JP3882258B2 - 加熱炉 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ガラス板を曲げ成形するための加熱炉に関するものであり、より詳しくは、とくに、車両用窓ガラス板を所望の曲面形状に曲げ成形するのに適した加熱炉に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
例えば、自動車の窓ガラスには、一般に、曲面ガラスが使われており、曲面ガラスは、ガラス板を曲げ成形によって曲面形状に加工することにより製造されている。
【0003】
とくに、自動車のサイドウインドウやリヤウインドウ用のガラス板は、曲げ成形の後に、冷却装置で冷却風を吹き付け、急激に冷却することによって、表面に圧縮応力を発生させ、いわゆる強化ガラスとしたものが使用されている。
【0004】
上記ガラス板の曲げ成形は、ガラス板を軟化点以上の温度にまで加熱した後、プレス曲げ型によってプレス成形する方法や、ガラス板をリング型上に載置させて加熱炉内へ搬入し、加熱炉内で加熱軟化されたガラス板の自重による垂れ下がりを利用して曲げ成形する方法が提案され、現実に実施されている。
【0005】
一方で、ガラス板の曲げ方法として、加熱炉内でガラス板を上流側から下流側へと搬送させる際に、加熱炉内に設けられた搬送手段に所定の曲率を持たせ、軟化したガラス板をその曲率に追従させて曲げることにより、型を使わないで済む工法も提案されている。
【0006】
上記工法による曲げ成形の場合、搬送手段は平面的に見て搬送方向と直交する方向、すなわち、炉幅方向に曲率を有する搬送面を備え、ガラス板は曲面形状を有する搬送面上を搬送されるものである。
【0007】
そして、軟化されたガラス板は、自重によって上記曲率を有する搬送面に追従するように垂れ下がり、炉幅方向に曲率を有する曲面ガラスが得られる。搬送手段としては、ローラーを用いたローラーハースや、ガラス板の下面に加熱空気を吹き付けてガラス板を浮揚搬送するようにしたガスハースなどが挙げられる。
【0008】
上記ローラーハースは、ローラーの中央部が下方へ向って湾曲しており、複数のローラーによって下に凸の搬送面を形成するのが一般的である。ガスハースは図4に示すようなものである。ここで、図4は、上記工法で用いられる加熱炉を示す概略透視斜視図である。
【0009】
すなわち、加熱炉の炉本体1の内部には、加熱空気を上方へ噴出してガラス板2などの被加熱物を加熱および浮揚させるための複数の孔3を有するハースベッド4と呼ばれる搬送手段が備えられている。
【0010】
上記炉本体1は、ほぼ30m以上もの長さを有しており、炉本体1は長尺となるため、搬送方向5に対して複数の加熱ゾーンに分割されている。
【0011】
また、ハースベッド4の搬送面6は、上流側が平坦面7となっており、下流側が炉幅方向8に曲率を有する曲面部9となっている。そして、ハースベッド4中間における、ガラス板2の温度が軟化点に達する位置の付近で、搬送面6が平坦面7から曲面部9へと徐々に変わり始め、上記曲面部9は、下流側へ向けて徐々に曲率が大きくなるように、徐変されている。
【0012】
さらに、ハースベッド4の搬送面6は、炉幅方向8の一辺(上辺10)が他辺(下辺11)よりも高くなるよう僅かな傾斜が付けられており、ハースベッド4の下辺11側に、図示しない無端状のチェーンなどの搬送機構を搬送方向5へ延設し、チェーンなどの搬送機構に所定の間隔で搬送受工具を取付けることにより、搬送面6上で浮揚され搬送面6の傾斜に沿い自重で下辺11側へと移動されたガラス板2を搬送受工具で受けてガラス板2の位置を揃えるとともに、ガラス板2を下流側へ搬送させるようにしている。
【0013】
また、加熱炉の炉本体1内には、天井部12に、加熱源として、燃焼ガスを下方へ噴出するバーナー13が、所定の間隔で取付けられている。
【0014】
さらに、加熱炉の下流側には、加熱されたガラス板2の両面に冷却風を吹き付けて軟化点以下までガラス板2を急激に冷却することにより、ガラス板2の表面に圧縮応力を付与して強化ガラスとするための図示しない冷却装置が配設されている。
【0015】
かかる構成によれば、ハースベッド4の搬送面6に形成された複数の孔3から上方へ向けて加熱空気を噴出させ、この状態で、炉本体1の上流側からハースベッド4の上へガラス板2を送り込むと、ガラス板2は、噴出する加熱空気によって浮揚支持される。
【0016】
このとき、ハースベッド4の搬送面6は、炉幅方向8の一辺(上辺10)が他辺(下辺11)よりも高くなるよう僅かな傾斜が付けられているため、搬送面6上で浮揚されたガラス板2は、搬送面6の傾斜に沿い自重で下辺11側へと移動され、ハースベッド4の下辺11側に搬送方向5へ延設された、図示しない無端状のチェーンなどの搬送機構で位置を揃えられ、チェーンなどの搬送機構に所定の間隔で取付けられた搬送受工具により、下流側へ搬送されることとなる。
【0017】
こうして、炉本体1内を下流側へ搬送されているガラス板2に対し、炉本体1の天井部12に所定の間隔で取付けられたバーナー13から、下方へ向けて燃焼ガスを噴出する。
【0018】
すると、ハースベッド4上に形成された複数の孔3から噴出される加熱空気によるガラス板2下面への対流加熱と、ハースベッド4の搬送面6からガラス板2下面への輻射加熱、さらに、加熱炉の炉本体1の天井部12に適宜に配列されたバーナー13群や、炉本体1の上部空間における炉壁各部からガラス板2上面への輻射加熱によってガラス板2が加熱される。
【0019】
このとき、ガラス板2とハースベッド4との間の浮上距離は約1mmと非常に小さいため、ガラス板2とハースベッド4とは、相互に輻射熱伝達を行いながらお互いの温度分布の影響を大きく受けることになる。
【0020】
そして、ガラス板2が加熱されて軟化点の温度に達すると、ガラス板2は軟化して粘弾性体となるが、ハースベッド4中間における、ガラス板2の温度が軟化点に達する位置の付近で、搬送面6が平坦面7から曲面部9へと変わり始め、上記曲面部9が、下流側へ向けて徐々に曲率が大きくなるように、徐変されているので、粘弾性体となったガラス板2は、曲面部9にほぼ追従するように徐々に垂れ下がり、所望の形状に曲げ成形される。
【0021】
こうして曲げ成形されたガラス板2は、加熱炉の炉本体1を出ると、チェーンなどの搬送機構によって下流側に配設された図示しない冷却装置へと搬送され、冷却装置で、片面に冷却風を吹き付けられて軟化点以下とならない程度に冷却されることにより、形状調整されるとともに、両面に冷却風を吹き付けられて軟化点以下まで急激に冷却されることにより、表面に圧縮応力を付与されて強化ガラスとされる。
【0022】
【発明が解決しようとする課題】
上記の曲面形状を有する搬送面6上を搬送させてガラス板2を曲げ成形する工法は、ハースベッド4の熱容量が大きいため炉内温度変動が小さく、大量のガラス板2を安定的に生産する点では有利である。
【0023】
しかしながら、その反面、何らかの要因により、一旦、炉本体1内に不均一な温度場が形成されると、その不均一温度場がそのまま維持・継続されてしまう傾向が強く、これによって、全てのガラス板2に不均一温度分布を生じさせてしまうという問題があった。
【0024】
こうして不均一加熱されたガラス板2は、ガラス板形状がハースベッド4の持つ曲率に均一に馴染みきらないため、いわゆる不均一Rと呼ばれる不完全成形状態を生じ、この不均一Rによって、炉本体1内で浮揚搬送中にガラス板2がハースベッド4と接触を起こし、接触キズを生じてしまうといった品質上の問題があった。
【0025】
本発明者らが、上記の接触キズの原因を調査した結果、ガラス板2が炉本体1内で不均一に加熱されたためガラス板2の異常加熱された部分が局部的に高温変形していること、および、その不均一加熱要因としては、ガラス板形状に起因した炉内脱熱量の不均一分布であることを見い出した。
【0026】
これは、生産開始前に均一な温度場を有している炉本体1内に、例えば自動車のサイドドアガラスのように、矩形状をしていないガラス板2を連続投入した場合、ガラス板2の搬送方向5の寸法が大きい部分と小さい部分とでは炉内脱熱量が異なるため炉本体1内に脱熱量分布が生じ、これによってハースベッド4上面に不均一温度分布が成りゆきで形成され、さらに、そのようにして形成されたハースベッド4上面の不均一温度分布からの二次不均一輻射をガラス板2の下面が受けるため、ガラス板2に面内温度分布が生じることによって起こる。
【0027】
また、加熱後のガラスを下流側の冷却装置で冷却する際に行われる、ガラス上下面冷却能バランスコントロールによる形状調整時に、加熱炉で生じた不均一Rの影響で、冷却中の形状調整範囲が狭くなるといった、ガラス板2の形状調整面からの問題があった。
【0028】
一方、上記したようなガラス板2に対する加熱形態の中で、前記のように発生したガラス板2の不均一温度分布を改善しようとした場合、バーナー13群のうちガラス板2の温度が高い部分のバーナー13を消火させるようにすることが唯一の調整手段となる。
【0029】
しかし、このようにする場合、成形しようとするガラス板2の変更に応じてハースベッド4を交換させ得るようにするためにバーナー13をハースベッド4から離して設けなければならないなどの構造上の制約があることから、バーナー13群のうちの一部を消火させたとしても、所望のガラス温度分布を得ることができない。
【0030】
すなわち、バーナー13とハースベッド4との間の距離がかなり大きくなっているため、一部のバーナー13を消火させたとしても、隣接する位置に設けられたバーナー13からの輻射熱の影響が相対的に大きくなるため、部分的に温度を低下させる効果がほとんど得られない。
【0031】
したがって、バーナー13の消火では、多種多様なガラス板形状に対してガラス板2の温度分布を任意にコントロールするようなことができないといった欠点があった。
【0032】
また、バーナー13の点火または消火といった作業は、設備の操作としてはかなり煩雑なものであり、生産中の現実的な温度分布調整手段としては、ほとんど採用し得ないものであった。
【0033】
本発明は、このような加熱炉内でのガラス板の不均一温度分布を容易に回避し、さらに、任意の温度分布を必要に応じて形成することができるようにした加熱炉を提供することを目的とするものである。
【0034】
【課題を解決するための手段】
本発明は、天井部12に複数の加熱手段13が取付けられた炉本体1と、炉本体1内に配設され、少くとも下流側に、炉幅方向8に曲率を有する曲面部9が形成されたガラス板2の搬送手段4とを備えた加熱炉において、炉本体1内の天井部12と搬送手段4との間の位置に、ガラス板2の温度分布を調節可能な遮熱板14を配設したことを特徴とする加熱炉にかかるものである。
【0035】
この場合において、遮熱板14が、炉本体1内におけるガラス板2の温度が軟化点に達する位置の近傍部分に配置されるようにしてもよい。
【0036】
また、遮熱板14が、ガラス板2における搬送方向5の寸法が短い部分20〜22の上方に対向して配置されるようにしてもよい。
【0037】
さらにまた、遮熱板14が、炉幅方向8に位置調整可能に設けられるようにしてもよい。
【0038】
上記構成によれば、以下のような作用が得られる。
ガラス板2は搬送手段4により、炉本体1内を上流側から下流側へと搬送され、炉本体1の天井部12に取付けられた複数の加熱手段13による輻射加熱などによって加熱・軟化され、搬送手段4の炉幅方向8に曲率を有する曲面部9に追従するようにして曲げ成形される。
【0039】
この際、ガラス板2に搬送方向5の寸法が短い部分20〜22や長い部分があると、炉内脱熱量に差が生じるため、結果としてガラス板2が不均一温度に加熱され、不完全成形状態や、局部曲りによる搬送手段4との接触キズなどを生じることとなる。
【0040】
そこで、本発明では、炉本体1内の天井部12と搬送手段4との間の位置に、遮熱板14を配設して、ガラス板2の温度分布を調節するようにしている。
【0041】
このように、遮熱板14によって、ガラス板2の温度分布を調節することにより、ガラス板2を均一温度に加熱させることができるようになるので、良好な成形状態を得たり、局部曲りをなくして搬送手段4との接触キズなど防止することができるようになる。
【0042】
この場合において、遮熱板14は、炉本体1内の所望の加熱ゾーンに設けるようにすればよいが、好ましくは、ガラス板2の温度が軟化点に達する直前の部分や、軟化点に達した直後の部分などに設けるようにするのがよい。
【0043】
また、遮熱板14を、ガラス板2における搬送方向5の寸法が短い部分20〜22に対して配置することにより、ガラス板2を均一温度に加熱させる効果が得られる。
【0044】
さらにまた、遮熱板14を、炉幅方向8に位置調整させることにより、ガラス板2に対する温度分布を微調整したり、形状の異なる各種のガラス板2に対して温度分布の調節機能を最適化することが可能となる。
【0045】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図示例とともに説明する。
図1〜図3(a)、(b)、(c)は、本発明の実施の形態の一例であり、図1は加熱炉の概略透視斜視図、図2は、図1のII−II矢視図、図3(a)、(b)、(c)は各種形状のガラス板に対する遮熱範囲を示す概略平面図である。
【0046】
なお、加熱炉の基本的な構成については、図4と同様であるため、同一の部分については同一の符号を付すことにより説明を省略する。
【0047】
本実施の形態では、炉本体1内の天井部12とガラス板2との間の位置に、ガラス板2の温度分布を調節可能な遮熱板14を配設する。
【0048】
遮熱板14は、炉本体1内における所望の加熱ゾーンに設けるようにすればよいが、好ましくは、ガラス板2の温度が軟化点に達する直前の加熱ゾーンや、軟化点に達した直後の加熱ゾーンなどに設けるようにする。
【0049】
遮熱板14は、例えば、カオウールなどの断熱材を、ステンレス製の二枚の薄板で挟持したものなどを用いる。
【0050】
また、上記遮熱板14は、加熱炉の天井部12のバーナー13を避けた位置に支持部材15を介して固定された炉幅方向8へ延びるスライドガイド部材16に、スライド部17および吊り部材18を介して炉幅方向8へ位置調整自在に吊り下げ支持するようにする。
【0051】
そして、遮熱板14の下面は、ガラス板2の上面に対して近接させて配置するようにする。遮熱板14の下面とガラス板2の上面との間隔19は、例えば、80〜150mmなどとする。
【0052】
また、遮熱板14は、図3(a)、(b)、(c)に示すように、ガラス板2の搬送方向5の寸法が短い部分20〜22の上方に対向させて配置するようにする。
【0053】
次に、作動について説明する。
【0054】
加熱炉でガラス板2を加熱・軟化させ、ハースベッド4の曲面部9に追従させて曲げ成形する過程については図4の場合と同様なので説明を省略する。
【0055】
加熱炉でガラス板2を加熱する際、ガラス板2に搬送方向5の寸法が大きい部分と小さい部分があると、炉内脱熱量に分布を生じ炉本体1内に不均一な温度場が形成される。
【0056】
炉本体1内に一旦不均一な温度場が形成されると、加熱炉は熱容量が大きいため、その不均一温度場がそのまま維持・継続されてしまう傾向が強く、これによって、全てのガラス板2に不均一温度分布を生じさせてしまうこととなるが、本発明では、炉本体1内に遮熱板14を配設したので、遮熱板14の位置を適正化することにより、加熱炉内でのガラス板2の輻射受熱量を部分的にコントロールさせ、ガラス板2全体をほぼ均一の温度に加熱させるようにすることができる。
【0057】
すなわち、遮熱板14を設けることにより、加熱炉の炉本体1の天井部12に適宜に配列されたバーナー13群や、炉本体1の上部空間における炉壁各部からガラス板2上面への輻射加熱を部分的に遮断することができるので、遮熱板14をガラス板2の局部的に高温となる部分の上部に配置することにより、その部分の温度が低下され、ガラス板2は全体としてほぼ均一の温度となる。
【0058】
また、図3(a)、(b)、(c)に示すような各種形状のガラス板2がある場合、ガラス板2は搬送方向5の寸法が短い部分20〜22が、炉内脱熱量が小さくなって局部的に高温となりやすいので、遮熱板14は、部分20〜22の上方に対向させて配置するようにする。
【0059】
この際、遮熱板14を、ガラス板2に対して近接させて配置すると、高い遮熱効果が得られる。とくに、遮熱板14の下面とガラス板2の上面との間隔19は、例えば、80〜150mmなどとするのがよい。
【0060】
遮熱板14は、炉本体1内の所望の加熱ゾーンに設けるようにすればよいが、ガラス板2の温度が軟化点に達する直前の加熱ゾーンや、軟化点に達した直後の加熱ゾーンなどの最も高い効果が得られる部分に局所的に設けるようにするのが、遮熱板14の設置上好適である。
【0061】
さらに、加熱炉の天井部12に支持部材15を介して固定されたスライドガイド部材16に対し、スライド部17を変位させて、吊り部材18を介し遮熱板14の位置を炉幅方向8へ調整させることにより、各種形状のガラス板2に対して遮熱板14の位置をそれぞれ最適化させることが可能となる。
【0062】
以上により、ガラス板2全体がほぼ均一の温度となるので、ハースベッド4の曲面部9におけるガラス板2の曲げ成形精度を向上することができ、かつ、ガラス板2のハースベッド4との接触による接触キズをなくすことができる。
なお、遮熱板14の位置は、加熱炉の運転前に予めガラス板2の形状に応じて粗調整し、運転中に外部から微調整させるようにすることができる。
【0063】
あるいは、遮熱板14を上記以外の部分、例えば、下辺11側に移動し、同時にバーナー13輻射加熱量を上げることで、下辺11側のみの加熱を抑えたガラス温度分布が形成できるなど、従来設備が有する加熱調整条件との組合せ操作により、ガラス温度分布を必要に応じて任意にコントロールすることができるようになる。
【0064】
【実施例】
以下に、本発明の実施例を説明する。
先ず、各加熱ゾーンを、表1に示すような加熱条件に設定した加熱炉を用いる。
【0065】
【表1】
Figure 0003882258
【0066】
[実施例1]
実施例1として、加熱炉に搬送方向5に12ゾーンに分けて設けられた加熱ゾーンのうち、下流側の第8加熱ゾーン(上流側からかぞえて8番目のゾーン)から第10加熱ゾーンまでの3ゾーンにわたって、厚さ50mm、炉幅方向8の長さが250mmおよび400mmの遮熱板14を、設置した場合と設置しなかった場合について比較した。
【0067】
実験には、図3(a)に示す形状の板厚3.5mm、搬送方向5の最大寸法1044mm、炉幅方向8の最大寸法527mmのソーダライムガラスを使用した。
【0068】
その結果、ガラス板2の上辺10側と下辺11側との間には最大で表2に示すような温度差が得られた。
【0069】
【表2】
Figure 0003882258
【0070】
なお、遮熱板14による遮蔽範囲は、ハースベッド4の上辺10からの距離を表わしている。
【0071】
表2によると、遮熱板14の遮蔽範囲を0mmとした場合、加熱炉出口でのガラス温度分布は、炉幅方向8の最大温度差が17.5℃となり、ガラス板2が不均一加熱され、このとき、ガラス板2の上辺10のコーナー部には、接触キズが発生した。
【0072】
炉幅方向8の長さが250mmの遮熱板14を設置した場合には、炉幅方向8の最大温度差が、10.5℃に抑えられた。また、炉幅方向8の長さが400mmの遮熱板14を設置した実施例1の場合には、加熱炉出口でのガラス温度分布は、炉幅方向8の最大温度差が、10.0℃に抑えられた。
【0073】
このときのガラス板2の炉幅方向8の部分的な曲率半径変化は、遮蔽範囲を0mmとした場合と遮蔽範囲を400mmとした場合とを比較すると、炉幅方向8の曲率半径変化量ΔRがΔR=200mmとなり、遮熱板14を設置した場合には、ガラス板形状がハースベッド4に馴染む方向に改善された。
以上により、遮熱板14による効果が確認された。
【0074】
[実施例2]
また、実施例2として、上記実施例1と同じく、加熱炉に12ゾーンに分けて設けられた加熱ゾーンのうち、下流側の第8加熱ゾーンから第10加熱ゾーンまでの3ゾーンにわたって、厚さ50mm、炉幅方向8の長さが400mmおよび500mmの遮熱板14を、設置した場合と設置しなかった場合について比較した。
【0075】
実験には、板厚3.5mm、搬送方向5の最大寸法1044mm、炉幅方向8の最大寸法527mmのソーダライムガラスと、板厚3.5mm、搬送方向5の最大寸法1062mm、炉幅方向8の最大寸法498mmのソーダライムガラスと、板厚4.0mm、搬送方向5の最大寸法821mm、炉幅方向8の最大寸法579mmのソーダライムガラスを使用した。なお、これらの形状は、すべて図3(a)に示すような形状のものである。
【0076】
その結果、ガラス板2の上辺10側と下辺11側との間には最大で表3に示すような温度差が得られた。なお、該結果は、一部、実施例1と重複している。
【0077】
【表3】
Figure 0003882258
【0078】
なお、遮熱板14による遮蔽範囲は、ハースベッド4の上辺10からの距離を表わしている。
【0079】
表3から、遮熱板14の配置には均一加熱にとって最適な配置条件が存在し、その条件は遮熱板14のサイズや、材質などに依存して変化することが確認された。
【0080】
なお、本発明は、上述の実施の形態及び実施例に限定されるものではない。とくに、上記実施の形態では、搬送手段としてガスハースを用いた場合について示しているが、ローラーハースを用いるようにすることもできる。
【0081】
また、上記例では、加熱手段としてバーナーを用いたが、他に電熱ヒータ等、種々の加熱手段を用いることができる。なお搬送手段としてハースヘッドを用いてガラス板を浮揚搬送する場合、ハースヘッドから加熱空気に燃焼ガスを混合させて噴出することから、同じように燃焼ガスを用いるバーナーの方が好ましい。
【0082】
【発明の効果】
本発明によれば、輻射加熱が支配的なガラス加熱炉において、ガラスを所望の温度分布に任意に、しかもユーザーフレンドリーにコントロール可能であるという優れた効果を奏し得る。
【0083】
また、ガラス板形状がハースベッドに馴染み、所望のガラス温度分布を得ることができるため、加熱されたガラス板の片面に冷却風を吹き付けて軟化点以下とならない程度にガラス板を冷却することによるガラス板形状コントロールを容易にすることができるという効果を奏し得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の一例にかかる加熱炉の概略透視斜視図。
【図2】図1のII−II矢視図。
【図3】(a)、(b)、(c)は、それぞれ各種形状のガラス板に対する遮熱範囲を示す概略平面図。
【図4】一般的な加熱炉を示す概略透視斜視図。
【符号の説明】
1:炉本体
2:ガラス板
4:ハースベッド(搬送手段)
8:炉幅方向
9:曲面部
12:天井部
13:バーナー(加熱手段)
14:遮熱板
20〜22:部分

Claims (4)

  1. 天井部に複数の加熱手段が取付けられた炉本体と、炉本体内に配設され、少なくとも下流側に、炉幅方向に曲率を有する曲面部が形成されたガラス板の搬送手段とを備えた加熱炉において、炉本体内の天井部と搬送手段との間の位置に、ガラス板の温度分布を調節可能な遮熱板を配設したことを特徴とする加熱炉。
  2. 遮熱板が、炉本体内におけるガラス板の温度が軟化点に達する位置の近傍部分に配置されていることを特徴とする請求項1記載の加熱炉。
  3. 遮熱板が、ガラス板における搬送方向の寸法が短い部分の上方に対向して配置されていることを特徴とする請求項1または2記載の加熱炉。
  4. 遮熱板が、炉幅方向に位置調整可能に設けられていることを特徴とする請求項1または2または3記載の加熱炉。
JP09412997A 1997-04-11 1997-04-11 加熱炉 Expired - Fee Related JP3882258B2 (ja)

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