JP3739708B2 - バッテリー - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、バッテリーに関し、特に、バッテリーセルに回路基板が樹脂モールド部により一体化された形式のバッテリーに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、携帯電話機、簡易型携帯電話機等の携帯端末に用いられるバッテリーとして、例えば、図9に示すようなバッテリー51が提供されている。
このバッテリー51は、矩形板状のバッテリーセル52と、このバッテリーセル52の側面52aに沿って配置される回路基板53と、この回路基板53を包み込み、バッテリーセル52の側面52a,52b,52cに固着された樹脂モールド部54と、この樹脂モールド部54から引き出されたケーブル55と、ケーブル55の先端に設けられた接続端子56とを備えている。
【0003】
バッテリーセル52は、アルミニウム材、またはアルミニウム合金材を深絞り加工してなる容器内に、セパレータによって分離された正極フィルムと負極フィルムとを複数層積層したものを電解液と共に封入することにより構成されている。また、図10に示すように、バッテリーセル52の側面52bには、その中央に、負極端子52dが突出状態に配置されており、バッテリーセル52の他の表面が正極端子となっている。
【0004】
回路基板53は、バッテリーセル52の充電制御等のための電子部品70を備えており、バッテリーセル52の側面52aに取り付けられる。また、回路基板53は、金属製の接続板57,58により、バッテリーセル52の正極端子および負極端子52dに接続されている。
これら接続板57,58の一端部57a,58aを回路基板53の端部53c,53dの裏面53b側に半田付し、それぞれの他端部57b,58bを負極端子52dおよび正極端子に半田付することにより、回路基板53とバッテリーセル52とを電気的に接続するようになっている。
【0005】
なお、接続板57の他端部57bは、バッテリーセルの側面52a,52bに沿って配されるため、接続板56が正極端子となる側面52a,52bに接触してショートしないように、絶縁シート59がバッテリーセル52と接続板57との間に設けられる。
これら接続板57,58は、前記バッテリーセル52を抱え込むように配置され、回路基板53が前記バッテリーセル52に固定される。そして、バッテリーセル52に固定された回路基板53及び接続板57,58は、樹脂モールド部54によって包み込まれ、バッテリーセル52と一体化される。
【0006】
接続端子56は、図示しない携帯端末の接続端子に接続することにより、バッテリーセル52から携帯端末に電力を供給するためのものであり、ケーブル55に接続されている。このケーブル55は、回路基板53の端部53cの表面53a側に半田付されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のバッテリー51においては、ケーブル55を有しているため、近年の携帯端末における小型化の要求に対して、バッテリーの小型化に限界があるという問題があった。
また、バッテリーセル52の各端子からケーブル55を介して、携帯端末に接続されるため、このケーブル55の存在によって、バッテリーセル52から携帯端末までの間に、余分のインピーダンス分が介在し、バッテリーセル52の電力供給効率が低下するという問題があった。
【0008】
また、図9,10に示すバッテリー51の構成を含め、バッテリーセル周囲に樹脂モールド部を形成する形式のバッテリーにおいては、所定の領域に樹脂を供給するため、樹脂の供給方法によっては、樹脂の供給不良が発生するという問題があった。
この発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであって、バッテリーセルの電力供給効率の低下を招くことなく、かつ、樹脂の供給不良を抑えることができるバッテリーを提供することを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、請求項1に係る発明は、バッテリーセルと、該バッテリーセルに電気的に接続された回路基板とを樹脂モールド部により一体化したバッテリーであって、前記回路基板がバッテリーセルの第1の表面に沿って配される第1の配線板と、他の表面に沿って配される第2の配線板と、これら第1の配線板と第2の配線板との間に配置され、かつ、バッテリーセルの少なくとも角部に沿って配される第3の配線板とを備え、該第3の配線板がフレキシブル配線板からなり、前記回路基板に固定される接続端子と、該接続端子を保持するターミナルハウジングとを備え、前記樹脂モールド部により前記回路基板が前記接続端子及び前記ターミナルハウジングと共に前記バッテリーセルと一体化されていることを特徴とするバッテリーを提案している。
【0010】
この発明によれば、例えば、電子部品等を搭載した第1の配線板をバッテリーセルの第1の表面に沿って配した状態で、第3の配線板を湾曲させることにより、第2の配線板をバッテリーセルの他の表面に沿って配することができる。また、接続端子がフレキシブル配線板を備えた回路基板に固定され、例えば、接続端子を第2の配線板に固定することにより、ケーブルを使用することなく、所望の位置に接続端子を配することができる。
【0011】
そして、接続端子が樹脂モールド部によって回路基板と共にバッテリーセルに一体化されるため、バッテリーの小型化を図ることができる。また、ケーブルを介さずに、接続端子が回路基板に直接固定されるため、電力を携帯端末等の負荷に供給する際の低インピーダンス化を図ることができる。
【0012】
また、請求項2に係る発明は、請求項1に記載のバッテリーにおいて、前記第2の配線板および前記第3の配線板が一つのフレキシブル配線板からなることを特徴とするバッテリーを提案している。
この発明によれば、第2の配線板および第3の配線板が同一のフレキシブル配線板からなるため、回路基板を容易に製造することができると共に、バッテリーセルの他の表面に突出物等が形成されている場合においても、第2、第3の配線板を突出物等の形状に沿って配することができる。
【0013】
また、請求項3に係る発明は、請求項1に記載のバッテリーにおいて、前記第1の配線板が多層構造となっており、前記第3の配線板が前記第1の配線板を構成する層の一部を延長して構成されていることを特徴とするバッテリーを提案している。
この発明によれば、回路基板を構成する部品点数が少なくなると共に、各配線板を半田付等により接続する必要が無くなる。
【0014】
また、第1の配線板をバッテリーセルの第1の表面に沿って配置させた状態で、第1の配線板に対して第3の配線板を屈曲させて、第2、第3の配線板をバッテリーセルの他の表面に沿って配置させる。このため、例えば、第1の配線板と第3の配線板とを半田付により接続する場合には、第1の配線板と第2、第3の配線板との相対位置を高精度に調整する必要がある。
これに対し、本発明のバッテリーにおいては、回路基板を構成する部品点数が少なくなるため、第2の配線板をバッテリーセルの他の表面に配置する際に、該他の表面に対する第2の配線板の位置決めが容易となる。
【0015】
また、請求項4に係る発明は、請求項1に記載のバッテリーにおいて、前記接続端子を保持するターミナルハウジングには、前記回路基板との間に前記接続端子を挟む位置に前記樹脂モールド部の樹脂を充填するための空間が設けられていることを特徴とするバッテリーを提案している。
この発明によれば、空間内に樹脂を供給することにより、接続端子が回路基板と樹脂モールド部とによって挟み込まれるため、接続端子がバッテリーセルに固着され、バッテリーセルに対する接続端子の実装強度向上を図ることができる。
【0016】
また、請求項5に係る発明は、請求項4に記載のバッテリーにおいて、前記空間が前記ターミナルハウジングを貫通していることを特徴とするバッテリーを提案している。
この発明によれば、樹脂を充填する空間が貫通しているため、空間の一端部から樹脂を供給した際には、空間の他端部から気体を外部に排出するため、空間内に樹脂を隙間無く充填することができ、バッテリーセルに対する接続端子の実装強度向上をさらに図ることができる。
また、空間の一端部から供給された樹脂が他端部の外側にまで到達することになるため、所定の樹脂モールド部を容易に形成することができ、樹脂の供給不良を確実に防止することができる。
【0017】
また、請求項6に係る発明は、請求項1から請求項5のいずれかに記載のバッテリーにおいて、前記第3の配線板が前記他の表面に突出する負極端子に沿って配され、前記第1の配線板には、バッテリーセル接続端子が設けられ、該バッテリーセル接続端子と前記負極端子とを接続する接続板が前記バッテリーセルに対して絶縁されていることを特徴とするバッテリーを提案している。
【0018】
この発明によれば、接続板がバッテリーセルの表面に対して絶縁されているため、フレキシブル配線板が負極端子を覆っている場合においても、バッテリーセルの表面のうち、負極端子が配置されていない表面に接続板を配置して、負極端子とバッテリーセル接続端子とを接続することができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
図1から図8は、この発明に係る一実施形態を示す。図1、図2に示すように、この実施の形態に係るバッテリー1は、矩形板状のバッテリーセル2と、このバッテリーセル2の狭隘な側面(第1の表面)2aおよび側面(他の表面)2bに沿って配置される回路基板3と、この回路基板3を包み込み、バッテリーセル2の側面2a,2b,2cに固着された樹脂モールド部4とを備えている。
【0020】
バッテリーセル2は、前述した構成と同様のものであり、アルミニウム合金等からなる矩形板状の容器内に、セパレータ、電極および電解液が封入されたものであり、図2に示すように、側面2bの中央部に突出した負極端子2dが形成され、この負極端子2dを除いたバッテリーセル2の表面が正極端子に形成されている。このため、突出した負極端子2dは、側面2bに対して電気的に絶縁されている。
【0021】
回路基板3は、側面2aに沿って配される第1の配線板3aと、第1の配線板3aから延在してバッテリーセル2の角部2eに沿って配される第3の配線板3bと、第3の配線板3bから延在して側面2bおよび負極端子2dに沿って配される第2の配線板3cとから構成されている。
【0022】
第1の配線板3aは、合成樹脂製の配線用シートを複数層積層したものであり、その表面には、バッテリーセル2の充電制御、過電流防止のための複数の電子部品6、およびバッテリーセル2の各端子と接続するためのランド部7,(バッテリーセル接続端子)8、が配置されている。
配線用シートは、その表面上にフォトリソグラフィ技術により回路導体を形成してなるものであり、この配線用シートを複数層積層することにより、狭隘な第1の配線板3aに多数の配線を設けることが可能となる。
【0023】
第2、第3の配線板3c,3bは、電子部品6等を配置する第1の配線板3aの表面側に積層された層の一部を延長してなるものであり、湾曲可能なフレキシブル配線板となっている。また、第2の配線板3cの表面には、図示しない携帯端末に接続するための接続端子9が配置されている。
【0024】
接続端子9は、図3に示すように、金属板を断面コ字状に形成してなるものであり、その内面9aには、出没自在に弾性変形可能な係止部9bが形成されている。この接続端子9は、図4に示すように、ターミナルハウジング10に保持されている。
【0025】
ターミナルハウジング10は、以下の形状をなしている。
すなわち、図6,7に示すように、主壁部11がT字状の断面形状を有しており、この主壁部11は、垂直壁部12と、バッテリーセル2の側面2bの長さ方向に延在する水平壁部13とからなっている。この水平壁部13の先端13aには、下方に突出する係止壁部14が形成されている。この主壁部11には、4つの仕切壁部15が設けられており、この仕切壁部15は、バッテリーセル2の側面2bに直交する垂直面に沿って配置されたものである。さらに、主壁部11の垂直壁部12と水平壁部13とに対向する側には、連結壁部16が設けられており、この連結壁部16は、各仕切壁部15を連結してなるものである。
この構成において、各仕切壁部15間には、接続端子9を保持するための端子接続部17が形成され、係止壁部14と連結壁部16との間には、間隙18が設けられている。
【0026】
接続端子9は、以下のようにしてターミナルハウジング10に固定される。
すなわち、図7の左側から矢印右方向(B方向)に接続端子9の係止部9bを弾性変形させて間隙18に挿入し、内面9cが係止壁部14の表面14aに当接した際に、係止部9bが弾性復帰して係止壁部14に係合することにより、接続端子9がターミナルハウジング10に対して抜出不能に固定される。
【0027】
ターミナルハウジング10に固定された接続端子9を第2の配線板3cにスポット溶接または半田付けにより固定した際には、主壁部11、係止壁部14および接続端子9により、ターミナルハウジング10の長さ方向(CD方向)に貫通する空間19が形成される。
また、接続端子9を第2の配線板3cに固定した状態で、第2の配線板3cをバッテリーセル2の側面2bに配置することにより、第2の配線板3cとバッテリーセル2の側面2bとの間に、ターミナルハウジング10の長さ方向(CD方向)に貫通する空間20が形成される。これら空間19,20は、樹脂モールド部4を形成する樹脂を充填するための空間である。
【0028】
以上のように、電子部品6等を固定した回路基板3は、図5に示すように、接続板21,22を介してバッテリーセル2に電気的に接続され、バッテリーセル2の電力が接続端子9から携帯端末に取り出されることになる。
すなわち、接続板21は、図2に示すように、ニッケル板等の金属板をL字状に形成してなるものであり、その一端部21aが第1の配線板3aのランド部7にスポット溶接または半田付により接続され、その他端部21bがバッテリーセル2の正極端子である側面2cにスポット溶接または半田付により接続される。
【0029】
また、接続板22は、ニッケルからなるL字状の金属板の一端部22aおよび他端部22bを直角に屈曲してなるものであり、バッテリーセル2の表面に配置される。接続板22の一端部22aは、回路基板3のランド部8にスポット溶接または半田付により接続され、その他端部22bは、バッテリーセル2の側面2bに設けられた負極端子2dにスポット溶接または半田付により接続される。
【0030】
ここで、バッテリーセル2の表面は、突出した負極端子2dを除いて正極端子となっている。このため、接続板22のうち、ランド部8および負極端子2dに接続される一端部22a、他端部22bを除く表面には、バッテリーセル2の表面と電気的に絶縁するためのポリイミドコーティング膜が形成されている。
【0031】
以上のように、このバッテリー1は、図5に示すように、回路基板3をバッテリーセル2の側面2a,2bに固定した状態で、回路基板3を樹脂により包み込み、かつ、空間19,20に樹脂を充填して、図1に示すように、樹脂モールド部4を形成することによって、回路基板3がバッテリーセル2に固着される構成となっている。
【0032】
上記のように構成されたバッテリー1の製造方法について説明する。
はじめに、図2に示すように、接続端子9をターミナルハウジング10に固定して、電子部品6およびランド部7,8を第1の配線板3aに固定し、接続端子9を第2の配線板3cに固定する。その後、回路基板3がバッテリーセル2の側面2a,2bに沿うように、第3の配線板3bを屈曲させると共に、回路基板3が側面2bから突出する負極端子2dの形状に沿うように、第2の配線板3cを屈曲させる。
次いで、図5に示すように、バッテリーセル2の側面2a,2bに沿って回路基板3を配置させると共に、接続板21,22により、回路基板3とバッテリーセル2とを電気的に接続してバッテリーユニット23を形成する。
【0033】
そして、このバッテリーユニット23を図示しない金型に収容する。この金型には、バッテリーユニット23を収容した状態で、図1に示す樹脂モールド部4を形成するためのキャビティを有しており、このキャビティに面して樹脂を供給する注入口が設けられている。なお、この注入口は、樹脂モールド部4の到達端部4a,4bまでの距離が等しい位置に配置される。
最後に、注入口から樹脂を供給することにより、回路基板3および接続板21を包み込むと共に、ターミナルハウジング10の空間19,20内に樹脂が充填され、樹脂モールド部4が形成される。
なお、接続端子9およびターミナルハウジング10近傍に形成される樹脂モールド部4は、図8に示すように、空間19,20を通して到達端部4aに到達することになる。
【0034】
上記実施形態のバッテリー1によれば、接続端子9が第2の配線板3cに固定されるため、接続端子を回路基板に接続するためのケーブルが不要となる。したがって、バッテリーセル2から携帯端末への電力供給の際に低インピーダンス化を図り、バッテリーセル2の電力供給効率の向上を図ることができると共に、バッテリー1の小型化を図ることができる。
【0035】
また、第2、第3の配線板3c,3bが一つのフレキシブル基板からなるため、第2、第3の配線板3c,3bを接続する製造工程を省くことができるため回路基板3の製造が容易となり、バッテリーセル2の角部2eや突出する負極端子2d沿って配置させることができる。
【0036】
さらに、第2、第3の配線板3c,3bが、多層構造の第1の配線板3aを構成する層の一部を延長したものであるため、回路基板3を一体的に製造し、第1、第2、第3の配線板3a,3c,3bを接続するための製造工程を省くことができ、バッテリー1の製造コスト削減を図ることができると共に、第3の配線板3bを屈曲させた際に、バッテリーセル2の側面2bに対する第2の配線板3cの位置決めを容易に行うことができる。
【0037】
また、第2の配線板3cは、第1の配線板3aのうち、回路基板6等を固定する表面側の層を延長したものからなっているため、回路基板6等を第1の配線板3aに固定すると同時に、接続端子9を第2の配線板3cに固定することが可能となり、バッテリー1の製造時間短縮を図ることができる。
【0038】
また、樹脂モールド部4を形成する際には、空間19,20が形成されているため、樹脂を到達端部4aに確実に供給することができる。したがって、バッテリーセル2に対する接続端子9の実装強度を向上させることができると共に、樹脂モールド部4の供給不良を確実に防ぐことができる。
【0039】
さらに、接続板22には、ポリイミドコーティングが施されているため、接続板22をバッテリーセル2の表面に沿わせて、第2の配線板3cにより覆われた負極端子2dと回路基板に設けたランド部8とを電気的に接続することが可能となる。
【0040】
なお、上記の実施の形態においては、第1の配線板3aがフィルムを複数層積層したものとしたが、これに限ることはなく、所定の厚さを有し、かつ、内部に電子部品6等を接続するための配線が設けられた合成樹脂製の板に、1枚、若しくは数枚の配線用シートを設ける構成としてもよい。この場合には、合成樹脂製の板に設けられた配線用シートの一部、若しくは全てを合成樹脂製の板から延長させて第2、第3の配線板3c,3bを形成することになる。
【0041】
また、第2の配線板3cは第3の配線板3bと同等の厚みを有するフレキシブル配線板からなるとしたが、第2の配線板3cのうち、接続端子9が固定される部分を第1の配線板3aと同等の厚さを有するとしてもよい。
さらに、第2の配線板3cを配置するバッテリーの表面は、側面2bに限ることなく、側面2aを除くバッテリーセル2の他の表面でもよいし、側面2aを除く複数の表面であってもよい。
【0042】
さらに、接続板22の表面には、バッテリーセル2と絶縁するための絶縁膜としてポリイミドコーティング膜を形成するとしたが、ポリイミドコーティング膜に限ることはなく、また、絶縁膜の形成面を接続板22の表面に限ることはない。すなわち、接続板22とバッテリーセル2とが電気的に絶縁されていればよく、例えば、バッテリーセル2の表面のうち、接続板22が当接する表面に絶縁膜を形成してもよい。
【0043】
また、接続端子9がバッテリーセル2の側面2aと負極端子2dとの間に配される場合には、第2の配線板3cを負極端子2dの手前まで延長すればよいので、第2の配線板3cの端部にランド部を設けて、ランド部と負極端子2dとを接続板により電気的に接続しても、接続板がバッテリーセルの表面に接触することが無くなる。したがって、接続板またはバッテリーセルの表面に絶縁膜を形成する必要が無くなる。
【0044】
さらに、上述の位置に接続端子9が配され、かつ、負極端子2dが覆われる位置まで第2の配線板3cを延長する場合には、第2の配線板3cのうち、負極端子2dを覆う部分に孔を設けると共に、この孔を覆うランド部を設けて、接続板を用いずに、孔を通してランド部と負極端子2dとを接続してもよい。
また、上記の実施の形態においては、樹脂を充填するための空間19,20を形成するとしたが、第2の配線板3cをバッテリーセル2の側面2bに固定し、空間19のみを形成するとしてもよい。
【0045】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1に係る発明によれば、接続端子が樹脂モールド部によってバッテリーセルに一体化されるため、バッテリーの小型化を図ることができる。
また、ケーブルを介さずに、接続端子が回路基板に接続されるため、電力を携帯端末に供給する際の低インピーダンス化を図り、バッテリーセルの電力供給効率の向上を図ることができる。
【0046】
また、請求項2に係る発明によれば、第2の配線板および第3の配線板が同一のフレキシブル配線板からなるため、回路基板を容易に製造することができると共に、第2、第3の配線板をバッテリーセルの表面に形成された突出物等の形状に沿って配することができる。
【0047】
また、請求項3に係る発明によれば、回路基板を構成する部品点数が少なくなるため、バッテリーの製造コスト削減を図ることができると共に、第2の配線板をバッテリーセルの他の表面に配置する際に、他の表面に対する第2の配線板の位置決めが容易となる。
【0048】
また、請求項4に係る発明によれば、空間内に樹脂を充填することにより、接続端子が回路基板と樹脂モールド部とによって挟み込まれ、接続端子がバッテリーセルに固着されるため、バッテリーセルに対する接続端子の実装強度向上を図ることができる。
【0049】
また、請求項5に係る発明によれば、樹脂を充填する空間が貫通しているため、バッテリーセルに対する接続端子の実装強度の更なる向上を図ることができると共に、樹脂の供給不良を確実に防止することができる。
【0050】
また、請求項6に係る発明によれば、接続板がバッテリーセルの表面に対して絶縁されているため、フレキシブル配線板が負極端子を覆っている場合においても、バッテリーセルの表面のうち、負極端子が配置されていない表面に接続板を配置して、負極端子とバッテリーセル接続端子とを接続することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の一実施形態に係るバッテリーを示す斜視図である。
【図2】 図1のバッテリーにおいて、バッテリーから樹脂モールド部を除き、バッテリーセルと回路基板と接続板とに分解した状態を示す斜視図である。
【図3】 図1のバッテリーに使用される接続部材を示す斜視図である。
【図4】 図1のバッテリーに使用される接続部材をターミナルハウジングに固定した状態を示す斜視図である。
【図5】 図1のバッテリーにおいて、樹脂モールド部形成前の状態を示す斜視図である。
【図6】 図1のバッテリーにおいて、樹脂モールド部形成前の状態における接続端子近傍を示す拡大斜視図である。
【図7】 図6のA−A断面図である。
【図8】 図1のバッテリーにおいて、接続端子近傍に形成される樹脂モールド部の形状を示す拡大斜視図である。
【図9】 従来のバッテリーの一例を示した斜視図である。
【図10】 図9のバッテリーにおいて、バッテリーから樹脂モールド部を除いて、バッテリーセルと回路基板と接続板とに分解した状態を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 バッテリー
2 バッテリーセル
2a 側面(第1の表面)
2b 側面(他の表面)
2d 負極端子
2e 角部
3 回路基板
3a 第1の配線板
3b 第3の配線板
3c 第2の配線板
4 樹脂モールド部
8 ランド部(バッテリーセル接続端子)
9 接続端子
10 ターミナルハウジング
19 開口部
22 接続板

Claims (6)

  1. バッテリーセルと、該バッテリーセルに電気的に接続された回路基板とを樹脂モールド部により一体化したバッテリーであって、
    前記回路基板がバッテリーセルの第1の表面に沿って配される第1の配線板と、他の表面に沿って配される第2の配線板と、これら第1の配線板と第2の配線板との間に配置され、かつ、バッテリーセルの少なくとも角部に沿って配される第3の配線板とを備え、
    該第3の配線板がフレキシブル配線板からなり、
    前記回路基板に固定される接続端子と、該接続端子を保持するターミナルハウジングとを備え、前記樹脂モールド部により前記回路基板が前記接続端子及び前記ターミナルハウジングと共に前記バッテリーセルと一体化されていることを特徴とするバッテリー。
  2. 請求項1に記載のバッテリーにおいて、
    前記第2の配線板および前記第3の配線板が一つのフレキシブル配線板からなることを特徴とするバッテリー。
  3. 請求項1に記載のバッテリーにおいて、
    前記第1の配線板が多層構造となっており、
    前記第3の配線板が前記第1の配線板を構成する層の一部を延長して構成されていることを特徴とするバッテリー。
  4. 請求項1に記載のバッテリーにおいて、
    前記接続端子を保持するターミナルハウジングには、前記回路基板との間に前記接続端子を挟む位置に前記樹脂モールド部の樹脂を充填するための空間が設けられていることを特徴とするバッテリー。
  5. 請求項4に記載のバッテリーにおいて、
    前記空間が前記ターミナルハウジングを貫通していることを特徴とするバッテリー。
  6. 請求項1から請求項5のいずれかに記載のバッテリーにおいて、
    前記第3の配線板が前記他の表面に突出する負極端子に沿って配され、
    前記第1の配線板には、バッテリーセル接続端子が設けられ、
    該バッテリーセル接続端子と前記負極端子とを接続する接続板が前記バッテリーセルに対して絶縁されていることを特徴とするバッテリー。
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