JP3834607B2 - オリゴ糖鎖・フェニレンジアミン複合化合物の製造方法、オリゴ糖鎖集合化用リンカー化合物、リンカー化合物により集合化したオリゴ糖鎖・フェニレンジアミン複合化合物 - Google Patents

オリゴ糖鎖・フェニレンジアミン複合化合物の製造方法、オリゴ糖鎖集合化用リンカー化合物、リンカー化合物により集合化したオリゴ糖鎖・フェニレンジアミン複合化合物 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、オリゴ糖鎖を簡便に、かつオリゴ糖鎖の機能部位を損なわないように集合化するための技術に関する。より詳しくは、本発明はオリゴ糖鎖の機能部位を損なわないように集合化することが可能なオリゴ糖鎖・フェニレンジアミン複合化合物の製造方法、オリゴ糖鎖集合化用リンカー化合物、リンカー化合物により集合化したオリゴ糖鎖・フェニレンジアミン複合化合物に関する。
【0002】
【従来の技術】
オリゴ糖鎖を、還元アミノ酸化反応を利用してタンパク質や高分子マトリックスに結合させ、オリゴ糖鎖の生物活性を高めた例はある。しかしながら、オリゴ糖鎖を結合させたタンパク質や高分子マトリックスは単一分子という概念からは遠くはずれた不均一なものとなり、結合したオリゴ糖鎖の数も不均一であり、生成物は分子群の平均値として求められているに過ぎない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
分子レベルでのオリゴ糖鎖の作用機構を解明し、それに基づいて新規薬剤などの機能分子を開発するためには、そのオリゴ糖鎖数を調整しつつ、簡便に単一分子が得られる方法が必要であった。しかしながら、複数の糖鎖を多価マトリックスに完全に結合させて、構造の明確な単一化合物を得た例は今まで殆ど知られていなかった。
【0004】
本発明者等は、多価アミン化合物をリンカー化合物として用いるのが最適であると考え、多価リンカー化合物を分子設計し製造すると共に、これらリンカー化合物を用いて、機能を有するオリゴ糖鎖を集合化すべく鋭意研究を行った。
また、以前、本発明者等は、硫酸化多糖ヘパリン中の血小板結合に関与する部分構造を明らかにし、その部分構造を含んだ部分構造を合成する方法も確立していた。この知見に基づき所定のオリゴ糖鎖の集合化し血小板結合活性の向上を図るべく鋭意研究を行った。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明の第一の目的は、リンカー化合物としてフェニレンジアミン基を有する多価アミンを用いて、低い H 条件下で還元末端と反応させることによって集合化したオリゴ糖鎖・フェニレンジアミン複合化合物を製造する方法を提供することにある。
本発明の第二の目的は、複数のオリゴ糖鎖をその数を調整しつつ簡便に集合化することを可能とする、末端にフェニレンジアミンを有する多価アミン化合物であるオリゴ糖鎖集合化用リンカー化合物を提供することにある。
本発明の第三の目的は、リンカー化合物としての末端にフェニレンジアミンを有する多価アミン化合物により集合化したオリゴ糖鎖・フェニレンジアミン複合化合物を提供することにある。
【0006】
本発明に係るオリゴ糖鎖・フェニレンジアミン複合化合物の製造方法は、リンカー化合物として末端にフェニレンジアミン部を有する下記式(17)または(18)の多価アミン化合物を用いて、低いpH条件下で還元位を有する糖のオリゴ糖鎖の還元末端を還元アミノ化反応によって反応させることによって集合化することを特徴とする。
【化17】
Figure 0003834607
【化18】
Figure 0003834607
但し、式(17)、(18)中、nは2〜7の整数を示し、mは1〜3の整数、XはOHまたはHを示す。なお、オリゴ糖鎖の重合度は5迄とする。
【0007】
還元位を有するオリゴ糖鎖が下記式(19)あるいは(20)で表され、オリゴ糖鎖・フェニレンジアミン複合化合物が下記式(21)、(22)、(23)または(24)で表されることが好ましい。
【化19】
Figure 0003834607
【化20】
Figure 0003834607
【化21】
Figure 0003834607
【化22】
Figure 0003834607
【化23】
Figure 0003834607
【化24】
Figure 0003834607
【0008】
本発明に係るオリゴ糖鎖集合化用リンカー化合物は、末端にフェニレンジアミン部を有する下記式(25)あるいは(26)で表わされる多価アミン化合物である。
【化25】
Figure 0003834607
【化26】
Figure 0003834607
但し、式(25)、(26)中、nは2〜7の整数を示し、mは1〜3の整数、XはOHまたはHを示す。
【0009】
本発明に係るオリゴ糖鎖・フェニレンジアミン複合化合物は、還元位を有するオリゴ糖鎖の還元末端と末端にフェニレンジアミン基を有する下記式(27)あるいは(28)で表される多価アミン化合物とを還元アミノ化反応によって反応することによって得られることを特徴とする。
【化27】
Figure 0003834607
【化28】
Figure 0003834607
但し、式(27)、(28)中、nは2〜7の整数を示し、mは1〜3の整数、XはOHまたはHを示す。
【0010】
本発明に係るオリゴ糖鎖・フェニレンジアミン複合化合物においては、還元位を有するオリゴ糖鎖が下記式(29)あるいは(30)で表され、下記式(31)、(32)、(33)または(34)で表されることが好ましい。
【化29】
Figure 0003834607
【化30】
Figure 0003834607
【化31】
Figure 0003834607
【化32】
Figure 0003834607
【化33】
Figure 0003834607
【化34】
Figure 0003834607
【0011】
本発明では、生物活性を有するオリゴ糖鎖をその数を調整しつつ簡便に集合化することができる。また、本発明によっては、硫酸化多糖ヘパリン中の血小板結合に関与する部分構造をなす硫酸化オリゴ糖鎖の集合体を形成することが可能となる。ヘパリン部分構造のオリゴ糖鎖1分子では非常に弱かった生物活性を飛躍的に高めた化合物を得ることが可能となる。即ち、生体内硫酸化多糖であるグリコサミノグリカンの機能は、その分子中のある部分オリゴ糖の特定の構造とその集合化によって発現すると考えられる。生体内で糖類が関与する相互作用においては、個々の糖鎖の結合活性は一般に低いので、集合化が特に重要な因子となっている。本発明では、硫酸化オリゴ糖鎖を効率よく集合化させ、血小板活性の優れた構造の集合体を合成することが可能となる。
【0012】
【実施例】
【実施例1】
(1)リンカー化合物の製造
本発明に係るリンカー化合物は、以下の方法によって製造した。
(1−1)m−フェニレンジアミンとコハク酸あるいはピメリン酸等のジカルボン酸とのアミド縮合反応(図1の式(A)参照)
(1−2)m−フェニレンジアミンとクエン酸等のヒドロキシポリカルボン酸とのアミド縮合反応(図1の式(B))
【0013】
上記(A)の反応においては、m−フェニレンジアミン10当量とコハク酸あるいはピメリン酸1当量とをWSCI(Water Soluble Carbodi Imide:水溶性カルボジイミド)・HCl3当量およびブチルアルコール3当量を不活性溶媒DMF中で室温下で反応させリンカー化合物(A1)を得た。%はn=2,5の場合のそれぞれの収率を示す。得られたリンカー化合物の同定はNMRと質量分析によって行った。
【0014】
上記(B)の反応において、m−フェニレンジアミン15当量とクエン酸1当量とをWSCl・HCl4.5当量およびブチルアルコール4.5当量とで不活性溶媒DMF中室温で反応させリンカー化合物(B1)を得た。%は収率を示す。得られたリンカー化合物の同定はNMRと質量分析によって行った。
【0015】
【実施例2】
(2)還元位を有する硫酸化オリゴ糖鎖の製造
(2−1)図2及び図3の場合の還元位を有する硫酸化オリゴ糖鎖の製造方法
6位だけ保護していないグルコース誘導体(70)と、L-イドース誘導体を縮合して得た二糖からアシル 系の保護基をはずして硫酸化した(89)後、ベンジル保護基を接触還元してはずし (90)を得た。収率をそれぞれ図示した。より詳しくは、D−グルコースから7ステップで合成した6位以外をすべてベンジル基で保護したグルコース誘導体(70)と1位をイミデート体として活性化した L-イドース誘導体とを、トリフルオロ錫を活性化剤に用いて1,2-ジクロロメタン中で縮合させ二糖(79)を得た後、ナトリウムメトキシドでアセチル保護基を除去し(80)を得た。そしてN,N-ジメチルホルムアミドを溶媒に用いて、3酸化硫黄ピリジン複合体を作用させ水酸基を硫酸化し(89)をえたのち、10%パラジウムー炭素を触媒に、テトラヒドロフラン/酢酸/水(1:1:1)の混合溶媒中で7kg/cmの水素ガスを作用させてベンジル保護基をすべてはずし (90)を得た。
【0016】
(2−2)図4、図5に示す還元位を有する硫酸化オリゴ糖鎖の製造
図3で示した二糖80の4’-6’ 位を保護して81を得、さらに2’位をアセチル基で保護した後、4’-6’ 位の保護基をはずして83を得た。遊離の6’位の1級水酸基を選択的に酸化してカルボン酸とした後に、メチルエステル化して71を得た。71と1,6-アンヒドログルコースから9ステップで合成したアジド糖のイミデート体24とをtert-ブチルジメチルシリルトリフラートを活性化剤に用いてトルエン中で縮合させ三糖72を得た後、ナトリウムメトキシドでアセチル保護基を除去し84を得た。そして、N,N−ジメチルホルムアミドを溶媒に用いて、3酸化硫黄ピリジン複合体を作用させ水酸基を硫酸化、さらにメチルエステルをけん化して86とした後、10%パラジウムー炭素を触媒に、テトラヒドロフラン/水(2:1)の混合溶媒中で1kg/cm2の圧力の水素ガスを作用させて、アジド基のアミノ基への還元を行い87を得た。次いで、系のpHを9.5に保ちつつ3酸化硫黄ピリジン複合体を作用させアミノ基を硫酸化し88を得た後、10%パラジウムー炭素を触媒に、酢酸/水(5:1)の混合溶媒中で7kg/cm2の圧力で水素ガスを作用させてベンジル保護基をすべてはずしDを得た。
【0017】
【実施例3】
(3)硫酸化オリゴ糖鎖・フェニレンジアミン複合化合物の製造
(3−1)図1の式A1及び式B1で示すリンカー化合物を硫酸化した糖の還元末端側にグルコースを結合させた硫酸化糖誘導体Cとを反応させ本願発明の硫酸化オリゴ糖鎖・フェニレンジアミン複合化合物E1,E2,E3を得た(図6及び図7参照)。収率はそれぞれリンカー化合物を基準に59%および49%であった。図中、例えば、E2(n=5)の質量分析について解説すると、m/z = 735.20 [(M-6Na+4H)2-]であったが、この意味は、構造式から6個あるNaがすべてはずれ、代わりにHが4つ入ったもの、全体として2価のマイナスチャージができる。2-とはこのことです。negative mode で測定たのでマイナスに帯電した分子の質量がわかる。Na<>Hの交換は硫酸化糖では一般的に見られる挙動。E3のm/z=719.14[(M-9Na+6H)3-] は分子からNaが9つ抜け、代わりに6個Hが入り(6個交換している)全体として3価にチャージした分子の質量が検出できたことを意味する。
化合物E1のデータ:δ7.17 (2H,t,J=8.OHz) , 6.83 (2H,s), 6.78 (2H,d,J= 7.6 Hz) , 6.61 (2H,d,J= 7.6 Hz), 4.96 (2H,s), 4.43 (2H,dd,J=2.3Hz, J=8.8Hz) , 4.25-4.16 (8H,m), 4.12 (2H,dd,J=8.9Hz,J=11.8Hz), 3.90 (2H,m), 3.84 (2H,m), 3.74(2H,m), 3.70 (2H,dd, J= 2.4Hz,J= 7.6Hz), 3.65-3.58 (2H,m), 3.57 (2H,dd,J= 6.1Hz,J= 10.7Hz) , 3.31 (2H,b), 3.08 (2H,b), 2.68(4H,s)
化合物E3のデータ: δ7.15 (3H, t, J=8.1Hz) , 6.76-6.71 (6H,m), 6.62-6.57 (3H,m), 4.99 (1H,s) , 4.98 (2H,s), 4.47-4.43 (3H,m) , 4.25-4.17 (12H,m) , 4.16-4.ll (3H,m) , 3.97-3.90 (3H,m) , 3.90-3.80 (6H,m) , 3.74 (3H,m) , 3.71-3.65 (3H,m) ,3.57 (3H,dd,J=6.OHz, J=11.4Hz) , 3.26 (2H, ddd, J=3.4Hz, J=4.4Hz, J=13.4Hz) , 3.19 (1H,dd,J=3.4Hz, J=13.4Hz) , 3.07-2.94 (7H,m, 3.04 ppmにおけるタブレットピークと重複 ) , 3.04 (d,14.1Hz) , 2.84 (4H,d,J=14.5Hz)
【0018】
(3−2)図1の式A1及び式B1で示すリンカー化合物を硫酸化した糖の還元末端側にグルコースを結合させた硫酸化糖誘導体Dとを反応させ本願発明の硫酸化オリゴ糖鎖・フェニレンジアミン複合化合物E4、E5、E6を得た(図8及び図9参照)。収率はそれぞれリンカー化合物を基準に60%(E3,E4)および43%(E5)であった。また、E4の場合(ESI−MS(Neg.),m/z=903.23[(M−8Na+6H)2−]、E5の場合(ESI−MS(Neg.),m/z=924.24[(M−8Na+6H)2−]、またE6の場合m/z=719.14[(M−9Na+6H)3−であった。また、図10と図11とにE4の場合のESI−MSスペクトル及び600MHzNMRスペクトルを示す。以下にNMRスペクトル数値を上げる。
【0019】
化合物E4のデータ:1H NMR (600 MHz, D2O), d 7.15 (2H, t, J = 8.2 Hz), 6.78-6.75 (4H, m), 6.58 (2H, d, J = 6.9 Hz), 5.26 (2H, d, J = 3.6 Hz), 5.03 (2H, s), 4.42 (2H, d, J = 2.2 Hz), 4.20 (2H, d, J = 2.5 Hz), 4.19 (2H, dd, J = 2.6 Hz, J = 5.2 Hz), 4.10 (2H, d, J = 2.8 Hz), 4.09 (2H, d, J = 2.8 Hz), 3.97 (2H, t, J = 3.0 Hz), 3.89 (4H, m), 3.87 (2H, m), 3.77 (2H, m), 3.72 (2H, dd, J = 5.5 Hz, J = 2.2 Hz), 3.69 (2H, dd, J = 2.2 Hz, J = 8.5 Hz), 3.61 (2H, t, J = 9.8 Hz), 3.58 (2H, dd, J = 5.5 Hz, J = 11.0 Hz), 3.47 (6H, s), 3.29 (2H, dd, J = 13.5 Hz, J = 3.8 Hz), 3.25 (2H, t, J = 9.8 Hz), 3.15 (2H, dd, J = 3.5 Hz, J = 10.6 Hz), 3.01 (2H, dd, J = 8.7 Hz, J = 13.6 Hz), 2.68 (4H, s).
【0020】
化合物E5のデータ: 1H NMR (600 MHz, D2O), d 7.12 (2H, t, J = 8.0 Hz), 6.74-6.70 (4H, m), 6.57 (2H, d, J = 6.6 Hz), 5.26 (2H, d, J = 3.3 Hz), 5.03 (2H, d, J = 2.8 Hz), 4.42 (2H, d, J = 2.2 Hz), 4.21 (2H, s), 4.19 (2H, dd, J = 4.4 Hz), 4.11 (2H, s), 4.09 (2H, m), 3.97 (2H, t, J = 3.0 Hz), 3.89 (4H, m), 3.87 (2H, m), 3.77 (2H, m), 3.72 (2H, dd, J = 5.8 Hz, J = 2.2 Hz), 3.69 (2H, dd, J = 2.1 Hz, J = 8.4 Hz), 3.61 (2H, t, J = 9.8 Hz), 3.58 (2H, dd, J = 5.5 Hz, J = 11.0 Hz), 3.47 (6H, s), 3.28 (2H, dd, J = 12.6 Hz, J = 3.9 Hz), 3.25 (2H, t, J = 9.6 Hz), 3.15 (2H, dd, J = 3.6 Hz, J = 10.4 Hz), 3.00 (2H, dd, J = 8.7 Hz, J = 13.4 Hz), 2.32 (4H, t, J = 7.3 Hz), 1.62 (4H, dd, J = 7.6 Hz), 1.34 (2H, t, J = 7.5 Hz).
【0021】
化合物E6のデータ: 1H NMR (600 MHz, D2O), δ 7.21 (3H, m), 6.95-6.89 (6H, m), 6.73 (3H, m), 5.25 (3H, d, J = 3.6 Hz), 5.05 (3H, s), 4.48 (3H, s), 4.20 (3H, s), 4.18 (3H, s), 4.13 (3H, m), 4.09 (3H, d, J = 11.0 Hz), 3.98 (3H, s), 3.87 (6H, m), 3.84 (3H, m), 3.76 (3H, m), 3.71 (3H, m), 3.66 (3H, d, J = 10.4 Hz), 3.62 (3H, t, J = 9.6 Hz), 3.56 (3H, m), 3.47 (9H, s), 3.36 - 3.21 (6H,b, 3.25 ppm におけるピークと重複 ) ,3.17-3.02 (10H,b, 3.15 及び 3.05 ppmにおけるピークと重複 ), 2.85 (4H,d,J=14.3 Hk)
【0022】
【実施例4】
ヘパリン部分構造集合体である硫酸化オリゴ糖鎖・フェニレンジアミン複合化合物E4,E5,E6,E7および硫酸化二糖一単位Dについて、血小板結合活性を競合阻害試験によって調べた。以下に、試験方法をより詳しく述べる。健康人の抹消血から富血小板血漿を集め、そこから血小板を単離する。単離した血小板を0.2%オボアルブミンを含むHBSS (Hank's Balanced Salt Solution)緩衝液で洗浄し、2000000個/マイクロリッターの濃度に調製する。各々の濃度で調製した活性を測定するサンプル溶液(上記緩衝液で希釈して調製)を50マイクロリッター、前述の 血小板懸濁液100マイクロリッターを加え、30分間室温でゆっくりと撹拌する。次に、トリチウム標識化ヘパリン溶液(上記緩衝液で希釈して調製)を50マイクロリッター加え(最終濃度は約100 nM)さらに室温で1時間ゆっくりと撹拌する。この反応 混合液から75マイクロリッターを取り、細長のプラスチックチューブ中のシリコン オイルのうえに載せる(2本作る)。このチューブを3000 rpm、10分間遠心し、血 小板を沈降させる。沈降した血小板をプラスチックチューブごと切り取り、ガラス製 のバイアル瓶に移す。これに、SOLUENE-350(パッカード社製)を500マイクロリッター加え、60度C30分間加熱する。溶液を冷やした後、過酸化水素を150マイクロリッター加え、さらに60度30分間加熱撹拌して血小板を溶解する。この溶液を冷却した後、シンチレーション液(Hionic-Fluor, パッカード社製)を5ミリリッター加え、よく撹拌した後液体シンチレーションカウンターで溶液中のトリチウムを測定する。結果を図12に示す。
【0023】
ヘパリン部分構造である硫酸化二糖を1単位しか有さない化合物Dでは、1mMという高濃度に加えても、トリチウムで標識したヘパリンの血小板細胞への結合を全く妨げず、化合物Dの血小板結合活性は非常に低いことが分かる。一方、2単位有する化合物E4,E5は、1mMの濃度で約50%の結合阻害活性が観察され、さらに3単位有するE6では20μMから阻害活性が観測され、1mMでは完全にトリチウム標識したヘパリンの結合を阻害した。この結果は、一分子中の硫酸化二糖の数を増加させることにより、血小板結合活性が飛躍的に高まったことを示している。即ち、糖鎖を集合化することによって、強い生物活性が発現することが明らかになった。
【0024】
【本発明の効果】
本発明によれば、オリゴ糖鎖の機能部位を損なわないように集合化することが可能な末端にフェニレンジアミン基を有する多価アミンをリンカー化合物として用いることによって、該リンカー化合物によって集合化させた複数のオリゴ糖鎖をその数を調整しつつ簡便に集合化した硫酸化オリゴ糖・フェニレンジアミン複合化合物を得ることが可能となる。また、硫酸化多糖ヘパリン中の血小板結合に関与する部分構造をなす硫酸化オリゴ糖鎖集合体を形成することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)はm−フェニレンジアミンとコハク酸あるいはピメリン酸等のジカルボン酸とのアミド縮合反応を示し、(B)は、m−フェニレンジアミンとクエン酸等のヒドロキシポリカルボン酸とのアミド縮合反応を示す。
【図2】2糖鎖の場合の還元位を有する硫酸化オリゴ糖鎖の製造方法の前半部を示す。
【図3】2糖鎖の場合の還元位を有する硫酸化オリゴ糖鎖の製造方法の後半部を示す。
【図4】3糖鎖の場合の還元位を有する硫酸化オリゴ糖鎖の製造方法の前半部を示す。
【図5】3糖鎖の場合の還元位を有する硫酸化オリゴ糖鎖の製造方法の後半部を示す。
【図6】図1の式A1で示すリンカー化合物を硫酸化した糖の還元末端側にグルコースを結合させた硫酸化糖誘導体Cとを反応させ本願発明の硫酸化オリゴ糖鎖・フェニレンジアミン複合化合物E1,E2を得る方法を示す。
【図7】図1の式B1で示すリンカー化合物を硫酸化した糖の還元末端側にグルコースを結合させた硫酸化糖誘導体Cとを反応させ本願発明の硫酸化オリゴ糖鎖・フェニレンジアミン複合化合物E3を得る方法を示す。
【図8】図1の式A1で示すリンカー化合物を硫酸化した糖の還元末端側にグルコースを結合させた硫酸化糖誘導体Dとを反応させ本願発明の硫酸化オリゴ糖鎖・フェニレンジアミン複合化合物E4、E5を得る方法を示す。
【図9】図1の式B1で示すリンカー化合物を硫酸化した糖の還元末端側にグルコースを結合させた硫酸化糖誘導体Dとを反応させ本願発明の硫酸化オリゴ糖鎖・フェニレンジアミン複合化合物E6を得る方法を示す。
【図10】E4の場合のESI−MSスペクトルを示す。
【図11】E4の場合の600MHzNMRスペクトルを示す。
【図12】ヘパリン部分構造集合体である硫酸化オリゴ糖鎖・フェニレンジアミン複合化合物E4,5,6および硫酸化二糖一単位Dについて行った血小板結合活性を競合阻害試験結果を示す。

Claims (4)

  1. リンカー化合物として末端にフェニレンジアミン部を有する下記式(1)または(2)の多価アミン化合物を用いて、低いpH条件下で還元位を有するオリゴ糖鎖の還元末端を還元アミノ化反応によって反応させることによって集合化したオリゴ糖鎖・フェニレンジアミン複合化合物を製造する方法。
    Figure 0003834607
    Figure 0003834607
    但し、式(1)、(2)中、nは2〜7の整数を示し、mは1〜3の整数、XはOHまたはHを示す。
  2. 還元位を有するオリゴ糖鎖が下記式(3)あるいは(4)で表され、オリゴ糖鎖・フェニレンジアミン複合化合物が下記式(5)、(6)、(7)または(8)で表される請求項1に記載のオリゴ糖鎖・フェニレンジアミン複合化合物の製造方法。
    Figure 0003834607
    Figure 0003834607
    Figure 0003834607
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  3. 還元位を有するオリゴ糖鎖の還元末端と末端にフェニレンジアミン基を有する下記式()あるいは(10)で表される多価アミン化合物とを還元アミノ化反応によって反応することによって得られるオリゴ糖鎖・フェニレンジアミン複合化合物。
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    但し、式()、(10)中、nは2〜7の整数を示し、mは1〜3の整数、XはOHまたはHを示す。
  4. 還元位を有するオリゴ糖鎖が下記式(11)あるいは(12)で表され、下記式(13)、(14)、(15)または(16)で表される請求項に記載のオリゴ糖鎖・フェニレンジアミン複合化合物。
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