JP3799137B2 - 作業補助装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、表示手段に表示された作業内容および作業結果に基づき、ワークに対する正確な作業および作業結果の容易な判断を可能とする作業補助装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、自動車のように、非常に多数の部品から構成される製品を製造する生産ラインでは、各作業ステーションに対して作業手順やその作業に使用される部品の番号等が記載された組立説明書が提供されており、作業者は、それを見ながら所望の部品の組立作業を行っている。
【0003】
ところで、近年、ユーザの多様なニーズに対応すべく他品種少量生産が主流になってきており、設備投資を必要最小限とするため、1つの生産ラインに対して種類の異なる複数の製品に係る部品を混在させて供給することがある。この場合、作業者は、製品毎に異なる組立説明書に従って作業を行っている。
【0004】
しかしながら、このような生産方法では、作業者が如何に熟練していたとしても、作業ミスを完全に回避することは不可能である。例えば、部品の組立手順を間違えたり、異なる製品の部品同士を組み付けてしまうおそれがある。また、組み付けられたボルトの締め付けトルクが所定の範囲内にあるか否かを検査するような場合、作業者が前記トルクをメータから読み取り、その値が当該組立説明書で規定している所定の範囲内にあるか否かを判断しているため、判断ミスの生じるおそれがあった。
【0005】
そこで、作業者に対してビデオによって作業手順を表示することにより、組立手順の間違いを回避するようにした装置、検査データをディスプレイに表示することでデータの確認作業が容易となるようにした装置、部品の固有番号を部品から読み取り、それに基づいて指示された処理を行うようにした装置等がある。
【0006】
しかしながら、従来の装置は、夫々が独立した装置構成となっており、例えば、作業手順を1つのディスプレイ装置上に表示する一方、当該作業による作業結果を他の1つのディスプレイ装置上に表示しているため、作業者は、これらの両方のディスプレイの確認を行わなければならず、その分、作業が煩雑となり、作業ミスが惹起し易いというおそれがある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、前記の不具合を考慮してなされたものであり、作業内容および作業結果の確認作業を容易にするとともに、作業ミスの発生を回避することのできる作業補助装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る作業補助装置は、ワークに対する作業内容を表示する表示手段と、前記ワークに対する作業内容を録画する録画手段と、を備え、前記表示手段は前記ワークに対する作業内容を示す作業内容表示画像領域と、前記作業内容表示画像領域に表示された作業内容表示画像に基づく作業の作業結果を示す作業結果表示画像領域と、作業の内容を示す工程作業表示領域と、品質管理項目を示す品質管理項目表示領域と、記録されるデータを示す作業結果表示画像のデータ表示領域と、を有し、前記録画手段はカメラを含み、前記カメラは前記作業内容表示画像を作業者側から見た画像として前記作業内容表示画像領域に表示し、該作業内容表示画像領域に表示された作業内容表示画像は前記作業結果表示画像に併設して表示されることを特徴とする。
【0009】
この場合、作業者は、表示手段に表示された作業内容表示画像に基づき、ワークに対して所定の作業を行う一方、前記作業内容表示画像に併設表示された作業結果表示画像に基づいて作業結果を容易に判断することができる。
【0010】
なお、作業内容表示画像を作業者から見たワークの画像とすることで、作業者が頭の中でワークを見た状態に変換処理する必要がなく、作業を一層容易且つ正確に行うことができる。さらに、画像を拡大表示あるいは縮小表示することで、作業性を向上させることができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明に係る作業補助装置の一実施形態を適用した作業ステーションを示す。この作業ステーションでは、台車10に載置されているワークWに対して、作業補助装置12によって指示された所定の作業が、工具14、部品16等を用いて作業者Mにより遂行される。
【0012】
図2は、作業補助装置12の構成ブロックを示す。作業補助装置12は、ワークWに対する作業内容、作業結果等を表示するCRT等のディスプレイ18(表示手段)、キーボード、バーコードリーダ等の入力デバイス20、測定器22、テスタ24、作業状況を必要に応じて録画するためのビデオカメラ26、28(図1参照)、ビデオカメラ26、28を手動で動作させるためのスイッチ30を備え、これらは制御部32に接続される。
【0013】
制御部32には、ビデオカメラ26、28を介して画像を取り込む画像取り込み部34と、例えば、圧漏れ等の有無を検出するテスタ24からのON/OFF信号を処理するON/OFF信号処理部36と、例えば、トルクレンチ等の工具14に設けられた測定器22によって測定された測定データを処理する測定データ処理部38と、入力デバイス20によって入力された部品16またはワークWの固有番号をチェックする固有番号チェック部40と、ディスプレイ18に対する画像の表示処理を行う画像表示処理部42と、データベース処理部44とが接続される。なお、前記データベース処理部44には、測定データを判定するための判定データ、ワークWや部品16の固有番号をチェックするための固有番号データ、ディスプレイ18に表示する画像データ等のデータベースを格納するデータベースファイル46が接続され、また、制御部32には、前記の各処理を遂行するためのアドレス等を含むパラメータを格納するパラメータファイル48が接続される。
【0014】
次に、前記のように構成される作業補助装置12を用いた作業について説明する。
【0015】
作業補助装置12を構成する画像表示処理部42は、データベース処理部44を介してデータベースファイル46から読み取った作業手順に従い、ディスプレイ18に作業補助画面を表示させる。作業者Mは、前記作業補助画面に示される作業内容に従い、作業に使用される部品16の部品固有番号の記録作業、ワークWの検査作業、ワークWに対する測定作業等を行う。
【0016】
例えば、部品固有番号の記録作業においては、部品16の部品固有番号をキーボード、バーコードリーダ等の入力デバイス20を用いて入力し、その部品固有番号が当該ワークWに対して組み付けられる適切な部品16であるか否かが固有番号チェック部40においてチェックされ、OKであれば、次の作業に係る作業補助画面がディスプレイ18に表示される。
【0017】
また、ワークWの検査作業においては、テスタ24によってワークWの状況、例えば、圧漏れがあるか否かが検査され、その検査結果がON/OFF信号処理部36で検出され、OKであれば、次の作業補助画面がディスプレイ18に表示される。
【0018】
さらに、ワークWに対する測定作業においては、例えば、測定器22によってワークWに締め付けられるボルトの締め付けトルクが測定され、その測定結果が許容範囲内であるか否かが測定データ処理部38で判定され、OKであれば、次の作業補助画面がディスプレイ18に表示される。
【0019】
ここで、上記のいずれの作業においても、作業補助画面には、ワークWに対する作業内容を示す作業内容表示画像と、前記作業内容表示画像に基づく作業の作業結果を示す作業結果表示画像とが併設して表示される。これにより、作業者は、単一のディスプレイ18上で作業内容と作業結果とを略同時に確認することができる。
【0020】
図3は、ディスプレイ18に対して表示された測定作業に係る作業補助画面50を示す。この作業補助画面50には、当該作業ステーションにおけるボルトの締め付け部位をワークWの画像とともに示す作業内容表示画像の作業画像表示領域52と、前記ボルトの締め付けトルクの測定値、許容値である規定値および記録されるデータを示す作業結果表示画像のデータ表示領域54と、作業の内容を示す工程作業表示領域56と、品質管理項目を示す品質管理項目表示領域58とが表示される。そして、前記作業内容表示画像には、作業者Mによる作業位置から見たワークWの画像が表示される。
【0021】
作業者Mは、作業補助画面50に表示された工程作業表示領域56および品質管理項目表示領域58の表示内容に従い、作業画像表示領域52の作業内容表示画像を補助としてワークWの所定部位に部品16であるボルトの締め付け作業を行うとともに、その締め付けトルクを測定器22によって測定し、制御部32を介して測定データ処理部38に供給する。
【0022】
次いで、データ表示領域54には、測定されたトルクと、その許容範囲とが表示される。測定データ処理部38は、前記トルクを許容範囲のデータと比較し、トルクが許容範囲内でない場合には、適正なトルクでない旨を表示し、作業者Mに再測定を促す。一方、測定されたトルクが適正なトルクである場合には、適正なトルクである旨を表示するとともに、そのトルクをデータベースファイル46に記録した後、次の作業に係る作業補助画面を表示する。
【0023】
ここで、前記作業補助画面50には、作業内容表示画像と作業結果表示画像とが同時に且つ併設して表示されているため、作業者Mは、単一のディスプレイ18のみを参照して作業を遂行し、且つ、その作業結果を確認することができる。また、前記作業内容表示画像が作業者MからワークWを見た画像となっているため、例えば、ワークW側から作業者Mを含めて撮影した画像が表示されている場合に比較して、作業者Mが画像を頭の中で変換して作業部位等を把握する必要がなく、その分、容易且つ確実に作業を遂行することができる。
【0024】
さらに、作業画像表示領域52に表示される作業内容表示画像を、図4に示すように、縮小して表示することもできるため、例えば、作業ステーションの全体を確認可能な画像を表示して所定の作業を遂行することもできる。勿論、作業内容表示画像を拡大表示し、作業部位の詳細を表示して作業を行うようにしてもよい。
【0025】
なお、データ表示領域54には、測定されたトルクが許容範囲内であるか否かの判定結果が表示されるため、作業者による判定ミスが惹起されることがなく、また、その測定値が許容範囲外である場合には、どの程度範囲外となっているのを判断することもできるため、再測定のための目安とすることが可能である。
【0026】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係る作業補助装置によれば、作業者は、作業補助装置の表示手段に表示された作業内容表示画像およびそれに併設表示された作業結果表示画像に従い、ワークに対する所定の作業を容易且つ正確に処理することが可能となる。また、前記作業内容表示画像を作業者側からワークを見た画像として表示しているため、作業者がワークの状態を容易に把握することができ、一層作業性が向上する。さらに、前記作業内容表示画像を拡大表示あるいは縮小表示することにより、所望の状態に設定された作業内容表示画像に基づき効率的に作業を遂行することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る作業補助装置の一実施形態を適用した作業ステーションの説明図である。
【図2】図1に示す作業補助装置の構成ブロック図である。
【図3】締め付け作業のための作業補助画面の説明図である。
【図4】締め付け作業のための作業内容表示画像を縮小表示した作業補助画面の説明図である。
【符号の説明】
12…作業補助装置 16…部品
18…ディスプレイ 20…入力デバイス
22…測定器 24…テスタ
26、28…ビデオカメラ 30…スイッチ
32…制御部 34…画像取り込み部
36…ON/OFF信号処理部 38…測定データ処理部
40…固有番号チェック部 42…画像表示処理部
44…データベース処理部 46…データベースファイル
48…パラメータファイル 50…作業補助画面
52…作業画像表示領域 54…データ表示領域
M…作業者 W…ワーク

Claims (2)

  1. ワークに対する作業内容を表示する表示手段と、
    前記ワークに対する作業内容を録画する録画手段と、を備え、
    前記表示手段は前記ワークに対する作業内容を示す作業内容表示画像領域と、前記作業内容表示画像領域に表示された作業内容表示画像に基づく作業の作業結果を示す作業結果表示画像領域と、作業の内容を示す工程作業表示領域と、品質管理項目を示す品質管理項目表示領域と、記録されるデータを示す作業結果表示画像のデータ表示領域と、を有し、
    前記録画手段はカメラを含み、前記カメラは前記作業内容表示画像を作業者側から見た画像として前記作業内容表示画像領域に表示し、該作業内容表示画像領域に表示された作業内容表示画像は前記作業結果表示画像に併設して表示されることを特徴とする作業補助装置。
  2. 請求項1記載の装置において、
    前記作業内容表示画像は、拡大表示および縮小表示が可能であることを特徴とする作業補助装置。
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