JP3834406B2 - 一缶二水路給湯器 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、給湯熱交換器と追い焚き熱交換器等の非給湯側熱交換器が一体化され、その一体化した熱交換器を共通のバーナーで加熱する一缶二水路給湯器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図7には本出願人らが開発している一缶二水路給湯器の一例である一缶二水路風呂給湯器のシステム構成例が示されている。同図において、この一缶二水路風呂給湯器(器具)は燃焼室1を有し、この燃焼室1にはバーナー2が配設され、このバーナー2の上方には給湯熱交換器3と非給湯側熱交換器としての追い焚き熱交換器4が設けられている。これら給湯熱交換器3と追い焚き熱交換器4は一体化されて配設されている。すなわち、複数の共通のフィンプレート5に給湯側の管路を貫通装着して給湯熱交換器3と成し、同じくフィンプレート5に追い焚き側の管路を貫通装着して追い焚き熱交換器4と成しており、上記バーナー2は給湯熱交換器3と追い焚き熱交換器4を共に加熱する構成になっている。
【0003】
上記バーナー2の下方側の燃焼室1は給気通路6に連通され、この給気通路6には燃焼ファン7が組み込まれており、燃焼ファン7の回転駆動により外部から給気通路6を介してバーナー2へ空気が送り込まれると共に、バーナー2の燃焼により生じた排気ガスがバーナー2の上方の燃焼室1に連通する排気通路9から外部へ排出される。
【0004】
上記バーナー2のガス導入口にはガスノズル19が対向配設され、このガスノズル19には燃料ガスを導入するためのガス供給通路8が接続されており、このガス供給通路8により導かれた燃料ガスはガスノズル19を介してバーナー2に供給される。また、上記ガス供給通路8には通路の開閉を行う電磁弁10、11a、11bと、ガスの供給量を開弁量により制御する比例弁12とが介設されている。
【0005】
前記給湯熱交換器3の入側には給水通路13の一端側が接続され、給湯熱交換器3の出側には給湯通路14の一端側が接続されており、上記給水通路13の他端側は外部配管を介して水供給源に接続され、前記給湯通路14の他端側は外部配管を介して台所等の所望の給湯場所に導かれている。また、上記給湯熱交換器3の入側の給水通路13と出側の給湯通路14を短絡するバイパス通路15が設けられており、上記バイパス通路15には通路の開閉を行うバイパス弁16が介設されている。
【0006】
前記追い焚き熱交換器4の入側には管路18の一端側が接続され、この管路18の他端側は循環ポンプ20の吐出口に接続されており、循環ポンプ20の吸入口には戻り管21の一端側が接続され、戻り管21の他端側は浴槽22に連接されている。また、追い焚き熱交換器4の出側には管路23の一端側が接続されており、この管路23の他端側は前記浴槽22に連接されている。上記戻り管21と循環ポンプ20と管路18と追い焚き熱交換器4と管路23により非給湯側循環通路としての追い焚き循環通路24が構成される。
【0007】
上記追い焚き循環通路24の管路18と前記給湯通路14は湯張り通路25により連通されており、この湯張り通路25には通路の開閉を制御する注湯制御弁26と、浴槽22の水位を検出する水位センサ28とが設けられている。
【0008】
なお、図中に示す30は燃焼室1内の風量を検出する風量センサであり、31は給水通路13に設けられて給水の流量を検出する水量センサであり、32は給水通路13の水の温度を検出する入水温度センサであり、34は給湯通路14に設けられて通水流量を制御する流量制御弁であり、35は給湯通路14に設けられて給湯が行われていることを水流により検出する給湯確認スイッチであり、36は追い焚き循環通路24の水流の有無を検出する流水スイッチであり、37は追い焚き循環通路24を循環する熱媒体である湯水の温度を浴槽湯水の温度(風呂温度)として検出する非給湯側熱媒体温度検出手段としての風呂温度センサであり、38は給湯熱交換器3で作り出された給湯の出湯温度を検出する給湯出湯温度検出手段としての出湯温度センサである。
【0009】
この一缶二水路風呂給湯器には制御装置40が設けられており、この制御装置40にはリモコン41が接続されている。このリモコン41には給湯温度を設定するための給湯温度設定手段や、浴槽22の風呂の温度を設定する風呂温度設定手段や、浴槽22の湯水の水位を設定する風呂水位設定手段等が設けられている。
【0010】
上記制御装置40は各種センサのセンサ出力信号やリモコン41の情報を取り込み、それら情報と予め与えられているシーケンスプログラムに従って、給湯運転や、湯張り運転や、追い焚き運転等の各種の器具運転の動作を次のように制御する。
【0011】
例えば、台所等に導かれた給湯通路の水栓が開けられ、水供給源から給水通路13に水が流れ込んで水量センサ31が給水通路13の通水を検出すると、器具は給湯運転を開始する。まず、燃焼ファン7の回転駆動を開始させ、電磁弁11a、11bの両方又はどちらか一方と電磁弁10を開動作させガス供給通路8を通してバーナー2に燃料ガスを供給し、図示されていない点着火手段によりバーナー2の点着火を行い燃焼を開始させる。
【0012】
そして、給湯湯温が前記給湯温度設定手段に設定されている給湯設定温度となるように比例弁12の開弁量を制御して(バーナー2への供給ガス量を制御して)バーナー2の燃焼能力を制御し、給湯熱交換器3の通水をバーナー2の燃焼火炎により加熱して設定温度の湯を作り出し、この湯を給湯通路14を通して給湯場所に供給する。
【0013】
湯の使用が終了して水栓が閉められると、給湯熱交換器3への通水が停止し、水量センサ31が給水通路13の通水を検知しなくなったときに、電磁弁10を閉じてバーナー2の燃焼を停止させる。その後、予め定められたポストパージ期間(例えば、5分間)が経過したときに、燃焼ファン7の回転駆動を停止して給湯運転を終了し次の給湯に備える。
【0014】
湯張り運転を行うときには、例えば、注湯制御弁26を開弁し、この注湯制御弁26の開弁動作により水供給源から給水通路13に水が流れ込んで水量センサ31が給水通路13の通水を検知すると、上記給湯運転と同様にバーナー2の燃焼を開始させる。
【0015】
このバーナー2の燃焼火炎により給湯熱交換器3で作り出された湯は給湯通路14と湯張り通路25を順に介して追い焚き循環通路24に送り込まれ、追い焚き循環通路24に流れ込んだ湯は戻り管21を通る経路と追い焚き熱交換器4を通る経路との2経路で浴槽22に落とし込まれる。そして、水位センサ28が検出する浴槽22の水位がリモコン41に設定されている設定水位に達したときに、注湯制御弁26を閉じ、電磁弁10を閉じてバーナー2の燃焼を停止させ、湯張り運転を終了する。
【0016】
追い焚き運転を行うときには、循環ポンプ20を駆動させて熱媒体としての浴槽22内の湯水を追い焚き循環通路24を通して循環させ、流水スイッチ36によって追い焚き循環通路24の湯水の流れを検知した後、バーナー2の燃焼を開始させる。そして、バーナー2の燃焼火炎により追い焚き熱交換器4の循環湯水を加熱して追い焚きを行い、風呂温度センサ37により検出される風呂温度が前記風呂温度設定手段により設定されている設定温度に達したときに、バーナー2の燃焼を停止させ、追い焚き運転を終了する。
【0017】
前記の如く、一缶二水路風呂給湯器は、一体化された給湯熱交換器3と追い焚き熱交換器4を共通のバーナー2を用いて加熱する方式であるので、別体に設けられた給湯熱交換器と追い焚き熱交換器をそれぞれ別個のバーナーを用いて燃焼加熱する方式に比べて、装置構成の簡易化が図れ、これに伴い、装置の小型化とコストの低減が図れることになる。
【0018】
また、図8には、一缶二水路給湯器としての給湯暖房機の一例が示されており、同図において、図7の一缶二水路風呂給湯器と同一名称部分には同一符号が付してある。また、図中、57は非給湯側熱交換器としての暖房用熱交換器を示しており、52は暖房オン・オフバルブ、53は放熱器、54はファン、55はシスターンタンク、56はバイパス通路をそれぞれ示している。暖房用循環通路51を循環する熱媒体としては、例えば、エチレングリコールとプロピレングリコールに水を加えたものが用いられる。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、一缶二水路風呂給湯器において、追い焚き運転を行うときには、従来は、前記の如く、循環ポンプ20の駆動により浴槽22内の湯水を追い焚き循環通路24を通して循環させて、この湯水の流れを流水スイッチ36によって検知した後、バーナー2の燃焼を開始させているが、追い焚き循環通路24を通る浴槽湯水には髪等のゴミが多く含まれており、流水スイッチ36に髪等のゴミが絡み付き、故障することがよくあるために、できれば流水スイッチ36を用いずに追い焚き循環通路24の湯水の流れを検知したいといった要求があった。
【0020】
また、上記のような一缶二水路タイプの風呂給湯器においては、例えば、追い焚き熱交換器4側と給湯熱交換器3側の吸熱比率に基づいて、給湯と風呂の追い焚きの同時燃焼時の燃焼制御が行われるために、追い焚き循環通路24を通る湯水の循環流量を検出したいといった要求があり、追い焚き循環通路24の湯水循環流量をボール式水量センサにより測定する方法等が以前に提案されているが、このようなセンサは、前記流水スイッチ36と同様に、浴槽湯水中のゴミが絡み付くと故障し易く、測定される浴槽湯水の循環流量が不正確な値になりがちであった。
【0021】
本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、追い焚き循環通路の湯水の流れの有無、及び循環流量を正確に検出することができる一缶二水路風呂給湯器を提供し、さらには、非給湯側循環通路の熱媒体の流れの有無、及び循環流量を正確に検出することができる一缶二水路給湯器を提供することにある。
【0025】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は次のような構成をもって課題を解決するための手段としている。すなわち、本第1の発明は、給水通路から導かれた水を加熱し給湯通路に湯を供給する給湯熱交換器と、循環ポンプを備えた非給湯側循環通路に組み込まれ該非給湯側循環通路を循環する熱媒体を加熱する非給湯側熱交換器とを有し、上記給湯熱交換器と非給湯側熱交換器は一体化され、上記給湯熱交換器と非給湯側熱交換器を共通に加熱するバーナーが設けられており、上記給湯熱交換器で作られた湯を給湯通路を通して供給する給湯運転機能と、非給湯側運転指示を受けたときに上記循環ポンプを駆動させて上記非給湯側循環通路の熱媒体を非給湯側熱交換器を通して循環させて上記バーナーにより加熱する非給湯側運転機能を有する一缶二水路給湯器において、給湯出湯温度を検出する給湯出湯温度検出手段と、上記非給湯側循環通路の熱媒体の温度を検出する非給湯側熱媒体温度検出手段とを有し、給湯単独運転中に非給湯側運転指示を受けて行われる循環ポンプ駆動以降の給湯出湯温度変化量と非給湯側循環通路の熱媒体の循環流量との関係データが該非給湯側循環通路の熱媒体の温度に対応させて予め与えられており、上記ポンプ駆動以降に上記給湯出湯温度検出手段によって検出される給湯出湯温度の変化量と上記関係データと非給湯側熱媒体温度検出手段で検出される非給湯側循環通路の熱媒体の温度とに基づいて非給湯側循環通路の熱媒体の循環流量を検出する循環流量検出手段を有する構成を持って課題を解決するための手段としている。
【0026】
さらに、本第2の発明は前記第1の発明の構成を備えた上で、非給湯側運転指示が与えられてから循環流量検出手段によって検出される非給湯側循環通路の熱媒体の循環流量が予め定められた作動流量以上となったことを最初に確認したときに非給湯側燃焼ランプを報知動作させて該報知動作を非給湯側運転終了まで動作させる非給湯側ランプ作動手段を設けたことを特徴とする。
【0028】
さらに、本第3の発明は、前記第1又は第2の発明の構成を備えた上で、前記循環流量検出手段により非給湯側循環通路の熱媒体の流れがないことが検出されたときには非給湯側異常信号を出力する非給湯側運転異常判断部が設けられていることを特徴とする。
【0029】
さらに、本第4の発明は、前記第3の発明の構成を備えた上で、前記非給湯側運転異常判断部から非給湯側異常信号が出力されたときに非給湯側運転を強制的に停止させる非給湯側強制停止手段が設けられていることを特徴とする。
【0030】
さらに、本第5の発明は、前記第3又は第4の発明の構成を備えた上で、前記非給湯側運転異常判断部から非給湯側異常信号が出力されたときに非給湯側の運転の異常を報知する非給湯側異常報知手段が設けられていることを特徴とする。
【0031】
さらに、本第6の発明は、前記第1乃至第5のいずれか1つの発明の構成を備えたものにおいて、前記非給湯側循環通路は追い焚き循環通路とし、非給湯側熱交換器は追い焚き熱交換器とし、上記追い焚き循環通路を循環する熱媒体は湯水とし、非給湯側の運転は風呂の追い焚き運転としたことを特徴とする。
【0032】
一缶二水路風呂給湯器等の一缶二水路給湯器においては、給湯熱交換器と追い焚き熱交換器等の非給湯側熱交換器とが一体化されており、非給湯側循環通路を循環する湯水は給湯熱交換器内の湯から熱量を奪うために、給湯単独運転中に循環ポンプを駆動させると、循環ポンプの駆動以降に給湯出湯温度検出手段によって検出される給湯出湯温度の低下が生じるが、非給湯側循環通路に熱媒体がないまたは熱媒体の流れがないときには、上記給湯出湯温度の変化が生じない。
【0036】
本発明においては、給湯単独運転中に行われる循環ポンプ駆動以降の給湯出湯温度変化量と非給湯側循環通路の熱媒体の循環通路流量との関係データを非給湯側循環通路の熱媒体の温度に対応させて予め与え、上記ポンプ駆動以降に検出される給湯出湯温度の変化量と上記関係データと非給湯側循環通路の熱媒体の温度とに基づいて非給湯側循環通路の熱媒体の循環流量を検出するために、非給湯側循環通路の熱媒体に含まれる髪等のゴミに左右されることなく、非給湯側循環通路の熱媒体の循環流量を検出することが可能となり、上記課題が解決される。
【0037】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。なお、本実施形態例の説明において、上記提案例の給湯器と同一名称部分には同一符号を付し、その重複説明は省略する。本実施形態例の一缶二水路給湯器は一缶二水路風呂給湯器であり、図7に示した提案例の一缶二水路風呂給湯器とほぼ同様のシステム構成を有しているが、本実施形態例では、図7において追い焚き循環通路24に設けられていた流水スイッチ36を省略して一缶二水路風呂給湯器のシステムを構成している。
【0038】
図1には、本実施形態例の特有な制御構成がブロック図により示されている。同図に示すように、本実施形態例において、制御装置40は、燃焼制御部42、データ格納部44、追い焚き循環通路水流判断部43、追い焚き強制停止手段45、追い焚き異常判断部46を有して構成されている。また、リモコン41には、追い焚き異常報知手段50が設けられている。
【0039】
燃焼制御部42には、給湯や追い焚き等の様々な運転のシーケンスプログラムが与えられており、燃焼制御部42は、リモコン41の情報や出湯温度センサ38等のセンサ出力を取り込んで、それら取り込んだ情報とシーケンスプログラムにしたがって給湯器の燃焼運転動作を制御する。なお、燃焼制御部42は、追い焚き運転指示を受けたときに循環ポンプ20を駆動させて追い焚き循環通路24の湯水を追い焚き熱交換器4を通して循環させ、このとき、循環ポンプ駆動信号を追い焚き循環通路水流判断部43に加える。
【0040】
データ格納部44には、追い焚き循環通路24の湯水の流れがないことを判断する予め定めた基準温度変化量と、追い焚き循環通路24の湯水の流れがあること判断する予め定めた基準温度変化量とが格納されている。なお、本実施形態例では、これら両基準温度変化量を共に等しい値α(α≒0)に設定しているが、これら基準温度変化量を互いに異なる値に設定することもできる。この基準温度変化量は、例えば実験等によって求められてデータ格納部44に与えられるものである。
【0041】
すなわち、一缶二水路風呂給湯器においては、給湯熱交換器3と追い焚き熱交換器4とが一体化されており、追い焚き循環通路24を循環する湯水は、給湯熱交換器3内の湯から熱量を奪うために、例えば、給湯単独運転中であって出湯温度センサ38の検出温度と給湯設定温度との差が予め定めた許容範囲内のときに循環ポンプ20を駆動させると、追い焚き循環通路24内の湯水の流れがある場合には、例えば図2の特性線aに示すように、給湯出湯温度が変動し(低下し)、一方、追い焚き循環通路24内に湯水がない、または湯水の流れがないときには、同図の特性線bに示すように、給湯出湯温度の変化が生じない。
【0042】
本出願人は、このような追い焚き循環通路24の水流有無によって異なる給湯出湯温度の違いに着目し、上記基準温度変化量をデータ格納部44に与え、この基準温度変化量に基づいて追い焚き循環通路24の水流有無判断が行えるようにしている。
【0043】
追い焚き循環通路水流判断部43は非給湯側流れ有無判断部として機能するものであり、燃焼制御部42から加えられる循環ポンプ駆動信号を受けて、循環ポンプ20の駆動以降に出湯温度センサ38によって検出される給湯出湯温度変化に基づき、追い焚き循環通路24の湯水の流れの有無を判断する。すなわち、追い焚き循環通路水流判断部43は、出湯温度センサ38の検出温度を時々刻々と取り込み、また、燃焼制御部42から加えられる循環ポンプ20の駆動信号を受けて、循環ポンプ20の駆動に伴う給湯出湯温度低下量を、データ格納部44に与えられている上記基準温度変化量と比較し、循環ポンプ20の駆動に伴う給湯出湯温度低下量が上記基準温度変化量以内のときには追い焚き循環通路24の湯水の流れがないと判断し、上記給湯出湯温度低下量が上記基準温度変化量を超えて大きいときには追い焚き循環通路24の湯水の流れがあると判断する。
【0044】
そして、追い焚き循環通路水流判断部43は、追い焚き循環通路24の流れがあると判断したときには水流あり信号を出力し、追い焚き循環通路24の湯水の流れがないと判断したときには水流無し信号を出力する。これら水流あり信号と水流無し信号は、追い焚き異常判断部46と燃焼制御部42とに加えられる。
【0045】
追い焚き異常判断部46は、追い焚き循環通路水流判断部43により追い焚き循環通路24の湯水の流れがないと判断されたときに、非給湯側異常信号としての追い焚き異常信号を出力する非給湯側異常運転異常判断部として機能するものである。追い焚き異常判断部46は、追い焚き循環通路水流判断部43から加えられる水流無し信号を受けて、追い焚き異常信号を追い焚き強制停止手段45と追い焚き異常報知手段50とに加える。
【0046】
追い焚き強制停止手段45は、追い焚き異常判断部46から追い焚き異常信号が出力されたときに、非給湯側運転である追い焚き運転を強制的に停止させる非給湯側強制停止手段として機能するものである。追い焚き強制停止手段45は、追い焚き異常判断部46から加えられる異常信号を受けて、燃焼制御部42に追い焚き燃焼運転停止信号を加えて、追い焚き運転を強制的に停止させる。
【0047】
追い焚き異常報知手段50は、追い焚き異常判断部46から追い焚き異常信号が出力されたときに、非給湯側側運転である追い焚き運転の異常を報知する非給湯側異常報知手段として機能するものである。追い焚き異常報知手段50は、追い焚き異常判断部46から加えられる追い焚き異常信号を受けて、例えばブザーやランプの点灯または点滅等の適宜の手段により追い焚き運転の異常を報知する。
【0048】
本実施形態例は以上のように構成されており、本実施形態例でも、前記提案の給湯器と同様に、制御装置40による制御によって、給湯運転や湯張りや追い焚き運転がそれぞれ行われる。
【0049】
また、本実施形態例では、追い焚き循環通路水流判断部43により、追い焚き循環通路24の湯水の流れの有無の判断を行う。すなわち、追い焚き循環通路水流判断部43は、給湯単独運転中に追い焚き運転指示を受けて駆動される循環ポンプ20の駆動以降に、出湯温度センサ38によって検出される給湯出湯温度変化と、データ格納部44に格納されている前記基準温度変化量とに基づいて、前記の如く、循環ポンプ20の駆動に伴う給湯出湯温度低下量が前記基準温度変化量以内のときには追い焚き循環通路24の湯水の流れがないと判断し、給湯出湯温度低下量が前記基準温度変化量を超えて大きいときには追い焚き循環通路24の湯水の流れが有ると判断する。
【0050】
そして、追い焚き循環通路24の湯水の流れが有ると判断したときには、追い焚き循環通路水流判断部43は水流あり信号を出力し、水流あり信号を燃焼制御部42に加える。そうすると、燃焼制御部42による給湯燃焼と追い焚き燃焼との同時燃焼制御が行われ、風呂温度センサ37の検出温度が風呂設定温度となるまで追い焚きが行われる。
【0051】
なお、追い焚き循環通路水流判断部43によって、追い焚き循環通路24の湯水の流れがないと判断したときには、水流無し信号を追い焚き異常判断部46に加え、追い焚き異常判断部46によって、追い焚き運転の異常を判断する。そして、追い焚き異常判断部46により追い焚き異常信号を出力して追い焚き強制停止手段45に加え、追い焚き強制停止手段45から燃焼制御部42に追い焚き停止指令を加えて追い焚き運転を強制的に停止させる。また、上記追い焚き異常信号は追い焚き異常報知手段50にも加えられ、追い焚き異常報知手段50により追い焚きの異常が報知される。
【0052】
本実施形態例によれば、上記動作により、循環ポンプ20の駆動上記基準温度変化量に基づいて追い焚き循環通路24の湯水の流れの有無を判断するために、例えば追い焚き循環通路24に流水スイッチ36等を設けて追い焚き循環通路24の水流有無判断を行う場合と異なり、浴槽湯水に含まれる髪等のゴミに左右されることなく正確に追い焚き循環通路24の湯水の流れの有無を判断することができる。そのため、本実施形態例では、従来の一缶二水路給湯器に設けられていた流水スイッチ36を省略することが可能となり、流水スイッチ36を省略することにより、その分だけ給湯器のシステム構成を簡略化することができるし、コストダウンを図ることができる。
【0053】
また、本実施形態例では、追い焚き異常判断部46を設けたために、追い焚き循環通路水流判断部43による追い焚き循環通路24の水流有無判断に基づいて、追い焚きシステムの異常を判断することができるし、さらに、追い焚き強制停止手段45を設け、追い焚き異常判断部46から追い焚き異常信号が出力されたときには、追い焚き燃焼を停止させるために、追い焚き熱交換器4側の空焚きを確実に防止することができる。
【0054】
さらに、本実施形態例によれば、追い焚き異常報知手段50を設け、追い焚き異常判断部46から追い焚き異常信号が出力されたときには、追い焚き燃焼の異常を報知するために、給湯器の利用者に、追い焚き循環通路24の湯水の流れがない等といった追い焚きシステムの異常を報知し、注意を促すことができる。
【0055】
図3には、本実施形態例に特有な追い焚きの循環流量を検出するための制御構成がブロック図により示されており、同図において、図1に示すものと同一名称部分には同一符号が付してある。本実施形態例は図3に示されるように、循環流量検出手段としての湯水循環流量検出手段48を設け、追い焚き循環通路24の湯水循環流量を検出する構成としている。また、本実施形態例では、制御装置40に追い焚きランプ作動手段49を設け、リモコン41に追い焚き燃焼ランプ47を設けている。
【0056】
データ格納部44には、追い焚き運転指示を受けて行われる循環ポンプ20の駆動以降の給湯出湯温度変化量と追い焚き循環通路24の湯水循環流量との関係データが追い焚き循環通路24の湯水温に対応させて予め与えられている。
【0057】
前記の如く、一缶二水路風呂給湯器においては、追い焚き循環通路24の循環湯水は給湯熱交換器3の湯から熱量を奪うために、給湯単独運転中に循環ポンプ20を駆動させたときの給湯出湯温度変化は、追い焚き循環通路24の湯水の流れの有無によって異なるものであるが、この出湯温度変化は、追い焚き循環通路24の湯水の流れの有無のみならず、湯水の循環流量によっても異なり、さらに、循環湯水の温度によっても異なるものである。
【0058】
例えば、図4には、一缶二水路風呂給湯器において、給湯単独運転中であって出湯温度センサ38の検出温度と給湯設定温度との差が予め定めた許容範囲内であるときに、循環ポンプ20を駆動させたときの給湯出湯温度変化(低下)量を、追い焚き循環通路24の湯水循環流量を変えて調べた結果が示されているが、追い焚き循環通路24の湯水の温度が一定のときに、追い焚き循環通路24の湯水循環流量が多いときには、給湯出湯温度が同図の特性線a1に示すように変化するのに対し、追い焚き循環通路24の湯水循環流量が特性線a1の場合よりも少ないときには、給湯出湯温度は同図の特性線a2に示すように変化する。なお、同図の破線に示す特性線bは、追い焚き循環通路24の湯水の流れがないときの給湯出湯温度を示す。
【0059】
これらの特性線a1、a2、bに示されるように、循環ポンプ20の駆動以降の給湯出湯温度は追い焚き循環通路24の湯水循環流量によって異なり、循環ポンプ20の駆動に伴う給湯出湯温度低下量ΔTDは、追い焚き循環通路24の湯水循環流量が多いときには、同図に示すΔTD1となり、追い焚き循環通路24の湯水循環流量が少ないときには、同図のΔTD2となる(ΔTD1>ΔTD2)。
【0060】
一方、追い焚き循環通路24の湯水循環流量が同じであっても、追い焚き循環通路24の湯水温が異なると、循環ポンプ20を駆動したときの追い焚き循環通路24内の湯水により給湯熱交換器3の湯が奪われる吸熱量が異なるために、給湯出湯温度変化量が異なる。すなわち、追い焚き循環通路24内の湯水温が低くなるにつれて、給湯熱交換器3内の湯から追い焚き循環通路24の循環湯水が奪う熱量は大きくなるために、それに伴う給湯出湯温度変化は大きくなる。
【0061】
本出願人は、以上のような追い焚き循環通路24の湯水循環流量と湯水温の違いによって、給湯単独運転中に追い焚き運転指示を受けて行われる循環ポンプ20の駆動に伴う給湯出湯温度変化量が異なることに着目し、上記循環ポンプ20の駆動以降の給湯出湯温度変化量と追い焚き循環通路24の湯水循環流量との関係データを追い焚き循環通路24の湯水温に対応させて予め実験等によって求め、例えば図5に示すようなグラフデータや、表データ、演算データによって与えている。なお、同図において、T1、T2、T3はそれぞれ追い焚き循環通路24の湯水温を示し、T1>T2>T3である。
【0062】
湯水循環流量検出手段48は、出湯温度センサ38により検出される検出温度と風呂温度センサ37によって検出される検出温度を時々刻々と取り込み、燃焼制御部42から加えられる循環ポンプ20の駆動信号を受けて、この循環ポンプの駆動以降に出湯温度センサ38により検出される給湯出湯温度の変化(低下)量と、上記関係データと、風呂温度センサ38によって検出される追い焚き循環通路24の湯水温とに基づいて追い焚き循環通路24の湯水循環流量を検出する。この検出した追い焚き循環通路24の湯水循環流量は、燃焼制御部42と追い焚きランプ作動手段49と追い焚き異常判断部46とに加えられる。
【0063】
追い焚きランプ作動手段49は、追い焚き指示が与えられてから湯水循環流量検出手段48によって検出される追い焚き循環通路24の湯水循環流量が予め定められた作動流量以上となったことを最初に確認したときに、追い焚き燃焼ランプ50を報知動作させて、この報知動作を追い焚き運転終了まで動作させるものである。
【0064】
追い焚きランプ作動手段49には図示されていないメモリ部が設けられており、このメモリ部に上記予め定められた作動流量の値が格納されており、追い焚きランプ作動手段49は、湯水循環流量検出手段48から加えられる追い焚き循環通路24の湯水循環流量とメモリ部に格納されている作動流量と比較し、追い焚き循環通路24の湯水循環流量が作動流量以上となったことを最初に確認したときに、追い焚き燃焼ランプ47を、例えば点灯等の動作により報知動作させる。そして、燃焼制御部42による追い焚き運転が終了したときに、この追い焚き終了信号を燃焼制御部42から受けて、追い焚き燃焼ランプ47の報知動作を停止させる(追い焚き燃焼ランプ47を消灯させる)。
【0065】
追い焚き異常判断部46は、湯水循環流量検出手段48から加えられる追い焚き循環通路24の湯水循環流量の値を受けて、湯水循環流量が0のとき、すなわち、追い焚き循環通路24に湯水がない、または、湯水の流れがないと検出されたときには、追い焚き異常信号を出力し、追い焚き強制停止手段45と追い焚き異常報知手段50とに加える。
【0066】
追い焚き強制停止手段45と追い焚き異常報知手段50の構成および動作は、上記図1に示すものと同様であるので、その説明は省略する。
【0067】
本実施形態例の図3に示すものは以上のように構成されており、前記図1に関連して説明したように給湯運転や湯張り運転や追い焚き運転が行われる。
【0068】
また、本実施形態例では、以下の如く、追い焚き循環通路24の湯水循環流量検出動作が行われる。すなわち、湯水循環流量検出手段48は、給湯単独運転中に追い焚き運転指示を受けて行われる循環ポンプ20の駆動以降の給湯出湯温度変化量を検出し、この給湯出湯温度変化量が図5のAであり、このときの風呂温度センサ37の検出温度がT1のときには、図5から、追い焚き循環通路24の湯水循環流量はQ1であると検出し、風呂温度センサ37の検出温度がT2のときには、追い焚き循環通路24の湯水流量はQ2であると検出する。
【0069】
そして、この湯水循環流量検出手段48で検出した追い焚き循環通路24の湯水循環流量の値は、燃焼制御部42と追い焚きランプ作動手段49とに加えられ、追い焚きランプ作動手段49は、この追い焚き循環通路24の湯水循環流量が上記作動流量以上となったことを最初に確認したときに、追い焚き燃焼ランプ47を点灯させて報知動作させる。その後、追い焚きランプ作動手段49は、追い焚き運転が終了したときに、追い焚き燃焼ランプ47の消灯を行い、追い焚き燃焼ランプ47の報知動作を停止させる。また、燃焼制御部42は、上記追い焚き循環通路24の湯水循環流量の値に基づき、例えば、給湯と追い焚きの同時燃焼時の燃焼制御を行う。
【0070】
本実施形態例によれば、上記動作により、上記関係データと、給湯単独運転中に追い焚き運転指示を受けて行われる循環ポンプ20の駆動以降に検出される給湯出湯温度変化量と、風呂温度センサ37によって検出される追い焚き循環通路24の湯水温とに基づいて、追い焚き循環通路24の湯水循環流量を検出するようにしたため、例えば追い焚き循環通路24にボール式水量センサ等を直接設ける場合と異なり、浴槽湯水に含まれる髪等のゴミに左右されることなく、追い焚き循環通路24の湯水循環流量を正確に検出することが可能となり、追い焚き循環通路24の湯水の流れの有無も検出可能となる。
【0071】
そのため、本実施形態例によれば、追い焚き循環通路24の湯水循環流量を正確に検出し、例えばこの流量に基づき、追い焚き熱交換器4側と給湯熱交換器3側の吸熱比率を求め、追い焚きと給湯の同時燃焼時の燃焼制御も正確に行うことができる。
【0072】
また、本実施形態例によれば、追い焚き循環通路24の湯水循環流量を正確に検出し、この流量が予め定められた作動流量となったときに、追い焚きランプ作動手段49によって追い焚き燃焼ランプ50を点灯させることにより、追い焚き循環通路24の湯水循環流量が前記作動流量以上で確実に追い焚き燃焼運転が行われているときにのみ、追い焚き燃焼ランプ50を点灯させて、追い焚き燃焼運転が行われていることを給湯器の利用者に報知することができる。
【0073】
なお、本発明は上記実施形態例に限定されることはなく、様々な実施の態様を採り得る。例えば、上記実施形態例では、給湯単独運転中に追い焚き運転指示を受けたときに行われる循環ポンプ20の駆動に伴う給湯出湯温度変化に基づいて、追い焚き循環通路24の湯水の流れの有無や湯水循環流量の検出を行うようにしたが、給湯器に、追い焚き循環通路24の湯水の流れの有無を検出する追い焚き循環通路水流有無判断モード等の非給湯側流れ有無判断モードを設け、この非給湯側流れ有無判断モードの動作指令を受けて循環ポンプ20を駆動させるポンプ駆動制御部を設け、このポンプ駆動制御部により駆動される循環ポンプ20の駆動に伴う給湯出湯温度変化に基づいて追い焚き循環通路24の湯水の流れの有無の判断を行うようにしても良い。
【0074】
このように、非給湯側流れ有無判断モードを給湯器に設け、給湯単独運転中に、例えばリモコン41等の操作によって非給湯側流れ有無判断モードの動作指示を給湯器に与えることにより、任意に追い焚き循環通路24の水流有無判断を行うことができる。
【0075】
また、一缶二水路風呂給湯器を、給湯単独運転中に追い焚き運転指示が与えられたときには、追い焚き循環通路24を循環する循環湯水により給湯熱交換器3内の湯が熱を奪われることによって生じる給湯湯温の変化を打ち消すために、バーナー2へのガス供給量を増加させるガス量上乗せ燃焼制御機能を備えた構成とすることもできる。
【0076】
このような一缶二水路給湯器は、例えば特開平5−79694号公報や特願平9−209660号(本出願人が提案し、未だ公開になっていない)等に提案されているが、このような給湯器においては、上記ガス量上乗せ燃焼制御機能を有するために、追い焚き運転指示が与えられたときには、例えば予め定められたガス供給量だけバーナー2へのガス供給量増加させる制御が行われる。
【0077】
そのため、例えば図6の特性線a1に示すように、給湯熱交換器3の湯が追い焚き循環通路24を循環する湯水により奪われる熱量と上記ガス量上乗せ燃焼制御機能によりバーナーへのガス供給量を増加させることにより増加する燃焼熱量とが一致するときには、給湯単独運転中に循環ポンプ20を駆動させても、この循環ポンプ20の駆動による給湯出湯温度の変化が生じない。それに対し、同図の特性線bに示すように、追い焚き循環通路24内に湯水がないまたは湯水の流れがないときには、上記ガス量上乗せ燃焼制御機能によりバーナー2へのガス供給量を増加させた分だけバーナー2の燃焼熱量が増加し、それにより、給湯出湯温度が上昇する。
【0078】
以上のことから、上記ガス量上乗せ燃焼制御機能を備えた一缶二水路風呂湯器等の一缶二水路給湯器においては、給湯単独運転中に追い焚き運転指示等の非給湯側運転指示を受けて行われる循環ポンプ20の駆動に伴う給湯出湯温度の上昇量が、追い焚き循環通路24等の非給湯側循環通路の熱媒体(湯水等)の流れのないことを判断する予め定めた基準温度変化量を超えて大きいときには非給湯側循環通路の熱媒体の流れがないと判断し、上記給湯出湯温度上昇量が非給湯側循環通路の熱媒体の流れの有ることを判断する予め定めた基準温度変化量以内のときには非給湯側循環通路の熱媒体の流れが有ると判断するように、追い焚き循環通路水流有無判断部等の非給湯側流れ有無判断部を設けることにより、上記実施形態例と同様に、追い焚き循環通路24等の非給湯側循環通路の熱媒体の流れの有無を判断することができる。
【0079】
さらに、以上のようなガス量上乗せ燃焼制御機能を備えた一缶二水路給湯器においては、例えば図6の特性線a2に示すように、例えば追い焚き循環通路24の湯水の流れがあっても、その湯水循環流量が少なく、この循環湯水により給湯熱交換器3内の湯が奪われる熱量よりも、バーナー2へのガス供給量の増加により生じる燃焼熱量の方が大きい場合には、給湯単独運転中に行われる循環ポンプ20の駆動に伴い給湯出湯温度が上昇する。なお、この給湯出湯温度の上昇量は、追い焚き循環通路24の湯水の流れが全くないときに比べて小さい。また、以上のような給湯出湯温度の上昇量は、追い焚き循環通路24の湯水温によっても異なる。
【0080】
そこで、上記図3の構成において、データ格納部44に与える関係データとして、給湯単独運転中に追い焚き運転指示を受けて行われる循環ポンプ20の駆動以降の給湯出湯温度上昇量と追い焚き循環通路24の湯水の循環流量との関係データを、追い焚き循環通路24の湯水の温度に対応させて予め与えることにより、上記ガス量上乗せ燃焼機能を備えた一缶二水路風呂湯器においても、上記実施形態例と同様に追い焚き循環通路24の湯水循環流量を正確に検出することができる。
【0081】
なお、給湯器にガス量上乗せ燃焼制御機能を設ける場合、バーナー2へのガス供給量の増加量は、上記の如く、予め定められたガス供給量としても良いし、追い焚き循環通路24の湯水温と、循環ポンプ20の回転数に対応させた追い焚き循環通路24の湯水の推定循環流量から、追い焚き循環通路24の湯水により給湯熱交換器3内の湯が奪われる熱量を瞬間的に求めて、この熱量に対応するガス供給量を上記ガス供給量の増加量としても良い。
【0082】
さらに、上記実施形態例では、追い焚き強制停止手段45を設けて、追い焚き異常判断部46から追い焚き異常信号が出力されたときに追い焚き運転を強制的に停止させるようにし、且つ、追い焚き異常報知手段50を設け、追い焚き異常判断部46から追い焚き異常信号が出力されたときに追い焚き運転の異常を報知するようにしたが、追い焚き強制停止手段45と追い焚き異常報知手段50の一方または両方は省略することができる。
【0083】
さらに、上記実施形態例では、追い焚き異常判断部46を設け、追い焚き循環通路水流判断部43や湯水循環流量検出手段48により追い焚き循環通路24の湯水がない、または湯水の流れがないと判断されたときには、追い焚き異常信号を出力するようにしたが、追い焚き異常判断部46は省略することもできる
【0084】
さらに、上記図3においては、追い焚きランプ作動手段49を設け、追い焚き循環通路24の湯水循環流量が予め定められた作動流量異常となったことを最初に確認したときに追い焚き燃焼ランプ47を報知動作させてこの報知動作を追い焚き運転終了まで動作させるようにしたが、追い焚きランプ作動手段による追い焚き燃焼ランプの報知動作は上記のような動作に限定されることはなく適宜設定されるものである。また、追い焚きランプ作動手段49は省略することもできる。
【0085】
さらに、上記実施形態例では、追い焚き循環通路水流判断部45と湯水循環流量検出手段46の一方を設けて給湯器を構成したが、これら両方を設けて給湯器を構成してもよい。
【0086】
さらに、上記実施形態例は、図7に示す一缶二水路風呂給湯器を例にして説明したが、一缶二水路タイプで、給湯熱交換器の湯温を検出する給湯熱交換器湯温検出手段が設けられ、給湯機能と追い焚き機能を備えている一缶二水路風呂給湯器であれば、この発明を適用することができる。
【0087】
さらに、本発明は、上記実施形態例のような一缶二水路風呂給湯器にのみ適応されるとは限らず、例えば図8に示したような給湯暖房機等のように、給湯熱交換器3と、循環ポンプ20を備えた非給湯側循環通路に組み込まれ非給湯側循環通路を循環する熱媒体を加熱する非給湯側熱交換器等を有し、給湯熱交換器と非給湯側熱交換器が一体化され、給湯熱交換器と非給湯側熱交換器を共通に加熱するバーナーが設けられており、給湯運転機能と非給湯側熱交換器を有する様々な一缶二水路給湯器に広く適応されるものである。
【0089】
【発明の効果】
本発明によれば、給湯単独運転中に行われる循環ポンプ駆動以降の給湯出湯温度変化量と非給湯側循環通路の熱媒体の循環通路流量との関係データを、非給湯側循環通路の熱媒体の温度に対応させて予め与え、この関係データと、上記ポンプ駆動以降に検出される給湯出湯温度の変換量と非給湯側循環通路の熱媒体の温度とに基づいて非給湯側循環通路の熱媒体の循環流量を検出するようにしたものであるから、非給湯側循環通路の熱媒体に含まれる髪等のゴミに左右されることなく、非給湯側循環通路の熱媒体の循環流量を検出することができる。そのため、非給湯側循環通路の熱媒体の流れの有無も正確に判断することができる。
【0090】
以上のように、本発明によれば、非給湯側循環通路の熱媒体の有無を正確に検出できるために、一缶二水路給湯器において、従来非給湯側循環通路に設けられていた流水スイッチ等の熱媒体の流れの有無を検知する手段を省略することも可能となり、その分だけ給湯器のシステム構成を簡略化することが可能となり、コストダウンを図ることができる。
【0091】
そして、本発明によれば、上記のように、非給湯側循環通路を循環する熱媒体の流量を正確に検出することができるために、例えば検出した流量に基づいて、非給湯側熱交換器側と給湯熱交換器側の吸熱比率を正確に求めることが可能となり、求めた吸熱比率に基づいて、非給湯側燃焼と給湯燃焼の同時燃焼時における燃焼制御を的確に行えるようにすることができる。
【0093】
さらに、循環流量検出手段により非給湯側循環通路の熱媒体の流れがないことが検出されたときには非給湯側異常信号を出力する非給湯側運転異常判断部が設けられている本発明によれば、非給湯側運転の異常を正確に判断することができる。
【0094】
そして、この非給湯側運転異常判断部から非給湯側異常信号が出力されたときに非給湯側運転を強制的に停止させる非給湯側強制停止手段が設けられている本発明によれば、非給湯側循環通路に熱媒体の流れが無く、非給湯側運転の異常が判断された時に非給湯側運転を強制的に停止させることにより、非給湯側システムの空焚きを防ぐことができる。
【0095】
さらに、上記非給湯側運転異常判断部から非給湯側異常信号が出力されたときに非給湯側の運転の異常を報知する非給湯側異常報知手段が設けられている本発明によれば、非給湯側運転の異常が判断された時に非給湯側運転の異常報知することにより、給湯器の利用者に非給湯側システムの異常を報知して対処を促すことができる。
【0097】
さらに、非給湯側循環通路は追い焚き循環通路とし、非給湯側熱交換器は追い焚き熱交換器とし、上記追い焚き循環通路を循環する熱媒体は湯水とし、給湯側の運転は風呂の追い焚き運転とした本発明によれば、以上のような優れた効果を奏する一缶二水路風呂給湯器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る一缶二水路給湯器の実施形態例の制御構成を示すブロック図である。
【図2】給湯単独運転中であって、給湯出湯温度がほぼ一定のときに循環ポンプを駆動させたときの、追い焚き循環通路の湯水の流れの有無により異なる給湯出湯温度変化を示すグラフである。
【図3】 本実施形態例の追い焚き循環流量を検出する制御構成を示すブロック図である。
【図4】給湯単独運転中であって、給湯出湯温度がほぼ一定のときに循環ポンプを駆動させたときの、追い焚き循環通路の湯水循環流量の違いにより異なる給湯出湯温度変化の違いを示すグラフである。
【図5】 本実施形態例に与えられる循環ポンプ駆動に伴う給湯出湯温度変化量と追い焚き循環通路の湯水循環流量との関係データの一例を示すグラフである。
【図6】ガス量上乗せ制御機能を備えた一缶二水路風呂給湯器において、給湯出湯温度がほぼ一定のときに循環ポンプを駆動させたときの追い焚き循環通路の湯水循環流量により異なる給湯出湯温度変化の違いを示すグラフである。
【図7】一缶二水路給湯器としての一缶二水路風呂給湯器のモデル例を示すシステム構成図である。
【図8】一缶二水路給湯器である給湯暖房機の一例を示すシステム構成図である。
【符号の説明】
42 燃焼制御部
43 追い焚き循環通路水流判断部
44 データ格納部
45 追い焚き強制停止手段
46 追い焚き異常判断部
48 湯水循環流量検出手段
49 追い焚きランプ作動手段
50 追い焚き異常報知手段
Claims (6)
- 給水通路から導かれた水を加熱し給湯通路に湯を供給する給湯熱交換器と、循環ポンプを備えた非給湯側循環通路に組み込まれ該非給湯側循環通路を循環する熱媒体を加熱する非給湯側熱交換器とを有し、上記給湯熱交換器と非給湯側熱交換器は一体化され、上記給湯熱交換器と非給湯側熱交換器を共通に加熱するバーナーが設けられており、上記給湯熱交換器で作られた湯を給湯通路を通して供給する給湯運転機能と、非給湯側運転指示を受けたときに上記循環ポンプを駆動させて上記非給湯側循環通路の熱媒体を非給湯側熱交換器を通して循環させて上記バーナーにより加熱する非給湯側運転機能を有する一缶二水路給湯器において、給湯出湯温度を検出する給湯出湯温度検出手段と、上記非給湯側循環通路の熱媒体の温度を検出する非給湯側熱媒体温度検出手段とを有し、給湯単独運転中に非給湯側運転指示を受けて行われる循環ポンプ駆動以降の給湯出湯温度変化量と非給湯側循環通路の熱媒体の循環流量との関係データが該非給湯側循環通路の熱媒体の温度に対応させて予め与えられており、上記ポンプ駆動以降に上記給湯出湯温度検出手段によって検出される給湯出湯温度の変化量と上記関係データと非給湯側熱媒体温度検出手段で検出される非給湯側循環通路の熱媒体の温度とに基づいて非給湯側循環通路の熱媒体の循環流量を検出する循環流量検出手段を有することを特徴とする一缶二水路給湯器。
- 非給湯側運転指示が与えられてから循環流量検出手段によって検出される非給湯側循環通路の熱媒体の循環流量が予め定められた作動流量以上となったことを最初に確認したときに非給湯側燃焼ランプを報知動作させて該報知動作を非給湯側運転終了まで動作させる非給湯側ランプ作動手段を設けたことを特徴とする請求項1記載の一缶二水路給湯器。
- 循環流量検出手段により非給湯側循環通路の熱媒体の流れがないことが検出されたときには非給湯側異常信号を出力する非給湯側運転異常判断部が設けられていることを特徴とする請求項1または請求項2記載の一缶二水路給湯器。
- 非給湯側運転異常判断部から非給湯側異常信号が出力されたときに非給湯側運転を強制的に停止させる非給湯側強制停止手段が設けられていることを特徴とする請求項3記載の一缶二水路給湯器。
- 非給湯側運転異常判断部から非給湯側異常信号が出力されたときに非給湯側の運転の異常を報知する非給湯側異常報知手段が設けられていることを特徴とする請求項3または請求項4記載の一缶二水路給湯器。
- 非給湯側循環通路は追い焚き循環通路とし、非給湯側熱交換器は追い焚き熱交換器とし、上記追い焚き循環通路を循環する熱媒体は湯水とし、非給湯側の運転は風呂の追い焚き運転としたことを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1つに記載の一缶二水路給湯器。
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