JP3836614B2 - 描画装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、LSI製造工程等で、例えばシリコンウエハー、露光用マスク等の被描画材料上に所定のパターンを荷電粒子ビームで描画する描画装置に関し、特に荷電粒子ビームをオンオフするシャッタを使用した描画装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、描画装置として、1本の荷電粒子ビームにより走査面を走査して描画する装置が知られているが、この装置は生産性が低いという問題点がある。前記問題点を解決するため、電子シャッタを使用した描画装置が知られている。
この種の描画装置としては従来次の技術(J01)が知られている。
【0003】
(J01)特開平1−248617号公報記載の技術
この公報にはブランキング電極(シャッタ電極)がそれぞれ設けられた複数のアパーチャがライン状に配列されたブランキングアパーチャアレイを使用し、前記複数の各アパーチャを通過する複数の荷電粒子ビームによりウエハ表面を同時に露光する荷電粒子ビーム露光装置が記載されている。この技術は複数の荷電粒子ビームによりウエハ表面の複数箇所を同時に露光して描画することができるので、描画時間を短縮することができる。
【0004】
(前記(J01)の問題点)
前記(J01)の技術では、前記ライン状に配置され且つ隣接するアパーチャとアパーチャとの間は荷電粒子ビームが通過できない。このため、前記荷電粒子ビームが通過できない領域に対応するウエハー表面は荷電粒子ビームによる露光ができないので、描画できないという問題点があった。
【0005】
前記(J01)の問題点は、前記(J01)の技術において、次のような構成を採用することにより解決することができる。
(1)前記(J01)のライン状に配列された複数のアパーチャを有するアパーチャアレイを、ライン方向と垂直な方向に所定距離離れて2列配置する。
(2)ライン方向に隣接するアパーチャとアパーチャとの間隔をアパーチャのライン方向の内径に等しくする。
(3)一方の列のアパーチャアレイのアパーチャと他方の列のアパーチャアレイのアパーチャとが前記ライン方向と垂直な方向から見た場合に重ならないように配置する。
(4)前記(1)〜(3)の構成で前記ライン方向と垂直な方向に走査すると、前記2列のうちの一方の列のアパーチャアレイにより描画できないウエハ表面は他方の列のアパーチャアレイにより描画することができる。したがって、2列のアパーチャアレイを設けることにより、ウエハ表面の1本のライン状領域を隙間無く描画することができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
前記(J01)の技術において、ウエハ表面の1本のライン状領域を隙間無く描画するためには、アパーチャアレイを2列設ける必要がある。
前記2列のアパーチャアレイを1組として複数組のアパーチャアレイを前記ライン方向(一本のアパーチャアレイが延びる方向)と垂直な方向に並べて配置した場合、アパーチャの数を増加させることができるので、ウエハ表面の同時に露光する箇所の数をさらに増加させることが可能となる。そして、2列のアパーチャアレイによりウエハ表面の1ライン分に相当する領域の描画を1度に行えるので、前記1組のアパーチャアレイが例えば10組あれば、10組のアパーチャアレイにより、ウエハ表面の10ライン分に相当する領域の描画を1度に行えるようになる。
その場合、ウエハ1枚の描画に要する時間をさらに短縮することが可能となる。
【0007】
しかしながら、前記アパーチャアレイが形成される部材(アパーチャアレイ形成部材)上の前記アパーチャアレイを形成可能な面積(アパーチャアレイ形成面積)は、前記アパーチャアレイ形成部材の配置されている位置や、その位置での荷電粒子ビームのビーム径の大きさ等により、制限される。
【0008】
また前記ウエハの描画時間を短縮するために、前記1ラインのアパーチャアレイ中のアパーチャ数およびアパーチャアレイのライン数を増加させると、アパーチャの総数が大きくなってしまう。その場合、各アパーチャ毎にブランキング電極(シャッタ電極)を個別にオン・オフする必要があるが、非常に多数のブランキング電極(シャッタ電極)を同時にオン・オフ制御することは困難であった。また、前記アパーチャ形成部材に非常に多数のアパーチャを高精度で孔開け加工することは手間と時間がかかるので、実用的ではなかった。
したがって、従来、多数の荷電粒子ビームにより同時描画を行う描画装置は実用化されていなかった。
【0009】
本発明は前述の事情(及び検討結果)に鑑み、下記(O01)〜(O04)の記載内容を課題とする。
(O01)シャッタ基板上に1本のライン方向に沿って、荷電粒子ビームオン・オフ用の複数のシャッタ空間を隙間無く配置すること。
(O02)前記1本のライン方向に配置された複数のシャッタのオン・オフにより1度にウエハ表面の1ライン分の領域を隙間無く描画できるようにすること。
(O03)シャッタ基板の一定の面積(荷電粒子ビームにより照射される一定の面積)内に荷電粒子ビームオン・オフ用のシャッタ空間を多数配置できるようにすること。
(O04)前記多数のシャッタを同時にオン・オフして非常に多数の荷電粒子ビームにより同時にウエハ表面の描画を行えるようにすること。
【0010】
【課題を解決するための手段】
次に、前記課題を解決した本発明を説明するが、本発明の要素には、後述の実施例の要素との対応を容易にするため、実施例の要素の符号をカッコで囲んだものを付記する。本発明を後述の実施例の符号と対応させて説明する理由は、本発明の理解を容易にするためであり、本発明の範囲を実施例に限定するためではない。
【0011】
(本発明)
前記課題を解決するために、本発明の描画装置は、下記の要件(A01)〜(A 013 を備えたことを特徴とする、
(A01)XYステージ(U3)を収容する真空室(A)を形成する外壁(1)、
(A02)前記外壁(1)の上部を形成する上壁部(2)に装着され且つ下方に向かう荷電粒子ビームを出射する荷電粒子銃(F12)が上部に配置された描画鏡筒(56)、
(A03)前記荷電粒子ビームの通路に配置され、所定の間隔で形成された荷電粒子ビーム通過用の平行な複数のシャッタスリット(114S,115S;124s)が形成されたシャッタ基板(114,115)、
(A04)前記各シャッタスリット(114S,115S)をその長手方向に沿って所定間隔で区分した各スリット部分により形成され且つ前記荷電粒子ビームを直進または偏向させる各シャッタ空間(S1,S2,…)に対応して、前記各シャッタ空間(S1,S2,…)を形成する一方の側縁に形成されたシャッタ駆動電極(S1a,S2a,…,S1000a)および他方の側縁に形成されたシャッタ対向電極(S1b,S2b,…,S1000b)を有するシャッタ電極(S1a,S1b,S2a,S2b,…)、
(A05)前記シャッタ空間(S1,S3,…;S2,S4,…)を前記荷電粒子ビームが直進して前記ウエハ(W)を照射するビームオンの状態にするシャッタオフの状態と、前記シャッタ空間(S1,S3,…;S2,S4,…)を通過する際荷電粒子ビームが偏向して前記ウエハ(W)を照射しないビームオフの状態にするシャッタオンの状態とを切替えるため、前記各シャッタ駆動電極(S1a,S2a,…,S1000a)を駆動するシャッタ駆動回路(E+SW0〜SW3+SWa〜SWc)、
(A06)前記シャッタ基板(114,115)の下方に配置されたフィルタ基板(116)であって、前記シャッタ基板(114,115)の複数の各スリット(114S,115S)に対応してフィルタスリット(116S)が形成されたフィルタ基板(116)、
(A07)前記フィルタ基板(116)の下方に配置されて荷電粒子ビームの径を縮小するビーム縮小レンズ(F16+F19)、および荷電粒子ビームの光軸に垂直な平面内で前記スリット(114S,115S,116S;124s)の延びる方向およびそれに垂直な方向に設定されたX軸およびY軸それぞれの軸方向に前記荷電粒子ビームを偏向させるX偏向器(F17)およびY偏向器(F18)、
(A08)前記X偏向器(F17)を駆動するX偏向器駆動回路(E17)、および前記Y偏向器(F18)を駆動するY偏向器駆動回路(E18)、
(A09)前記ビーム縮小レンズ(F16+F19)および前記偏向器(F17,F18)の下方に配置され且つ前記X軸方向およびY軸方向にそれぞれ独立して平行移動可能なXYステージ(U3)、
(A010)前記XYステージ(U3)をX軸方向に移動させるX軸方向ステージ駆動装置(Dx+Mx)、およびY軸方向に移動させるY軸方向ステージ駆動装置(Dy+My)
(A 011 )所定の間隔で形成された荷電粒子ビーム通過用の平行な複数の上側シャッタスリット(114 S )が形成された上側シャッタ基板(114)およびその下側に配置され且つ前記上側シャッタスリット(114 s )と上下に重なる位置に下側シャッタスリット(115 s )が形成された下側シャッタ基板(115)を有する前記シャッタ基板(114,115;124)、
(A 012 )前記上側シャッタスリット(114 s )に形成されるシャッタ空間(S 1 ,S 2 ,S 3 ,S 4 ,…)のうちの1つ置きに選択したシャッタ空間(S 1 ,S 3 ,…)に対応して形成された上側シャッタ駆動電極(S 1a ,S 3a ,…,S 999a )および前記下側シャッタスリット(115 s )に形成されるシャッタ空間(S 1 ,S 2 ,S 3 ,S 4 ,…)のうちの1つ置きに選択し且つ前記上側シャッタスリット(114 s )で選択されなかったシャッタ空間(S 2 ,S 4 ,…)に対応して形成された下側シャッタ駆動電極(S 2a ,S 4a ,…,S 1000a )を有する前記シャッタ駆動電極(S 1a ,S 2a ,S 3a ,…,S 1000a )、
(A 013 )前記上側シャッタスリット(114 s )の他方の側縁に前記上側シャッタ駆動電 極(S 1a ,S 3a ,…,S 999a )に対向して形成される上側シャッタ対向電極(S 1b ,S 3b ,…,S 999b )および前記下側シャッタスリット(115 s )の他方の側縁に前記下側シャッタ駆動電極(S 2a ,S 4a ,…,S 1000a )に対向して形成される下側シャッタ対向電極(S 2b ,S 4b ,…,S 1000b )を有する前記シャッタ対向電極(S 1b ,S 2b ,S 3b ,…,S 1000b )。
【0012】
(本発明の作用)
前記構成を備えた本発明の描画装置では、外壁(1)により形成された真空室(A)内にはXYステージ(U3)が収容される。前記外壁(1)の上壁部(2)に装着され描画鏡筒(56)内の上部には荷電粒子銃(F12)が配置される。前記荷電粒子銃(F12)は下方に向かう荷電粒子ビームを出射する。
前記荷電粒子ビームは、その通路に配置されたシャッタ基板(114,115;124)に所定の間隔で形成された荷電粒子ビーム通過用の平行な複数のシャッタスリット(114S,115S;124s)に入射する。
【0013】
前記各シャッタスリット(114S,115S;124s)をその長手方向に沿って所定間隔で区分した各スリット部分により各シャッタ空間(S1,S2,…)が形成される。前記各シャッタ空間(S1,S2,…)を形成する一方の側縁にシャッタ駆動電極(S1a,S2a,…,S1000a)が形成され、他方の側縁にはシャッタ対向電極(S1b,S2b,…,S1000b)が形成される。前記シャッタ駆動電極(S1a,S2a,…,S1000a)およびシャッタ対向電極(S1b,S2b,…,S1000b)によりシャッタ電極(S1a,S1b,S2a,S2b,…)が構成される。
【0014】
シャッタ駆動回路(E+SW0〜SW3+SWa〜SWc)は、前記各シャッタ駆動電極(S1a,S2a,…,S1000a)を駆動して、前記シャッタ空間(S1,S2,…)を前記荷電粒子ビームが直進して前記ウエハ(W)を照射するビームオンの状態にするシャッタオフの状態と、前記荷電粒子ビームが前記シャッタ空間(S1,S2,…)を通過する際偏向して前記ウエハ(W)を照射しないビームオフの状態にするシャッタオンの状態とを切替えるる。
そして、前記シャッタ空間(S1,S2,…)を形成する電極(S1a,S1b,S2a,S2b,…)は、前記スリット(114S,115S;124s)に沿って隙間無く並んで形成されるシャッタ空間(S1,S2,…)を通過する荷電粒子ビームを直進または偏向させる。すなわち、シャッタ基板(114,115;124)上に1本のライン方向に沿って、荷電粒子ビームオン・オフ用の複数のシャッタ空間(S1,S2,……)を隙間無く配置することができる。
【0015】
前記シャッタ基板(114,115;124)の下方に配置されたフィルタ基板(116)には、前記シャッタ基板(114,115;124)の複数の各スリット(114S,115S;124s)に対応して複数のフィルタスリット(116S)が形成されている。したがって、前記シャッタ空間(S1,S2,…)を直進して通過する荷電粒子ビームは前記フィルタスリット(116S)を通過するが、偏向された荷電粒子ビームは前記フィルタスリット(116S)を通過できなくなる。
前記フィルタ基板(116)の下方に配置されたビーム縮小レンズ(F16+F19)は、荷電粒子ビームの径を縮小する。また、X偏向器駆動回路(E17)により駆動されるX偏向器(F17)またはY偏向器駆動回路(E18)により駆動されるY偏向器(F18)は、荷電粒子ビームの光軸に垂直な平面内で前記スリット(114S,115S,116S)の延びる方向およびそれに垂直な方向に設定されたX軸およびY軸のうちの前記スリット(114S,115S,116S)に垂直な軸方向に前記荷電粒子ビームを偏向させる。
前記ビーム縮小レンズ(F16+F19)および前記偏向器(F18)の下方に配置されたXYステージ(U3)は、前記X軸方向およびY軸方向にそれぞれ独立して平行移動可能である。X軸方向ステージ駆動装置(Dx+Mx)は、前記XYステージ(U3)をX軸方向に移動させる。Y軸方向ステージ駆動装置(Dy+My)は、XYステージ(U3)をY軸方向に移動させる。
【0016】
したがって、前記XYステージ(U3)上にウエハ(W)を保持した状態で荷電粒子ビームを照射すると荷電粒子ビームはシャッタスリット(114S,115S;124s)に沿って隙間無く形成される複数のシャッタ空間(S1,S2,…)を通過する際、直進または偏向され、直進した荷電粒子ビームのみが前記ウエハ(W)を照射することができる。その場合、前記1本のライン方向に配置された複数のシャッタ空間(S1,S2,…)のオン・オフにより1度にウエハ(W)表面の1ライン分の領域を隙間無く描画することができる。
また、前記シャッタスリット(114S,115S;124s)、および前記フィルタスリット(116S)の数をスリットに垂直な方向に複数配置することにより、前記シャッタ空間(S1,S2,…)の数をさらに増加させることができる。したがって、シャッタ基板(114,115;124)の一定の面積(荷電粒子ビームにより照射される一定の面積)内に荷電粒子ビームオン・オフ用のシャッタ空間(S1,S2,…)を多数配置できるようになる。
また、前記多数のシャッタを同時にオン・オフして非常に多数の荷電粒子ビームにより同時にウエハ(W)表面の描画を行えるようにすることができる。
【0018】
前記荷電粒子ビームは、その通路に配置された上側シャッタ基板(114)に所定の間隔で形成された荷電粒子ビーム通過用の平行な複数の上側シャッタスリット(114S)に入射し、前記上側シャッタスリット(114S)を直進して通過した荷電粒子ビームは下側シャッタスリット(115s)に入射する。
前記上側シャッタスリット(114S)のシャッタ空間(S1,S2,S3,…,S1000)のうちの1つ置きに選択したシャッタ空間(S1,S3,…)に対応して形成された上側シャッタ駆動電極(S1a,S3a,…,S999a)および前記上側シャッタ駆動電極(S1a,S3a,…,S999a)に対応して前記シャッタスリット(114S)の他方の側縁に沿って形成された上側シャッタ対向電極(S1b,S3b,…,S999b)により構成される上側シャッタ電極(S1a,S1b,S3a,S3b,…)は、前記シャッタ空間(S1,S3,…)に入射する荷電粒子ビームを直進または偏向させる。
【0019】
前記下側シャッタスリット(115S)のシャッタ空間(S1,S2,S3,…,S1000)のうちの1つ置きに選択したシャッタ空間(S2,S4,…)に対応して形成された下側シャッタ駆動電極(S2a,S4a,…,S1000a)および前記下側シャッタ駆動電極(S2a,S4a,…,S1000a)に対応して前記シャッタスリット(115S)の他方の側縁に沿って形成された下側シャッタ対向電極(S2b,S4b,…,S1000b)により構成される下側シャッタ電極(S2a,S2b,S4a,S4b,…)は、前記シャッタ空間(S2,S4,…)に入射する荷電粒子ビームを直進または偏向させる。
【0020】
前記上側シャッタスリット(114S)の一方の側縁に形成された複数の上側シャッタ駆動電極(S1a,S3a,…,S999a)および上側シャッタ対向電極(S1b,S3b,…,S999b)により形成されるシャッタ空間(S1,S3,…)と、前記下側シャッタスリット(115S)の一方の側縁に形成された複数の下側シャッタ駆動電極(S2a,S4a,…,S1000a)および下側シャッタ対向電極(S2b,S4b,…,S1000b)により形成されるシャッタ空間(S2,S4,…)とは、前記シャッタスリット(114S,115S;124s)に沿って隙間無く並んだシャッタ空間(S1,S3,…;S2,S4,…)を形成することができる。
【0021】
そして、前記シャッタ空間(S1,S3,…;S2,S4,…)を形成する電極(S1a,S1b,S2a,S2b,S3a,S3b,S4a,S4b,…)は、前記スリット(114S,115S;124s)に沿って隙間無く並んで形成されるシャッタ空間(S1,S3,…;S2,S4,…)を通過する荷電粒子ビームを直進または偏向させる。すなわち、シャッタ基板(114,115;124)上に1本のライン方向に沿って、荷電粒子ビームオン・オフ用の複数のシャッタ空間(S1,S3,…;S2,S4,…)を隙間無く配置することができる。
【0022】
(第2発明)
第2発明の描画装置は、下記の要件 ( 01) ( 010) 、(A 014 )を備えたことを特徴とする、
(A 01 )XYステージ(U 3 )を収容する真空室(A)を形成する外壁(1)、
(A 02 )前記外壁(1)の上部を形成する上壁部(2)に装着され且つ下方に向かう荷電粒子ビームを出射する荷電粒子銃(F 12 )が上部に配置された描画鏡筒(56)、
(A 03 )前記荷電粒子ビームの通路に配置され、所定の間隔で形成された荷電粒子ビーム通過用の平行な複数のシャッタスリット(114 S ,115 S ;124 s )が形成されたシャッタ基板(114,115)、
(A 04 )前記各シャッタスリット(114 S ,115 S )をその長手方向に沿って所定間隔で区分した各スリット部分により形成され且つ前記荷電粒子ビームを直進または偏向させる各シャッタ空間(S 1 ,S 2 ,…)に対応して、前記各シャッタ空間(S 1 ,S 2 ,…)を形成する一方の側縁に形成されたシャッタ駆動電極(S 1a ,S 2a ,…,S 1000a )および他方の側縁に形成されたシャッタ対向電極(S 1b ,S 2b ,…,S 1000b )を有するシャッタ電極(S 1a ,S 1b ,S 2a ,S 2b ,…)、
(A 05 )前記シャッタ空間(S 1 ,S 3 ,…;S 2 ,S 4 ,…)を前記荷電粒子ビームが直進して前記ウエハ(W)を照射するビームオンの状態にするシャッタオフの状態と、前記シャッタ空間(S 1 ,S 3 ,…;S 2 ,S 4 ,…)を通過する際荷電粒子ビームが偏向して前記ウエハ(W)を照射しないビームオフの状態にするシャッタオンの状態とを切替えるため、前記各シャッタ駆動電極(S 1a ,S 2a ,…,S 1000a )を駆動するシャッタ駆動回路(E+SW 0 〜SW 3 +SW a 〜SW c )、
(A 06 )前記シャッタ基板(114,115)の下方に配置されたフィルタ基板(116)であって、前記シャッタ基板(114,115)の複数の各スリット(114 S ,115 S )に対応してフィルタスリット(116 S )が形成されたフィルタ基板(116)、
(A 07 )前記フィルタ基板(116)の下方に配置されて荷電粒子ビームの径を縮小するビーム縮小レンズ(F 16 +F 19 )、および荷電粒子ビームの光軸に垂直な平面内で前記スリット(114 S ,115 S ,116 S ;124 s )の延びる方向およびそれに垂直な方向に設定されたX軸方向およびY軸方向にそれぞれ前記荷電粒子ビームを偏向させるX偏向器(F 17 )およびY偏向器(F 18 )、
(A 08 )前記X偏向器(F 17 )を駆動するX偏向器駆動回路(E 17 )、および前記Y偏向器(F 18 )を駆動するY偏向器駆動回路(E 18 )、
(A 09 )前記ビーム縮小レンズ(F 16 +F 19 )および前記偏向器(F 17 ,F 18 )の下方に配置され且つ前記X軸方向およびY軸方向にそれぞれ独立して平行移動可能なXYステージ(U 3 )、
(A 010 )前記XYステージ(U 3 )をX軸方向に移動させるX軸方向ステージ駆動装置(D x +M x )、およびY軸方向に移動させるY軸方向ステージ駆動装置(D y +M y )、
(A014)前記各シャッタ空間(S1,S2,S3,…,S1000)の境界に配置されて、隣接する各シャッタ空間の間で電界が発生するのを防止する電界遮蔽部材。
【0023】
(第2発明の作用)
前記構成 ( 01) ( 010) ( 014) を備えた第2発明の描画装置では、構成要件 ( 01) ( 010) の作用は前記第1発明と同様である。また、前記各シャッタ空間(S1,S2,S3,…,S1000)の境界に配置された電界遮蔽部材は、隣接する各シャッタ空間の間で電界が発生するのを防止する。
(第3発明)
第3発明の描画装置は、下記の要件 ( 01) ( 010) 、(A 030 )を備えたことを特徴とする、
(A 01 )XYステージ(U 3 )を収容する真空室(A)を形成する外壁(1)、
(A 02 )前記外壁(1)の上部を形成する上壁部(2)に装着され且つ下方に向かう荷電粒子ビームを出射する荷電粒子銃(F 12 )が上部に配置された描画鏡筒(56)、
(A 03 )前記荷電粒子ビームの通路に配置され、所定の間隔で形成された荷電粒子ビーム通過用の平行な複数のシャッタスリット(114 S ,115 S ;124 s )が形成されたシャッタ基板(114,115)、
(A 04 )前記各シャッタスリット(114 S ,115 S )をその長手方向に沿って所定間隔で区分した各スリット部分により形成され且つ前記荷電粒子ビームを直進または偏向させる各シャッタ空間(S 1 ,S 2 ,…)に対応して、前記各シャッタ空間(S 1 ,S 2 ,…)を形成する一方の側縁に形成されたシャッタ駆動電極(S 1a ,S 2a ,…,S 1000a )および他方の側縁に形成されたシャッタ対向電極(S 1b ,S 2b ,…,S 1000b )を有するシャッタ電極(S 1a ,S 1b ,S 2a ,S 2b ,…)、
(A 05 )前記シャッタ空間(S 1 ,S 3 ,…;S 2 ,S 4 ,…)を前記荷電粒子ビームが直進して前記ウエハ(W)を照射するビームオンの状態にするシャッタオフの状態と、前記シャッタ空間(S 1 ,S 3 ,…;S 2 ,S 4 ,…)を通過する際荷電粒子ビームが偏向して前記ウエハ(W)を照射しないビームオフの状態にするシャッタオンの状態とを切替えるため、前記各シャッタ駆動電極(S 1a ,S 2a ,…,S 1000a )を駆動するシャッタ駆動回路(E+SW 0 〜SW 3 +SW a 〜SW c )、
(A 06 )前記シャッタ基板(114,115)の下方に配置されたフィルタ基板(116)であって、前記シャッタ基板(114,115)の複数の各スリット(114 S ,115 S )に対応してフィルタスリット(116 S )が形成されたフィルタ基板(116)、
(A 07 )前記フィルタ基板(116)の下方に配置されて荷電粒子ビームの径を縮小するビーム縮小レンズ(F 16 +F 19 )、および荷電粒子ビームの光軸に垂直な平面内で前記スリット(114 S ,115 S ,116 S ;124 s )の延びる方向およびそれに垂直な方向に設定されたX軸方向およびY軸方向にそれぞれ前記荷電粒子ビームを偏向させるX偏向器(F 17 )およびY偏向器(F 18 )、
(A 08 )前記X偏向器(F 17 )を駆動するX偏向器駆動回路(E 17 )、および前記Y偏向器(F 18 )を駆動するY偏向器駆動回路(E 18 )、
(A 09 )前記ビーム縮小レンズ(F 16 +F 19 )および前記偏向器(F 17 ,F 18 )の下方に配置され且つ前記X軸方向およびY軸方向にそれぞれ独立して平行移動可能なXYステージ(U 3 )、
(A 010 )前記XYステージ(U 3 )をX軸方向に移動させるX軸方向ステージ駆動装置(D x +M x )、およびY軸方向に移動させるY軸方向ステージ駆動装置(D y +M y )、
(A 030 )前記荷電粒子ビームの通路で且つ前記シャッタ基板(114,115;124)の上方に配置されるとともに、前記シャッタ基板(114,115;124)の複数の各シャッタスリット(114 S ,115 s )に対応してシールド基板用スリット(112 S )が形成されたシールド基板(112)。
(第3発明の作用)
前記構成 ( 01) ( 010) ( 030) を備えた第3発明の描画装置では、構成要件 ( 01) ( 010) の作用は前記第1発明と同様である。また、前記シャッタ基板(114,115;124)の複数の各スリット(114 S ,115 s )に対応してシールド基板用スリッ ト(112 S )が形成されたシールド基板(112)は、前記荷電粒子ビームの通路で且つ前記シャッタ基板(114,115;124)の上方に配置される。前記シールド基板(112)に電極を形成せずに、スリット(112 S )のみを形成する場合、対ビーム強度が高く且つ分厚い材料(ステンレス等)を使用して丈夫な構成とすることが容易である。
なお、前記シールド基板(112)の下方にスリット基板(113)を配置することも可能である。
【0024】
【発明の実施の形態】
(本発明の実施の形態
本発明の描画装置の実施の形態は、前記第1発明〜第3発明のいずれかにおいて下記の要件(A015)を備えたことを特徴とする、
(A015)前記荷電粒子ビームの通路で且つ前記シャッタ基板(114,115;124)の上方に配置され、前記シャッタ基板(114,115;124)の各シャッタスリット(114S,115S;124s)に対応して前記所定の間隔で形成された荷電粒子ビーム通過用の平行な複数のスリット(113S)を有するスリット基板(113)、
【0025】
(本発明の実施の形態の作用)
前記構成を備えた本発明の実施の形態の描画装置では、前記荷電粒子ビームは、スリット基板(113)に所定の間隔で形成された荷電粒子ビーム通過用の平行な複数のスリット(113S)を通過する。
前記スリット基板(113)の下方に配置されたシャッタ基板(114,115;124)には前記スリット基板(113)の複数の各スリット(113S)に対応してシャッタスリット(114S,115S;124s)が形成されている。したがって、前記スリット基板(113)のスリット(113S)を通過した荷電粒子ビームは、前記シャッタスリット(114S,115S;124s)に入射する。
【0026】
(本発明の実施の形態
本発明の描画装置の実施の形態は、前記第1発明〜第3発明のいずれかまたは本発明の実施の形態1において下記の要件(A016)を備えたことを特徴とする、
(A016)前記荷電粒子銃(F12)の下方で且つ前記シャッタ基板(114,115;124)の上方に配置され、前記荷電粒子銃(F12)から出射される荷電粒子ビームを平行化する荷電粒子ビーム平行化レンズ(F15)、
【0027】
(本発明の実施の形態の作用)
前記構成を備えた本発明の実施の形態の描画装置では、前記荷電粒子銃(F12)の下方に配置された荷電粒子ビーム平行化レンズ(F15)は、前記荷電粒子銃(F12)から出射される荷電粒子ビームを平行化する。
前記荷電粒子ビーム平行化レンズ(F15)で平行化された荷電粒子ビームは、前記シャッタ基板(114,115;124)のシャッタスリット(114S,115S;124s)に入射する。
なお、前記シャッタ基板(114,115;124)の上方に、シールド基板(112)またはスリット基板(113)が配置されている場合は、前記荷電粒子ビームは前記シールド基板(112)のスリット(112s)またはスリット基板(113)のスリット(113s)を通過してから、前記シャッタスリット(114S,115S;124s)に入射する。
【0028】
(本発明の実施の形態
本発明の描画装置の実施の形態は、前記第1発明〜第3発明および本発明の実施の形態1、2のいずれかにおいて下記の要件(A017)〜(A020)を備えたことを特徴とする、
(A017)前記各スリットの幅をA、前記各シャッタ空間(S1,S3,…;S2,S4,…)の面積をA×A、m,nおよびkを正の整数としたときスリット数がn、スリット間隔が(m−1)A、前記各スリットに形成されるシャッタ空間数(S1,S2,S3,…)がkとなるように構成された前記シャッタ基板(114,115;124)、
(A018)前記面積A×Aの各シャッタ空間(S1,S2,S3,…)を通過した各荷電粒子ビームの前記XYステージ(U3)上に支持されたウエハ(W)を照射する照射面積がa×aとなるようにビーム縮小倍率がa/Aに設定された前記ビーム縮小レンズ(F16+F19)、
(A019)停止状態の前記ウエハ(W)上で前記荷電粒子ビームを前記スリットに垂直なY軸方向に前記スリット幅Aに対応するスリット幅ピッチaで走査させるように前記Y偏向器駆動回路(E18)を制御するスリット幅ピッチ走査用制御手段(C1D1)を有する前記停止ウエハ走査制御手段(C1D)、
(A020)前記荷電粒子ビームのピッチaの走査にタイミング走を合わせて、前記シャッタのオン・オフ状態を切り換えるように前記シャッタ駆動回路(E+SW0〜SW3+SWa〜SWc)を制御するシャッタ制御手段(C1B)。
【0029】
(本発明の実施の形態の作用)
前記構成を備えた本発明の描画装置の実施の形態では、前記シャッタ基板(114,115;124)は、前記各スリットの幅をA、前記各シャッタ空間(S1,S3,…;S2,S4,…)の面積をA×A、m,nおよびkを正の整数としたときスリット数がn、スリット間隔が(m−1)A、前記各スリットに形成されるシャッタ空間数がkとなるように構成される。
前記ビーム縮小レンズ(F16+F19)はビーム縮小倍率がa/Aに設定されており、前記面積A×Aの各シャッタ空間(S1,S3,…;S2,S4,…)を通過した各荷電粒子ビームは、前記XYステージ(U3)上に支持されたウエハ(W)の面積(照射面積)a×aを照射する。
停止ウエハ走査制御手段(C1D)のスリット幅ピッチ走査用制御手段(C1D1)は、停止状態の前記ウエハ(W)上で前記荷電粒子ビームを前記スリットに垂直なY軸方向にピッチaで走査させるように前記Y偏向器駆動回路(E18)を制御する。
シャッタ制御手段は、前記荷電粒子ビームのピッチaの走査にタイミングを合わせて、前記シャッタのオン・オフ状態を切り換えるように前記シャッタ駆動回路(E+SW0〜SW3+SWa〜SWc)を制御する。
【0030】
(本発明の実施の形態
本発明の描画装置の実施の形態は、前記本発明の実施の形態において下記の要件(A021)を備えたことを特徴とする、
(A021)qを整数とした場合に、前記ウエハ(W)上の前記荷電粒子ビームの照射位置を前記スリットに平行なX軸方向にピッチakqで移動させるように前記X偏向器駆動回路(E17)を制御するX軸方向ビーム位置制御手段(C1D3)。
【0031】
(本発明の実施の形態の作用)
前記構成を備えた本発明の描画装置の実施の形態では、X軸方向ビーム位置制御手段(C1D3)はqを整数とした場合に、前記ウエハ(W)上の前記荷電粒子ビームの照射位置を前記スリットに平行なX軸方向にピッチakqで移動させるように前記X偏向器駆動回路(E17)を制御する。
【0032】
(本発明の実施の形態
本発明の描画装置の実施の形態は、前記本発明の実施の形態3または4において下記の要件(A022)〜(A023)を備えたことを特徴とする、
(A022)前記ウエハ(W)表面を荷電粒子ビームにより前記Y軸方向に前記ピッチaでm回走査したときに前記荷電粒子ビームが走査する面積である単位走査面積S0をS0=(走査面積S0のX軸方向の長さ)×(走査面積S0のY軸方向の長さ)=(a×m×n)×(a×k)=amn×akとし、且つ、qおよびpを整数とした場合に、前記単位走査面積S0の走査をq×p回実行して、前記単位走査面積S0をX軸方向にq個並べ且つY軸方向にp個並べた走査面積q×p×S0=qpS0を、前記ウエハ(W)が停止した状態で前記荷電粒子ビームの走査のみによって走査するように、前記Y偏向器駆動回路(E18)および前記X偏向器駆動回路(E17)を制御する停止ウエハ走査制御手段(C1D)、
(A023)前記ウエハ(W)が停止した状態で前記荷電粒子ビームにより走査されるウエハ(W)表面の前記走査面積qpS0であるウエハ停止状態走査領域qpS0の走査を前記停止ウエハ走査制御手段(C1D)が終了する毎に、次のウエハ停止状態走査領域qpS0の走査を実行可能な位置に、ウエハ(W)および前記ウエハ(W)を支持する前記XYステージ(U3)を、移動させる停止ウエハ走査領域移動用XYステージ制御手段(C1E1)を有するXYステージ制御手段(C1E)。
【0033】
(本発明の実施の形態の作用)
前記構成を備えた本発明の描画装置の実施の形態では、Y偏向器駆動回路(E18)およびX偏向器駆動回路(E17)を制御する停止ウエハ走査制御手段(C1D)は、前記ウエハ(W)表面を荷電粒子ビームにより前記Y軸方向に前記ピッチaでm回走査したときに前記荷電粒子ビームが走査する面積である単位走査面積S0をS0=(走査面積S0のX軸方向の長さ)×(走査面積S0のY軸方向の長さ)=(a×m×n)×(a×k)=amn×akとし、且つ、qおよびpを整数とした場合に、前記単位走査面積S0の走査をq×p回実行して、前記単位走査面積S0をX軸方向にq個並べ且つY軸方向にp個並べた走査面積q×p×S0=qpS0を、前記ウエハ(W)が停止した状態で前記荷電粒子ビームの走査のみによって走査する。
XYステージ制御手段(C1E)の停止ウエハ走査領域移動用XYステージ制御手段(C1E1)は、前記ウエハ(W)が停止した状態で前記荷電粒子ビームにより走査されるウエハ(W)表面の前記走査面積qpS0であるウエハ停止状態走査領域qpS0の走査を前記停止ウエハ走査制御手段(C1D)が終了する毎に、次のウエハ停止状態走査領域qpS0の走査を実行可能な位置に、前記ウエハ(W)および前記ウエハ(W)を支持する前記XYステージ(U3)を移動させる。
【0034】
(本発明の実施の形態
本発明の描画装置の実施の形態は、前記本発明の実施の形態4または5において下記の要件(A024)〜(A026)を備えたことを特徴とする、
(A024)前記荷電粒子ビームをY軸方向にピッチaで偏向させる第1Y偏向器(F18a)およびピッチa×m×nで偏向させる第2Y偏向器(F18b)を有する前記Y偏向器(F18)、
(A025)前記第1Y偏向器(F18a)および第2Y偏向器(F18b)をそれぞれ駆動する第1Y偏向器駆動回路(E18a)および第2Y偏向器駆動回路(E18b)を有する前記Y偏向器駆動回路(E18)、
(A026)前記ウエハ(W)上で前記荷電粒子ビームを前記スリットに垂直なY軸方向にピッチaで走査させるように前記第1Y偏向器駆動回路(E18a)を制御する前記スリット幅ピッチ走査用制御手段(C1D1)、前記ウエハ(W)上で前記荷電粒子ビームを前記スリットに垂直なY軸方向にピッチa×m×nで移動させるように前記第2Y偏向器駆動回路(E18b)を制御するY軸方向ビーム位置制御手段(C1D2)、および、前記ウエハ(W)上で前記荷電粒子ビームを前記スリットに平行なX軸方向にピッチa×kで移動させるように前記X偏向器駆動回路(E17)を制御するX軸方向ビーム位置制御手段(C1D3)を有する停止ウエハ走査制御手段(C1D)。
【0035】
(本発明の実施の形態の作用)
前記構成を備えた本発明の描画装置の実施の形態では、停止ウエハ走査制御手段(C1D)は、スリット幅ピッチ走査用制御手段(C1D1)、Y軸方向ビーム位置制御手段(C1D2)、およびX軸方向ビーム位置制御手段(C1D3)を有する。
停止ウエハ走査制御手段(C1D)のスリット幅ピッチ走査用制御手段(C1D1)は、前記ウエハ(W)上で前記荷電粒子ビームを前記スリットに垂直なY軸方向にピッチaで走査させるように前記第1Y偏向器駆動回路(E18a)を制御する。停止ウエハ走査制御手段(C1D)のY軸方向ビーム位置制御手段(C1D2)は、前記ウエハ(W)上で前記荷電粒子ビームを前記スリットに垂直なY軸方向にピッチa×m×nで移動させるように前記第2Y偏向器駆動回路(E18b)を制御する。停止ウエハ走査制御手段(C1D)のX軸方向ビーム位置制御手段(C1D3)は、前記ウエハ(W)上で前記荷電粒子ビームを前記スリットに平行なX軸方向にピッチa×kで移動させるように前記X偏向器駆動回路(E17)を制御する。
Y偏向器駆動回路(E18)の第1Y偏向器駆動回路(E18a)により駆動される第1Y偏向器(F18a)は、荷電粒子ビームをウエハ(W)上でY軸方向にピッチaで偏向させて走査する。また、Y偏向器駆動回路(E18)の第2Y偏向器駆動回路(E18b)により駆動される第2Y偏向器(F18a)は、ウエハ(W)上で荷電粒子ビームをY軸方向にピッチa×m×nで移動させる。また、X偏向器駆動回路(E18)により駆動されるX偏向器(F17)は、ウエハ(W)上で荷電粒子ビームをX軸方向にピッチa×kで移動させる。
【0036】
(本発明の実施の形態
本発明の描画装置の実施の形態は、前記第1発明において下記の要件(A027)を備えたことを特徴とする、
(A027)1枚のシャッタ基板の上面および下面に形成された前記上側シャッタ電極(S1a,S1b,S3a,S3b,…)および前記下側シャッタ電極(S2a,S2b,S4a,S4b,…)。
【0037】
(本発明の実施の形態の作用)
前記構成を備えた本発明の描画装置の実施の形態では、1枚のシャッタ基板の上面および下面に前記上側シャッタ電極(S1a,S1b,S3a,S3b,…)および前記下側シャッタ電極(S2a,S2b,S4a,S4b,…)が形成されている。このため、1枚のシャッタ基板を使用してシャッタ基板上に1本のライン方向に沿って、荷電粒子ビームオン・オフ用の複数のシャッタ空間(S1,S3,…;S2,S4,…)を隙間無く配置することができる。また、前記1本のライン方向に配置された複数のシャッタのオン・オフにより1度にウエハ(W)表面の1ライン分の領域を隙間無く描画できるようになる。
【0038】
(本発明の実施の形態8)
本発明の描画装置の実施の形態は、前記第1発明において下記の要件(A028),(A029)を備えたことを特徴とする、
(A028)上側シャッタ基板(114)および下側シャッタ基板(115)を有する前記シャッタ基板(114,115;124)、
(A029)前記上側シャッタ基板(114)に形成された前記上側シャッタ電極(S1a,S1b,S3a,S3b,…)および前記下側シャッタ基板(115)に形成された前記下側シャッタ電極(S2a,S2b,S4a,S4b,…)。
【0039】
(本発明の実施の形態の作用)
前記構成を備えた本発明の描画装置の実施の形態では、上側シャッタ基板(114)および下側シャッタ基板(115)に前記上側シャッタ電極(S1a,S1b,S3a,S3b,…)および前記下側シャッタ電極(S2a,S2b,S4a,S4b,…)がそれぞれ形成されている。このため、2枚のシャッタ基板(114,115;124)を使用することにより、シャッタ基板(114,115;124)上に1本のライン方向に沿って、荷電粒子ビームオン・オフ用の複数のシャッタ空間(S1,S3,…;S2,S4,…)を隙間無く配置することができる。また、前記1本のライン方向に配置された複数のシャッタのオン・オフにより1度にウエハ(W)表面の1ライン分の領域を隙間無く描画できる。
【0040】
(本発明の実施の形態
本発明の描画装置の実施の形態は、前記第1発明またはは第2発明において下記の要件(A030)を備えたことを特徴とする、
(A030)前記荷電粒子ビームの通路で且つ前記シャッタ基板(114,115;124)の上方に配置されるとともに、前記シャッタ基板(114,115;124)の複数の各シャッタスリット(114S,115s)に対応してシールド基板用スリット(112S)が形成されたシールド基板(112)。
【0041】
(本発明の実施の形態の作用)
前記構成を備えた本発明の描画装置の実施の形態では、前記シャッタ基板(114,115;124)の複数の各スリット(114S,115s)に対応してシールド基板用スリット(112S)が形成されたシールド基板(112)は、前記荷電粒子ビームの通路で且つ前記シャッタ基板(114,115;124)の上方に配置される。前記シールド基板(112)に電極を形成せずに、スリット(112S)のみを形成する場合、対ビーム強度が高く且つ分厚い材料(ステンレス等)を使用して丈夫な構成とすることが容易である。
なお、前記シールド基板(112)の下方にスリット基板(113)を配置することも可能である。
【0042】
(本発明の実施の形態10
本発明の描画装置の実施の形態10は、前記第3発明または本発明の実施の形態9において下記の要件(A031),(A032)を備えたことを特徴とする。
(A031)前記シールド基板(112)を複数個支持するシールドプレート(PL1)。
(A032)前記各シールド基板(112)のスリットがその下方のシャッタ基板(114,115;124)のシャッタスリット(114s,115s)に対応する使用位置に順次移動するように、前記シールドプレート(PL1)を移動させるシールド基板移動装置(69,74〜93,PL1)。
【0043】
(本発明の実施の形態10の作用)
前記構成を備えた本発明の描画装置の実施の形態10では、シールドプレート(PL1)は、前記シールド基板(112)を複数個支持する。シールド基板移動装置(69,74〜93,PL1)は、前記各シールド基板(112)のスリットがその下方のスリット基板(113)のスリットに対応する使用位置に順次移動するように、前記シールドプレート(PL1)を移動させる。
したがって、シールド基板(112)が荷電粒子ビームにより損傷した場合には、スリット基板(113)上方のシールド基板(112)を置き換えることにより、荷電粒子ビームによる描画を続行することが可能である。
【0044】
(本発明の実施の形態11
本発明の描画装置の実施の形態11は、前記本発明の実施の形態10において下記の要件(A033)を備えたことを特徴とする、
(A033)前記使用位置に移動した前記各シールド基板(112)の前記スリットに垂直な方向の位置を微調節するシールド基板位置調節用圧電体(91)。
【0045】
(本発明の実施の形態11の作用)
前記構成を備えた本発明の描画装置の実施の形態11では、シールド基板位置調節用圧電体(91)は、前記使用位置に移動した前記各シールド基板(112)の前記スリットに垂直な方向の位置を微調節する。
前記微調節によりシールド基板(112)のスリットの位置をその下方のシャッタ基板(114,115;124)のシャッタスリット(114s,115s)の位置に対応する位置に正確に調節することができる。また、シールド基板(112)を、シールド基板(112)のスリットとシャッタ基板(114,115;124)のシャッタスリット(114s,115s)とが重なる位置と重ならないずれた位置(すなわち、シャッタスリット(114s,115s)を荷電粒子ビームが通過しない位置)との間で正確に変位させることができる。この場合、前記シールド基板位置調節用圧電体(91)により、荷電粒子ビームの遮断を行うことが可能である。
【0046】
(本発明の実施の形態12
本発明の描画装置の実施の形態12は、前記第1発明〜第3発明および本発明の実施の形態1〜11のいずれかにおいて下記の要件(A034)を備えたことを特徴とする、
(A034)複数の荷電粒子銃(F12)または複数の荷電粒子発生源を有する荷電粒子銃(F12)が配置された前記描画鏡筒(56)。
【0047】
(本発明の実施の形態12の作用)
前記構成を備えた本発明の描画装置の実施の形態12では、前記描画鏡筒(56)には複数の荷電粒子銃(F12)または複数の荷電粒子発生源を有する荷電粒子銃(F12)が配置されている。
この場合、前記シャッタ基板(114,115;124)のシャッタスリット(114S,115S;124s)を照射する荷電粒子ビームの照射面積を大きく且つ荷電粒子ビームの強度分布を均一にすることができるので、均一な荷電粒子ビームにより大きな描画面積を一度に描画することができる。
【0048】
(本発明の実施の形態13
本発明の描画装置の実施の形態13は、前記第1発明〜第3発明および本発明の実施の形態1〜12のいずれかにおいて下記の要件(A035)〜(A037)を備えたことを特徴とする、
(A035)1本のシャッタスリット(114S,115S;124s)に沿って形成される複数のシャッタ駆動電極(S1a,S2a,S3a,…,S1000a)の全てに同時に印加されるシャッタオン・オフ信号を一時的に記憶するシャッタ駆動信号一時記憶メモリ(ME1〜ME4)が複数形成された前記シャッタ基板(114,115;124)、
(A036)前記複数のシャッタ駆動信号一時記憶メモリ(ME1〜ME4)への、各シャッタ駆動用のオン・オフ信号の書込動作を並行して実行するオン・オフ信号書込並行処理手段(C1A)、
(A037)前記複数のシャッタ駆動電極(S1a,S2a,S3a,…,S1000a)と電源(Eb)との間にそれぞれ設けられたシャッタ駆動スイッチ(SW0)であって、前記複数の各シャッタ駆動信号一時記憶メモリ(ME1〜ME4)のうちの選択されたシャッタ駆動信号一時記憶メモリ(ME1〜ME4)に記憶されたシャッタオン・オフ信号により作動する前記シャッタ駆動スイッチ(SW0)、および、前記複数の各シャッタ駆動信号一時記憶メモリ(ME1〜ME4)を循環的に選択するシャッタ駆動信号一時記憶メモリ選択手段(C1B1)を有するシャッタ制御手段(C1B)。
【0049】
(本発明の実施の形態13の作用)
前記構成を備えた本発明の描画装置の実施の形態13では、前記シャッタ基板(114,115;124)に複数形成されたシャッタ駆動信号一時記憶メモリ(ME1〜ME4)は、それぞれ、1本のシャッタスリット(114S,115S;124s)に沿って形成される複数の上側シャッタ駆動電極(S1a,S3a,…,S999a)または下側シャッタ駆動電極(S2a,S4a,…,S1000a)の全てに同時に印加されるシャッタオン・オフ信号を一時的に記憶する。
オン・オフ信号書込並行処理手段(C1A)は、前記複数のシャッタ駆動信号一時記憶メモリ(ME1〜ME4)への、各シャッタ駆動用のオン・オフ信号の書込動作を並行して実行する。
前記複数の上側シャッタ駆動電極(S1a,S3a,…,S999a)または下側シャッタ駆動電極(S2a,S4a,…,S1000a)と電源(Eb)との間にそれぞれ設けられたシャッタ駆動スイッチ(SW0)は、前記複数の各シャッタ駆動信号一時記憶メモリ(ME1〜ME4)のうちの選択されたシャッタ駆動信号一時記憶メモリ(ME1〜ME4)に記憶されたシャッタオン・オフ信号により作動する。
シャッタ駆動信号一時記憶メモリ選択手段(C1B1)は、前記複数の各シャッタ駆動信号一時記憶メモリ(ME1〜ME4)を循環的に選択する。
【0050】
(本発明の実施の形態14
本発明の描画装置の実施の形態14は、前記本発明の実施の形態13において下記の要件(A038)を備えたことを特徴とする、
(A038)前記複数の各シャッタ駆動信号一時記憶メモリ(ME1〜ME4)のうちの選択された前記シャッタ駆動信号一時記憶メモリ(ME1〜ME4)の記憶内容を記憶し且つ記憶した値に応じて前記シャッタ駆動スイッチを駆動するシャッタ駆動メモリ(ME0)。
【0051】
(本発明の実施の形態14の作用)
前記構成を備えた本発明の描画装置の実施の形態14では、シャッタ駆動メモリ(ME0)は、前記複数の各シャッタ駆動信号一時記憶メモリ(ME1〜ME4)のうちの選択された前記シャッタ駆動信号一時記憶メモリ(ME1〜ME4)の記憶内容を記憶し且つ記憶した値に応じて前記シャッタ駆動スイッチを駆動する。
この場合、前記シャッタ駆動信号一時記憶メモリ(ME1〜ME4)の記憶内容がシャッタ駆動メモリに記憶されると、その直後からシャッタ駆動信号一時記憶メモリ(ME1〜ME4)に新しいデータを記憶させることが可能となる。
【0052】
(本発明の実施の形態15
本発明の描画装置の実施の形態15は、前記本発明の実施の形態13または14において下記の要件(A039),(A040)を備えたことを特徴とする、
(A039)前記シャッタ空間(S1,S3,…;S2,S4,…)を通過する全描画ビームを偏向させる全描画ビーム遮断信号を出力する全描画ビーム遮断信号出力手段(C1C)、
(A040)全描画ビーム遮断信号が出力されたとき、前記シャッタ駆動信号一時記憶メモリ選択手段(C1B1)により選択されたシャッタ駆動信号一時記憶メモリ(ME1〜ME4)の出力信号とは関係なく、前記全描画ビームを偏向させてウエハ(W)表面への全描画ビームの到達を遮断する全描画ビーム偏向装置(Eb,SWb,SWc)。
【0053】
(本発明の実施の形態15の作用)
前記構成を備えた本発明の描画装置の実施の形態15では、全描画ビーム遮断信号出力手段(C1C)は、前記シャッタ空間(S1,S3,…;S2,S4,…)を通過する全描画ビームを偏向させる全描画ビーム遮断信号を出力する。
全描画ビーム偏向装置(Eb,SWb,SWc)は、全描画ビーム遮断信号が出力されたとき、前記選択されたシャッタ駆動信号一時記憶メモリ選択手段(C1B1)の出力信号とは関係なく、前記全描画ビームを偏向させてウエハ(W)表面への全描画ビームの到達を遮断する。
【0054】
(本発明の実施の形態16
本発明の描画装置の実施の形態16は、前記第1発明〜第3発明および本発明の実施の形態1〜15のいずれかにおいて下記の要件(A041)を備えたことを特徴とする、
(A041)前記シャッタ駆動電極(S1a,S2a,S3a,…,S1000a)を、電源スイッチ(SWa)を介して電源(Eb)のビーム偏向電圧印加端子(マイナス端子)に接続するビームオフ端子と、前記電源(Eb)のビーム偏向電圧印加端子(シャッタオン端子)またはシャッタ対向電極(S1b,S3b,…,S999b;S2b,S4b,…,S1000b)のいずれかに切替可能な切替スイッチ(SWb,SWc)に接続するオン・オフ切替端子とを有するシャッタ駆動スイッチ(SW0)。
【0055】
(本発明の実施の形態16の作用)
前記構成を備えた本発明の描画装置の実施の形態16では、シャッタ駆動スイッチ(SW0)は、前記シャッタ駆動電極(S1a,S2a,S3a,…,S1000a)を、ビームオフ端子またはオン・オフ端子のいずれかに接続する。前記ビームオフ端子は電源スイッチ(SWa)を介して電源(Eb)のビーム偏向電圧印加端子(シャッタオン端子)に接続されている。
また、オン・オフ切替端子は前記電源(Eb)のビーム偏向電圧印加端子またはシャッタ対向電極(S1b,S3b,…,S999b;S2b,S4b,…,S1000b)のいずれかに切替可能な切替スイッチ(SWb,SWc)に接続されている。
したがって、前記切替スイッチ(SWb,SWc)がシャッタ対向電極(S1b,S3b,…,S999b;S2b,S4b,…,S1000b)に接続されている場合、シャッタ駆動スイッチ(SW0)がオン・オフ端子に接続されると、シャッタ駆動電極(S1a,S3a,…,S999a;S2a,S4a,…,S1000a)はシャッタ対向電極(S1b,S3b,…,S999b;S2b,S4b,…,S1000b)と接続されるので、シャッタ駆動電極(S1a,S3a,…,S999a;S2a,S4a,…,S1000a)とシャッタ対向電極(S1b,S3b,…,S999b;S2b,S4b,…,S1000b)との間のシャッタ空間(S1,S3,…;S2,S4,…)に電圧が印加されない。このシャッタオフのとき、荷電粒子ビームはシャッタ空間(S1,S3,…;S2,S4,…)を直進するので、荷電粒子ビームによる描画が行われる。この状態はビームオンの状態である。
【0056】
またこのとき、電源スイッチ(SWa)をオンした状態であれば、シャッタ駆動スイッチ(SW0)が前記シャッタオン端子(ビームオフ端子)に接続されると、シャッタ駆動電極(S1a,S3a,…,S999a;S2a,S4a,…,S1000a)は電源(Eb)のビーム偏向電圧印加端子に接続されるので、シャッタ駆動電極(S1a,S3a,…,S999a;S2a,S4a,…,S1000a)とシャッタ対向電極(S1b,S3b,…,S999b;S2b,S4b,…,S1000b)との間のシャッタ空間(S1,S3,…;S2,S4,…)に電圧が印加される。このとき、荷電粒子ビームはシャッタ空間(S1,S3,…;S2,S4,…)で偏向されるので、荷電粒子ビームによる描画は行われない。この状態はビームオフの状態である。
また、電源スイッチ(SWa)がオンの状態で、前記切替スイッチ(SWb、SWc)を前記電源(Eb)の前記ビーム偏向電圧印加端子(シャッタオン端子)に接続すると、シャッタ駆動スイッチ(SW0)がオンまたはオフのいずれであっても、シャッタ駆動電極(S1a,S3a,…,S999a;S2a,S4a,…,S1000a)は前記電源(Eb)のビーム偏向電圧印加端子(シャッタオン端子)に接続されるので、全シャッタ空間(S1,S3,…;S2,S4,…)に電圧が印加される。このとき、全荷電粒子ビームはシャッタ空間(S1,S3,…;S2,S4,…)で偏向されるので、荷電粒子ビームによる描画は全く行われない。
【0057】
(本発明の実施の形態17
本発明の描画装置の実施の形態17は、前記本発明の実施の形態1において下記の要件(A042),(A043)を備えたことを特徴とする、
(A042)前記スリット基板(113)の荷電粒子ビーム通過用の平行な複数のスリット(113S)の両側に配置された帯状のビーム遮断駆動電極および対向電極、
(A043)前記帯状のビーム遮断駆動電極および対向電極間に電圧を印加する状態および印加しない状態との間で切替可能なビーム遮断電圧印加回路。
【0058】
(本発明の実施の形態17の作用)
前記構成を備えた本発明の描画装置の実施の形態17では、前記スリット基板(113)の荷電粒子ビーム通過用の平行な複数のスリット(113S)の両側には帯状のビーム遮断駆動電極および対向電極が配置されている。ビーム遮断電圧印加回路は、前記帯状のビーム遮断駆動電極および対向電極間に電圧を印加することによりスリット(113S)を通過する荷電粒子ビームを偏向し、前記電圧を印加しないことによりスリット(113S)を通過する荷電粒子ビームを直進させる。
したがって、ビーム遮断電圧印加回路は、前記帯状のビーム遮断駆動電極および対向電極間に電圧を印加することによりスリット(113S)を通過する全荷電粒子ビームを偏向させて、ウエハ(W)への全荷電粒子ビームの照射をオフとすることができる。
【0059】
(本発明の実施の形態18
本発明の描画装置の実施の形態18は、前記第1発明〜第3発明および本発明の実施の形態1〜17のいずれかにおいて下記の要件(A044),(A045)を備えたことを特徴とする、
(A044)前記外壁(1)の上部を形成する上壁部(2)に前記描画鏡筒(56)と並んで装着され且つ上部に荷電粒子銃が配置された第2の描画鏡筒、
(A045)前記描画鏡筒(56)および第2の描画鏡筒の下方に配置されたXYステージ(U3)であって、前記描画鏡筒(56)および第2の描画鏡筒の下方位置にそれぞれ別のウエハ(W)を支持するウエハ支持部および第2ウエハ支持部を有する前記XYステージ(U3)。
【0060】
(本発明の実施の形態18の作用)
前記構成を備えた本発明の描画装置の実施の形態18では、上部に荷電粒子銃が配置された第2の描画鏡筒は、前記外壁(1)の上部を形成する上壁部(2)に前記描画鏡筒(56)と並んで装着される。
前記描画鏡筒(56)および第2の描画鏡筒の下方に配置された前記XYステージ(U3)は、前記描画鏡筒(56)および第2の描画鏡筒の下方位置にそれぞれ別のウエハ(W)を支持するウエハ支持部および第2ウエハ支持部を有する。
したがって、前記描画鏡筒(56)および第2描画鏡筒により2枚のウエハ(W)に同時に描画を行うことができる。
【0061】
(本発明の実施の形態19
本発明の描画装置の実施の形態19は、前記第1発明〜第3発明および本発明の実施の形態1〜18のいずれかにおいて下記の要件(A046)を備えたことを特徴とする、
(A046)前記外壁(1)の上部を形成する上壁部(2)に前記描画鏡筒(56)と並んで装着され且つ上部に荷電粒子銃(F1)が配置された検査用鏡筒(47)。
【0062】
(本発明の実施の形態19の作用)
前記構成を備えた本発明の描画装置の実施の形態19では、上部に荷電粒子銃が配置された検査用鏡筒は、前記外壁(1)の上部を形成する上壁部(2)に前記描画鏡筒と並んで装着される。したがって、本発明の描画装置は描画に使用しないときには、検査鏡筒を使用して描画以外の作業(ウエハ検査作業等)を実行することがで可能である。
【0063】
【実施例】
次に図面を参照しながら、本発明の描画装置の実施の形態の具体例(実施例)を説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
なお、以後の説明の理解を容易にするために、図面において、前後方向をX軸方向、右左方向をY軸方向、上下方向をZ軸方向とし、矢印X,−X,Y,−Y,Z,−Zで示す方向または示す側をそれぞれ、前方、後方、右方、左方、上方、下方、または、前側、後側、右側、左側、上側、下側とする。
また、図中、「○」の中に「・」が記載されたものは紙面の裏から表に向かう矢印を意味し、「○」の中に「×」が記載されたものは紙面の表から裏に向かう矢印を意味するものとする。
【0064】
(実施例1)
図1は本発明の描画装置の実施例1の全体説明図である。図2は同実施例1の全体斜視図である。図3は同実施例の部分平面図である。
【0065】
図1〜図3において、描画装置Uは、電子ビーム描画装置U1および検査用電子顕微鏡U2を有している。前記電子ビーム描画装置U1および検査用電子顕微鏡U2は真空試料室Aを形成する外壁1の上壁部2に支持されている。前記真空試料室A内にはXYステージU3が配置されており、XYステージU3は外壁1の底壁3上に支持されている。
XYステージU3はY移動テーブルSTy、X移動テーブルSTx、回転テーブルSTrを有している。前記回転テーブルSTr上には図1、図3に示す試料(ウエハ)Wが支持されている。
外壁1の右側壁部4にはXYステージ制御機構や真空ポンプ等を収容する作動部材収容室Bが配置されている。前記作動部材収容室Bの右側には描画装置用制御装置Cが配置されている。描画装置用制御装置Cは描画用コントローラC1および検査用コントローラC2と、前記各コントローラC1,C2に接続されたディスプレイD1,D2を有している。なお、ディスプレイD3(図1、図8参照)は光学撮像装置用のディスプレイである。
【0066】
図3において、前記真空試料室Aの形成する外壁1の後壁部(−X側の壁部)5外側には試料交換室Eおよびカセット収納室Fが配置されている。前記真空試料室A、試料交換室E、およびカセット収納室Fはいずれも真空ポンプ(図示せず)に接続されており、所定のタイミングで真空にされる。
前記真空試料室Aおよび試料交換室Eの間には、連通口(図示せず)および前記連通口を気密に遮断する状態または連通状態にする仕切弁6(図3参照)が設けられている。前記試料交換室Eおよび前記カセット収納室Fの間には、連通口(図示せず)および前記連通口を気密に遮断または連通させる仕切弁7(図3参照)が設けられている。
【0067】
前記カセット収納室Fの上壁にはウエハカセットWKを出入させるための外部仕切弁8が設けられている。
ウエハカセットWKは、外部仕切弁8の上方を通過するように配置された図示しないチェーンコンベアにより搬送されるカセット搬送部材(図示せず)の上下に伸縮可能なエアシリンダ下端に設けた真空吸着パッドにより吸着された状態で、前記外部仕切弁8から出入される。
【0068】
カセット収納室Fに配置されたウエハカセットWKには、複数のウエハWが取出可能に収納されている。前記ウエハカセットWKは図22に示すように、カセットテーブル昇降用モータMLにより昇降するように構成されている。
試料交換室Eに配置されたウエハ搬送部材9はウエハWを支持する搬送アーム9aを有している。前記搬送アーム9aは、上下動、鉛直軸周りの回転、直進が可能であり、前記ウエハカセットWKと試料ステージU3との間で前記ウエハWを搬送する。
図21から分かるように、搬送アーム9aは、アーム回転モータM1により鉛直軸周りに回転し、アーム直進モータM2により直進し、アーム昇降モータM3により昇降可能に構成されている。
【0069】
図4は真空試料室(真空作業室)内に配置されたXYテーブルに支持された回転テーブルの昇降ロッドの説明図で、前記図3のIV−IV線断面図である。図5は前記図4の要部拡大図である。図6は前記図5の回転テーブル上に載置された試料Wの位置決め機構の説明図で、回転テーブルが前記図5とは異なる位置に回転したときの断面図である。
【0070】
前記真空試料室A内に配置されたXYステージ(試料ステージ)U3は、ウエハWを前記電子ビーム描画装置U1または検査用電子顕微鏡U2により描画または検査等を行う位置(作業位置)に移動させるための装置である。
XYステージU3の前記Y軸移動テーブルSTy上には前記X軸移動テーブルSTxがX軸方向(前後方向)に移動可能に支持されている。前記X軸移動テーブルSTx上にはベアリング11を介して円形の回転テーブルSTrが回転可能に支持されている。回転テーブルSTrにはガイド溝12およびアーム収容溝13が形成されている。また前記回転テーブルSTrはその外周にギヤ14が形成されており、ギヤ14は回転テーブル駆動モータM4(図22参照)により回転するウオームギヤ16と噛み合っている。そして回転テーブルSTrは、前記ウオームギヤ16の回転にともなって回転するように構成されている。
【0071】
図5において、回転テーブルSTrには、前記搬送アーム9aにより真空試料室A内に搬送されたウエハWを受け取ったり、作業済のウエハWを搬送アーム9a上に移動させるための上下動テーブル17が上下動可能に支持されている。上下動テーブル17は上端に設けた円形の試料載置プレート17aおよび下方に延びるロッド17bを有している。前記ロッド17b下端にはバネ受けプレート18が固定されている。バネ受けプレート18と前記回転テーブルSTr下面との間には圧縮バネ19が配置されている。前記圧縮バネ19により前記上下動テーブル17は、常時下方に付勢されている。
前記上下動テーブル17の下面には、扇形のテコ20が水平軸21周りに回転可能に支持されている。前記テコ20のテーブル支持面20aは上下動テーブル17の下端を支持している。テコ20の被押圧面20bには、ナット22先端のボール22aが当接している。ナット22には被ガイドバー23が一体的に設けられており、被ガイドバー23は前記回転テーブルSTrに形成された前記ガイド溝12に係合している。
【0072】
前記回転テーブルSTrの下面には上下動テーブル駆動モータM5(図5、図22参照)が支持されており、上下動テーブル駆動モータM5により回転するボルト軸(ネジが形成された軸)24は前記ナット22と螺合している。
したがって、前記上下動テーブル駆動モータM5が回転したときにはボルト軸24が回転し、ナット22および被ガイドバー23は前記ガイド溝12に沿って移動し、そのとき前記テコ20が前記水平軸21周りに回動するように構成されている。そして、テコ20の回動によりテコ20のテーブル支持面20aが上下し、それに連動して前記上下動テーブル17が上下動するように構成されている。
なお、前記ナット22および被ガイドバー23の移動範囲の両端には、前記被ガイドバー23との接触により作動するリミットスイッチLS1,LS2が配置されており、前記ナット22の移動範囲は制限されている。
【0073】
図5、図6に示すように、回転テーブルSTr上の前記上下動テーブル17周囲には、ウエハ支持部材としての複数の球面部材26が設けられている。また図6から分かるように、前記複数の球面部材26の外側にはウエハWの位置決め用の鉛直軸回りに回転自在な基準ローラ27,27(1個のみ図示)、および移動ローラ28が設けられている。
図6において、前記移動ローラ28は、図6で紙面に垂直な方向に伸びる揺動アーム29により鉛直軸回りに回転自在に支持されており、前記揺動アーム29は、前記回転テーブルSTr上面に設けられた図6に示す前記アーム収容溝13内で水平方向に揺動して、移動ローラ28を図6の実線位置と2点鎖線位置との間で移動させるように構成されている。
図6に示すように、揺動アーム29先端には下方に延びる揺動用被作動部材31が設けられている。揺動用被作動部材31は回転テーブルSTr下面に配置された引張バネ32により常時回転テーブルSTrの中心側に向かって付勢されている。また、揺動用被作動部材31にはナット33先端のボール33aが当接している。ナット33には被ガイドバー34が一体的に設けられており、被ガイドバー34は前記回転テーブルSTrに支持されたブラケット36に形成されたガイド溝36aに係合している。
【0074】
前記ブラケット36にはワーク位置決めモータM6が支持されており、ワーク位置決めモータM6により回転するボルト軸(ネジが形成された軸)37は前記ナット33と螺合している。
したがって、前記ワーク位置決めモータM6が回転したときにはボルト軸37が回転し、ナット33および被ガイドバー34は前記ガイド溝36aに沿って移動し、そのとき前記揺動用被作動部材31および揺動アーム29が前記鉛直軸81周りに揺動するように構成されている。そして、揺動アーム29の揺動により前記移動ローラ28が移動して、ウエハWを基準ローラ27,27に押し付けて位置決めするように構成されている。
なお、前記ナット33および被ガイドバー34の移動範囲の両端には、前記被ガイドバー34との接触により作動するリミットスイッチLS3,LS4が配置されており、前記ナット33の移動範囲は制限されている。
【0075】
図5において、前記移動ローラ28により前記基準ローラ27,27に押し付けられて位置決め固定されたウエハWは、回転テーブルSTr、X軸移動テーブルSTx、Y軸移動テーブルSTyにより、真空試料室Aに設けられた前記電子ビーム描画装置U1または検査用電子顕微鏡U2(図1、図4参照)に対して所望の位置に移動し、描画または検査等が行われる。
【0076】
図7は前記検査用電子顕微鏡U2の前記上壁部2への取付構造を示す図である。
検査用電子顕微鏡U2は、XYステージU3に支持されたウエハWに対する電子ビームの照射角度を調節できるようにするため、上壁部2に回動可能且つ回動位置を調節可能に支持されている。
すなわち、前記上壁部2には、鏡筒支持部材38が固定されている。鏡筒支持部材38は断面長円形の鏡筒貫通孔38aと上面に形成された円筒状ガイド面38bと、円筒状ガイド面38bの円周方向に形成された小さなローラガイド溝38cとを有している。
【0077】
前記鏡筒貫通孔38aには検査用電子顕微鏡U2の鏡筒が貫通している。検査用電子顕微鏡U2の外側面にはローラ支持部材39が連結されている。ローラ支持部材39の外端部に回転自在に支持されたローラ41は前記円筒状ガイド面38b上を前記ローラガイド溝38cに沿って回動可能であり、その回動により前記検査用電子顕微鏡U2は左右軸(Y軸)周りに傾斜可能である。
なお、前記鏡筒支持部材38下端と前記検査用電子顕微鏡U2下端部との間は真空保持用のベローズ42により連結されている。
【0078】
前記ローラ支持部材39の左端部には円弧状ギヤ43が固定されている。前記円弧状ギヤ43に噛み合うウォームギヤ44は、前記上壁部2の上面に設けたウォームギヤ支持部材46および鏡筒傾斜用モータユニットM7により回転可能に支持されている。
前記鏡筒傾斜用モータユニットM7の回転駆動により前記検査用電子顕微鏡U2の傾斜姿勢を調節可能である。
なお、本実施例では傾斜可能な検査用電子顕微鏡U2を設けているが、本発明の描画装置Uは、前記検査用電子顕微鏡U2を傾斜不可能に固定支持することも可能であり、また、検査用電子顕微鏡U2自体を省略することも可能である。
【0079】
図8は描画装置用制御装置Cに接続された検査用電子顕微鏡U2の構成要素のブロック線図である。
図8において検査用電子顕微鏡U2は、検査用鏡筒47、電子銃カソード(電子銃)F1、電子銃引出電極F2、収束レンズF3、ブランキング電極F4、照明用の光源F5、電子ビームをX軸、Y軸方向にそれぞれ走査させるためのX偏向器F6、Y偏向器F7、および電子ビームを被検査ウエハW上に収束させる対物レンズF8等を有している。
前記符号F1〜F8で示された要素はそれぞれ、カソード用電源回路E1、電子線引出用電源回路E2、収束レンズ駆動回路E3、ブランキング電極駆動回路E4、照明用電源回路E5、X偏向器駆動回路E6、Y偏向器駆動回路E7、対物レンズ駆動回路E8により作動する。
前記符号E1〜E8で示された回路は前記描画装置用制御装置Cの検査用コントローラC2が出力する制御信号により作動する。
前記符号F1〜F4,F6〜F8,E1〜E4,E6〜E8で示された要素により電子ビーム走査装置(F1〜F4+F6〜F8+E1〜E4+E6〜E8)が構成されている。
【0080】
図8において、前記Y偏向器F7の下方にはカセグレン鏡48が配置され、その上方にはミラー49が配置されている。前記光源F5から出射してレンズ系51でコリメートされた照明光は、ハーフミラー52で反射し、前記ミラー49およびカセグレン鏡48を通って被検査ウエハWを照射する。被検査ウエハWの反射光は、前記カセグレン鏡48、ミラー49、ハーフミラー52を通ってCCD等を有する光学像撮影装置53で撮影される。撮影光学像は、ディスプレイD3に表示されるとともに、デジタルデータに変換されて検査用コントローラC2に入力される。
【0081】
前記検査用電子顕微鏡U2下端の外周部には2次電子検出器54aが保持されている。前記2次電子検出器54aおよび図示しない2次電子増幅回路等から2次電子検出装置(すなわち、放出粒子検出装置)54(図8等参照)が構成されている。
また前記検査用電子顕微鏡U2下端の外周部にはEDS(Energy Dispersive X-ray Spectrometer、エネルギー分散X線分光装置)のX線検出器55が装着されている。EDSは、図8に示すように、検査用コントローラC2の制御信号により作動し、その検出信号は、検査用コントローラC2に入力されている。
【0082】
図9は描画装置用制御装置に接続された電子ビーム描画装置U1の構成要素のブロック線図である。
図9において電子ビーム描画装置U1は、描画鏡筒56、マルチフィールドエミッション電子銃(荷電粒子銃)F12、加速電極F13、ビーム縮小レンズF14、ビーム平行化レンズF15、ビーム縮小第1レンズF16、電子ビームをX軸、Y軸方向にそれぞれ走査させるためのX偏向器F17、Y偏向器F18、および電子ビームを被検査ウエハW上に収束させるビーム縮小第2レンズF19等を有している。前記ビーム縮小第1レンズF16およびビーム縮小第2レンズF19によりビーム縮小レンズ(F16+F19)が構成されている。
前記加速電極F13には例えば50kvの電圧が印加される。また、ビーム縮小第1レンズF16はビーム径を1/50に縮小し、ビーム縮小第2レンズF19はビーム径を1/2に縮小する。
【0083】
前記マルチフィールドエミッション電子銃F12は、複数のエミッタおよび電子ビーム引出電極を有しており、エミッタ用電源回路E12aおよびビーム引出用電源回路E12bにより作動する。
また、前記符号F13〜F19で示された要素はそれぞれ、加速電源E13、ビーム縮小レンズ駆動回路E14、ビーム平行化レンズ駆動回路E15、ビーム縮小第1レンズ駆動回路E16、X偏向器駆動回路E17、Y偏向器駆動回路E18、ビーム縮小第2レンズ駆動回路E19により作動する。
前記符号E12a〜E19で示された回路は前記描画装置用制御装置Cの描画用コントローラC1が出力する制御信号により作動する。
前記符号F12〜F19,E12a〜E19で示された要素により描画用ビーム走査装置(F12〜F19,E12a〜E19)が構成されている。
【0084】
図10は本実施例1の電子ビーム描画装置U1の描画鏡筒56に装着されたシャッタホルダおよびそれを保持するゴニオステージGSの全体図である。図11は前記図10に示すシャッタホルダの説明図で、図11Aは平面図、図11Bは前記図11AのXIB−XIB線断面図、図11Cは前記図11Bの矢印XICで示す部分の拡大図である。図12は前記図11のシャッタホルダの先端部分の拡大説明図で、図12Aは平面図であり前記図11Aの矢印XIIAで示す部分の拡大説明図、図12Bは前記図12AのXIIB−XIIB線断面図、図12Cは前記図12Bの矢印XIICで示した部分の拡大図である。図13は前記図12のシャッタホルダの内端部分の斜視図である。図14は前記図13の要部断面図である。
【0085】
図10、図11において、電子ビーム描画装置U1の描画鏡筒56にはシャッタホルダH1を装着するためのゴニオステージGSが設けられている。
ゴニオステージGSは、ホルダ装着孔57aを有する円筒状のホルダ装着部材57を有している。前記円筒状のホルダ装着部材57の軸は、荷電粒子線の通路にほぼ直角に交差する方向(Y軸方向)に延びており、その軸の向きは、ゴニオステージGSの球面軸受けGSaにより微小な範囲で調節可能である。
図10にいて描画鏡筒56の前記ゴニオステージGSと反対側には、ホルダ位置決め部材H2が配置されている。ホルダ位置決め部材H2は、前記描画鏡筒56内外の圧力差により内端側に押される前記シャッタホルダH1の先端に当接してシャッタホルダH1の位置決めを行う部材である。
【0086】
前記ホルダ位置決め部材H2は位置調節用モータ58と、前記位置調節用モータの出力軸に装着されたギヤ58aにより描画鏡筒56の内外方向に進退移動するネジ59aおよび前記ネジ59aの内端に当接するスライダ59bを有する進退移動部材59と、当接位置決め部材60とを有している。前記当接位置決め部材60は、その外端(左端)が前記スライダ59bの内端(右端)に当接しており、内外方向(左右方向、Y軸方向)に位置調節可能であり、その右端(Y端)が前記シャッタホルダH1の左端(−Y端)に当接している。
前記ホルダ位置決め部材H2およびゴニオステージGSは、従来公知の電子顕微鏡のゴニオステージ、および前記従来公知のゴニオステージGSに装着された試料ホルダ先端の位置決めを行う従来公知のホルダ位置決め部材を使用することができる。
【0087】
図11、図12において、前記ホルダ装着部材57(図10参照)によって支持されるシャッタホルダH1は、前記ホルダ装着孔57a(図10参照)を貫通する円筒状のホルダ外筒61(図11参照)を有している。前記シャッタホルダH1の軸(すなわち、ホルダ軸)は前記ホルダ装着孔57aの軸と同様に、Y軸方向に延びている。ホルダ外筒61は、前記描画鏡筒56の内側に挿入される良導電性且つ高伝熱性の内端側外筒部材62および描画鏡筒56の外側に配置される導電性且つ高熱伝導率の金属製の外端側外筒部材63を有している。外端側外筒部材63はその内側面に段部63a(図11B参照)が形成され、後端側部分にはケーブル挿通孔63b(図11B参照)が形成されている。図11Bに示すように、内端側外筒部材62および外端側外筒部材63はそれらの接合部において嵌合し且つ、ねじ64により結合されている。
ホルダ外筒61の内端側外筒部材62の内端部(前記描画鏡筒56の内部に配置される部分の端部、すなわち、図11A、図11Bの−Y側の端部)外周部には図12に示すOリング66を収容するリング状のOリング収容溝が形成されている。前記Oリング66は、前記ホルダ装着孔57a(図10参照)の内周面に圧接して、Oリング66の前方(X方向)を後方(−X方向)の大気に対して気密に遮断するため部材である。
【0088】
図11において、前記ホルダ外筒61の外端側外筒部材63の外端部(右端部)の外周部には高熱伝導率の金属製のモータ支持部材67が結合されている。モータ支持部材67はほぼ円筒状の部材であり、その左端(−Y端)に設けたフランジ67aおよび円筒状部分に形成された左右(Y軸方向)に延びるガイド溝67b(図11A参照)を有している。モータ支持部材67の右端にはプレート68が連結されている。プレート68にはY軸方向移動用モータ69が結合されている。
前記Y軸方向移動用モータ69の周囲は前記モータ支持部材67のフランジ67aに固定された高熱伝導率の金属製のカバー71により囲まれている。前記カバー71の後端にはケーブル支持部材72が固定されており、ケーブル支持部材72には、前記Y軸方向移動用モータ69への給電ケーブル73が支持されている。
前記Y軸方向移動用モータ69の出力軸69aは回転ブロック74に連結されている。回転ブロック74は、円筒状外周側面に形成された雄ねじ74aおよび左方に延びる連結ロッド部74bを有している。回転ブロック74の外周側面の前記雄ねじ74aには円筒状のスライドブロック76の内周側面に形成された雌ねじ76aが螺合している。
【0089】
図11Aにおいて、前記スライドブロック76には被ガイド部材77が固定されている。被ガイド部材77は前記ガイド溝67bにスライド移動可能に係合している。前記モータ支持部材67には前記ガイド溝67bの両端にリミットスイッチ78a,78bが支持されており、前記リミットスイッチ78a,78bは、前記被ガイド部材77が当接したときに作動し、被ガイド部材77およびスライドブロック76の前後方向(X軸方向)の位置を検出する。前記リミットスイッチ78a,78bの検出信号は、前記Y軸方向移動用モータ69の駆動制御に使用される。
【0090】
図11Cにおいて、前記外端側外筒部材63には略円筒状のロッドガイド79が固定支持されている。ロッドガイド79の外側面にはケーブル挿通溝79aが形成され、内端部分には前後に延びるガイド溝79bが形成されている。
前記ロッドガイド79の内周面には回転部材81が嵌合しており、回転部材81の後端部分にはロッド部連結孔81aおよび回り止め用溝81bが形成され、左端(内端)側部分にはシャフト螺合用ねじ孔81cが形成されている。
前記ロッド部連結孔81aには前記連結ロッド部74bが嵌合し、連結ロッド部74bに固定された回り止め用ピン74cが前記回り止め用溝81bに相対回転不能且つスライド可能に係合している。
【0091】
したがって、前記Y軸方向移動用モータ69の出力軸69aが回転すると、回転ブロック74が回転し、回転ブロック74の回転に連動して回転部材81が回転するように構成されている。そして、前記回転ブロック74の回転により前記スライドブロック76および被ガイド部材77が前記モータ支持部材67のガイド溝67bに沿って左右(Y軸方向)にスライド移動し、それらの移動位置は前記リミットスイッチ78a,78bにより検出される。そして、前記リミットスイッチ78a,78bにより被ガイド部材77の位置が検出されたときには前記Y軸方向移動用モータ69が停止されるように構成されている。
【0092】
前記回転部材81のシャフト螺合用ねじ孔81cには、シャフト82の右端部(Y端部)が螺合している。
図11B、図11Cにおいて、シャフト82は、その外側面に第1ケーブル挿通溝82aおよび第2ケーブル挿通溝82bが形成され、その左端端(内端)部にはハーメチックシール収容孔82c(図11B、図12参照)が形成されている。図12において、前記ハーメチックシール収容孔82cには、その内端(前端)部に、段部82d、ケーブル挿通溝82e、82f(図12B参照)が形成されている。
また、図12に示すように、シャフト82の内端部(前端部)外周面にはOリング83を収容するOリング収容溝が形成されている。Oリング83は、前記内端側外筒部材62内周面に密着して、その右側部分(外端側部分)および左側部分(内端側部分)の空間を気密に遮断している。
【0093】
シャフト82には回り止め用ピン84が固定されており、回り止め用ピン84(図11B、図11C参照)は前記固定されたロッドガイド79のガイド溝79bにスライド可能且つ相対回転不能に係合している。
【0094】
図11Bにおいて、前記シャフト82(図11C参照)には、そのシャフト82上に固定支持された固定プレート85(図11B参照)およびシャフト82の軸方向に沿ってスライド移動可能な移動プレート86が支持されており、それらの間には圧縮ばね87が配置されている。前記移動プレート86は外端側外筒部材63の内側面に形成された段部63aに当接しており、固定プレート85およびシャフト82は前記圧縮ばね87により常時右方(Y方向)に押圧されている。前記移動プレート86、固定プレート85および圧縮ばね87は、前記シャフト82の右端部(Y側端部)およびシャフト螺合用ねじ孔81c(図11C参照)の螺合部分のガタを吸収する機能を有している。
【0095】
図11Cにおいて、ケーブルKは、前記ケーブル挿通孔63bを通って外端側外筒部材63内側に導入され、ケーブル挿通孔溝79aを通って前記シャフト82に形成された第1ケーブル挿通溝82a、第2ケーブル挿通溝82bを通って前記ハーメチックシール収容孔82c内に導入される。なお、前記シャフト82は円筒部材により構成してその内側の左端部(内端部)に前記ハーメチックシール収容孔82cを形成することが可能であり、その場合には、前記ケーブルKはシャフト82の内側を通すことが可能である。
図12において、前記シャフト82内端部(前端部)のハーメチックシール収容孔82cの前記段部82dにはハーメチックシール88が固定されている。ハーメチックシール88には外端面(後端面)および内端面(前端面)にそれぞれ複数の端子が設けられており、外端面の端子には前記ケーブルKの複数の外側接続線が接続されている。前記複数の接続線は、アース用接続線、後述の圧電体のY変位用接続線、シャッタ駆動用信号線、シャッタ駆動用給電線等である。
【0096】
図12において、前記シャフト82の内端(前端)には圧電体支持部材89が固定されている。圧電体支持部材89は、中央に大径のフランジ部89a有し、その上部に接続線挿通溝89bを有し、下部にアース接続部材支持溝89cを有している。また、圧電体支持部材89には軸方向(前後)に延びる真空引き用孔89d(図12B参照)が形成されている。
前記圧電体支持部材89のアース接続部材支持溝89cには、導電性のアース接続部材90(図12B参照)が固定されている。アース接続部材90は図12Bに示すように、フランジ部90aおよび部分円筒部90bを有している。図12Bから分かるように、導電性のアース接続部材90の部分円筒部90bの外側面(部分円筒面)は、前記圧電体支持部材89の内端部(前端部)の外周面と同一の半径を有している。そして、前記圧電体支持部材89の内端部(前端部)の外周面およびアース接続部材90の部分円筒部90bの外側面(部分円筒面)により円筒状の圧電体91の右端部(基端部)が嵌合する円筒面が形成されている。前記アース接続部材90には前記ケーブルKのアース用接続線が接続される。
前記圧電体91は、シールド基板位置を調節する圧電体(シールド基板位置調節用圧電体)である。
【0097】
前記符号82〜90で示された要素によりホルダ内側移動部材(82〜90)が構成されている。
前記ホルダ内側移動部材(82〜90)は前記Y軸方向移動用モータ69および前記符号69,74〜81で示された要素(69,74〜81)により、Y軸方向(左右方向)に移動(粗動)制御される。
【0098】
前記ホルダ内側移動部材(82〜90)により、基端部(外端部)が支持された円筒状の圧電体91は表面にY軸方向駆動用電極(図示せず)が形成されており、前記Y軸方向駆動用電極に印加する電圧によりY軸方向に伸縮可能である。そして、印加電圧を制御することにより前記圧電体91の先端部(内端部)の位置を精密に制御できるようになっている。
【0099】
前記圧電体91の内端には円筒部92aおよびフランジ部92bを有する連結部材92(図12B参照)が固定されている。連結部材92にはシールドプレート支持部材93の外端部が固定されている。シールドプレート支持部材93は、図12に示すように、前方に突出するシールドプレート固定部93aを有している。
前記シールドプレート固定部93aにはシールドプレートPL1の右端(Y端)が固定されている。
前記符号69,74〜93、PL1で示された要素により、後述のシールド基板112の位置を移動させるシールド基板移動装置(69,74〜93,PL1)が構成されている。
【0100】
図12において、前記内端側外筒部材62の内端(前端)部には内周面の雌ねじに螺合するシャッタ装着部材96が固定されている。前記シャッタ装着部材96は、後端側の円筒部97と、前記円筒部97の前端面を形成する端面プレート部98と、前記端面プレート部98から前方(X方向)に突出すシャッタ支持枠99とを有している。
図13において、前記端面プレート部98には開口98aが形成されている。前記開口98aは、前記シールドプレート支持部材93のシールドプレート固定部93aおよびそこに固定支持されるシールドプレートPL1(後述)が貫通するための開口である。
【0101】
前記シャッタ支持枠99は、開口99aを形成するように前後方向(X軸方向)に離れて左右方向に延びる平行な一対の側枠に形成されたシャッタプレート支持部99bと、内端部(左端部)のシールドプレート支持部99cとを有し、内端面に突出するボール99dを保持している。
前記シールドプレートPL1の外端部(右端部)は前記シールドプレート支持部材93のシールドプレート固定部93a上に固定され、内端部(左端部)は前記シールドプレート支持部99c上面に移動可能に支持されている。
図12Bにおいて、シールドプレートPL1の右端部(Y端部)には高熱伝導率の金属網線により構成されたフレキシブルな熱伝達部材101の一端部が接着され他端部が前記高伝熱性の内端側外筒部材62の内側面に接着されている。前記熱伝達部材101によりシールドプレートPL1の熱は高熱伝導率の前記内端側外筒部材62に伝達され、さらに前記図11Bに示す前記高熱伝導率の金属製の外端側外筒部材63、モータ支持部材67、およびカバー71に伝達され、放熱される。
【0102】
なお、前記カバー71にペルチェ素子を介して放熱フィンを装着することが可能であり、その場合、前記カバー71から前記放熱フィンに熱を伝導させる電圧を印加することにより放熱効果を高めることが可能である。また、前記カバー71を、熱伝導部材を介して冷熱源に接続することによっても放熱効果を高めることが可能である。
【0103】
図12Cにおいて、前記シールドプレートPL1には複数のシールド基板支持部102が形成されており、前記複数の各シールド基板支持部102にはそれぞれシールド基板112が収容されている。
図12Cにおいて、前記シャッタプレート支持部99bにはシャッタプレートPL2が保持されている。前記シャッタプレートPL2は、上から順に、スリット基板113、上側シャッタ基板114、下側シャッタ基板115、スペーサSP、フィルタ基板116、上側フィルタシャッタ基板117、下側フィルタシャッタ基板118、スペーサSP、および遮蔽板119が順次積層し、電気絶縁性の接着剤により接着されて構成されている。
そして、前記上側シャッタ基板114、下側シャッタ基板115、上側フィルタシャッタ基板117、および下側フィルタシャッタ基板118には信号線および給電線を含むケーブルKが接続されており、前記ケーブルKは前記ハーメチックシール88を介して外部に接続されている。
【0104】
なお、前記下側シャッタ基板115に、その上面および下面間を接続するコンタクトホールを形成して、下側シャッタ基板115の下面に形成する電極端子を前記上側シャッタ基板114に形成した配線および電極端子と接続することが可能である。その場合、前記ケーブルKを下側シャッタ基板115には直接接続せずに、上側シャッタ基板114の電極端子に接続し、上側シャッタ基板114の配線および前記下側シャッタ基板に形成したコンタクトホールを介して間接的に接続することが可能である。
また同様に、ケーブルKを下側フィルタシャッタ基板118直接接続せずに、上側フィルタシャッタ基板117を介して間接的に接続することがかのうである。さらに、前記下側シャッタ基板115、フィルタ基板116、上側フィルタシャッタ基板117、下側フィルタシャッタ基板118、および遮蔽板119等にコンタクトホールを形成して、前記各基板114,115,117,118の配線に前記コンタクトホールを介して接続する電極端子を遮蔽板119下面に形成することが可能であり、その場合、前記各基板114,115,117,118への信号線および給電線の接続は前記遮蔽板119下面に形成した前記電極端子を介して行うことが可能である。
【0105】
図15は前記図9の要部拡大説明図であり、図15Aは前記図9の矢印XIVから見た図、図15Bは前記図9の要部拡大図である。
図9、図15において、ビーム平行化レンズF15(図9参照)の下側の電子ビームが平行な領域には、前記シャッタプレートPL2(図12C参照)の、前記シールド基板112、スリット基板113、上側シャッタ基板114、下側シャッタ基板115、フィルタ基板116、上側フィルタシャッタ基板117、下側フィルタシャッタ基板118、および遮蔽板119を有するシャッタプレートが配置されている。
【0106】
前記シールド基板112、フィルタ基板116、および遮蔽板119は、チタンまたはSUS(ステンレス)製で、厚さは20μmで、外形は10mm×10mmよりも大きい。前記チタンまたはSUS(ステンレス)は、電子ビーム損傷に強く、導電性(アース性)が良く、熱伝導性が良い。
前記スリット基板113はモリブデン製で、厚さは20μm、外形10mm×10mmである。前記モリブデンは微細加工性が良く、導電性(アース性)が良い。
【0107】
前記シールド基板112には、図15Aに示すように、X軸方向の長さ10mm、Y軸方向の幅AがA=10μmのスリット112SがY軸方向に90μm間隔で50本形成されている。
また、前記スリット基板113、前記フィルタ基板116、および遮蔽板119にも前記シールド基板112と同様の50本のスリット113S,116S,119S(図15B参照)が形成されている。
さらに、前記上側シャッタ基板114、下側シャッタ基板115、上側フィルタシャッタ基板117、および下側フィルタシャッタ基板118にも同様のスリット114S,115S,117S,118S(図15B参照)が形成されている。
【0108】
図16はスリット基板113、上側シャッタ基板114および下側シャッタ基板115の斜視図である。図17は前記図16に示す上側シャッタ基板114のスリット形状と前記上側シャッタ基板114を使用して描画したウエハW上の描画面積との関係の説明図で、図17Aは上側シャッタ基板114を示す図、図17Bは前記上側シャッタ基板114に対するビームを偏向させることによりビームの照射位置をウエハW上でY軸方向に0.1μmづつずらせながら連続10回の描画を行ったときのウエハW上の描画領域(単位走査領域)RIを示す図である。
図17Aにおいて、前記上側シャッタ基板114は、ガラスの薄板上にモリブデン等を形成し、前記モリブデン層にX軸方向の長さ10mm、Y軸方向の幅10μmのスリット114SをY軸方向に90μm間隔で50本形成している。なお、下側シャッタ基板115も前記上側シャッタ基板114と同様のスリット115S(図16参照)が形成されている。
【0109】
図16において、前記スリット基板113のX軸方向に延びるスリット113Sは幅10μm、長さ10mmである。したがって、前記スリット113にはY軸方向に10μm幅で且つX軸方向に10μmの長さの矩形の領域が1000個分形成される。前記上側シャッタ基板114のスリット114Sおよび下側シャッタ基板115のスリット115Sも前記スリット113Sと同様に形成されている。
前記スリット113S,114S,115S内の10μm×10μmの矩形領域に前方から後方に順次S1,S2,…と符号を付けた場合、上側シャッタ基板114には奇数番の500個の矩形領域(シャッタ空間)S1,S3,S5,…,S999の右側にシャッタ駆動電極S1a,S3a,…,S999aが形成され、左側にシャッタ対向電極S1b,S3b,…,S999bが形成される。また、下側シャッタ基板115には偶数番の500個の矩形領域(シャッタ空間)S2,S4,S6,…,S1000の右側にシャッタ駆動電極S2a,S4a,…,S1000aが形成され、左側にシャッタ対向電極S2b,S4b,…,S1000bが形成される。
【0110】
なお図16から分かるように、前記各電極S1a,S2a,…,S1b,S2b,…の前後方向(X軸方向)の幅は前記矩形領域(シャッタ空間)S1,S2,S3,…,S1000の幅10μmよりも狭く形成されている。この理由は、隣接するシャッタ空間に電界の回り込みによる悪影響が生じないようにするためである。
前記各矩形領域(シャッタ空間)S1,S2,…は、前記シャッタ駆動電極S1a,S2a,…およびシャッタ対向電極S1b,S2b,…により、前記矩形領域(シャッタ空間)S1,S2,…を通過する電子ビームにビーム偏向電界が選択的に印加される領域であり、電子ビームのオン、オフを行うシャッタ空間として形成されている。
したがって、以後前記矩形領域S1,S2,…をシャッタ空間S1,S2,…と記載する。
【0111】
図17において、図17Aに示すX軸方向の長さ10mm、Y軸方向の幅10μmのスリット114SをY軸方向に90μm間隔で50本形成した上側シャッタ基板114および同様に構成された下側シャッタ基板115を重ねた場合、重なったスリット114S,115Sには1000×50個のシャッタ空間が形成される。
したがって、同様に構成された前記上側シャッタ基板114、下側シャッタ基板115、上側フィルタシャッタ基板117および下側フィルタシャッタ基板118を重ねた本実施例の場合、1回のビーム照射でウエハW上に50000(=1000×50)個の点を描画することができる。
したがって、ビームを偏向させながら前記上側シャッタ基板114に対するビームの照射位置をY軸方向に10μmづつずらせながら連続10回の描画(ビーム偏向描画)を行ったときの上側シャッタ基板114上面の走査面積(描画面積)は、図17Aに示すように、X軸方向の長さLx=10mm、Y軸方向の長さLy=5mmとなる。すなわち、単位走査領域RI(図17B参照)のサイズはX軸方向の長さLx/100=0.1mm、Y軸方向の長さLy/100=0.05mmである。
【0112】
その場合ウエハW上の走査面積である描画面積は、前記上側シャッタ基板114上面の走査領域の面積の1/100に縮小される。したがって、ウエハW上の描画領域の面積は、図17Bに示すように、X軸方向の長さ100μm(=0.1mm)、Y軸方向の長さ50μm(=0.05mm)となる。
図18は前記図17Bの描画領域RI(I=1,2,…,50、それぞれ10回の走査で描画される領域)をX軸方向に50並べた場合の描画領域RA1を示す。
この図18に示す領域RA1を走査する方法は、最初にR26の領域を描画し、次にR25、R27、R24、R28、…、R50、R1というように、中央部の走査領域から順次外側の走査領域を描画する。このX軸方向の走査領域の移動はXYステージU3の移動により行う。
前記図18に示す領域を描画するのに必要な走査回数は、Y軸方向にビーム偏向を行いながら10回、X軸方向にXテーブルを移動しながら50回であるので、合計は、10×50=500回である。
なお、図18に示す1R0,2R0,…,50R0は、各領域RI(I=1,2,…,50)を描画する際、シャッタ空間S1を通過するビームにより最初に描画される位置を示す。
【0113】
図19はウエハW上に形成された1チップのサイズが15mm×15mmの場合の1チップの描画順序の拡大説明図である。
図19において、チップTNの基準位置(XN,YN)は、チップTNの前端且つ右端の位置である。
15mm×15mmサイズのチップTNは、X軸方向に5mm幅の3つの領域RA、RB、RCに分けて描画され、前記3つの領域RA、RB、RCは、それぞれ300の領域RA1〜RA300、RB1〜RB300、RC1〜RC300の領域に分けられる。
そして、前記各領域RA1〜RA300、RB1〜RB300、RC1〜RC300は、それぞれ50の領域RI(I=1〜50)(図18参照)に分けられる。
【0114】
図19において、前記図18に示す領域(RI(I=1〜50)の全領域)の描画をY軸方向に300(=15mm/0.05mm)回、X軸方向に3回行う必要がある。したがって、前記図18に示す領域の走査を900(=300×3)回行う必要がある。なお、前記Y軸方向の300回の移動はXYステージU3の移動により行う。
前記図18に示す領域の走査にはXYステージのX軸方向の50回の移動と、XYステージの1回の移動に対応して10回のビーム偏向走査が必要であるので、50×10=500回の走査が必要である。この場合、合計450000(=500×900)回の走査で1チップ全体を描画することができる。なお、この実施例1の場合の1チップ全体を描画するのに必要なXYステージの移動回数は45000(=50×900)回である。
図20はウエハW上のチップの配置例および描画順序を示す図である。仮に、ウエハWの直径が300mmであってそのウエハW1枚に300個のチップが形成される場合には、135000000(=450000×300)回の走査で1枚のウエハを描画することができる。
【0115】
図21は本発明の実施例1の制御部の説明図で、シャッタ駆動回路を制御する描画装置用制御装置の説明図である。図22は本発明の実施例1の制御部の説明図で、前記図21の続きの部分を示す図である。
図21、図22において、描画装置用制御装置Cは、シャッタオン・オフデータ記憶装置CM、描画用コントローラC1、検査用コントローラC2、および前記描画用コントローラC1により制御される描画用データ処理回路を構成するRAM1,RAM2,…、振分回路CF1,CF2,…、パラレル/シリアルコンバータ(P/C)C1〜(P/C)C4等を有している。
描画装置用制御装置Cにはアーム回転モータ駆動回路MD1、アーム直進モータ駆動回路MD2、アーム昇降モータ駆動回路MD3、カセットテーブル昇降用モータ駆動回路MDL、Y軸移動テーブル駆動回路Dy、X軸移動テーブル駆動回路Dx、回転テーブル駆動回路MD4、上下動テーブル駆動回路MD5、ワーク位置決めモータ駆動回路MD6、鏡筒傾斜用駆動回路MD7、等が接続されている。
なお、図21、図22に示していないが、前記図8に示す検査用コントローラC2に接続された要素および描画用コントローラC1に接続された要素も前記描画装置用制御装置Cに接続されている。
【0116】
前記カセットテーブル昇降用モータ駆動回路MDLは、前記カセットテーブル昇降用モータML(図22参照)を駆動する。
前記アーム回転モータ駆動回路MD1は、アーム回転モータM1(図21参照)を駆動して前記搬送アーム9aを鉛直軸周りに回転させる。
前記アーム直進モータ駆動回路MD2は、アーム直進モータM2(図21参照)を駆動して前記搬送アーム9aを水平方向に直進させる。
前記アーム昇降モータ駆動回路MD3は、アーム昇降モータM3(図21参照)を駆動して搬送アーム9a(図2、図3参照)を昇降させる。
前記Y軸移動テーブル駆動回路Dyは、Y軸移動テーブル駆動モータMyを駆動してXYステージU3のY軸移動テーブルSTyを移動させる。前記Y軸移動テーブル駆動回路DyおよびY軸移動テーブル駆動モータMyによりY軸方向ステージ駆動装置(Dy+My)が構成されている。
【0117】
前記X軸移動テーブル駆動回路Dxは、X軸移動テーブル駆動モータMxを駆動してXYステージU3のX軸移動テーブルSTxを移動させる。前記X軸移動テーブル駆動回路DxおよびX軸移動テーブル駆動モータMxによりX軸方向ステージ駆動装置(Dx+Mx)が構成されている。
前記回転テーブル駆動回路MD4は、回転テーブル駆動モータM4を駆動してXYステージU3の回転テーブルSTrを回転させる。
前記上下動テーブル駆動回路MD5は、上下動テーブル駆動モータM5を駆動してXYステージU3の上下動テーブル17を上下動させる。
前記ワーク位置決めモータ駆動回路MD6は、ワーク位置決めモータM6(図6参照)を駆動して前記揺動アーム29(図6において紙面に垂直な方向に伸びるアーム)を前記鉛直軸81周りに揺動させる。
前記鏡筒傾斜用駆動回路MD7は、鏡筒傾斜用モータユニットM7を駆動して検査用電子顕微鏡U2の鏡筒を傾斜させる。
シールド基板移動用モータ駆動回路MD8はシールド基板移動用モータ69を駆動してシールド基板112を移動させる。
シールド基板移動用圧電体駆動回路MD9はシールド基板移動用圧電体91を駆動してシールド基板112の位置を微調節する。
【0118】
図23は前記描画用コントローラC1により制御される上側シャッタ基板114に形成されるシャッタ駆動回路(TFT駆動回路)の説明図である。
前記図15、図16で説明したように、上側シャッタ基板114の各スリットに形成される奇数番の500個の矩形領域S1,S3,S5,…,S999および下側シャッタ基板115に形成される偶数番の500個の矩形領域S2,S4,S6,…,S1000のそれぞれの右側にシャッタ駆動電極S1a,S3a,…,S999a、S2a,S4a,…,S1000aが形成され、左側にシャッタ対向電極S1b,S3b,…,S999b、S2b,S4b,…,S1000bが形成される。
前記上側シャッタ基板114および下側シャッタ基板115の各シャッタ電極はほぼ同様に形成されているので、次に、上側シャッタ基板114について説明する。
【0119】
図23に示すように、上側シャッタ基板114の前記500個のシャッタ対向電極S1b,S3b,…,S999bはそれぞれアース線に接続されている。前記500個のシャッタ駆動電極S1a,S3a,…,S999aは、それぞれ500個のシャッタ駆動スイッチSW0のうちの1個を介して電源スイッチSWa、または切替スイッチSWb,SWcに接続されている。前記切替スイッチSWb,SWcは連動スイッチであり、ビームオフ端子(シャッタ駆動電源Ebのマイナス端子に接続する端子)と、オン・オフ端子(シャッタ対向電極S1b,S3b,…,S999bに接続する端子)のいずれかの端子に切替え接続される。
【0120】
前記図23の状態(切替スイッチSWb,SWcがビームオフ端子(シャッタ駆動電源Ebのマイナス端子と接続する端子)に接続されている状態)においては、電源スイッチSWaのオン・オフに関わらず且つ、前記SW0がオン、オフのいずれであっても、前記シャッタ駆動電極S1a,S3a,…,S999aには電源Ebの−(マイナス)の電圧が印加される。このとき、前記全てのシャッタ駆動電極S1a,S3a,…,S999aおよびシャッタ対向電極S1b,S3b,…,S999b間に電界が作用する。このとき、図15Bに示すように電子ビームLは進路を偏向されて下方のスリット116S〜119Sを下方に通過できなくなる。すなわち、切替スイッチSWb,SWcをビーム偏向端子(電源Ebのマイナス端子、シャッタオン端子)に接続すると、全ての電子ビームLは下方のウエハWに到達できず、オフとなる。
したがって、前記電源Ebおよび前記切替スイッチSWb、SWcにより、全電子ビームを偏向してオフにする全描画ビーム偏向装置(Eb,SWb,SWc)が構成されている。
【0121】
前記切替スイッチSWb,SWcが前記オン・オフ端子(シャッタ対向電極S1b,S3b,…,S999bに接続する端子)に接続されている状態、すなわち、図23に示す状態から接続端子を切替えた状態では、前記シャッタ駆動スイッチSW0のオン・オフに応じて前記シャッタ駆動電極S1a,S3a,…,S999aとシャッタ対向電極S1b,S3b,…,S999bとの間に電子ビーム偏向電圧が印加され、ウエハWを描画することができる。
前記電源スイッチSWa、および切替スイッチSWb,SWcは非作動時は図23に図示した状態(電源スイッチSWaはオフ状態、切替スイッチSWb,SWcはビームオフ端子(全シャッタがオンとなりビームがオフとなる端子)に接続された状態)に保持されている。
なお、前記切替スイッチSWcは図23に示す3個の端子を全てオープンのままとして、省略することが可能である。また、電源スイッチSWa、切替スイッチSWb,SWcは実際は上側シャッタ基板114の外部に形成されているが、上側シャッタ基板114表面に形成することも可能である。
【0122】
前記500個のシャッタ駆動スイッチSW0駆動するために500個のDフリップフロップにより構成されたシャッタ駆動メモリME0が設けられている。
前記500個のシャッタ駆動メモリに対応して、500個のDフリップフロップによりそれぞれ構成された第1〜第4シャッタ駆動信号一時記憶メモリME1〜ME4が設けられている。
第1〜第3切替スイッチSW1〜SW3はそれぞれ500個の切替スイッチにより構成されている。
第1切替スイッチSW1は、前記シャッタ駆動メモリME0を第1シャッタ駆動信号一時記憶メモリME1に接続する第1端子、または第2切替スイッチSW2に接続する第2端子のいずれかに切替えて接続する。
第2切替スイッチSW2は、前記第1切替スイッチSW1を前記第2シャッタ駆動信号一時記憶メモリME2に接続する第1端子、または第3切替スイッチSW3に接続する第2端子のいずれかに切替えて接続する。
第3切替スイッチSW3は、前記第2切替スイッチSW2を前記第3シャッタ駆動信号一時記憶メモリME2に接続する第1端子、または第4シャッタ駆動信号一時記憶メモリME4に接続する第2端子のいずれかに切替えて接続する。
前記第1〜第3切替スイッチSW1〜SW3はいずれも、図23に示す状態では第1端子に接続されている。
【0123】
前記各第1〜第4シャッタ駆動信号一時記憶メモリME1〜ME4のDFF(Dフリップフロップ)の最初のD端子にはそれぞれシャッタ駆動データ(シャッタオン・オフデータ)JAi〜JDi(J=1,2,…、i=1,2,…,999)が入力される。そして、前記各第1〜第4シャッタ駆動信号一時記憶メモリME1〜ME4のDFFは同一周期のクロックパルスCKにより作動し、最初のDFF(図23で左端のDFF)のD端子に入力されるシャッタ駆動データ(シャッタオン・オフデータ)JAi〜JDiを順次ラッチし且つシフトする。
したがって、前記第1〜第4シャッタ駆動信号一時記憶メモリME4の各シリアル接続された500個のDFFに、シャッタ駆動信号を500のクロックパルスで記憶させることができ、前記各メモリME1〜ME4への記憶処理(DFFに記憶させる処理)は同時並行処理を行うことが可能である。
前記切替スイッチSW1〜SW3の切替えにより前記シャッタ駆動メモリME0に接続された前記各メモリME1〜ME4のいずれかの500個のDFFに記憶されたシャッタ駆動信号は、ラッチパルスLCHによりシャッタ駆動メモリME0に記憶される。
【0124】
前記500個のシャッタ駆動スイッチSW0は、前記シャッタ駆動メモリME0に記憶されたシャッタ駆動信号により切替えられる。シャッタ駆動メモリME0の500個の各DFF(Dフリップフロップ)に記憶されたシャッタ駆動信号が「1」のときは、前記各シャッタ駆動スイッチSW0は図23で上側の端子(オYン端子)に接続され、シャッタ駆動信号が「0」のときは下側の端子(ビームオフ端子)に接続される。
したがって、図23において、電源スイッチSWaをオンにし、切替スイッチSWb,SWcを前記オン・オフ端子(シャッタ対向電極S1b,S3b,…,S999bに接続する端子)に接続した状態では、シャッタ駆動信号が「0」のとき(シャッタ駆動スイッチSW0がビームオフ端子(図23で下側端子)に接続のとき)シャッタ駆動電極S1a,S3a,…,S999aに電源Ebの−(マイナス)電圧が印加される。このときはシャッタ駆動電極S1a,S3a,…,S999aおよびシャッタ対向電極S1b,S3b,…,S999b間に電圧が印加され、電子ビームは偏向されてオフとなる。また、前記シャッタ駆動信号が「1」のとき(シャッタ駆動スイッチSW0がシャッタオフ端子(図23で上側端子)に接続のとき)、シャッタ駆動電極S1a,S3a,…,S999aがシャッタ対向電極S1b,S3b,…,S999bに接続される(アースされる)。このときはシャッタ駆動電極S1a,S3a,…,S999aおよびシャッタ対向電極S1b,S3b,…,S999b間に電圧が印加されないので、電子ビームは直進し、オンとなる。
【0125】
また、前述したように、前記シャッタ駆動スイッチSW0がビームオフ端子(図23で下側端子)またはオYン端子(図23で上側端子)のいずれに接続されていても、また電源スイッチSWaがオンであってもオフであっても、前記切替スイッチSWb,SWcをビームオフ端子(シャッタ駆動電源Ebのマイナス端子と接続する端子、すなわち、シャッタオン端子)に接続すると、全シャッタ空間S1,S3,…がシャッタオンとなり、全ての電子ビームはオフとなる。
したがって、電子ビームによりウエハW表面を描画中に、XYステージによりウエハWの描画領域を移動させるときには、前記全シャッタがオXフの状態(前記電源スイッチSWaをオンにした状態で、前記切替スイッチSWb,SWcをオXフ端子(シャッタ駆動電源Ebのマイナス端子と接続する端子)に接続した状態すなわち、図23に示す状態)に移動させることにより、電子ビームを出射したまま、ウエハW表面に電子ビームを照射することなく、前記描画領域を移動させることができる。
【0126】
以上の説明は上側シャッタ基板114について説明したが、上側フィルタシャッタ基板117も全く同様に構成されている。また、上側フィルタシャッタ基板117、および下側フィルタシャッタ基板118はシャッタ位置が偶数番目の位置である点で、前記奇数番目の上側シャッタ基板114と相違しているだけで他の点では同様に構成されている。
【0127】
図21において、前記各コントローラC1,C2は、外部との信号の入出力および入出力信号レベルの調節等を行うI/O(入出力インターフェース)、必要な処理を行うためのプログラムおよびデータ等が記憶されたROM(リードオンリーメモリ)、必要なデータを一時的に記憶するためのRAM(ランダムアクセスメモリ)、前記ROMに記憶されたプログラムに応じた処理を行うCPU(中央演算処理装置)、ならびにクロック発振器等を有するコンピュータにより構成されており、前記ROMに記憶されたプログラムを実行することにより種々の機能を実現することができる。
前記検査用コントローラC2は、検査用電子顕微鏡U2(図8参照)の構成要素や前記XYステージU3のXYステージ駆動回路(Xテーブル駆動回路DTx、Yテーブル駆動回路DTy等)に接続されており、それらの作動を制御してXテーブル駆動モータMx、Yテーブル駆動モータMy等を駆動し、従来公知の方法でウエハWの検査を行う。
【0128】
前記描画用コントローラC1は、描画用電子顕微鏡U1(図9参照)の構成要素や前記XYステージU3のXYステージ駆動回路(Xテーブル駆動回路DTx、Yテーブル駆動回路DTy等)に接続されており、それらの作動を制御してXテーブル駆動モータMx、Yテーブル駆動モータMy等を駆動し、ウエハWの描画を行う。前記ウエハWの描画は、次の動作を繰り返し連続することにより行う。
(1)前記各シャッタ空間S1,S2,…のオン・オフデータを記憶したシャッタオン・オフデータ記憶装置CMのデータを読出して、前記各シャッタ駆動信号一時記憶メモリME1〜ME4に伝送する動作
(2)前記各シャッタ駆動信号一時記憶メモリME1〜ME4のいずれかを順次選択し、選択したシャッタ駆動信号一時記憶メモリME1〜ME4のデータを前記各シャッタ駆動電極S1a,S3a,…,S999aに印加して前記各シャッタ空間S1,S3,…をオン・オフする動作
前記描画用コントローラC1は次の機能を有している。
【0129】
C1A:シャッタオン・オフ信号書込並行処理手段
シャッタオン・オフ信号書込並行処理手段C1Aは、シャッタオン・オフ信号を一時的に記憶するN組(Nは2以上の整数)のシャッタ駆動信号一時記憶メモリME1〜ME4への書込処理を並行して行う機能を有している。
【0130】
C1B:シャッタ制御手段
シャッタ制御手段は所定のタイミングでシャッタ空間S1,S2,…のビームを直進させるシャッタオフ(ビームオン)の状態またはシャッタオン(ビームオフ)の状態を切り換えるようにシャッタ駆動回路を制御する。
C1B1:シャッタ駆動信号一時記憶メモリ選択手段
シャッタ駆動信号一時記憶メモリ選択手段C1Bは、前記第1〜第Nシャッタ駆動信号一時記憶メモリを順次切り換えて選択する機能を有している。
【0131】
C1C:全描画ビーム遮断信号出力手段
全描画ビーム遮断信号出力手段C1Cは、前記切替スイッチSWb,SWcをオXフ端子(シャッタ駆動電源Ebのマイナス端子と接続する端子)に接続する信号を出力する。このとき、全電子ビームがシャッタ空間(ビーム偏向電界が選択的に印加される矩形領域)S1,S3,…で偏向され、オフとなる。
【0132】
C1D:停止ウエハ走査制御手段
停止ウエハ走査制御手段C1Dは、所定のタイミングで荷電粒子ビームのウエハW上の照射位置を制御する。
C1D1:スリット幅ピッチ走査用制御手段
スリット幅ピッチ走査用制御手段C1D1は、前記ウエハW上で前記荷電粒子ビームを前記スリットに垂直なY軸方向にスリット幅Aに対応するピッチaで走査させるように前記第1Y偏向器駆動回路E18aを制御する。
【0133】
C1E:XYステージ制御手段
XYステージ制御手段C1Eは、停止ウエハ走査領域移動用XYステージ制御手段C1E1を有する。
C1E1:停止ウエハ走査領域移動用XYステージ制御手段
停止ウエハ走査領域移動用XYステージ制御手段C1E1は、前記ウエハWが停止した状態で前記荷電粒子ビームにより走査されるウエハW表面の前記単位走査面積S0であるウエハ停止状態走査領域S0の走査を前記停止ウエハ走査制御手段C1Dが終了する毎に、次のウエハ停止状態走査領域S0の走査を実行可能な位置に、ウエハWおよび前記ウエハWを支持する前記XYステージU3を、移動させる。
【0134】
また、前記描画用コントローラC1は次のデータ記憶手段を有している。
C1T:チップデータテーブル
チップデータテーブルC1Tは、ウエハW上に形成するチップの番号(チップ番号N(N=0,1,2,…)、各チップの描画基準位置の座標(XN,YN)等を記憶したテーブルである。この座標データ(XN,YN)の値は、XYステージU3を移動させて各チップTNを描画位置に移動させる際に使用される。
前記ウエハWの描画はチップ番号順に行われる。また、例えば30cmウエハの場合、N=0〜299であり、1枚のウエハWに300個のチップが形成される。
【0135】
図21、図22において、描画用コントローラC1は、上側シャッタ基板114の各スリット#1〜#50に対してそれぞれ設けられた50個の前記電源スイッチSWa、連動して作動する切替スイッチSWb,SWcの制御信号、前記シャッタ駆動メモリME0に入力するラッチパルスLCHを、前記上側シャッタ基板114に出力している。
前記描画用コントローラC1は、下側シャッタ基板115、上側フィルタシャッタ基板117、下側フィルタシャッタ基板118にも、前記上側シャッタ基板114へ出力する制御信号およびラッチパルスLCHと同様の信号を出力している。
【0136】
図21、図22において、描画用コントローラC1にはRAM1,RAM2,…,RAM200が接続されている。RAMは上側基板114の50本のスリット#1〜#50に対応して各1個づつ設けられており、同様に前記下側シャッタ基板115、上側フィルタシャッタ基板117、下側フィルタシャッタ基板118の各50本のスリットに対応して各1個づつ設けられているので合計200個のRAM1〜RAM200が接続されている。
各RAM1〜RAM200と描画用コントローラC1とはデータバスおよび制御バスで接続されており、データバスは64ビットパラレルデータを送受信可能であり、制御バスは10ビットのアドレス信号および2ビットの書込、読出制御信号を送る制御バスである。
【0137】
前記RAM1に64ビットパラレルで入力されたシャッタオン・オフ制御データは、振分回路CF1にパラレル64ビットで入力される。振分回路CF1には描画用コントローラC1から2ビットの制御信号が入力されている。2ビットの制御信号は、振分回路CF1がRAM1からの入力データを振分けて出力するパラレル/シリアルコンバータ(P/S)C1〜(P/S)C4を指定する信号である。
前記パラレル/シリアルコンバータ(P/S)C1〜(P/S)C4は、前記ラッチパルスLCHが出力されたときの切替スイッチSW1〜SW3の作動状態に応じて作動するように構成されている。その作動は図24〜図27のタイムチャートに示されているが、詳細は後述する。
【0138】
なお、前記図21〜図23には示されていないが、描画装置用制御装置Cはクロック発生回路を有しており、各RAM1〜RAM50、振分回路CF1〜CF50、および合計200個(=4個×50組)のパラレル/シリアルコンバータ(P/S)C1〜(P/S)C4には、作動に必要なクロックパルスが入力されている。また、図21では簡単のため各RAMへのアドレス信号は描画用コントローラC1から直接入力する構成が示されているが、描画用コントローラC1により制御されるアドレス発生回路を設け、前記アドレス発生回路から各RAMへのアドレス信号を入力する構成とすることが可能である。
いずれにしても、シャッタオン・オフデータ記憶装置CMのデータをRAMに記憶させたり、RAMの記憶データを複数のパラレル/シリアルコンバータに振り分けて伝送する技術は従来公知であり、従来公知の種々の技術を使用することが可能である。
【0139】
(実施例1の作用)
図24は描画動作時における前記上側シャッタ基板114の、電源スイッチSWa、切替スイッチSWb,SWc、切替スイッチSW1〜SW3、シャッタ駆動メモリME0、シャッタ駆動スイッチSW0、シャッタ駆動信号一時記憶メモリME1〜ME4の動作または状態を示すタイムチャートである。図25は前記図24の続きのタイムチャートである。図26は前記図25の続きのタイムチャートである。
描画動作の開始直前は前記各スイッチSWa〜SWc、SW0〜SW3は前記図23の状態である。前記図23の状態での前記各スイッチの状態および前記シャッタ駆動メモリME0の各DFF(Dフリップフロップ)の出力は図24に示すとおりであり、他の要素の状態は次に説明する。
【0140】
(1)電源スイッチSWa=オフ
(2)切替スイッチSWb、SWc=オXフ端子(シャッタ駆動電源Ebのマイナス端子と接続する端子)に接続
(3)切替スイッチSW1〜SW3=第1端子(図23で接続されている端子)に接続
(4)シャッタ駆動メモリME0の各DFF(Dフリップフロップ)の出力=全て「0」
(5)500個のシャッタ駆動スイッチSW0の状態=全てシャッタオン端子(ビームオフ端子、すなわち、図24で接続されている端子)に接続
前記状態において、シャッタ駆動信号一時記憶メモリME1〜ME4には、図21に示す前記パラレル/シリアルコンバータ(P/S)C1〜(P/S)C4からシャッタオン・オフ信号1Ai,1Bi,1Ci,1Diが順次入力される。
【0141】
図27は前記第1〜第4シャッタ駆動信号一時記憶メモリME1〜ME4のシャッタ駆動データ(シャッタオン・オフデータ)記憶動作時のタイムチャートである。
図27に示すように、前記各シャッタ駆動信号一時記憶メモリME1〜ME4の入力信号線に順次入力されるシャッタ駆動データ(シャッタオン・オフデータ)JAi,JBi,JCi,JDi(J=1,2,…、i=1,2,…)は、J=1の場合は同一周期のクロックパルスCKによりDFF(Dフリップフロップ)にラッチされると同時に順次シフトされる。
前記J=1の場合は、前記各シャッタ駆動信号一時記憶メモリME1〜ME4にそれぞれ500個のシャッタ空間S1,S3,…,S999を一度に開閉させる500個のシャッタオン・オフデータを1回目に記憶させるデータであることを意味する。図27に示すように、J=1の場合に前記各シャッタ駆動信号一時記憶メモリME1〜ME4にシャッタオン・オフデータを記憶させる動作は、前記各シャッタ駆動信号一時記憶メモリME1〜ME4に対して同時に実行される。
【0142】
図24〜図26において、シャッタ駆動信号一時記憶メモリME1〜ME4に記憶されるシャッタオン・オフデータJAi〜JDi(J=1,2,…)をカッコ[ ]で囲んだ[JAi]〜[JDi]は、シャッタオン・オフデータJAi〜JDiの書込が終了している期間を示し、前記カッコ[ ]が付いていないJAi〜JDiは、書込動作中であることを示している。
図24において、J=1のシャッタ駆動データ(シャッタオン・オフデータ)である1Ai,1Bi,1Ci,1Diが前記各シャッタ駆動信号一時記憶メモリME1〜ME4に記憶されると、前記電源スイッチSWaがオンとなり、切替スイッチSWb、SWcがオン・オフ端子(シャッタ対向電極S1b,S3b,…,S999bに接続する端子)に接続される。
この状態では、前記(5)で説明したように、500個のシャッタ駆動スイッチSW0の状態=全てビームオフ端子(シャッタがオンとなりビームがオフとなる端子、すなわち、図23で接続されている端子)に接続された状態であり、全電子ビームはオフ状態(ウエハWを描画しない状態)であるが、前記500個のシャッタ駆動スイッチSW0をオン、オフすることによりウエハWへの描画が可能な状態となっている。
【0143】
この状態で周期T0のラッチパルスLCH(図24参照)が出力される。このラッチパルスLCHが出力されたとき、図23から分かるように、シャッタ駆動信号一時記憶メモリME1の各DFF(Dフリップフロップ)に記憶されたシャッタオン・オフデータ1Aiが前記シャッタ駆動メモリME0のDFF(Dフリップフロップ)にラッチされる。
このとき、前記500個のシャッタ駆動スイッチSW0は前記シャッタ駆動メモリME0の500個のDFFの出力信号に応じてオン・オフされ、ウエハWに対する電子ビームによる描画が行われる。
図24において、前記シャッタ駆動メモリME0の出力およびシャッタ駆動スイッチSW0の状態は、次にラッチパルスLCHが出力されるまで同じ状態が保持される。また、前記シャッタ駆動信号一時記憶メモリME1に記憶された前記シャッタオン・オフデータ1Aiのラッチが行われた直後に、シャッタ駆動信号一時記憶メモリME1への次のシャッタオン・オフデータ2Aiの書込(記憶動作)が開始される。
【0144】
また、前記ラッチパルスLCHは、LCHカウンタ(ラッチパルスカウンタ)によりカウントされており、LCHカウンタのカウント値はPで示されている。図24〜図26から分かるように、P=1,5,9,13,17の場合にはLCH(ラッチパルス)の出力時からT0/2経過後にSW1が第2端子(図23で接続されている端子と異なる端子)に接続される。
このとき、図23から分かるように、シャッタ駆動メモリME0はシャッタ駆動信号一時記憶メモリME2に接続される。
【0145】
この状態で次に、ラッチパルスLCHが出力されると、前記ラッチパルスLCHの立ち上がり時に前記シャッタ駆動信号一時記憶メモリME2のシャッタオン・オフデータ1Biがシャッタ駆動メモリME0にラッチされる。このとき、シャッタ駆動スイッチSW0は、前記シャッタオン・オフデータ1Biのデータに応じた状態となり、ウエハWに対する電子ビームの描画が行われる。
図24において、前記シャッタ駆動メモリME0の出力およびシャッタ駆動スイッチSW0の状態は、次にラッチパルスLCHが出力されるまで同じ状態が保持される。また、前記シャッタ駆動信号一時記憶メモリME2に記憶された前記シャッタオン・オフデータ1Biのラッチが行われた直後に、シャッタ駆動信号一時記憶メモリME2への次のシャッタオン・オフデータ2Biの書込(記憶動作)が開始される。
【0146】
図24〜図26から分かるように、P=2,6,10,14,18の場合にはLCH(ラッチパルス)の出力時からT0/2経過後にSW2が第2端子(図23で接続されている端子と異なる端子)に接続される。
このとき、図23から分かるように、シャッタ駆動メモリME0はシャッタ駆動信号一時記憶メモリME3に接続される。
図24において、以後同様にしてシャッタオン・オフデータ1Ciおよび1Diによる描画を行った時には、前記シャッタ駆動信号一時記憶メモリME1へのシャッタオン・オフデータ2Aiの書込が終了しているので、続いて、シャッタオン・オフデータ2Ai,2Bi,2Ci,2Di,3Ai,…によりウエハWの描画を行うことができる。
【0147】
図25においてラッチパルスLCHは10個出力されると、出力が停止される。これは、0.1mm×0.05mmの単位走査領域RI(図17B、図18参照)の描画(走査)はラッチパルスLCHを10個出力すると終了するので、一旦ラッチパルスLCHの出力を停止してから、XテーブルおよびウエハWをX軸方向に0.1mm×Q×(−1)Qmm移動させるためである。この移動については後で図34のST65で詳述する。
前記Xテーブルの移動が終了すると、ラッチパルスLCHが再び10個続けて出力される。
なお、図24〜図26のタイムチャートの詳細は図34〜図36のフローチャートにより後で詳述する。
【0148】
前記図24〜図27のタイムチャートで説明した動作は上側シャッタ基板114の1本のスリットに形成されたシャッタ駆動電極を駆動する場合についてのタイムチャートであるが、上側シャッタ基板114の前記50本のスリットに形成されたシャッタ駆動電極に対しても同様の動作を同期して実行する。また、下側シャッタ基板115、上側フィルタシャッタ基板117、および下側フィルタシャッタ基板118の各スリットに形成されたシャッタ駆動電極に対しても同様の動作を同期して実行する。
すなわち、前記各シャッタ基板114、115、117、118の各スリットに形成されたシャッタ駆動電極に対して前記動作を同期して実行することによりウエハW表面に同時に50000(=1000×50)本の電子ビームによる描画を行うことができる。
【0149】
図28は本発明の描画装置用制御装置Cの描画用コントローラC1のフローチャートの説明図である。図30は表示画面の説明図で、図30AはST1で表示される画面、図30BはST21で表示される画面である。
図28のフローチャートの各ST(ステップ)の処理は、前記描画用コントローラC1のROMに記憶されたプログラムに従って行われる。
図28のフローチャートは、描画用コントローラC1の電源オン時にスタートする。
図28のST1において、ディスプレイD1に初期画面すなわち、第1選択画面(図30A参照)が表示される。
次にST2において「(7)終了」(図30A参照)が選択されたか否か判断する。イエス(Y)の場合は電源がオフとなって処理が終了する。ノー(N)の場合はST3に移る。
ST3において「(6)その他の動作」(図30A参照)が選択されたか否か判断する。イエス(Y)の場合は図29のST21に移り、ノー(N)の場合はST4に移る。
【0150】
ST4において「(5)ウエハカセットWKをカセット収納室Fから搬出する動作」が選択されたか否か判断する。イエス(Y)の場合はST5に移る。
ST5においてカセット搬出動作を行う。この動作は前記仕切弁7(図3参照)を閉塞して前記外部仕切弁8を開放した状態で、図示しないチェーンコンベアにより搬送されるカセット搬送部材の上下に伸縮可能なエアシリンダ下端に設けた真空吸着パッドにより吸着されて搬出される。
次にST6において第1選択画面(図30A参照)の動作状態表示欄に「カセット搬出終了」を表示する処理を行ってから前記ST1に戻る。
このとき、ST1においては前記図30Aの初期画面の動作状態表示欄に「カセット搬出終了」が表示される。
【0151】
前記ST4においてノー(N)の場合はST7に移る。
ST7において「(4)ウエハカセットWKをカセット収納室Fに搬入する動作」(図30A参照)が選択されたか否か判断する。イエス(Y)の場合はST8に移る。
ST8においてカセット搬入動作を行う。この動作は前記仕切弁7(図3参照)を閉塞して前記外部仕切弁8を開放した状態で、図示しないチェーンコンベアにより搬送されるカセット搬送部材の上下に伸縮可能なエアシリンダ下端に設けた真空吸着パッドにより吸着されて搬入される。
次にST9において第1選択画面(図30A参照)の動作状態表示欄に「カセット搬入終了」を表示する処理を行ってから前記ST1に戻る。
このとき、ST1においては前記図30Aの初期画面の動作状態表示欄に「カセット搬入終了」が表示される。
【0152】
前記ST7においてノー(N)の場合はST10に移る。
ST10において「(3)ウエハをステージから退避する動作」(図30A参照)が選択されたか否か判断する。イエス(Y)の場合はST11に移る。
ST11においてXYステージU3からのウエハWの退避動作を行う。この動作は前記外部仕切弁8(図3参照)を閉塞して前記仕切弁6,7を開放した状態で、前記搬送アーム9aにより、ウエハWをXYステージU3からカセットKに搬送することにより行う。
次にST12において第1選択画面(図30A参照)の動作状態表示欄に「ウエハ退避終了」を表示する処理を行ってから前記ST1に戻る。
このとき、ST1においては前記図30Aの初期画面の動作状態表示欄に「ウエハ退避終了」が表示される。
【0153】
前記ST10においてノー(N)の場合はST13に移る。
ST13において「(2)ウエハをステージにセットする動作」(図30A参照)が選択されたか否か判断する。イエス(Y)の場合はST14に移る。
ST14においてXYステージU3にウエハWをセットする動作を行う。この動作は前記外部仕切弁8(図3参照)を閉塞して前記仕切弁6,7を開放した状態で、前記搬送アーム9aにより、ウエハWをカセットKからXYステージU3に搬送することにより行う。
次にST15において第1選択画面(図30A参照)の動作状態表示欄に「ウエハセット終了」を表示する処理を行ってから前記ST1に戻る。
このとき、ST1においては前記図30Aの初期画面の動作状態表示欄に「ウエハセット終了」が表示される。
前記ST13においてノー(N)の場合はST16に移る。
ST16において「(1)描画動作」(図30A参照)が選択されたか否か判断する。イエス(Y)の場合は図31のST31に移る。
【0154】
図29は前記図28のST3でイエス(Y)の場合の処理を示すフローチャートである。
前記ST3でイエス(Y)の場合は、図29のST21において、第2選択画面(図30B参照)を表示する。
次にST22において「(11)第2選択画面終了」(図30B参照)が選択されたか否か判断する。ノー(N)の場合はST23に移る。
ST23において図30Bに示す(12),(13),(14),…のいずれかの中の選択された動作を実行する。
次にST24において、動作が終了したことの表示(例えば「(12)真空試料室Aの真空引き動作」が終了した場合には、「真空試料室Aの真空引き動作終了」を第2選択画面(図30B参照)の動作状態表示欄に表示する処理を行う。次にST21に移る。このときST21において、第2選択画面(図30B参照)の動作状態表示欄に「真空試料室Aの真空引き動作終了」表示される。
【0155】
前記ST22においてイエス(Y)の場合(すなわち、「(11)第2選択画面終了」が選択された場合はST25に移る。
ST25において第2選択画面の動作状態表示欄に表示されている内容を初期画面(第1選択画面)の動作状態表示欄に表示する処理を行う。次に前記ST1に戻る。このときST1において、前記第2選択画面の動作状態表示欄の表示内容が第1選択画面の動作状態表示欄に表示される。
【0156】
図31は前記ST16においてイエス(Y)の場合の処理、すなわち、前記第1選択画面において「(1)描画動作」が選択された場合の処理を示すフローチャートである。図32はST33で表示される画面である。
図31のST31においてウエハWがXYステージU3にセットされているか否か判断する。ノー(N)の場合はST32において、前記第1選択画面の動作状態表示欄に「ウエハがセットされていません。」を表示する処理を行う。次に前記ST1に戻る。このとき、ST1において第1選択画面の動作状態表示欄に「ウエハがセットされていません。」と表示される。
前記ST31においてイエス(Y)の場合はST33に移る。
ST33においてウエハ情報および描画パターン番号入力画面(図32参照)を表示する。
【0157】
ST34において入力が有ったか否か判断する。ノー(N)の場合はST34を繰り返し実行する。イエス(Y)の場合はST35に移る。
ST35において入力データを記憶し、画面に表示する。
次にST36において登録(図32参照)が選択されたか否か判断する。ノー(N)の場合はキャンセル(図32参照)が選択されたか否か判断する。ST37においてノー(N)の場合は前記ST34に戻る。イエス(Y)の場合は前記ST1に戻る。
前記ST36においてイエス(Y)の場合はST38に移る。
ST38において入力データは正しいか否か(例えば、描画パターン番号が登録されている番号であるか否か判断する。ノー(N)の場合はST39に移る。
ST39において図32に示すウエハ情報および描画パターン番号入力画面のメッセージ表示欄に「データを正しく入力して下さい」を表示する処理を行う。そして前記ST33に戻る。このときST33において、図32画面を表示するとともに、そのメッセージ欄に「データを正しく入力して下さい」を表示する。
【0158】
前記ST38においてイエス(Y)の場合はST40に移る。
ST40において入力データをハードディスク等の不揮発性のウエハ情報記憶装置に記憶する。
次にST41において描画を行うチップ番号NをN=0とする。
次にST42において電子銃をオンにする。
次にST43において各シャッタ基板114,115,117,118(図15参照)のスリット#1(図17A参照)のシャッタ空間S1(図16参照)を通過する電子ビームの照射位置に、N番のチップTN(図19、図20参照)の描画基準位置(XN,YN)(図19参照)を移動する。この移動はXYステージU3を移動させることにより行う。
【0159】
図33は前記図31のST43の続きのフローチャートである。
図33のST44においてXテーブルを+10mm移動させる。前記+10mmの移動は、図19、図20においてウエハWを支持するXテーブルがX方向に移動することを意味し、−10mmの移動は−X方向に10mm移動することを意味する。
このST44の移動は図19に示すチップTN(N=1,2,…)の描画基準位置(XN,YN)が、スリット#1(図17A参照)のシャッタ空間S1(図16参照)を通過する電子ビームの照射位置になっている状態から、チップTNをX方向に10mm移動させることになる。
このとき、前記電子ビームのスリット#1(図17A参照)のシャッタ空間S1(図16参照)を通過する電子ビームの照射位置は、図18、図19のRA1の領域R1(図18参照)のX端且つ右端の位置1R0(図18参照)となる。
【0160】
次にST45においてn=0、m=0とする。
nは、Y方向0.05mm幅走査回数カウンタの値であり、図19のY方向0.05mm幅の領域RA1,RA2,…,RA300,RB1〜RB300,またはRC1〜RC300をそれぞれ300回づつ走査するための走査回数カウンタのカウント値である。
mはX方向5mm幅の描画回数(走査回数)カウンタの値であり、図19のX方向5mm幅の走査領域(描画領域)RA,RB,RCを走査するためのカウンタのカウント値である。
【0161】
次ST46において単位走査領域R1〜R50の描画のためのXYステージU3の移動処理を行う。このサブルーチンは図34に示されている。
次にST47においてn≧300か否か判断する。ノー(N)の場合はST48弐移る。
ST48においてYテーブルを0.05mm(図17B、図18参照)移動する。次に前記ST46に戻る。
前記ST47においてイエス(Y)の場合は次のST49に移る。
ST49においてn=0、m=m+1とする。これは例えば、図19の領域RAの描画(走査)が終了したときに、次の領域RBの描画を開始するためにY方向0.05mm幅走査回数カウンタの値nを0にリセットし、X方向5mm幅の描画回数(走査回数)カウンタの値mの値を1とすることを意味する。
【0162】
次にST50においてm≧3か否か判断する。ノー(N)の場合はYテーブルを−14.95mm移動する。これは例えば、図19のチップTNの電子ビーム照射位置がRA300である場合にYテーブルを−Y方向に移動して、チップTNの電子ビーム照射位置がRA1となるようにすることを意味する。
次にXテーブルを−5mm移動する。これは例えば電子ビーム照射位置をRA1からRB1に移動させるためにXテーブルを−X方向に5mm移動させることを意味する。
次に前記ST46に戻る。
【0163】
前記ST50においてイエス(Y)の場合はST53に移る。
ST53においてN=N+1とする。これはチップTNの描画が終了したので、次のチップTN+1の描画に移ることを意味する。
次にST54においてN≧300か否か判断する。ノー(N)の場合は前記ST43に戻る。イエス(Y)の場合は、ウエハW上の300個の全チップの描画が終了したことを意味する。この場合はST55に移る。
ST55において電子銃をオフとする。
次にST56において描画を終了したウエハWのウエハIDと前記ウエハWを描画したパターン番号とをウエハ情報記憶装置に記憶する。
次に、ST57において第1選択画面の動作状態表示欄に「ウエハID=………のウエハの描画パターン番号………の描画終了」を表示する処理を行う。
次に前記ST1に戻る。このとき、ST1において第1選択画面が表示され且つその動作状態表示欄に「ウエハID=……のウエハの描画パターン番号……の描画終了」が表示される。
【0164】
図34は前記図33のST46のサブルーチンである。
図34のST61においてXテーブルを+2.5mm移動させる。これは図18においてウエハ上のビーム照射位置が1R0から26R0に移動するように、XテーブルをX方向に2.5mm移動させることを意味する。
次にST62においてシャッタ制御フラグFr=「1」とする。シャッタ制御フラグFrはウエハW上のチップの描画を行う位置(ビーム照射位置)に移動して描画開始が可能であることを示すフラグであり初期値はFr=「0」である。シャッタ制御フラグFr=「1」になると、シャッタ制御フロー(図35参照)が開始されて電子ビームのオン・オフによる描画が開始される。シャッタオン・オフ制御フローは、ST1以下のフローと並行してマルチタスクで実行されフローである。このシャッタオン・オフ制御フローは、図35により後述する。
【0165】
ST63においてシャッタ制御フラグFrがFr=「0」になったか否か判断する。ノー(N)の場合はST63を繰り返し実行する。
すなわち、前記ST62においてシャッタ制御フラグFr=「1」とするとシャッタオン・オフ制御フローが開始され、単位走査領域RI(I=1または2,…)の描画が開始されるが、その単位走査領域RIの描画が終了するまではFr=「1」のままであり、単位走査領域RIの描画が終了すると、シャッタオン・オフ制御フローにおいてFr=「0」とされる。このため、ST63では単位走査領域RIの描画が終了して、Fr=「0」となるのを待っているのである。すなわち、Fr=「0」となった場合、単位走査領域RIの描画が終了したことを意味する。なお、最初に描画を行う単位走査領域はR26(図18参照)である。
ST63においてイエス(Y)の場合はST64に移る。
ST64において、単位走査領域RI(I=1〜50)(図18参照)を走査するために使用するカウンタのカウント値Q(Q=0〜49、初期値はQ=0)をQ=Q+1とする。Qの初期値は0であるので、前記単位走査領域R26の描画が終了したときにはQ=Q+1=1となる。
【0166】
次にST65においてXテーブルを0.1mm×Q×(−1)Q移動する。このとき、Q=1であれば、図18の単位走査領域R26からR25に−0.1mm移動することになる。また、Q=2であれば、図18の単位走査領域R25からR27に0.2mm移動することになる。また、Q=49であれば、図18の単位走査領域R50からR1に−4.9mm移動することになる。
次にST66においてQ≧50か否か判断する。ノー(N)の場合は前記ST62に戻る。イエス(Y)の場合はST67に移る。
ST67においてQ=0、n=n+1とする。前記n(n=1〜299)はY方向0.5mm幅の描画回数(走査回数)をカウントするカウンタであり、前記nが1加算されることは前記図18に示すR1〜R50の全領域が1回描画されたことを意味する。
ST67の次に前記ST47(図33参照)に移る。
【0167】
図35はシャッタオン・オフ制御のフローチャートである。この制御は前記第1画面で「(1)描画動作」が選択されるとスタートする。図36は前記図35の続きのフローチャートである。
図35のST71において次の処理を実行する。
(1)SWaをオンにする。
(2)切替スイッチSWb,SWcをビームオフ端子(シャッタオン端子)に接続する。
(3)Y偏向器駆動電圧Vyを、Vy=Vy0(ただし、Vy0=初期値)とする。
次にST72においてシャッタ制御フラグFr=「1」か否か判断する。ノー(N)の場合はST72を繰り返し実行する。
前記図34のST62においてFr=「1」になると、イエス(Y)になる。この場合、ウエハWは描画位置に移動している。
ST72においてイエス(Y)の場合はST73に移る。
【0168】
ST73以下の処理は図24〜図27のタイムチャートに示されている動作を行う処理である。
ST73において、図24に示されているように次の処理を行う。
(1)切替スイッチSWb、SWcをオン・オフ端子に接続する。
(2)ラッチパルスLCHを出力する。
(3)ラッチカウンタのカウント値P=P+1とする。なお、Pの初期値は0である。
(4)タイマTM1にT0/2(前記T0はラッチパルスLCHの周期である)をセットする。
(5)タイマTM2にT0をセットする。
【0169】
次にST74においてTM1はタイムアップしたか否か判断する。ノー(N)の場合はST74を繰り返し実行する。イエス(Y)の場合はST75に移る。
ST75においてP=1,5,9,13,17のいずれかであるか否か判断する。イエス(Y)の場合はST76に移る。
ST76において、図24〜図26のタイムチャートから分かるように、P(ラッチパルスLCHカウンタのカウント値)がP=1,5,9,13,17の場合にはSW1を第2端子に接続する。次に前記ST80に移る。
【0170】
前記ST75でノー(N)の場合はST77に移る。
ST77においてP=2,6,10,14,18のいずれかであるか否か判断する。イエス(Y)の場合はST78に移る。
ST78において、図24〜図26のタイムチャートから分かるように、P(ラッチパルスLCHカウンタのカウント値)がP=2,6,10,14,18の場合にはSW2を第2端子に接続する。
次にST79においてP=10か否か判断する。ノー(N)の場合は前記ST80に移る。イエス(Y)の場合はST98に移る。
前記ST80においてタイマTM2はタイムアップしたか否か判断する。ノー(N)の場合はST80を繰り返し実行する。イエス(Y)の場合はST81に移る。
ST81においてVy=Vy+vとする。次に前記ST73に戻る。
【0171】
前記ST77においてノー(N)の場合はST91に移る。
ST91においてP=3,7,11,15,19のいずれかであるか否か判断する。イエス(Y)の場合はST92に移る。
ST92において、図24〜図26のタイムチャートから分かるように、P(ラッチパルスLCHカウンタのカウント値)がP=3,7,11,15,19のいずれかの場合にはSW3を第2端子に接続する。次にST93に移る。
【0172】
前記ST91においてノー(N)の場合はST95に移る。ST91においてノー(N)の場合は、図24〜図26のタイムチャートから分かるように、P(ラッチパルスLCHカウンタのカウント値)がP=4,8,12,16,20のいずれかである。この場合すなわち、図24〜図26のタイムチャートから分かるように、P(ラッチパルスLCHカウンタのカウント値)がP=4,8,12,16,20のいずれかの場合には、SW1,SW2,SW3を第1端子に接続する。
次にST96においてP=20か否か判断する。ノー(N)の場合は前記ST93に移る。
ST93においてタイマTM2はタイムアップしたか否か判断する。ノー(N)の場合はST93を繰り返し実行する。イエス(Y)の場合はST94に移る。
ST94においてVy=Vy+vとする。次に前記ST73に戻る。
【0173】
前記ST96においてイエス(Y)の場合はST97に移る。
ST97においてP=0とする。
次にST98においてタイマTM2はタイムアップしたか否か判断する。ノー(N)の場合はST98を繰り返し実行する。イエス(Y)の場合はST99に移る。
ST99において次の処理を行う。
(1)切替スイッチSWb,SWcをビームオフ端子(シャッタオン端子)に接続する。
(2)Fr=「0」とする。
(3)Vy=Vy0とする。なお、Vy0はVyの初期値である。
次に前記ST72に戻る。
【0174】
図37はシャッタ駆動データ(シャッタオン・オフデータ)JAi,JBi,JCi,JDi(J=1,2,…、i=1,2,…)の伝送開始処理のフローチャートである。
図37の処理は第1選択画面で描画動作が選択されるとスタートする。
ST101においてウエハ情報、描画パターン情報等の入力データが記憶されたか否か判断する。ノー(N)の場合はST101を繰り返し実行する。イエス(Y)の場合はST102に移る。
ST102においてシャッタオン・オフデータ記憶装置CMからオン・オフデータJAi〜JDiを読出して、各シャッタ基板114,115,117,118用のRAM1〜RAM50毎に振り分け、振分回路CF1〜CF50、(P/S)C1〜(P/S)C4(図21参照)等を介してME1〜ME4への伝送を開始する。
【0175】
ST103においてラッチパルスLCHの出力が有ったか否か判断する。ノー(N)の場合はST103を繰り返し実行する。イエス(Y)の場合はST104に移る。
ST104においてP=1,5,9,13,17のいずれかであるか否か判断する。ノー(N)の場合はST106に移り、イエス(Y)の場合はST105においてME1へのJAiの伝送を開始してからST106に移る。
ST106においてP=2,6,10,14,18のいずれかであるか否か判断する。ノー(N)の場合はST108に移り、イエス(Y)の場合はST107においてME2へのJBiの伝送を開始してからST108に移る。
ST108においてP=3,7,11,15,19のいずれかであるか否か判断する。ノー(N)の場合はST110に移り、イエス(Y)の場合はST109においてME3へのJCiの伝送を開始してからST111に移る。
前記ST108においてノー(N)の場合はP=4,8,12,16,20のいずれかの場合である。
この場合はST110においてME4へのJDiの伝送を開始してからST111に移る。
ST111においてウエハWの全チップの描画が終了したか否か判断する。ノー(N)の場合は前記ST103に戻る。イエス(Y)の場合は処理を終了する。
【0176】
図38はシャッタ駆動信号一時記憶メモリME1〜ME4へのデータ伝送停止処理のフローチャートである。
この図38の処理は第1選択画面で描画動作が選択されるとスタートする。
図38のST121においてシャッタ駆動信号一時記憶メモリME1への500個のシャッタ駆動信号JAiの蓄積が終了したか否か判断する。ノー(N)の場合はST123に移り、イエス(Y)の場合はST122においてME1への伝送を停止してからST123に移る。
ST123においてシャッタ駆動信号一時記憶メモリME2への500個のシャッタ駆動信号JBiの蓄積が終了したか否か判断する。ノー(N)の場合はST125に移り、イエス(Y)の場合はST124においてME2への伝送を停止してからST125に移る。
【0177】
ST125においてシャッタ駆動信号一時記憶メモリME3への500個のシャッタ駆動信号JCiの蓄積が終了したか否か判断する。ノー(N)の場合はST127に移り、イエス(Y)の場合はST126においてME3への伝送を停止してからST127に移る。
ST127においてシャッタ駆動信号一時記憶メモリME4への500個のシャッタ駆動信号JDiの蓄積が終了したか否か判断する。ノー(N)の場合は前記ST121に戻り、イエス(Y)の場合はST128においてME4への伝送を停止してから前記ST121に戻る。
【0178】
(シャッタ基板の変更例1)
図39は前記実施例1の図23に示した上側シャッタ基板の変更例1の説明図である。図40は描画動作時における前記図39の上側シャッタ基板114の、電源スイッチSWa、切替スイッチSWb,SWc、切替スイッチSW1〜SW3、シャッタ駆動スイッチSW0、シャッタ駆動信号一時記憶メモリME1〜ME4の動作または状態を示すタイムチャートである。
このシャッタ基板の変更例1はシャッタオン・オフ駆動回路、および駆動回路の制御方法が前記実施例1と異なっている。
すなわち、図39において、変更例1の上側シャッタ基板114は、前記図23のシャッタ駆動メモリME0およびラッチパルスLCHの伝送線が省略されている。したがって、シャッタ切替スイッチSW1〜SW3の切替によってシャッタオン・オフを行っている。
図40において、シャッタ駆動信号一時記憶メモリME1〜ME4に記憶されるシャッタオン・オフデータJAi〜JDi(J=1,2,…)をカッコ[ ]で囲んだ[JAi]〜[JDi]は、シャッタオン・オフデータJAi〜JDiの書込が終了している期間を示し、前記カッコ[ ]が付いていないJAi〜JDiは、書込動作中であることを示している。
【0179】
図40に示すように、シャッタオン・オフデータ1Ai〜1Diの書込終了時に電源スイッチSWaをオン、切替スイッチSWb、SWcをオン・オフ端子(シャッタ対向電極S1b,S3b,…,S999bに接続する端子)に接続することにより、シャッタ駆動スイッチSW0をシャッタオン・オフデータ1Aiによりオン・オフすることができ、次に切替スイッチSW1を第2端子(図39で接続されていない端子)に接続することにより、シャッタ駆動スイッチSW0をシャッタオン・オフデータ1Biによりオン・オフすることができる。
したがって、図39に示すシャッタ基板の変更例1を使用することにより、前記実施例1と同様にウエハWを50000本の電子ビームで同時に描画することができる。
【0180】
(シャッタ基板の変更例1のフローチャート)
図41はシャッタオン・オフ制御のフローチャートである。この制御は前記図35に対応するフローチャートである。図42は前記図41の続きのフローチャートであり、前記図36に対応する図である。
図41は、前記図35のST80が省略され且つ図35のST73,ST74の代わりにST73′,ST74′が設けられている。また、図42は、前記図36のST93,ST98が省略されている。
そして、前記ST73′では前記ST73のタイマTM1が省略されている。
前記ST73′のタイマTM2に設定されるタイマ時間T0の周期で前記スイッチSW1〜SW3の切替を行うことによりシャッタオン・オフを行っている。
【0181】
(シャッタ基板の変更例2)
図43は前記実施例1の図23に示した上側シャッタ基板の変更例2の説明図である。
図43に示す変更例2の上側シャッタ基板114は、前記図39の変更例1の上側シャッタ基板114において、シャッタ駆動信号一時記憶メモリME1〜ME4を構成するDFF(Dフリップフロップ)が、255個のシャッタ駆動電極S1a,S3a,…,S499a駆動用と、255個のシャッタ駆動電極S501a,S503a,…,S999a駆動用とで分離されている。
したがって、シャッタオン・オフデータJAi〜JDi(i=1,3,…,999)は、(JAi,JAi+500)〜(JDi,JDi+500)(i=1,3,…,499)に分割してそれぞれ255個のDFFに順次ラッチされ、シフトされて記憶される。
この場合、500個のシャッタオン・オフデータJAi〜JDi(i=1,3,…,999)を、前記各シャッタ駆動信号一時記憶メモリME1〜ME4に記憶させるのに要する時間が1/2に短縮される。したがって、1本のスリットに2000個のシャッタ空間S1,S2,…,S2000を形成しても、前記図23、または図39のシャッタ基板と同一時間でスリット1本分のデータをシャッタ駆動信号一時記憶メモリに記憶させることが可能である。
【0182】
(シャッタ基板の変更例3)
図44は前記実施例1の図23に示した上側シャッタ基板の変更例3の説明図である。
図44において、変更例3の上側シャッタ基板114は、前記図43の変更例2の上側シャッタ基板114において、シャッタ駆動メモリME0を設けた点、およびシャッタ駆動信号一時記憶メモリME5〜ME8を設けた構成となっている。
この場合、500個のシャッタオン・オフデータJAi〜JDi(i=1,3,…,999)を、前記各シャッタ駆動信号一時記憶メモリME1〜ME4に記憶させるのに要する時間が実施例1の図23のシャッタ基板に比べて1/2に短縮される。また、シャッタ駆動信号一時記憶メモリME1〜ME8の数が前記実施例1の図23に示すシャッタ基板の2倍となっている。
このため、前記実施例1の図23に示すシャッタ基板に比べて、ラッチパルスLCHの周期が1/2と高速になっても、対応することが可能である。
【0183】
(シャッタ基板の変更例4)
図45は前記実施例1の図23に示した上側シャッタ基板の変更例4の説明図である。上側および下側シャッタ基板114,115上の1本のスリットに属する500個のシャッタ回路に各々複数の信号伝送配線を形成することは、スリット間の空間が狭いので困難である。このシャッタ基板の変更例4は、500個のシャッタを9本の配線で特定して駆動信号を送信することが可能である。
図45において、変更例4の上側シャッタ基板114は、9本のアドレス信号線が入力している500個のAND素子を有しており、各AND素子の入力端子は、AND1は全て反転入力端子であり、AND2は最下位の1ビット以外は反転入力端子である。また、AND500は下位から3,4ビット目のみが反転入力端子である。
【0184】
この場合、9本のアドレス信号線全ての入力が「000000000」の場合(すなわち、10進数で0の場合)はAND1の出力のみが1となる。
また、9本のアドレス信号線のうち最下位の1ビットのみ「1」で後の全ての入力が「0」の場合すなわち入力信号が、「000000001」の場合(すなわち、10進数で1の場合)はAND2の出力のみが1となる。
また、9本のアドレス信号線のうち下位から3,4ビット目のみ「0」で後の全ての入力が「1」の場合すなわち入力信号が、「111110011」の場合(すなわち、10進数で499の場合)はAND500の出力のみが1となる。
【0185】
したがって、前記9本のアドレス信号線に「000000000」〜「111110011」を順次入力するとともに信号入力線に順次シャッタオン・オフ信号JAi〜JDiを入力することにより、各シャッタ駆動信号一時記憶メモリME1〜ME4にシャッタオン・オフ信号を記憶させることができる。
したがって、前記実施例1と同様の作用を奏することができる。
【0186】
(実施例2)
図46は本発明の描画装置の実施例2の要部説明図で、前記実施例1の図9に対応する図である。図47は同実施例2のウエハ上のチップの描画順序の説明図で前記実施例1の図20に対応する図である。図48はウエハW上に形成された1チップのサイズが15mm×15mmの場合の1チップの描画順序の拡大説明図で、前記実施例1の図19に対応する図である。図49は前記ウエハ表面を荷電粒子ビームにより前記Y軸方向に前記ピッチaでm回走査したときに前記荷電粒子ビームが走査する面積である単位走査面積をS0としたとき、qおよびpを整数(q=5、P=10)とした場合に、前記単位走査面積S0の走査をq×p回実行して、前記単位走査面積S0をX軸方向にq個並べ且つY軸方向にp個並べた走査面積q×p×S0=qpS0=50S0のウエハ停止状態走査領域を走査する走査順序の説明図である。図50は前記図48の3分割した領域のうちの1つの領域の走査順序の説明図で、前記実施例1の図18に対応する図である。
【0187】
なお、この実施例2の説明において、前記実施例1の構成要素に対応する構成要素には同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
この実施例2は、下記の点で前記実施例1と相違しているが、他の点では前記実施例1と同様に構成されている。
図46において、Y偏向器F18は第1Y偏向器F18aおよび第2Y偏向器F18bを有し、Y偏向器駆動回路E18は第1Y偏向器駆動回路E18a、第2Y偏向器駆動回路E18bを有している。
前記第1Y偏向器F18aおよび第1Y偏向器駆動回路E18aは、荷電粒子ビームをウエハW上でY軸方向にピッチa(a=0.1μm)で走査するために使用される。前記第2Y偏向器F18bおよび第2Y偏向器駆動回路E18bは、描画用の荷電粒子ビームをウエハW上でY軸方向にピッチmna(a=0.1μm)で走査するために使用される。なお、m=10、n=50である。
前記X偏向器F17およびX偏向器駆動回路E17は、描画用の荷電粒子ビームをウエハW上でak(k=1000)=0.1×1000(μm)=100(μm)=0.1mm単位で移動させるために使用される。
【0188】
図47においてウエハW上においてチップT1,T2,…,TN,TN+1,…の順序でチップ1個づつが順次描画される。
図48において1個のチップは描画領域RA,RB,RCの順序で描画される。
図49において描画領域RAの右端の単位走査領域S0の個数は50であり、各単位走査領域S0の右下のビーム照射点は1R0〜50R0で示している。X軸方向に並んだ26R0〜30R0を含むq(q=5個)の単位走査領域S0とそれらの左方に並ぶp(p=10)個の単位走査領域S0により構成される50個の単位走査領域であるウエハ停止状態走査領域qpS0=5×10×S0=50S0は1RA0で示されており、XYステージU3が停止した状態で走査される。
この50個のS0を1個づつXYステージU3を移動させながら描画すると50回のステージ移動が必要であるが、上記の停止状態で50個のS0を電子ビーム偏向によって描画すると、ステージ移動は1回に削減でき、高速な描画を行うことができる。
前記ウエハ停止状態走査領域qpS0=5×10×S0=50S0の描画が終了して次のウエハ停止状態走査領域qpS0=5×10×S0=50S0の描画を行う際にはXYステージU3の移動を行うう
【0189】
図49においてqは単位走査領域Xカウンタの値を示し、q=0〜5であり、q=5になるとq=0(0は初期値)とされる。また、pは単位走査領域Yカウンタのカウント値を示し、p=0〜10であり、p=10になるとp=0(0は初期値)とされる。
そして、図49において1RA0の50個の単位走査面積S0は1〜50で示されており、(q,p)=(0,0)のときに1で示す単位走査領域S0が走査され、(q,p)=(1,0)のときに2で示される単位走査領域が走査される。この詳細は後述する。
【0190】
図50において、1RA0〜1RA9はそれぞれ前記図49に示すような50個の単位走査領域S0により構成されており、前記描画領域RAは、先ずその右端の1RA0〜1RA9の順序で走査され、1RA0はカウンタQ=0のときに走査され、1RA9はカウンタQ=9のときに走査される。
次に前記(1RA0〜1RA9)の走査(X方向10回移動)と同じ走査を(2RA0〜2RA9)〜(30RA0〜30RA9)に対して繰り返し実行(Y方向30回移動)すると前記RA(図48参照)の領域の描画を完了することができる。すなわち前記RA(図48参照)の領域の描画は、XYステージをX方向に300(=10×30)回、Y方向に30回の合計330回移動することにより完了する。したがって、図48から分かるように、RB,RCに対しても、XYステージの330回の移動により描画が完了するので、1チップの描画は合計990回のXYステージの移動により完了することができる。
【0191】
もし仮に図49のS0を1個描画するたびに、XYステージの移動を行うと仮定した場合、1RA0の走査を完了するのに、X方向に50回、Y方向に10回の合計60回の移動を行う必要がある。この場合、1RA0〜1RA9(図50参照)の描画を行うのに必要なXYステージの移動回数は、合計600(=60×10)回となり、RAの走査に必要なXYステージの移動回数は18000回(=600×30)、15mm角1チップの描画に要するXYステージ移動回数は、54000(18000×3)回の移動を行う必要がある。
したがって、前記実施例2のXYステージの移動回数330回は、前記S0を1個走査する度にXYステージを移動させる際の移動回数54000回に比べて非常に少なくなる。このため、ステージ移動時間が減少する。
【0192】
図51は本発明の実施例2の制御部の説明図で、シャッタ駆動回路を制御する描画装置用制御装置の説明図であり、前記実施例1の図21に対応する図である。図52は本発明の実施例2の制御部の説明図で前記図51の続きの部分を示す図であり、前記実施例1の図22に対応する図である。
なお、この実施例2のシャッタ基板の構成は前記実施例1と同一である。
図52において、Y偏向器駆動回路E18は、第1Y偏向器駆動回路E18aおよび第2Y偏向器駆動回路E18bを有している。
【0193】
本実施例2の描画装置用制御装置Cは、前記実施例1と同様の機能を有する以外に、次に示す機能を有する点で前記実施例1と相違している。
C1D:停止ウエハ走査制御手段
停止ウエハ走査制御手段C1Dは、スリット幅ピッチ走査用制御手段C1D1と、Y軸方向ビーム位置制御手段C1D2と、X軸方向ビーム位置制御手段C1D3とを有している。この実施例2のスリット幅ピッチ走査用制御手段C1D1の機能は前記実施例1と同様である。
C1D2:Y軸方向ビーム位置制御手段
Y軸方向ビーム位置制御手段C1D2は、前記ウエハW上で前記荷電粒子ビームを前記スリットに垂直なY軸方向にピッチa×m×nで移動させるように前記第2Y偏向器駆動回路E18bを制御する。
C1D3:X軸方向ビーム位置制御手段
X軸方向ビーム位置制御手段C1D3は、前記ウエハ(W)上で前記荷電粒子ビームを前記スリットに平行なX軸方向にピッチa×kで移動させるように前記X偏向器駆動回路(E17)を制御する。
【0194】
C1E1:停止ウエハ走査領域移動用XYステージ制御手段
本実施例2の停止ウエハ走査領域移動用XYステージ制御手段C1F1は、前記ウエハWが停止した状態で前記荷電粒子ビームにより走査されるウエハW表面の前記走査面積qpS0であるウエハ停止状態走査領域qpS0の走査を前記停止ウエハ走査制御手段C1Dが終了する毎に、次のウエハ停止状態走査領域qpS0の走査を実行可能な位置に、ウエハWおよび前記ウエハWを支持する前記XYステージU3を、移動させる
【0195】
図53は実施例2の描画装置の描画動作時における前記上側シャッタ基板114の、電源スイッチSWa、切替スイッチSWb,SWc、切替スイッチSW1〜SW3、シャッタ駆動メモリME0、シャッタ駆動スイッチSW0、シャッタ駆動信号一時記憶メモリME1〜ME4の動作または状態を示すタイムチャートであり、前記実施例1の図24に対応する図である。図54は前記図53の続きのタイムチャートである。図55は前記図54の続きのタイムチャートである。
なお、この実施例2のシャッタ基板の構成は前記実施例1と同一である。
【0196】
(タイムチャート(図53〜図55参照)の説明)
図53のタイムチャートにおいて、第1Y偏向器駆動電圧Vy,X偏向器駆動電圧Vx,および第2Y偏向器駆動電圧Uyの初期値は次のとおりである。
Vyの初期値=Vy0
Wxの初期値=Wx0
Uyの初期値=Uy0
【0197】
図49の1〜50で示される単位走査領域S0のうちの1番目の単位走査領域S0(図49のq=0に対応する領域)を描画する際、図53においてLCH(ラッチパルス、図23参照)Pが順次出力される。前記LCH(ラッチパルス)P(=1)が出力されたときのVy,Wx,Uyは次のとおりである。
Vy=Vy0
Wx=Wx0
Uy=Uy0
前記1番目の単位走査領域S0を走査する際、前記LCH(ラッチパルス、図23参照)Pが順次出力される。図53〜図55に示すように、LCH(ラッチパルス)Pが順次出力される度にVy0は+vされて、LCH(ラッチパルス)P(=10)が出力されたときにはVy=Vy0+9vとなる。なお、VyはVy=Vy0+9vの次には、Vy=Vy0となる。これは前記実施例1と同様であるが、後述のフローチャートでも説明する。
その間、Wx=Wx0、Uy=Uy0のままである。
【0198】
LCH(ラッチパルス)P(=11)が出力されたときに前記1番目の単位走査領域S0(図49のq=0に対応する領域)の描画が終了して、次の2番目の単位走査領域S0(図49のq=1に対応する領域)の描画が開始される。
図54において、LCH(ラッチパルス)Pのカウント値PがP=11のとき、Vy,Wx,Uyは次の値である。
Figure 0003836614
前記2番目の単位走査領域S0を走査する際、前記LCH(ラッチパルス、図23参照)P(=11〜20)が順次出力される度にVy0は、+vだけ加算されて、LCH(ラッチパルス)P(=20)が出力されたときのVy=Vy0+9vである。
その間、Wx=Wx0+w、Uy=Uy0のままである。
【0199】
図54において、LCH(ラッチパルス)Pのカウント値がP=20の次にはLCH(ラッチパルス)Pのカウント値はP=1となる。このとき、前記2番目の単位走査領域S0(図49のq=1に対応する領域)の描画が終了して、次の3番目の単位走査領域S0(図49のq=2に対応する領域)の描画が開始される。
図54において、LCH(ラッチパルス)Pのカウント値P=20の次のLCH(ラッチパルス)Pのカウント値PはP=1となる。このときのVy,Wx,Uyは次の値である。
Figure 0003836614
この場合すなわち、前記2番目の単位走査領域S0(図49参照)の描画が終了して、次の3番目の単位走査領域S0(図49参照)の描画が開始されるときには、X偏向器F17の駆動電圧はWx−wである。
【0200】
図49において4番目の単位走査領域S0(図49のq=3に対応する領域)の描画時のWxの値は次のようである。
Figure 0003836614
図49において5番目の単位走査領域S0(図49のq=4に対応する領域)の描画時のWxの値は次のようになる。
Figure 0003836614
【0201】
図55において、Wx=Wx0−2wは、図49の5番目の単位走査領域S0(図49のq=4に対応する領域)の描画時のWxの値である。Wx=Wx0−2wで且つLCH(ラッチパルス)Pのカウント値P=10のときの走査で、前記5番目の単位走査領域S0の描画が終了し、次のP=11の走査は、図49の6番目の単位走査領域S0(図49のq=0に対応する領域)の描画時の走査である。
このとき、図55に示すように、Vy,Wx,Uyの値は次のようである。
Vy=Vy0
Wx=Wx0
Uy=Uy0
【0202】
前記図49において、p,qの値に対応して走査される1〜50で示す単位走査領域S0と、単位走査領域1〜50の走査時の前記第1Y偏向器駆動電圧Vy,X偏向器駆動電圧Vx,および第2Y偏向器駆動電圧Uyの関係は次の(A−1),(A−2)のとおりである。
【0203】
(A−1)
図49において、例えばp=0のとき、1,2,3,4,5で示される単位走査領域S0の走査が行われる。
例えば図49の前記1で示される単位走査領域S0の走査時のq,Vy,Wx,Uyの値は次のとおりである。
q=0
Vy=Vy0〜(Vy0+9v)
Wx=Wx0
Uy=Uy0
例えば図49の前記2で示される単位走査領域S0の走査時のq,Vy,Wx,Uyの値は次のとおりである。
q=1
Vy=Vy0〜(Vy0+9v)
Wx=Wx0+w
Uy=Uy0
【0204】
例えば図49の前記3で示される単位走査領域S0の走査時のq,Vy,Wx,Uyの値は次のとおりである。
q=2
Vy=Vy0〜(Vy0+9v)
Wx=Wx0−w
Uy=Uy0
例えば前記5で示される単位走査領域S0の走査時のq,Vy,Wx,Uyの値は次のとおりである。
q=4
Vy=Vy0〜(Vy0+9v)
Wx=Wx0−2w
Uy=Uy0
【0205】
(A−2)
図49において、例えばp=9のとき、46,47,48,49,50で示される単位走査領域S0の走査が行われる。
例えば図49の前記46で示される単位走査領域S0の走査時のq,Vy,Wx,Uyの値は次のとおりである。
q=0
Vy=Vy0〜(Vy0+9v)
Wx=Wx0
Uy=Uy0+9u
例えば図49の前記50で示される単位走査領域S0の走査時のq,Vy,Wx,Uyの値は次のとおりである。
q=4
Vy=Vy0〜(Vy0+9v)
Wx=Wx0−2w
Uy=Uy0+9u
【0206】
前記(A−1),(A−2)の説明および図49から分かるように、q=4のときに5で示す単位走査領域S0を描画した次には、q=0となりこのときに6で示す単位走査領域S0を描画する必要がある。すなわち、q=4の次にq=q+1の式によりq=5なった場合にはq=0に置き換える必要がある。なお、これについては、後述のフローチャートにより詳述する。
【0207】
前記図49の1〜50で示す単位走査領域S0の全部の領域(ウエハWおよびXYステージU3が停止した状態で荷電粒子ビームの偏向のみにより走査(描画)が行われる領域すなわち、ウエハ停止状態走査領域)1RA0(図50のQ=0に対応する領域)の走査が終了すると、次にXYステージを+0.5m移動させて図50に示すQ=1に対応する領域(ウエハ停止状態走査領域)1RA1の走査(描画)を行う。
そして、(Q=0)〜(Q=9)に対応するウエハ停止状態走査領域1RA0〜1RA9の全領域(図50の1RA参照)を順次走査(描画)すると、図50のウエハ停止状態走査領域2RA0〜2RA9の全領域(図50の2RA参照)の走査(描画)を行う。
前述のように順次、図50の領域1RA,2RA,3RA,…,29RA,30RA(図48参照)の走査(描画)を行うと、図48の領域RAの走査(描画)が終了する。図48に示すように、順次、RA、RB、RCの領域を走査(描画)すると、チップTNの描画が終了する。
【0208】
(フローチャート(図56〜図59参照)の説明)
図56は実施例2のXYステージ移動制御のフローチャートであり、前記実施例1の図33に対応する図である。
図56のフローチャートは、前記図33のフローチャートのST51を省略し、且つST44、ST46、ST47の代わりにST44′、ST46′、ST47′の処理を行う点で前記図33のフローチャートと相違している。
図56のST44′において、XYテーブルU3のX軸移動テーブルSTxを10.2mm移動させる。すなわち、図48に示すチップTN(N=1,2,…)の描画基準位置(XN,YN)が、スリット#1(図17A参照)のシャッタ空間S1(図16参照)を通過する電子ビームの照射位置になっている状態から、チップTNをX方向に10.2mm移動させることになる。
【0209】
このとき、前記電子ビームのスリット#1(図17A参照)のシャッタ空間S1(図16参照)を通過する電子ビームのウエハW上の照射位置は、図48の描画領域RCのX端且つ右端(Y端)の位置1R0(XN,YN)(図48参照)から、図50の位置1R01に移動する。この位置からさらにウエハWを、X軸方向に2.5mm移動させると、前記電子ビームのウエハW上の照射位置は、図50の1R03で示す位置に移動する。
【0210】
ST46′のサブルーチンの処理は図57により後述する。
ST47′においてn≧30か否か判断する。図48に示す描画領域RA1のY軸方向の幅は0.5mmであり、前記幅0.5mmの描画をn(n=30)回実行することにより描画領域RAの全面積を描画することができる。
ST47′においてノー(N)の場合はST48′に移る。
ST48′においてY軸移動テーブルSTyを+0.5mm移動する。すなわち、描画領域Y軸方向に移動させる。
図56のフローチャートのその他のST(ステップ)の処理は前記図33の処理と同様である。
【0211】
図57は前記図56のST46′のサブルーチンであり前記実施例1の図34に対応する図である。
前記図56のST46′のサブルーチンを示す図57のフローチャートは、ST65′〜ST663が前記実施例1の図34と異なっている。
図57のST61においてX軸移動テーブルSTxを+2.5mm移動する。この最初の移動は前記図50の1R01から1R03への移動である。
次にST62においてシャッタ制御フラグFr=「1」とする。シャッタ制御フラグFrはウエハW上のチップの描画を行う位置(ビーム照射位置)に移動して描画開始が可能であることを示すフラグであり初期値はFr=「0」である。シャッタ制御フラグFr=「1」になると、シャッタ制御フロー(図58参照)が開始されて電子ビームのオン・オフによる描画が開始される。シャッタオン・オフ制御フローは、図58〜図60により後述する。
【0212】
ST63においてシャッタ制御フラグFrがFr=「0」になったか否か判断する。ノー(N)の場合はST63を繰り返し実行する。
すなわち、前記ST62においてシャッタ制御フラグFr=「1」とするとシャッタオン・オフ制御フローが開始され、ウエハ停止状態走査領域1RA0,1RA1,…(図50参照)の描画が開始されるが、そのウエハ停止状態走査領域1RA0,1RA1,…のうちの1つの領域の描画が終了するまではFr=「1」のままであり、ウエハ停止状態走査領域1RA0,1RA1,…のうちの1つの領域の描画が終了すると、シャッタオン・オフ制御フロー(図60のST99′参照)においてFr=「0」とされる。このため、ST63ではウエハ停止状態走査領域の描画が終了して、Fr=「0」となるのを待っているのである。すなわち、Fr=「0」となった場合、ウエハ停止状態走査領域の描画が終了したことを意味する。
【0213】
ST63においてイエス(Y)の場合はST64に移る。
ST64において、図50のウエハ停止状態走査領域1RA0〜1RA9をX軸方向に走査するために使用するカウンタのカウント値Q(Q=0〜9、初期値はQ=0)をQ=Q+1とする。Qの初期値は0であるので、前記図50のウエハ停止状態走査領域1RA01の描画が終了したときにはQ=Q+1=1となる。
なお前記図50において、最初に描画を行うウエハ停止状態走査領域は、1RA0であり、前記領域1RA0の次には0.5mmだけX軸移動用テーブルSTxを移動させて1RA1を走査し、その次には0.5mm×(−2)=−1.0mmだけX軸移動用テーブルSTxを移動させて1RA2を走査し、…、1RA8を走査し、その次には0.5mm×(−9)=−4.5mmだけX軸移動用テーブルSTxを移動させる必要がある。
【0214】
したがって、ST65′においてX軸移動テーブルSTxを0.5mm×Q×(−1)Q移動する。このとき、Q=1であれば、0.5mm×Q×(−1)Q=−0.5mmとなり、図50のウエハ停止状態走査領域1RA0の位置に1RA1が移動してくることになる。また、Q=2であれば、図50の1RA2が+1mm移動して図50の1RA0の位置に移動してくることになる。また、Q=9であれば、図50の1RA9が−4.5mm移動して図50Aの1RA0の位置に移動してくる。
次にST66′においてQ≧10か否か判断する。ノー(N)の場合は前記ST62に戻る。イエス(Y)の場合はST661に移る。
【0215】
ST661においてm=1か否か判断する。図56に示すようにmの初期値は0である。また、mの値0〜2は次の領域の走査時に対応している。
m=0:図48の領域RAの走査時
m=1:図48の領域RBの走査時
m=2:図48の領域RCの走査時
したがって、m=0、m=2のときはY軸移動テーブルSTyの移動方向は+(プラス)方向、m=1のときはY軸移動テーブルSTyの移動方向は−(マイナス)方向である。
ST661においてイエス(Y)の場合すなわちm=1の場合はY軸移動テーブルSTyを−0.5mm移動し、ノー(N)の場合すなわちm=0または2の場合はY軸移動テーブルSTyを+0.5mm移動する。
次にST67においてQ=0、n=n+1として、図56のST47′に移る。
【0216】
図58は実施例2のシャッタオン・オフ制御、ならびに、YおよびX偏向器制御のフローチャートで、前記実施例1の図35に対応する図である。図59は前記図58の続きのフローチャートである。図60は前記図59の続きのフローチャートである。
図58のフローチャートはST71′が前記図35のST71と異なる以外は前記図35のフローチャートと同一である。
図58のST71において次の処理を実行する。
(1)SWaをオンにする。
(2)切替スイッチSWb,SWcをビームオフ端子(シャッタオン端子)に接続する。
(3)第1Y偏向器駆動電圧Vyを、Vy=Vy0(ただし、Vy0=初期値)とする。
(4)X偏向器駆動電圧Wxを、Wx=Wx0(ただし、Wx0=初期値)とする。
(5)第2Y偏向器駆動電圧Uyを、Uy=Uy0(ただし、Uy0=初期値)とする。
(6)単位走査領域Xカウンタのカウント値qをq=0(初期値)とする(q=0〜5であり、q=5になるとq=0(0は初期値)とされる。図49参照)。
(7)単位走査領域Yカウンタのカウント値pをp=0(初期値)とする(p=0〜10であり、p=10になるとp=0(0は初期値)とされる。図49参照)。
【0217】
図59においてST91〜ST97の処理は前記図36のST91〜ST97と同様である。
図59のST971においてq=q+1とする。このST971はST79でP=10のとき、またはST96でP=20のときに実行する処理である。P=10またはP=20の場合は、単位走査領域S0の走査が終了したときであるので、単位走査領域Xカウンタの値qをカウントアップする必要がある。このため、ST971においてq=q+1とするのである。
図49において、p,qの値に対応して走査される1〜50で示す単位走査領域S0と、単位走査領域1〜50の走査時の前記第1Y偏向器駆動電圧Vy,X偏向器駆動電圧Vx,および第2Y偏向器駆動電圧Uyの関係は前記(A−1),(A−2)のとおりである。
【0218】
前記(A−1),(A−2)および図49から分かるように、q=4のときに5で示す単位走査領域S0を描画した次には、q=0となりこのときに6で示す単位走査領域S0を描画する必要がある。すなわち、q=4の次にq=q+1の式によりq=5なった場合にはq=0に置き換える必要がある。
したがって、図59のST972においてq≧5か否か判断する。ノー(N)の場合はST973に移る。
ST973においてタイマTM2はタイムアップしたか否か判断する。ノー(N)の場合はST973を繰り返し実行する。イエス(Y)の場合はST974に移る。
ST974において、次の処理を行う。
(1)Vy=Vy0(初期値)とする。
(2)Wx=Wx−q×w(−1)qとする。
次にST73に移る。
【0219】
前記ST972においてイエス(Y)の場合はST975に移る。
ST975において次の処理を行う。
(1)q=0とする。
(2)Uy=Uy+uとする。
次に図60のST976においてUy=Uy0+10uか否か判断する。ノー(N)の場合はST977に移る。
ST977においてタイマTM2はタイムアップしたか否か判断する。ノー(N)の場合はST977を繰り返し実行する。イエス(Y)の場合はST978に移る。
ST978において次の処理を行う。
(1)Vy=Vy0(初期値)とする。
(2)Wx=Wx0(初期値)とする。
【0220】
前記ST976においてイエス(Y)の場合はST98に移る。
ST98においてタイマTM2はタイムアップしたか否か判断する。ノー(N)の場合はST98を繰り返し実行する。イエス(Y)の場合はST99′に移る。
ST99′において次の処理を実行する。
(1)SWb,SWcをビームオフ端子(シャッタオン端子)に接続する。
(2)Fr=「0」とする。
(3)Vy=Vy0(初期値)とする。
(4)Wx=Wx0(初期値)とする。
(5)Uy=Uy0(初期値)とする。
次に前記図58のST72に戻る。
【0221】
(実施例3)
図61は実施例3の描画装置のウエハW上のチップの配置例および描画順序を示す図で、前記実施例2の図47に対応する図である。図62は同実施例3の1個のチップの描画順序の説明図で、前記実施例2の図48に対応する図である。図63はウエハ表面を荷電粒子ビームにより前記Y軸方向に前記ピッチaでm回走査したときに前記荷電粒子ビームが走査する面積である単位走査面積をS0としたとき、qおよびpを整数(q=5、P=10)とした場合に、前記単位走査面積S0の走査をq×p回実行して、前記単位走査面積S0をX軸方向にq個並べ且つY軸方向にp個並べた走査面積q×p×S0=qpS0=50S0のウエハ停止状態走査領域を走査する走査順序の説明図である。図64は各ウエハ停止状態走査領域の走査順序の説明図で、前記実施例2の図50に対応する図である。
【0222】
この実施例3は、ウエハWの描画順次(走査順次)が前記実施例2と異なる以外は実施例2と同様に構成されている。
図61、図62において、本実施例3では、前記実施例1,2のように複数のチップT1,T2,…を順次1個づつ描画するのではなく、複数のチップにまたがって描画を行う。
前記図62に示す1個のチップの領域RAは、図63、図64から分かるように、領域(1RA0〜1RA9),(2RA0〜2R9),…に分けられる。図63、図64に示す各領域1RA0,2RA0,3RA0等はそれぞれ、前記実施例2と同様に、q×p=50個の単位走査面積S0に分割される。そして、前記各領域1RA0,2RA0,3RA0を形成する50個の単位走査面積S0の走査順次は前記実施例2と同一である。
しかし、本実施例3では、図64から分かるように、領域RAの一番右上のウエハ停止状態走査領域1RA0から左方向2RA0,3RA0,…に順に走査を行う。前記各ウエハ停止状態走査領域1RA0,2RA0,…は、Y軸方向の長さが0.5mmであるため、30回の走査で1チップの左端まで描画が終了する。
【0223】
本実施例3では、図62、図61から分かるように、1チップの左端までの描画が終了したときに、さらに左方にチップが有る場合には左隣のチップの描画を続けて行う。そして、左側にチップが存在しない場合には、折り返して、X軸方向に0.5mm(ウエハ停止状態走査領域のX軸方向の長さ)だけ、ずれた位置を右側方向(Y方向)に描画を行う。
本実施例3の描画を行う場合、X軸方向のXYステージUの移動が非常に少なくなる。XYステージの移動が少なくなると、描画速度が向上する。
【0224】
図65は前記実施例1および実施例2に共通のフローチャートである図28の前記ST16においてイエス(Y)の場合の処理、すなわち、前記図30Aに示す第1選択画面において「(1)描画動作」が選択された場合の処理を示すフローチャートで、前記図31に対応する図である。
図65のフローチャートは、前記図31のST41を省略し、且つ、前記ST43の代わりにST43′を設けられている点で前記図31のフローチャートと相違している。
図65のフローチャートにおいて、前記図31のフローチャートのST41が省略されているのは、本実施例3では図61に示すようにチップ毎に描画を行わないからである。
図65のST43′において、各シャッタ基板114,115,117,118(図15参照)のスリット#1(図17A参照)のシャッタ空間S1000(図16参照)を通過する電子ビームの照射位置に、1番のチップT1(図19、図20参照)の描画基準位置(X1,Y1)(図62参照)を移動する。この移動はXYステージU3を移動させることにより行う。
【0225】
図66は実施例3のXYステージ移動制御のフローチャートであり、前記実施例2の図56に対応する図(実施例1の図33に対応する図)である。
図66のフローチャートは前記図56のフローチャートのST44′、ST47′〜ST54が省略されている。
図66のST45′においてn=0、m=0、Q=0とする。
nは、Y方向0.5mm幅走査回数カウンタの値であり、図64のY方向0.5mm幅の領域(1RA0,2RA0,…,30RA0)、(1RA1〜30RA1)、…、(1RA9〜30RA9)をそれぞれ30回づつ走査するための走査回数カウンタのカウント値である。
mはX方向5mm幅の描画回数(走査回数)カウンタの値であり、図62のX方向5mm幅の走査領域(描画領域)RA,RB,RCを走査するためのカウンタのカウント値である。前記走査領域RA(図62参照)を走査する間はm=0、前記走査領域RB(図62参照)を走査する間はm=1、前記走査領域RC(図62参照)を走査する間はm=2であり、m=3となるとm=0とされる。
【0226】
次にST46″において停止ウエハ走査領域を移動させるためのXYステージ移動処理を行う。この移動処理は図64に示すように、停止ウエハ走査領域1RA0をウエハを停止させた状態で荷電粒子ビームの偏向のみにより走査(描画)した後、ウエハW上の次の停止ウエハ走査領域2RA0を荷電粒子ビームの照射領域に移動させ、次に停止ウエハ走査領域3RA0、4RA0、…と順次停止ウエハ走査領域を移動させるための処理である。
【0227】
次にST55において電子銃をオフとする。
次にST56において描画を終了したウエハWのウエハIDと前記ウエハWを描画したパターン番号とをウエハ情報記憶装置に記憶する。
次に、ST57において第1選択画面の動作状態表示欄に「ウエハID=………のウエハの描画パターン番号………の描画終了」を表示する処理を行う。
次に前記ST1に戻る。このとき、ST1において第1選択画面が表示され且つその動作状態表示欄に「ウエハID=……のウエハの描画パターン番号……の描画終了」が表示される。
【0228】
図67は前記図66のST46″の停止ウエハ走査領域を移動させるためのXYステージ移動処理のサブルーチンを示す図である。
図67は前記図66のST46″のサブルーチンである。
図67のST61″においてXテーブルを−0.2mm移動させる。これは図63においてウエハ上のビーム照射位置が1R0から3R0に移動するように、XテーブルをX方向に−0.2mm移動させることを意味する。
【0229】
次にST62においてシャッタ制御フラグFr=「1」とする。シャッタ制御フラグFrはウエハW上のチップの描画を行う位置(ビーム照射位置)に移動して描画開始が可能であることを示すフラグであり初期値はFr=「0」である。シャッタ制御フラグFr=「1」になると、シャッタ制御フロー(図58〜図60参照)が開始されて電子ビームのオン・オフによる描画が行われる。
すなわち、この実施例3のシャッタ制御フローは、前記実施例2の図58〜図60に示す処理と同一である。
【0230】
ST63においてシャッタ制御フラグFrがFr=「0」になったか否か判断する。ノー(N)の場合はST63を繰り返し実行する。
すなわち、前記ST62においてシャッタ制御フラグFr=「1」とするとシャッタオン・オフ制御フロー(図58〜図60参照)が開始され、停止ウエハ走査領域jRAi(j=1〜30、i=0〜9)の描画が開始されるが、その1つの停止ウエハ走査領域jRAiの描画が終了するまではFr=「1」のままであり、1つの停止ウエハ走査領域jRAiの描画が終了すると、シャッタオン・オフ制御フローにおいてFr=「0」とされる。このため、ST63では1つの停止ウエハ走査領域jRAiの描画が終了して、Fr=「0」となるのを待っているのである。すなわち、Fr=「0」となった場合、1つの停止ウエハ走査領域jRAiの描画が終了したことを意味する。なお、最初に描画を行う停止ウエハ走査領域jRAiは1RA0(図63、ず64参照)である。
ST63においてイエス(Y)の場合はST64′に移る。
ST64′において、停止ウエハ走査領域jRAi(I=1〜50)(図18参照)を走査するために使用するカウンタのカウント値n(n=0〜29、初期値はn=0)をn=n+1とする。nの初期値は0であるので、前記停止ウエハ走査領域1RA0の描画が終了したときにはn=n+1=1となる。
【0231】
次にST66″にn≧30か否か判断する。ノー(N)の場合はST661′に移る。
ST661′においてQ=奇数か否か判断する。図64に示すようにQの初期値は0である。図64から分かるようにQ=奇数でない場合(Q=0,2,…,8の場合)は、ウエハWをY方向に移動させ、Q=奇数の場合はウエハWを−Y方向に移動させる。
すなわち、ST661′においてイエス(Y)の場合はST662に移る。
ST662においてYテーブルを−0.5mm移動させる。次に、前記ST62に戻る。
前記ST661′においてノー(N)の場合はST663に移る。
ST663においてYテーブルを+0.5mm移動させる。次に、前記ST62に戻る。
ST66″においてイエス(Y)の場合はST664に移る。このイエス(Y)の場合は、1個のチップの停止ウエハ走査領域jRAiのY方向の端部の走査が終了したことを意味する。この場合は、ST664においてn=0とする。
【0232】
図68は前記図67の続きのフローチャートを示す図である。
図68のST665においてQ=奇数か否か判断する。ノー(N)の場合はST666に移る。
ST666において、今、走査が終了した停止ウエハ走査領域jRAiの−Y側(左側)に他のチップが有るか否か判断する。イエス(Y)の場合はST667に移る。
ST667においてYテーブルを+1.5mm移動する。この移動の後で次のチップの走査(描画)を行うと、Y軸方向のチップ間の間隔が1mmとなる。
次に前記ST62に戻る。
前記ST666においてノー(N)の場合はST668に移る。前記ST666においてノー(N)の場合は、XYテーブルU3のY方向の移動を行う必要がないが、X軸方向の移動を行う必要がある。
ST668においてQ=Q+1とする。
次にST669においてXテーブルを−0.5mm移動する。
次に前記ST62に移る。
【0233】
前記ST665においてイエス(Y)の場合はST670に移る。
ST670において、今、走査が終了した停止ウエハ走査領域jRAiのY側(右側)に他のチップが有るか否か判断する。イエス(Y)の場合はST671に移る。
ST671において、Yテーブルを−1.5mm移動する。この移動の後で次のチップの走査(描画)を行うと、チップ間の間隔が1mmとなる。
次に前記ST62に戻る。
前記ST670においてノー(N)の場合はST672に移る。
ST672においてQ=Q+1とする。
次にST673においてQ≧10か否か判断する。ノー(N)の場合は前記ST669に移る。イエス(Y)の場合は、領域RA,RB,RC(図62参照)のいずれかの走査(描画)が終了したことを意味する。この場合、ST674に移る。
ST674において次の処理を行う。
(1)Q=0とする。
(2)m=m+1とする。
【0234】
次にST675においてm≧3か否か判断する。ノー(N)の場合は前記ST669に移る。イエス(Y)の場合はST676に移る。
ST676においてm=0とする。
次に、ST677において、今、走査が終了した停止ウエハ走査領域jRAiよりもX側に次に走査(描画)すべき他のチップが有るか否か判断する。チップが有る場合はX軸方向の移動を行う必要があり、チップが無い場合は走査(描画)は終了となる。
前記ST677においてイエス(Y)の場合はST678に移る。
ST678において次の処理を行う。
(1)Xテーブルを−1.5mm移動する。この移動の後で次のチップの走査(描画)を行うと、チップ間のX軸方向の間隔が1mmとなる。
(2)Yテーブルを右端(Y端)のチップの書込開始位置まで移動させる。
前記ST677においてノー(N)の場合は、走査終了(描画終了)となり、前記図66のST55に戻る。
【0235】
(変更例)
以上、本発明の実施例を詳述したが、本発明は、前記実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内で、種々の変更を行うことが可能である。本発明の変更実施例を下記に例示する。
(H01)図69は前記図16に示すスリット基板113、上側シャッタ基板114および下側シャッタ基板115の変更例の説明図である。図69において、上側シャッタ基板114および下側シャッタ基板115の隣接する各駆動電極(S1a,S3a,…,S2a,S4a,…)間には導電性の電界遮蔽部材114p,115pが設けられている。前記電界遮蔽部材114p,115pは、例えば導電性シリコンにより構成され、アースされている。また、前記各電界遮蔽部材114p,115pは前後一対の遮蔽板が設けられており、前記前後一対の遮蔽板により隣接するシャッタ空間と電気的な隔離が行われる。前記各遮蔽板と、隣接する各駆動電極(S1a,S3a,…,S2a,S4a,…との間は0.5〜1μm程度の間隔が設けられている。
【0236】
(H02)図70は前記図16に示すスリット基板113、上側シャッタ基板114および下側シャッタ基板115の他の変更例の説明図である。図70において、前記図16に示す上側シャッタ基板114および下側シャッタ基板115の代わりに1枚のシャッタ基板124が設けられている。
シャッタ基板124のシャッタスリット124sの各スリット部分により形成されるシャッタ空間S1,S2,S3,…,S1000にはそれぞれ駆動電極S1a,S2a,S3a,…,S1000aおよび対向電極S1b,S2b,S3b,…,S1000bが設けられている。この図70に示す変更例では、1枚のシャッタ基板124を用いて電子ビームのオン、オフを行うことができる。
【0237】
(H03)前記実施例3はXYステージのY軸方向の移動、停止を繰り返しながら複数のチップに跨がって連続描画を行う方法であるが、XYステージをY軸方向に連続移動させながら、複数のチップに跨がって描画を行うことも可能である。図71は2本のスリットを有するスリット基板を使用し、前記2本のスリットを通過するビームB1,B2を使用してXYステージ連続移動描画を行う場合の説明図である。
図71において、XYステージをY方向に連続移動させながら、最初にビームB1,B2により描画ラインL4,L1を描画する。次に描画ラインL6,L3がビームB1,B2により描画される位置に移動するまでは電子ビームを遮断する。前記描画ラインL6,L3がビームB1,B2により描画される位置に移動したときに電子ビームB1,B2を照射して描画を行う。このような走査(描画)を連続して行うことにより、描画ラインL1,L2,L3,…を重複することなく、順次走査(描画)することができる。
【0238】
なお、この変更例では前記描画ラインL4,L1を描画してから、XYステージの移動により次の描画ラインL6,L3がビームB1,B2により描画される位置に移動するまでは電子ビームを遮断しているが、前記XYステージの移動により次の描画ラインL6,L3がビームB1,B2により描画される位置に移動するまでの間、XYステージの移動速度と同じ移動速度で且つ逆向きにビームを偏向して描画ラインL4,L1を描画し続けることが可能である。そして、前記XYステージの移動により次の描画ラインL6,L3がビームB1,B2により描画される位置に移動してきた時に瞬間的にビームの照射位置を次の描画ラインL6,L3に移動させることができる。
その場合、XYステージを高速に移動させても、各描画ラインへのビーム照射量を十分多くすることができるので、描画時間を短縮することが可能である。
前記説明は、前記ビーム本数(すなわち、スリット数)bがb=2、前記ライン間隔dがd=3の場合についての説明であるが、一般に、bとdとが互いに素であれば、XYステージをY軸方向に連続移動させながら、描画ラインL1,L2,L3,…を重複することなく、複数のチップに跨がって描画を行うことが可能である。
【0239】
(H04)シャッタ基板の複数の各スリットに沿って形成される複数のシャッタ空間S1,S2,S3,S4,…を奇数番目のシャッタ空間S1,S3,…および偶数番目のシャッタ空間S2,S4,…に2分割する代わりに、3分割または4分割することが可能である。
3分割した場合はシャッタ空間S1,S2,S3,S4,…を、第1群シャッタ空間(S1,S4,…,S3i+1,…、i=1,2,…)、第2群シャッタ空間(S2,S5,S3i+2,…、i=1,2,…)、第3群シャッタ空間(S3,S6,…,S3i,…、i=1,2,…)に分割し、各群毎に異なるシャッタ基板(上側シャッタ基板114、下側シャッタ基板115、およびそれらの間に配置した中間シャッタ基板等)を使用して、各シャッタ空間S1,S2,S3,S4,…を通過する電子ビームのオン・オフ制御を行うことが可能である。
また、前記シャッタ空間S1,S2,S3,S4,…を4分割以上に分割することも可能である。
【0240】
(H05)シャッタ基板に形成するスリット数は50以外の数とすることが可能であり、スリット間隔もスリット幅9本分とする代わりに4本分、19本等他の任意の数とすることが可能である。また、スリット幅は10μmとする代わりに5μm、20μm等任意の幅とすることが可能である。また、スリット長さも10mmとする代わりに20mmまたは5mm等任意の長さに設定することが可能である。
(H06)前記実施例のシールド基板を冷却装置を設けたり、複数のシールド基板を交換可能に配置することが可能である。
(H07)シールド基板を使用せずに、スリット基板をシールド基板として使用することが可能である。
(H08)フィルタ基板116の下方のフィルタシャッタ基板117,118および遮蔽板119は省略可能である。
【0241】
(H09)本発明は電子ビームおよびイオンビーム等の荷電粒子ビームを用いる荷電粒子ビーム描画装置に適用することが可能である。
(H010)前記スリット基板113の荷電粒子ビーム通過用の平行な複数のスリット113Sの両側に帯状のビーム遮断駆動電極および対向電極を設け、且つ、前記帯状のビーム遮断駆動電極および対向電極間に電圧を印加する状態および印加しない状態との間で切替可能なビーム遮断電圧印加回路を設けることが可能である。
(H011)前記外壁1の上部を形成する上壁部2に前記描画鏡筒56と並べて第2の描画鏡筒を設けることが可能である。また、さらに第3,第4の小型の描画鏡筒を設けることも可能である。その場合、生産量の増加、故障対策の強化が図れる。
【0242】
(H012)前記実施例2、3において、第1Y偏向器駆動電圧Vyの値を、初期値V0に+vを順次加算して、V0,(V0+v),(V0+2v),…,(V0+9v)により走査(描画)を行っているが、第1Y偏向器F18aの特性により前記+vづつ増加する走査では良好な走査(描画)が不可能な場合には、前記第1Y偏向器駆動電圧Vyの値を、予め設定したV0,V1,V2,…,V9として走査(描画)することが可能である。また、X偏向器駆動電圧Wxおよび第2Y偏向器駆動電圧Uyについても同様である。
(H013)前記各実施例1〜3において使用する偏向器は、偏向器F17,F18,F18a,F18bの代わりに偏向電極を使用することが可能である。
【0243】
(H014)電子線描画では、描画速度と精度の向上のために、感光レジストの感度向上、近接効果の防止(レジストに照射された電子が近くの照射対称外レジストまで干渉、感光させる現象の防止)の改善が進められているが、改善が進過程では弱い電子ビームを同一描画位置へ複数回照射して初期の精度を得る手法が有る。本発明でも、前記手法をレジストの性能に応じて可能とする、電子ビームの強度、照射時間、複数回照射の制御機構を設置することが可能である。
【0244】
【発明の効果】
前述の本発明の描画装置は、下記の効果を奏することができる。
(E01)シャッタ基板上に1本のライン方向に沿って、荷電粒子ビームオン・オフ用の複数のシャッタ空間を隙間無く配置することができる。
(E02)前記1本のライン方向に配置された複数のシャッタのオン・オフにより1度にウエハ表面の1ライン分の領域を隙間無く描画することができる。
(E03)シャッタ基板の一定の面積(荷電粒子ビームにより照射される一定の面積)内に荷電粒子ビームオン・オフ用のシャッタ空間を多数配置することができる。
(E04)前記多数のシャッタを同時にオン・オフして非常に多数の荷電粒子ビームにより同時にウエハ表面の描画を行うことができる。
(E05)シャッタ基板の複数の各スリットに沿って形成される複数のシャッタ空間を複数の群に分割して各群毎に異なるシャッタ基板を使用し且つ前記異なるシャッタ基板を重ねて配置することが可能である。その場合、各スリットに沿ってそれぞれ形成される複数の全シャッタ空間に対して、電子ビームのオン・オフ制御を行うことができるので、1本のライン方向に配置された複数のシャッタのオン・オフにより1度にウエハ表面の1ライン分の全領域の描画を行うことができる。
したがって、従来方式のようにアパーチャを1本のライン方向に並べて形成した場合には、隣接するアパーチャの間の空間は荷電粒子ビームが通過できないので、アパーチャを2本以上のライン方向に並べてウエハ表面の1ライン分の全領域の描画を行う方式に比べて、描画用の荷電粒子ビーム数を増加させることが容易である。
(E06)荷電粒子ビームオン・オフ用の複数のシャッタの数が非常に多くなっても、前記多数のシャッタを同時にオン・オフして非常に多数の荷電粒子ビームにより同時にウエハ表面の描画を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は本発明の描画装置の一実施例の全体説明図である。
【図2】 図2は同実施例の全体斜視図である。
【図3】 図3は同実施例の部分平面図である。
【図4】 図4は真空試料室(真空作業室)内に配置されたXYテーブルに支持された回転テーブルの昇降ロッドの説明図で、前記図3のIV−IV線断面図である。
【図5】 図5は前記図4の要部拡大図である。
【図6】 図6は前記図5の回転テーブル上に載置された試料Wの位置決め機構の説明図で、回転テーブルが前記図5とは異なる位置に回転したときの断面図である。
【図7】 図7は前記検査用電子顕微鏡U2の前記上壁部2への取付構造を示す図である。
【図8】 図8は描画装置用制御装置Cに接続された検査用電子顕微鏡U2の構成要素のブロック線図である。
【図9】 図9は描画装置用制御装置に接続された電子ビーム描画装置U1の構成要素のブロック線図である。
【図10】 図10は本実施例1の電子ビーム描画装置U1の描画鏡筒56に装着されたシャッタホルダおよびそれを保持するゴニオステージGSの全体図である。
【図11】 図11は前記図10に示すシャッタホルダの説明図で、図11Aは平面図、図11Bは前記図11AのXIB−XIB線断面図、図11Cは前記図11Bの矢印XICで示す部分の拡大図である。
【図12】 図12は前記図11のシャッタホルダの先端部分の拡大説明図で、図12Aは平面図であり前記図11Aの矢印XIIAで示す部分の拡大説明図、図12Bは前記図12AのXIIB−XIIB線断面図、図12Cは前記図12Bの矢印XIICで示した部分の拡大図である。
【図13】 図13は前記図12のシャッタホルダの内端部分の斜視図である。
【図14】図14は前記図13の要部断面図である。
【図15】 図15は前記図9の要部拡大説明図であり、図15Aは前記図9の矢印XIVから見た図、図15Bは前記図9の要部拡大図である。
【図16】 図16はスリット基板113、上側シャッタ基板114および下側シャッタ基板115の斜視図である。
【図17】 図17は前記図16に示す上側シャッタ基板114のスリット形状と前記上側シャッタ基板114を使用して描画したウエハW上の描画面積との関係の説明図で、図17Aは上側シャッタ基板114を示す図、図17Bは前記上側シャッタ基板114に対するビームの照射位置をY軸方向に10μmづつずらせながら連続10回の描画を行ったときのウエハW上の描画面積を示す図である。
【図18】 図18は前記図17Bの描画領域(10回の走査で描画される領域)をX軸方向に50並べた場合の描画領域を示す。
【図19】 図19はウエハW上に形成された1チップのサイズが15mm×15mmの場合の1チップの描画順序の拡大説明図である。
【図20】 図20はウエハW上のチップの配置例を示す図である。
【図21】 図21は本発明の実施例の制御部の説明図で、シャッタ駆動回路を制御する描画用コントローラの説明図である。
【図22】 図22は本発明の実施例の制御部の説明図で、描画装置用制御装置Cに接続されている部材を示す図である。
【図23】 図23は前記描画用コントローラC1により制御される上側シャッタ基板114に形成されるシャッタ駆動回路(TFT駆動回路)の説明図である。
【図24】 図24は描画動作時における前記上側シャッタ基板114の、電源スイッチSWa、切替スイッチSWb,SWc、切替スイッチSW1〜SW3、シャッタ駆動メモリME0、シャッタ駆動スイッチSW0、シャッタ駆動信号一時記憶メモリME1〜ME4の動作または状態を示すタイムチャートである。
【図25】 図25は前記図24の続きのタイムチャートである。
【図26】 図26は前記図25の続きのタイムチャートである。
【図27】 図27は前記第1〜第4シャッタ駆動信号一時記憶メモリME1〜ME4のシャッタ駆動データ(シャッタオン・オフデータ)記憶動作時のタイムチャートである。
【図28】 図28は本発明の描画装置用制御装置Cの描画用コントローラC1のフローチャートの説明図である。
【図29】 図29は前記図28のST3でイエス(Y)の場合の処理を示すフローチャートである。
【図30】 図30は表示画面の説明図で、図30AはST1で表示される画面、図30BはST21で表示される画面である。
【図31】 図31は前記ST16においてイエス(Y)の場合の処理、すなわち、前記第1選択画面において「(1)描画動作」が選択された場合の処理を示すフローチャートである。
【図32】 図32はST33で表示される画面である。
【図33】 図33は前記図31のST43の続きのフローチャートである。
【図34】 図34は前記図33のST46のサブルーチンである。
【図35】 図35はシャッタオン・オフ制御のフローチャートである。
【図36】 図36はラッチパルスLCHの出力処理フローである。
【図37】 図37はシャッタ駆動データ(シャッタオン・オフデータ)JAi,JBi,JCi,JDi(J=1,2,…、i=1,2,…)の伝送開始処理のフローチャートである。
【図38】 図38はシャッタ駆動信号一時記憶メモリME1〜ME4へのデータ伝送停止処理のフローチャートである。
【図39】 図39は前記実施例1の図23に示した上側シャッタ基板の変更例1の説明図である。
【図40】 図40は描画動作時における前記図39の上側シャッタ基板114の、電源スイッチSWa、切替スイッチSWb,SWc、切替スイッチSW1〜SW3、シャッタ駆動スイッチSW0、シャッタ駆動信号一時記憶メモリME1〜ME4の動作または状態を示すタイムチャートである。
【図41】 図41はシャッタオン・オフ制御のフローチャートである。この制御は前記図35に対応するフローチャートである。
【図42】 図42は前記図41の続きのフローチャートであり、前記図36に対応する図である。
【図43】 図43は前記実施例1の図23に示した上側シャッタ基板の変更例2の説明図である。
【図44】 図44は前記実施例1の図23に示した上側シャッタ基板の変更例3の説明図である。
【図45】 図45は前記実施例1の図23に示した上側シャッタ基板の変更例4の説明図である。
【図46】 図46は本発明の描画装置の実施例2の要部説明図で、前記実施例1の図9に対応する図である。
【図47】 図47は同実施例2のウエハ上のチップの描画順序の説明図で前記実施例1の図20に対応する図である。
【図48】 図48はウエハW上に形成された1チップのサイズが15mm×15mmの場合の1チップの描画順序の拡大説明図で、前記実施例1の図19に対応する図である。
【図49】 図49は前記ウエハ表面を荷電粒子ビームにより前記Y軸方向に前記ピッチaでm回走査したときに前記荷電粒子ビームが走査する面積である単位走査面積をS0としたとき、qおよびpを整数(q=5、P=10)とした場合に、前記単位走査面積S0の走査をq×p回実行して、前記単位走査面積S0をX軸方向にq個並べ且つY軸方向にp個並べた走査面積q×p×S0=qpS0=50S0のウエハ停止状態走査領域を走査する走査順序の説明図である。
【図50】 図50は前記図48の3分割した領域のうちの1つの領域の走査順序の説明図で、前記実施例1の図18に対応する図である。
【図51】 図51は本発明の実施例2の制御部の説明図で、シャッタ駆動回路を制御する描画装置用制御装置の説明図であり、前記実施例1の図21に対応する図である。
【図52】 図52は本発明の実施例2の制御部の説明図で、描画装置用制御装置に接続されている部材を示す図であり、前記実施例1の図22に対応する図である。
【図53】 図53は描画動作時における前記上側シャッタ基板114の、電源スイッチSWa、切替スイッチSWb,SWc、切替スイッチSW1〜SW3、シャッタ駆動メモリME0、シャッタ駆動スイッチSW0、シャッタ駆動信号一時記憶メモリME1〜ME4の動作または状態を示すタイムチャートであり、前記実施例1の図24に対応する図である。
【図54】 図54は前記図53の続きのタイムチャートである。
【図55】 図55は前記図54の続きのタイムチャートである。
【図56】 図56は実施例2のXYステージ移動制御のフローチャートであり、前記実施例1の図33に対応する図である。
【図57】 図57は前記図56のST46′のサブルーチンであり前記実施例1の図34に対応する図である。
【図58】 図58は実施例2のシャッタオン・オフ制御、ならびに、YおよびX偏向器制御のフローチャートで、前記実施例1の図35に対応する図である。
【図59】 図59は前記図58の続きのフローチャートである。
【図60】 図60は前記図59の続きのフローチャートである。
【図61】 図61は実施例3の描画装置のウエハW上のチップの配置例および描画順序を示す図で、前記実施例2の図47に対応する図である。
【図62】 図62は同実施例3の1個のチップの描画順序の説明図で、前記実施例2の図48に対応する図である。
【図63】 図63はウエハ表面を荷電粒子ビームにより前記Y軸方向に前記ピッチaでm回走査したときに前記荷電粒子ビームが走査する面積である単位走査面積をS0としたとき、qおよびpを整数(q=5、P=10)とした場合に、前記単位走査面積S0の走査をq×p回実行して、前記単位走査面積S0をX軸方向にq個並べ且つY軸方向にp個並べた走査面積q×p×S0=qpS0=50S0のウエハ停止状態走査領域を走査する走査順序の説明図である。
【図64】 図64は各ウエハ停止状態走査領域の走査順序の説明図で、前記実施例2の図50に対応する図である。
【図65】 図65は前記実施例1および実施例2に共通のフローチャートである図28の前記ST16においてイエス(Y)の場合の処理、すなわち、前記図30Aに示す第1選択画面において「(1)描画動作」が選択された場合の処理を示すフローチャートで、前記図31に対応する図である。
【図66】 図66は実施例3のXYステージ移動制御のフローチャートであり、前記実施例2の図56に対応する図(実施例1の図33に対応する図)である。
【図67】 図67は前記図66のST46″の停止ウエハ走査領域を移動させるためのXYステージ移動処理のサブルーチンを示す図である。
【図68】 図68は前記図67の続きのフローチャートを示す図である。
【図69】 図69は図69は前記図16に示すスリット基板113、上側シャッタ基板114および下側シャッタ基板115の変更例の説明図である。
【図70】 図70は図70は前記図16に示すスリット基板113、上側シャッタ基板114および下側シャッタ基板115の他の変更例の説明図である。
【図71】 図71は2本のスリットを有するスリット基板を使用し、前記2本のスリットを通過するビームB1,B2を使用してXYステージ連続移動描画を行う場合の説明図である。
【符号の説明】
A…真空室、E17…X偏向器駆動回路、E18…Y偏向器駆動回路、E18a…第1Y偏向器駆動回路(第1Y偏向器駆動回路)、E18b…第2Y偏向器駆動回路(第2Y偏向器駆動回路)、Eb…電源、F1…荷電粒子銃、F12…荷電粒子銃、F15…荷電粒子ビーム平行化レンズ、F17…X偏向器、F18…Y偏向器、F18a…第1Y偏向器(第1Y偏向器)、F18b…第2Y偏向器(第2Y偏向器)、ME0…シャッタ駆動メモリ、ME1〜ME4…シャッタ駆動信号一時記憶メモリ、PL1…シールドプレート、SW0…シャッタ駆動スイッチ、SWb,SWc…切替スイッチ、U3…XYステージ、W…ウエハ、
1…外壁、2…上壁部、47…検査用鏡筒、56…描画鏡筒、91…シールド基板位置調節用圧電体、112…シールド基板、112S…シールド基板用スリット、113…スリット基板、113S,114S,115S,116S…スリット、114…上側シャッタ基板、115…下側シャッタ基板、116…フィルタ基板、116S…フィルタスリット、
C1A…オン・オフ信号書込並行処理手段、
C1B…シャッタ制御手段、
C1B1…シャッタ駆動信号一時記憶メモリ選択手段、
C1C…全描画ビーム遮断信号出力手段、
C1D…停止ウエハ走査制御手段、
C1D1…スリット幅ピッチ走査用制御手段、
C1D2…Y軸方向ビーム位置制御手段、
C1D3…X軸方向ビーム位置制御手段、
C1E…XYステージ制御手段、
C1E1…停止ウエハ走査領域移動用XYステージ制御手段、
(69,74〜93,PL1)…シールド基板移動装置、
(Dx+Mx)…X軸方向ステージ駆動装置、
(Dy+My)…Y軸方向ステージ駆動装置、
(E+SW0〜SW3+SWa〜SWc)…シャッタ駆動回路
(Eb,SWb,SWc)…全描画ビーム偏向装置、
(F16,F19)…ビーム縮小レンズ、
(F17,F18)…偏向器(偏向器)、
(S1,S3,…;S2,S4,…)…シャッタ空間、
(S1a,S3a,…,S999a)…上側シャッタ駆動電極、
(S1b,S3b,…,S999b)…上側シャッタ対向電極、
(S1a,S1b,S3a,S3b,…)…上側シャッタ電極、
(S2a,S4a,…,S1000a)…下側シャッタ駆動電極、
(S2b,S4b,…,S1000b)…下側シャッタ対向電極、
(S2a,S2b,S4a,S4b,…)…下側シャッタ電極。

Claims (22)

  1. 下記の要件(A01)〜(A 013 を備えたことを特徴とする描画装置、
    (A01)XYステージを収容する真空室を形成する外壁、
    (A02)前記外壁の上部を形成する上壁部に装着され且つ下方に向かう荷電粒子ビームを出射する荷電粒子銃が上部に配置された描画鏡筒、
    (A03)前記荷電粒子ビームの通路に配置され、所定の間隔で形成された荷電粒子ビーム通過用の平行な複数のシャッタスリットが形成されたシャッタ基板、
    (A04)前記各シャッタスリットをその長手方向に沿って所定間隔で区分した各スリット部分により形成され且つ前記荷電粒子ビームを直進または偏向させる各シャッタ空間に対応して、前記各シャッタ空間を形成する一方の側縁に形成されたシャッタ駆動電極および他方の側縁に形成されたシャッタ対向電極を有するシャッタ電極、
    (A05)前記シャッタ空間を前記荷電粒子ビームが直進して前記ウエハを照射するビームオンの状態にするシャッタオフの状態と、前記シャッタ空間を通過する際荷電粒子ビームが偏向して前記ウエハを照射しないビームオフの状態にするシャッタオンの状態とを切替えるため、前記各シャッタ駆動電極を駆動するシャッタ駆動回路、
    (A06)前記シャッタ基板の下方に配置されたフィルタ基板であって、前記シャッタ基板の複数の各スリットに対応してフィルタスリットが形成されたフィルタ基板、
    (A07)前記フィルタ基板の下方に配置されて荷電粒子ビームの径を縮小するビーム縮小レンズ、および荷電粒子ビームの光軸に垂直な平面内で前記スリットの延びる方向およびそれに垂直な方向に設定されたX軸およびY軸それぞれの軸方向に前記荷電粒子ビームを偏向させるX偏向器およびY偏向器、
    (A08)前記X偏向器を駆動するX偏向器駆動回路、および前記Y偏向器を駆動するY偏向器駆動回路、
    (A09)前記ビーム縮小レンズおよび前記偏向器の下方に配置され且つ前記X軸方向およびY軸方向にそれぞれ独立して平行移動可能なXYステージ、
    (A010)前記XYステージをX軸方向に移動させるX軸方向ステージ駆動装置、およびY軸方向に移動させるY軸方向ステージ駆動装置
    (A 011 )所定の間隔で形成された荷電粒子ビーム通過用の平行な複数の上側シャッタスリットが形成された上側シャッタ基板およびその下側に配置され且つ前記上側シャッタスリットと上下に重なる位置に下側シャッタスリットが形成された下側シャッタ基板を有する前記シャッタ基板、
    (A 012 )前記上側シャッタスリットに形成されるシャッタ空間のうちの1つ置きに選択したシャッタ空間に対応して形成された上側シャッタ駆動電極および前記下側シャッタスリットに形成されるシャッタ空間のうちの1つ置きに選択し且つ前記上側シャッタスリットで選択されなかったシャッタ空間に対応して形成された下側シャッタ駆動電極を有する前記シャッタ駆動電極、
    (A 013 )前記上側シャッタスリットの他方の側縁に前記上側シャッタ駆動電極に対向して形成される上側シャッタ対向電極および前記下側シャッタスリットの他方の側縁に前記下側シャッタ駆動電極に対向して形成される下側シャッタ対向電極を有する前記シャッタ対向電極。
  2. 下記の要件(A01)〜(A010)、(A014)を備えたことを特徴とする描画装置、
    (A01)XYステージを収容する真空室を形成する外壁、
    (A02)前記外壁の上部を形成する上壁部に装着され且つ下方に向かう荷電粒子ビームを出射する荷電粒子銃が上部に配置された描画鏡筒、
    (A03)前記荷電粒子ビームの通路に配置され、所定の間隔で形成された荷電粒子ビーム通過用の平行な複数のシャッタスリットが形成されたシャッタ基板、
    (A04)前記各シャッタスリットをその長手方向に沿って所定間隔で区分した各スリット部分により形成され且つ前記荷電粒子ビームを直進または偏向させる各シャッタ空間に対応して、前記各シャッタ空間を形成する一方の側縁に形成されたシャッタ駆動電極および他方の側縁に形成されたシャッタ対向電極を有するシャッタ電極、
    (A05)前記シャッタ空間を前記荷電粒子ビームが直進して前記ウエハを照射するビームオンの状態にするシャッタオフの状態と、前記シャッタ空間を通過する際荷電粒子ビームが偏向して前記ウエハを照射しないビームオフの状態にするシャッタオンの状態とを切替えるため、前記各シャッタ駆動電極を駆動するシャッタ駆動回路、
    (A06)前記シャッタ基板の下方に配置されたフィルタ基板であって、前記シャッタ基板の複数の各スリットに対応してフィルタスリットが形成されたフィルタ基板、
    (A07)前記フィルタ基板の下方に配置されて荷電粒子ビームの径を縮小するビーム縮小レンズ、および荷電粒子ビームの光軸に垂直な平面内で前記スリットの延びる方向およびそれに垂直な方向に設定されたX軸およびY軸それぞれの軸方向に前記荷電粒子ビームを偏向させるX偏向器およびY偏向器、
    (A08)前記X偏向器を駆動するX偏向器駆動回路、および前記Y偏向器を駆動するY偏向器駆動回路、
    (A09)前記ビーム縮小レンズおよび前記偏向器の下方に配置され且つ前記X軸方向およびY軸方向にそれぞれ独立して平行移動可能なXYステージ、
    (A010)前記XYステージをX軸方向に移動させるX軸方向ステージ駆動装置、およびY軸方向に移動させるY軸方向ステージ駆動装置
    (A 014 )前記各シャッタ空間の境界に配置されて、隣接する各シャッタ空間の間で電界が発生するのを防止する電界遮蔽部材。
  3. 下記の要件(A01)〜(A010)、(A 030 を備えたことを特徴とする描画装置、
    (A01)XYステージを収容する真空室を形成する外壁、
    (A02)前記外壁の上部を形成する上壁部に装着され且つ下方に向かう荷電粒子ビームを出射する荷電粒子銃が上部に配置された描画鏡筒、
    (A03)前記荷電粒子ビームの通路に配置され、所定の間隔で形成された荷電粒子ビーム通過用の平行な複数のシャッタスリットが形成されたシャッタ基板、
    (A04)前記各シャッタスリットをその長手方向に沿って所定間隔で区分した各スリット部分により形成され且つ前記荷電粒子ビームを直進または偏向させる各シャッタ空間に対応して、前記各シャッタ空間を形成する一方の側縁に形成されたシャッタ駆動電極および他方の側縁に形成されたシャッタ対向電極を有するシャッタ電極、
    (A05)前記シャッタ空間を前記荷電粒子ビームが直進して前記ウエハを照射するビームオンの状態にするシャッタオフの状態と、前記シャッタ空間を通過する際荷電粒子ビームが偏向して前記ウエハを照射しないビームオフの状態にするシャッタオンの状態とを切替えるため、前記各シャッタ駆動電極を駆動するシャッタ駆動回路、
    (A06)前記シャッタ基板の下方に配置されたフィルタ基板であって、前記シャッタ基板の複数の各スリットに対応してフィルタスリットが形成されたフィルタ基板、
    (A07)前記フィルタ基板の下方に配置されて荷電粒子ビームの径を縮小するビーム縮小レンズ、および荷電粒子ビームの光軸に垂直な平面内で前記スリットの延びる方向およびそれに垂直な方向に設定されたX軸およびY軸それぞれの軸方向に前記荷電粒子ビームを偏向させるX偏向器およびY偏向器、
    (A08)前記X偏向器を駆動するX偏向器駆動回路、および前記Y偏向器を駆動するY偏向器駆動回路、
    (A09)前記ビーム縮小レンズおよび前記偏向器の下方に配置され且つ前記X軸方向およびY軸方向にそれぞれ独立して平行移動可能なXYステージ、
    (A010)前記XYステージをX軸方向に移動させるX軸方向ステージ駆動装置、およびY軸方向に移動させるY軸方向ステージ駆動装置
    (A 030 )前記荷電粒子ビームの通路で且つ前記シャッタ基板の上方に配置されるとともに、前記シャッタ基板の複数の各シャッタスリットに対応してシールド基板用スリットが形成されたシールド基板。
  4. 下記の要件(A015)を備えたことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか記載の描画装置、
    (A015)前記荷電粒子ビームの通路で且つ前記シャッタ基板の上方に配置され、前記シャッタ基板の各シャッタスリットに対応して前記所定の間隔で形成された荷電粒子ビーム通過用の平行な複数のスリットを有するスリット基板。
  5. 下記の要件(A016)を備えたことを特徴とする請求項1ないし4のいずれか記載の描画装置、
    (A016)前記荷電粒子銃の下方で且つ前記シャッタ基板の上方に配置され、前記荷電粒子銃から出射される荷電粒子ビームを平行化する荷電粒子ビーム平行化レンズ。
  6. 下記の要件(A017)〜(A020)を備えたことを特徴とする請求項1ないし5のいずれか記載の描画装置、
    (A017)前記各スリットの幅をA、前記各シャッタ空間の面積をA×A、m,nおよびkを正の整数としたとき、スリット数がn、スリット間隔が(m−1)A、前記各スリットに形成されるシャッタ空間数がkとなるように構成された前記シャッタ基板、
    (A018)前記面積A×Aの各シャッタ空間を通過した各荷電粒子ビームの前記XYステージ上に支持されたウエハを照射する照射面積がa×aとなるようにビーム縮小倍率がa/Aに設定された前記ビーム縮小レンズ、
    (A019)停止状態の前記ウエハ上で前記荷電粒子ビームを前記スリットに垂直なY軸方向に前記スリット幅Aに対応するスリット幅ピッチaで走査させるように前記Y偏向器駆動回路を制御するスリット幅ピッチ走査用制御手段を有する停止ウエハ走査制御手段、
    (A020)前記荷電粒子ビームのピッチaの走査にタイミングを合わせて、前記シャッタのオン・オフ状態を切り換えるように前記シャッタ駆動回路を制御するシャッタ制御手段。
  7. 下記の要件(A021)を備えたことを特徴とする請求項6記載の描画装置、
    (A021)qを整数とした場合に、前記ウエハ上の前記荷電粒子ビームの照射位置を前記スリットに平行なX軸方向にピッチakqで移動させるように前記X偏向器駆動回路を制御するX軸方向ビーム位置制御手段。
  8. 下記の要件(A022),(A023)を備えたことを特徴とする請求項6または7記載の描画装置、
    (A022)前記ウエハ表面を荷電粒子ビームにより前記Y軸方向に前記ピッチaでm回走査したときに前記荷電粒子ビームが走査する面積である単位走査面積S0をS0=(走査面積S0のX軸方向の長さ)×(走査面積S0のY軸方向の長さ)=(a×m×n)×(a×k)=amn×akとし、且つ、qおよびpを整数とした場合に、前記単位走査面積S0の走査をq×p回実行して、前記単位走査面積S0をX軸方向にq個並べ且つY軸方向にp個並べた走査面積q×p×S0=qpS0を、前記ウエハが停止した状態で前記荷電粒子ビームの走査のみによって走査するように、前記Y偏向器駆動回路および前記X偏向器駆動回路を制御する停止ウエハ走査制御手段(C1D)、
    (A023)前記ウエハが停止した状態で前記荷電粒子ビームにより走査されるウエハ表面の前記走査面積qpS0であるウエハ停止状態走査領域qpS0の走査を前記停止ウエハ走査制御手段(C1D)が終了する毎に、次のウエハ停止状態走査領域qpS0の走査を実行可能な位置に、ウエハおよび前記ウエハを支持する前記XYステージを、移動させるXYステージ制御手段。
  9. 下記の要件(A024)〜(A026)を備えたことを特徴とする請求項7または8記載の描画装置、
    (A024)前記荷電粒子ビームをY軸方向にピッチaで偏向させる第1Y偏向器およびピッチa×m×nで偏向させる第2Y偏向器を有する前記Y偏向器、
    (A025)前記第1Y偏向器および第2Y偏向器をそれぞれ駆動する第1Y偏向器駆動回路および第2Y偏向器駆動回路を有する前記Y偏向器駆動回路、
    (A026)前記ウエハ上で前記荷電粒子ビームを前記スリットに垂直なY軸方向にピッチaで走査させるように前記第1Y偏向器駆動回路を制御する前記スリット幅ピッチ走査用制御手段、前記ウエハ上で前記荷電粒子ビームを前記スリットに垂直なY軸方向にピッチa×m×nで移動させるように前記第2Y偏向器駆動回路を制御するY軸方向ビーム位置制御手段、および、前記ウエハ上で前記荷電粒子ビームを前記スリットに平行なX軸方向にピッチa×kで移動させるように前記X偏向器駆動回路を制御するX軸方向ビーム位置制御手段を有する前記停止ウエハ走査制御手段。
  10. 下記の要件(A027)を備えたことを特徴とする請求項1記載の描画装置、
    (A027)1枚のシャッタ基板の上面および下面に形成された前記上側シャッタ電極および前記下側シャッタ電極。
  11. 下記の要件(A028),(A029)を備えたことを特徴とする請求項1記載の描画装置、
    (A028)上側シャッタ基板および下側シャッタ基板を有する前記シャッタ基板、
    (A029)前記上側シャッタ基板に形成された前記上側シャッタ電極および前記下側シャッタ基板に形成された前記下側シャッタ電極。
  12. 下記の要件(A030)を備えたことを特徴とする請求項1または2記載の描画装置、
    (A030)前記荷電粒子ビームの通路で且つ前記シャッタ基板の上方に配置されるとともに、前記シャッタ基板の複数の各シャッタスリットに対応してシールド基板用スリットが形成されたシールド基板。
  13. 下記の要件(A031),(A032)を備えたことを特徴とする請求項3または12記載の描画装置、
    (A031)前記シールド基板を複数個支持するシールドプレート。
    (A032)前記各シールド基板のスリットがその下方のシャッタ基板のシャッタスリットに対応する使用位置に順次移動するように、前記シールドプレートを移動させるシールド基板移動装置。
  14. 下記の要件(A033)を備えたことを特徴とする請求項13記載の描画装置、
    (A033)前記使用位置に移動した前記各シールド基板の前記スリットに垂直な方向の位置を微調節するシールド基板位置調節用圧電体。
  15. 下記の要件(A034)を備えたことを特徴とする請求項1ないし14のいずれか記載の描画装置、
    (A034)複数の荷電粒子銃または複数の荷電粒子発生源を有する荷電粒子銃が配置された前記描画鏡筒。
  16. 下記の要件(A035)〜(A037)を備えたことを特徴とする請求項1ないし15のいずれか記載の描画装置、
    (A035)1本のシャッタスリットに沿って形成される複数のシャッタ駆動電極の全てに同時に印加されるシャッタオン・オフ信号を一時的に記憶するシャッタ駆動信号一時記憶メモリが複数形成された前記シャッタ基板、
    (A036)前記複数のシャッタ駆動信号一時記憶メモリへの、各シャッタ駆動用のオン・オフ信号の書込動作を並行して実行するオン・オフ信号書込並行処理手段、
    (A037)前記複数のシャッタ駆動電極と電源との間にそれぞれ設けられたシャッタ駆動スイッチであって、前記複数の各シャッタ駆動信号一時記憶メモリのうちの選択されたシャッタ駆動信号一時記憶メモリに記憶されたシャッタオン・オフ信号により作動する前記シャッタ駆動スイッチ、および、前記複数の各シャッタ駆動信号一時記憶メモリを循環的に選択するシャッタ駆動信号一時記憶メモリ選択手段を有するシャッタ制御手段。
  17. 下記の要件(A038)を備えたことを特徴とする請求項16記載の描画装置、
    (A038)前記複数の各シャッタ駆動信号一時記憶メモリのうちの選択された前記シャッタ駆動信号一時記憶メモリの記憶内容を記憶し且つ記憶した値に応じて前記シャッタ駆動スイッチを駆動するシャッタ駆動メモリ(ME0)。
  18. 下記の要件(A039),(A040)を備えたことを特徴とする請求項16または17記載の描画装置、
    (A039)前記シャッタ空間を通過する全描画ビームを偏向させる全描画ビーム遮断信号を出力する全描画ビーム遮断信号出力手段、
    (A040)全描画ビーム遮断信号が出力されたとき、前記選択されたシャッタ駆動信号一時記憶メモリ選択手段の出力信号とは関係なく、前記全描画ビームを偏向させてウエハ表面への全描画ビームの到達を遮断する全描画ビーム偏向装置。
  19. 下記の要件(A041)を備えたことを特徴とする請求項1ないし18のいずれか記載の描画装置、
    (A041)前記シャッタ駆動電極を、電源スイッチを介して電源のビーム偏向電圧印加端子に接続するビームオフ端子と、前記電源のビーム偏向電圧印加端子またはシャッタ対向電極のいずれかに切替可能な切替スイッチに接続するオン・オフ切替端子とを有するシャッタ駆動スイッチ。
  20. 下記の要件(A042),(A043)を備えたことを特徴とする請求項4記載の描画装置、
    (A042)前記スリット基板の荷電粒子ビーム通過用の平行な複数のスリットの両側に配置された帯状のビーム遮断駆動電極および対向電極、
    (A043)前記帯状のビーム遮断駆動電極および対向電極間に電圧を印加する状態および印加しない状態との間で切替可能なビーム遮断電圧印加回路。
  21. 下記の要件(A044),(A045)を備えたことを特徴とする請求項1ないし20のいずれか記載の描画装置、
    (A044)前記外壁の上部を形成する上壁部に前記描画鏡筒と並んで装着され且つ上部に荷電粒子銃が配置された第2の描画鏡筒、
    (A045)前記描画鏡筒および第2の描画鏡筒の下方に配置されたXYステージであって、前記描画鏡筒および第2の描画鏡筒の下方位置にそれぞれ別のウエハを支持するウエハ支持部および第2ウエハ支持部を有する前記XYステージ。
  22. 下記の要件(A046)を備えたことを特徴とする請求項1ないし21のいずれか記載の描画装置、
    (A046)前記外壁の上部を形成する上壁部に前記描画鏡筒と並んで装着され且つ上部に荷電粒子銃が配置された検査用鏡筒。
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