JP3836571B2 - 作業補助装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、表示手段に表示された作業画面に基づき、ワークに対して所定の作業を正確且つ効率的に行うことのできる作業補助装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、自動車のように、非常に多数の部品から構成される製品を製造する生産ラインでは、各作業ステーションに対して作業手順やその作業に使用される部品の番号等が記載された組立説明書が提供されており、作業者は、それを見ながら所望の部品の組立作業を行っている。
【0003】
ところで、近年、ユーザの多様なニーズに対応すべく他品種少量生産が主流になってきており、設備投資を必要最小限とするため、1つの生産ラインに対して種類の異なる複数の製品に係る部品を混在させて供給することがある。この場合、作業者は、製品毎に異なる組立説明書に従って作業を行わなければならない。
【0004】
しかしながら、このような生産方法では、作業者が如何に熟練していたとしても、作業ミスを完全に回避することは不可能である。例えば、部品の組立手順を間違えたり、異なる製品の部品同士を組み付けてしまうおそれがある。また、組み付けられたボルトの締め付けトルクが所定の範囲内にあるか否かを検査するような場合、作業者が前記トルクをメータから読み取り、その値が当該組立説明書で規定している所定の範囲内にあるか否かを判断しているため、判断ミスの生じるおそれがあった。
【0005】
そこで、作業者に対してビデオによって作業手順を表示することにより、組立手順の間違いを回避するようにした装置、検査データをディスプレイに表示することでデータの確認が容易となるようにした装置、部品の固有番号を部品から読み取り、それに基づいて指示された処理を行うようにした装置等がある。
【0006】
しかしながら、いずれの装置を利用したとしても、作業者によるミスを完全に回避することはできない。例えば、1つのワークに対して多数のボルトの締め付け作業を行い、夫々のボルトのトルクを測定して確認するような場合、同一のボルトのトルクを複数回測定してしまう事態が生じるおそれがある。従来、このような場合、どのボルトに対して二重の測定作業を行ったのかを検出する方法がないため、全てのボルトの測定作業を始めからやり直さなければならなかった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、前記の不具合を考慮してなされたものであり、ワークに対して正確且つ効率的に作業を遂行することができるとともに、作業状況の確認を可能とする作業補助装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る作業補助装置は、ワークと該ワークに対する作業内容を表示する表示手段と、前記ワークに対する作業内容を録画する録画手段と、前記ワークに対して組付けられる部品の固有番号を入力する固有番号入力手段と、を有し、前記表示手段は前記部品の固有番号を表示する領域と、前記ワークに対する作業内容を示す作業画像表示領域と、前記作業画像表示領域に表示された作業内容画像に基づいて行われた作業内容を再生する再生画像表示領域とを備え、前記部品の固有番号入力手段は前記ワークに対して適切な組付部品である場合、前記部品の固有番号を入力表示することが可能であり、前記表示手段は前記再生画像表示領域と作業画像表示領域に同時に再生画像と作業内容画像とをそれぞれ表示することを特徴とする。
【0009】
この場合、作業者は、表示手段に表示された作業内容表示画像に従って、所定の作業を効率的に行うことができる。また、同時に表示される作業結果表示画像に基づき、その作業結果を容易に判定することができる。さらに、必要に応じて録画された作業状況画像を表示させることにより、作業ミスが発生した個所や時点の確認、あるいは、作業状況の確認を容易に行うことができる。さらにまた、ワークの固有番号を表示することで、作業対象となるワークの確認を行い、作業ミスの発生をさらに低減させることができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明に係る作業補助装置の一実施形態を適用した作業ステーションを示す。この作業ステーションでは、台車10に載置されているワークWに対して、作業補助装置12によって指示された所定の作業が、工具14、部品16等を用いて作業者Mにより遂行される。
【0011】
図2は、作業補助装置12の構成ブロックを示す。作業補助装置12は、ワークWに対する作業内容、作業結果等を表示するCRT等のディスプレイ18(表示手段)、キーボード、バーコードリーダ等の入力デバイス20、測定器22、テスタ24、作業状況を必要に応じて録画するためのビデオカメラ26、28(図1参照)、ビデオカメラ26、28を手動で動作させるためのスイッチ30を備え、これらは制御部32に接続される。
【0012】
制御部32には、ビデオカメラ26、28を介して画像を取り込む画像取り込み部34と、例えば、圧漏れ等の有無を検出するテスタ24からのON/OFF信号を処理するON/OFF信号処理部36と、例えば、トルクレンチ等の工具14に設けられた測定器22によって測定された測定データを処理する測定データ処理部38と、入力デバイス20によって入力された部品16またはワークWの固有番号をチェックする固有番号チェック部40と、ディスプレイ18に対する画像の表示処理を行う画像表示処理部42と、データベース処理部44とが接続される。なお、前記データベース処理部44には、測定データを判定するための判定データ、ワークWや部品16の固有番号をチェックするための固有番号データ、ディスプレイ18に表示する画像データ等のデータベースを格納するデータベースファイル46が接続され、また、制御部32には、前記の各処理を遂行するためのアドレス等を含むパラメータを格納するパラメータファイル48が接続される。
【0013】
次に、前記のように構成される作業補助装置12を用いた作業手順について、図3に示すフローチャートに従い説明する。
【0014】
作業補助装置12を構成する画像表示処理部42は、データベース処理部44を介してデータベースファイル46から読み取った作業手順に従い、ディスプレイ18に図4に示す作業補助画面50を表示させる(ステップS1)。
【0015】
ここで、作業補助画面50は、使用される部品16の部品固有番号の記録作業を補助するもので、この作業補助画面50には、当該作業ステーションにおいてこれから行うべき作業をワークWの画像とともに示す作業画像表示領域52と、作業の内容を示す工程作業表示領域54と、品質管理項目を示す品質管理項目表示領域56と、部品固有番号のデータ入力領域58と、入力された部品固有番号のデータ表示領域60とが表示される。
【0016】
そこで、ステップS2において、工程Aが選択され、部品固有番号の記録作業が遂行される。
【0017】
先ず、作業者Mは、作業補助画面50に表示された工程作業表示領域54および品質管理項目表示領域56の表示内容に従い、作業画像表示領域52に表示されたワークWまたはそれに使用される部品16の部品固有番号を入力する(ステップS3)。なお、入力方法としては、例えば、ワークWまたは部品16に付された部品固有番号をキーボードから直接入力し、あるいは、バーコードとして付された部品固有番号をバーコードリーダによって読み取る。
【0018】
入力された部品固有番号は、データ入力領域58に表示されるとともに、固有番号チェック部40において適切な部品固有番号であるか否かがチェックされる(ステップS4)。
【0019】
そこで、入力された部品固有番号が作業画像表示領域52に表示されたワークWに対応する適切な部品固有番号であると判定されると、「入力 Enter」のキーが指示可能となる。作業者Mが「入力 Enter」のキーを指示することにより、図5に示す作業補助画面62のように、データ表示領域60に前記部品固有番号が表示されるとともに、部品固有番号がデータベース処理部44によってデータベースファイル46に記録される(ステップS5)。
【0020】
次に、当該作業ステーションでの次の作業があるか否かを判定し(ステップS6)、ある場合には次の工程に進む処理を実行し(ステップS7)、例えば、図6に示す作業補助画面64を表示する(ステップS1)。なお、この作業補助画面64は、図4および図5に示すワークWに対して組み付けられる部品16の部品固有番号を入力する作業を指示するものであり、前記と同様にして部品固有番号の入力作業を行う。
【0021】
ここで、作業者Mが入力した部品固有番号が、図7に示す作業補助画面66のように、既に入力されているものである場合(部品固有番号123457がだぶっている。)、「入力 Enter」のキーが指示不可能な状態となるため、その記録を行うことができない。この場合、部品固有番号の入力ミスか、あるいは、当該ワークWに組み付けられる部品16が適切でないものであると判断することができる。そこで、作業者Mは、適切な部品の適切な部品固有番号の再入力作業を行う(ステップS4)。
【0022】
以上のように、例えば、作業画像表示領域52に表示されているワークWに対応する部品固有番号であるか否か、あるいは、既に入力されている部品固有番号と同一であるか否か等がチェックされることにより、過った処理の発生を事前に回避することができる。
【0023】
部品固有番号の入力作業が全て終了すると、ディスプレイ18には、図8に示すように、次の作業である工程Bに係る作業補助画面68が表示される(ステップS1)。次いで、ステップS2において、工程Bが選択され、ワークWの検査作業が遂行される。
【0024】
先ず、作業者Mは、作業補助画面68に表示された工程作業表示領域54、作業画像表示領域52および圧漏れ検査表示領域70の表示内容に従い、例えば、テスタ24を用いてワークWの圧漏れ検査を行う。この場合、前記テスタ24による検査結果は、OK/NG信号として制御部32を介してON/OFF信号処理部38に供給される(ステップS8)。
【0025】
ここで、前記の圧漏れ検査の結果がOKである場合、図9に示す作業補助画面72のように、圧漏れ検査表示領域70の「OK」の表示が反転され、作業者Mに対してOKであることを明示するとともに、次の作業に進めることを示唆する(ステップS9)。そこで、作業者Mが「次作業 Enter」を指示すると、作業補助画面72が次の作業補助画面に切り替わる。
【0026】
一方、圧漏れ検査の結果がNGである場合、図10に示す作業補助画面74のように、圧漏れ検査表示領域70の「NG」の表示が反転され、作業者Mに対してNGであることを明示し、再検査を促す。なお、この場合において、「次作業 Enter」のキーは、指示不可の状態となるため、検査がOKとなるまで次の作業に進むことはできない。
【0027】
ワークWに対する検査結果がOKになると、ディスプレイ18には、図11に示すように、次の作業である工程Cに係る作業補助画面76が表示される(ステップS1)。次いで、ステップS2において、工程Cが選択され、ワークWに対する所定の作業が遂行される(ステップS10)。
【0028】
この場合、工程Cでは、図11または図12に示す作業補助画面76、78に従って、例えば、ワークWに対するコンパウンドの塗布作業が行われる。なお、この工程Cでは、検査等の処理は行われない。また、作業画像表示領域52は、作業性を考慮して、図11および図12に示すように、作業者Mにより任意に拡大、縮小表示が可能である。
【0029】
工程Cの作業が終了し、「次作業 Enter」のキーが指示されると、ディスプレイ18には、図13に示すように、次の作業である工程Dに係る作業補助画面80が表示される(ステップS1)。なお、前記作業補助画面80には、測定値と、その許容値である規定値と、記録されるデータとを表示するデータ表示領域82が表示される。次いで、ステップS2において、工程Dが選択され、ワークWに対する部品16の締め付け作業およびその締め付けトルクの記録作業が遂行される。
【0030】
先ず、作業者Mは、作業画像表示領域52の表示画像に従い、例えば、ワークWの所定場所に対して部品16であるボルトの締め付け作業を行うとともに、その締め付けトルクを測定器22によって測定し、制御部32を介して測定データ処理部38に供給する(ステップS11)。
【0031】
ここで、データ表示領域82には、測定されたトルクと、その許容範囲とが表示される。測定データ処理部38は、前記トルクと許容範囲のデータとを比較し、トルクが許容範囲内でない場合には、適正なトルクでない旨を表示し、作業者Mに再測定を促す(ステップS12)。一方、図14に示す作業補助画面84のように、測定されたトルクが適正なトルクである場合、適正なトルクである旨を表示するとともに、そのトルクをデータベースファイル46に記録し(ステップS13)、次の作業に係る作業補助画面を表示する(ステップS1)。
【0032】
このように、測定されたトルクが許容範囲内にあるか否かが自動的に判定されるため、作業者による判定ミスが惹起されることがなく、また、その測定値が許容範囲外である場合には、どの程度範囲外となっているのを判断することもできるため、再測定のための目安とすることも可能となる。
【0033】
ところで、前記の各工程A〜Dにおいて、その作業状況は、必要な工程をビデオカメラ26、28により録画しておき、第15図に示す作業補助画面86の再生画像表示領域88に再生表示させることができる。また、作業者Mがスイッチ30を操作することで、任意の画像を取り込んで確認に供することもできる。
【0034】
例えば、工程Dにおいては、多数のボルトの締め付け作業およびトルクの測定を行う必要があるが、作業者Mが過って同一のボルトのトルクを二重に測定してしまうことが考えられる。この場合、トルク測定作業をビデオカメラ26、28によって撮影し、画像取り込み部34において記録しておき(ステップS14、S15)、前記のような不具合が発生した際、再生画像表示領域88にその作業状況を表示することにより、過った作業工程を発見し、適切な修正作業を行うことができる。なお、ビデオカメラ26と28は、作業者Mによる作業部位に応じて自動的に切り替え、あるいは、スイッチ30により手動により切り替えることが可能である。このように、作業者Mは、再生画像に基づいて過った作業工程のみを再度処理することにより、作業を効率的に遂行することができる。
【0035】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係る作業補助装置によれば、作業者は、作業補助装置の表示手段に表示された指示画像に従い、ワークに対する所定の作業を熟練を要することなく効率的に遂行することができる。この場合、作業内容表示画像とともに、作業結果表示画像が表示されるため、作業状況の把握がより容易なものとなる。また、作業状況が録画手段によって録画され、それを必要に応じて前記表示手段に表示することができるため、過った作業を行ったような場合、その状況を画像による履歴として表示し、確認を行うことができる。この結果、作業ミスに対する修正作業も容易となり、結果的に効率的な作業を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る作業補助装置の一実施形態を適用した作業ステーションの説明図である。
【図2】図1に示す作業補助装置の構成ブロック図である。
【図3】図1に示す作業補助装置による処理フローチャートである。
【図4】部品固有番号の記録作業のための作業補助画面の説明図である。
【図5】部品固有番号の記録作業のための作業補助画面の説明図である。
【図6】部品固有番号の記録作業のための作業補助画面の説明図である。
【図7】部品固有番号の記録作業のための作業補助画面の説明図である。
【図8】ワーク検査作業のための作業補助画面の説明図である。
【図9】ワーク検査作業のための作業補助画面の説明図である。
【図10】ワーク検査作業のための作業補助画面の説明図である。
【図11】所定の作業工程を拡大表示した作業補助画面の説明図である。
【図12】所定の作業工程を縮小表示した作業補助画面の説明図である。
【図13】締め付け作業のための作業補助画面の説明図である。
【図14】締め付け作業のための作業補助画面の説明図である。
【図15】作業状況の確認のための作業補助画面の説明図である。
【符号の説明】
12…作業補助装置 16…部品
18…ディスプレイ 20…入力デバイス
22…測定器 24…テスタ
26、28…ビデオカメラ 30…スイッチ
32…制御部 34…画像取り込み部
36…ON/OFF信号処理部 38…測定データ処理部
40…固有番号チェック部 42…画像表示処理部
44…データベース処理部 46…データベースファイル
48…パラメータファイル
50、62、64、66、68、72、74、76、78、80、84、86…作業補助画面
M…作業者 W…ワーク
Claims (1)
- ワークと該ワークに対する作業内容を表示する表示手段と、
前記ワークに対する作業内容を録画する録画手段と、
前記ワークに対して組付けられる部品の固有番号を入力する固有番号入力手段と、を有し、
前記表示手段は前記部品の固有番号を表示する領域と、前記ワークに対する作業内容を示す作業画像表示領域と、前記作業画像表示領域に表示された作業内容画像に基づいて行われた作業内容を再生する再生画像表示領域とを備え、
前記部品の固有番号入力手段は前記ワークに対して適切な組付部品である場合、前記部品の固有番号を入力表示することが可能であり、前記表示手段は前記再生画像表示領域と作業画像表示領域に同時に再生画像と作業内容画像とをそれぞれ表示することを特徴とする作業補助装置。
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