JP3835219B2 - 距離測定装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、外乱光や内部回路自身に基づいて発生するノイズの影響を受けにくい距離測定装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
対象物にパルス光を投光し、その反射光を受光するまでの飛行時間を計測することにより対象物までの距離を検出する距離測定装置では、受光信号をアンプで増幅してから信号処理を行う。しかし、アンプは、受光信号と共にノイズ成分をも同様に増幅してしまうために、強い外乱光が入射するとS/N(信号対雑音比)が著しく低下し、信号処理ができなくなってしまう。そこで、ノイズ検出量に応じてアンブの利得を自動的に調整するAGC回路(自動利得制御回路)を採用して、信号処理に必要なS/Nを確保することが実用化されている。
【0003】
AGC回路には、例えば、特開平5−344066号公報に示されるように、受光信号を増幅するアンプを固定したままその利得を変化させるものや、アンプを複数段接続し、ノイズ検出量に応じてアンプの接続段数を切り換えることによって利得を変化させるものがある。図1は後者の受光信号回路を示している。フォトダイオード1で受光した受光信号が3段に縦続されたアンプ2〜4で増幅され、2段目のアンプ3の出力と3段目のアンプ4の出力とが切替え回路5に入力する。ノイズ検出回路6は、外乱光のノイズを検出し、その検出量に応じて、アンプ3またはアンプ4の出力を選択する信号を切替え回路5に出力する。したがって、この回路では、ノイズ検出量に応じて、アンプの接続段数が自動的に切り替えられ、アンプ全体の利得が自動調整される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記のAGC回路を採用した従来の回路構成では、ノイズ検出量に応じて利得を変えるために、アンプへの入力前の受光信号のレベルが一定であってもノイズ次第でアンプからの出力タイミングが変化してしまうことになる。このため、これを距離測定装置に採用した場合、利得の高低の変動がアンプ増幅後の受光信号の検出タイミングに影響を及ぼし、距離計測精度が低下するという問題がある。特に、図1に示す回路では、ノイズ検出量に応じてアンプの段数が変化するためにそれに伴う信号の遅延時間が変化するという問題がある。すなわち、光を使った距離測定装置では、1nsの時間が15cm程度に相当するが、アンプ1段の信号遅延時間はnsオーダーであるから、図1のアンプ4の通過有無によって、数10cmの距離誤差を生じてしまうことになる。特に、常に動いているターゲット、たとえば車両や人間等に対する距離計測を行おうとする時には、ターゲットの反射率が常に変化することになるために、ノイズ検出量も常に変化してしまい、これに伴ってアンプの接続段数を切り換えるようにすれば、距離計測結果は数10cmの範囲で常時変動してしまうこととなって、精度が著しく低下するという不都合がある。
【0005】
この発明の目的は、アンプの段数を固定し、且つAGC回路を設けることなく高精度に距離を計測することのできる距離測定装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
この発明は、上記の課題を解決するために次のように構成したものである。
(1)対象物にパルス光を投光する投光手段と、
前記投光手段で投光されたパルス光が前記対象物で反射されて戻ってくる反射光を受光する受光手段と、
前記受光手段の出力信号を増幅するn段接続のアンプと、
n−1段目以前のアンプの出力信号が予め定めた第1の基準レベルに変化したタイミングを検出し、このタイミングを開始タイミングとする、予め定めた時間幅のゲート区間を設定するゲート区間設定手段と、
前記ゲート区間設定手段により設定されたゲート区間において、n段目のアンプの出力信号が予め定めた第2の基準レベルに変化したタイミングをストップタイミングとして検出するストップタイミング検出手段と、
前記投光手段によるパルス光の投光タイミングと、前記ストップタイミング検出手段により検出された前記ストップタイミングと、に基づいて前記対象物までの距離を計測する計測手段と、を備えている。
【0007】
この発明では、n段接続(nは2以上の整数)のアンプを使用するが、n段目のアンプの出力は、受光信号のレベルが飽和する程度となるように各アンプの利得を設定するのが好ましい。そのようにすると、nー1段目以前のアンプの出力信号を、ノイズ信号に対し受光信号のレベルが十分に大きい信号にできる。このような出力信号では、受光信号の区間を検出できるから、この受光信号の区間を検出できるn−1段目以前のアンプの出力信号に基づいて、ゲート区間を適性に設定することができる。そして、ストップタイミング検出手段が、このように適性に設定されたゲート区間において、n段目のアンプの出力信号が予め定めた第2の基準レベルに変化したタイミングをストップタイミングとして検出するので、外乱光等によるノイズの影響を受けることなく、投光手段により投光されたパルス光が対象物で反射されて戻ってきた反射光を適性に検出できる。
また、ノイズの量にかかわらず、距離測定装置内において受光信号通過する経路が一定であるので、反射光による受光信号の検出タイミングが変化しない。これにより、距離計測が高精度となる。
【0013】
)前記受光手段と前記n段接続のアンプとの間に接続され、前記受光手段から出力される信号の単一周波数成分を通過させるバンドパスフィルタを備えている。
【0014】
バンドパスフィルタは、受光信号の単一周波数成分を通過させる。この単一周波数成分は、受光信号の基本波の周波数成分であることが好ましい。このようなフィルタを受光手段の後段に接続することで、正弦波信号またはそれに類似した信号を形成することができるから、その信号のゼロクロスタイミングを検出することで、距離測定に最適な受光信号パルスを形成することができる。
【0016】
また、距離計測は、対象物に投光したパルス光の投光タイミングから受光信号パルスの受光タイミングまでの時間を計測するが、受光信号パルスを、バンドパスフィルタを通過させた場合、受光信号パルスの立ち上がりタイミング(受光信号パルスが正のパルスの時)は不安定であって、立ち下がりタイミング(受光信号パルスが正のパルスの時)は常にゼロクロスタイミングであるために安定である。そこで、この発明では、パルス光の投光タイミングから受光信号パルスの立ち下がりタイミングまでの時間を計測して距離計測を行う。なお、受光信号パルスを負のパルスとして処理する時には、立ち上がりタイミングまでの時間を計測する。この発明において、第2の基準レベルに変化するタイミングとは、受光信号パルスを正のパルスとして処理する場合は、受光信号パルスの立ち下がりタイミングを意味し、受光信号パルスを負のパルスとして処理する場合は、受光信号パルスの立ち上がりタイミングを意味する。
【0017】
【発明の実施の形態】
図2は、この発明の実施形態である距離測定装置のブロック図である。
【0018】
レーザダイオード(以下、LDという)10は、対象物13に対してパルス光を投光する投光手段であって、投光ドライバ11によって駆動される。パルス光の投光タイミングの信号は、積分回路12に入力され、後述の、距離測定のスタート(開始)タイミング信号とされる。
【0019】
対象物13に投光されたパルス光に対する該対象物13からの反射光は、フォトダイオード(以下、PDという)14に受光される。PD14の出力信号は、バンドパスフィルタ(以下、BPFという)15に入力し、ここで、受光パルスの基本波成分が抽出される。BPF15は、受光パルスの基本波成分の周波数だけを通過させるフィルタであって、このフィルタを通過した受光パルスはその基本波の振動信号となって出力される。BPF15の出力信号は、n段のアンプ16〜18で増幅され、乗算回路21でゲート信号形成回路20から出力されたゲート信号と論理積されて立ち下がり検出回路22に入力される。立ち下がり検出回路22は、乗算回路21から出力される受光信号パルスの立ち下がりタイミングを検出し、このタイミングの信号を、後述の、距離測定のエンドタイミング信号として積分回路12に出力する。積分回路12は、投光ドライバ11から出力されるスタートタイミング信号から上記エンドタイミング信号までの時間だけ、所定の信号を積分することにより、その積分値に対応する距離を計測する。
【0020】
前記ゲート信号形成回路20は、n−1段目のアンプ17の出力信号と、ノイズ検出回路19で検出したノイズ検出信号とに基づいてゲート信号を形成する。ノイズ検出回路19は、n段目のアンプ18の出力からノイズを検出する。ゲート信号形成回路20で形成されるゲート信号は、n段目のアンプ18の出力信号からノイズ信号を除去するゲート区間が設定されたものであり、これと、n段目のアンプ18の出力信号とを乗算回路21で乗算(論理積)することで、受光信号パルスを形成する。
【0021】
図3は、上記距離測定装置のより詳細なブロック図を示す。また、図4、図5、図6は、同距離測定装置の動作波形図である。なお、図4、図5、図6の信号波形と図3の信号位置との対応関係は、アルファベット小文字で示している。
【0022】
図3において、図2のノイズ検出回路19は、タイミング制御回路30、ワンショットマルチ31、乗算回路32、ワンショットマルチ33で構成される。また、ゲート信号形成回路20は、コンパレータ35、ワンショットマルチ36、加算回路37、乗算回路38で構成される。また、図2の立ち下がり検出回路22は、ワンショットマルチ22及び乗算回路39で構成される。
【0023】
LD10を駆動する投光ドライバ11に対して、タイミング制御回路30が投光クロックaを出力する。投光クロックaは、図6に示すように、投光周期Tの間隔で、出力される。投光ドライバ11は、上記投光クロックaを受けると、LD10を駆動してLD10にパルス光を投光させる。また、投光ドライバ10は、上記投光クロックを受けると、上記投光クロックaを微分したスタートパルスbを生成し、積分回路12に出力する。スタートパルスbは、投光を開始したタイミングを意味する。
【0024】
対象物13(図2参照)で反射されて戻ってくる反射光はPD14で受光され、PD14の出力はI/V変換器40で、電圧レベルの信号に変換される。この信号は、BPF15で基本波の振動信号に変換されて、n段のアンプ群の最初のアンプ16に入力される。
【0025】
n段のアンプ16〜18は、各アンプの利得が、n−1段目のアンプ17の出力で十分なS/Nを確保できるようにされ、且つ、n段目のアンプ18の利得が、信号増幅がやや飽和する程度になるように設定される。したがって、n−1段目のアンプ17の出力cと、n段目のアンプ18の出力dは、それぞれ、図4に示すようになる。図4において、信号S1は、PD14から出力される信号がBPF15を通過してさらにアンプ16、17で増幅された受光信号パルス(基本波信号)であり、ノイズ成分と十分に識別されうるS/Nが確保されている。また、信号S2は、アンプ18で増幅された信号S1の前後にあるノイズ信号であり、信号S3は、アンプ18で増幅された受光信号パルスである。この信号S3は、上記信号S1がn段目のアンプ18で増幅されて飽和するためパルス信号となる。ノイズを示す信号S2は、外乱光から生じるノイズとアンプ等の回路自身の特性から出るノイズとが合成されたものである。
【0026】
上記のc及びdの信号波形中、信号S1及び信号S2に基づいてノイズ信号を除去するゲート区間が設定されるゲート信号が形成される。
【0027】
コンパレタ35は、n−1段目のアンプ17の出力を、一定の基準レベルと比較することによってパルス信号(信号e)を形成する。図4に示すように、この一定の基準レベルは、パルス立ち上がり時においてはレベルαとし、立ち下がり時においてはレベルβ(=0)とするヒステリシス特性を持たせる。立ち上がり時の基準レベルをαとすることによって、信号eがノイズによって立ち上がるのを防ぎ、ヒステリシス特性により、動作の安定を図っている。
【0028】
コンパレータ41は、n段目のアンプ18の飽和状態にある出力信号を、一定の基準レベルと比較することによってパルス信号を形成する。図4において、このコンパレータ41の出力信号fは、信号S2に対応する部分において、ノイズパルスがランダムに表れている。
【0029】
上記コンパレータ41から出力される信号fは、乗算回路32に入力され、タイミング制御回路30からの出力信号gと乗算(論理積)される。信号gは、LD10でパルス光を投光する前のノイズを検出するための信号である。この信号gは、所定の基準となるタイミングt1で立ち上がり、t2で立ち下がる。t2は、図6に示すように、受光信号パルスが検出され得る最短のタイミング、またはそれよりも早いタイミングに設定される。ここで受光信号パルスが検出され得る最短のタイミングとは、対象物13が、距離測定装置の測定範囲の最短測定距離に存在する場合において、受光信号パルスが検出されるタイミングである。そして、tは、受光信号パルスが受光され得る最長のタイミング、またはそれよりも遅いタイミングに設定される。ここで、受光信号パルスが検出され得る最長のタイミングとは、対象物13が、距離測定装置の測定範囲の最長測定距離に存在する場合において受光信号パルスが検出されるタイミングである。図6において、信号fの「短」で示す信号は、距離測定装置の測定範囲の最短測定距離に存在する場合において、パルス光を周期Tで投光したときの検出した受光信号パルスを示している。また、信号fの「長」で示す信号は、距離測定装置の測定範囲の最長測定距離に存在する場合において、パルス光を周期Tで投光したときの検出した受光信号パルスを示している。この2つのパルスの期間TAは、距離測定対象となる対象物が存在しえる範囲と距離測定装置の配置位置に基づいて決定される。図4に示す例では、t2はスタートパルスbのタイミングにほぼ一致するように設定されている。このt2とt1の間隔は、約2μsecである。
【0030】
上記乗算回路32で、信号fと信号gを乗算することによって、信号hが得られる。すなわち、信号hは、受光信号の前後に位置するノイズ信号対応パルスを示す。
【0031】
上記ワンショットマルチ33は、乗算回路32の出力があった時、5μsecのパルス幅の信号iを出力する。この信号iは、上記ノイズ信号対応パルスの最初のパルスによって形成されるため、図4に示すようになる。なお、信号iのパルス幅は十分に長い期間にしておくことが必要である。この例では、同パルス幅を、投光クロックaの周期に等しい5μsecにされている。
【0032】
前記コンパレータ35の出力は、ワンショットマルチ36に入力され、所定のパルス幅の信号jが形成される。コンパレータ35の出力信号eは、n−1段目のアンプ17の出力に基づいて形成されるパルス信号であり、ワンショットマルチ36は、この信号eの立ち上がりから、一定のパルス幅の信号jを形成する。この信号jのパルス幅は、図4に示すように、信号dの受光信号パルスS3の1個のパルスが約2個分入る長さに設定される。
【0033】
上記加算回路37は、信号iと信号jを加算(論理和)して、信号kを形成する。図4に示すように、この信号kは、パルス幅T2において、信号dの受光信号パルスS3を通過させ、その前後の区間T1およびT3において、ノイズ信号を除去するゲート区間を備えている。
【0034】
上記ノイズ検出回路19内のワンショットマルチ31は、スタートパルスbより、一定のパルス幅の信号l(エル)を形成する。この信号l(エル)のパルス幅は、ほぼ1μsecに設定される。1μsecは、上記信号kのパルス幅T2を十分に含む長さである。
【0035】
上記ゲート信号形成回路20の乗算回路38は、信号kと信号l(エル)を乗算(論理積)して、信号mを形成する。この信号mは、受光信号パルスS3を受信するタイミングにより、図5のm1の実線で示すパルスになったり、m2の点線で示すパルスになったりする等、時間軸上で変動する。この乗算回路38の出力信号mが、ノイズ信号を除去するゲート区間の設定された最終的なゲート信号である。
【0036】
上記乗算回路21は、乗算回路38の出力信号mとコンパレータ41の出力信号fとを乗算(論理積)して、信号nを形成する。図5に示すように、信号nは、信号dにおいて、ノイズを示す信号S2が除去され、受光信号パルスS3だけが表れたものなっている。ワンショットマルチ22は、この信号nの立ち下がりタイミングt5を検出する。そして、乗算回路39は、ワンショットマルチ22の出力信号oと信号nとを乗算(論理積)して、信号pを出力する。信号pはストップパルスとして上記積分回路12に出力される。
【0037】
ここで、ワンショットマルチ22を設けることによって、信号nの立ち下がりタイミングt5を検出し、このタイミングをストップタイミングとしてストップパルスpを積分回路12に出力しているが、このタイミングt5は、信号dから明らかなように、受光パルス信号S3のゼロクロスタイミングである。したがって、このタイミングt5は受光信号のレベルに係わらず安定したタイミングとなり、距離計測の正確性を担保することができる。ストップパルスpの立ち上がりタイミングは、信号cから形成される信号mによって、実際の信号よりも遅れが生じているため、距離計測を行う上において正確なものとはならない。なお、ストップパルスpを負のパルスとして形成した時には、その立ち上がりタイミングがストップタイミングとなる。
【0038】
このようにして、スタートパルスbによるスタートタイミングとストップパルスpによるストップタイミングとが形成され、積分回路12において、それらのタイミング間において、所定の信号の積分が行われる。信号qは、積分回路12の出力信号である。この信号qは、A/D変換器42でディジタル化され、演算回路43に入力されて、所定の演算式により距離が求められる。なお、演算回路43で実際に距離を求めるには、次の連立方程式からa及びbを求め、L=aD+bの式によって、距離Lを求める。
【0039】
L1=aD1+b
L2=aD2+b
すなわち、上記式において、任意の2点までの既知の距離L1、L2におけるディジタル値(A/D変換器42の出力値)D1、D2を取得する。この値を上記連立方程式に代入することによって、a及びbの値を求める。なお、PD14の出力信号から上記BPF15で基本波成分を抽出することによって、距離計測が正確になる理由について図7を参照して説明する。
【0040】
図7に示すように、BPF15を使用せずに、受光信号のタイミングを検出しようとすれば、その立ち上がりタイミングは、受光信号のパワーが「大」の場合と「小」の場合とで異なってくるために、この時間差に相当する距離計測誤差が生じる。これに対し、この受光信号をBPF15を通過させて、単一周波数成分の信号、すなわち基本波成分の信号を抽出すれば、受信信号のパワーが「大」であろうと「小」であろうと、ゼロクロス、を通過するタイミングは変わらない。
【0041】
以上の理由から、アンプ16に入力する信号をBPF15で抽出した基本波成分とする。
【0042】
本実施形態の距離測定装置では、n段目のアンプの出力信号と、n−1段目のアンプの出力信号の状態によって、ゲート信号kの形状が変わってくる。また、n−1段目のアンプ17の出力信号の状態と、n段目のアンプ18の出力信号の状態によっては距離計測ができない場合もある。
【0043】
以下、このことについて図8及び図9を参照して説明する。図8は、n−1段目のアンプ17の出力信号の状態と、n段目のアンプ18の出力信号の状態と、距離計測の可能性の関係を示している。図において、「n段目の信号」は、n段目のアンプ18の出力信号中の受光信号パルス(図4の信号S3)を意味し、「n−1段目の信号」は、n−1段目のアンプ17の出力信号中の受光信号パルス(図4の信号S1)を意味する。また、「n段目のノイズ」は、n段目のアンプ18の出力信号中のノイズ信号(図4の信号S2)を意味する。また、図中○は計測可能であることを示し、×は計測不可であることを示し、/は状態があり得ないことを示している。
【0044】
図9は、図8の▲1▼〜▲8▼の状態の時のゲート信号kを示している。▲5▼及び▲6▼の状態は、あり得ない(n−1段目の受光信号パルスがあって、n段目の受光信号パルスがない、ことはあり得ない)ので、図9においては信号kを示していない。なお、▲3▼の状態は、計測不可となっているが、これは、図9に示すように、信号kが、受信信号の存在期間(図の中央部分)において“L”となっているからである。この期間で“L”となるのは、nー1段目の受光信号パルス(図4の信号S1)を検出出来ないため、信号eが形成されないためである。しかし、n−1段目のアンプ17で受光信号を検出できず、n段目のアンプ18で受光信号を検出できる状態は、受光信号がかなり低レベルである状態であるため、このような場合は距離測定できなくてもそれほど大きな問題とはならない。むしろ、n−1段目のアンプ17で、対象物に対応する受光信号パルスを十分なS/Nで検出できるよう、アンプ16〜17の利得が設定されているため、▲3▼の状態は略ありえない状態である。
【0045】
一方、▲4▼の状態は、ノイズがほとんど検出されない状態であるため、受光信号パルスのレベルが低くても距離計測が可能である。したがって、▲4▼の状態では、ゲート信号kは”H”を維持する。また、▲7▼および▲8▼の状態は、検出可能なゲート信号が出力されるだけであって、n段目のアンプ18の出力に受光信号パルスが表れない状態である。この状態は、対象物のない状態であるから、実際には距離計測については考慮する必要がない。
【0046】
以上、詳述したように、図3の乗算回路21でゲート信号に乗算される受光信号パルスfは、常に、n段目(最終段)のアンプ18の出力信号をコンパレータ41を通して得られる信号であるため、受光信号パルスのS/Nの状況にかかわらず、積分回路12で積分を停止するストップタイミングは一定である。このため、高精度な距離計測を行うことができる。
【0047】
なお、本実施形態では、BPF15を用いて、受光パルスの基本波成分(単一周波数成分)を得るようにしたが、ゼロクロスタイミングの信号を得るには、微分回路を用いることも可能である。また、多少計測精度は低下するが、BPF15がなくても振動波形は表れるため、距離計測は可能である。また、ゲート信号を形成するのに、n−1段目のアンプ17の出力信号を利用したが、これ以前のアンプの出力信号を利用することも可能である。
【0048】
【発明の効果】
この発明によれば、受信信号のレベルの大小に関わらず、信号処理は同じであるため、正確に対象物までの距離を測定することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の受光信号回路の構成図
【図2】この発明の実施形態の距離測定装置のブロック図
【図3】上記距離測定装置のより詳細なブロック図
【図4】上記距離測定装置の動作波形図
【図5】上記距離測定装置の他の動作波形図
【図6】上記距離測定装置の他の動作波形図
【図7】BPFの動作を説明する図
【図8】受光信号とノイズの関係を示す図
【図9】ゲート信号の変化を示す図

Claims (2)

  1. 対象物にパルス光を投光する投光手段と、
    前記投光手段で投光されたパルス光が前記対象物で反射されて戻ってくる反射光を受光する受光手段と、
    前記受光手段の出力信号を増幅するn段接続のアンプと、
    n−1段目以前のアンプの出力信号が予め定めた第1の基準レベルに変化したタイミングを検出し、このタイミングを開始タイミングとする、予め定めた時間幅のゲート区間を設定するゲート区間設定手段と、
    前記ゲート区間設定手段により設定されたゲート区間において、n段目のアンプの出力信号が予め定めた第2の基準レベルに変化したタイミングをストップタイミングとして検出するストップタイミング検出手段と、
    前記投光手段によるパルス光の投光タイミングと、前記ストップタイミング検出手段により検出された前記ストップタイミングと、に基づいて前記対象物までの距離を計測する計測手段と、を備えた距離測定装置。
  2. 前記受光手段と前記n段接続のアンプとの間に接続され、前記受光手段から出力される信号の単一周波数成分を通過させるバンドパスフィルタを備えた請求項1に記載の距離測定装置。
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