待ち受け時間や通話時間を延ばすことができる。ま
た利得可変回路161では、RF信号S5が十分な信号
レベルを有する場合、単なる伝送線路である信号路16
6を選択して電力増幅を施さないため、受信帯域内に強
い妨害波があつたとしても妨害波によつて増幅器168
が飽和することはなく、飽和による受信信号の抑圧を防
げる。これにより利得可変回路161を用いれば、妨害
波による受信感度の劣化を回避し得る。
【0148】また利得可変回路161では、信号路切替
スイツチ163として半導体スイツチではなく、方向性
結合器を用いたことにより、信号路切替スイツチ163
で発生する挿入損失を低減し得る。具体的には、一般に
半導体スイツチの場合には挿入損失が 0.6〔dB〕程度、
方向性結合器の場合には挿入損失が 0.1〔dB〕であり、
その差分( 0.5〔dB〕=約10%)だけ挿入損失を低減す
ることができる。
【0149】以上の構成によれば、増幅器のない単なる
伝送線路からなる信号路166と増幅器168を有する
信号路165とを切り替えることにより利得調整するよ
うにしたことにより、信号路165を選択したときだけ
増幅器168を動作させることができ、これによつて従
来のように常時増幅器を動作させる必要がなくなつて不
要な電力消費を抑制することができる。また信号路切替
スイツチ163として方向性結合器を用いたことによ
り、利得可変回路161における挿入損失を小さくし得
る。
【0150】(2−4)第8実施例 図19との対応部分に同一符号を付して示す図20にお
いて、170は全体として第8実施例による受信回路を
示し、この実施例の場合にも、利得可変回路171によ
つて利得の異なる信号路を切り替えることによりRF信
号S5の利得調整を行う。
【0151】まず利得可変回路171は大きく分けて信
号路切替スイツチ172、173と、利得の異なる2つ
の信号路174、175と、信号路切替スイツチ173
の切り替え動作を制御する信号路制御回路176とによ
つて構成されている。この利得可変回路171では、2
つの信号路のうち一方の信号路175は増幅器を持たな
い単なる伝送線路によつて形成されており、他方の信号
路174は増幅器(PA)177によつて電力増幅が行
えるようになされている。なお、信号路174に設けら
れた増幅器177の消費電力は利得値に応じて最適化さ
れている。
【0152】信号路切替スイツチ172は、第7実施例
の場合と同様に、平行二線路(172A、172B)か
らなる方向性結合器によつて形成され、受信アンテナ3
1によつて受信されたRF信号S5を信号路174、1
75に出力する。具体的には、信号路切替スイツチ17
2においては、第1の線路172Aの一端に受信アンテ
ナ31が接続され、その他端には信号路174の増幅器
177が接続されており、これによつて受信アンテナ3
1で受信されたRF信号S5は当該第1の線路172A
を通つて信号路174に供給される。また第2の線路1
72Bの一端には信号路175が接続され、その他端に
は第2の線路172Bの特性インピーダンスと等価の抵
抗R11が接続されており、これによりRF信号S5は
平行二線路の線路間結合によつて第2の線路172Bに
拾われて信号路175に供給される。一方、信号路切替
スイツチ173は2つの半導体スイツチ173A、17
3Bを組み合わせた4端子のスイツチによつて形成され
ており、一方の半導体スイツチ173Aは信号路174
とRFドライバ回路162との接続を切り替え、他方の
半導体スイツチ173Bは信号路175とRFドライバ
回路162との接続を切り替えるようになされている。
因みに、半導体スイツチ173Bは信号路175をRF
ドライバ回路162に接続しなかつた場合に当該信号路
175を抵抗R12に接続するようになされている。
【0153】信号路制御回路176は制御信号S51を
信号路切替スイツチ173に出力することにより当該信
号路切替スイツチ173の接続関係を制御する。具体的
には、信号路制御回路176は受信アンテナ端での信号
レベルを調べることにより受信したRF信号S5に対し
て電力増幅が必要か否かを判断し、電力増幅が必要な場
合には信号路174を選択し、電力増幅が不要な場合に
は信号路175を選択する。これによりRF信号S5の
信号レベルが低い場合には信号路174の増幅器177
によつて電力増幅が行われ、信号レベルが十分高い場合
には電力増幅が行われなくなる。なお、信号路175が
選択された場合には、信号路174の増幅器177は信
号路制御回路176によつてオフ状態にさせられる。
【0154】ところで信号路切替スイツチ172の第2
の線路172Bの一端はダイオードD2を介して信号レ
ベル検出回路178に接続されており、これによつて第
2の線路172Bに現れる信号の電圧値を信号レベル検
出回路178で取り込めるようになつている。信号レベ
ル検出回路178は受信アンテナ31で受信されたRF
信号S5の信号レベルを検出する回路であり、第2の線
路172Bに現れる信号の電圧値を基にRF信号S5の
信号レベルを検出する。
【0155】例えばRF信号S5を信号路174及び半
導体スイツチ173Aを介してRFドライバ回路162
に供給する場合、方向性結合器の線路間結合により線路
172BにはRF信号S5に応じた信号が現れる。信号
レベル検出回路178はこの信号の電圧値を調べること
により受信されたRF信号S5の信号レベルを検出す
る。因みに、このとき線路172Bの一端が半導体スイ
ツチ173Bを介して当該線路172Bの特性インピー
ダンスと等価の抵抗R12に接続されることにより、線
路172Bはインピーダンス整合が取られる。これによ
り線路172Bは安定した状態で信号を拾うことができ
る。またRF信号S5を信号路175及び半導体スイツ
チ173Bを介してRFドライバ回路162に供給する
場合、RF信号S5は線路間結合によつて線路172B
に拾われ、これによつてRFドライバ回路162に供給
される。従つて線路172Bには当然RF信号S5が現
れる。信号レベル検出回路178はこの信号の電圧値を
調べることにより受信されたRF信号S5の信号レベル
を検出する。
【0156】因みに、方向性結合器には結合損失がある
ため線路172Bに現れる信号の電圧値は必ずしも受信
アンテナ端でのRF信号S5の信号レベルと等しくなら
ないが、結合損失は一定であるためその分だけ電圧値に
オフセツトを与えれば信号レベル検出回路178におい
て容易に正確なRF信号S5の信号レベルを検出するこ
とができる。このようにして信号レベル検出回路178
によつて検出されたRF信号S5の信号レベルの情報は
信号路制御回路176に供給される。これにより信号路
制御回路176では、上述したようにRF信号S5の信
号レベルに応じて信号路切替スイツチ173の切り替え
動作を制御し得る。
【0157】以上の構成において、利得可変回路171
の場合には、受信したRF信号S5の信号レベルを調
べ、電力増幅の必要があれば増幅器177を有する信号
路174を選択し、電力増幅の必要がなければ増幅器の
ない単なる伝送線路でなる信号路175を選択すること
により、利得調整を行う。その際、信号路174を選択
したときだけ増幅器177を動作させる。これにより従
来のように増幅器を常に動作させる必要がなくなり、不
要な電力消費を抑制することができる。従つてこのよう
な利得可変回路171によつて利得調整する受信回路1
70を用いれば、移動端末の電池寿命を延ばすことがで
き、待ち受け時間や通話時間を延ばすことができる。ま
た利得可変回路171では、第7実施例と同様に、RF
信号S5の信号レベルが十分なとき信号路175を選択
して電力増幅を施さないため、受信帯域内に強い妨害波
があつたとしても妨害波によつて増幅器177が飽和す
ることはなく、飽和による受信信号の抑圧を防げる。こ
れにより利得可変回路171を用いれば、妨害波による
受信感度の劣化を回避し得る。
【0158】また利得可変回路171では、第7実施例
と同様に、信号路切替スイツチ172として半導体スイ
ツチではなく、方向性結合器を用いたことにより、信号
路切替スイツチ172で発生する挿入損失を低減し得
る。また信号路切替スイツチ172を形成する方向性結
合器の第2の線路172BをダイオードD2を介して信
号レベル検出回路178に接続するようにしたことによ
り、信号レベル検出回路178では第2の線路172B
に現れる信号を取り込んでその電圧値を調べることがで
き、これによつてRF信号S5の信号レベルを容易に検
出することができる。従つてこの利得可変回路171で
は、信号路切替スイツチ172をRF信号S5の信号レ
ベルを検出する際に使用する信号抽出手段と共通化し
得、これによつて別に信号抽出手段を設ける必要もな
く、簡易な構成でRF信号S5の信号レベルを検出する
ことができる。
【0159】以上の構成によれば、増幅器のない単なる
伝送線路からなる信号路175と増幅器177を有する
信号路174とを切り替えることによつて利得調整する
ようにしたことにより、信号路174を選択したときだ
け増幅器177を動作させることができ、これによつて
従来のように常時増幅器を動作させる必要がなくなつて
不要な電力消費を抑制することができる。また利得可変
回路171の信号路切替スイツチ172として方向性結
合器を用いたことにより、低挿入損失で信号路174、
175を切り替えることができる。また信号路切替スイ
ツチ172を形成する方向性結合器の第2の線路172
Bを信号レベル検出回路178に接続するようにしたこ
とにより、当該信号路切替スイツチ172をRF信号S
5の信号レベルを検出する際に使用する信号抽出手段と
共通化し得、これによつて簡易な構成でRF信号S5の
信号レベルを検出することができる。
【0160】(3)他の実施例 なお上述の第1、第2、第3及び第4実施例において
は、増幅器77、88、98又は112を用いて信号路
の利得を変えたり、単なる伝送線路を組み合わせること
により信号路の利得を変えた場合について述べたが、本
発明はこれに限らず、減衰器を用いて信号路の利得を変
えるようにしても良い。この場合、受動素子である減衰
器自体には電力消費がないため、不要な電力消費を抑え
るという点においては、一段と大きな効果が得られる。
【0161】また上述の第1、第2、第3及び第4実施
例においては、利得可変回路71、80、91又は10
6を用いてRF周波数の信号(すなわちRF信号S3)
に対して利得調整を施した場合について述べたが、本発
明はこれに限らず、利得可変回路71、80、91又は
106を用いてIF周波数の信号(すなわちIF信号S
1)に対して利得調整を施すようにしても良い。因み
に、組み合わせを考えると、利得可変回路71、80、
91又は106を周波数混合器の前段及び後段に設け、
第1及び第2の周波数の信号に対して利得調整する場合
と、利得可変回路71、80、91又は106を周波数
混合器の前段又は後段のいずれか一方に設け、第1の周
波数の信号に対しては当該利得可変回路71、80、9
1又は106を用いて利得調整し、第2の周波数の信号
に対しては所定の利得可変増幅器によつて利得調整する
場合とが考えられる。
【0162】また上述の第1、第2、第3及び第4実施
例においては、単に複数の信号路の利得を変えた場合に
ついて述べたが、本発明はこれに限らず、信号路内に遅
延素子を設け、信号路間の信号遅延差を等化するように
しても良い。このようにすれば、利得可変回路で信号遅
延差も同時に等化することができる。
【0163】また上述の第2実施例においては、利得可
変回路80の入力側と出力側の両方に通過帯域フイルタ
を有する信号路と信号路切替スイツチとを設けた場合に
ついて述べたが、本発明はこれに限らず、利得可変回路
の入力側と出力側のいずれか一方にだけ通過帯域フイル
タを有する信号路と信号路切替スイツチとを設けるよう
にしても良い。因みに、このように構成した場合には、
第3及び第4実施例に合わせて利得可変回路の最も出力
側にある信号路切替スイツチを方向性結合器で形成する
ようにしても良い。
【0164】また上述の第3及び第4実施例において
は、利得可変回路91、106の最も出力側にある信号
路切替スイツチ94、108に方向性結合器を用いた場
合について述べたが、本発明はこれに限らず、第1及び
2実施例において利得可変回路71、80の最も出力側
にある信号路切替スイツチ73、84に方向性結合器を
用いるようにしても良い。このようにすれば信号路切替
スイツチ73、84で発生する挿入損失を低減し得ると
共に、信号路切替スイツチ73、84を信号レベル検出
時の信号抽出手段と共通化し得る。
【0165】また上述の第5、第6、第7及び第8実施
例においては、増幅器147、158、168又は17
7を用いて信号路の利得を変えたり、単なる伝送線路を
組み合わせることにより信号路の利得を変えた場合につ
いて述べたが、本発明はこれに限らず、減衰器を用いて
信号路の利得を変えるようにしても良い。この場合、受
動素子である減衰器自体には電力消費がないため、不要
な電力消費を抑えるという点においては、一段と大きな
効果を得られる。
【0166】また上述の第5、第6、第7及び第8実施
例においては、利得可変回路141、150、161又
は171を用いてRF周波数の信号(すなわちRF信号
S5)に対して利得調整を施した場合について述べた
が、本発明はこれに限らず、利得可変回路141、15
0、161又は171を用いてIF周波数の信号(すな
わちIF信号S7)に対して利得調整を施すようにして
も良い。因みに、組み合わせを考えると、利得可変回路
141、150、161又は171を周波数混合器の前
段及び後段に設け、第1及び第2の周波数の信号に対し
て利得調整する場合と、利得可変回路141、150、
161又は171を周波数混合器の前段又は後段のいず
れか一方に設け、第1の周波数の信号に対しては当該利
得可変回路141、150、161又は171を用いて
利得調整し、第2の周波数の信号に対しては所定の利得
可変増幅器によつて利得調整する場合とが考えられる。
【0167】また上述の第5、第6、第7及び第8実施
例においては、単に複数の信号路の利得を変えた場合に
ついて述べたが、本発明はこれに限らず、信号路内に遅
延素子を設け、信号路間の信号遅延差を等化するように
しても良い。このようにすれば、利得可変回路で信号遅
延差も同時に等化することができる。
【0168】また上述の第6実施例においては、利得可
変回路150の入力側と出力側の両方に通過帯域フイル
タを有する信号路と信号路切替スイツチとを設けた場合
について述べたが、本発明はこれに限らず、利得可変回
路の入力側と出力側のいずれか一方にだけ通過帯域フイ
ルタを有する信号路と信号路切替スイツチとを設けるよ
うにしても良い。因みに、このように構成した場合に
は、第7及び第8実施例に合わせて利得可変回路の最も
入力側にある信号路切替スイツチを方向性結合器で形成
するようにしても良い。
【0169】さらに上述の第7及び第8実施例において
は、利得可変回路161、171の最も入力側にある信
号路切替スイツチ163、172に方向性結合器を用い
た場合について述べたが、本発明はこれに限らず、第5
及び第6実施例において利得可変回路141、150の
最も入力側にある信号路切替スイツチ142、153に
方向性結合器を用いるようにしても良い。このようにす
れば信号路切替スイツチ142、153で発生する挿入
損失を低減し得ると共に、信号路切替スイツチ142、
153を信号レベル検出時の信号抽出手段と共通化し得
る。
【0170】
【発明の効果】上述のように本発明によれば、信号増幅
手段によつてそれぞれ異なる利得を有する複数の信号路
のうち最適な信号路を選択することにより入力端子に供
給される送信信号に対して利得調整を施すようにしたこ
とにより、各信号増幅手段の消費電力を利得値に応じて
最適化できると共に、選択されない信号路中の信号増幅
手段を動作させないようにでき、これによつて不要な電
力消費を抑制できる。
【0171】また本発明によれば、信号増幅手段によつ
てそれぞれ異なる利得を有する複数の信号路のうち最適
な信号路を選択することにより入力端子に供給される受
信信号に対して利得調整を施すようにしたことにより、
各信号増幅手段の消費電力を利得値に応じて最適化でき
ると共に、選択されない信号路中の信号増幅手段を動作
させないようにでき、これによつて不要な電力消費を抑
制できる。また受信信号が十分な信号レベルを有する場
合には利得の低い信号路が選択されるため、受信帯域内
で強い妨害波があつたとしても妨害波による信号増幅手
段の飽和を未然に防いで受信信号の抑圧を防ぐことがで
き、これによつて妨害波による受信感度の劣化を回避し
得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の原理の説明に供する送信回路の利得可
変手段を示すブロツク図である。
【図2】利得可変手段の信号路制御手段の制御手順を示
すフローチヤートである。
【図3】第1実施例による送信回路を示すブロツク図で
ある。
【図4】第1実施例の信号路制御回路の制御手順を示す
フローチヤートである。
【図5】第2実施例による送信回路を示すブロツク図で
ある。
【図6】第2実施例の信号路制御回路の制御手順を示す
フローチヤートである。
【図7】第3実施例による送信回路を示すブロツク図で
ある。
【図8】方向性結合器の動作の説明に供するブロツク図
である。
【図9】第3実施例の送信回路によるダイナミツクレン
ジの一例を示す特性曲線図である。
【図10】ダイナミツクレンジの比較説明に供する従来
の場合のダイナミツクレンジの一例を示す特性曲線図で
ある。
【図11】ダイナミツクレンジの比較説明に供する第1
実施例の場合のダイナミツクレンジの一例を示す特性曲
線図である。
【図12】第4実施例による送信回路を示すブロツク図
である。
【図13】本発明の原理の説明に供する受信回路の利得
可変手段を示すブロツク図である。
【図14】利得可変手段の信号路制御手段の制御手順を
示すフローチヤートである。
【図15】第5実施例による受信回路を示すブロツク図
である。
【図16】第5実施例の信号路制御回路の制御手順を示
すフローチヤートである。
【図17】第6実施例による受信回路を示すブロツク図
である。
【図18】第6実施例の信号路制御回路の制御手順を示
すフローチヤートである。
【図19】第7実施例による受信回路を示すブロツク図
である。
【図20】第8実施例による受信回路を示すブロツク図
である。
【図21】従来の送信回路を示すブロツク図である。
【図22】帯域通過フイルタを分けた従来の送信回路を
示すブロツク図である。
【図23】従来の受信回路を示すブロツク図である。
【図24】帯域通過フイルタを分けた従来の受信回路を
示すブロツク図である。
【符号の説明】
1、20、70、79、90、105……送信回路、3
0、40、140、149、160、170……受信回
路、50、120……利得可変手段、51、52、12
1、122……信号路選択手段、53〜56、74、7
5、85、86、95、96、109、110、123
〜126、144、145、155、156、165、
166、174、175……信号路、57、127……
信号路制御手段、71、80、91、106、141、
150、161、171……利得可変回路、72、7
3、81〜84、93、94、107、108、14
2、143、151〜154、163、164、17
2、173……信号路切替スイツチ、76、87、9
7、111、146、157、167、176……信号
路制御回路。

Claims (78)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】利得可変手段を有し、当該利得可変手段に
    よつて送信信号に対して利得調整する送信装置におい
    て、 上記利得可変手段は、 少なくとも1つ以上の入力端子と、複数の出力端子と、
    当該入力端子と出力端子との接続関係を切り替えるため
    の制御端子とを有する第1の信号路選択手段と、 複数の入力端子と、少なくとも1つ以上の出力端子と、
    当該入力端子と出力端子との接続関係を切り替えるため
    の制御端子とを有する第2の信号路選択手段と、 上記第1の信号路選択手段の複数の出力端子と上記第2
    の信号路選択手段の複数の入力端子とを一対一で接続
    し、かつ信号増幅手段によつてそれぞれ異なる利得を有
    する複数の信号路と、 上記第1及び第2の信号路選択手段の制御端子に制御信
    号を与えることにより、当該第1及び第2の信号路選択
    手段内の接続関係を切り替え制御する信号路制御手段と
    を具え、上記信号路制御手段によつて上記複数の信号路
    のうち最適な信号路を選択することにより上記第1の信
    号路選択手段の入力端子に供給される送信信号に対して
    利得調整を施すようにしたことを特徴とする送信装置。
  2. 【請求項2】上記複数の信号路のうち、少なくとも1つ
    以上の信号路に対して信号増幅手段を持たない単なる伝
    送線路を用いるようにしたことを特徴とする請求項1に
    記載の送信装置。
  3. 【請求項3】上記複数の信号路のうち、少なくとも1つ
    以上の信号路に対して減衰器で利得を変えた信号路を用
    いるようにしたことを特徴とする請求項1に記載の送信
    装置。
  4. 【請求項4】上記複数の信号路に遅延素子を設け、信号
    路間の信号遅延差を等化するようにしたことを特徴とす
    る請求項1に記載の送信装置。
  5. 【請求項5】上記複数の信号路に遅延素子を設け、信号
    路間の信号遅延差を等化するようにしたことを特徴とす
    る請求項2に記載の送信装置。
  6. 【請求項6】上記複数の信号路に遅延素子を設け、信号
    路間の信号遅延差を等化するようにしたことを特徴とす
    る請求項3に記載の送信装置。
  7. 【請求項7】上記送信信号を周波数混合器によつて周波
    数変換する場合、上記利得可変手段によつて第1の周波
    数の送信信号に対して利得調整し、上記周波数混合器を
    介した第2の周波数の送信信号に対しては所定の利得可
    変増幅器によつて利得調整するようにしたことを特徴と
    する請求項1に記載の送信装置。
  8. 【請求項8】上記送信信号を周波数混合器によつて周波
    数変換する場合、当該周波数混合器の前段及び後段に上
    記利得可変手段を設け、第1の周波数の送信信号及び第
    2の周波数の送信信号に対して利得調整するようにした
    ことを特徴とする請求項1に記載の送信装置。
  9. 【請求項9】上記送信信号を周波数混合器によつて周波
    数変換する場合、当該周波数混合器の前段及び後段に上
    記利得可変手段を設け、第1の周波数の送信信号及び第
    2の周波数の送信信号に対して利得調整し、 かつ上記第2の周波数の送信信号に対して利得調整する
    上記利得可変手段については、複数の信号路のうち少な
    くとも1つ以上の信号路に対して信号増幅手段を持たな
    い単なる伝送線路を用いるようにしたことを特徴とする
    請求項1に記載の送信装置。
  10. 【請求項10】上記送信信号を周波数混合器によつて周
    波数変換する場合、当該周波数混合器の前段及び後段に
    上記利得可変手段を設け、第1の周波数の送信信号及び
    第2の周波数の送信信号に対して利得調整し、 かつ上記第2の周波数の送信信号に対して利得調整する
    上記利得可変手段については、複数の信号路のうち少な
    くとも1つ以上の信号路に対して減衰器で利得を変えた
    信号路を用いるようにしたことを特徴とする請求項1に
    記載の送信装置。
  11. 【請求項11】上記送信信号を周波数混合器によつて周
    波数変換する場合、上記利得可変手段によつて第1の周
    波数の送信信号に対して利得調整し、上記周波数混合器
    を介した第2の周波数の送信信号に対しては所定の利得
    可変増幅器によつて利得調整するようにしたことを特徴
    とする請求項2に記載の送信装置。
  12. 【請求項12】上記送信信号を周波数混合器によつて周
    波数変換する場合、当該周波数混合器の前段及び後段に
    上記利得可変手段を設け、第1の周波数の送信信号及び
    第2の周波数の送信信号に対して利得調整するようにし
    たことを特徴とする請求項2に記載の送信装置。
  13. 【請求項13】上記送信信号を周波数混合器によつて周
    波数変換する場合、当該周波数混合器の前段及び後段に
    上記利得可変手段を設け、第1の周波数の送信信号及び
    第2の周波数の送信信号に対して利得調整し、 かつ上記第2の周波数の送信信号に対して利得調整する
    上記利得可変手段については、複数の信号路のうち少な
    くとも1つ以上の信号路に対して減衰器で利得を変えた
    信号路を用いるようにしたことを特徴とする請求項2に
    記載の送信装置。
  14. 【請求項14】上記送信信号を周波数混合器によつて周
    波数変換する場合、上記利得可変手段によつて第1の周
    波数の送信信号に対して利得調整し、上記周波数混合器
    を介した第2の周波数の送信信号に対しては所定の利得
    可変増幅器によつて利得調整するようにしたことを特徴
    とする請求項3に記載の送信装置。
  15. 【請求項15】上記送信信号を周波数混合器によつて周
    波数変換する場合、当該周波数混合器の前段及び後段に
    上記利得可変手段を設け、第1の周波数の送信信号及び
    第2の周波数の送信信号に対して利得調整するようにし
    たことを特徴とする請求項3に記載の送信装置。
  16. 【請求項16】上記第2の信号路選択手段は、 平行二線路からなる方向性結合器によつて形成されるこ
    とを特徴とする請求項1に記載の送信装置。
  17. 【請求項17】上記方向性結合器の第1の線路の一端を
    上記信号路のうちの第1信号路に接続し、かつ当該第1
    の線路の他端を上記出力端子とし、かつ上記方向性結合
    器の第2の線路の一端を上記信号路のうちの第2信号路
    に接続し、かつ当該第2の線路を所定の信号レベル検出
    手段に接続するようにすることを特徴とする請求項16
    に記載の送信装置。
  18. 【請求項18】利得可変手段を有し、当該利得可変手段
    によつて送信信号に対して利得調整する送信装置におい
    て、 上記利得可変手段は、 複数の入力端子と、複数の出力端子と、当該入力端子と
    出力端子との接続関係を切り替えるための制御端子とを
    有する第1の信号路選択手段と、 複数の入力端子と、少なくとも1つ以上の出力端子と、
    当該入力端子と出力端子との接続関係を切り替えるため
    の制御端子とを有する第2の信号路選択手段と、 少なくとも1つ以上の入力端子と、複数の出力端子と、
    当該入力端子と出力端子との接続関係を切り替えるため
    の制御端子とを有する第3の信号路選択手段と、 上記第1の信号路選択手段の複数の出力端子と上記第2
    の信号路選択手段の複数の入力端子とを一対一で接続
    し、かつ信号増幅手段によつてそれぞれ異なる利得を有
    する複数の第1の信号路と、 上記第3の信号路選択手段の複数の出力端子と上記第1
    の信号路選択手段の複数の入力端子とを一対一で接続
    し、かつフイルタ手段によつてそれぞれ異なる通過帯域
    特性を有する複数の第2の信号路と、 上記第1、第2及び第3の信号路選択手段の制御端子に
    制御信号を与えることにより、当該第1、第2及び第3
    の信号路選択手段内の接続関係を切り替え制御する信号
    路制御手段とを具え、上記信号路制御手段によつて上記
    第1及び第2の信号路のうち最適な信号路を選択するこ
    とにより上記第3の信号路選択手段の入力端子に供給さ
    れる送信信号に対して利得調整を施すと共に、通過帯域
    を切り替えるようにしたことを特徴とする送信装置。
  19. 【請求項19】上記複数の第1の信号路のうち、少なく
    とも1つ以上の信号路に対して信号増幅手段を持たない
    単なる伝送線路を用いるようにしたことを特徴とする請
    求項18に記載の送信装置。
  20. 【請求項20】上記複数の第1の信号路のうち、少なく
    とも1つ以上の信号路に対して減衰器で利得を変えた信
    号路を用いるようにしたことを特徴とする請求項18に
    記載の送信装置。
  21. 【請求項21】上記第1、第2及び第3の信号路選択手
    段は、 入出力端子数が共に「2」のとき、4つのスイツチを環
    状に接続した環状スイツチからなり、4つの接続交点の
    うち対向する2つを上記入力端子とし、残り2つを上記
    出力端子とすることによつて1つのスイツチで当該入力
    端子と出力端子とを接続するようにしたことを特徴とす
    る請求項18に記載の送信装置。
  22. 【請求項22】上記第1及び又は第2の信号路に遅延素
    子を設け、信号路間の信号遅延差を等化するようにした
    ことを特徴とする請求項18に記載の送信装置。
  23. 【請求項23】上記第2の信号路選択手段は、 平行二線路からなる方向性結合器によつて形成されるこ
    とを特徴とする請求項18に記載の送信装置。
  24. 【請求項24】上記方向性結合器の第1の線路の一端を
    上記第1の信号路のうちの第1信号路に接続し、かつ当
    該第1の線路の他端を上記出力端子とし、かつ上記方向
    性結合器の第2の線路の一端を上記第1の信号路のうち
    の第2信号路に接続し、かつ当該第2の線路を所定の信
    号レベル検出手段に接続するようにすることを特徴とす
    る請求項23に記載の送信装置。
  25. 【請求項25】利得可変手段を有し、当該利得可変手段
    によつて送信信号に対して利得調整する送信装置におい
    て、 上記利得可変手段は、 少なくとも1つ以上の入力端子と、複数の出力端子と、
    当該入力端子と出力端子との接続関係を切り替えるため
    の制御端子とを有する第1の信号路選択手段と、 複数の入力端子と、複数の出力端子と、当該入力端子と
    出力端子との接続関係を切り替えるための制御端子とを
    有する第2の信号路選択手段と、 複数の入力端子と、少なくとも1つ以上の出力端子と、
    当該入力端子と出力端子との接続関係を切り替えるため
    の制御端子とを有する第3の信号路選択手段と、 上記第1の信号路選択手段の複数の出力端子と上記第2
    の信号路選択手段の複数の入力端子とを一対一で接続
    し、かつ信号増幅手段によつてそれぞれ異なる利得を有
    する複数の第1の信号路と、 上記第2の信号路選択手段の複数の出力端子と上記第3
    の信号路選択手段の複数の入力端子とを一対一で接続
    し、かつフイルタ手段によつてそれぞれ異なる通過帯域
    特性を有する複数の第2の信号路と、 上記第1、第2及び第3の信号路選択手段の制御端子に
    制御信号を与えることにより、当該第1、第2及び第3
    の信号路選択手段内の接続関係を切り替え制御する信号
    路制御手段とを具え、上記信号路制御手段によつて上記
    第1及び第2の信号路のうち最適な信号路を選択するこ
    とにより上記第1の信号路選択手段の入力端子に供給さ
    れる送信信号に対して利得調整を施すと共に、通過帯域
    を切り替えるようにしたことを特徴とする送信装置。
  26. 【請求項26】上記複数の第1の信号路のうち、少なく
    とも1つ以上の信号路に対して信号増幅手段を持たない
    単なる伝送線路を用いるようにしたことを特徴とする請
    求項25に記載の送信装置。
  27. 【請求項27】上記複数の第1の信号路のうち、少なく
    とも1つ以上の信号路に対して減衰器で利得を変えた信
    号路を用いるようにしたことを特徴とする請求項25に
    記載の送信装置。
  28. 【請求項28】上記第1、第2及び第3の信号路選択手
    段は、 入出力端子数が共に「2」のとき、4つのスイツチを環
    状に接続した環状スイツチからなり、4つの接続交点の
    うち対向する2つを上記入力端子とし、残り2つを上記
    出力端子とすることによつて1つのスイツチで当該入力
    端子と出力端子とを接続するようにしたことを特徴とす
    る請求項25に記載の送信装置。
  29. 【請求項29】上記第1及び又は第2の信号路に遅延素
    子を設け、信号路間の信号遅延差を等化するようにした
    ことを特徴とする請求項25に記載の送信装置。
  30. 【請求項30】上記第3の信号路選択手段は、 平行二線路からなる方向性結合器によつて形成されるこ
    とを特徴とする請求項25に記載の送信装置。
  31. 【請求項31】上記方向性結合器の第1の線路の一端を
    上記第2の信号路のうちの第1信号路に接続し、かつ当
    該第1の線路の他端を上記出力端子とし、かつ上記方向
    性結合器の第2の線路の一端を上記第2の信号路のうち
    の第2信号路に接続し、かつ当該第2の線路を所定の信
    号レベル検出手段に接続するようにすることを特徴とす
    る請求項30に記載の送信装置。
  32. 【請求項32】利得可変手段を有し、当該利得可変手段
    によつて送信信号に対して利得調整する送信装置におい
    て、 上記利得可変手段は、 複数の入力端子と、複数の出力端子と、当該入力端子と
    出力端子との接続関係を切り替えるための制御端子とを
    有する第1の信号路選択手段と、 複数の入力端子と、複数の出力端子と、当該入力端子と
    出力端子との接続関係を切り替えるための制御端子とを
    有する第2の信号路選択手段と、 少なくとも1つ以上の入力端子と、複数の出力端子と、
    当該入力端子と出力端子との接続関係を切り替えるため
    の制御端子とを有する第3の信号路選択手段と、 複数の入力端子と、少なくとも1つ以上の出力端子と、
    当該入力端子と出力端子との接続関係を切り替えるため
    の制御端子とを有する第4の信号路選択手段と、 上記第1の信号路選択手段の複数の出力端子と上記第2
    の信号路選択手段の複数の入力端子とを一対一で接続
    し、かつ信号増幅手段によつてそれぞれ異なる利得を有
    する複数の第1の信号路と、 上記第3の信号路選択手段の複数の出力端子と上記第1
    の信号路選択手段の複数の入力端子とを一対一で接続
    し、かつフイルタ手段によつてそれぞれ異なる通過帯域
    特性を有する複数の第2の信号路と、 上記第2の信号路選択手段の複数の出力端子と上記第4
    の信号路選択手段の複数の入力端子とを一対一で接続
    し、かつフイルタ手段によつてそれぞれ異なる通過帯域
    特性を有する複数の第3の信号路と、 上記第1、第2、第3及び第4の信号路選択手段の制御
    端子に制御信号を与えることにより、当該第1、第2、
    第3及び第4の信号路選択手段内の接続関係を切り替え
    制御する信号路制御手段とを具え、上記信号路制御手段
    によつて上記第1、第2及び第3の信号路のうち最適な
    信号路を選択することにより上記第3の信号路選択手段
    の入力端子に供給される送信信号に対して利得調整を施
    すと共に、通過帯域を切り替えるようにしたことを特徴
    とする送信装置。
  33. 【請求項33】上記複数の第1の信号路のうち、少なく
    とも1つ以上の信号路に対して信号増幅手段を持たない
    単なる伝送線路を用いるようにしたことを特徴とする請
    求項32に記載の送信装置。
  34. 【請求項34】上記複数の第1の信号路のうち、少なく
    とも1つ以上の信号路に対して減衰器で利得を変えた信
    号路を用いるようにしたことを特徴とする請求項32に
    記載の送信装置。
  35. 【請求項35】上記第1、第2、第3及び第4の信号路
    選択手段は、 入出力端子数が共に「2」のとき、4つのスイツチを環
    状に接続した環状スイツチからなり、4つの接続交点の
    うち対向する2つを上記入力端子とし、残り2つを上記
    出力端子とすることによつて1つのスイツチで当該入力
    端子と出力端子とを接続するようにしたことを特徴とす
    る請求項32に記載の送信装置。
  36. 【請求項36】上記第1、第2及び又は第3の信号路に
    遅延素子を設け、信号路間の信号遅延差を等化するよう
    にしたことを特徴とする請求項32に記載の送信装置。
  37. 【請求項37】上記第4の信号路選択手段は、 平行二線路からなる方向性結合器によつて形成されるこ
    とを特徴とする請求項32に記載の送信装置。
  38. 【請求項38】上記方向性結合器の第1の線路の一端を
    上記第3の信号路のうちの第1信号路に接続し、かつ当
    該第1の線路の他端を上記出力端子とし、かつ上記方向
    性結合器の第2の線路の一端を上記第3の信号路のうち
    の第2信号路に接続し、かつ当該第2の線路を所定の信
    号レベル検出手段に接続するようにすることを特徴とす
    る請求項37に記載の送信装置。
  39. 【請求項39】信号増幅手段によつてそれぞれ異なる利
    得を有する複数の信号路を予め設けておき、 上記信号路の出力側で要求されている送信信号のレベル
    を調べると共に、上記信号路の入力側での送信信号のレ
    ベルを調べ、 上記2つのレベルのレベル差に応じて上記信号路のうち
    どの信号路を選択するか判断し、 当該判断結果に応じて上記信号路を適宜選択することよ
    つて上記送信信号に対して最適な利得調整を施すように
    したことを特徴とする送信信号の利得調整方法。
  40. 【請求項40】利得可変手段を有し、当該利得可変手段
    によつて受信信号に対して利得調整する受信装置におい
    て、 上記利得可変手段は、 少なくとも1つ以上の入力端子と、複数の出力端子と、
    当該入力端子と出力端子との接続関係を切り替えるため
    の制御端子とを有する第1の信号路選択手段と、 複数の入力端子と、少なくとも1つ以上の出力端子と、
    当該入力端子と出力端子との接続関係を切り替えるため
    の制御端子とを有する第2の信号路選択手段と、 上記第1の信号路選択手段の複数の出力端子と上記第2
    の信号路選択手段の複数の入力端子とを一対一で接続
    し、かつ信号増幅手段によつてそれぞれ異なる利得を有
    する複数の信号路と、 上記第1及び第2の信号路選択手段の制御端子に制御信
    号を与えることにより、当該第1及び第2の信号路選択
    手段内の接続関係を切り替え制御する信号路制御手段と
    を具え、上記信号路制御手段によつて上記複数の信号路
    のうち最適な信号路を選択することにより上記第1の信
    号路選択手段の入力端子に供給される受信信号に対して
    利得調整を施すようにしたことを特徴とする受信装置。
  41. 【請求項41】上記複数の信号路のうち、少なくとも1
    つ以上の信号路に対して信号増幅手段を持たない単なる
    伝送線路を用いるようにしたことを特徴とする請求項4
    0に記載の受信装置。
  42. 【請求項42】上記複数の信号路のうち、少なくとも1
    つ以上の信号路に対して減衰器で利得を変えた信号路を
    用いるようにしたことを特徴とする請求項40に記載の
    受信装置。
  43. 【請求項43】上記複数の信号路に遅延素子を設け、信
    号路間の信号遅延差を等化するようにしたことを特徴と
    する請求項40に記載の受信装置。
  44. 【請求項44】上記複数の信号路に遅延素子を設け、信
    号路間の信号遅延差を等化するようにしたことを特徴と
    する請求項41に記載の受信装置。
  45. 【請求項45】上記複数の信号路に遅延素子を設け、信
    号路間の信号遅延差を等化するようにしたことを特徴と
    する請求項42に記載の受信装置。
  46. 【請求項46】上記受信信号を周波数混合器によつて周
    波数変換する場合、上記利得可変手段によつて第1の周
    波数の受信信号に対して利得調整し、上記周波数混合器
    を介した第2の周波数の受信信号に対しては所定の利得
    可変増幅器によつて利得調整するようにしたことを特徴
    とする請求項40に記載の受信装置。
  47. 【請求項47】上記受信信号を周波数混合器によつて周
    波数変換する場合、当該周波数混合器の前段及び後段に
    上記利得可変手段を設け、第1の周波数の受信信号及び
    第2の周波数の受信信号に対して利得調整するようにし
    たことを特徴とする請求項40に記載の受信装置。
  48. 【請求項48】上記受信信号を周波数混合器によつて周
    波数変換する場合、当該周波数混合器の前段及び後段に
    上記利得可変手段を設け、第1の周波数の受信信号及び
    第2の周波数の受信信号に対して利得調整し、 かつ上記第2の周波数の受信信号に対して利得調整する
    上記利得可変手段については、複数の信号路のうち少な
    くとも1つ以上の信号路に対して信号増幅手段を持たな
    い単なる伝送線路を用いるようにしたことを特徴とする
    請求項40に記載の受信装置。
  49. 【請求項49】上記受信信号を周波数混合器によつて周
    波数変換する場合、当該周波数混合器の前段及び後段に
    上記利得可変手段を設け、第1の周波数の受信信号及び
    第2の周波数の受信信号に対して利得調整し、 かつ上記第2の周波数の受信信号に対して利得調整する
    上記利得可変手段については、複数の信号路のうち少な
    くとも1つ以上の信号路に対して減衰器で利得を変えた
    信号路を用いるようにしたことを特徴とする請求項40
    に記載の受信装置。
  50. 【請求項50】上記受信信号を周波数混合器によつて周
    波数変換する場合、上記利得可変手段によつて第1の周
    波数の受信信号に対して利得調整し、上記周波数混合器
    を介した第2の周波数の受信信号に対しては所定の利得
    可変増幅器によつて利得調整するようにしたことを特徴
    とする請求項41に記載の受信装置。
  51. 【請求項51】上記受信信号を周波数混合器によつて周
    波数変換する場合、当該周波数混合器の前段及び後段に
    上記利得可変手段を設け、第1の周波数の受信信号及び
    第2の周波数の受信信号に対して利得調整するようにし
    たことを特徴とする請求項41に記載の受信装置。
  52. 【請求項52】上記受信信号を周波数混合器によつて周
    波数変換する場合、当該周波数混合器の前段及び後段に
    上記利得可変手段を設け、第1の周波数の受信信号及び
    第2の周波数の受信信号に対して利得調整し、 かつ上記第2の周波数の受信信号に対して利得調整する
    上記利得可変手段については、複数の信号路のうち少な
    くとも1つ以上の信号路に対して減衰器で利得を変えた
    信号路を用いるようにしたことを特徴とする請求項41
    に記載の受信装置。
  53. 【請求項53】上記受信信号を周波数混合器によつて周
    波数変換する場合、上記利得可変手段によつて第1の周
    波数の受信信号に対して利得調整し、上記周波数混合器
    を介した第2の周波数の受信信号に対しては所定の利得
    可変増幅器によつて利得調整するようにしたことを特徴
    とする請求項42に記載の受信装置。
  54. 【請求項54】上記受信信号を周波数混合器によつて周
    波数変換する場合、当該周波数混合器の前段及び後段に
    上記利得可変手段を設け、第1の周波数の受信信号及び
    第2の周波数の受信信号に対して利得調整するようにし
    たことを特徴とする請求項42に記載の受信装置。
  55. 【請求項55】上記第1の信号路選択手段は、 平行二線路からなる方向性結合器によつて形成されるこ
    とを特徴とする請求項40に記載の受信装置。
  56. 【請求項56】上記方向性結合器の第1の線路の一端を
    上記信号路のうちの第1信号路に接続し、かつ当該第1
    の線路の他端を上記入力端子とし、かつ上記方向性結合
    器の第2の線路の一端を上記信号路のうちの第2信号路
    に接続し、かつ当該第2の線路を所定の信号レベル検出
    手段に接続するようにすることを特徴とする請求項55
    に記載の受信装置。
  57. 【請求項57】利得可変手段を有し、当該利得可変手段
    によつて受信信号に対して利得調整する受信装置におい
    て、 上記利得可変手段は、 複数の入力端子と、複数の出力端子と、当該入力端子と
    出力端子との接続関係を切り替えるための制御端子とを
    有する第1の信号路選択手段と、 複数の入力端子と、少なくとも1つ以上の出力端子と、
    当該入力端子と出力端子との接続関係を切り替えるため
    の制御端子とを有する第2の信号路選択手段と、 少なくとも1つ以上の入力端子と、複数の出力端子と、
    当該入力端子と出力端子との接続関係を切り替えるため
    の制御端子とを有する第3の信号路選択手段と、 上記第1の信号路選択手段の複数の出力端子と上記第2
    の信号路選択手段の複数の入力端子とを一対一で接続
    し、かつ信号増幅手段によつてそれぞれ異なる利得を有
    する複数の第1の信号路と、 上記第3の信号路選択手段の複数の出力端子と上記第1
    の信号路選択手段の複数の入力端子とを一対一で接続
    し、かつフイルタ手段によつてそれぞれ異なる通過帯域
    特性を有する複数の第2の信号路と、 上記第1、第2及び第3の信号路選択手段の制御端子に
    制御信号を与えることにより、当該第1、第2及び第3
    の信号路選択手段内の接続関係を切り替え制御する信号
    路制御手段とを具え、上記信号路制御手段によつて上記
    第1及び第2の信号路のうち最適な信号路を選択するこ
    とにより上記第3の信号路選択手段の入力端子に供給さ
    れる受信信号に対して利得調整を施すと共に、通過帯域
    を切り替えるようにしたことを特徴とする受信装置。
  58. 【請求項58】上記複数の第1の信号路のうち、少なく
    とも1つ以上の信号路に対して信号増幅手段を持たない
    単なる伝送線路を用いるようにしたことを特徴とする請
    求項57に記載の受信装置。
  59. 【請求項59】上記複数の第1の信号路のうち、少なく
    とも1つ以上の信号路に対して減衰器で利得を変えた信
    号路を用いるようにしたことを特徴とする請求項57に
    記載の受信装置。
  60. 【請求項60】上記第1、第2及び第3の信号路選択手
    段は、 入出力端子数が共に「2」のとき、4つのスイツチを環
    状に接続した環状スイツチからなり、4つの接続交点の
    うち対向する2つを上記入力端子とし、残り2つを上記
    出力端子とすることによつて1つのスイツチで当該入力
    端子と出力端子とを接続するようにしたことを特徴とす
    る請求項57に記載の受信装置。
  61. 【請求項61】上記第1及び又は第2の信号路に遅延素
    子を設け、信号路間の信号遅延差を等化するようにした
    ことを特徴とする請求項57に記載の受信装置。
  62. 【請求項62】上記第3の信号路選択手段は、 平行二線路からなる方向性結合器によつて形成されるこ
    とを特徴とする請求項57に記載の受信装置。
  63. 【請求項63】上記方向性結合器の第1の線路の一端を
    上記第2の信号路のうちの第1信号路に接続し、かつ当
    該第1の線路の他端を上記入力端子とし、かつ上記方向
    性結合器の第2の線路の一端を上記第2の信号路のうち
    の第2信号路に接続し、かつ当該第2の線路を所定の信
    号レベル検出手段に接続するようにすることを特徴とす
    る請求項62に記載の受信装置。
  64. 【請求項64】利得可変手段を有し、当該利得可変手段
    によつて受信信号に対して利得調整する受信装置におい
    て、 上記利得可変手段は、 少なくとも1つ以上の入力端子と、複数の出力端子と、
    当該入力端子と出力端子との接続関係を切り替えるため
    の制御端子とを有する第1の信号路選択手段と、 複数の入力端子と、複数の出力端子と、当該入力端子と
    出力端子との接続関係を切り替えるための制御端子とを
    有する第2の信号路選択手段と、 複数の入力端子と、少なくとも1つ以上の出力端子と、
    当該入力端子と出力端子との接続関係を切り替えるため
    の制御端子とを有する第3の信号路選択手段と、 上記第1の信号路選択手段の複数の出力端子と上記第2
    の信号路選択手段の複数の入力端子とを一対一で接続
    し、かつ信号増幅手段によつてそれぞれ異なる利得を有
    する複数の第1の信号路と、 上記第2の信号路選択手段の複数の出力端子と上記第3
    の信号路選択手段の複数の入力端子とを一対一で接続
    し、かつフイルタ手段によつてそれぞれ異なる通過帯域
    特性を有する複数の第2の信号路と、 上記第1、第2及び第3の信号路選択手段の制御端子に
    制御信号を与えることにより、当該第1、第2及び第3
    の信号路選択手段内の接続関係を切り替え制御する信号
    路制御手段とを具え、上記信号路制御手段によつて上記
    第1及び第2の信号路のうち最適な信号路を選択するこ
    とにより上記第1の信号路選択手段の入力端子に供給さ
    れる受信信号に対して利得調整を施すと共に、通過帯域
    を切り替えるようにしたことを特徴とする受信装置。
  65. 【請求項65】上記複数の第1の信号路のうち、少なく
    とも1つ以上の信号路に対して信号増幅手段を持たない
    単なる伝送線路を用いるようにしたことを特徴とする請
    求項64に記載の受信装置。
  66. 【請求項66】上記複数の第1の信号路のうち、少なく
    とも1つ以上の信号路に対して減衰器で利得を変えた信
    号路を用いるようにしたことを特徴とする請求項64に
    記載の受信装置。
  67. 【請求項67】上記第1、第2及び第3の信号路選択手
    段は、 入出力端子数が共に「2」のとき、4つのスイツチを環
    状に接続した環状スイツチからなり、4つの接続交点の
    うち対向する2つを上記入力端子とし、残り2つを上記
    出力端子とすることによつて1つのスイツチで当該入力
    端子と出力端子とを接続するようにしたことを特徴とす
    る請求項64に記載の受信装置。
  68. 【請求項68】上記第1及び又は第2の信号路に遅延素
    子を設け、信号路間の信号遅延差を等化するようにした
    ことを特徴とする請求項64に記載の受信装置。
  69. 【請求項69】上記第1の信号路選択手段は、 平行二線路からなる方向性結合器によつて形成されるこ
    とを特徴とする請求項64に記載の受信装置。
  70. 【請求項70】上記方向性結合器の第1の線路の一端を
    上記第1の信号路のうちの第1信号路に接続し、かつ当
    該第1の線路の他端を上記入力端子とし、かつ上記方向
    性結合器の第2の線路の一端を上記第1の信号路のうち
    の第2信号路に接続し、かつ当該第2の線路を所定の信
    号レベル検出手段に接続するようにすることを特徴とす
    る請求項69に記載の受信装置。
  71. 【請求項71】利得可変手段を有し、当該利得可変手段
    によつて受信信号に対して利得調整する受信装置におい
    て、 上記利得可変手段は、 複数の入力端子と、複数の出力端子と、当該入力端子と
    出力端子との接続関係を切り替えるための制御端子とを
    有する第1の信号路選択手段と、 複数の入力端子と、複数の出力端子と、当該入力端子と
    出力端子との接続関係を切り替えるための制御端子とを
    有する第2の信号路選択手段と、 少なくとも1つ以上の入力端子と、複数の出力端子と、
    当該入力端子と出力端子との接続関係を切り替えるため
    の制御端子とを有する第3の信号路選択手段と、 複数の入力端子と、少なくとも1つ以上の出力端子と、
    当該入力端子と出力端子との接続関係を切り替えるため
    の制御端子とを有する第4の信号路選択手段と、 上記第1の信号路選択手段の複数の出力端子と上記第2
    の信号路選択手段の複数の入力端子とを一対一で接続
    し、かつ信号増幅手段によつてそれぞれ異なる利得を有
    する複数の第1の信号路と、 上記第3の信号路選択手段の複数の出力端子と上記第1
    の信号路選択手段の複数の入力端子とを一対一で接続
    し、かつフイルタ手段によつてそれぞれ異なる通過帯域
    特性を有する複数の第2の信号路と、 上記第2の信号路選択手段の複数の出力端子と上記第4
    の信号路選択手段の複数の入力端子とを一対一で接続
    し、かつフイルタ手段によつてそれぞれ異なる通過帯域
    特性を有する複数の第3の信号路と、 上記第1、第2、第3及び第4の信号路選択手段の制御
    端子に制御信号を与えることにより、当該第1、第2、
    第3及び第4の信号路選択手段内の接続関係を切り替え
    制御する信号路制御手段とを具え、上記信号路制御手段
    によつて上記第1、第2及び第3の信号路のうち最適な
    信号路を選択することにより上記第3の信号路選択手段
    の入力端子に供給される受信信号に対して利得調整を施
    すと共に、通過帯域を切り替えるようにしたことを特徴
    とする受信装置。
  72. 【請求項72】上記複数の第1の信号路のうち、少なく
    とも1つ以上の信号路に対して信号増幅手段を持たない
    単なる伝送線路を用いるようにしたことを特徴とする請
    求項71に記載の受信装置。
  73. 【請求項73】上記複数の第1の信号路のうち、少なく
    とも1つ以上の信号路に対して減衰器で利得を変えた信
    号路を用いるようにしたことを特徴とする請求項71に
    記載の受信装置。
  74. 【請求項74】上記第1、第2、第3及び第4の信号路
    選択手段は、 入出力端子数が共に「2」のとき、4つのスイツチを環
    状に接続した環状スイツチからなり、4つの接続交点の
    うち対向する2つを上記入力端子とし、残り2つを上記
    出力端子とすることによつて1つのスイツチで当該入力
    端子と出力端子とを接続するようにしたことを特徴とす
    る請求項71に記載の受信装置。
  75. 【請求項75】上記第1、第2及び又は第3の信号路に
    遅延素子を設け、信号路間の信号遅延差を等化するよう
    にしたことを特徴とする請求項71に記載の受信装置。
  76. 【請求項76】上記第3の信号路選択手段は、 平行二線路からなる方向性結合器によつて形成されるこ
    とを特徴とする請求項71に記載の受信装置。
  77. 【請求項77】上記方向性結合器の第1の線路の一端を
    上記第2の信号路のうちの第1信号路に接続し、かつ当
    該第1の線路の他端を上記入力端子とし、かつ上記方向
    性結合器の第2の線路の一端を上記第2の信号路のうち
    の第2信号路に接続し、かつ当該第2の線路を所定の信
    号レベル検出手段に接続するようにすることを特徴とす
    る請求項76に記載の受信装置。
  78. 【請求項78】信号増幅手段によつてそれぞれ異なる利
    得を有する複数の信号路を予め設けておき、 上記信号路の入力側に供給される受信信号の信号レベル
    を調べ、調べた信号レベルに基づいて、上記信号路の出
    力側に所望の信号レベルの受信信号が出力されるように
    上記信号路を適宜選択することにより、上記受信信号に
    対して最適な利得調整を施すようにしたことを特徴とす
    る受信信号の利得調整方法。
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