JP3836073B2 - プリンタ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はプラテンの両側にフィードローラを備え、用紙を前後両方向に搬送できるマルチパスタイプのプリンタに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、ワイヤドットプリンタのマルチパス(前後方向の搬送)の要求が高まっている。このため、プラテンの両側にフィードローラを設け、これらのフィードローラを正転させたり、逆転させたりすることにより、単票用紙(A4、B5等の所定の大きさにカットされた用紙)をプリンタの前部から供給して印字された用紙をプリンタの前部又は後部から排出し、あるいは単票用紙をプリンタの後部から供給して印字された用紙をプリンタの前部又は後部から排出し、あるいは連票用紙(両側に送り孔のある連続用紙で、連続用紙又は連張用紙とも言う)をプリンタの前部から供給して印字された用紙をプリンタの後部から排出し、あるいは連票用紙をプリンタの後部から供給して印字された用紙をプリンタの前部から排出したりすることができることが望まれている。マルチパスタイプのプリンタの一例は例えば特許文献1に記載されている。また、単票用紙と連票用紙を選択的に給紙することのできるプリンタの例は特許文献2に記載されている。
【特許文献1】
特開平6−71910号公報
【特許文献2】
特開平3−259826号公報
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
このような要求を満足するマルチパスタイプのプリンタでは、プラテンとフィードローラの他に、テーブルや、スタッカや、カットシートフィーダや、トラクタ等の部品を選択的に配置することが必要であり、用紙の搬送路が複雑になって適切な用紙のガイド機構が必要であるばかりでなく、搬送路の切り換えのために可動部が増えて構成が複雑になったりする問題点がある。
【0004】
また、搬送路の切り換えを手動により行うマルチパスタイプのプリンタでは、オペレータが不慣れであると搬送路の切り換えにとまどい勝ちとなる。従って、構造が簡単で、だれにでも操作できる、使い勝手のよいマルチパスタイプのプリンタが望まれている。
【0005】
例えば、従来のプリンタでは、連票用紙をトラクタからプラテンへ送る際に、連票用紙はプラテンよりも搬送方向で手前側のフィードローラを通るが、このフィードローラのニップローラを持ち上げて、このフィードローラによる搬送作用は行わないようにしている。プラテンよりも先のフィードローラは用紙を引っ張るために使用される。これはトラクタと手前側のフィードローラとの間で用紙がたるむのを防止するためである。従って、従来のマルチパスタイプのプリンタでは、プラテンの両側のフィードローラについて、ニップローラの昇降機構又はばね圧調整機構が設けられており、構造が複雑になり、プリンタ内のスペースが狭くなる。また、そのようなニップローラの昇降機構又はばね圧調整機構はレバーを手動により操作するようになっており、不慣れのオペレータは操作できないことがある。
【0006】
また、用紙の搬送を制御するために、用紙の位置を検出するセンサが用いられるが、従来のマルチパスタイプのプリンタでは、前搬送用及び後搬送用に二重にそのようなセンサが設けられ、コストアップの原因となっている。
また、プラテン、フィードローラ、及びトラクタの駆動を1つのモータで行うと、大型のモータが必要になり、駆動伝動機構が複雑になり、コストアップになる。また、途中に伝動切り換え機構が必要になったり、変速機構が必要になったりする。
【0007】
さらに、テーブルや、スタッカや、カットシートフィーダや、トラクタ等、より多くの部品を搭載できることが望まれている場合がある。例えば、2つのトラクタをプリンタの前後に配置し、しかもカットシートフィーダを取り付け、テーブルや、スタッカを設けることが望まれることがある。しかし、そのような配置をすると、プリンタを大型化しなければならないという問題がある。特に、プリンタの後部にカットシートフィーダと、スタッカと、トラクタとを一緒に配置することは難しかった。
【0008】
本発明の目的は、用紙を前側から及び後側からの両方向に搬送でき、構造が簡単で、容易に操作できるプリンタを提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明によるプリンタは、ケーシングと、移動可能なキャリッジと、該キャリッジに取り付けられた印字ヘッドと、該印字ヘッドと対向するプラテンと、該プラテンの一方の側に配置された第1のフィードローラと、該プラテンの他方の側に配置された第2のフィードローラとを具備し、該第1及び第2のフィードローラは第1の回転方向及びその逆の第2の回転方向に回転可能であり、用紙をケーシングの一方の側からプラテンへ供給できるとともに用紙をケーシングの他方の側からもプラテンへ供給できるようにしたプリンタにおいて、該キャリッジに該印字ヘッドの下端部とほぼ同じ高さの位置に取り付けられた用紙ガイドと、該用紙ガイドに用紙搬送方向に並べて設けられ且つ用紙前送り及び用紙後送り方向の印字基準位置を示す2つのインジケータラインとを具備し、該用紙ガイドに、該印字ヘッドの印字部を通り且つ用紙搬送方向と垂直な線上に設けられた用紙先端検出手段を具備し、更に、用紙をケーシングの一方の側および他方の側のいずれから供給された場合でも、該用紙先端検出手段が用紙先端を検出した後前記用紙が所定の印字位置で停止するように設定されていることを特徴とする。
【0010】
この構成においては、2つのインジケータラインが、キャリッジに取り付けられた用紙ガイドに設けられている。用紙ガイド自身は印字ヘッドに対して所定の位置に設けられているものであり、インジケータラインは用紙搬送方向に並べて配置されて印字基準位置を示す。従って、一つのインジケータラインは用紙搬送方向がプリンタの前部から後部への方向のときに印字基準位置を示し、他のインジケータラインは用紙搬送方向がプリンタの後部から前部への方向のときに印字基準位置を示すものとすることができる。従って、いずれの用紙搬送方向についても、印字基準位置を示すことができ、これを用いて印字位置の微調整等を行うことができる。これは特にマルチパスタイプのプリンタに適するものとなる。また、実際に停止した位置が所定の印字基準位置からずれている時に、用紙の供給方向に応じて2つのインジケーターラインのいずれか一方を見ながら印字基準位置の調整を行うことができ、用紙の供給方向が一方の側からでも他方の側からでも可能であるにもかかわらず、用紙の先端検出のためのセンサは1つでもって検出が可能である。
【0011】
好ましくは、用紙ガイドは透明な板からなる。インジケータラインは用紙ガイドの表面に印刷することができる。用紙ガイドの下側を通る用紙の印字位置及びインジケータラインを見ながら、用紙の前搬送方向又は後搬送方向に対応して印字位置の微調整等を行うことができる。
【0013】
この構成においては、用紙先端検出手段が印字ヘッドの印字部を通り且つ用紙搬送方向と垂直な線上に設けられている。この用紙先端検出手段は1個だけで前搬送方向又は後搬送方向の用紙の先端が印字部を通ることを検出することができる。そして用紙の先端を検出したら、用紙を所定の上部余白の位置に位置決めして印字することができる。用紙ガイド自身は印字ヘッドに対して所定の位置に設けられているものであり、用紙先端検出手段を印字ヘッドの印字部を通り且つ用紙搬送方向と垂直な線上に容易に設けることができる。
【0014】
好ましくは、該キャリッジの位置を検出するために固定の位置に設けられた2つの検出部と、該キャリッジに取り付けられ、該2つの検出部の位置にさしかかったときに検出信号を発生する単一の検出手段とを具備し、該検出手段は用紙がいずれの搬送方向に搬送される場合でも該キャリッジの移動方向における位置を検出し、よって印刷開始位置にキャリッジを位置決めできるようにすることもできる。
【0015】
この構成においては、用紙の印刷開始位置、すなわち左端、又は右端余白位置への位置決めのために、単一の検出手段と2つの検出部とが設けられる。この検出手段は用紙がいずれの搬送方向に搬送される場合でもキャリッジの移動方向における位置を検出し、よって印刷開始位置にキャリッジを位置決めできるようにした。従って、マルチパスタイプのプリンタであっても、単一の検出手段によってキャリッジの印刷開始位置に位置決めを行うことができ、構成を簡単にするとともに、用紙の一方の搬送方向又は他方の搬送方向におけるキャリッジの基準位置を決定することにより、印字のスループットを向させることができる。
【0016】
好ましくは、該2つの検出部は検出片として互いに等しい幅を有し、該検出手段がいずれかの検出部上にあるときに一方向に大きく移動することによっていずれの検出部であるかを判断する。
好ましくは、該2つの検出部は検出片として互いに異なる幅を有し、該検出手段がいずれかの検出部上にあるときに一方向に大きく移動し且つ遮蔽域が該2つの検出部のうちの短い方の幅よりも大きいかどうかを調べることによっていずれの検出部であるかを判断する。いずれの場合にも、単一の検出手段によってキャリッジの左右端両方の位置決めを行うことができ、構成を簡単にすることができる。
好ましくは、印字は選択された搬送方向から見て読めるように行われる。
【0017】
【発明の実施の形態】
図1は本発明の実施例によるマルチパスタイプのプリンタの横断面図、図2は同プリンタの斜視図、図3は同プリンタのカバー等を取り外した状態の斜視図である。これらの図において、図の右側をプリンタの前側とし、図の左側をプリンタの後側として説明する。
【0018】
図1から図3を参照すると、プリンタ10は、ケーシング12と、ケーシングの一部であるカバー14とを有する。ケーシング12内のほぼ中央には、印字ヘッド16と、印字ヘッド16と対向するプラテン18とが配置されている。インクリボンカセット20が印字ヘッド16の上方に配置される。印字ヘッド16は例えば公知の圧電アクチュエータ(図示せず)により駆動される24本のピン(図示せず)を備えたインパクト式のものであり、圧電アクチュエータによってプラテン18に向かって押し出されたピンがインクリボンカセット20のインクリボンを介して用紙に印字する。
【0019】
キャリッジ22は、印字ヘッド16とインクリボンカセット20を支持し、且つガイドシャフト24及びレール26に沿って横方向に移動可能に配置される。キャリッジ22の一部はプーリ28に巻かれたベルト28aに結合され、プーリ28はモータ30(図3)により駆動される。従って、キャリッジ22はモータ30によって駆動される。
【0020】
前フィードローラ32及びニップローラ32aがプラテン18の前側に配置され、後フィードローラ34及びニップローラ34aがプラテン18の後側に配置される。これらのフィードローラ及びニップローラ32、32a、34、34aは、それぞれのシャフト32b、34bに軸線方向に間隔を開けて取り付けられた短いローラ部分からなり、圧入によりシャフトに強固に固定されている(図3においてはニップローラ32a、34aのシャフト32b、34bのみ見えているが、フィードローラ32、34も同様にシャフトに取り付けられている)。ニップローラ32aは前フィードローラ32に対して近づき且つ遠ざかるように動かすことができるが、ニップローラ34aは後フィードローラ34に対して実質的に固定の位置に支持されている。
【0021】
前フィードローラ32と後フィードローラ34は、同じ外径を有し、同じ速度で同一方向に駆動される。従って、少なくとも前フィードローラ32と後フィードローラ34との間では、用紙はたるみなく安定して搬送されることができ、用紙がプラテン18上で安定した状態で印字ヘッド16によって印字される。また、前フィードローラ32と後フィードローラ34は第1の回転方向及びそれとは逆の第2の回転方向の両方向に駆動されることができ、よって、用紙をケーシング12の前側から後側に搬送したり、ケーシング12の後側から前側に搬送したりすることができる。このような観点から、前フィードローラ32と後フィードローラ34(及びシャフトを含むアッセンブリ)は、できるだけ差がないように同一製造管理の下で同一ロットとして製造される。
【0022】
カットシートフィーダ36がプリンタ10の後部に取り付けられている。さらに、前トラクタ38がケーシング12内で前フィードローラ32の斜め下方に配置され、且つ後トラクタ40がケーシング12内で後フィードローラ34の斜め下方に配置されている。前トラクタ38は前フィードローラ32に向かって連票用紙を供給するように配置される。後トラクタ40は前トラクタ38よりも幾らか立った角度で、例えば水平に対して約30度の角度で配置され、約45度の搬送ルートで後フィードローラ34とプラテン18の間を通ってプラテン18へ直接に連票用紙を供給するように配置される。なお、トラクタ38、40は無端ベルトに設けられたピン状突起を有し、このピン状突起が連票用紙の両側に設けた穴に係合しつつ連票用紙を供給することができる。
【0023】
テーブル42(図2)がプリンタ10の前部に配置されている。さらに、操作パネル44がプリンタ10の前部に設けられている。図4に示されるように、操作パネル44は種々の操作ボタン及び表示部を含む。例えば、操作パネル44は用紙選択ボタン44aを含む。操作パネル44の各部は図示しないコンピュータ制御装置に接続されており、例えば用紙選択ボタン44aを押し続けることにより、前連帳、後連帳、単票の操作モードを選択することができるようになっている。単票モードは、テーブル42、前カットシートフィーダ、及び後カットシートフィーダ36からの単票用紙の挿入を含む。テーブル42、前カットシートフィーダ、及び後カットシートフィーダ36の選択は、後で図42を参照して説明する。
【0024】
単票モードを選択し且つ後カットシートフィーダ36が使用されるものとすると、単票用紙はカットシートフィーダ36からプリンタ内部へ挿入され、後フィードローラ34及び前フィードローラ32によって搬送され、プラテン上で印字ヘッド16により印字されてテーブル42上に排出される。この場合、テーブル42がスタッカとして作用する。また、単票用紙をテーブル42から手差しにより供給することが選択されている場合、単票用紙はテーブル42から挿入され、フィードローラ32、34によって搬送され、印字された後でテーブル42上、又はプリンタ10の後側にある排出部に排出される。
【0025】
前連帳モードを選択すると、ニップローラ32aが前フィードローラ32に対して持ち上げられて前フィードローラ32とニップローラ32aとの間に隙間ができる。プリンタ10の前側に置かれた連票用紙は、前トラクタ38により前フィードローラ32に向かって送り出され、(実質的に作用しない)前フィードローラ32とニップローラ32aの間を通り、プラテン18上で印字ヘッド16により印字され、後フィードローラ34及びニップローラ34aにより引っ張られてプリンタの後側にある排出部へ排出される。
【0026】
後連帳モードを選択すると、ニップローラ32aは前フィードローラ32に押しつけられる。プリンタ10の後側に置かれた連票用紙は、後トラクタ40により送り出され、後フィードローラ34とプラテン18の間を通って直接にプラテン18へ搬送され、プラテン18上で印字ヘッド16により印字され、前フィードローラ32及びニップローラ32aにより引っ張られてプリンタの前テーブル42上へ排出される。
【0027】
プリンタ10のケーシング12は、図5から図10に示されるように、カットシートフィーダ36や、前トラクタ38や、後トラクタ40や、排出用紙スタッカ等を選択的に取り付けることができるようになっている。カットシートフィーダ36はケーシング12の前部及び/又は後部に取りつけられることができる。図5から図10において、破線の矢印は単票用紙の供給、排出方向を示し、実線の矢印は連票用紙の供給、排出方向を示している。
【0028】
図5においては、前テーブル42、前トラクタ38、及び後トラクタ40がケーシング12に取りつけられている。また、後スタッカ46が水平に配置されている。従って、単票用紙をテーブル42から手差しにより供給するときには、単票用紙は印字された後でテーブル42上又は後スタッカ46上に排出される。前トラクタ38により連票用紙を供給するときには、連票用紙は印字された後で後スタッカ46上に排出される。前トラクタ40により連票用紙を供給するときには、連票用紙は印字された後で前テーブル42上に排出される。
図6においては、前テーブル42及び前トラクタ38がケーシング12に取りつけられている。また、後スタッカ46も配置されている。
【0029】
図7においては、前テーブル42及び後トラクタ40がケーシング12に取りつけられている。また、後部のスタッカ46aも配置されている。図5及び図6のスタッカ46はほぼ水平状態で配置されているが、図7のスタッカ46aは左上がりの角度で配置されている。
図8においては、前テーブル42、前カットシートフィーダ36、及び後トラクタ40がケーシング12に取りつけられている。また、2つの後スタッカ46、46aが配置されている。この場合、前テーブル42はやや右上がりの角度で配置され、前カットシートフィーダ36は前テーブル42の下方に配置される。
【0030】
図9においては、前テーブル42、後トラクタ40、及び後カットシートフィーダ36がケーシング12に取りつけられている。後スタッカ46も配置されている。この場合、前テーブル42は手差し供給時にはテーブルとして使用されるとともに、後カットシートフィーダ36が使用されるときには大容量の用紙スタッカとして使用される。
【0031】
図10においては、前テーブル42、前カットシートフィーダ36、前トラクタ38、後トラクタ40、後カットシートフィーダ36がケーシング12に取りつけられている。つまり、プリンタ10はフル装備の状態で示されている。しかし、実際の使用においては、前カットシートフィーダ36と後カットシートフィーダ36はいずれか一方が選択的に使用される。また、前トラクタ38と後トラクタ40はいずれか一方が選択的に使用される。
【0032】
図11はプリンタ10のケーシング12に設けられた、前カットシートフィーダ36、前トラクタ38、後トラクタ40、後カットシートフィーダ36の取りつけ手段を示す図である。前カットシートフィーダ36はケーシング12の前部の支持部74c 、74d に取りつけられるようになっている。後カットシートフィーダ36はケーシング12の後部の支持部74a、74bに取りつけられるようになっている。前トラクタ38のトラクタフレーム38aはケーシング12の前部の支持部74c 、74d に取りつけられるようになっている。つまり、前カットシートフィーダ36及び前トラクタ38は支持部74c 、74d に選択的に取りつけられる。後トラクタ40のトラクタフレーム40aはケーシング12の後部の支持部41a、41bに取りつけられるようになっている。さらに、後で説明するように、前テーブル42の取りつけ手段が設けられる。
【0033】
次に実施例のプリンタ10の各部の特徴について詳細に説明する。
図1及び図3に示されるように、用紙ガイド48が印字ヘッド16の下端位置においてキャリッジ22に取り付けられている。用紙ガイド48は印字ヘッド16の印字部(ピンの存在領域)を通過させる開口部を有する。用紙ガイド48はその下面に沿って搬送される用紙をガイドする。
【0034】
用紙ガイド48は印字ヘッド16の両側に位置する一対の斜行検出センサ50を支持している。斜行検出センサ50は供給された用紙がまっすぐな姿勢で搬送されているかどうかを検出し、もしも用紙がまっすぐな姿勢で搬送されていない場合にはフィードローラ32、34を逆転させて用紙を元に戻して、用紙にジャムが発生するのを防止するようになっている。
【0035】
用紙ガイド48はさらに用紙先端検出センサ52を支持している。用紙先端検出センサ52は搬送された用紙の先端を検出し、キャリッジ22を印字開始位置に位置決めするのに使用される。これらの斜行検出センサ50及び用紙先端検出センサ52は光学式のセンサ、例えば反射式のセンサからなるものとすることができる。
【0036】
用紙ガイド48は透明なプラスチック板からなり、印字ヘッド16の一側にインジケータライン54を設けてある。
図12(A)に示されるように、用紙先端検出センサ52は、印字ヘッド16の印字部16aの中心を通り、用紙の搬送方向と垂直な線L上に配置される。従って、用紙先端検出センサ52は搬送される用紙の先端が印字ヘッド16の印字部16aの中心に達したのと同時に検出信号を発生する。図12(A)において、P1 は前側から搬送される用紙を示し、P2 は後側から搬送される用紙を示している。矢印Xは前側からの搬送方向を示し、矢印Yは後側からの搬送方向を示す。この構成は、用紙が前後両方向から搬送される実施例のプリンタ10において特に有用である。
【0037】
すなわち、従来の用紙先端検出センサは印字ヘッド16の印字部16aの中心よりも搬送方向で手前側に配置されていた。そうすると、用紙が前後両方向から搬送されるマルチパスタイプのプリンタの場合には、印字部16aの両側に2つのセンサが必要である。しかし、この実施例によれば、用紙先端検出センサ52は1つで前後両方向から搬送される用紙の先端を検出することができ、コスト低減の効果が大きい。しかも、共通の用紙先端検出センサ52によって前後両方向から搬送される用紙の先端を検出することにより、用紙搬送経路の差による検出精度のバラツキの影響がなく、精度の高い用紙検出が可能となり、プリンタ10の性能向上に寄与する。
【0038】
用紙の印字余白の上端マージンが極端に小さい場合には用紙の先端を検出してから印字開始位置に達するまでに用紙を停止できないことがある。このような場合でも、用紙先端位置は検出されて分かっているのであるから、用紙を所定量進めたところで一旦停止させ、それから用紙をバックさせ、そして再前進させて微小位置決めを行うようにすることができるので、実際上の問題はない。
【0039】
図12(B)は用紙先端検出センサ52の配置の変形例を示す図である。この例では、2つの用紙先端検出センサ52が、印字ヘッド16の印字部16aの中心を通り、用紙の搬送方向と垂直な線L上で、印字ヘッド16の両側に配置される。この例でも、用紙先端検出センサ52は搬送される用紙の先端が印字ヘッド16の印字部16aの中心に達したのと同時に検出信号を発生する。そして、2つの用紙先端検出センサ52は前後両方向から搬送される用紙の斜行を検出することができるので、斜行検出センサ50を省略することができる。
【0040】
さらに、2つの用紙先端検出センサ52は用紙ガイド48を介してキャリッジ22に取り付けられているので、キャリッジ22とともに用紙の横方向に移動し、用紙の横端縁も検出することができる。そこで、印字幅よりも横方向の寸法が短い用紙が搬送されてきた場合には、アラームを発生したり、用紙を戻したりすることにより、印字ピンが直接にプラテン18を叩くのを防止するようにすることができる。
【0041】
図13は透明なプラスチック製の用紙ガイド48に設けたインジケータライン54を示している。インジケータライン54は2本あり、図14では54a、54bで示されている。各インジケータライン54(54a、54b)は、前搬送方向X、及び後搬送方向Yに対応して、印字の基準位置に設けられる。例えば文字を印字するときのアンダーラインの位置に設けられている。
【0042】
図14においては、一方のインジケータライン54aが前側から搬送される用紙P1 上の印字の下端位置と比較され(A)、また、他方のインジケータライン54bが後側から搬送される用紙P2 上の印字の下端位置と比較されることができる。従って、インジケータライン54を基準として、実際の印字をみながら用紙の搬送を微調整することができる。特に、伝票等のように、用紙上にすでに印刷枠がある場合には、その印刷枠とインジケータライン54とを比較しながら微調整を行うことができる。
【0043】
図1及び図3において、キャリッジ22の後部にはキャリッジ22の位置を検出するためのキャリッジセンサ56が取り付けられている。キャリッジセンサ56と協働する2つの検出片58L、58Rが、ケーシング12の横断ビームに固定されている。実施例のプリンタ10では、1つのキャリッジセンサ56と2つの検出片58L、58Rにより、いずれの用紙搬送方向においても、キャリッジ22の位置を検出し、キャリッジ22を印刷開始位置に位置決めを行うことができる。その詳細については後で図35から図40を参照して説明する。
【0044】
図1において、前アッパガイド60及び後アッパガイド62が、用紙ガイド48の前後に配置されている。前アッパガイド60、用紙ガイド48、及び後アッパガイド62は用紙搬送路の上方ガイド部分を形成する。一体の前ロアガイド64及び後ロアガイド66が、プラテン18の前後に配置される。さらに、フロントガイド68が前フィードローラ32の前に配置され、連票ガイド70が後トラクタ40の取りつけ手段74a、74bからプラテン18に至る連票用紙の通路に沿って配置されている。さらに、フラップ弁72が後アッパガイド62の下方に配置されている。フロントガイド68、連票ガイド70、及びフラップ弁72は用紙搬送路の下方ガイド部分を形成する。ただし、フラップ弁72は用紙搬送路の上方ガイド部分を形成することもある。
【0045】
図1及び図15に示されるように、後カットシートフィーダ36はケーシング12の後部に設けた開口部12aを通り、ケーシング12の内部に設けたロッド状の前記支持部74a、74bにより所定の位置に支持されるようになっている。ロッド状の支持部74a、74bはケーシング12の側板部材12bから開口部12a内に突出するように延びる。
【0046】
図15及び図16に示されるように、ガイド孔12c、12dが開口部12aの側壁に設けられており、後スタッカ46、46aはこれらのガイド孔12c、12dに沿って挿入される。ケーシング12の内部には後スタッカ46、46aの内端部を支持する支持部12eが設けられている。従って、図5から図10に示したように、後カットシートフィーダ36及び後スタッカ46、46aを取りつけることができる。後スタッカ46は水平に配置され、後スタッカ46aは左上がりに配置される。一方、ケーシング12の後部にはこの開口部12aの下方にさらなる開口部(図示せず)がある。前トラクタ38から供給された連票用紙は開口部12a、あるいはさらなる開口部から排出される。
【0047】
図17及び図18はケーシング12のテーブル42の取り付け部を示す図である。図2に示されるように、ケーシング12はテーブル42を配置すべき空間の両側に側壁12fを有する。図17はこの側壁12fを示し、側壁12fは2つのガイド孔76a、76bを有する。テーブル42はその側部から延びるピン42a、42bを有し、これらのピン42a、42bがこれらのガイド孔76a、76bに挿入されている。
【0048】
テーブル42の先端側に位置するガイド孔76aは上水平部と下傾斜部とからなるフック状の形状を有し、後方のガイド孔76bは上垂直部と下水平部とからなる逆T字状の形状を有する。
図17に示されるように、テーブル42がほぼ水平な姿勢のときには、先端側のピン42aがガイド孔76aの上水平部の先端部に位置し、且つ後方のピン42bが後方のガイド孔76bの下水平部のほぼ中央に位置する。この位置は例えば図5のテーブル42に相当する。
【0049】
図18に示されるように、テーブル42が傾斜姿勢をとるときには、先端側のピン42aがガイド孔76aの下傾斜部に位置し、且つ後方のピン42bが後方のガイド孔76bの先端に位置する。この位置は例えば図9のテーブル42に相当する。
【0050】
さらに、図8及び図10に示されるように、前カットシートフィーダ36をケーシング12の前側に取り付けることができる。この場合には、テーブル42をさらに上に持ち上げ、カットシートフィーダ36はテーブル42の下方に挿入する。テーブル42をこのように持ち上げるためには、先端側のピン42aをガイド孔76a内で後側に摺動させつつフック中央部に位置させ、且つ後方のピン42bを後方のガイド孔76bの上垂直部内で上方に上昇させる。ケーシング12の前部から挿入された前カットシートフィーダ36を支持するために、ロッド状の前記支持部74c、74d(図11、図29)がケーシング12に設けられている。図29に示されるように、前カットシートフィーダ36と後カットシートフィーダ36とは同じものであるが、支持部74c、74dと前カットシートフィーダ36の係合する部分(凹部)は、支持部74a、74bと係合する後カットシートフィーダ36の部分(凹部)とは、違った位置にある。
【0051】
図19及び図20は、前フィードローラ32の前に配置されたフロントガイド68の詳細を示している。フロントガイド68はテーブル42と連動できるように可動に配置されている。フロントガイド68は用紙搬送路に面したなだらかな曲面からなるガイド部68aと、ガイド部68aの両端に結合される側板部68bとからなる。側板部68bは前フィードローラ32のシャフト32cの軸線のまわりで回転可能に配置されている。ばね78が側板部68bを反時計回りに付勢しており、側板部68bがその上方に位置する前アッパガイド60の側端部に当接するようになっている。
【0052】
テーブル42は、フロントガイド68のガイド部68aに接続されるようにやや前下がりに形成された用紙支承部42cと、その両側に結合される側板部42dとからなる。用紙支承部42cの先端部42eはピン42aに回転可能に取り付けられ、時計回り方向に限られた回転をすることができる。テーブル42の側板部42dはフロントガイド68の側板部68bと連動するように配置されている。
【0053】
図19に示すテーブル42の水平位置においては、テーブル42の側板部42dはフロントガイド68の側板部68bと接触していない。従って、ばね78の作用と、側板部68bと前アッパガイド60との当接により、フロントガイド68のガイド部68aは右下下がりの位置で安定的な姿勢をとるようになっている。テーブル42の用紙支承部42cの先端部42eはフロントガイド68のガイド部68aと近接した位置にあり、連続的な用紙搬送路を形成する。この状態において、フロントガイド68は、テーブル42から供給される用紙、あるいはテーブル42へ排出される用紙のガイドとなる。また、フロントガイド68は前トラクタ38によって供給される連票用紙の搬送路に対してなだらかに連続し、連票用紙のガイドとして機能する。
【0054】
図20に示すテーブル42の傾斜位置においては、テーブル42の側板部42dはフロントガイド68の側板部68bと接触し、テーブル42が傾斜位置に動くにつれてフロントガイド68を下向きの姿勢に回転させる。この姿勢にあるテーブル42は、プリンタの後部に設けられた後カットシートフィーダ36から供給される用紙の大容量スタッカとして機能する。
【0055】
すなわち、図21に示されるように、プリンタ10の後部に後カットシートフィーダ36が配置されており、印字された用紙はテーブル42上に排出され、この場合、テーブル42はスタッカとして機能する。フロントガイド68は下向きの姿勢に安定的に維持され、スタッカとしてのテーブル42上に排出された用紙の後端ストッパとなる。よって、スタッカとしてのテーブル42上に多量の用紙がスタックされることができるようになっている。
【0056】
さらに、図22に示すように、テーブル42の傾斜位置において、プリンタ10の前部に前カットシートフィーダ36が配置されている場合には、プリンタ10の後部に大容量のスタッカ46aを取り付けることができる。この場合、テーブル42は上方に引き上げられた位置にあるので、テーブル42の側板部42dはフロントガイド68の側板部68bと接触せず、フロントガイド68は図19と同じ位置に維持されるので、カットシートフィーダ36からフロントガイド68を通って前フヘードローラ32へ用紙を供給することができる。
【0057】
図23は、前連帳モードにおいて、ニップローラ32aが前フィードローラ32から持ち上げられた状態で、連票用紙が前トラクタ38により供給され、後フィードローラ34により引っ張られることを示している。
図24は、後連帳モードにおいて、連票用紙は後トラクタ40により、後フィードローラ34を飛ばして、プラテン18へ直接に供給され、前フィードローラ32及びニップローラ32aにより引っ張られることを示している。
【0058】
連票用紙の場合には、前トラクタ38及び後トラクタ40が搬送能力があるので、搬送方向でプラテン18の手前側のフィードローラ32、34を使用する必要はなく、そのフィードローラ32、34を使用するとかえってたるみが発生する等の問題点が発生する。そのために、ニップローラ32a、34aが前フィードローラ32、34から持ち上げられた状態(あるいは押圧ばね力をゆるめた状態)にする必要があり、昇降駆動機構又はばね圧調整機構が必要である。本実施例では、後連帳モードにおいては連票用紙は後トラクタ40によりプラテン18へ直接に供給されるようにしているので、後フィードローラ34のニップローラ34aについてはそのような昇降駆動機構又はばね圧調整機構は必要ではなく、プリンタ10の構造の簡単化及びコストダウンを図ることができる。
【0059】
そして、連票用紙が後トラクタ40からプラテン18へ直接に供給される構成において、後トラクタ40は水平に対して前トラクタ38よりもより大きい角度で配置され、この部分の用紙搬送路が例えば水平に対して約45度の角度となるようにする。これによって、ケーシング12の後部に余裕スペースができるので、プリンタ10の後部に、後トラクタ40とともに、後スタッカ46及び後カットシートフィーダ36を配置することができるようになった。また、後トラクタ40からプラテン18へ向かって設けた連票ガイド70の存在も、連票用紙が後トラクタ40からプラテン18へ直接に供給されるのを可能とする。なお、本実施例では、後トラクタ40のみを用紙をプラテン18へ直接に供給することとしているが、前トラクタ38側のみをこのようにしてもよく、また、図41に示されるように、前トラクタ38及び後トラクタ40をともに、用紙を直接にプラテン18へ供給するようにしてもよい。この場合には、前トラクタ38からプラテン18へ向かって連票ガイド70を設けるのが好ましい。
【0060】
図1に示されるように、後カットシートフィーダ36は、ホッパ部36a、ピックローラ36b、及びダブル給紙防止のためのシート分離部材36cを有する。さらに、カットシートフィーダ36は、中間フィードローラ36d及びニップローラ36e、並びに用紙ガイド36fを有する。用紙ガイド36fは後アッパガイド62の下方へ延び、後アッパガイド62とフラップ弁72との間に用紙をガイドする。
【0061】
図25及び図26は、フラップ弁72の詳細を説明する図である。フラップ弁72は非常に薄いステンレス板を楔状に曲げ、開放端部を2つの平面部を有するシャフト72aに固定したものである。支持用フランジ62aが後アッパガイド62の端部から直角に下方に延びる。軸受72bが支持用フランジ62aに設けられ、フラップ弁72のシャフト72aは軸受72bに回転可能に取り付けられる。
【0062】
シャフト72aの左右両端部は平面部を有するD形に形成され、軸受72bの内面形状も同様のD形に形成される。ただし、シャフト72aのD形の平面部と、軸受72bのD形の平面部との間には、隙間があり、フラップ弁72はこの隙間の許容範囲内で図26に示されるように回転可能である。トーションスプリング72cがシャフト72aのまわりに配置され、その一端は支持用フランジ62aに保持され、他端はフラップ弁72に保持される。トーションスプリング72cはコイルを開く方向に予圧された状態で取り付けられ、コイルを縮む方向にばね力を発生するように配置されている。
【0063】
フラップ弁72は後フィードローラ34の方を向いて取り付けられ且つトーションスプリング72cによって後アッパガイド62に向かって付勢されている。すなわち、フラップ弁72は後フィードローラ34側から後アッパガイド62に接するように(図26の実線)付勢される。従って、矢印Xのようにプリンタ10の前部から供給されてプリンタ10の後部へ搬送される用紙P1 は、後フィードローラ34を通った後で自重により下に垂れて、フラップ弁72の下方を通って排出される。しかし、厚い用紙P1 や、複数層からなる複写用紙P1 、あるいは上にカールした用紙P1 等は、下に垂れずにフラップ弁72の上方を通ろうとする可能性がある。そうすると、印字された用紙P1 が後カットシートフィーダ36へ向かうことになる。しかし、フラップ弁72は用紙P1 がフラップ弁72の上方を通るのを防止し、確実に所定の排出方向へ向けさせる。
【0064】
矢印Yのように後カットシートフィーダ36から供給されてプリンタ10の前部へ搬送される用紙P2 は、フラップ弁72の上方に向かって進み、中間フィードローラ36dの搬送力によりトーションスプリング72cのばね力に抗してフラップ弁72を開いて進み、後フィードローラ34へ向かう。よって、用紙P2 は確実に後フィードローラ34へ向かって進む。
【0065】
この実施例によるフラップ弁72においては、簡単なDカットシャフト72aと軸受72bとの間の遊びと、トーションスプリング72cのばね力のみによる、簡単な構成で確実に、用紙の搬送を制御することができる。フラップ弁72を電動作動機構等により動かす必要がなく、手動操作による煩わしさもない。
【0066】
図3のケーシング12の左側板にはモータにより駆動される歯車列を含む駆動手段が設けられている。
図27はこの駆動手段の詳細を示す図である。駆動手段は、プラテン18及びフィードローラ32、34を駆動する駆動系列と、トラクタ38、40を駆動する駆動系列とに別れている。
【0067】
トラクタ38、40用の駆動系列は、モータMaと、モータ歯車Gaと、前トラクタ駆動用歯車38gと、後トラクタ駆動用歯車40gとを含む。これらの歯車Ga、38g、40gは中間歯車Gb〜Ggで接続される。モータ歯車Gaに隣接する歯車Gb、Gdはシフト歯車であり、一方の歯車Gb、Gdを切り離すことにより一方のトラクタのみを駆動することができる。
【0068】
プラテン18及びフィードローラ32、34用の駆動系列は、モータMbと、モータ歯車Ghと、プラテン駆動用歯車18gと、前フィードローラ駆動用歯車32gと、後フィードローラ駆動用歯車34gとを含み、これらの歯車Gh、32g、34gは中間歯車Gi〜Gnで接続される。ニップローラ駆動用歯車32h、34hはそれぞれのフィードローラ駆動用歯車32g、34gに接続される。
【0069】
このように、プラテン18及びフィードローラ32、34の駆動系列と、トラクタ38、40の駆動系列とを互いに独立的に設けたので、歯車の配置及び連結構成を簡単化でき、モータも小型化できる。また、実施例では歯車伝動機構を使用しているが、ベルト伝動機構を使用することもできる。また、プラテン18及びフィードローラ32、34の駆動系列と、トラクタ38、40の駆動系列とを互いに独立的に設けたので、用紙のたるみ防止等のためにフィードローラ32、34の搬送速度とトラクタ38、40の搬送速度に差をつけることもできる。
【0070】
図28はカットシートフィーダ36内のピックローラ36bの駆動系列を示す図である。この駆動系列は、モータMcと、モータ歯車Goと、ピックローラ駆動用歯車36gとを含み、これらの歯車は中間歯車Gp〜Gsで接続される。さらに、カットシートフィーダ36内の中間フィードローラ36dは歯車36hにより駆動されるが、この歯車36hはカットシートフィーダ36内の歯車には接続されていず、カットシートフィーダ36をプリンタ10に取り付けたときにプリンタ10内の搬送系統の歯車に接続されるようになっている。
【0071】
図29は、カットシートフィーダ36内の中間フィードローラ36dを駆動する歯車36hが、プリンタ10内の搬送系統の歯車に接続されることを示している。
プリンタ10内では、図27を参照して説明した前フィードローラ駆動用歯車32g及び後フィードローラ駆動用歯車34gがあり、さらにこれらの歯車32g、34gから、歯車Gt、Gxが接続して設けられている。カットシートフィーダ36内には中間フィードローラ36dを駆動する歯車36hの他にさらに歯車Gu、Gv、Gwが設けられており、よって歯車36hは歯車Gu、Gv、Gwを介して歯車Gt又はGxに接続される。
【0072】
図30は、前カットシートフィーダ36及び後カットシートフィーダ36がプリンタ10に取りつけられた略図を示する図である。前カットシートフィーダ36及び後カットシートフィーダ36は同じ構造のものであって、カットシートフィーダ36内の中間フィードローラ36dの歯車36h及びその先の歯車Gu、Gv、Gw(図30では省略)は、カットシートフィーダ36のフレームの両側に設けられ、両側の歯車36hはシャフト36sで連結されている。これに対して、プリンタ10内の歯車Gt、Gxはケーシング12の一側部にのみ設けられている。前カットシートフィーダ36と後カットシートフィーダ36とでは、左右方向が逆になる。しかし、図30の構成によれば、前及び後カットシートフィーダ36をプリンタ10に取り付けると、簡単且つ確実に前及び後カットシートフィーダ36内の歯車36hが(歯車Gu、Gv、Gwを介して)プリンタ10内の歯車Gt又はGxに接続されることになる。
【0073】
図31から図34は、前フィードローラ32のニップローラ32aの昇降機構、及び前及び後トラクタ駆動用歯車38g、40gを駆動するシフト歯車Gb、Gdのシフト機構を示す図である。
この機構は図33に示すカムプレート80を用いている。カムプレート80は、支点軸80aの回りで回転可能に取り付けられ、その一部に扇形歯車80bを有する。専用のモータMdが設けられ、モータMdはモータ歯車Gaa、歯車Gabを介して扇形歯車80bに接続される。従って、モータMdにより、カムプレート80を回転させることができる。
【0074】
カムプレート80はニップローラ32aの昇降部80c及びシフト部80dを有する。昇降部80cはピン80eを備え、ピン80eはカムギヤ82の長穴82aに係合する。カムギヤ82はカム面82bを有し、このカム面82bが前フィードローラ32のニップローラ32aのシャフト32b又はそれに関連する部位に係合する。従って、カムプレート80を回転させることによって、カムギヤ82を介して、ニップローラ32aを前フィードローラ32に対して昇降させることができる。図32が、ニップローラ32aの持ち上がった状態を示す。ニップローラ32aは図示しないばねにより前フィードローラ32に向かって付勢されている。
【0075】
シフト部80dは前及び後トラクタ駆動用歯車38g、40gを駆動するシフト歯車Gb、Gdに対してカム面80f、80gを備えている。カムプレート80が図31の位置にあるときには、図34に示されるように、カム面80fがシフト歯車Gbを押し上げて、シフト歯車Gbをモータ歯車Gaから切り離す。従って、この場合には、モータ歯車Maの回転は後トラクタ40へのみ伝えられる。一方、カムプレート80が図32の位置にあるときには、カム面80gがシフト歯車Gdを押し上げて、シフト歯車Gdをモータ歯車Gaから切り離す。従って、この場合には、モータ歯車Gaの回転は前トラクタ38へのみ伝えられる。なお、シフト歯車Gb、Gdは図示しないばねによりカムプレート80に向かって付勢されている。
【0076】
さらに、スイッチ84が設けられ、カムプレート80はスイッチ係合部80hを有する。スイッチ84は、カムプレート80が図31の位置にあるときにオフ信号を発生し、カムプレート80が図32の位置にあるときにオン信号を発生する。それによって、カムプレート80の使用状態、すなわち、ニップローラ32aが持ち上がっているかどうか、並びに前連帳モード又は後連帳モードであるかどうかを検出することができる。
【0077】
このように、ニップローラ32aの昇降、並びに前連帳モード又は後連帳モードの切り換えをモータMdにより行うことができる。これによって、各種操作の切り換えを自動化でき、そのような切り換えを操作パネル44の用紙選択ボタン44aを押すだけで行うことができるようになった。
【0078】
図35から図40は、図1及び図3に示される1つのキャリッジセンサ56と2つの検出片58L、58Rにより、いずれの用紙搬送方向においても、キャリッジ22の位置を検出し、キャリッジ22の左右端両方の位置決めを行うことを説明する図である。
【0079】
図35に示されるように、キャリッジセンサ56はコの字断面をした光透過─遮蔽型のセンサであり、遮蔽物としての検出片58L、58Rがコの字の間に位置すると遮蔽検出信号を発生する。
図36は、2つの検出片58L、58Rが互いに等しい大きさ(W)で、キャリッジセンサ56の移動可能領域A内の両端部に位置せしめられている例を示す図である。キャリッジセンサ56はその中心点において検出を行うものとする。図36においては、移動可能領域Aが領域I、II、III に分割され、キャリッジセンサ56が領域I、II、III のいずれにあるかについて考える。領域I、III はキャリッジセンサ56(の中心点)が検出片58L、58Rの一つで覆われる領域である。
【0080】
図37はこの場合のキャリッジ22の位置決めの制御のフローチャートである。ステップS1において、キャリッジセンサ56が遮蔽されているかどうかを検出する。ステップS1の結果がノーであれば、ステップS7へ進む。ステップS1の結果がイエスであれば、ステップS2へ進む。ここでは、キャリッジセンサ56が遮蔽されているとしても、どの検出片58L、58Rで遮蔽されているのか分からない。
【0081】
ステップS2において、キャリッジセンサ56(すなわちキャリッジ22)を左へWだけ移動する。ステップS3において、キャリッジセンサ56が遮蔽域にあるかどうかを判断する。ここで、キャリッジセンサ56が最初に領域I(例えば図36の実線の位置)にあったとすれば、キャリッジセンサ56は左端側のサイドフレーム等に拘束されて実際には左へWだけ移動することができず、遮蔽されている信号を発生し続ける。この場合、モータ30に脱調が起こる。ステップS3の結果がイエスであれば、ステップS4へ進む。
【0082】
キャリッジセンサ56が最初に領域III にあったとすれば、キャリッジセンサ56は左へWだけ移動して領域IIへ入り、遮蔽信号を発生しない。従って、ステップS3の結果はノーであり、ステップS7へ進む。
ステップS4において、キャリッジセンサ56を右へWだけ移動し、ステップS5において、キャリッジセンサ56が遮蔽域にあるかどうかを判断する。領域Iにあったキャリッジセンサ56を右へWだけ移動すれば、領域IIへ入るはずである。ステップS5の結果がノーであれば、ステップS6へ進み、キャリッジセンサ56を領域II内の適当な位置で停止させる。ステップS5の結果がイエスであればモータ30に異常が発生したとして、ステップS10へ進んでアラーム信号を発生する。
【0083】
ステップS7においては、キャリッジセンサ56は領域IIのどこかにいることになる。そこで、キャリッジセンサ56を左へBだけ移動させる信号を発生し、ステップS8において、キャリッジセンサ56が遮蔽域にあるかどうかを判断する。距離Bはキャリッジセンサ56の移動可能領域Aの大きさに相当する距離であり、キャリッジセンサ56を連続的に微小量ずつ左に移動しながらコンピュータの作動サイクル毎にステップS8の判断を行う。従って、キャリッジセンサ56がどこにいたかに関係なく、キャリッジセンサ56が領域IIから領域Iに入ったときにステップS8の結果はイエスになり、このときにキャリッジセンサ56は左側の基準位置にいることになる。そこで、ステップS9において、左端余白位置設定の指定に基づいて、キャリッジセンサ56(すなわちキャリッジ22)の位置決めを行う。また、ステップS8の結果がノーの場合には、いつまでたってもキャリッジセンサ56が領域IIから領域Iに入らないので、モータ30に異常が発生したとして、ステップS10へ進んでアラーム信号を発生する。
【0084】
この説明は、用紙がプリンタ10の前部から後部へ向かって搬送される場合についてのものである。用紙がプリンタ10の後部から前部へ向かって搬送される場合には、印字は搬送方向で読めるように行われるので、プリンタの前側から見た場合には、印字は右から左に走査しながら行われることになる。従って、この場合には、左端余白位置設定は、前側から見て用紙の右端部が基準になる。この場合には、図37の各動作の左と右の関係を逆にすることにより、同様にキャリッジセンサ56(キャリッジ22)の位置決めを行うことができる。このようにして、この実施例によれば、単一のキャリッジセンサ56によって前後方向の搬送に応じたキャリッジ22の位置検出と位置決めを行うことができる。
【0085】
図38は、2つの検出片58L、58Rが互いに異なった大きさ(WL 、WR )で、キャリッジセンサ56の移動可能領域A内の両端部よりも少し内寄りに位置せしめられている例を示す図である。実施例においては、右側の検出片58Rの方が左側の検出片58Lよりも幅が狭い。図38においては、移動可能領域Aが領域I、II、III 、IV、Vに分割され、キャリッジセンサ56が領域I、II、III 、IV、Vのいずれにあるかについて考える。左側の移動可能限界点から始まって左側の検出片58Lを覆う領域のうち、左側の検出片58Lの右端から右側の検出片58Rの幅WR に相当する分割位置で2つに分け、その左側を領域Iとし、その右側を領域IIとする。また、領域III は左側の検出片58Lと右側の検出片58Rとの間の領域、領域IVは右側の検出片58Rで覆われる領域、領域Vは右側の検出片58Rよりも右側の領域である。
【0086】
図39及び図40はこの場合のキャリッジ22の位置決めの制御のフローチャートである。図39は用紙がプリンタ10の前部から後部へ向かって搬送される場合、図40は用紙がプリンタ10の後部から前部へ向かって搬送される場合のものである。
【0087】
図39において、ステップS11において、キャリッジセンサ56が遮蔽されているかどうかを検出する。ステップS11の結果がノーであれば、ステップS15へ進む。この場合、キャリッジセンサ56は領域III 又はVにある。
ステップS11の結果がイエスであれば、ステップS12へ進んでキャリッジセンサ56(すなわちキャリッジ22)を右へ距離Bだけ移動し、そしてステップ13において、遮蔽域が右側の検出片58Rの幅WR よりも大きいかどうかを判断する。この場合の距離Bもキャリッジセンサ56の移動可能領域Aの大きさに相当する距離である。
【0088】
ステップS13の結果がイエスであれば、キャリッジセンサ56が領域Iにあると判断して、ステップS18へ進む。ステップS18において、遮蔽域が左側の検出片58Lの幅WL よりも大きいかどうかを判断し、イエスであればキャリッジセンサ56が領域Iから抜け出せないものと判断してアラーム(A)を生じさせる。ステップS18の結果がノーであれば、ステップ19へ進んで、キャリッジセンサ56が透過状態になるのを確認した後(領域IIに入ったことを確認した後)で一旦停止し、それからステップS20において、キャリッジセンサ56を左へ距離Bだけ移動する。それから、ステップS25、S26へ進んでキャリッジセンサ56(キャリッジ22)を位置決めする。ステップS20、S25、S26の意味は図37のステップS7、S8、S9の意味と同様であり、左端余白設定に位置に基づいて位置決めを行うものである。
【0089】
ステップS13の結果がノーであれば、キャリッジセンサ56が領域II又はIVから領域III 又はVへ入ったと判断して、ステップS14へ進み、キャリッジセンサ56を適当な位置で停止させる。それから、ステップS15へ進む。なお、上記したように、ステップS11の結果がノーである場合も、キャリッジセンサ56が領域III 又はVにあると判断して、ステップS15へ進む。
【0090】
ステップS15において、キャリッジセンサ56を左へ距離B移動させる。ステップS16において、キャリッジセンサ56がいつまでたっても遮蔽信号を発生しない場合にはアラームを発生させ、遮蔽信号があらわれたら、ステップS17へ進んで遮蔽域が右側の検出片58Rの幅WR よりも大きいかどうかを判断する。この判断は、キャリッジセンサ56が領域III から領域IIを通って領域Iへ入ったのか、あるいはキャリッジセンサ56が領域Vから領域IVを通って領域III へ入ったのかを判別するものである。
【0091】
ステップS17の判断は、前者の場合イエスになり、後者の場合ノーになる。ステップS17の結果がイエスの場合には、キャリッジセンサ56が領域Iへ深く入っているので、ステップS21において停止し、ステップS22において右へ距離Cだけ移動してキャリッジセンサ56を領域III へ出し、ステップS23において停止した後、ステップS24において再びキャリッジセンサ56を左へ距離B移動させる。この場合、ステップS24、S25、S26の組み合わせにより位置決めを行う。
【0092】
ステップS17の結果がノーの場合には、ステップS15の動作の継続により左への移動が続行され、上記したのと同様にステップS15、S25、S26の組み合わせにより位置決めを行う。
【0093】
図40においては、図39と同様のステップには同じ符号を付けて示してあり、キャリッジセンサ56が最初にどの領域にあるかについては同じ判断がなされる。また、図40においては、図39のステップS15、S19、S20、S23が削除され、ステップS27、S28、S29が付加されている。このステップの削除と付加は、キャリッジセンサ56を最後に位置決めするに際して、キャリッジセンサ56を右端側(搬送方向からみると左端側)にもってくるためのものである。
【0094】
このようにして、この実施例によれば、単一のキャリッジセンサ56によって前後方向の搬送に応じたキャリッジ22の位置検出と位置決めを行うことができる。なお、右側の検出片58Rの幅WR はかなり小さくできるが、キャリッジセンサ56(キャリッジ22)を加減速しているときには検出を行うことができないので、右側の検出片58Rの幅WR はキャリッジセンサ56(キャリッジ22)が加減速を達成して定速状態に移行するのに必要な距離よりも大きくするのが望ましい。
【0095】
図42から図44を参照して本発明を要約する。
図43は、図10に示されるようにフル装備のときのプリンタ10を示す図である。すなわち、プリンタ10は、前テーブル42、前カットシートフィーダ36、前トラクタ38、後トラクタ40、後カットシートフィーダ36を備えている。ただし、使用においては、前カットシートフィーダ36と後カットシートフィーダ36はいずれか一方が選択的にセットされ、また、前トラクタ38と後トラクタ40はいずれか一方が選択的にセットされるものとする。
【0096】
前テーブル42、前カットシートフィーダ36、及び前トラクタ38が使用される場合には、用紙はケーシング12の前側から矢印Xの方向にプラテン10に供給される。この場合を、前送りと言う。後トラクタ40及び後カットシートフィーダ36が使用される場合には、用紙はケーシング12の後側から矢印Yの方向にプラテン10に供給される。この場合を、後送りと言う。
【0097】
図44に示されるように、印字される文字の向きは、プリンタ100の用紙供給側にいるオペレータOが印字された文字を読めるように設定されている。すなわち、前送りの場合には、プリンタ100の前側にいるオペレータOが印字された文字を読めるようになっており、後送りの場合には、プリンタ100の後側にいるオペレータOが印字された文字を読めるようになっている。従って、印字ヘッド16の印字部16aの中心を通る線L上に配置された単一の用紙先端検出センサ52によって前後両方向で搬送される用紙の先端を検出して用紙を設定された上端マージンの位置に位置決めし、印字を開始することができる。これは用紙の種類には関係なく、用紙送りの方向によって決定される。
【0098】
図42は、図43のプリンタ10の作動を説明するフローチャートである。これは図示しないコンピュータによって制御され、上記した各種機構によって実施される。コンピュータはどの用紙供給手段が使用されるかを示すコマンドを受ける。実施例の場合には、図4に示す用紙選択ボタン44aの信号を受ける。上記したように、用紙選択ボタン44aを押し続けることにより、前連帳、後連帳、単票の操作モードを選択することができる。
【0099】
用紙選択ボタン44aによって前連帳モードが選ばれたら(ステップS30)、ステップS31において前連帳送りと認識し、ステップS32において前フィードローラ32を開く(ニップローラ32aを前フィードローラ32から上昇させる)。それから、ステップS33において前フィードローラ32及び後フィードローラ34を第1の回転方向に回転させて用紙を搬送し、用紙の上端位置決めを行った後、ステップS34において印字ヘッド16により印字を行う。この場合の印字は図44の矢印Xから見た方向に実施される。
【0100】
同様に、用紙選択ボタン44aによって後連帳モードが選ばれたら(ステップS35)、ステップS36において後連帳送りと認識し、ステップS37において前フィードローラ32を閉じる(ニップローラ32aを前フィードローラ32に押しつける)。それから、ステップS33において前フィードローラ32及び後フィードローラ34を第1の回転方向とは逆の第2の回転方向に回転させて用紙を搬送し、用紙の上端位置決めを行った後、ステップS34において印字ヘッド16により印字を行う。この場合の印字は図44の矢印Yから見た方向に実施される。
【0101】
用紙選択ボタン44aによって単票モードが選ばれたら(ステップS38)、ステップS39において前カットシートフィーダ36がセットされているかどうかを判断する。例えば、前カットシートフィーダ36のコネクタがプリンタ10内の対応するコネクタと接続されているかどうかを判断する。前カットシートフィーダ36がセットされていれば、ステップS40において前カットシートフィーダ36による前送りと認識し、ステップS37において前フィードローラ32を閉じ(ニップローラ32aを前フィードローラ32に押しつけ)、それから、ステップS33において前フィードローラ32及び後フィードローラ34を第1の回転方向に回転させて用紙を搬送し、用紙の上端位置決めを行った後、ステップS34において印字ヘッド16により印字を行う。この場合の印字は図44の矢印Xから見た方向に実施される。
【0102】
用紙選択ボタン44aによって単票モードが選ばれ、ステップS39の判断がノーであれば、ステップS41において後カットシートフィーダ36がセットされているかどうかを判断する。この場合にも、後カットシートフィーダ36のコネクタがプリンタ10内の対応するコネクタと接続されているかどうかを判断する。後カットシートフィーダ36がセットされていれば、ステップS42において後カットシートフィーダ36による後送りと認識し、ステップS37において前フィードローラ32を閉じ(ニップローラ32aを前フィードローラ32に押しつけ)、それから、ステップS33において前フィードローラ32及び後フィードローラ34を第2の回転方向に回転させて用紙を搬送し、用紙の上端位置決めを行った後、ステップS34において印字ヘッド16により印字を行う。この場合の印字は図44の矢印Yから見た方向に実施される。
【0103】
用紙選択ボタン44aによって単票モードが選ばれ、ステップS41の判断がノーであれば、ステップS42において前単票送り(前テーブル42からの手差し挿入)が選ばれていると認識する。そこで、ステップS37において前フィードローラ32を閉じ(ニップローラ32aを前フィードローラ32に押しつけ)、それから、ステップS33において前フィードローラ32及び後フィードローラ34を第1の回転方向に回転させて用紙を搬送し、用紙の上端位置決めを行った後、ステップS34において印字ヘッド16により印字を行う。この場合の印字は図44の矢印Xから見た方向に実施される。
【0104】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、用紙を両方向に搬送でき、構造が簡単で、容易に操作でき、カットシートフィーダやトラクタ等を選択的に搭載できるプリンタを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例によるプリンタを示す横断図である。
【図2】図1のプリンタの斜視図である。
【図3】図2のプリンタのカバー等を取り外した斜視図である。
【図4】図2のプリンタの操作パネルを示す図である。
【図5】図1から図3のプリンタの変形態様を示す図である。
【図6】図1から図3のプリンタの他の変形態様を示す図である。
【図7】図1から図3のプリンタの他の変形態様を示す図である。
【図8】図1から図3のプリンタの他の変形態様を示す図である。
【図9】図1から図3のプリンタの他の変形態様を示す図である。
【図10】図1から図3のプリンタの他の変形態様を示す図である。
【図11】プラテンとカットシートフィーダの取りつけ手段の例を示す図である。
【図12】用紙先端検出センサの配置の例を示す図である。
【図13】キャリッジに支持された用紙ガイドに設けたインジケータラインを示す図である。
【図14】インジケータラインと印字との関係を示す図である。
【図15】ケーシングの後部に設けたスタッカ及びカットシートフィーダを挿入するための開口部を示す図である。
【図16】スタッカの支持を示す図である。
【図17】ケーシングの前部に設けたテーブル取り付け用のガイド孔を示す図である。
【図18】図17のテーブルが傾斜位置にあるところを示す図である。
【図19】テーブルと連動する構成のフロントガイドを示す図である。
【図20】図19のフロントガイドが垂直位置にあるところを示す図である。
【図21】図19のフロントガイドが垂直位置になってテーブルが大容量スタッカとして機能するところを示す図である。
【図22】図19のフロントガイドが傾斜位置になってテーブルの下にカットシートフィーダが配置されているところを示す図である。
【図23】前フィードローラと前トラクタの関係を示す図である。
【図24】後フィードローラと後トラクタの関係を示す図である。
【図25】後アッパガイドに取り付けたフラップ弁を示す図である。
【図26】フラップ弁と後フィードローラの関係を示す図である。
【図27】図3のケーシングの一側部に設けられた歯車列を示す図である。
【図28】カットシートフィーダに設けられた歯車列を示す図である。
【図29】カットシートフィーダをケーシングの前後に取り付けるための歯車列を示す図である。
【図30】カットシートフィーダの歯車をケーシングの歯車に接続したところを示す図である。
【図31】ニップローラを前フィードローラに対して移動する機構及び前後トラクタの駆動歯車を切り換えるた機構を示す図である。
【図32】図31の切り換え状態を示す図である。
【図33】図31のカムプレートを示す図である。
【図34】図31のカムプレート及び前後トラクタの駆動歯車を示す側面図である。
【図35】図1のキャリッジセンサと検出片を示す図である。
【図36】図35の検出片の配置の一例を示す図である。
【図37】図36の検出片の配置に基づくキャリッジの制御の一例を示すフローチャートである。
【図38】図35の検出片の配置の他の例を示す図である。
【図39】図38の検出片の配置に基づくキャリッジの制御の一例を示すフローチャートである。
【図40】図39の続きを示すフローチャートである。
【図41】図24のトラクタの配置の変形例を示す図である。
【図42】フル装備の場合のプリンタの基本動作を示すフローチャートである。
【図43】フル装備の場合のプリンタの用紙送りを説明する略図である。
【図44】用紙送り方向に従って印字の向きが定まることを説明する図である。
【符号の説明】
10…プリンタ
12…ケーシング
16…印字ヘッド
18…プラテン
22…キャリッジ
32…前フィードローラ
34…後フィードローラ
36…カットシートフィーダ
38…前トラクタ
40…後トラクタ
42…テーブル
46…スタッカ
48…用紙ガイド
52…用紙先端検出センサ
54…インジケータライン
56…キャリッジセンサ
58L、58R…検出片
68…フロントガイド
70…連票ガイド
72…フラップ弁
80…カムプレート
Ma、Mb、Mc…モータ
Ga〜Gzz…歯車

Claims (5)

  1. ケーシングと、移動可能なキャリッジと、該キャリッジに取り付けられた印字ヘッドと、該印字ヘッドと対向するプラテンと、該プラテンの一方の側に配置された第1のフィードローラと、該プラテンの他方の側に配置された第2のフィードローラとを具備し、該第1及び第2のフィードローラは第1の回転方向及びその逆の第2の回転方向に回転可能であり、用紙をケーシングの一方の側からプラテンへ供給できるとともに用紙をケーシングの他方の側からもプラテンへ供給できるようにしたプリンタにおいて、該キャリッジに該印字ヘッドの下端部とほぼ同じ高さの位置に取り付けられた用紙ガイドと、該用紙ガイドに用紙搬送方向に並べて設けられ且つ用紙前送り及び用紙後送り方向の印字基準位置を示す2つのインジケータラインとを具備し、該用紙ガイドに、該印字ヘッドの印字部を通り且つ用紙搬送方向と垂直な線上に設けられた用紙先端検出手段を具備し、更に、用紙をケーシングの一方の側および他方の側のいずれから供給された場合でも、該用紙先端検出手段が用紙先端を検出した後前記用紙が所定の印字位置で停止するように設定されていることを特徴とするプリンタ。
  2. 該キャリッジの位置を検出するために固定の位置に設けられた2つの検出部と、該キャリッジに取り付けられ、該2つの検出部の位置にさしかかったときに検出信号を発生する単一の検出手段とを具備し、該検出手段は用紙がいずれの搬送方向に搬送される場合でも該キャリッジの移動方向における位置を検出し、よって印刷開始位置にキャリッジを位置決めできるようにしたことを特徴とする請求項1に記載のプリンタ。
  3. 該2つの検出部は検出片として互いに等しい幅を有し、該検出手段がいずれかの検出部上にあるときに一方向に大きく移動することによっていずれの検出部であるかを判断することを特徴とする請求項2に記載のプリンタ。
  4. 該2つの検出部は検出片として互いに異なる幅を有し、該検出手段がいずれかの検出部上にあるときに一方向に大きく移動し且つ遮蔽域が該2つの検出部のうちの短い方の幅よりも大きいかどうかを調べることによっていずれの検出部であるかを判断することを特徴とする請求項2に記載のプリンタ。
  5. 印字は選択された搬送方向から見て読めるように行われるようにしたことを特徴とする請求項2に記載のプリンタ。
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