JP2003075534A - 距離測定装置及び受光信号回路 - Google Patents

距離測定装置及び受光信号回路

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JP2003075534A
JP2003075534A JP2001263837A JP2001263837A JP2003075534A JP 2003075534 A JP2003075534 A JP 2003075534A JP 2001263837 A JP2001263837 A JP 2001263837A JP 2001263837 A JP2001263837 A JP 2001263837A JP 2003075534 A JP2003075534 A JP 2003075534A
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】アンプの段数を固定しAGC回路を設けること
なく高精度な距離測定を行う。 【解決手段】LD10で投光したパルス光は対象物13
で反射して反射光がPD14で受光される。PD14で
受光した信号はBPF15で基本波成分が抽出され、n
段のアンプ分16〜18で増幅される。ゲート信号形成
回路20は、n−1段目のアンプ17の出力と、n段目
のアンプ18の出力からノイズを検出するノイズ検出回
路19との出力とに基づいて、ノイズ信号を除去するゲ
ート区間が設定されるゲート信号を形成する。乗算回路
(論理積回路)21は、このゲート信号とn段目のアン
プ18の出力信号とを乗算(論理積)して、受光信号パ
ルスのみを抽出し、このパルスの立ち下がりタイミング
を検出してストップタイミング信号とし、これを積分回
路12に出力することにより距離計測を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、外乱光や内部回
路自身に基づいて発生するノイズの影響を受けにくい距
離測定装置及び受光信号回路に関する。
【0002】
【従来の技術】対象物にパルス光を投光し、その反射光
を受光するまでの飛行時間を計測することにより対象物
までの距離を検出する距離測定装置では、受光信号をア
ンプで増幅してから信号処理を行う。しかし、アンプ
は、受光信号と共にノイズ成分をも同様に増幅してしま
うために、強い外乱光が入射するとS/N(信号対雑音
比)が著しく低下し、信号処理ができなくなってしま
う。そこで、ノイズ検出量に応じてアンブの利得を自動
的に調整するAGC回路(自動利得制御回路)を採用し
て、信号処理に必要なS/Nを確保することが実用化さ
れている。
【0003】AGC回路には、例えば、特開平5−34
4066号公報に示されるように、受光信号を増幅する
アンプを固定したままその利得を変化させるものや、ア
ンプを複数段接続し、ノイズ検出量に応じてアンプの接
続段数を切り換えることによって利得を変化させるもの
がある。図1は後者の受光信号回路を示している。フォ
トダイオード1で受光した受光信号が3段に縦続された
アンプ2〜4で増幅され、2段目のアンプ3の出力と3
段目のアンプ4の出力とが切替え回路5に入力する。ノ
イズ検出回路6は、外乱光のノイズを検出し、その検出
量に応じて、アンプ3またはアンプ4の出力を選択する
信号を切替え回路5に出力する。したがって、この回路
では、ノイズ検出量に応じて、アンプの接続段数が自動
的に切り替えられ、アンプ全体の利得が自動調整され
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記のAGC
回路を採用した従来の回路構成では、ノイズ検出量に応
じて利得を変えるために、アンプへの入力前の受光信号
のレベルが一定であってもノイズ次第でアンプからの出
力タイミングが変化してしまうことになる。このため、
これを距離測定装置に採用した場合、利得の高低の変動
がアンプ増幅後の受光信号の検出タイミングに影響を及
ぼし、距離計測精度が低下するという問題がある。特
に、図1に示す回路では、ノイズ検出量に応じてアンプ
の段数が変化するためにそれに伴う信号の遅延時間が変
化するという問題がある。すなわち、光を使った距離測
定装置では、1nsの時間が15cm程度に相当する
が、アンプ1段の信号遅延時間はnsオーダーであるか
ら、図1のアンプ4の通過有無によって、数10cmの
距離誤差を生じてしまうことになる。特に、常に動いて
いるターゲット、たとえば車両や人間等に対する距離計
測を行おうとする時には、ターゲットの反射率が常に変
化することになるために、ノイズ検出量も常に変化して
しまい、これに伴ってアンプの接続段数を切り換えるよ
うにすれば、距離計測結果は数10cmの範囲で常時変
動してしまうこととなって、精度が著しく低下するとい
う不都合がある。
【0005】この発明の目的は、アンプの段数を固定
し、且つAGC回路を設けることなく高精度な距離を計
測することのできる距離測定装置及び同装置に使用する
受光信号回路を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】この発明は、上記の課題
を解決するために次のように構成したものである。 (1)対象物にパルス光を投光する投光手段と、前記投
光手段で投光されたパルス光が前記対象物で反射されて
戻ってくる反射光を受光する受光手段と、前記投光手段
による投光から前記受光手段による受光までの所要時間
に基づいて前記対象物までの距離を計測する距離測定装
置において、受光手段から出力される信号中のノイズ信
号を検出するノイズ検出手段と、前記ノイズ信号を除去
するゲート区間が設定されるゲート信号を形成するゲー
ト信号形成手段と、前記受光手段から出力される信号を
利得が一定のアンプで増幅した信号と前記ゲート信号と
に基づいて受光信号だけを抽出して前記対象物までの距
離を計測する距離計測手段と、を備えてなることを特徴
とする。
【0007】この発明では、ノイズ検出手段によってノ
イズ信号を検出し、そのノイズ信号を除去するゲート信
号とアンプで増幅した受光信号とに基づいてノイズを受
光信号から除去する。また,ノイズの量にかかわらず、
距離測定装置内において受光信号か通過する経路が一定
であるので、反射光による受光信号の検出タイミングが
変化しない。これにより、距離計測が高精度となる。
【0008】(2)前記ノイズ検出手段は、前記パルス
光の投光タイミング前のノイズ信号を検出することを特
徴とする。
【0009】パルス光の投光タイミング前のノイズ信号
を検出することによって、外乱光や内部回路に基づくノ
イズを検出でき、このノイズ信号を除去するゲート区間
を形成することかできるから、ノイズ信号の一部を受光
信号として誤って処理することを防ぐことができる。
【0010】(3)前記アンプはn段接続(nは2以上
の整数)のアンプで構成し、前記ノイズ検出手段は、n
段目のアンプの出力信号からノイズ信号を検出し、前記
ゲート信号形成手段は、n段目以前のアンプの出力信号
と前記ノイズ検出手段のノイズ検出信号とに基づいて前
記ゲート信号を形成することを特徴とする。
【0011】この発明では、ノイズ信号は、n段接続の
アンプの最終段のアンプの出力信号から検出しているた
め、全てのアンプの回路に基づくノイズ信号を検出する
ことができ、ノイズ信号を正確に検出できる。
【0012】また、この発明では、n段接続のアンプを
使用するが、n段目のアンプの出力は、受光信号のレベ
ルが飽和する程度となるように各アンプの利得を設定す
るのが好ましい。そのようにすると、n段目以前のアン
プの出力信号には、ノイズ信号に対し受光信号のレベル
が十分に大きい信号を取り出すことができる。このよう
な出力信号では、受光信号の区間を検出できるから、こ
の受光信号の区間を検出できるn段目以前のアンプの出
力信号と、ノイズの発生区間を検出できるノイズ検出手
段のノイズ検出信号とに基づいて、ゲート信号を形成す
ることができる。すなわち、ゲート信号はノイズ信号を
除去するゲート区間が正しく設定されたものとなる。
【0013】(4)前記受光手段と前記アンプとの間に
前記受光手段から出力される信号の単一周波数成分を通
過させるバンドパスフィルタを接続し、前記n段目のア
ンプの出力信号に前記受光信号として単一周波数成分の
受光信号パルスが形成されるようにしたことを特徴とす
る。
【0014】バンドパスフィルタは、受光信号の単一周
波数成分を通過させる。この単一周波数成分は、受光信
号の基本波の周波数成分であることが好ましい。このよ
うなフィルタを受光手段の後段に接続することで、正弦
波信号またはそれに類似した信号を形成することができ
るから、その信号のゼロクロスタイミングを検出するこ
とで、距離測定に最適な受光信号パルスを形成すること
ができる。
【0015】(5)前記距離計測手段は、前記パルス光
の投光タイミングから前記受光信号パルスが基準レベル
に変化するタイミングまでの時間を計測して前記対象物
までの距離を検出することを特徴とする。
【0016】距離計測は、対象物に投光したパルス光の
投光タイミングから受光信号パルスの受光タイミングま
での時間を計測するが、受光信号パルスを、上記(5)
のようにバンドパスフィルタを通過させた場合、受光信
号パルスの立ち上がりタイミング(受光信号パルスが正
のパルスの時)は不安定であって、立ち下がりタイミン
グ(受光信号パルスが正のパルスの時)は常にゼロクロ
スタイミングであるために安定である。そこで、この発
明では、パルス光の投光タイミングから受光信号パルス
の立ち下がりタイミングまでの時間を計測して距離計測
を行う。なお、受光信号パルスを負のパルスとして処理
する時には、立ち上がりタイミングまでの時間を計測す
る。この発明において、受光信号パルスが基準レベルに
変化するタイミングとは、受光信号パルスを正のパルス
として処理する場合は、受光信号パルスの立ち下がりタ
イミングを意味し、受光信号パルスを負のパルスとして
処理する場合は、受光信号パルスの立ち上がりタイミン
グを意味する。
【0017】
【発明の実施の形態】図2は、この発明の実施形態であ
る距離測定装置のブロック図である。
【0018】レーザダイオード(以下、LDという)1
0は、対象物13に対してパルス光を投光する投光手段
であって、投光ドライバ11によって駆動される。パル
ス光の投光タイミングの信号は、積分回路12に入力さ
れ、後述の、距離測定のスタート(開始)タイミング信
号とされる。
【0019】対象物13に投光されたパルス光に対する
該対象物13からの反射光は、フォトダイオード(以
下、PDという)14に受光される。PD14の出力信
号は、バンドパスフィルタ(以下、BPFという)15
に入力し、ここで、受光パルスの基本波成分が抽出され
る。BPF15は、受光パルスの基本波成分の周波数だ
けを通過させるフィルタであって、このフィルタを通過
した受光パルスはその基本波の振動信号となって出力さ
れる。BPF15の出力信号は、n段のアンプ16〜1
8で増幅され、乗算回路21でゲート信号形成回路20
から出力されたゲート信号と論理積されて立ち下がり検
出回路22に入力される。立ち下がり検出回路22は、
乗算回路21から出力される受光信号パルスの立ち下が
りタイミングを検出し、このタイミングの信号を、後述
の、距離測定のエンドタイミング信号として積分回路1
2に出力する。積分回路12は、投光ドライバ11から
出力されるスタートタイミング信号から上記エンドタイ
ミング信号までの時間だけ、所定の信号を積分すること
により、その積分値に対応する距離を計測する。
【0020】前記ゲート信号形成回路20は、n−1段
目のアンプ17の出力信号と、ノイズ検出回路19で検
出したノイズ検出信号とに基づいてゲート信号を形成す
る。ノイズ検出回路19は、n段目のアンプ18の出力
からノイズを検出する。ゲート信号形成回路20で形成
されるゲート信号は、n段目のアンプ18の出力信号か
らノイズ信号を除去するゲート区間が設定されたもので
あり、これと、n段目のアンプ18の出力信号とを乗算
回路21で乗算(論理積)することで、受光信号パルス
を形成する。
【0021】図3は、上記距離測定装置のより詳細なブ
ロック図を示す。また、図4、図5、図6は、同距離測
定装置の動作波形図である。なお、図4、図5、図6の
信号波形と図3の信号位置との対応関係は、アルファベ
ット小文字で示している。
【0022】図3において、図2のノイズ検出回路19
は、タイミング制御回路30、ワンショットマルチ3
1、乗算回路32、ワンショットマルチ33で構成され
る。また、ゲート信号形成回路20は、コンパレータ3
5、ワンショットマルチ36、加算回路37、乗算回路
38で構成される。また、図2の立ち下がり検出回路2
2は、ワンショットマルチ22及び乗算回路39で構成
される。
【0023】LD10を駆動する投光ドライバ11に対
して、タイミング制御回路30が投光クロックaを出力
する。投光クロックaは、図6に示すように、投光周期
Tの間隔で、出力される。投光ドライバ11は、上記投
光クロックaを受けると、LD10を駆動してLD10
にパルス光を投光させる。また、投光ドライバ10は、
上記投光クロックを受けると、上記投光クロックaを微
分したスタートパルスbを生成し、積分回路12に出力
する。スタートパルスbは、投光を開始したタイミング
を意味する。
【0024】対象物13(図2参照)で反射されて戻っ
てくる反射光はPD14で受光され、PD14の出力は
I/V変換器40で、電圧レベルの信号に変換される。
この信号は、BPF15で基本波の振動信号に変換され
て、n段のアンプ群の最初のアンプ16に入力される。
【0025】n段のアンプ16〜18は、各アンプの利
得が、n−1段目のアンプ17の出力で十分なS/Nを
確保できるようにされ、且つ、n段目のアンプ18の利
得が、信号増幅がやや飽和する程度になるように設定さ
れる。したがって、n−1段目のアンプ17の出力c
と、n段目のアンプ18の出力dは、それぞれ、図4に
示すようになる。図4において、信号S1は、PD14
から出力される信号がBPF15を通過してさらにアン
プ16、17で増幅された受光信号パルス(基本波信
号)であり、ノイズ成分と十分に識別されうるS/Nが
確保されている。また、信号S2は、アンプ18で増幅
された信号S1の前後にあるノイズ信号であり、信号S
3は、アンプ18で増幅された受光信号パルスである。
この信号S3は、上記信号S1がn段目のアンプ18で
増幅されて飽和するためパルス信号となる。ノイズを示
す信号S2は、外乱光から生じるノイズとアンプ等の回
路自身の特性から出るノイズとが合成されたものであ
る。
【0026】上記のc及びdの信号波形中、信号S1及
び信号S2に基づいてノイズ信号を除去するゲート区間
が設定されるゲート信号が形成される。
【0027】コンパレタ35は、n−1段目のアンプ1
7の出力を、一定の基準レベルと比較することによって
パルス信号(信号e)を形成する。図4に示すように、
この一定の基準レベルは、パルス立ち上がり時において
はレベルαとし、立ち下がり時においてはレベルβ(=
0)とするヒステリシス特性を持たせる。立ち上がり時
の基準レベルをαとすることによって、信号eがノイズ
によって立ち上がるのを防ぎ、ヒステリシス特性によ
り、動作の安定を図っている。
【0028】コンパレータ41は、n段目のアンプ18
の飽和状態にある出力信号を、一定の基準レベルと比較
することによってパルス信号を形成する。図4におい
て、このコンパレータ41の出力信号fは、信号S2に
対応する部分において、ノイズパルスがランダムに表れ
ている。
【0029】上記コンパレータ41から出力される信号
fは、乗算回路32に入力され、タイミング制御回路3
0からの出力信号gと乗算(論理積)される。信号g
は、LD10でパルス光を投光する前のノイズを検出す
るための信号である。この信号gは、所定の基準となる
タイミングt1で立ち上がり、t2で立ち下がる。t2
は、図6に示すように、受光信号パルスが検出され得る
最短のタイミング、またはそれよりも早いタイミングに
設定される。ここで受光信号パルスが検出され得る最短
のタイミングとは、対象物13が、距離測定装置の測定
範囲の最短測定距離に存在する場合において、受光信号
パルスが検出されるタイミングである。そして、t3
は、受光信号パルスが受光され得る最長のタイミング、
またはそれよりも遅いタイミングに設定される。ここ
で、受光信号パルスが検出され得る最長のタイミングと
は、対象物13が、距離測定装置の測定範囲の最長測定
距離に存在する場合において受光信号パルスが検出され
るタイミングである。図6において、信号fの「短」で
示す信号は、距離測定装置の測定範囲の最短測定距離に
存在する場合において、パルス光を周期Tで投光したと
きの検出した受光信号パルスを示している。また、信号
fの「長」で示す信号は、距離測定装置の測定範囲の最
長測定距離に存在する場合において、パルス光を周期T
で投光したときの検出した受光信号パルスを示してい
る。この2つのパルスの期間TAは、距離測定対象とな
る対象物が存在しえる範囲と距離測定装置の配置位置に
基づいて決定される。図4に示す例では、t2はスター
トパルスbのタイミングにほぼ一致するように設定され
ている。このt2とt1の間隔は、約2μsecであ
る。
【0030】上記乗算回路32で、信号fと信号gを乗
算することによって、信号hが得られる。すなわち、信
号hは、受光信号の前後に位置するノイズ信号対応パル
スを示す。
【0031】上記ワンショットマルチ33は、乗算回路
32の出力があった時、5μsecのパルス幅の信号i
を出力する。この信号iは、上記ノイズ信号対応パルス
の最初のパルスによって形成されるため、図4に示すよ
うになる。なお、信号iのパルス幅は十分に長い期間に
しておくことが必要である。この例では、同パルス幅
を、投光クロックaの周期に等しい5μsecにされて
いる。
【0032】前記コンパレータ35の出力は、ワンショ
ットマルチ36に入力され、所定のパルス幅の信号jが
形成される。コンパレータ35の出力信号eは、n−1
段目のアンプ17の出力に基づいて形成されるパルス信
号であり、ワンショットマルチ36は、この信号eの立
ち上がりから、一定のパルス幅の信号jを形成する。こ
の信号jのパルス幅は、図4に示すように、信号dの受
光信号パルスS3の1個のパルスが約2個分入る長さに
設定される。
【0033】上記加算回路37は、信号iと信号jを加
算(論理和)して、信号kを形成する。図4に示すよう
に、この信号kは、パルス幅T2において、信号dの受
光信号パルスS3を通過させ、その前後の区間T1およ
びT3において、ノイズ信号を除去するゲート区間を備
えている。
【0034】上記ノイズ検出回路19内のワンショット
マルチ31は、スタートパルスbより、一定のパルス幅
の信号l(エル)を形成する。この信号l(エル)のパ
ルス幅は、ほぼ1μsecに設定される。1μsec
は、上記信号kのパルス幅T2を十分に含む長さであ
る。
【0035】上記ゲート信号形成回路20の乗算回路3
8は、信号kと信号l(エル)を乗算(論理積)して、
信号mを形成する。この信号mは、受光信号パルスS3
を受信するタイミングにより、図5のm1の実線で示す
パルスになったり、m2の点線で示すパルスになったり
する等、時間軸上で変動する。この乗算回路38の出力
信号mが、ノイズ信号を除去するゲート区間の設定され
た最終的なゲート信号である。
【0036】上記乗算回路21は、乗算回路38の出力
信号mとコンパレータ41の出力信号fとを乗算(論理
積)して、信号nを形成する。図5に示すように、信号
nは、信号dにおいて、ノイズを示す信号S2が除去さ
れ、受光信号パルスS3だけが表れたものなっている。
ワンショットマルチ22は、この信号nの立ち下がりタ
イミングt5を検出する。そして、乗算回路39は、ワ
ンショットマルチ22の出力信号oと信号nとを乗算
(論理積)して、信号pを出力する。信号pはストップ
パルスとして上記積分回路12に出力される。
【0037】ここで、ワンショットマルチ22を設ける
ことによって、信号nの立ち下がりタイミングt5を検
出し、このタイミングをストップタイミングとしてスト
ップパルスpを積分回路12に出力しているが、このタ
イミングt5は、信号dから明らかなように、受光パル
ス信号S3のゼロクロスタイミングである。したがっ
て、このタイミングt5は受光信号のレベルに係わらず
安定したタイミングとなり、距離計測の正確性を担保す
ることができる。ストップパルスpの立ち上がりタイミ
ングは、信号cから形成される信号mによって、実際の
信号よりも遅れが生じているため、距離計測を行う上に
おいて正確なものとはならない。なお、ストップパルス
pを負のパルスとして形成した時には、その立ち上がり
タイミングがストップタイミングとなる。
【0038】このようにして、スタートパルスbによる
スタートタイミングとストップパルスpによるストップ
タイミングとが形成され、積分回路12において、それ
らのタイミング間において、所定の信号の積分が行われ
る。信号qは、積分回路12の出力信号である。この信
号qは、A/D変換器42でディジタル化され、演算回
路43に入力されて、所定の演算式により距離が求めら
れる。なお、演算回路43で実際に距離を求めるには、
次の連立方程式からa及びbを求め、L=aD+bの式
によって、距離Lを求める。
【0039】L1=aD1+b L2=aD2+b すなわち、上記式において、任意の2点までの既知の距
離L1、L2におけるディジタル値(A/D変換器42
の出力値)D1、D2を取得する。この値を上記連立方
程式に代入することによって、a及びbの値を求める。
なお、PD14の出力信号から上記BPF15で基本波
成分を抽出することによって、距離計測が正確になる理
由について図7を参照して説明する。
【0040】図7に示すように、BPF15を使用せず
に、受光信号のタイミングを検出しようとすれば、その
立ち上がりタイミングは、受光信号のパワーが「大」の
場合と「小」の場合とで異なってくるために、この時間
差に相当する距離計測誤差が生じる。これに対し、この
受光信号をBPF15を通過させて、単一周波数成分の
信号、すなわち基本波成分の信号を抽出すれば、受信信
号のパワーが「大」であろうと「小」であろうと、ゼロ
クロス、を通過するタイミングは変わらない。
【0041】以上の理由から、アンプ16に入力する信
号をBPF15で抽出した基本波成分とする。
【0042】本実施形態の距離測定装置では、n段目の
アンプの出力信号と、n−1段目のアンプの出力信号の
状態によって、ゲート信号kの形状が変わってくる。ま
た、n−1段目のアンプ17の出力信号の状態と、n段
目のアンプ18の出力信号の状態によっては距離計測が
できない場合もある。
【0043】以下、このことについて図8及び図9を参
照して説明する。図8は、n−1段目のアンプ17の出
力信号の状態と、n段目のアンプ18の出力信号の状態
と、距離計測の可能性の関係を示している。図におい
て、「n段目の信号」は、n段目のアンプ18の出力信
号中の受光信号パルス(図4の信号S3)を意味し、
「n−1段目の信号」は、n−1段目のアンプ17の出
力信号中の受光信号パルス(図4の信号S1)を意味す
る。また、「n段目のノイズ」は、n段目のアンプ18
の出力信号中のノイズ信号(図4の信号S2)を意味す
る。また、図中○は計測可能であることを示し、×は計
測不可であることを示し、/は状態があり得ないことを
示している。
【0044】図9は、図8の〜の状態の時のゲート
信号kを示している。及びの状態は、あり得ない
(n−1段目の受光信号パルスがあって、n段目の受光
信号パルスがない、ことはあり得ない)ので、図9にお
いては信号kを示していない。なお、の状態は、計測
不可となっているが、これは、図9に示すように、信号
kが、受信信号の存在期間(図の中央部分)において
“L”となっているからである。この期間で“L”とな
るのは、nー1段目の受光信号パルス(図4の信号S
1)を検出出来ないため、信号eが形成されないためで
ある。しかし、n−1段目のアンプ17で受光信号を検
出できず、n段目のアンプ18で受光信号を検出できる
状態は、受光信号がかなり低レベルである状態であるた
め、このような場合は距離測定できなくてもそれほど大
きな問題とはならない。むしろ、n−1段目のアンプ1
7で、対象物に対応する受光信号パルスを十分なS/N
で検出できるよう、アンプ16〜17の利得が設定され
ているため、の状態は略ありえない状態である。
【0045】一方、の状態は、ノイズがほとんど検出
されない状態であるため、受光信号パルスのレベルが低
くても距離計測が可能である。したがって、の状態で
は、ゲート信号kは”H”を維持する。また、および
の状態は、検出可能なゲート信号が出力されるだけで
あって、n段目のアンプ18の出力に受光信号パルスが
表れない状態である。この状態は、対象物のない状態で
あるから、実際には距離計測については考慮する必要が
ない。
【0046】以上、詳述したように、図3の乗算回路2
1でゲート信号に乗算される受光信号パルスfは、常
に、n段目(最終段)のアンプ18の出力信号をコンパ
レータ41を通して得られる信号であるため、受光信号
パルスのS/Nの状況にかかわらず、積分回路12で積
分を停止するストップタイミングは一定である。このた
め、高精度な距離計測を行うことができる。
【0047】なお、本実施形態では、BPF15を用い
て、受光パルスの基本波成分(単一周波数成分)を得る
ようにしたが、ゼロクロスタイミングの信号を得るに
は、微分回路を用いることも可能である。また、多少計
測精度は低下するが、BPF15がなくても振動波形は
表れるため、距離計測は可能である。また、ゲート信号
を形成するのに、n−1段目のアンプ17の出力信号を
利用したが、これ以前のアンプの出力信号を利用するこ
とも可能である。
【0048】
【発明の効果】この発明によれば、受信信号のレベルの
大小に関わらず、信号処理は同じであるため、正確に対
象物までの距離を測定することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の受光信号回路の構成図
【図2】この発明の実施形態の距離測定装置のブロック
【図3】上記距離測定装置のより詳細なブロック図
【図4】上記距離測定装置の動作波形図
【図5】上記距離測定装置の他の動作波形図
【図6】上記距離測定装置の他の動作波形図
【図7】BPFの動作を説明する図
【図8】受光信号とノイズの関係を示す図
【図9】ゲート信号の変化を示す図
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2F112 AD01 BA07 CA12 EA05 EA11 FA33 5J084 AA05 AD01 BA04 BA36 CA03 CA27 CA44 CA49 CA55 EA04

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】対象物にパルス光を投光する投光手段と、 前記投光手段で投光されたパルス光が前記対象物で反射
    されて戻ってくる反射光を受光する受光手段と、 前記投光手段による投光から前記受光手段による受光ま
    での所要時間に基づいて前記対象物までの距離を計測す
    る距離測定装置において、 受光手段から出力される信号中のノイズ信号を検出する
    ノイズ検出手段と、 前記ノイズ信号を除去するゲート区間が設定されるゲー
    ト信号を形成するゲート信号形成手段と、 前記受光手段から出力される信号を利得が一定のアンプ
    で増幅した信号と前記ゲート信号とに基づいて受光信号
    だけを抽出して前記対象物までの距離を計測する距離計
    測手段と、 を備えてなる距離測定装置。
  2. 【請求項2】 前記ノイズ検出手段は、前記パルス光の
    投光タイミング前のノイズ信号を検出することを特徴と
    する、請求項1記載の距離測定装置。
  3. 【請求項3】前記アンプはn段接続のアンプで構成し、
    前記ノイズ検出手段は、n段目のアンプの出力信号から
    ノイズ信号を検出し、前記ゲート信号形成手段は、n段
    目以前のアンプの出力信号と前記ノイズ検出手段のノイ
    ズ検出信号とに基づいて前記ゲート信号を形成すること
    を特徴とする、請求項2記載の距離測定装置。
  4. 【請求項4】前記受光手段と前記アンプとの間に前記受
    光手段から出力される信号の単一周波数成分を通過させ
    るバンドパスフィルタを接続し、前記n段目のアンプの
    出力信号に前記受光信号として単一周波数成分の受光信
    号パルスが形成されるようにしたことを特徴とする、請
    求項2または3のいずれかに記載の距離測定装置。
  5. 【請求項5】前記距離計測手段は、前記パルス光の投光
    タイミングから前記受光信号パルスが基準レベルに変化
    するタイミングまでの時間を計測して前記対象物までの
    距離を検出することを特徴とする請求項4記載の距離測
    定装置。
  6. 【請求項6】対象物にパルス光を投光する投光手段と、 前記投光手段で投光されたパルス光が前記対象物で反射
    されて戻ってくる反射光を受光する受光手段と、 前記受光手段の出力信号を増幅するn段接続のアンプ
    と、 n段目のアンプの出力信号からノイズ信号を検出するノ
    イズ検出手段と、 n段目以前のアンプの出力信号と前記ノイズ検出手段の
    ノイズ検出信号とに基づいて前記ノイズ信号を除去する
    ゲート区間が形成されるゲート信号を形成するゲート信
    号形成手段と、 前記受光手段から出力される信号と前記ゲート信号を論
    理積することにより受光信号だけを抽出して出力する受
    光信号出力手段と、 を備えたことを特徴とする、受光信号回路。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005249743A (ja) * 2004-03-08 2005-09-15 Omron Corp レーダ装置
JP2008076145A (ja) * 2006-09-20 2008-04-03 Topcon Corp パルス光受光時間測定装置
WO2012121337A1 (ja) * 2011-03-08 2012-09-13 国立大学法人静岡大学 距離測定用の信号処理回路および距離測定装置
JP2014142340A (ja) * 2013-01-24 2014-08-07 Sick Ag 光電センサおよび監視領域内の物体の検出方法

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