JP3836652B2 - 強化ガラス製造装置 - Google Patents

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    • C03B29/08Glass sheets

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば建築用の防火用ガラスとして使用する強化ガラス製造装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
板ガラスの表面に圧縮応力層を形成することにより、板ガラスの強化度を高めた強化ガラスが知られている。強化ガラスは急激な温度変化にも適応することができるので、例えば建築物の防火用ガラス等の用途に採用されている。ところで、用途によっては、通常の強化ガラスよりも一層強化度の高い強化ガラス(以下、「高強度強化ガラス」という)が望まれる。
この高強度強化ガラスの製造技術について以下説明する。
【0003】
図3は従来の強化ガラス製造装置を示す側面図であり、この装置で高強度強化ガラスを製造する一方法を示す。
先ず、板ガラス100を加熱炉101で所定温度に加熱する。所定温度は、板ガラス100の冷却開始温度を高めるために、通常の強化ガラスを製造するときより高く設定する。
【0004】
次に、加熱した板ガラス100を搬送ローラ102・・・(・・・は複数個を示す。以下同様。)で加熱炉101の出口101aから搬出する。次いで、板ガラス100の両面(上下面)にノズル104・・・から冷却空気を矢印の如く吹き付けて板ガラス100を冷却開始温度から急冷する。これにより、通常の強化ガラスより強化度の高い高強度強化ガラスを得る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、加熱炉の設定温度を通常の強化ガラスを製造する場合より高く設定すると、加熱炉内で板ガラス100が軟くなりすぎる。板ガラス100が軟くなりすぎると、板ガラス100と搬送ロール102・・・表面との間に、ガラス粉や炉材の小片を挟み込んだ場合、板ガラスに傷や凹みが発生する。
【0006】
強化ガラスに傷や凹みが発生することを防ぐ技術として、例えば特開昭53−149206号公報「ガラス板搬送用ロール」や実開平1−106533号公報「板ガラス成形用の水平加熱炉」が知られている。
特開昭53−149206号公報の技術は、搬送ロールの表面を平坦にすることで板ガラスに傷や凹みが発生することを防ぐものである。しかし、搬送ロールを平坦にしても、搬送ロールと板ガラスとの間にガラス粉や炉材の小片が侵入すると板ガラスに傷や凹みが発生する。
板ガラスに傷や凹みが発生すると、その製品は不良品となり廃棄処分しているのが現状であり、そのことが強化ガラスの生産性を高め難くする要因になっている。
【0007】
実開平1−106533号公報の技術は、搬送ローラにシリカスリーブを被覆し、搬送ローラと板ガラスとの間に侵入したガラス粉や炉材の小片をシリカスリーブの編み目に吸収することで、板ガラスに傷や凹みが発生することを抑えるものである。
しかし、この技術はシリカスリーブがフロート板ガラスのエッジに接触して摩耗するので、時々交換する必要があり、シリカスリーブの交換に手間がかかり、そのことが強化ガラスの生産性を高め難くする要因になっている。
【0008】
そこで、本発明の目的は、通常の強化ガラスより強化度の高い高強度強化ガラスを効率よく生産することができる技術を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために請求項1は、板ガラスを搬送する搬送ローラと、この搬送ローラの途中に配置し、搬送中の板ガラスを所定温度に加熱する加熱炉と、この加熱炉の出側、かつ加熱炉の外部に配置し、搬送中の板ガラスを下面側のみから加熱する加熱手段と、この加熱手段の出側に配置し、搬送中の板ガラスを冷却する冷却装置とからなる。
【0010】
板ガラスを加熱炉で所定温度に加熱した後、加熱炉の外部の加熱手段で板ガラスを更に加熱する。板ガラスを加熱炉と加熱手段とで2段階加熱することで、加熱炉内の加熱温度を下げて板ガラスが軟らかくなり過ぎることを防ぐ。このため、搬送ローラと板ガラスとの間にガラス粉や炉材の小片が侵入しても板ガラスに傷や凹みは発生しない。
【0011】
ところで、加熱炉の外部の搬送ローラは、ローラ本体を覆うスリーブを容易に交換することができるので、一般的にスリーブ付きのローラを使用する。このため、搬送ローラと板ガラスとの間に侵入したガラス粉の小片をスリーブの編み目に吸収する。従って、加熱炉の外部において板ガラスを加熱しても板ガラスに傷や凹みが発生することはない。
【0012】
また、加熱手段で板ガラスを下面側から加熱することで、板ガラスの下面を効率良く加熱する。このため、板ガラスの下面が搬送ロールに接触しても、下面の温度を比較的高く確保する。従って、板ガラスの冷却の際に板ガラスの下面から亀裂が発生することを防ぐ。
【0013】
請求項2において、加熱手段は、板ガラスの下面側を加熱する加熱面を備え、この加熱面を平坦に形成したことを特徴とする。
加熱手段の加熱面を平坦に形成することで、加熱面全域を板ガラスに均等に近づける。このため、加熱面全域の熱を板ガラスに効率よく伝えて、加熱手段の加熱時間を短くする。
【0014】
請求項3において、冷却装置は、板ガラスの搬送方向に沿って配置した複数個のエアノズルからなり、これらノズルのうち、入口のノズルを、板ガラスの幅方向にスリットを延ばしたスリットノズルにしたことを特徴とする。
【0015】
冷却装置の入口にスリットノズルを配置したので、スリットノズルからエアを吹出すことでエアカーテンを形成する。このエアカーテンは、冷却装置を加熱手段から仕切ることにより、冷却装置のエアノズルから吹出したエアが加熱手段側に流出することを防ぐ。
【0016】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を添付図に基づいて以下に説明する。なお、図面は符号の向きに見るものとする。
図1は本発明に係る強化ガラス製造装置の側面図である。
強化ガラス製造装置10は、板ガラス11を搬送する搬送ローラ12と、この搬送ローラ12の途中に配置し、搬送中の板ガラス11を所定温度に加熱する加熱炉18と、この加熱炉18の出側に配置し、搬送中の板ガラス11を下面11a側から加熱する加熱手段20と、この加熱手段20の出側に配置し、搬送中の板ガラス11を冷却する冷却装置25とからなる。
【0017】
板ガラス11は、例えば板厚が6〜10mmのフロート板ガラスであり、加熱後急冷することで高強度強化ガラスになるものである。この高強度強化ガラスは、一例として建築物の防火用ガラスに使用する。
【0018】
搬送ローラ12は、加熱炉内に一定間隔をおいて水平に配置した複数のローラ13・・・と、加熱炉の出側に間隔をおいて水平に配置した複数の被覆ローラ16・・・とからなり、ローラ13・・・及び被覆ローラ16・・・を駆動手段(図示せず)で回転することで、板ガラス11を白抜き矢印A方向に搬送するものである。

【0019】
被覆ローラ16は、駆動手段に連結したローラ本体17aと、ローラ本体17aの外周を被覆したスリーブ17bとからなる。
ローラ本体17aをスリーブ17bで被覆することで、被覆ローラ16・・・と板ガラス11との間にガラス粉の小片が侵入しても、この小片をスリーブ17bの網目の中に逃がすことができる。このため、小片が板ガラス11に当ることを防ぐことができる。
【0020】
加熱炉18は、ローラ13・・・で搬送中の板ガラス11を加熱することにより、加熱炉18の出口近傍で所定温度(例えば、略650℃前後)まで加熱するものである。
加熱手段20は、加熱炉18から出炉した板ガラス11をさらに加熱するものであって、被覆ローラ16,16間に配置した本体21と、本体21の上部に取付けることで板ガラス11の下面11a側を加熱する加熱面22とを備える。
【0021】
加熱炉18の出側に加熱手段20を配置することで、加熱炉18で板ガラス11を加熱した後、加熱手段20で2段階的に加熱することができる。このため、加熱炉18内の加熱温度を下げて板ガラス11が加熱炉18内で軟らかくなり過ぎることを防ぐことができる。
【0022】
また、加熱手段20を加熱炉18の出側(すなわち、加熱炉18の外部)に備えることで、加熱手段20を炉材の小片を心配する必要のない箇所に配置することができる。加えて、被覆ローラ16を備えた箇所で板ガラス11を加熱するので、万一被覆ローラ16・・・と板ガラス11との間にガラス粉の小片が侵入しても、この小片をスリーブ17bの網目の中に逃がすことができる。このため、小片が板ガラス11に当ることを防ぐことができる。
【0023】
さらに、加熱手段20で板ガラス11を所望の温度まで加熱することができる。従って、十分な冷却能を確保することができるので、通常の強化ガラスより強化度の高い強化ガラスを得ることができる。また、板ガラス11の加熱温度を高めることで板ガラス11を急冷した際に、板ガラス11に亀裂が発生すること防ぐことができる。
【0024】
なお、冷却能とは、軟化点付近まで加熱されたガラスが冷却エアにより熱を奪われる度合いを表現するもので熱伝達率で表わされる。
すなわち、冷却能が大きいとガラスが急速冷却され、ガラス表面に高い圧縮応力を形成することができる。
【0025】
ここで、加熱手段20を板ガラス11の下側に配置した理由を説明する。
一般に、板ガラス11を被覆ローラ16で搬送する場合、被覆ローラ16に板ガラス11の下面11aが接触して温度が低下しやすい。このため、板ガラス11の冷却の際に板ガラス11の下面11aから亀裂が発生しやすい。
そこで、加熱手段20の加熱面22を板ガラス11の下面11aに対向させて配置することで、板ガラス11の下面11aを効率よく加熱して下面11aの温度を比較的高く維持するようにした。
【0026】
以下、加熱手段20について詳しく説明する。
加熱手段20は、ガスの燃焼表面(以下、「加熱面」という)22に金属繊維マットを平坦に敷きつめ、この平坦に形成した加熱面22を板ガラス11の下面11aに対向させて配置し、平坦な加熱面22でガスを燃焼させるガスバーナ(面バーナ)である。
【0027】
この加熱手段20は、平坦な加熱面22の幅Wを少なくとも100mmに設定し、この加熱面22を板ガラス11から下方に離した距離Lを10mmに設定し、この状態でガスを燃焼させて加熱面22の表面を1000℃を超えるように加熱する。
【0028】
加熱面22を平坦に形成することで、加熱面22全域を板ガラス11に均等に近づけることができる。このため、加熱面22全域の熱を板ガラス11に効率よく伝えることができる。
加えて、加熱面22を板ガラス11の下面11aに近い位置(10mm)に配置し、かつ加熱面22の表面温度を1000℃を超えるように高温に設定することにより、板ガラス11を短い時間で効率よく加熱することができる。
【0029】
従って、加熱手段20での加熱時間を短くしても板ガラス11を所望の温度まで確実に加熱することができる。このため、加熱手段20での加熱エリアを短く設定することができる。また、板ガラス11が高温に加熱されても、表面をスリーブ17bで覆った被覆ローラ16で板ガラス11を搬送するので、万一被覆ローラ16・・・と板ガラス11との間にガラス粉の小片が侵入しても、この小片をスリーブ17bの網目の中に逃がすことができる。このため、板ガラス11に傷や凹みが発生することはない。
【0030】
冷却装置25は、冷却装置25の入口に上下のスリットノズル26・・・を備え、スリットノズル26・・・の下流側に上下のエアノズル28・・・を備える。
スリットノズル26は、板ガラス11の幅方向にスリットを延ばしたもので、エアを吹出すことによりエアカーテンを形成する。
エアノズル28は、板ガラス11の搬送方向に沿って配置したもので、ノズルから吹出したエアを板ガラス11の両面に当てることにより、板ガラスを冷却する。
【0031】
冷却装置25の入口にスリットノズル26・・・を配置したので、スリットノズル26・・・からエアを吹出すことでエアカーテンを形成することができる。このエアカーテンは、冷却装置25を加熱手段20から仕切ることができるので、冷却装置25のエアノズル28・・・から吹出したエアが加熱手段20側に流出することを防ぐことができる。
【0032】
次に、強化ガラス製造装置10の作用を説明する。
図2(a)〜(c)は本発明に係る強化ガラス製造装置の作用説明図である。
(a)において、加熱炉18の雰囲気を650℃に設定し、加熱手段20の加熱面22を1000℃に設定する。
この状態で、搬送ローラ12(すなわち、ローラ13・・・及び被覆ローラ16・・・)を駆動することにより、板ガラス11を加熱炉18の内部に順次搬入する。搬入した板ガラス11(///で示すもの)を加熱炉18のローラ13・・・で矢印▲1▼の如く搬送する。板ガラス11を加熱炉18の出口近傍まで搬送することにより、板ガラス11を略650℃まで加熱する。
【0033】
板ガラス11の加熱温度を略650℃と比較的低く設定することで、加熱炉18の内部で板ガラス11が軟らかくなり過ぎることを防ぐことができる。このため、加熱炉18の内部で板ガラス11の搬送中に、ローラ13・・・と板ガラス11との間にガラス粉や炉材の小片が侵入しても、板ガラス11に傷や凹みが発生が少ない。
【0034】
また、従来の技術のように、加熱炉18内のローラにスリーブを取付ける必要がないので、加熱炉18内でスリーブを交換するという比較的困難な作業をおこなう必要がない。従って、高強度強化ガラスを効率よく生産することができる。
【0035】
(b)において、板ガラス11を加熱炉18から出炉する。この板ガラス11を搬送ローラ12(被覆ローラ16,16)で下流側に搬送することにより、板ガラス11は矢印▲2▼の如く加熱手段20の上方を通過する。従って、加熱手段20の加熱面22で板ガラス11の下面11a側を加熱する。加熱面22は1000℃の高温に設定されているので650℃の板ガラス11を660℃まで加熱する。
【0036】
加熱面22を平坦に形成し、かつ加熱面22を板ガラス11の下面11aに近づけ、この状態で、加熱面22を1000℃の高温に設定したので、加熱手段20での加熱時間を短くすることができる。
ここで、板ガラス11が高温に加熱されても、表面をスリーブ17bで覆った被覆ローラ16で板ガラス11を搬送するので、万一被覆ローラ16・・・と板ガラス11との間にガラス粉の小片が侵入しても、この小片をスリーブ17bの網目の中に逃がすことができる。このため、小片が板ガラス11に当ることを防いで、板ガラス11の表面に傷や凹みが発生することを防止できる。
【0037】
(c)において、加熱手段20から搬出した板ガラス11を、被覆ローラ16・・・で矢印▲3▼の如く冷却装置25に搬入する。この際、板ガラス11がスリットノズル26・・・を通過する。スリットノズル26は、板ガラス11の幅方向にスリットを延ばしたもので、スリットノズル26からエアを噴射することでエアカーテンを形成する。
このため、エアカーテンで加熱手段20の熱が冷却装置25の内部に侵入することを防ぎ、かつ冷却装置25のエアノズル28・・・から噴射したエアが加熱手段20側に流れることを防ぐことができる。
【0038】
スリットノズル26のエアカーテンを通過した板ガラス11を、被覆ローラ16・・・でエアノズル28・・・まで搬送する。エアノズル28・・・から板ガラス11の両面にエアを吹出すことにより、板ガラス11を冷却する。これにより、板ガラス11を急冷することにより板ガラス11の強化度を、通常の強化ガラスより高めた高強度強化ガラスを得る。
【0039】
【実施例】
以下に、本発明に係る発明の実施例、比較例1及び比較例2を表1を参照の上説明する。なお、表中、分数は分母がサンプルの総数、分子は不良品数(傷・凹みや亀裂が発生したもの)を示す。傷や凹みについては、官能検査となるので限定サンプルを設定し、この限定サンプルと比較して合否を判定した。不良品率が10%以下であれば、評価は○(合格)とした。亀裂の発生については、不良品数がゼロ(0)のときを○とした。○以外の場合は、×(不合格)と判定する。
【0040】
【表1】
Figure 0003836652
【0041】
比較例1;
板厚8mmのサンプル(フロート板ガラス)を10枚準備し、これらのサンプルを加熱炉で660℃まで加熱した後、冷却装置で冷却することで高強度強化ガラスを製造した。その結果、高強度強化ガラスに傷・凹みが発生したものは10枚中6枚であり、亀裂が発生したものは10枚中0枚であった。従って、傷・凹みに関して不良品数が10%以上なので評価は×である。
なお、板ガラスの温度測定は、放射温度計を使用することにより、板ガラスの移動中に非接触状態で板ガラスの下面側の温度を測定した。
【0042】
比較例2;
板厚8mmのサンプル(フロート板ガラス)を10枚準備し、これらのサンプルを加熱炉で650℃まで加熱した後、冷却装置で冷却することで高強度強化ガラスを製造した。その結果、高強度強化ガラスに傷・凹みが発生したものは10枚中0枚であ、亀裂が発生したものは10枚中2枚であった。従って、亀裂に関して不良品数が10%以上なので評価は×である。
【0043】
すなわち、加熱炉での加熱温度を660℃から10℃下げると、傷・凹みの発生を防ぐことができる。しかし、加熱した板ガラスを冷却する際に、亀裂が発生することが分かる。このため、加熱炉の加熱温度を下げても、高強度強化ガラスを効率よく生産することができないことが分かった。
【0044】
実施例;
板厚8mmのサンプル(フロート板ガラス)を10枚準備し、これらのサンプルを加熱炉で650℃まで加熱した後、加熱手段で660℃まで加熱した。次に、660℃まで加熱した板ガラスを冷却装置で冷却することで高強度強化ガラスを製造した。
その結果、高強度強化ガラスに傷・凹みが発生したものは10枚中0枚であり、亀裂が発生したものも10枚中0枚であった。従って、傷・凹みや亀裂に関して不良品数が10%未満なので評価は○である。
【0045】
すなわち、実施例によれば加熱炉での加熱温度を660℃から10℃下げることで傷・凹みの発生を防ぎ、かつ加熱手段で660℃まで加熱することで亀裂の発生を防ぐことができることが分かった。
実施例で得られた高強度強化ガラスは、10枚中10枚が通常の強化ガラスより高い強化度を確保することができた。
【0046】
なお、前記実施の形態では、板ガラス11をフロートガラスを例に説明したが、その他みがき板ガラスや型板ガラスなどの板ガラスを使用しても同様の効果を得ることができる。また、板ガラス11の板厚を6〜10mmとした例を説明したが、6〜10mm以外の板厚のものに適用することも可能である。
さらに、加熱手段20をガスバーナとした例について説明したが、ガスバーナに代えて電気ヒータや赤外線ランプなどの加熱手段を使用してもよい。要は、搬送中の板ガラスを短時間で加熱することができるエネルギ密度の高いものであればよい。
【0047】
また、前記実施の形態では、加熱手段20は加熱面22の幅Wを100mmに設定し、加熱面22を板ガラス11から10mm離して配置し、加熱面22を1000℃を超えるように加熱した例を説明したが、これらの値は板ガラス11の板厚に合せて任意に変更することができる。
【0048】
さらに、前記実施の形態では、加熱炉18での板ガラス11の加熱温度を650℃とし、加熱手段20での板ガラス11の加熱温度を660℃としたが、これらの加熱温度は、例えば冷却装置25の冷却能力や板ガラス11の板厚などに合せて任意に設定することができる。
【0049】
【発明の効果】
本発明は上記構成により次の効果を発揮する。
請求項1は、加熱炉の出側に加熱手段を配置することで、板ガラスを加熱炉と加熱手段とで2段階加熱することができる。このため、加熱炉内の加熱温度を下げて板ガラスが加熱炉内で軟らかくなり過ぎないようにできる。従って、搬送ローラと板ガラスとの間にガラス粉や炉材の小片が侵入しても板ガラスに傷や凹みが発生することを防ぐことができる。
【0050】
加えて、加熱炉の外部では、表面をスリーブで覆った被覆ローラで板ガラスを搬送するので、搬送ローラと板ガラスとの間に侵入したガラス粉の小片をスリーブの編み目に吸収する。従って、加熱炉の外部において板ガラスを加熱しても板ガラスに傷や凹みが発生することを防止できる。
【0051】
また、加熱手段で板ガラスを下面側から加熱することで、板ガラスの下面を効率良く加熱することができる。このため、板ガラスの下面が搬送ロールに接触しても、下面の温度を比較的高く確保することができる。従って、板ガラスの冷却の際に板ガラスの下面から亀裂が発生することを防ぐことができる。
この結果、品質のよい高強度強化ガラスを安定的に得ることができるので、高強度強化ガラスの生産性を上げることができ且つコストを抑えることもできる。
【0052】
請求項2は、加熱手段の加熱面を平坦に形成することで、加熱面全域を板ガラスに均等に近づけることができる。このため、加熱面全域の熱を板ガラスを効率よく伝えることができる。
この結果、品質のよい高強度強化ガラスを安定的に得ることができるので、高強度強化ガラスの生産性を上げることができ且つコストを抑えることもできる。
【0053】
請求項3は、冷却装置の入口にスリットノズルを配置したので、スリットノズルからエアを吹出すことでエアカーテンを形成することができる。このエアカーテンは、冷却装置を加熱手段から仕切ることができるので、冷却装置のエアノズルから吹出したエアが加熱手段側に流出することを阻止することができる。
この結果、表面圧縮応力の高い高強度強化ガラスの生産性を高めることができ、かつコストを抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る強化ガラス製造装置の側面図
【図2】本発明に係る強化ガラス製造装置の作用説明図
【図3】従来の強化ガラス製造装置を示す側面図
【符号の説明】
10・・・強化ガラス製造装置、11・・・板ガラス、12・・・搬送ローラ、18・・・加熱炉、20・・・加熱手段、22・・・加熱面、25・・・冷却装置、26・・・スリットノズル、27・・・エアノズル。

Claims (3)

  1. 板ガラスを搬送する搬送ローラと、この搬送ローラの途中に配置し、搬送中の板ガラスを所定温度に加熱する加熱炉と、この加熱炉の出側で、かつ加熱炉の外部に配置し、搬送中の板ガラスを下面側のみから加熱する加熱手段と、この加熱手段の出側に配置し、搬送中の板ガラスを冷却する冷却装置と、からなる強化ガラス製造装置。
  2. 前記加熱手段は、板ガラスの下面側を加熱する加熱面を備え、この加熱面を平坦に形成したことを特徴とする請求項1記載の強化ガラス製造装置。
  3. 前記冷却装置は、板ガラスの搬送方向に沿って配置した複数個のエアノズルからなり、これらノズルのうち、入口のノズルを、板ガラスの幅方向にスリットを延ばしたスリットノズルにしたことを特徴とする請求項1記載の強化ガラス製造装置。
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