JP3834173B2 - 板状電池 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、板状電池および携帯無線端末に関し、特に、携帯電話機やノート型パソコン等の携帯無線端末に用いられる板状電池と、その板状電池を用いた携帯無線端末に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、携帯電話機やノート型パソコン等の携帯無線端末の普及に伴い、それらに用いられる板状電池の研究が進められている。
【0003】
図13は、従来の板状電池の斜視図である。図13を参照して、板状電池200は、ラミネートフィルム201と、電池コア211と、正極端子212と、負極端子213とにより構成される。ラミネートフィルム201は、電池コア211を覆う。電池コア211は、正極端子212および負極端子213と電気的に接続されている。
【0004】
電池コア211は、所定の積層体を何重にも巻き重ねることにより形成される。積層体は、正極端子212に接続された薄板と、負極端子213に接続された薄板と、これらの間に介在するセパレータとを含み、薄板の間に電解質が充填されている。
【0005】
正極端子212の一部と、負極端子213の一部とを覆うようにラミネートフィルム201が設けられている。ラミネートフィルム201は、樹脂層、アルミニウム箔および樹脂層の3層により構成されている。ラミネートフィルム201の端部同士がそれぞれ圧着されることにより、電極封止部201cと封止部201dおよび201eが形成されている。
【0006】
電極封止部201cは、上下に位置するラミネートフィルム201が互いに圧着されて正極端子212および負極端子213を挟み込んで封止することにより形成されている。封止部201dおよび201eは、上下に位置するラミネートフィルム201が互いに圧着されて形成されている。電極封止部201cと封止部201dおよび201eとにより、電池コア211内の電解質が外部へ漏れるのを防止することができる。
【0007】
ラミネートフィルム201で覆われていない正極端子212および負極端子213は、携帯電話機やノート型パソコンの回路基板に電気的に接続される。これにより、携帯電話機などの回路基板へ電力が供給される。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
通常、例えば携帯電話機に板状電池200を装着する場合には、板状電池200は、携帯電話機の回路基板の近傍に位置決めされる。一般に、回路基板には高周波が流れるが、この高周波は電池コア211により電磁気的な影響を受け、高周波の変調が生じる。変調により高周波の位相がずれて、携帯電話機から伝達される音声の音質が低下するという問題が発生する。この変調を防ぐためには、電池コア211と回路基板との間に金属板などの導電性の物質を介在させて電池コア211を電磁気的に遮蔽する必要がある。
【0009】
ラミネートフィルム201内には、導電性のアルミニウム箔が存在する。しかしながら、近年の携帯電話機の小型化、軽量化のために、このアルミニウム箔の厚さは、0.25mm〜0.3mmと薄くなっている。このような薄いアルミニウム箔では、電池コア211を電磁気的に十分に遮蔽することができない。その結果、回路基板内を流れる高周波が電池コア211により変調され、携帯電話機の音質の低下など携帯無線端末の信頼性が低下するという問題があった。
【0010】
そこで、この発明は、上述のような問題点を解決するためになされたものであり、携帯無線端末の信頼性を低下させない板状電池およびその板状電池を用いた携帯無線端末を提供することを目的とするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
この発明に従った板状電池は電力を発生させる発電要素を封止し、第1の導電膜を含み、包袋状に形成された被覆部材と、保護回路を有する電子回路と、被覆部材および電子回路を取囲む第2の導電膜を含む外装部材とを備える。板状電池は、発電要素に電気的に接続される正極端子と負極端子とをさらに備え、第2の導電膜は正極端子または負極端子のいずれか一方に電気的に接続される
【0012】
このように構成された板状電池においては、発電要素は、包袋状の第1の導電膜と、第2の導電膜とで取囲まれる。つまり、この板状電池では、発電要素は2つの導電膜によって取囲まれることになり、発電要素は2つの導電膜により電磁気的に遮蔽される。そのため、発電要素の周囲に携帯無線端末の回路基板が位置していても、発電要素は回路基板に影響を与えることがなく回路基板内を流れる高周波を変調することがない。その結果、携帯無線端末の信頼性を低下させないような板状電池を提供することができる。
【0014】
また、第2の導電膜は、正極端子または負極端子のいずれか一方に電気的に接続されるため、第2の導電膜の電位は正極端子または負極端子のいずれか一方の電位と同じとなり、第2の導電膜の電位がほぼ一定となる。これにより、発電要素は、電位がほぼ一定の第2の導電膜に取囲まれ、携帯無線端末の回路基板へ影響を与えることをさらに効果的に防止できる。
【0015】
また好ましくは、外装部材は筐体を含む。この場合、外装部材が板状電池を位置決めするための筐体を兼ねるので、部品を増加させることなく信頼性の高い板状電池を提供することができる。
【0016】
また好ましくは、外装部材は、絶縁層と、その絶縁層の表面に形成された第2の導電膜とを含む。この場合、まず絶縁層を形成し、その絶縁層の表面に第2の導電膜を形成することにより、第2の導電膜を形成しやすくなる。さらに、絶縁層をプラスチックなどにすることにより外装部材の製造が容易となる。
【0017】
この発明に従った携帯無線端末は、上述のいずれかの板状電池を備える。これにより、回路基板内を流れる高周波が板状電池の影響を受けることがなく、音質の低下などが発生しない、信頼性の高い携帯無線端末を提供することができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0019】
(実施の形態1)
図1は、この発明の実施の形態1に従った板状電池の部分断面を含む斜視図である。図1を参照して、板状電池1aは、筐体10を有する。筐体10は、厚さが0.03mmの導電性のアルミニウム合金により構成される。筐体10は、6平面により構成される直方体形状である。直方体の一番広い面には筐体窓13および14が形成されている。筐体窓13および14は、一辺が4mmのほぼ正方形状である。筐体窓13および14からは、板状電池1aを構成するラミネートフィルム22が見えている。筐体10の底部には、凸部15が形成されている。凸部15の上にはプリント基板27が載置されている。
【0020】
図2は、この発明の実施の形態1に従った板状電池の内部構造を示す斜視図である。図2を参照して、板状電池1aは、外装部材としての筐体10と、電力を発生させる発電要素としての電池コア21と、被覆部材としてのラミネートフィルム22とを備える。
【0021】
電池コア21とラミネートフィルム22とが筐体10に収納されている。なお、図2では、筐体10の内部が見えるように透視図的に記載しているが、実際には、筐体10の内部のラミネートフィルム22などは筐体10の筐体窓13および14から見えるだけである。
【0022】
筐体10内には、電池コア21が位置決めされている。電池コア21は所定の積層体を巻き重ねて形成される。電池コア21は、正極端子24aおよび負極端子23aに電気的に接続される。第1の薄板(集電体アルミニウム箔)と、第2の薄板(集電体銅箔)と、これらの間に介在したセパレータとにより積層体が構成される。集電体アルミニウム箔は正極端子24aに接続される。集電体銅箔は負極端子23aに接続される。集電体アルミニウム箔には、リチウムを含有する金属酸化物(正極活物質)が塗布されている。集電体銅箔には、リチウムを含有する有機物(負極活物質)が塗布されている。
【0023】
正極端子24aはアルミニウム箔により構成され、その厚みは0.2〜0.5mmであり、寸法は縦×横が7mm×4mmである。負極端子23aはアルミニウム箔により構成され、その厚みは0.2〜0.5mmであり、寸法は縦×横が7mm×4mmである。
【0024】
正極端子24aの上には金属により構成される正極端子26が固定されている。正極端子26は、携帯電話機との電気的な接触をとるための部材である。負極端子23a上には金属製の負極端子25が固定されている。負極端子25は、携帯電話機との電気的接触をとるための部材である。
【0025】
正極端子24aおよび負極端子23bの下には、プリント基板27が位置決めされている。プリント基板27には、電池から携帯電話機へ流れる電流が大きくなると、この電流を減少させるような回路が組込まれている。プリント基板27の下には、プリント基板27を支持するために図1で示した凸部15が設けられている。
【0026】
ラミネートフィルム22には、封止部22dおよび22eと電極封止部22fが形成されている。封止部22dは、電池コア21上に位置し、1枚のラミネートフィルム22の両端を重ねて圧着することにより形成されている。このラミネートフィルム22の圧着方法としてはさまざまな方法が考えられるが、たとえば、ラミネートフィルム間に接着剤を塗布する方法が挙げられる。
【0027】
封止部22eは板状電池1aの後端に形成される。封止部22eは、上下に位置するラミネートフィルム22を互いに圧着して形成される。封止部22eは、封止部22dの延びる方向と直交する方向に延びる。
【0028】
電極封止部22fは2枚のラミネートフィルム22で正極端子24aおよび負極端子23aを封止して形成されている。電極封止部22fは、封止部22eの延びる方向とほぼ平行にかつ封止部22dの延びる方向とほぼ垂直な方向に延びる。封止部22dおよび22eと電極封止部22fとによりラミネートフィルム22は電池コア21を封止する。また、封止部22eおよび22fと電極封止部22dにより、ラミネートフィルム22は包袋状に形成される。このラミネートフィルム22を取囲むように筐体10が位置する。
【0029】
図3は、図1中のIII−III線に沿って見た断面を示す図である。図3を参照して、板状電池1aは、断面がほぼ矩形状の筐体10を有する。筐体10は、第2の導電膜としての上部筐体11および下部筐体12を有する。上部筐体11および下部筐体12がラミネートフィルム22と電池コア21と取囲む。上部筐体11と下部筐体12とは互いに溶接により接続されている。下部筐体12には、プリント基板27を載置するための凸部15が形成されている。凸部15は下部筐体12と一体となって形成されており、その材質は下部筐体12と同様のものである。凸部15が下部筐体12と別体で形成されていてもよい。下部筐体12が上部筐体11を支持する。上部筐体11には、携帯電話機との電気的接触をとるための筐体窓13が形成されている。
【0030】
筐体10内に電池コア21と、ラミネートフィルム22と、負極端子23aと、負極端子25と、プリント基板27が設けられている。ラミネートフィルム22は高分子樹脂により形成される樹脂層22aおよび22cと、その樹脂層22aおよび22cに挟まれた第1の導電膜としてのアルミニウム箔22bにより構成される。このラミネートフィルム22は図3で示すような3層構造だけでなく、さらに樹脂層を追加して4層以上の構造とすることも可能である。また、樹脂層22aを除去して2層構造とすることも考えられる。板状電池1の後端では、ラミネートフィルム22同士が互いに圧着されて封止部22eが形成されている。板状電池1の前端では、ラミネートフィルム22が互いに圧着されて負極端子23aと図2で示す正極端子24aを封止する電極封止部22fが形成されている。電極封止部22fは凸部15上に位置する。封止部22eおよび電極封止部22fは、紙面の手前から奥側へ延びるように形成されている。電極封止部22fの近傍では、凸部15上にプリント基板27が載置されている。プリント基板27に接触するように負極端子23aが形成されている。負極端子23a上には負極端子25が形成されている。負極端子25の真上には筐体窓13が形成されている。
【0031】
このように構成された板状電池1では、電池コア21は、ラミネートフィルム22内のアルミニウム箔22bに取囲まれ、さらに、アルミニウム箔22bよりも厚肉の導電性の上部筐体11および下部筐体12に取囲まれる。そのため、この板状電池1の近くに携帯電話機の回路基板が位置しても、電池コア21はアルミニウム箔22bと筐体10とにより電磁気的に遮蔽されるため回路基板の高周波を変調することがない。その結果、携帯電話機などの携帯無線端末の信頼性を低下させないような板状電池となる。
【0032】
(実施の形態2)
図4は、この発明の実施の形態2に従った板状電池の断面図である。図4を参照して、実施の形態2に従った板状電池1bでは、凸部15上のプリント基板31、端子台34および負極端子35の構造が図3で示す板状電池1aと異なる。その他の点については、図4で示す板状電池1bは、図3で示す板状電池1aと同様に構成されている。
【0033】
凸部15上には、プリント基板31が載置されている。プリント基板31内には、板状電池1bから携帯電話機などへ電流が流れ過ぎた場合に、その電流を遮断するための保護回路が形成されている。プリント基板31の表面には配線32および33が形成されている。配線32は負極端子23aに電気的に接続されている。プリント基板31上には端子台34が形成されている。端子台34の表面には金属製の負極端子35が形成されている。負極端子35は携帯電話機の電極と接触して携帯電話機へ電力を供給する。負極端子35が端子台34の上に位置するので、負極端子35と筐体窓13との間の距離は図3で示す負極端子25と筐体窓13との距離に比べて短い。また、図4では示していないが、この板状電池1bでは、図2で示すように正極端子24aを有する。この正極端子の先端も図4で示すような端子台と正極端子とが形成されている。
【0034】
このように構成された板状電池1bにおいては、まず、実施の形態1で示した板状電池と同様の効果がある。
【0035】
さらに、筐体窓13と負極端子35との距離が小さくなるため、外部から負極端子へ電気的な接触をとりやすくなる。その結果、負極端子35が、確実に携帯電話機の端子と接触するという効果がある。
【0036】
(実施の形態3)
図5は、この発明の実施の形態3に従った板状電池の断面図である。図5を参照して、この発明の実施の形態3に従った板状電池1cでは、下部筐体12上の凸部17と、負極端子23bの構造が図4で示す板状電池1bと異なる。
【0037】
下部筐体と一体となって形成され、導電性の凸部17の高さは図4で示す凸部15よりも高い。負極端子23bは、配線32と電気的に接続するために上部に持ち上がった構造となっている。負極端子23bと凸部17とは直接接触していない。負極端子23bと凸部17との間の絶縁性を保つために、ラミネートフィルム22を負極端子23bと凸部17との間に延在させることも可能である。
【0038】
プリント基板31、配線32、33、端子台34および負極端子35の構造は図4で示すものと同様である。凸部17が図4で示す凸部15に比べて高いため、筐体窓13と負極端子35との距離は、図4で示す筐体窓13と負極端子35との距離よりも小さくなる。また、図5では示していないが、紙面の奥側には、負極端子23bと同様の形状の正極端子が位置している。また、この正極端子はプリント基板31と接触し、その先端には端子台と正極端子が形成されている。
【0039】
このように構成された板状電池1cにおいては、まず、実施の形態2で示した板状電池1bと同様の効果がある。さらに、筐体窓13と負極端子35との間の距離が小さくなるため、負極端子35が、より確実に携帯電話機の端子と接触するという効果がある。
【0040】
(実施の形態4)
図6は、この発明の実施の形態4に従った板状電池の部分断面を含む斜視図である。図6を参照して、板状電池1dは、筐体10を有する。筐体10は、図1で示す筐体10と同様の構造である。
【0041】
図7は、この発明の実施の形態4に従った板状電池の内部構造を示す斜視図で。図7を参照して、この発明の実施の形態4に従った板状電池1dは、正極端子24bの形状が図2で示す正極端子24aの形状と異なる。すなわち、図7で示す正極端子24bは「L」字状に折れ曲がっており、その先端部が筐体10と溶接部28により電気的に接続されている点で、このような構造とされていない正極端子24aと異なる。なお、正極端子24bは図2の正極端子24aと同様の材質および厚みであり、電池コア21に電気的に接続されている。その他の点については、図7で示す板状電池1dは、図2で示す板状電池1aと同様の構造である。
【0042】
図8は、図6中のVIII−VIII線に沿って見た断面を示す図である。図8を参照して、板状電池1dはアルミニウム合金製の筐体10を有する。筐体10はアルミニウム合金製の上部筐体11とアルミニウム合金製の下部筐体12とにより構成される。
【0043】
下部筐体12と一体となって形成された凸部15上にはプリント基板27が載置される。プリント基板27上に正極端子24bが位置している。正極端子24bはプリント基板27と接触し、かつその先端部は折れ曲がって下部筐体12から遠ざかる方向へ延びている。正極端子24bの先端部は溶接部28により上部筐体11に固定され、かつ上部筐体11に電気的に接続されている。これにより上部筐体11および下部筐体12の電位は正極端子24bの電位と同一であり、ほぼ一定とされる。
【0044】
上部筐体11と正極端子24bとの接続方法としては、溶接だけでなくリード線による接続やはんだ付けによる接続を用いてもよい。また、正極端子24bを上部筐体11に固定せずに、上部筐体11と正極端子24bとを電気的に接続してもよい。正極端子24b上には金属製の正極端子26が固定されている。正極端子26は、携帯電話機の電極と電気的な接触をとるための部材である。正極端子26上に筐体窓14が位置する。
【0045】
このように構成された板状電池1dでは、まず、実施の形態1で示した板状電池1aと同様の効果がある。
【0046】
さらに、この板状電池では、電池コア21を電磁気的に遮蔽するための上部筐体11および下部筐体12の電位は正極端子24bの電位と同一であり、ほぼ一定とされる。通常、上部筐体11および下部筐体12の少なくとも一方は携帯電話機の回路基板と容量結合している。そのため、上部筐体11および下部筐体12の電位が変動すると容量結合した回路基板の電位も変動し、回路基板を流れる高周波を変調する可能性がある。この発明では、上部筐体11および下部筐体12の電位がほぼ一定であるため、さらに回路基板中の高周波の変調を防止することができる。
【0047】
(実施の形態5)
図9は、この発明の実施の形態5に従った板状電池の断面図である。図9を参照して、この発明の実施の形態5に従った板状電池1eでは、筐体19が3層構造の上部筐体17と3層構造の下部筐体18により構成される点で、図8で示す板状電池1dと異なる。
【0048】
上部筐体17は、アルミニウム層17aおよび17cと絶縁層としての樹脂層17bの3層により構成される。下部筐体18は、アルミニウム層18aおよび18cと絶縁層としての樹脂層18bの3層により構成される。樹脂層17bおよび18bは樹脂製の成形体であり、筐体として作用する。また、樹脂層17bおよび18bの内表面にはアルミニウムが蒸着されて第2の導電膜としてのアルミニウム層17cおよび18cが形成されている。樹脂層17bおよび18bの外表面にはアルミニウムが蒸着されて第2の導電膜としてのアルミニウム層17aおよび18aが形成されている。アルミニウム層17cが溶接部28により正極端子24bに電気的に接続されている。これにより、アルミニウム層17cおよび18cの電位は正極端子24bの電位と同一であり、ほぼ一定一定である。
【0049】
上部筐体17および下部筐体18は、図9で示すように3層構造とするものに限られず、図9で示すものからアルミニウム層17aおよび18aを取除いて2層構造としたものや、アルミニウム層17cおよび18cを取除いて2層構造としてもよい。さらに、他の導電層を形成して4層以上の構造としてもよい。なお、アルミニウム層17cを取除く場合には、上部筐体17に孔をあけ、この孔を介してアルミニウム層17aと正極端子24bとの電気的な接触をとることが可能である。
【0050】
図9で示す構造では、アルミニウム層17aおよび18aと、アルミニウム層17aおよび17cとは電気的に接続されていないが、アルミニウム層17aおよび18aと、アルミニウム層17aおよび17cとを電気的に接続してもよい。
【0051】
このように構成された板状電池1eでは、まず、図8で示した板状電池1dと同様の効果がある。さらに、樹脂層17bおよび18bは加工しやすいため、この樹脂層17bおよび18bの表面にアルミニウム層17a、17c、18aおよび18cを蒸着するだけで容易に筐体19を製造することができる。
【0052】
さらに、筐体のアルミニウム層17a、17c、18aおよび18cを複数層とするため、電池コア21の電磁気的な遮蔽がより確実なものとなる。
【0053】
(実施の形態6)
図10は、この発明の実施の形態6に従った板状電池の断面図である。図10を参照して、この発明の実施の形態6に従った板状電池1fでは、凸部15上の構造が図9で示す板状電池1eと異なる。凸部15上にはプリント基板31が載置されている。このプリント基板31は図4で示すプリント基板31と同様の構造のものである。
【0054】
プリント基板31には配線36および37が形成されている。配線36は正極端子24aと凸部15とに電気的に接続される。そのため、凸部15、下部筐体12および上部筐体11の電位は正極端子24aの電位と同じであり、ほぼ一定となる。配線34は端子台38上に載置された正極端子39と電気的に接続される。端子台38と正極端子39とは図4で示す端子台34と負極端子35と同様の構造である。端子台38が存在するので、正極端子39と筐体窓14との距離は、図8で示す正極端子26と端子窓14との距離よりも小さい。配線36と配線37とは電気的に接続されている。
【0055】
このように構成された板状電池1fにおいては、まず、実施の形態4で示した板状電池1dと同様の効果がある。さらに、筐体窓14と正極端子39との距離が小さくなるため、正極端子39が確実に携帯電話機の端子と接触するという効果がある。
【0056】
(実施の形態7)
図11は、この発明の実施の形態7に従った板状電池の断面図である。図11を参照して、この発明の実施の形態7に従った板状電池1gでは、凸部17と正極端子24cの形状が図11で示す凸部15と正極端子24aと異なる。この凸部17は図5で示す凸部17と同様の形状であり、凸部15よりも高さが高い。また、正極端子24cは図5で示す負極端子23bと同様の形状である。その他の点については、図11で示す板状電池1gは、図10で示す板状電池1fと同様に構成されている。
【0057】
凸部17が凸部15に比べて高いために、プリント基板31、端子台38および正極端子39は図10で示す位置よりも高く位置決めされる。凸部17の高さが図10で示す凸部15に比べて高いため負極端子39と筐体窓14との距離が図10で示すものと比べて小さくなる。なお、凸部17と正極端子24cとの間にラミネートフィルム22を延在させてもよい。さらに、正極端子24cが凸部17上に接して載置されるようにしてもよい。
【0058】
このように構成された板状電池1gでは、まず、図10で示す実施の形態6の板状電池1fと同様の効果がある。さらに、筐体窓14と正極端子39との距離が小さくなるため、携帯電話機の端子に正極端子39がさらに確実に接触するという効果がある。
【0059】
(実施の形態8)
図12は、この発明の実施の形態8に従った携帯電話機の断面図である。図12を参照して、携帯無線端末としての携帯電話機100は、電話機筐体101と、裏面筐体102と、携帯電話の回路基板としての本体基板103と、板状電池1aとを備える。
【0060】
電話機筐体101および裏面筐体102に本体基板103が取付けられている。裏面筐体102に板状電池1aが取付けられている。板状電池1aと本体基板103とは接触用ピン109により電気的に接続されている。本体基板103には無線機用の集積回路が搭載されている。この集積回路に板状電池1aから電力が供給される。板状電池1は図3で示す板状電池と同じ構造である。
【0061】
また、図12では示していないが、紙面の奥側には、板状電池1aの正極端子と接触する接触用ピンが設けられている。
【0062】
このように構成された携帯電話機100では、電池コア21と本体基板103との間にはラミネートフィルム22内のアルミニウム箔22bと筐体10の2つの導電性の層が存在する。この2つの層により電池コア21が電磁気的に遮蔽されるため、本体基板103中を流れる高周波を変調することがない。その結果、音質の劣化等がなく信頼性の高い携帯電話機100を得ることができる。
【0063】
以上、この発明の実施の形態について説明したが、ここで示した実施の形態はさまざまに変形することが可能である。まず、すべての実施の形態において、ラミネートフィルムは3層構造としたが、3層構造に限られるものではなく、さらに多くの層を有する多層構造としてもよい。
【0064】
また、ラミネートフィルム内のアルミニウム箔22bと正極端子とを電気的に接続してもよい。さらに、アルミニウム箔22bを負極端子に接続してもよい。
【0065】
また、筐体と正極端子とを電気的に接続する例を示したが、筐体と負極端子とを電気的に接続してもよい。
【0066】
また、ラミネートフィルム22による電池コア21の封止の方法としては、この実施の形態で示したものに限られず、図13のような電池コア211上に封止部が位置しないようなものとしてもよい。
【0067】
さらに、ラミネートフィルムの一部に凹部を設け、その凹部に電池コアを嵌め込むようにして電池コアを封止し、その周囲に本発明の筐体を設けてもよい。
【0068】
また、携帯無線端末としては携帯電話機を示したが、携帯無線端末としてのノート型パソコンに本発明の板状電池を適用してもよい。
【0069】
さらに、筐体をアルミニウムでなく鉄、チタン、銅等の導電性部材で構成してもよい。
【0070】
また、図12で示す携帯電話機100に板状電池1b〜1gを装着してもよい。
【0071】
さらに、実施の形態では、リチウム電池として用いる例を説明したが、リチウム電池に限らずたとえばニッケルカドミウム電池などに適用してもよい。さらに、1次電池および2次電池のいずれにも適用することが可能である。
【0072】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0073】
【発明の効果】
請求項1〜4に記載の発明に従えば、携帯無線端末の信頼性を低下させることがない板状電池を提供することができる。
【0074】
この発明に従えば、音質の低下などの信頼性の低下が生じない携帯無線端末を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1に従った板状電池の部分断面を含む斜視図である。
【図2】 この発明の実施の形態1に従った板状電池の内部構造を示す斜視図である。
【図3】 図1中のIII−III線に沿って見た断面を示す図である。
【図4】 この発明の実施の形態2に従った板状電池の断面図である。
【図5】 この発明の実施の形態3に従った板状電池の断面図である。
【図6】 この発明の実施の形態4に従った板状電池の部分断面を含む斜視図である。
【図7】 この発明の実施の形態4に従った板状電池の内部構造を示す斜視図である。
【図8】 図6中のVIII−VIII線に沿って見た断面を示す図である。
【図9】 この発明の実施の形態5に従った板状電池の断面図である。
【図10】 この発明の実施の形態6に従った板状電池の断面図である。
【図11】 この発明の実施の形態7に従った板状電池の断面図である。
【図12】 この発明の実施の形態8に従った携帯電話機の断面図である。
【図13】 従来の板状電池の斜視図である。
【符号の説明】
1a,1b,1c,1d,1e,1f,1g 板状電池、10,19 筐体、11 上部筐体、12,18 下部筐体、15,17 凸部、21 電池コア、22 ラミネートフィルム、22b アルミニウム箔、23a,23b,25,35 負極端子、24a,24b,24c,26,39 正極端子。

Claims (3)

  1. 電力を発生させる発電要素を封止し、第1の導電膜を含み、包袋状に形成された被覆部材と、
    保護回路を有する電子回路と、
    前記被覆部材および前記電子回路を取囲む第2の導電膜を含む外装部材と
    前記発電要素に電気的に接続される正極端子と負極端子とを備え、
    前記第2の導電膜は前記正極端子または前記負極端子のいずれか一方に電気的に接続される、板状電池。
  2. 前記外装部材は筐体を含む、請求項1に記載の板状電池。
  3. 前記外装部材は、絶縁層と、その絶縁層の表面に形成された前記第2の導電膜とを含む、請求項1または2に記載の板状電池。
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