JP3837086B2 - 球搬送樋の連結構造 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば、パチンコ遊技場におけるパチンコ遊技機設置島の内部、または、各パチンコ遊技機設置島間に配設され、遊技球を所定の個所に搬送するための球搬送樋の連結構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
通常、パチンコ遊技場にはパチンコ遊技機を多数並設したパチンコ遊技機設置島が複数列据置されている。これらパチンコ遊技機設置島では、各パチンコ遊技機から排出される遊技球をその下方に配設されたアウト球集合樋により集合し、中央の研磨揚送リフトでその上方の島タンクに揚送し、また、島タンクから補給樋を介して各パチンコ遊技機に還元補給するようにしている。更に、互いに隣り合うパチンコ遊技機設置島間にも、各パチンコ遊技機設置島毎の球貯留量のバランスを保つために、遊技球を島タンク間に差し渡した連絡樋を介して隣のパチンコ機設置島に搬送するようにしている。
【0003】
ところで、前記アウト球集合樋、補給樋、連絡樋といった球搬送樋は、通常、金属材料からなり所定の長さに成形され、途中で連結するようになっている。また、前記球搬送樋は、比較的緩い傾斜で配設されており、このため、流下する遊技球に勢いを付けさせるため連結部で底面に下流側が低い段差を設けるようにしている。
【0004】
すなわち、図6,図7に示すように、横断面が上向きコ字型の連結樋aにおける底壁b上面の上流側に、所定の厚みの上底板cを貼着し、この連結樋aの両端からその内側へそれぞれ上流側樋d及び下流側樋eを差し込む。そして、連結樋aの側壁f上縁の両端側に開設された螺子挿通孔gを介して上・下流側樋d,eの側壁hに開設された螺子孔iに螺子jを螺締めすることにより連結している。これにより、上流側樋dの裏側に上底板cが介在されることになり、上流側樋dの底壁k下端縁と下流側樋eの底壁k上端縁との継目でその上面に下流側が低くなる段差Dが設けられる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記球搬送樋の連結構造にあっては、上・下流側樋d,eの他に、別途、連結樋aを製作しなければならないことから、その製作に多くの手間が掛かり、それに伴う製作コストも高くなっている。しかも、連結樋aが大型化しているので、作業上取り扱い難いといった課題がある。
そこで、本発明は上記課題を解決すべくなされたもので、多くの手間がかからず製作が簡単であって製作コストも軽減でき、また、作業性も向上できる球搬送樋の連結構造を提供することを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
かかる目的を達成するため、本発明に係る球搬送樋の連結構造は、上流側樋と下流側樋とが同じ形状に成形され同じ深さの底壁を有し、かつ、前記上流側樋の下端縁と下流側樋の上端縁との継目でその底壁上面に下流側が低い段差が設けられるようにして該上・下流側樋を連結するようにした球搬送樋の連結構造であって、前記上流側樋と下流側樋との周壁に前記継目で連なる溝を設け、一方、上下位置をずらせて互いに逆方向へ伸びる一対の接続片部により連結部材を成形し、前記上流側樋の下流端と下流側樋の上流端とを突き合わす状態で、前記上側の接続片部を前記上流側樋の溝に嵌入すると共に前記下側の接続片部を前記下流側樋の溝に嵌入してそれぞれ固定することにより、上流側樋の底壁下端縁と下流側樋の底壁上端縁とが突き合わされるようにした構成からなる。
この際、前記上・下流側樋の上面にその長手方向に沿って被せ蓋が着脱自在に装着され、被せ蓋はその裏面両側に下方へ突出して上・下流側樋の溝間に嵌り込む脚辺部を設け、各脚辺部の外側下縁にはその長手方向に沿って各溝の立壁部裏面の長手方向に沿って設けられた凹条に嵌り込む凸条を設けて構成されることが好ましい。
【0007】
または、上流側樋と下流側樋とが同じ形状に成形され同じ深さの底壁を有し、かつ、前記上流側樋の下端縁と下流側樋の上端縁との継目でその底壁上面に下流側が低い段差が設けられるようにして該上・下流側樋を連結するようにした球搬送樋の連結構造であって、前記上流側樋と下流側樋との周壁に前記継目で連なる突条を設け、一方、上下位置をずらせて互いに逆方向へ伸びかつ先端が開口する溝を有した一対の接続片部から連結部材を成形し、前記上流側樋の下流端と下流側樋の上流端とを突き合わす状態で、前記上側の接続片部の溝に前記上流側樋の突条を嵌入すると共に前記下側の接続片部の溝に前記下流側樋の突条を嵌入してそれぞれ固定することにより、上流側樋の底壁下端縁と下流側樋の底壁上端縁とが突き合わされるようにした構成からなる。
この際、前記上・下流側樋の上面にその長手方向に沿って被せ蓋が着脱自在に装着され、被せ蓋はその裏面両側に下方へ突出して上・下流側樋の溝間に嵌り込む脚辺部を設け、各脚辺部の外側下縁にはその長手方向に沿って各側壁上端縁に設けられた折曲辺部に係合する凸条を設けて構成されることが好ましい。
【0008】
このように、連結部材は、上・下流側樋に設けられた溝または突条に嵌合する接続片部を設けた構成にすぎないので、小型化できて多くの手間がかからず製作が簡単であって製作コストも軽減できる。また、小型であることから軽量化も図られ、作業性も向上する。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る球搬送樋の連結構造について説明する。図1は、本発明が適用されるパチンコ遊技機設置島の一部断面正面図である。前記パチンコ機設置島Aは、両面に複数台のパチンコ遊技機pが背向きして並置される。パチンコ機設置島Aの中央に球研磨揚送リフト1が設けられ、また、両側に遊技に必要な球量がプ−ルできかつその増減を調節するための下部プールタンクが設けられている。一方、各パチンコ遊技機pの下方には、球研磨揚送リフト1の下部に向けて下り傾斜する球搬送樋としてのアウト球集合樋3が設けられており、各パチンコ遊技機pから排出される遊技球がアウト球集合樋3を介して球研磨揚送リフト1に送られる。
【0010】
前記球研磨揚送リフト1に送られた遊技球は、球研磨揚送リフト1によりその上方の島タンク4に揚送される。そして、島タンク4に揚送された遊技球は、パチンコ遊技機設置島Aの上部両側に沿って配設される球搬送樋としての補給樋5を介して各パチンコ遊技機p及びその台間に設けられる球貸機6に補給される。各パチンコ遊技機pにあっては、それらに対応して前記補給樋5から供給用パイプ7が垂下されると共にパチンコ球補給装置8を介して各パチンコ遊技機pの球タンク(図示せず。)に接続されるようになっている。
【0011】
また、前記補給樋5の下方には、これとほぼ平行に球搬送樋としての球送樋9が配設され、上部の島タンク4に遊技球が過剰に多くなったとき、一時的に逃すようにしている。この球送樋9に送られる遊技球は、その流下端に設けられる余剰球パイプ10を介して下部プールタンク2に貯留される。そして、逆に、島タンク4に揚送される遊技球が不足したとき、前記下部プールタンク2内に貯留される遊技球をアウト球集合樋3を介して球研磨揚送リフト1に供給して補充するようにしている。なお、各パチンコ遊技機設置島Aの島タンク4間には、互いに隣り合うパチンコ遊技機設置島A同士を連結して各パチンコ遊技機設置島Aの遊技球の貯留量を平均化させる球搬送樋としての連絡樋11が掛け渡される。
【0012】
前記球搬送樋としてのアウト球集合樋3、補給樋5、球送樋9、連絡樋11は、いずれも比較的に緩い傾斜に設定されている。そこで、その内、例えば球送樋9について説明する。球送樋9は、所定の長さに設定され、その接続部に本発明に係る連結構造が適用される。図2は球送樋の連結部の斜視図、図3は同分解斜視図を示す。
【0013】
図中、15aは上流側樋、15bは下流側樋である。上流側樋15aと下流側樋15bとは、例えばアルミニウム材などの金属製であって同じ形状に成形されている。よって、共に同じ深さを有する。上・下流側樋15a,15bは、横断面が平坦な底壁16とその両端縁から上方へ垂直に起立する側壁17とから上向きコ字型をなしている。各側壁17の上端縁には、それぞれ外側で開口すると共に上流側樋15aと下流側樋15bとの継目で連なる横断面C型の溝18が設けられている。また、各溝18内の立壁部18aであって前記継目に近接する位置にはそれぞれ螺子孔19が設けられる。前記底壁16上面には、流下する遊技球の騒音を防止するために合成樹脂製の敷板16aが敷かれる。なお、底壁16には、敷板16aが敷かれている場合はこの敷板16aをも含むものとする。
【0014】
20は前記上流側樋15aと下流側樋15bとを連結するための板状の連結部材であり、上下に位置をずらせて互いに逆方向へ伸びる一対の接続片部21a,21bが設けられている。上に位置する接続片部21aは、上流側樋15aの溝18の下流端に嵌入され、下に位置する接続片部21bは下流側樋15bの溝18の上流端にそれぞれ嵌入される。そこで、前記上の接続片部21aと下の接続片部21bとの上下方向の位置の寸法差が、継目における上流側樋15aと下流側樋15bとの段差として現れることになる。また、前記各接続片部21a,21bには、前記各螺子孔19に対応する位置に螺子挿通孔22が開設される。
【0015】
前記上・下流側樋15a,15bの上面には、その長手方向に沿って、被せ蓋23が着脱自在に装着される。この被せ蓋23の裏面両側に、下方へ突出して前記上・下流側樋15a,15bの溝18間に嵌り込む脚辺部24が設けられる。また、各脚辺部24の外側下縁には、その長手方向に沿って前記各立壁部18a裏面の長手方向に沿って設けられた凹条25に嵌り込む凸条26が設けられる。
【0016】
本発明に係る球搬送樋の連結構造は上記構成からなり、次に、その組立方法について説明する。まず、上流側樋15aの下流端と下流側樋15bの上流端とを突き合わす状態で、連結部材20の上側の接続片部21aを上流側樋15aの溝18に嵌入すると共に下側の接続片部21bを下流側樋15bの溝18に嵌入する。そして、上流側樋15aの下流端と下流側樋15bの上流端とを突き合わせ、各螺子挿通孔22を介して各螺子孔19に螺子27を螺締する。このようにして、一対の連結部材20により上・下流側樋15a,15bがしっかりと接続固定される。また、前記上・下流側樋15a,15bの上面に被せ蓋23が装着される。
【0017】
これにより、図4に示すように上流側樋15aの底壁16(正確には敷板16a)下端縁と下流側樋15bの底壁16(正確には敷板16a)上端縁との継目でその上面に下流側が低くなる段差Dが設けられ、球送樋9内を流下する遊技球Bは前記段差Dによって勢いが付けられ、遅滞なくスムーズに流れることになる。連結部材20は、小型化し軽量化が図られ、しかも、上・下流側樋15a,15bの各溝18に嵌入するのみで連結できることから、作業性が向上する。
なお、球搬送樋として球送樋9について説明したが、他のアウト球集合樋3、補給樋5、連絡樋11についても同様にして適用できるものであり、更には、パチンコ遊技機設置島Aに限られるものではなく、一般の搬送装置にも利用できる。
【0018】
図5は他の実施の形態に係る球搬送樋の連結構造を示すものである。なお、この連結構造は全般に本実施の形態とほぼ同じ形状からなるので、同一部位は同一番号を付すことにより詳しい説明は省略する。すなわち、上・下流側樋15a,15bの側壁17の外面に、その長手方向に沿って継目で連なる突条28が設けられる。この突条28は横断面T字状に成形されている。また、各突条28の外側面であって前記継目に近接する位置にはそれぞれ螺子孔29が設けられる。一方、連結部材30は、上下に位置をずらせて互いに逆方向へ伸びかつ先端と内側とが開口する溝31を有した一対の接続片部32a,32bから成形される。また、前記各接続片部32a,32bには、前記各螺子孔29に対応する位置に溝31と連通する螺子挿通孔33が開設される。
【0019】
そして、上流側樋15aの下流端と下流側樋15bの上流端とを突き合わす状態で、前記上側の接続片部32aの溝31に上流側樋15aの突条28を嵌入すると共に下側の接続片部32bの溝31に下流側樋15bの突条28を嵌入する。そして、上流側樋15aの下流端と下流側樋15bの上流端とを突き合わせ、各螺子挿通孔33を介して各螺子孔29に螺子34を螺締する。このようにして、一対の連結部材30により上・下流側樋15a,15bがしっかりと接続固定される。なお、前記上・下流側樋15a,15bの上面には被せ蓋23が装着されるが、被せ蓋23における脚片部24の凸条26は各側壁17上端縁に設けられた折曲辺部17aに係合させるようにする。
【0020】
本実施の形態または他の実施の形態では、側壁17に溝18または突条28を設けるようにしたが、例えば、図示は省略するも、底壁16の裏面にその長手方向に沿って溝18または突条28を設けるようにしても良く、この場合は、連結部材20が平面的であって上流側が高く下流側が低くなるように成形される。
【0021】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係る球搬送樋の連結構造は、上流側樋と下流側樋との継目でその底壁上面に下流側が低くなる段差が設けられるようにした構造であって、上・下流側樋の周壁に溝または突条を設け、一方、上下に位置をずらせて互いに逆方向へ伸びる一対の接続片部または先端が開口する溝を有した一対の接続片部から連結部材を成形し、前記上・下側の接続片部または溝を上・下流側樋の溝または突条に嵌合して上・下流側樋を接続固定するようにしたので、連結部材が小型化でき多くの手間がかからず製作が簡単であって製作コストも軽減できる。また、連結部材が小型であることから軽量化も図られ、作業性も向上できるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明が適用されるパチンコ機設置島の一部断面正面図。
【図2】 球搬送樋の連結部の斜視図。
【図3】 同分解斜視図。
【図4】 同正面断面図。
【図5】 他の実施の形態に係る球搬送樋の連結部の分解斜視図。
【図6】 従来の球搬送樋の連結部の分解斜視図。
【図7】 同正面断面図。
【符号の説明】
9 球搬送樋(球送樋)
15a 上流側樋
15b 下流側樋
16 底壁
17a 折曲辺部
18 溝
20 連結部材
21a 接続片部
21b 接続片部
23 被せ蓋
24 脚辺部
25 凹条
26 凸条
28 突条
30 連結部材
31 溝
32a 接続片部
32b 接続片部
D 段差
Claims (4)
- 上流側樋と下流側樋とが同じ形状に成形され同じ深さの底壁を有し、かつ、前記上流側樋の下端縁と前記下流側樋の上端縁との継目でその底壁上面に下流側が低い段差が設けられるようにして該上・下流側樋を連結するようにした球搬送樋の連結構造であって、
前記上流側樋と前記下流側樋との周壁に前記継目で連なる溝を設け、一方、上下位置をずらせて互いに逆方向へ伸びる一対の接続片部により連結部材を成形し、前記上流側樋の下流端と前記下流側樋の上流端とを突き合わす状態で、前記上側の接続片部を前記上流側樋の溝に嵌入すると共に前記下側の接続片部を前記下流側樋の溝に嵌入してそれぞれ固定することにより、前記上流側樋の底壁下端縁と前記下流側樋の底壁上端縁とが突き合わされるようにしたことを特徴とする球搬送樋の連結構造。 - 前記上・下流側樋の上面にその長手方向に沿って被せ蓋が着脱自在に装着され、前記被せ蓋はその裏面両側に下方へ突出して前記上・下流側樋の溝間に嵌り込む脚辺部を設け、前記各脚辺部の外側下縁にはその長手方向に沿って前記各溝の立壁部裏面の長手方向に沿って設けられた凹条に嵌り込む凸条を設けて構成される請求項1記載の球搬送樋の連結構造。
- 上流側樋と下流側樋とが同じ形状に成形され同じ深さの底壁を有し、かつ、前記上流側樋の下端縁と前記下流側樋の上端縁との継目でその底壁上面に下流側が低い段差が設けられるようにして該上・下流側樋を連結するようにした球搬送樋の連結構造であって、
前記上流側樋と前記下流側樋との周壁に前記継目で連なる突条を設け、一方、上下位置をずらせて互いに逆方向へ伸びかつ先端が開口する溝を有した一対の接続片部から連結部材を成形し、前記上流側樋の下流端と前記下流側樋の上流端とを突き合わす状態で、前記上側の接続片部の溝に前記上流側樋の突条を嵌入すると共に前記下側の接続片部の溝に前記下流側樋の突条を嵌入してそれぞれ固定することにより、前記上流側樋の底壁下端縁と前記下流側樋の底壁上端縁とが突き合わされるようにしたことを特徴とする球搬送樋の連結構造。 - 前記上・下流側樋の上面にその長手方向に沿って被せ蓋が着脱自在に装着され、前記被せ蓋はその裏面両側に下方へ突出して前記上・下流側樋の溝間に嵌り込む脚辺部を設け、前記各脚辺部の外側下縁にはその長手方向に沿って前記各側壁上端縁に設けられた折曲辺部に係合する凸条を設けて構成される請求項3記載の球搬送樋の連結構造。
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