JP3836997B2 - 符号化装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、算術符号化手段を備えた符号化装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
2値画像データの通信時に第3者に対して内容を秘匿しようとする場合、ファクシミリ装置などでは通常、親展通信モードにしてパスワードのわかる者のみがデータを出力できるようにしている。あるいは、傍受を考慮する場合であれば、画像に対してスクランブルをかけ、出力した画像が判別できないようにしている。しかしながら、高い秘匿性を得ようとするとアルゴリズムが複雑化し、その結果、処理速度が遅くなるという問題がある。
【0003】
特開平8−107506号公報に示された通信装置は、2値画像符号化方式の国際標準であるJBIG(Joint Bi−level Image experts Group)方式(JIS X4311 :ISO/IEC 11544 )のうちのプログレッシブモード(復号化時に低解像度の画像から高解像度の画像へと段階的に復元していく符号化方式)に係わる秘匿技術を提供しているが、上記のような問題を解決するために、JBIG方式における最低解像度レイヤに対してだけ暗号化処理を施すようにしている。1段階解像度の高い画像を復元する際、その下の解像度レイヤの復元画像を参照する方式にすることにより、暗号化された最低解像度レイヤを平文化(解読)しなければ一つ上の解像度レイヤの画像も復元できないのである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特開平8−107506号公報に示された上記の従来技術では、複数の解像度レイヤを備えていないファクシミリ装置などに対しては効果がない。
【0005】
そこで本発明の解決すべき課題は、上記のような従来技術の問題を解決し、高い秘匿性を得ることができる符号化装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために、請求項1記載の発明では、算術符号化手段を備えた符号化装置において、算術符号化を行う際の初期値を設定する初期設定手段を備え、符号化を開始する際、上記初期設定手段により上記初期値を設定する構成にした。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、算術符号化手段を備えた符号化装置において、所定の文字列情報をユーザに操作入力させるための入力手段と、前記入力手段により入力された文字列情報を構成するおのおのの文字をあらわす文字データを、全ての文字について加算し、その加算結果の下位4ビットを特定値として抽出する特定値算出手段と、前記特定値算出手段の算出値を、算術符号化を行う際の初期値として設定する初期設定手段を備えたものである。
【0008】
また、請求項3記載の発明では、請求項1または請求項2記載の符号化装置において、初期設定手段の設定する初期値を、算術符号化を行う際に参照する確率記憶手段をアドレッシングする初期アドレスとした。
【0009】
また、請求項4記載の発明では、請求項3記載の符号化装置において、確率記憶手段をアドレッシングする初期アドレスをモデルテンプレートにより抽出するデータに応じて異なる複数のアドレスにした。
【0010】
また、請求項5記載の発明では、請求項1または請求項2記載の符号化装置において、初期設定手段の設定する初期値を、算術符号化における領域サイズレジスタ値とした。
【0011】
また、請求項6記載の発明では、請求項1または請求項2記載の符号化装置において、初期設定手段の設定する初期値として、確率記憶手段をアドレッシングする初期アドレスまたは算術符号化における領域サイズレジスタ値またはその両方という選択肢からいずれかを選択して設定する構成にした。
【0012】
また、請求項7記載の発明では、請求項1または請求項2記載の発明の符号化装置を備えた情報機器において、特定情報を入力し設定する特定情報設定手段を備えた。
【0013】
また、請求項8記載の発明では、請求項7記載の情報機器において、設定された特定情報に応じて、設定可能な複数の初期値の内のいずれかを設定する構成にした。
【0014】
上記のように構成したことにより、請求項1記載の発明では、符号化や復号化を開始する際、算術符号化を行う際の初期値が設定される。
【0015】
また、請求項2記載の発明では、符号化時のストライプ毎に異なる初期値が設定される。
【0016】
また、請求項3記載の発明では、符号化や復号化を開始する際などに、確率記憶手段をアドレッシングする初期アドレスが初期値として設定される。
【0017】
また、請求項4記載の発明では、請求項3記載の発明において、モデルテンプレートにより抽出するデータに応じて異なる複数の初期アドレスが初期値として設定される。
【0018】
また、請求項5記載の発明では、符号化や復号化を開始する際などに、算術符号化における領域サイズレジスタ値が初期値として設定される。
【0019】
また、請求項6記載の発明では、符号化や復号化を開始する際などに、確率記憶手段をアドレッシングする初期アドレスまたは算術符号化における領域サイズレジスタ値またはその両方という選択肢からいずれかを選択し、初期値として設定することができる。
【0020】
また、請求項7記載の発明では、請求項1または請求項2記載の発明において、利用者が特定情報を入力し設定することができる。
【0021】
また、請求項8記載の発明では、請求項7記載の発明において、利用者が入力した特定情報に応じて、設定可能な複数の初期値の内のいずれかが設定されるものである。
【0022】
また、算術符号化手段を備えた符号化装置において、符号器内部に、RAMにより構成された確率テーブルRAMを設けるとともに、算術符号化を行う際の初期値を設定する初期設定手段を備え、上記初期設定手段は、符号化を開始する際、上記初期設定手段により上記初期値を設定するとともに、上記符号器初期化時に、上記算術符号化手段に適用する確率テーブルデータを入力して、上記確率テーブルRAMに記憶するように構成したものである。
【0023】
また、前記確率テーブルデータは、標準値および1つ以上の非標準値が設けられ、前記初期設定手段は、入力される特定情報に基づき、標準値および1つ以上の非標準値から1つを選択して、前記確率テーブルRAMに記憶するようにしたものである。
【0024】
また、前記非標準値は、前記特定情報に基づいて、前記標準値の所定部分を所定態様に変更することにより作成されるものである。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、図面により本発明の実施の形態を詳細に説明する。
【0026】
まず、本発明に係わる算術符号化方式について説明しておく。この符号化方式は、シンボル系列(例えば2値画像データ列)を0から1までの直線上にマッピングすることにより、一連のシンボル系列を上記直線上の位置情報として表現することで符号化する方式であり、例えば、図11に示すように、シンボル系列「011001」は図示の領域R6( 領域の幅を太線で示している) として0から1までの直線上にマッピングされる。つまり、「0」だけから成るシンボル系列であれば領域R1にマッピングされ、シンボル系列「01」はR2にマッピングされ、「011」はR3に、「0110」はR4に、「01100」はR5に、「011001」はR6にマッピングされるのである。
【0027】
上記において、マッピングされる領域サイズ(領域幅)は対応するシンボル系列の出現確率が高いほど大きくすると共にその領域を表現するコードのビット数を少なくする。したがって、シンボル系列が長くなるほどシンボル系列の情報量は増大するが、それに対応する符号化後の位置(領域)を示す情報の情報量は上記シンボル系列の出現確率が高ければわずかでよいので、この符号化により情報量が圧縮される。なお、図11において、各領域の幅はそれぞれのシンボル系列の出現確率に対応している(図示のp1,p0 はそれぞれシンボル系列「1」および「0」の出現確率である)。
【0028】
図9(a),(b)に示すようなモデルテンプレート(Template: 参照画素枠)を用いて注目画素(×印の画素)周辺の参照画素(□印の画素)の画像データから注目画素の画像データ値を予測し、例えば上記画像データ値と実際の画像データ値との差異情報を用いて前処理(符号化)する方法なども用いられている。このような方法では、正しい予測が行われると、1が連続するか(差異無しで1のとき)0が連続するか(差異無しで0のとき)またはそれらに近いシンボル系列になるので、長いシンボル系列であるにもかかわらずその出現確率が高くなり、したがって、この後で算術符号化を行うと、上記のような前処理を行わずに符号化するよりも圧縮率が向上する。
【0029】
図10は、本発明が実施される情報機器である例えばファクシミリ装置の構成ブロック図である。図示するように、このファクシミリ装置は、送信画情報を符号化したり受信画情報を復号化したりする本発明による符号化装置10、プログラムを内蔵したROMおよび上記プログラムに従って動作するCPUなどを有して装置全体を管理・制御するシステム制御部11、利用者がファクシミリ装置に指示を与えるためのキーボードおよびファクシミリ装置が利用者にメッセージ等を与えるための表示手段などから成る操作表示部12、画情報などを一時的に格納しておくRAM13、原稿上の画像を読み取るスキャナ14、復号化された受信画情報を記録紙へ出力するプロッタ15、公衆電話網を介して遠隔のファクシミリ装置との間に呼を設定したりする網制御装置(NCU)16、G3伝送制御手順に従ってファクシミリ送受信を行う通信制御部17、低速モデムおよび高速モデムから成るモデム19、画情報を蓄積しておく画像メモリ20などを備えている。
【0030】
図1は、本発明の第1の実施の形態を示す符号化装置18の構成ブロック図であり、データフローを示す矢印は図1(a)が符号化時、図1(b)が復号化時を示している。図示したように、この実施の形態の符号化装置は、算術符号化を行う算術符号化エンジン1、算術復号化を行う算術復号化エンジン1a、モデルテンプレート2、上記モデルテンプレート2により抽出される可能性のある組み合わせデータのそれぞれの出現確率を求めるための確率テーブル(確率記憶手段)3、特定情報に従ってアドレス変換を行う状態メモリ4、特定情報を記憶しておく特定情報用メモリ5、上記特定情報に基づいて初期値を求め上記初期値を状態メモリ4に設定する初期化手段(初期設定手段)6などを備えている。なお、上記特定情報は非開示の鍵情報であり、例えば特定のASCIIコード列である。また、確率テーブル3および特定情報用メモリ5は例えばROMなどで構成されている。
【0031】
図2に、この実施の形態の符号化時の動作フローを示す。以下、図1および図2などにより、第1の実施の形態の符号化時の動作を説明する。
【0032】
まず、スキャナ14(図10参照)などから入力された2値画像データのビット列(シンボル系列)がシステム制御部11により符号化装置10に与えられる(S1)。なお、上記ビット列のそれぞれのビットはそれぞれの画素の2値画像データである。
【0033】
符号化装置10は、第1ラインの第1画素の画像データから順次符号化を行うが、例えば図9に符号bで示したようなモデルテンプレート2を用いて前処理を行う。つまり、先行する注目画素周辺の画像データから注目画素の値を予測するのである。そのため、順次それぞれの注目画素の周辺データをモデルテンプレート2により抽出する(S2)。なお、上記周辺データは図9に示したbのモデルテンプレートでは10ビットのデータである。
【0034】
上記周辺データはアドレス値として状態メモリ4に与えられ、上記アドレス値により状態メモリ4がアドレッシングされる。状態メモリ4は例えばRAMにより構成され、図3に示すように構成されている。上記のように周辺データが10ビットである場合は、1024種のデータ値(データ状態)が存在するので、状態メモリ4に与えられる入力アドレスも図示したように1024値になる。
【0035】
また、状態メモリ4のそれぞれのアドレスには出現確率が記憶されている確率テーブル3のそれぞれの参照アドレスが設定されている。従来技術においては、確率テーブル3のアドレス0には例えば出現確率として0.5 が設定され、状態メモリ4のそれぞれの入力アドレスに対応した確率テーブル3の初期アドレス(初期参照アドレス)は0が設定されるが、この実施の形態では確率テーブル3をアドレッシングする参照アドレス(参照テーブルアドレス)の初期値(初期アドレス)を特定情報用メモリ5に予め設定された特定情報に従った値にしている。例えば特定のASCIIコード列を特定情報として設定しておき、初期化手段6が通信開始時に上記ASCIIコードを読み出し、各桁(各バイト)を加算し、その結果の下位4ビットをそれぞれの参照アドレスの初期値(初期アドレス)として状態メモリ4に設定するのである。
【0036】
このような状態メモリ4を介してアドレス変換を行い、注目画素に対応して順次確率テーブル3をアドレッシングするアドレスを生成し(S3)、そのアドレスに記憶されている出現確率を出力させる(読み出す)(S4)。なお、最初に状態メモリ4から出力される初期アドレスが0ではないので、最初の出現確率としては0.5 とは異なる値が読み出される。
【0037】
確率テーブル3から読み出された、注目画素のデータが例えば1である確率を示す出現確率が算術符号化エンジン1に与えられると、算術符号化エンジン1は上記出現確率が0.5 以上であるとき上記注目画素のデータを1と予測し、システム制御部11から直接渡された上記注目画素の実際の値と比較し、差異がなければ例えば1と符号化し、差異があれば0と符号化する。このようにして、順次符号化される複数の注目画素について差異がなければ1の連続するシンボル系列または時々0が現れるシンボル系列になる。したがって、これらのシンボル系列を数直線上にマッピングしビット数の少ない符号に符号化してデータを圧縮させる(S5)。
【0038】
図示していないが、図3に示した状態メモリ4には、それぞれの入力アドレスに対応付けて、算術符号化エンジン1が1の出現回数および0の出現回数に応じて所定のルールで参照アドレスを更新する。つまり、現実の出現確率が反映されるように確率テーブル3をアドレッシングする参照アドレスを更新するのである。
【0039】
次に、図1および図4などにより、復号化時の動作を説明する。
【0040】
図4に示すように、復号化時には、まず、算術復号化エンジン1aが最初の算術復号化を行う(S11)。数直線上にマッピングされた符号データ(符号化されたデータ)を長いシンボル系列に復号化するのである。また、例えば、符号化時に、モデルテンプレート2を用いた前処理が行われているとすれば、モデルテンプレート2を用いて注目画素周辺データを抽出して(S12)第2の復号化を行う。
【0041】
そのため、上記周辺データはアドレス値として状態メモリ4に与えられ、上記アドレス値により状態メモリ4がアドレッシングされる。なお、状態メモリ4は例えば図3に示すように構成されている。
【0042】
また、状態メモリ4のそれぞれのアドレスには出現確率が記憶されている確率テーブル3をアドレッシングするアドレスが設定されている。従来技術においては、確率テーブル3のアドレス0には例えば出現確率として0.5が設定され、状態メモリ4のそれぞれの入力アドレスに対応した確率テーブル3の初期アドレスは0が設定されるが、この実施の形態では前記の符号化側と同様に、例えば特定のASCIIコード列を特定情報として特定情報用メモリ5に設定しておき、初期化手段6が通信開始時に上記ASCIIコードを読み出し、各桁(各バイト)を加算し、その結果の下位4ビットを確率テーブル3のそれぞれの初期アドレス(初期値)として状態メモリ4に設定する。
【0043】
このような状態メモリ4を介してアドレス変換を行い、注目画素に対応して順次確率テーブル3をアドレッシングするアドレスを生成し(S13)、そのアドレスに記憶されている出現確率を出力させる(読み出す)(S14)。なお、最初に状態メモリ4から出力される初期アドレスが0ではないので、最初の出現確率としては0.5 とは異なる値が読み出される。しかし、確率テーブル3の内容は符号化側も復号化側も同じであるし、特定情報を用いて初期化された状態メモリ4の初期アドレスも符号化側と同じであるので、読み出された出現確率は符号化側の同じ位置の注目画素についての出現確率と同じ値になる。
【0044】
続いて、算術復号化エンジン1aは確率テーブル3から出力された出現確率が0.5以上であるとき上記注目画素のデータを1と予測し、そうでなければ0と予測する。そして、ステップS11における復号化により得られたシンボル系列の上記注目画素の実際の値が差異なしを示す1であれば上記予測値を復号化データ(復号化されたデータ)とし、差異有りを示す0であれば上記予測値の反転値(予測値が1であれば0、0であれば1)を復号化データとする(S15)。
【0045】
なお、上記復号化データはシステム制御部11に渡されると共に、先行周辺データとしてモデルテンプレート2へも渡される。また、図3に示した状態メモリ4内の参照アドレスは、符号化側と同様に、現実の出現確率が反映されるように更新される。つまり、初期化手段6により設定された初期値(初期アドレス)に所定のルールに従った演算を施して上記アドレスを更新するのである。これは、学習に基づいた参照アドレスの更新が行われても、符号化側と復号化側とについて注目画素が同じ位置ならば、どの位置でも符号化と復号化とが同じ出現確率で行われることを意味し、したがって、符号化前のデータと復号化後のデータが同じになる。
【0046】
それに対して、上記初期値(初期アドレス)が符号化側と復号化側との間で異なっていれば、その後、符号化側と復号化側において同じ演算によるアドレス更新を行ったとしても初期値が異なっているので更新されたアドレスも異なってしまい、したがって、同じ位置の注目画素に対する出現確率は初期時だけでなく更新後も一致せず、元のデータに復号化されないという事態になる。つまり、復号化側(ファクシミリ装置の例では画情報受信側)で、この実施の形態によった符号化装置を用いない限り、傍受は不可能であり、高い秘匿性を得ることができる。また、複数の解像度レイヤを備えている場合において、最低解像度レイヤ以外で暗号化が不要であるというのではなく、無条件に暗号化が不要であるので、秘匿性を得るために高速性が失われることもない。
【0047】
上記の実施の形態において、初期化手段6は、初期アドレスを設定する際、1種類の初期アドレスでなく、モデルテンプレート2により与えられる入力アドレスに対応付けて複数の初期アドレスを設定するようにすることも可能である。例えば、注目画素により近い周辺データが1の場合は1の出現確率が高くなるように上記初期アドレスを設定し、より近い周辺データが0の場合は1の出現確率が低くなるように上記初期アドレスを設定したりするのである。このようにすれば、データ圧縮率が向上するだけでなく、第3者による初期アドレスの解読が困難になるので、より秘匿性が向上する。なお、複数の初期アドレスは、例えば前記のようにして生成した初期アドレス(初期値)に所定値を加えたり減じたりして生成する。
【0048】
前記の初期化をストライプ(ブロック)毎に行うようにしてもよい。例えば、ストライプを128ライン程度に設定し、符号化側および復号化側において、128 ライン毎に前記のような初期化(初期アドレス設定)を行うのである。このような実施の形態ではデータ圧縮率は低下するが、秘匿性が向上するので、秘匿性を重視する用途においては有用である。
【0049】
ところで、算術符号化方式では、前記のように、シンボル系列に応じて数直線を分割していく操作をくり返し、その際の分割された領域が上記シンボル系列に対応し、上記領域に対応した値が符号化データとされる。なお、算術符号化エンジン1はA(Augend)レジスタと呼ばれている領域サイズレジスタを備え、このレジスタに演算結果としての領域サイズが設定される。一般には、このAレジスタに、初期値として、10000hを設定し、その後、生起したシンボル系列に応じて上記初期値に演算を施していく。
【0050】
それに対して、図5に符号化時の動作フローを示した本発明の第2の実施の形態では、初期化手段6が、10000hではなく、特定情報用メモリ5に予め設定しておいた特定情報またはそれを加工した値を上記初期値として設定する(S21)。つまり、第1の実施の形態では、初期化手段6の設定する初期値を確率テーブル3をアドレッシングする初期アドレスとしたが、第2の実施の形態では、領域サイズレジスタ値を初期値とするのである。
【0051】
そして、その後、符号化が開始されると、算術符号化エンジン1は生起したシンボル系列に応じてAレジスタに設定された初期値に演算を施して算術符号化を行う(S22)。
【0052】
一方、復号化側では、符号化側と同じ領域サイズレジスタ値が初期値として設定されているならば、上記初期値に基づいて受け取った符号化データに対応したシンボル系列を復号化する。しかし、符号化側とは異なる例えば10000hが初期値として設定されていると、元のシンボル系列とは異なるシンボル系列を生成してしまう。
【0053】
このようにして、第2の実施の形態によっても第1の実施の形態と同様の効果を実現することができる。
【0054】
図6は、本発明の第3の実施の形態を示す符号化装置の構成ブロック図である。図示するように、この実施の形態の符号化装置は、第1の実施の形態の構成(図1参照)に加え、選択手段7を備え、初期化手段6の設定する初期値として、確率テーブル3をアドレッシングする初期アドレスまたは算術符号化における領域サイズレジスタ値またはその両方という選択肢からいずれかを選択して設定することができる。
【0055】
つまり、この実施の形態では、初期化手段6が、選択手段7を制御して、確率テーブル3をアドレッシングする初期アドレスを初期値として設定すると、第1の実施の形態と同様に動作する(図2〜図4参照)。また、初期化手段6が、選択手段7を制御して、算術符号化における領域サイズレジスタ値を初期値として設定すると、第2の実施の形態と同様に動作する(図5参照)。また、確率テーブル3をアドレッシングする初期アドレスおよび算術符号化における領域サイズレジスタ値の両方を初期値として設定すると、確率テーブル3のアドレッシングは第1の実施の形態と同様に行われ、Aレジスタの値は第2の実施の形態のような値を示す。
【0056】
このように、第3の実施の形態によれば、状況に応じてより適切な秘匿方法を選択することができ、また、2種類の初期化の両方を行うことで、より秘匿性を向上させることもできる。
【0057】
図7は本発明の第4の実施の形態を示す符号化装置10などの構成ブロック図である。図示するように、この実施の形態では第1の実施の形態の構成に加え、特定情報設定手段9を備えると共に、特定情報用メモリ5aをフラッシュメモリやRAMなどで構成する。なお、上記特定情報設定手段9は、例えばこの符号化装置を備えている情報機器が図10に示したようなファクシミリ装置の場合、システム制御部11および操作表示部12から構成される。
【0058】
このような構成により、利用者は、符号化や復号化に先立ち、特定情報設定手段9を用いてパスワードなど特定情報を入力する。そうすると、システム制御部11が上記特定情報を取得し、それを特定情報用メモリ5aに設定する。以下の動作は第1の実施の形態と同様である。
【0059】
このように、第4の実施の形態によれば、正しいパスワードなど特定情報の正しい値を知っている利用者のみが正しい特定情報を設定することができるので、より秘匿性を高めることができる。
【0060】
ところで、算術符号化装置において設定される初期値はデータ圧縮率(符号化効率)に影響を与える。特に、確率テーブル3をアドレッシングする初期アドレスにより読み出される出現確率が実際の出現確率と著しく異なっていると、学習効果により実際の出現確率に近づくまでのステップ数が大きくなり、その間は効率の悪い(データ圧縮率の低い)符号化が行われ、符号量が増大してしまう。例えば、一般の文書ならば白の発生率が圧倒的に高いにもかかわらず、黒の発生率が高いような設定になっていた場合、白の発生率が高いという状態まで学習が進むのに大きなステップ数を要するのである。
【0061】
そこで、本発明の第5の実施の形態では、図8に示すように、第4の実施の形態の構成に加え、初期化情報ROM8を備え、例えば白の確率が大きいような確率値(出現確率)からいくつかを抽出し、その出現確率の記憶されているアドレスを初期値(初期アドレス)として上記ROM8に書き込んでおく。また、上記複数の初期値から一つを選択する選択手段7aを備える。
【0062】
上記のような構成で、符号化や復号化に先立ち、利用者は特定情報設定手段9により特定情報を入力する。そうすると、システム制御部11が上記特定情報を取得し、それを特定情報用メモリ5aに設定する。その後、符号化や復号化が開始されると、初期化手段6は特定情報用メモリ5aに設定されている上記特定情報を取得し、上記特定情報に対応付けて書き込まれている初期値を初期化情報ROM8から取得し、第1の実施の形態で示したような初期化を行い、符号化や復号化を行う。
【0063】
図12は、本発明のさらに他の実施例にかかる符号化装置を示している。なお、同図において、図1(a)と同一部分および相当する部分は、同一符号を付して、その説明を省略する。
【0064】
この符号化装置は、確率テーブル3aを書き換え可能なRAMで構成し、この確率テーブル3aに記憶する確率テーブル値は、書き込み手段20により、外部から与えられて、記憶される。
【0065】
また、この書き込み手段20は、初期化手段21により、いずれの確率テーブル値を選択するか指定され、また、初期化手段21は、外部から入力される特定情報に基づいて、書き込み手段20が確率テーブル3aに書き込む確率テーブル値を指定あるいは選択する。
【0066】
ここで、確率テーブル値は、標準値と1つ以上の非標準値が設けられ、標準値を適用する場合には、通常の符号器と同じ内容の符号化処理が実行され、また、非標準値を適用する場合には、通常の符号器とは異なる内容の符号化処理が実行される。
【0067】
したがって、非標準値の確率テーブル値を用いると、同一確率テーブル値を備えた復号器以外の復号器では、符号を適切に復号化処理することができず、データを秘匿化することができる。
【0068】
すなわち、通常の通信時には、標準値の確率テーブル値を適用し、秘匿通信が選択された場合には、そのときの通信モードに応じて、特定情報を適用し、対応する非標準値の確率テーブル値を適用するようにすることで、ユーザが秘匿通信を所望する場合、確実に秘匿通信が可能となる。
【0069】
また、例えば、特定情報の値は、送信側で選択し、受信側へ通知することで、送信側の符号化装置と受信側の復号化装置で同一の特定情報を適用することができ、それにより、送信側の符号化装置と受信側の復号化装置とで同一の確率テーブル値を確率テーブルにダウンロード(記憶)させることができ、その結果、送信側で形成される符号データを、受信側で適切に復号化することができる。
【0070】
なお、復号化装置については、上述した実施例と同様にして構成することができるので、その図示を省略する。その場合、確率テーブルは、外部から内容が書き換えられるRAMにより構成し、初期化時に、特定情報に応じた確率テーブル値を外部から読み込んで、確率テーブルに記憶するようにするとよい。
【0071】
ここで、非標準値の確率テーブル値は、全ての要素が標準値の確率テーブル値と異なるものを適用することができるが、そのような場合、符号化圧縮率が極端に悪化するおそれがあるので、算術符号化において符号化初期時に必ず使用される値、すなわち、確率0.5近辺を示す数値の部分を、確率値が0.5から大きく逸脱しない範囲で変更するようにすると、効率的な非標準値の確率テーブル値を得ることができる。
【0072】
また、この非標準値の確率テーブル値のうち、変更する値の範囲は、特定情報の値に基づいて設定するようにすることができる。このようにすると、書き込み手段20は、初期化時に、標準値の確率テーブル値に基づいて、リアルタイムに非標準値の確率テーブル値を作成することができるので、柔軟な初期化処理が可能となる。
【0073】
このようにして、本実施例では、初期化時に、確率テーブルに記憶する確率テーブル値の内容を、外部から与えられる特定情報にしたがって設定するようにしているので、データを秘匿化することができる。
【0074】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明は以下のような優れた効果を奏する。
【0075】
請求項1記載の発明では、符号化や復号化を開始する際、算術符号化を行う際の初期値が設定されるので、正しい初期値を設定しない復号化側では符号化前と同じデータを復元することができず、したがって、高い秘匿性を得ることができる。また、暗号化が不要であるので、高速処理が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 (a) 及び(b) は本発明の第1の実施の形態を示す符号化装置の構成ブロック図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態を示す符号化装置の動作フロー図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態を示す符号化装置要部のデータ構成図である。
【図4】本発明の第1の実施の形態を示す符号化装置の他の動作フロー図である。
【図5】本発明の第2の実施の形態を示す符号化装置の動作フロー図である。
【図6】本発明の第3の実施の形態を示す符号化装置の構成ブロック図である。
【図7】本発明の第4の実施の形態を示す符号化装置の構成ブロック図である。
【図8】本発明の第5の実施の形態を示す符号化装置の構成ブロック図である。
【図9】本発明の符号化装置で用いられるモデルテンプレートの説明図である。
【図10】本発明の符号化装置が用いられる情報機器の一実施の形態を示すファクシミリ装置の構成ブロック図である。
【図11】本発明に係わる算術符号化方式を説明するための説明図である。
【図12】本発明のさらに他の実施例にかかる符号化装置を示したブロック図。
【符号の説明】
1 算術符号化エンジン
2 モデルテンプレート
3,3a 確率テーブル
4 状態メモリ
5 特定情報用メモリ
6 初期化手段(初期設定手段)
7 選択手段
8 初期化情報ROM
9 特定情報設定手段
10 符号化装置
11 システム制御部
12 操作表示部

Claims (1)

  1. 算術符号化手段を備えた符号化装置において、
    所定の文字列情報をユーザに操作入力させるための入力手段と、
    前記入力手段により入力された文字列情報を構成するおのおのの文字をあらわす文字データを、全ての文字について加算し、その加算結果の下位4ビットを特定値として抽出する特定値算出手段と、
    前記特定値算出手段の算出値を、算術符号化を行う際の初期値として設定する初期設定手段を備えたことを特徴とする符号化装置。
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