JP3837903B2 - 透明導電膜とその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は透明導電膜とその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
Al、B、Ga等の長周期型周期表の3族元素を添加したZnO系透明導電膜(以下、単にZnO系透明導電膜という)には、現在広く用いられているITO膜と比較すると、材料が安価で豊富であるという利点がある。また、マイルドな条件でウェットエッチングが可能なので、下地や基板にダメージを与えずパターニングが可能であるという特長がある。このため、各種ディスプレイデバイス用電極や太陽電池用電極として期待されている。
【0003】
しかし、スパッタリング法で作製したZnO系透明導電膜は、チャンバー内の残留ガス(主にH2 O)圧に依存して比抵抗などの物性の変動を起こしやすい。このため、特に150℃以下の低い基板温度で成膜する場合、ロットごとの特性ばらつきが生じやすい。また、残留ガスの多い雰囲気中で作製した膜は、熱により抵抗が変化しやすく耐熱性が不良となる。このため、ZnO系透明導電膜を得るには、残留ガスを取り除くために真空排気時間を長くしなければならず、生産性が向上しないという問題があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、生産性および耐熱性に優れたZnOを主成分とする透明導電膜とその製造方法の提供を目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、ZnOを主成分とし、InとGaとが含有され、ZnとInとGaとの総和に対して、Inが1〜2at%、かつGaが3〜4at%の割合で含有されることを特徴とする透明導電膜とその製造方法を提供する。
【0006】
本発明の透明導電膜は、ZnとInとGaの総和に対してInを1〜2at%含有する。Inが1at%未満では残留ガス圧依存性が大きく、Inが2at%を超えると可視光透過率が低くなる。Inの添加により、残留ガスの影響を受けにくくなり、残留ガスの多い雰囲気中で作製しても、透明導電膜のシート抵抗が68Ω/□以上で、再現性が得られ、また、膜の耐熱性が良好となる。
【0007】
本発明の透明導電膜は、ZnとInとGaの総和に対してGaを3〜4at%含有する。3at%未満では比抵抗が高く、4at%を超えると可視光透過率が低くなる。
【0008】
以下に、In添加効果について説明する。図1にGaドープZnO(以下GZOと略す)膜とInを添加したGZO(以下GZIと略す)膜のシート抵抗の残留ガス圧依存性を示す。GZO膜は、GaとZnの総和に対してGaを5at%含むZnO−Ga2 O3 焼結ターゲットをAr雰囲気中でスパッタすることにより作製した。GZI膜はGa、In、Znの総和に対してGaを3at%、Inを2at%含むZnO−Ga2 O3 −In2 O3 焼結ターゲットをAr雰囲気中でスパッタすることにより作製した。GZO膜は残留ガスの影響を受けてシート抵抗が大きく変化するのに対して、GZI膜では、残留ガスの影響を受けにくいことがわかる。
【0009】
本発明の透明導電膜の幾何学的膜厚(以下、単に膜厚という)は、例えば3〜2000nmの範囲で用いられる。膜厚は、必要とされるシート抵抗に応じて適宜決定される。3nm未満では導電性が期待できず、2000nmを超えると内部応力による膜剥離が起こりやすくなる。
【0010】
機械的耐久性や化学的耐久性を向上させるために酸化物膜や窒化物膜などのオーバーコートを施してもよい。また、基板からのアルカリイオン拡散の悪影響を防いだり、基板との密着性を向上させたりする等の目的で、酸化シリコンや窒化シリコンなどのアンダーコートを施してもよい。
【0011】
本発明の透明導電膜は、例えば、ZnOを主成分とし、InとGaとが含有されたターゲットを用いスパッタリング法により製造することができる。スパッタリング法としては、高周波(RF)スパッタリング法、直流(DC)スパッタリング法のいずれも用いることができる。生産性の観点からはDCスパッタリング法を用いることが好ましい。本発明の透明導電膜の組成は、用いたターゲットの組成とほぼ一致する。
【0012】
スパッタリング法としては、例えば、1)酸化物焼結体ターゲットを用いてAr雰囲気中もしくは酸化性ガスを少量添加したAr雰囲気中でスパッタリングする方法と、2)金属ターゲットを用いて酸化性ガス・Arガス混合雰囲気中でスパッタリングする方法などがある。生産安定性を考慮すると前者の1)の方法で作製することが好ましい。酸化性ガスとしては、O2 やCO2 などが使用できる。
【0013】
【実施例】
ガラス基板上に、表1の例1〜6に示す組成の透明導電膜をDCスパッタリング法により、形成した。表1中のIn量、Ga量は、Znと前記長周期型周期表の3族元素の総和に対する割合である。例1〜6のそれぞれの膜は、目的とする透明導電膜と同組成の焼結体酸化物ターゲットを用い、残留ガス圧5×10-6Torr、Arガス6mmTorrの雰囲気中で、電力密度1.1W/cm2 の条件で成膜した。膜厚は200nmであった表中のIZOとはInを添加したZnOのことである。
【0014】
それぞれの膜について、可視光透過率(Tv )、シート抵抗(Rs )、バッチ間の抵抗変動、耐熱試験(100℃、3日間)による抵抗変化を測定した結果を表1に示す。なお、バッチ間の抵抗変動は、5回成膜し測定した場合の平均値からのばらつきを示す。他のデータは5回成膜した平均値である。GZO膜(例3)と比較するとInを1〜2%添加したGZI膜(例1、2)は、バッチ間の抵抗変動、耐熱試験による抵抗変化ともに小さく、再現性、耐熱性ともに良好である。これに対して、In添加量が0.1%と少ない場合(例5)および7%と多い場合(例6)では、再現性、耐熱性ともに不良である。特にIn添加量が多くなると可視光透過率が低くなる。また、Gaが含まれないIZO膜では、再現性、耐熱性ともに不良であるばかりでなく、シート抵抗が高くかつ可視光透過率も低い(例4)。
【0015】
【表1】
【0016】
【発明の効果】
本発明の透明導電膜は、残留ガスの多い雰囲気中で作製しても抵抗の再現性に優れ、生産性に富む。すなわち、真空排気時間の短縮が可能となり大幅な生産性向上が期待できる。また、耐熱性にも優れ、ディスプレイデバイス用電極、太陽電池用電極、防曇ガラス用透明発熱体、熱線遮断膜、電磁波遮蔽膜等に好ましく用いられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】GZO膜およびGZI膜のシート抵抗の残留ガス圧依存性を示すグラフ。
Claims (6)
- ZnOを主成分とし、InとGaとが含有され、ZnとInとGaとの総和に対して、Inが1〜2at%、Gaが3〜4at%の割合で含有されることを特徴とする透明導電膜。
- 前記透明導電膜のシート抵抗が68Ω/□以上であることを特徴とする請求項1記載の透明導電膜。
- 前記透明導電膜の膜厚が3〜2000nmである請求項1または2記載の透明導電膜。
- 前記透明導電膜にアンダーコートを施した請求項1、2または3記載の透明導電膜。
- ZnOを主成分とし、InとGaとが含有されたターゲットを用いスパッタリング法により、請求項1〜4いずれか1項記載の透明導電膜を形成することを特徴とする透明導電膜の製造方法。
- 前記スパッタリング法がDCスパッタリング法であり、かつ酸化物焼結体ターゲットを用いてAr雰囲気中もしくは酸化性ガスを少量添加したAr雰囲気中でスパッタリングする方法である、請求項5記載の透明導電膜の製造方法。
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JP09789798A Expired - Fee Related JP3837903B2 (ja) | 1998-04-09 | 1998-04-09 | 透明導電膜とその製造方法 |
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