JP3838173B2 - 情報処理装置および方法、記録媒体、並びにプログラム - Google Patents

情報処理装置および方法、記録媒体、並びにプログラム Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は情報処理装置および方法、記録媒体、並びにプログラムに関し、特に、よりリアルな体感をユーザに与えるための装置に適用して好適な情報処理装置および方法、記録媒体、並びにプログラムに関する。
【0002】
【従来の技術】
コンピュータゲームなどで画面や音声を提供することは勿論であるが、より臨場感をユーザに与えるために、コントローラが振動するなどの仕組みを有するものがある。このように、視覚や聴覚だけでなく、触覚でも楽しめる仕組みが設けられた装置がゲーム機などでは普及している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上述したコンピュータゲームなどにおいてユーザに体感を与える装置は、通常コントローラに設けられている。画像を提供する例えばテレビジョン受像機と、体感を与える装置を有するコントローラは、所定の距離を有して設置されており、その距離感のために、臨場感が損なわれてしまうといったような問題があった。
【0004】
また、例えば、所定の物体がものにぶつかったときの衝撃を体感させる場合、前からものがぶつかってきたときと、後ろからものぶつかってきたときとで、体感させる衝撃は同じである(強弱の違いはある場合があるが)。例えば、その体感させる衝撃とは、コントローラが一方向に振動するといったものであり、体感はできるものの、方向感までは与えられないなど、よりリアルにするための手段を有していないといったような問題があった。
【0005】
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、ユーザとの一体感をより高め、よりリアルな体感を与えることを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の情報処理装置は、画像を表示する表示手段と、振動を発生する振動発生手段と、当該情報処理装置の体勢の変化により生じる力の大きさおよびその方向を検知する検知手段と、検知手段により検出された力の大きさおよびその方向に基づいて、表示手段により表示される画像のうちの所定の画像を移動させる移動速度およびその移動方向を決定し、決定された所定の画像の移動速度およびその移動方向に応じて所定の画像を移動するように、表示手段を制御する表示制御手段と、検知手段により検出された力の大きさおよびその方向に基づいて、振動発生手段により発生される振動の大きさおよびその方向を決定し、決定された振動の大きさおよびその方向に応じた振動が発生されるように振動発生手段を制御する振動制御手段とを含むことを特徴とする。
【0007】
前記振動発生手段は、複数の振動素子から構成され、振動制御手段は、複数の振動素子をそれぞれ独立して振動させるようにすることができる。
【0008】
音声を出力する音声出力手段と、表示手段により表示される所定の画像の移動を表現する音声が出力されるように、音声出力手段を制御する音声制御手段とをさらに含むようにすることができる。
【0009】
前記表示手段の画枠の大きさと前記振動発生手段の大きさは、略同一に構成されているようにすることができる。
前記表示制御手段は、前記検知手段により検知された力の方向に移動するよう所定の画像の移動方向を決定するようにすることができる。
表示制御手段により決定される所定の画像の移動速度および移動方向に基づき、所定の画像が移動されることにより所定の画像が画像のうちの他の所定の画像に衝突するか否かを判別する判別手段とをさらに備えるようにすることができる。
【0010】
本発明の情報処理方法は、画像を表示する表示手段と、振動を発生する振動発生手段と、当該情報処理装置の体勢の変化により生じる力の大きさおよびその方向を検知する検知手段とを備える情報処理装置の情報処理方法であって、検知手段により検出された力の大きさおよびその方向に基づいて、表示手段により表示される画像のうちの所定の画像を移動させる移動速度およびその移動方向を決定し、決定された所定の画像の移動速度およびその移動方向に応じて所定の画像を移動するように、表示手段を制御する表示制御ステップと、検知手段により検出された力の大きさおよびその方向に基づいて、振動発生手段により発生される振動の大きさおよびその方向を決定し、決定された振動の大きさおよびその方向に応じた振動が発生されるように振動発生手段を制御する振動制御ステップとを含むことを特徴とする。
【0011】
本発明の記録媒体のプログラムは、画像を表示する表示手段と、振動を発生する振動発生手段と、当該情報処理装置の体勢の変化により生じる力の大きさおよびその方向を検知する検知手段とを備える情報処理装置のプログラムであって、検知手段により検出された力の大きさおよびその方向に基づいて、表示手段により表示される画像のうちの所定の画像を移動させる移動速度およびその移動方向を決定し、決定された所定の画像の移動速度およびその移動方向に応じて所定の画像を移動するように、表示手段を制御する表示制御ステップと、検知手段により検出された力の大きさおよびその方向に基づいて、振動発生手段により発生される振動の大きさおよびその方向を決定し、決定された振動の大きさおよびその方向に応じた振動が発生されるように振動発生手段を制御する振動制御ステップとを含むことを特徴とする。
【0012】
本発明のプログラムは、画像を表示する表示手段と、振動を発生する振動発生手段と、当該情報処理装置の体勢の変化により生じる力の大きさおよびその方向を検知する検知手段とを備える情報処理装置を制御するコンピュータに、検知手段により検出された力の大きさおよびその方向に基づいて、表示手段により表示される画像のうちの所定の画像を移動させる移動速度およびその移動方向を決定し、決定された所定の画像の移動速度およびその移動方向に応じて所定の画像を移動するように、表示手段を制御する表示制御ステップと、検知手段により検出された力の大きさおよびその方向に基づいて、振動発生手段により発生される振動の大きさおよびその方向を決定し、決定された振動の大きさおよびその方向に応じた振動が発生されるように振動発生手段を制御する振動制御ステップとを実行させることを特徴とする。
【0013】
本発明の情報処理装置および方法、並びにプログラムにおいては、表示されている画像に対応した振動が発生される。その画像は、情報処理装置の体勢の変化で加えられた力により切り換えられ、画像が切り換えられることにより、振動が、その画像の変化を表現するかたちで発生される。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。図1は、本発明の情報処理装置を含むシステムの一実施の形態の構成を示している。PC(パーソナルコンピュータ)1と情報処理装置2は、コード3により接続されている。情報処理装置2は、後述するように、画像を表示する機能を有すると共に、その画像に合った振動をユーザに提供する機能を有している。情報処理装置2は、ユーザが両手(片手)で支えることができる形状に構成されている。
【0015】
画像処理装置2に表示される画像のデータは、PC1からコード3を介して伝達される。コード3は有線だが、有線のコード3の代わりに、無線によりデータの授受を行えるようにしても良い。
【0016】
図2は、PC1の内部構成例を示す図である。PC1のCPU(Central Processing Unit)11は、ROM(Read Only Memory)12に記憶されているプログラムに従って各種の処理を実行する。RAM(Random Access Memory)13には、CPU11が各種の処理を実行する上において必要なデータやプログラムなどが適宜記憶される。入出力インタフェース15は、キーボードやマウスから構成される入力部16が接続され、入力部16に入力された信号をCPU11に出力する。また、入出力インタフェース15には、ディスプレイやスピーカなどから構成される出力部17も接続されている。
【0017】
さらに、入出力インタフェース15には、ハードディスクなどから構成される記憶部18、および、インターネットなどのネットワークを介して他の装置とデータの授受を行う通信部19も接続されている。ドライブ20は、磁気ディスク31、光ディスク32、光磁気ディスク33、半導体メモリ34などの記録媒体からデータを読み出したり、データを書き込んだりするときに用いられる。
【0018】
コード3は、例えば、入出力インタフェース15に接続されるようにしても良いし、通信部19を介して接続されるようにしても良い。また、本実施の形態においては、情報処理装置2は、出力部17として用いられる。
【0019】
図3は、情報処理装置2の外観の構成例を示す図である。情報処理装置2は、PC1から供給されたデータに基づく画像を表示する表示部51が、上部(図中、上側)に設けられている。下部には、振動をユーザに提供する機能を有する振動部52が設けられている。また情報処理装置2の側面には、コード3が設けられている。
【0020】
図4は、図3に示した情報処理装置2に対応する内部構成例を示す図である。PC1から出力されたデータは、コード3を介して、情報処理装置2の入力部61に入力される。入力部61により入力されたデータは、制御部62に供給される。制御部62は、供給されたデータが、画像データである場合、そのデータを表示制御部63に供給する。表示制御部63は、供給されたデータを基に、表示部51を制御し、供給されたデータに基づく画像を表示させる。
【0021】
制御部62には、力検知部64により検知され、A/D(Analog/Digital)変換部65によりアナログデータからデジタルデータに変換された、情報処理装置2に加えられた力に関するデータも供給される。制御部62は、供給された力に関するデータを基に、振動部52を制御し、ユーザに対して振動を供給する。
【0022】
情報処理装置2を図3および図4に示したような構成とすると、PC1側から画像データが供給されるため、様々な画像をユーザに提供することが可能となる。また、PC1側で処理を行うようにすれば、情報処理装置2側で行う処理を軽減することが可能となる。
【0023】
しかしながら、情報処理装置2は、ユーザが両手(片手)で支えることができる形状に構成されており、換言すれば、ユーザが情報処理装置2を保持できる構成とされており、そのために、コード3でPC1と接続される構成とすると、ユーザが保持できる形状に構成されているにもかかわらず、コード3の長さの制限により、ユーザが自由に動き回れないという問題がある。すなわち、ユーザの自由度が奪われてしまい、また、PC1が存在している状況下でないと、情報処理装置2により与えられる効果を享受できないということになってしまう。
【0024】
そこで、自由度を増すために、情報処理装置2を図5に示したような構成とすることも可能である。図5に示した構成では、情報処理装置2の側面から、コード3を取り除いた構成とされている。この構成においては、外部とのデータの授受を行うためにスロット53が設けられている。このスロット53には、例えば、メモリースティック(商標)などの記録媒体が挿入され、その挿入された記録媒体からデータが読み出されるようになっている。
【0025】
勿論、スロット53を設けない構造、または、スロット53の他にさらに他の構造も設けることも考えられる。設けない構造とした場合、例えば、他の装置と無線によりデータの授受を行える機能を設けるようにしても良いし、インターネットなどのネットワークに接続する機能を設け、ネットワークを介してデータの授受を行える機能を設けるようにしても良い。記録媒体やネットワークを介して行われるデータの授受は、表示部51に表示させる画像データの授受や、更新プログラムなどである。
【0026】
図5のような構成にした場合の情報処理装置2の内部構成例を図6に示す。図6は、図5に示した情報処理装置2の断面図である。情報処理装置2の上面には、表示部51が設けられている。この表示部51は、LCD(Liquid Crystal Display)などで構成される。
【0027】
図中、左側には、力検知部64が設けられている。この力検知部64は、情報処理装置2に加えられた力を検知するために設けられているが、例えば、ジャイロセンサや加速度センサで構成される。ジャイロセンサや加速度センサで構成される力検知部64は、加えられた力の方向と大きさを検知する。
【0028】
ここで、情報処理装置2に加えられる力とは、情報処理装置2の体勢を変化させた力のことを意味する。情報処理装置2の体勢の変化とは、例えば、水平に保たれていた状態から、傾けられた状態にされた場合などであり、そのように傾けられた状態にされるために加えられた力の方向と大きさが、力検知部64により検知される。
【0029】
図6中、右側には、スピーカ71が設けられている。このスピーカ71は、音を出力するために設けられている。情報処理装置2の下部には、振動部52が設けられている。図6には図示していないが、制御部62などを構成するCPUなども、情報処理装置2内に備えられている。
【0030】
図7は、振動部52の外観の構成例を示す図であり、情報処理装置2を下側から見たときの図である。図7に示した例では、振動部52は、8個の振動素子101−1乃至101−8(以下、個々に振動素子101―1乃至101−8を区別する必要がない場合、単に振動素子101と記述する)から構成されている。各振動素子101は、略長方形に構成され、この長方形が振動するように構成されている。
【0031】
なお、ここでは、振動部52には、8個の振動素子101が備えられ、各振動素子101は、略長方形であるとして説明するが、8個以外の個数の振動素子101が振動部52に備えられるようにしても良いし、各振動素子101の形状は、略長方形以外、例えば、円形などでも良い。
【0032】
振動素子101−1乃至101−8は、それぞれ別々に振動する(独立的に振動する)ことが可能であり、例えば、振動素子101―1だけが振動する、振動素子101−1乃至1−8全てが振動するなど、ユーザによりリアルな振動を与えるように構成されている。また、各振動素子101が発生する振動の強弱も制御可能にされている。
【0033】
各振動素子101は、例えば、図8に示すように、モータとおもりから構成されている。モータの回転軸には、偏心されたおもり(偏心カム)が付けられており、このおもりが回転することにより、図7に示したような振動素子101を形成する略長方形の板状の部材が振動するように構成されている。
【0034】
図9は、表示部51と振動部52の位置的な関係をイメージ的に示した図である。図7に示したように、振動部52の各振動素子101は、略円形になるように配置されているが、その略円形の大きさと、表示部51の略長方形の大きさ(画枠の大きさ)は、略同一になるように構成されている。
【0035】
これは、表示部51に表示されている画像が、例えばボールであり、そのボールが、表示部51の上方の中央の位置に衝突したようなときに、振動素子101−1が振動するようにすることにより、本当に、ボールが、表示部51の上方の中央の位置に衝突して振動が発生したかのような擬似的な体験を、ユーザに与えることを可能とするためである。
【0036】
表示部51と振動部52に、このような位置的な関係を持たせることにより、表示部51に表示される画像(映像)から視覚的に得られる衝突というものを、視覚以外に、よりリアルに、触覚的な振動としてユーザに与えることが可能となる。
【0037】
図10は、図5に示した、すなわち、コード3が備えられていない情報処理装置2の内部構成例を示す図である。図10に示した情報処理装置2と、図4に示した情報処理装置2を比較するに、図10に示した情報処理装置2は、図4に示した情報処理装置2から、入力部61を取り除いた構成とされ、スロット53、ROM(Read Only Memory)81、および、RAM(Random Access Memory)82を追加した構成とされている。
【0038】
ROM81には、制御部62が情報処理装置2内の各部を制御する上で必要となるプログラムやデータが記憶されている。RAM82には、制御部62が各部を制御する上で必要となるプログラムやデータが必要に応じロードされる。スロット53には、記録媒体が挿入され、その記録媒体から読み出されたデータが、制御部62に供給されるようになっている。
【0039】
例えば、ROM81には、表示部51に表示させる画像データが記憶されており、その画像データが制御部62に読み出され、表示制御部63により制御が行われることにより、その画像データに基づく画像が表示部15に表示される。例えば、表示部51には、図11に示すような画像が表示される。
【0040】
図11に示した表示部51に表示される画像は、金魚が泳いでいる姿を上方から見ている状態である。ユーザは、あたかも情報処理装置2を、金魚が泳いでいる水槽として扱うことができ、そのような擬似的体験をすることが可能とされている。図12に示すように、ユーザは、情報処理装置2を両手(片手でも良い)で支えるようにして保持する。このように保持することにより、ユーザは、あたかも、水槽を持っているような感覚を得ることができ、また、その水槽に泳いでいる金魚を眺めている感覚を得ることができる。
【0041】
このような画面が情報処理装置2に表示されているとき、この情報処理装置2が傾むけられたときの表示画面の変化について説明する。以下の説明においては、説明の都合上、図においては金魚のみを示し、背景は記述しない。また、以下の説明においては、表示部51と振動素子101との位置関係は図9に示したような関係になっており、振動素子101―1が位置する方向を上方向とし、101−5が位置する方向を下方向と記述する。
【0042】
図12に示したように、金魚がユーザ側に位置する状態(振動素子101−5の方、すなわち、下方向に位置する状態)から、ユーザが、図13に示すように、情報処理装置2をユーザに対して前方に傾けたとき、その傾きに合わせて金魚も前方の方(振動素子101−1の方、すなわち、上方向)に移動する。
【0043】
このような表示画面の変化について、図14を参照して再度説明にするに、表示部51に表示されている金魚が、図中下側に位置する状態から、図中上側に位置する状態まで、すなわち矢印方向に金魚は泳いで移動するといった表示が、ユーザが情報処理装置2を前方に傾けたことに対応して行われる。なお、図中の矢印は、説明のために付したものであり、表示部51に表示されるわけではない。
【0044】
このように、金魚が、図中下側から上側に泳いで移動する際、その移動する早さは、ユーザの情報処理装置2の傾け方に依存する。すなわち、ユーザが、情報処理装置2を急な角度で傾けた場合、金魚は、素早く下側から上側に泳いで移動するし、逆に、ユーザが情報処理装置2を緩やかな角度で傾けた場合、金魚は、ゆっくりと下側から上側に泳いで移動する。
【0045】
また、図示はしないが、ユーザが例えば、情報処理装置2を、右方向に傾けた場合、金魚は、右方向に泳いで移動し、左方向に傾けた場合、金魚は、左方向に泳いで移動する。
【0046】
このように、金魚は、ユーザが情報処理装置2を傾けた方向に泳ぐように設定されている。すなわち、ユーザは、金魚を操作しているような感覚を得ることができる。金魚との一体感を感じることもできる。
【0047】
このように表示が制御される際、その表示の制御にあわせて、振動の制御も行われる。図14に示したように、金魚が図中下側から上側に移動するということを換言すれば、金魚が振動素子101―5の方から振動素子101−1の方に移動したことになる。
【0048】
このことを視覚的な画像だけでなく、触覚的な振動としてユーザに感じさせるために、金魚が図中下側から上側に移動する際、振動素子101−5と振動素子101−1を、金魚が表示されている位置に合わせて振動させる。すなわち、金魚が、図中下側を泳いでいるときは、振動素子101−5が振動し、金魚が、図中上側を泳いでいるときは、振動素子101−1が振動するように制御される。
【0049】
また、振動素子101−1または振動素子101−5によりユーザに提供される振動の大きさは、金魚の移動速度に応じて制御される。すなわち、金魚が早く移動するときには、振動は大きくなるように制御され、ゆっくり移動するときには、振動は小さくなるように制御される。
【0050】
このようにユーザに対して画像だけでなく、その画像に対応した振動も提供することにより、ユーザは、生きている金魚が、あたかも情報処理装置2に存在し、その金魚が、自分の意志(指示)に反応して移動するといった感じを得ることができる。
【0051】
このような画像の提供と、振動の提供を行う情報処理装置2の動作について、図15のフローチャートを参照して説明する。ステップS11において、力検知部64により、情報処理装置2に加えられた力を検知したか否かが判断される。この力検知部64における力の検知は、情報処理装置2の電源がオンにされた状態で、例えば図11に示したような画像が表示されている状態のときに行われる。
【0052】
力検知部64で力が検知されない場合、ステップS11の状態が繰り返され(待機状態が維持され)、力検知部64で力が検知されると、ステップS12に進む。ステップS12において、検知された力の方向と大きさが判断される。例えば、力検知部64として、加速度センサが用いられている場合、その加速度センサにより検知された加速度をもとに、方向と大きさが判断される。
【0053】
方向は、垂直方向、水平方向、高さ方向の3方向、それぞれの加速度が検知されるように、加速度センサを備えるようにすれば、3方向毎の加速度を検知することができる。また、加速度の大きさから、加えられた力の大きさを求めることができる。
【0054】
ステップS12において、加えられた力の方向と大きさが判断されると、ステップS13において、表示部51に表示されている物(この場合、金魚)が移動する際の移動速度が決定される。これは、例えば、ROM81に、力検知部64により検知された力の大きさと、移動速度を関連付けたテーブルを記憶させておき、そのテーブルが参照されることにより決定される。
【0055】
移動速度が決定されると、ステップS14において、振動の方向と大きさが決定される。振動の方向は力検知部64が検知した力の方向に対応するように決定される。振動の大きさは、移動速度の決定と同じように、予めROM81に記憶されている、力検知部64が検知した力の大きさと、振動の大きさが関連付けられたテーブルが参照されて決定される。
【0056】
ここでは、ROM81に記憶されているテーブルが参照されて、移動速度や振動の大きさが決定されるとしたが、所定の演算式を用いて算出されるようにしても良い。例えば、所定の係数に、検知された力の大きさを乗算することにより、移動速度や振動の大きさが算出されるようにしても良い。
【0057】
このようにして決定された移動速度、振動の方向と大きさに基づいて、表示の制御と振動の制御が行われる。ステップS15において、表示の制御が行われるわけだが、その制御は、ステップS12において判断された方向に、ステップS13において決定された移動速度で金魚が移動するような表示の制御が行われる。このような制御は、制御部62から表示制御部63に指示が出されることにより行われる。
【0058】
このような表示の制御が行われるとともに、制御部62は、振動部52に対しても指示を出し、振動の制御も行う。ステップS16において、振動の制御が行われるわけだが、制御部62は、まず、振動させる振動素子101を、ステップS14において決定された方向に応じて決定する。すなわち、金魚の移動元から移動先までを振動でユーザに、最も効率よく、よりリアルに伝えるために振動させるべき振動素子101が決定される。
【0059】
また、振動素子101をどのような大きさで振動させるかの指示が出される。その指示は、ステップS14において決定された振動の大きさに基づいて指示され、また、どれだけの時間振動させるかの指示も出される。振動の大きさは、振動素子101としてのモータの回転数を変化させることにより制御される。
【0060】
このようにして、振動素子101−1乃至101−8のうちのいずれかの振動素子101が、決定された大きさで、決定された時間だけ振動される。
【0061】
このようにして、ユーザには、ユーザの指示に基づく画像と、その画像に対応した振動が提供される。
【0062】
上述した実施の形態においては、金魚は、ユーザの指示により移動するとしたが、ユーザの指示以外に、自主的に移動する機能を持たせても良い。勿論、自主的にと記載しているが、その動作は、予めプログラムなどにより制御されるものである。金魚が自主的に移動する場合、その移動に合わせた振動がユーザに提供されるようにしても良い。また、その移動に関し、金魚が急に方向を変化させたときなどは、強く振動するようにするなどしても良い。
【0063】
振動は、金魚の移動に伴うものだけでなく、例えば、金魚が表示部51の画枠に衝突したときなども、そのことを表現するために、振動がユーザに提供されるようにしても良い。
【0064】
また、上述した実施の形態においては、金魚が1匹の場合を例に挙げて説明したが、複数の金魚が泳いでいても勿論良い。そのようなときには、各金魚の位置に応じて振動がユーザに提供されるようにしても良い。また、2匹の金魚が近傍に位置するときなどは、その位置に対応する振動素子101が激しく振動するなど、よりリアルにユーザに体感させる仕組みを設けることは適宜可能である。
【0065】
振動素子101は、1つの振動素子101だけが駆動されるわけでなく、1つの振動素子101だけが駆動させるときもあるし、複数の振動素子101が同時に駆動されることもある。よりリアルに振動をユーザに提供されるように、駆動される振動素子101の数は、適宜、最も効果的と思われる数だけ駆動される。
【0066】
上述した実施の形態で、金魚以外に、水泡なども表示されるようにしても良い。また、その水泡に合わせた振動が、ユーザに提供されるようにしても良い。
【0067】
このように、ユーザに提供される画像や振動は、1つに限定されるものではなく、さまざまな形態が可能であり、本発明を、それらのさまざまな形態に適用することは可能である。
【0068】
図16に、他の表示の例を示す。図16に示した表示例ではボール111が表示され、複数のかべ112が表示されている。この例では、ボール111が迷路内を転がるようなイメージである。この例では、ボール111は、ユーザが情報処理装置2を傾けた方向に移動し、そのボール111がかべ112に衝突すると、その衝突による振動がユーザに提供されるようになっている。
【0069】
また、上述した金魚の例と同様に、ボール111が移動すると、その移動に合わせて振動がユーザに提供されるようになっている。また、そのボール111の移動速度は、金魚の例と同様に、ユーザがどれだけ情報処理装置2を傾けたかに依存している。
【0070】
このようなボール111が迷路内を転がるような場合、情報処理装置2は図17に示したようなフローチャートに従って処理を行う。ステップS21において、力検知部64により情報処理装置2に加えられた力が検知されると、ステップS22において、加えられた力の方向と大きさが判断される。このステップS21とステップS22における処理は、図15のフローチャートのステップS11とステップS12の処理と基本的に同様である。
【0071】
ステップS23において、ボール111がかべ112に衝突するか否かが判断される。この判断は、ステップS22において判断された方向にかべ112が存在するか否かが判断され、かべ112が存在すると判断されると、判断された力の大きさに基づいて、ボール111を移動させると、ボール111はかべ112に衝突するか否か、換言すれば、判断された力の大きさに基づくと、ボール111は、かべ112の手前で停止するか否かが判断されることにより行われる。
【0072】
このような判断は、予めROM81(スロット53に挿入されている記録媒体)に記憶されているかべ112の座標のデータなどが参照されることにより行われる。ステップS23において、ボール111がかべ112に衝突しないと判断されると、ステップS24に進み、衝突すると判断されると、ステップS28に進む。
【0073】
ステップS24乃至S27の処理は、図15のフローチャートのステップS13乃至S16と略同一の処理なので、その説明は省略する。一方、ステップS28以降の処理は、基本的に、図15のフローチャートのステップS13乃至S16と略同一の処理ではあるが、衝突に関して考慮された処理が行われる。
【0074】
ステップS28において、移動速度の決定が行われるわけだが、その決定された速度で移動すると、かべ112に当たるまでには、どのくらいの時間がかかるかも判定される。また、かべ112に衝突したときに、ボール111が跳ね返るなどの処理も実行する場合、どのくらい跳ね返るかなどの判定も行われる。
【0075】
ステップS14において、振動素子101の振動の方向と大きさが決定されるわけだが、その大きさは、ボール111が転がっているときの振動の大きさと、転がった先でかべ112に衝突したときの振動の大きさとが決定される。
【0076】
このような決定に基づいて、ステップS30において表示の制御が、ステップS31において振動の制御が、それぞれ行われる。
【0077】
このように、本発明を適用した情報処理装置2においては、ユーザにより加えられた力が検出され、その力に応じて画像が変化し、その画像の変化に応じて、振動がユーザに提供される。ユーザは、供給される画像と振動が連動していることにより、よりリアルな体感を得ることができる。振動は、画像内の振動を発生するものの位置にも対応しているため、よりリアルな体感をユーザに与えることができる。
【0078】
上述した実施の形態においては、ユーザが情報処理装置2に対して加えた力を検知する力検知部64を例に挙げて説明したが、他の情報を検知し、その情報に応じた処理が実行されるようにしても良い。検知される他の情報とは、例えば、ユーザや周囲の温度、ユーザの心拍数などである。これらの情報も、用いられて画像が変更される、振動が提供されるなどの処理が実行されるようにしても良い。
【0079】
上述した実施の形態においては、音については記述しなかったが、例えば、金魚の例の場合、金魚の泳ぐ音を、スピーカ71(図6)から出力するようにしても良い。また、ボール111の例の場合、ボール111が転がる音や、かべ112に衝突する音などが、スピーカ71から出力されるようにしても良い。ボール111が転がるときの音は、その転がる速度により音の強弱が制御されるようにしても良い。
【0080】
上述した一連の処理は、それぞれの機能を有するハードウェアにより実行させることもできるが、ソフトウェアにより実行させることもできる。一連の処理をソフトウェアにより実行させる場合には、そのソフトウェアを構成するプログラムが専用のハードウェアに組み込まれているコンピュータ、または、各種のプログラムをインストールすることで、各種の機能を実行することが可能な、例えば汎用のパーソナルコンピュータなどに、記録媒体からインストールされる。
【0081】
記録媒体は、図2に示すように、PC1とは別に、ユーザにプログラムを提供するために配布される、プログラムが記録されている磁気ディスク31(フレキシブルディスクを含む)、光ディスク32(CD-ROM(Compact Disc-Read Only Memory),DVD(Digital Versatile Disc)を含む)、光磁気ディスク33(MD(Mini-Disc)(登録商標)を含む)、若しくは半導体メモリ34などよりなるパッケージメディアにより構成されるだけでなく、コンピュータに予め組み込まれた状態でユーザに提供される、プログラムが記憶されているROM12や記憶部18が含まれるハードディスクなどで構成される。
【0082】
なお、本明細書において、媒体により提供されるプログラムを記述するステップは、記載された順序に従って、時系列的に行われる処理は勿論、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的あるいは個別に実行される処理をも含むものである。
【0083】
また、本明細書において、システムとは、複数の装置により構成される装置全体を表すものである。
【0084】
【発明の効果】
以上の如く、本発明の情報処理装置および方法、並びにプログラムによれば、表示される画像に対応した振動が発生されることにより、ユーザに、よりリアルな体感を与えることができる。
【0085】
また、表示される画像は、ユーザの指示に従って切り換えられ、その切り換えに応じて振動が発生されるため、ユーザに、よりリアルな体感を与えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した情報処理システムの一実施の形態の構成を示す図である。
【図2】PC1の内部構成例を示す図である。
【図3】情報処理装置2の外観の構成例を示す図である。
【図4】図3に示した情報処理装置2の内部構成例を示す図である。
【図5】情報処理装置2の他の外観の構成例を示す図である。
【図6】図5に示した情報処理装置2の断面図を示す図である。
【図7】振動部52の外観の構成例を示す図である。
【図8】振動部52の内部構成例を示す図である。
【図9】表示部51と振動部52の位置的な関係を示す図である。
【図10】図5に示した情報処理装置2の内部構例を示す図である。
【図11】表示部51に表示される中間調画像の写真である。
【図12】情報処理装置2に加えられる力について説明するための図である。
【図13】情報処理装置2に加えられる力について説明するための図である。
【図14】表示部51に表示される金魚の動きについて説明する図である。
【図15】情報処理装置2の動作について説明するフローチャートである。
【図16】表示部51に表示される中間調画像の写真である。
【図17】情報処理装置2の他の動作について説明するフローチャートである。
【符号の説明】
1 PC, 2 情報処理装置, 51 表示部, 52 振動部, 61 入力部, 62 制御部, 63 表示制御部, 64 力検出部, 65 A/D変換部, 71 スピーカ, 101 振動素子

Claims (9)

  1. 画像を表示する表示手段と、
    振動を発生する振動発生手段と、
    当該情報処理装置の体勢の変化により生じる力の大きさおよびその方向を検知する検知手段と、
    前記検知手段により検出された力の大きさおよびその方向に基づいて、前記表示手段により表示される前記画像のうちの所定の画像を移動させる移動速度およびその移動方向を決定し、決定された前記所定の画像の移動速度およびその移動方向に応じて前記所定の画像を移動するように、前記表示手段を制御する表示制御手段と、
    前記検知手段により検出された力の大きさおよびその方向に基づいて、前記振動発生手段により発生される振動の大きさおよびその方向を決定し、決定された前記振動の大きさおよびその方向に応じた振動が発生されるように前記振動発生手段を制御する振動制御手段と
    を含むことを特徴とする情報処理装置。
  2. 前記振動発生手段は、複数の振動素子から構成され、前記振動制御手段は、前記複数の振動素子をそれぞれ独立して振動させる
    ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
  3. 音声を出力する音声出力手段と、
    前記表示手段により表示される前記所定の画像の移動を表現する音声が出力されるように、前記音声出力手段を制御する音声制御手段と
    をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
  4. 前記表示手段の画枠の大きさと前記振動発生手段の大きさは、略同一に構成されている
    ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
  5. 前記表示制御手段は、前記検知手段により検知された力の方向に移動するよう前記所定の画像の移動方向を決定する
    ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
  6. 前記表示制御手段により決定される前記所定の画像の移動速度および移動方向に基づき、前記所定の画像が移動されることにより前記所定の画像が前記画像のうちの他の所定の画像に衝突するか否かを判別する判別手段と
    をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
  7. 画像を表示する表示手段と、
    振動を発生する振動発生手段と、
    当該情報処理装置の体勢の変化により生じる力の大きさおよびその方向を検知する検知手段と
    を備える情報処理装置の情報処理方法において、
    前記検知手段により検出された力の大きさおよびその方向に基づいて、前記表示手段により表示される前記画像のうちの所定の画像を移動させる移動速度およびその移動方向を決定し、決定された前記所定の画像の移動速度およびその移動方向に応じて前記所定の画像を移動するように、前記表示手段を制御する表示制御ステップと、
    前記検知手段により検出された力の大きさおよびその方向に基づいて、前記振動発生手段により発生される振動の大きさおよびその方向を決定し、決定された前記振動の大きさおよびその方向に応じた振動が発生されるように前記振動発生手段を制御する振動制御ステップと
    を含むことを特徴とする情報処理方法。
  8. 画像を表示する表示手段と、
    振動を発生する振動発生手段と、
    当該情報処理装置の体勢の変化により生じる力の大きさおよびその方向を検知する検知手段と
    を備える情報処理装置のプログラムであって、
    前記検知手段により検出された力の大きさおよびその方向に基づいて、前記表示手段により表示される前記画像のうちの所定の画像を移動させる移動速度およびその移動方向を決定し、決定された前記所定の画像の移動速度およびその移動方向に応じて前記所定の画像を移動するように、前記表示手段を制御する表示制御ステップと、
    前記検知手段により検出された力の大きさおよびその方向に基づいて、前記振動発生手段により発生される振動の大きさおよびその方向を決定し、決定された前記振動の大きさおよびその方向に応じた振動が発生されるように前記振動発生手段を制御する振動制御ステップと
    を含むことを特徴とするコンピュータが読み取り可能なプログラムが記憶されている記録媒体。
  9. 画像を表示する表示手段と、
    振動を発生する振動発生手段と、
    当該情報処理装置の体勢の変化により生じる力の大きさおよびその方向を検知する検知手段と
    を備える情報処理装置を制御するコンピュータに、
    前記検知手段により検出された力の大きさおよびその方向に基づいて、前記表示手段により表示される前記画像のうちの所定の画像を移動させる移動速度およびその移動方向を決定し、決定された前記所定の画像の移動速度およびその移動方向に応じて前記所定の画像を移動するように、前記表示手段を制御する表示制御ステップと、
    前記検知手段により検出された力の大きさおよびその方向に基づいて、前記振動発生手段により発生される振動の大きさおよびその方向を決定し、決定された前記振動の大きさおよびその方向に応じた振動が発生されるように前記振動発生手段を制御する振動制御ステップと
    を実行させることを特徴とするプログラム。
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