JP3833896B2 - 電磁物品監視マーカを活性化/不活性化する方法とその装置 - Google Patents
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Description
技術分野
本発明は、一般に電磁物品監視(EAS)システムに関する。厳密には、本発明は、物品に取り付けられてそのような物品の盗難を防止するEASマーカを増感および消感させる方法および装置に関する。
【0002】
背景技術
EASシステムは、典型的に商店または図書館などの公共の場所からの物品または商品の無許可持ち出しを防止するために使用される。頻繁に盗難の被害を受ける物品は、書籍、オーディオテープ、ビデオテープ、およびコンパクトディスクを含む。EASシステムは、一般に、選択的に増感または消感できるEASマーカを使用し、それらのマーカが盗難を防止したい物品に設置される。マーカは、マーク付けされた物品を収容する領域の出口に典型的に設置される検出器との組合せで働く。特定のマーカを消感させた場合、そのマーカは、警報を発動させることなくマーカー検出器を通過して動かすことができる。そのマーカを増感させた場合、マーカ検出器を通過して動かされると、そのマーカが警報を発動させる。EASマーカは、一般に許可を得た人員の排他的管理下にある消感機によって消感される。
【0003】
1つの一般的なタイプのマーカ検出器は、EASシステムによって防御される領域の出口に発生される交互磁気問い合わせフィールドを使用する。そのような検出器と関連させて使用されるマーカは、典型的に、低保磁力磁気材料の磁区が北から南へ、およびその逆に交互に極性が切り換えられる低保磁力磁気材料の細長い細片を含む。この低保磁力磁気材料は、検出可能なように磁気問い合わせフィールドを乱し、これが警報を誘発させる。この警報は、マーカを付けた物品が正規に検査されていないことを示す。
【0004】
本明細書全体を通して、用語の消感化および不活性化は、監視マーカに関して互換的に使用されている。一般に、このような用語は、所定の監視マーカがEAS検出器を起動すなわち作動させない状態にそのマーカが変換されていることを意味するものである。本発明で使用するのに適している1つの特定タイプのマーカは、より高い磁気保磁力を有する少なくとも1つの磁化セクション(「保磁子」と称される)によって多数のセクションに分割される低保磁力磁気材料の細長い細片を含む。このようなマーカは、好ましくは、マーカの保磁子を磁化することで消感化または不活性化される。これらの保磁子が磁化されると、マーカが、EAS検出器によって発生された交互磁界問い合わせゾーン内に配置されても検出されない。これらの保磁子が消磁される、つまりマーカを活性化すると、そのマーカが検出される。そのようなマーカの1つの例は、ミネソタ州、セントポールのMinnesota Mining and Manufacturing Company社(3M)からDSB−2の表示名で入手可能であり、商標名TATTLETAPE(商標)で市販されている。このマーカは、米国特許第3,747,086号に記載されている。
【0005】
従来技術は、物品上のマーカを消感させるための磁石を提供するが、従来の方法には幾つかの限界がある。第1に、これらの方法の幾つかは、マーカを、消感させる磁石を通過させるが、その磁石はそのマーカを消感させるために最適な方向に向けられない。例えば、そのマーカが暴露される磁界プロフィールが非対称である、またはこのマーカに関して奇数の磁気遷移を呈する可能性がある。その結果、マーカは、消感された後に誤って再び増感される可能性があり、故に、誰もそのつもりがないのに警報を誘発させることとなる。同様に、これらの従来技術の方法は、磁石がマーカと正しく整列されていない、またはマーカ全体が磁石を通過して移動されない場合には全くマーカを消感させることができない。これら状況のいずれの場合でも、マーカは、利用者が図書館を出ようとする場合には警報を誘発させる可能性がある。
【0006】
本発明は、これらや他の問題に対する解決策を提供し、従来技術の設計と比較して他の利点を提案する。
【0007】
発明の概要
本発明は、一般に、電子物品監視マーカを効率的且つ簡単に不活性化するための配置構成および方法に関する。さらに、様々な方法および構成が、様々な場所および向きに配置された電子物品監視マーカを有する物品を取り扱うようにしてある。
【0008】
本発明の原理による1つの構成は、不活性化したいEASマーカを有する物品に対して第1位置と第2位置との間で動くようにしたキャリッジを含む。この構成は、マーカの予期される位置に対して整列された位置にキャリッジ上に搭載された第1磁石をも含む。第1磁石は、キャリッジが平行移動するとマーカを不活性化または消感化するに足る強度の磁界を生成するようにしてある。この構成は、第1と第2との位置間でキャリッジを移動させてマーカを不活性化するようにキャリッジに動作できる状態で結合された移動手段をさらに含む。
【0009】
本発明の原理による他の構成は、不活性化したいEASマーカを搭載する物品を保持するための台座部を含む。この台座部は、第1位置と第2位置との間に延在する。この構成は、マーカを不活性化するに足る強度の磁界を生成するための不活性化手段をも含む。この構成は、第1位置と第2位置との間の台座部に沿って不活性化手段をガイドするためのガイド手段をさらに含む。最後に、この構成は、第1と第2との位置間で不活性化手段を移動させるためのガイド手段に動作できる状態で結合されたモータを含む。
【0010】
本発明の原理によるさらなる構成は、EASマーカを搭載する物品を支持するための台座部を有するハウジングを含む。この装置は、ハウジング内に配置された第1磁石をも含む。第1磁石は、マーカを不活性化するに足る強度の磁界を生成することができる。この装置は、台座部に沿って第1と第2との位置間で第1磁石を平行移動させるための平行移動機構をさらに含む。電子物品監視マーカは、台座部上に物品を配置し、第1と第2との位置間で第1磁石を平行移動させることによって不活性化される。
【0011】
本発明の原理によるさらなる構成は、EASマーカを選択的に活性化、または不活性化するようにした磁石の交互減衰配列を含む。磁石の交互減衰配列は、第1および第2反対方向に平行移動するように構成されるのが好ましい。この配列がマーカに対して第1方向に平行移動されると、この配列は、マーカを活性化するようにしてある。この配列がマーカに対して第2方向に平行移動されると、その配列がマーカを不活性化するようにしてある。
【0012】
本発明のさらなる態様は、物品によって運ばれ、第1位置と第2位置との間の予期される位置に配置された電子物品監視マーカを不活性化する方法に関する。その方法は、第1位置と第2位置との間で平行移動できるようにしたガイド手段を提供するステップを含む。この方法は、マーカを不活性化するに足る強度の磁界を生成するための不活性化手段を提供するステップをも含む。この不活性化手段は、マーカの予期される位置に対して整列された位置にガイド手段によって運ばれる。最後に、この方法は、監視マーカが不活性化されるように第1位置と第2位置の間で不活性化手段を駆動するステップをも含む。
【0013】
本発明の様々な態様および構成は、EASマーカを簡単且つ効率的に活性化、または不活性化されるようにする装置と方法を提供する。例えば、様々な構成および態様は、EASマーカを磁界に対して手動で動かす必要もなくそのようなマーカを不活性化されるようにする方法および装置を提供する。本発明は、様々な場所に搭載された電子物品監視マーカを有する物品を取り扱うように配置、構成された不活性化装置をも提供する。例えば、本発明のある実施例は、書籍の背に近接して、およびコンパクトディスクの表面上に取り付けられた電子物品監視マーカを不活性化するようにしてある。本発明の1つの特定実施例では、書籍やコンパクトディスクに関する様々な考え得るEASマーカの場所を取り扱うために、2つの磁石が互いに直角をなすように整列されている。
【0014】
発明の詳細な説明
個々に取り入れられ、本明細書の一部を構成する添付の図面は、本発明の幾つかの態様を例示し、詳細な説明と共に本発明の原理を説明する役目を果たす。図1は、本発明の原理により構成された電子監視マーカ増感装置/消感装置20を示す。一般に、この増感装置/消感装置20は、活性化または不活性化したい監視マーカ(28で破線で示された)を搭載する物品を収容するようにした架台24を画定するハウジング22を含む。この増感装置/消感装置20は、ユニットの動作を制御するための制御回路構成と連動している1つ以上のボタンまたは他の素子を有する制御板30で作動される。当業者には、様々な周知ソフトウエアまたはハードウエアで起動される方法を、このユニットの動作を制御するために採用できることは理解されよう。
【0015】
増感装置/消感装置20の使用の際、物品(書籍26で示されているが、それは磁気的また光学的媒体、容器、または問題の任意の他の物品でもあり得る)が、最初にハウジング22の架台24に配置される。この増感装置/消感装置20は、次に制御板30を介して活性化される。不活性工程中、物品は、典型的にハウジング22に対して実質的に静止したままである。その不活性工程が完了した後、その物品は、架台24から取り出され、不活性化したいマーカを有する次の物品と置き換えられる。
【0016】
増感装置/消感装置20は、書籍、磁気媒体、およびコンパクトディスクなどの様々の異なる物品を逐次または同時に、活性化、または不活性化するようにしてあるのが好ましい。このような物品は、かなり異なる場所に搭載された監視マーカをしばしば有する。例えば、図2に示されるように、書籍26上のマーカ28の予期される位置は、書籍26の背に沿ってある。対照的に、コンパクトディスク32上のマーカ29の予期される位置は、コンパクトディスク32の面上にあり、そのコンパクトディスクが2つ以上のマーカを有しても良い。明細書で後に詳細に記述されるように、この増感装置/消感装置20は、様々な物品上の異なる場所に位置する監視マーカをそのユニットが不活性化させる構造を含むのが好ましい。そのような機能は、ユニットに対して物品を増感装置/消感装置20の使用者が移動させなくても達成されるのが好ましい。
【0017】
増感装置/消感装置20のハウジング22は、略傾斜している前部面34を有する。架台24は、増感装置/消感装置20の前部面34に形成され、書籍26またはコンパクトディスク32などの物品を支持するようにした略水平台座36を含む。この台座36は、架台24の後方縁部39におけるガイド壁38と相接する。このガイド壁38は、台座36から上方に突出する。1つの実施例では、この台座36は、水平面に対して5度と20度との間で傾けられる、それによって、台座36上の物品をガイド壁38に向かって付勢することができる。さらに、この実施例では、後方縁部における台座36とガイド壁38との間の角度は、80度と120度との間である。この架台24は、台座36とガイド壁38との両方に対して好ましくは横方向に整列される対向して配置された略三角形状第1および第2端部壁40、41をさらに含む。
【0018】
図2から図4Aは、架台24に略近接したハウジング22内に配置された消感配置構成を示す。この消感配置構成は、略L状構造を有するキャリッジ44を含む。このL状構造は、台座36またはガイド壁38に近接して配置されたマーカが不活性化されるようにする。このキャリッジ44は、互いに対して実質的に直角に整列された第1および第2脚部46、48を含む。この第1脚部46は、実質的に水平であり、架台24の台座36の直ぐ下に配置され、他方の第2脚部48は、実質的に垂直であり、架台24のガイド壁38の直ぐ背後に配置される。これらの脚部は、架台およびガイド壁と同角度の向きに配置され、これらの表面に近接して以下に記述される磁石を運ぶようにそれらに十分に近接しているのが好ましい。
【0019】
第1および第2磁石50、52は、キャリッジ44の第1および第2脚部46、48にそれぞれ接続、固定、或いは搭載される。図2に示されるように、第1および第2磁石50、52のそれぞれが細長い略矩形形状を有し、第1および第2脚部46、48によって画定された細長い略矩形チャネル内に搭載される。
【0020】
キャリッジ44上に配置されると、第1磁石50は、実質的に水平であり、架台24の台座36の直ぐ下に配置される上部面54を有する。この第1磁石50は、上部面54の反対側にある底部面56をも含む。キャリッジ44の第2または垂直脚部48は、第2磁石52が第1磁石50に対して略垂直に延在し、架台24のガイド壁38に対して近接し且つ実質的に平行である前部面58を有するような向きに配置される。この第2磁石52は、前部面58と反対側にある後部面60を有する。
【0021】
第1および第2磁石50、52は、それぞれが対向極を有する永久磁石であるのが好ましい。好ましくは、第1磁石50は、上部面54に第1極を、底部面56に第2極を有し、しかも第2磁石52は、好ましくは、前部面58に第1極を、後部面60に第2極を有する。例えば、第1および第2磁石50、52の上部および前部面54、58は、そのような磁石の北極を具備でき、しかも底部および後部面56、60はそのような磁石の南極を具備できる。但し、磁石50、52の対のそれぞれの極性は、消感装置の動作に悪影響を及ぼすことなく反転される。
【0022】
第1および第2磁石50、52は、略矩形断面を有する永久ネオジム鉄ホウ素磁石であるのが好ましい。本発明に関連した使用に適する磁石は、Nd35、Nd38、Nd40、Nd45、Nd48の名称でDexter Corporation社のDexter Magnetic Materials Divisionから市販されている。装置上の監視マーカの予期される位置に基づき、第1磁石50が、典型的にコンパクトディスクの面上に配置されたマーカ29を不活性化または消感することになっている。対照的に、第2磁石52が、典型的に書籍の背またはのどあきに配置された監視マーカを不活性化することになっている。
【0023】
第1および第2磁石50、52の磁界強度は、マーカそれ自体がその磁界に対してどのような向きであっても、保磁子を磁化する(故に、上述のように、マーカを不活性化する)に足るものでなければならない。その有効距離(マーカを不活性化できる磁石からマーカまでの最大距離)は、第1および第2磁石50、52のパラメータ、マーカの向き、および保磁子の保磁力の関数である。第1磁石50がコンパクトディスクの表面上の2つのマーカをそれらの向きに関係なく不活性化するに足る架台36から0.76cm(0.3インチ)の有効距離において約530ガウスの磁界強度を提供する1つの実施例では、Nd38磁石材料から製造された第1磁石50は、好ましくは、12cm(4.75インチ)の範囲の長さ、1.27cm(0.5インチ)の範囲の面幅、および2.3cm(0.9インチ)の範囲の厚さまたは深さを有する。ガイド壁38から2.2cm(0.875インチ)の有効距離において約250ガウスの磁界強度を提供するために、この実施例における第2磁石52は、Nd48材料から製造され、8.25cm(3.25インチ)の範囲の長さ、1.4cm(0.55インチ)の範囲の面幅、および2.54cm(1.0インチ)の範囲の厚さまたは深さを有する。
【0024】
第1および第2磁石50、52の間の磁界強度の差は、第1および第2磁石50、52が不活性化しようとする監視マーカの予期される場所および向きに関係する。例えば、第2磁石52は、書籍の背またはのどあきに近接して、但し、ガイド壁38から2.2cm(0.875インチ)の距離に、配置された監視マーカ28を不活性化しようとする。書籍などの物品が台座36上に配置されると、それらの対応するマーカが第2磁石52の両極および長軸に対して略垂直に整列する。そのような垂直な構成が、そのような監視マーカを不活性化するための最適条件となる。対照的に、第1磁石50は、典型的に、普通の高さのコンパクトディスクケースの内部に収納されたコンパクトディスク32の両面に配置された監視マーカ29を不活性化するために使用される。コンパクトディスクケースが台座36上に配置される場合、その対応する監視マーカが、第1磁石50の主軸と垂直をなして整列される見込みがない。実際に、一定の頻度で、コンパクトディスク32上の監視マーカ29が第1磁石50の主軸と平行に整列され、これは監視マーカを不活性化するのが難しい構成となる。その結果、第1磁石50は、そのようなマーカが第1磁石50の主軸と平行に整列された場合でも監視マーカを効率的に不活性化することを確実にするに足る大きさの磁界強度を有するのが好ましい。
【0025】
消感配置構成のキャリッジ44は、架台24に沿って前後に往復または平行移動するように配置される。特に、この消感構成は、第1端部壁40に近接して配置された第1位置と第2端部壁41に近接した第2位置との間でキャリッジ44を前後に平行移動させるための平行移動機構を含む。図1から図4に示されるように、キャリッジ44は、端部壁40と41との間に延在し、台座36の下に配置される細長い略線状トラックまたはガイドレール62によって端部壁40と41との間でガイドされる。このキャリッジ44は、複数のガイド輪またはローラ64によってガイドレール62に滑動的に接続される。これらのローラは、キャリッジ44の底部に回動的に接続され、ガイドレール62の対向縁部を収容するためのチャネルを画定する。このガイドレール62は、ハウジング22内に固定される細長い基礎部材68上で支えられる。このガイドレール62は、キャリッジ44がその上に搭載されたとき、第1磁石50が架台24の台座36の直ぐ下に整列され、第2磁石52が架台24のガイド壁38の直ぐ背後に整列されるように、配置されるのが好ましい。図2Aに示されるように、ガイドレール62は、キャリッジ44が第1端部壁40を越えたところに位置する待機位置から、第2端部壁41を越えたところに位置する待機位置まで平行移動できるように第1および第2端部壁40、41を越えて延在するのが好ましい。
【0026】
図3に示されるように、この消感構成は、ガイドレール62に沿ってキャリッジ44を前後に移動させるための駆動機構をも含む。この駆動機構は、任意の適当なタイプのものであっても良く、ブラケット72で基礎部材68に接続される駆動モータ70を含む。代表的なモータは、電動式ステッパーモータおよびサーボモータを含む。この駆動機構は、手動クランク、アクチュエータ、ソレノイドなどの他の駆動力源、またはキャリッジ44に十分な力を適用してそれをガイドレール62に沿って推進させるのに適した任意の他の周知の駆動力源を使用することも可能である。
【0027】
図3において、駆動モータ70は、駆動プーリ76に接続される駆動軸74を有し、この駆動モータ70が作動されると、駆動軸74が駆動プーリ76を回転させる。この駆動プーリ76は、ガイドレール62の一端に近接して配置され、アイドラープーリ80はガイドレール62の他端に近接して配置される。駆動ベルト82またはチェインなどの連続的被駆動部材は、駆動およびアイドラープーリ76、80の周りに懸けられ、すなわち張られる。キャリッジ44は、ベルトクランプなどの従来の技術を介して駆動ベルト82にしっかり固定される。第1および第2対向方向にベルト82を選択的に推進させることによって、駆動モータ70がガイドレール62に沿ってキャリッジ44を前後に推進させるように機能する。
【0028】
図2Aおよび図3Aにおいて、一対のセンサ90、92が細長い基礎部材68の各端部の近くに設置される。センサ対のそれぞれは、細長い基礎部材68の中央に向かって配置された減速センサを含む。この減速センサはモータ制御と連絡してモータ速度を低減し、一旦キャリッジがその減速センサに到達するとキャリッジ44の標準移動速度を減少させる。その対の両方のセンサが、キャリッジ44から延在するブラケット43で覆われると、モータへの電力が断たれ、そのキャリッジ44が直ちに停止する。
【0029】
図4Aは、キャリッジ44を駆動するための代わりとなるべき構成を示す。この構成では、駆動モータ70がプーリ74に取り付けられ、それが駆動軸94に取り付けられている。この構成の1つの変形例では、駆動モータ70は、キャリッジ44がボール逆転軸受け95でそれに滑動的に取り付けられるボールリバーサー軸94(コネチカット州、リッジフィールドのNORCOのFlennor Division製のものなど)に接続された単一方向素子である。軸移動の最後に、そのキャリッジはその移動方向を自動的に逆走する。センサは、軸の各端部に配置されて、キャリッジの逆走前に駆動モータを停止させる。代わりとなるべき変形例では、逆転モータ70がプーリ74に取り付けられ、それが単一方向ネジ付き軸に取り付けられる。センサーは、軸の各端部に配置されて駆動モータを停止させ、逆方向に駆動モータを準備する。この構成は、滑り軸受98によってキャリッジ44に滑動的に接続された滑動レール96をさらに含む。
【0030】
消感機構が使用されていない場合、キャリッジ44は、図2Aに示されるように、第1または第2端部壁を越えたところに待機させるのが好ましい。使用時に、不活性化したい監視マーカを有する物品が架台24内に置かれ、駆動モータ70が制御板30を介して作動される。駆動モータ70が作動されると、駆動モータ70がキャリッジ44をガイドレール62に沿って一度平行移動させるので、磁石50、52の少なくとも1つが、物品上の監視マーカを過ぎて走査してそのマーカを不活性化することができる。例えば、図2Aにおいて、キャリッジ44が最初に第2端部壁41を越えたところにある場合、駆動部材70が駆動ベルト82を反時計回りの方向に推進するので、キャリッジ44が第2端部壁41から架台24を横切って第1端部壁40を過ぎて移動することができる。対照的に、キャリッジ44が最初に第1端部壁40を越えたところにある場合、駆動モータ70が駆動ベルト82を時計回りの方向に推進するので、キャリッジ44が第1端部壁40から架台24を横切って第2端部壁41を過ぎて移動することができる。キャリッジ44が物品を過ぎて移動し、その物品の監視マーカを不活性化させた後に、その物品が架台24から取り出される。
【0031】
図2Aおよび図3に示されるように、ベルト82は端部壁40、41を超える距離まで延在する。ユニットが使用中でない、またはキャリッジが台座36を横切って通過するのを完了したとき、キャリッジ44は、端部壁41を過ぎた場所で待機する。キャリッジ44がその場所にあることで、架台24上に置かれた書籍またはコンパクトディスク上のマーカを図書館利用者が手動で消感するを防止する。端部壁41の外側の場所におけるベルト82上のキャリッジ44を待機させることで、台座上に誤って置かれたビデオまたはオーディオテープなどの磁気材料を損傷させることにもなり得る台座36内に広がる有効磁界を減少させる。
【0032】
図5は、本発明の原理により構成された別の増感装置/消感装置20’を示す。一般に、この増感装置/消感装置20’は、台座36’と横方向ガイド壁38’とによって形成された架台24’を有するハウジングを含む。このハウジングは、好ましくは、図1で示されたハウジング22と実質的に同じ構成を有する。
【0033】
この増感装置/消感装置120は、ハウジング22’の台座36’の直ぐ下に配置された第1ベルト122と、ガイド壁38’の直ぐ背後に配置された第2ベルト124とを含む。この第1ベルト122は、台座36’と実質的に平行をなす上部表面126を含み、第2ベルト124は、ガイド壁38’と実質的に平行をなす前部表面128を含む。第1ベルト122の上部表面126は、第2ベルト124の前部表面128と実質的に垂直をなすのが好ましい。
【0034】
第1ベルト122は、好ましくは、台座36’の長さ全体に沿って延在し、第1および第2端部ローラ130、132上に懸けられる。同様に、第2ベルト124は、好ましくは、ガイド壁38’の長さ全体に沿って延在し、第3および第4端部ローラ134、136上に懸けられる。第1および第2ベルト122、124は、駆動モータ142によって第1および第2方向138、140に選択的に駆動される。この駆動モータ142は、適当な制御回路構成、処理手段、または制御手段(143で示される)によって制御され、第2および第4ローラ132、136に結合されるので、ベルト122、124をそれらのそれぞれの対の端部ローラについて閉ループで駆動モータ142により選択的に推進させることができる。
【0035】
この増感装置/消感装置120は、磁石の第1および第2交互減衰配列144、146をも含む。磁石の第1交互減衰配列144は、第1ベルト122の外部表面上に搭載され、しかも磁石の第2交互減衰配列146が第2ベルト124の外部表面上に搭載される。この第1交互減衰配列144は、その配列の一端に配置された最弱磁石148と、その配列の反対端に配置された最強磁石150とを含む。同様に、第2交互減衰配列146は、その配列の一端に配置された最弱磁石152と、その配列の反対端に配置された最強磁石154とを含む。この最弱磁石148は、好ましくは、台座36’の面で測定して80ガウスの範囲の磁界強度を有し、しかもこの最強磁石150が、好ましくは、台座36’の面から0.76cm(0.3インチ)のところで測定して530ガウスの範囲の磁界強度を有する。最弱磁石152は、好ましくは、ガイド壁38’の面で測定して80ガウスの範囲の磁界強度を有し、しかも最強磁石154が、好ましくは、ガイド壁38’の面から2.2cm(0.875インチ)のところで測定して250ガウスの範囲の磁界強度を有する。他の範囲や磁界強度が、本発明の範囲を逸脱しない限り採用されても良い。
【0036】
第1交互減衰配列144では、中間磁石は、最弱磁石148と最強磁石150との間に配置される。これらの中間磁石は、最弱磁石148から最強磁石150に向かって延在する方向に段階的により強く(故に、典型的に大きく)なる。同様に、第2交互減衰配列146でも、中間磁石が、最弱磁石152と最強磁石154との間に配置される。再度、これらの中間磁石は、最弱磁石152から最強磁石154に向かって延在する方向に段階的により強く(故に、典型的に大きく)なる。図5に示されるように、各交互減衰配列の磁石は交互になった極性を呈するので、その配列内の近隣磁石が逆の極性を呈する。補足的に、各配列の磁石のそれぞれは、第1極がベルトに向かって直面し、第2極がベルトから離れる方向に面する、二極性磁石である。
【0037】
電子監視マーカは、架台24内にマーカを付けた物品を配置し、次に、第1および第2ベルト122、124が第1方向138に駆動されるようにモータ142を作動させることで、増感装置/消感装置120によって不活性化される。第1および第2ベルト122、124が第1方向138に駆動されると、第1および第2交互減衰配列144、146の少なくとも一つがマーカを横切る整数回の通過(例えば、1、2または3)となる。これらの配列144、146が第1方向138に移動されるので、最強磁石150、154がそのマーカを通過する最後の磁石となる。最強磁石150、154は、好ましくは、保磁子を磁化する、故にマーカを不活性化するに足る磁界強度を有する。
【0038】
電子監視マーカは、架台24内にマーカを付けた物品を配置し、次に、第1および第2ベルト122、124が第2方向140に駆動されるようにモータ142を作動させることで、増感装置/消感装置120によって増感または活性化される。第1および第2ベルト122、124が第2方向140に駆動されると、第1および第2交互減衰配列144、146の少なくとも一つがマーカを横切る整数回の通過(例えば、1、2または3)となる。ベルト122、124が第2方向140に回転するので、マーカを通過する最初の磁石が好ましくは最強磁石150、154であり、しかもマーカを通過する最後の磁石が好ましくは最弱磁石148、152である。配列144、146がマーカを通過すると、そのマーカは、方向が高速で変化または反転する磁界に暴露される。つまり、各配列144、146が、交互になった極性を有する複数の磁石を含むので、マーカが複数回数の磁化反転に暴露される。さらに、配列44、46が第2方向140に移動されているので、マーカ上の反転磁界の強度は指数関数的に徐々に減少する。その結果、配列144、146がマーカを通過して移動すると、マーカの磁化がゼロに接近し、マーカを活性化/増感させる。磁石の交互減衰配列は、米国特許第4,689,590号と第4,752,758号により詳細に記載されている。
【0039】
先の説明に関して、変更が、本発明の範囲を逸脱することなく、詳細に、特に採用された構成材料、および部品の形状、サイズ、および構成に関して実行されても良いことは理解されよう。例えば、マーカを消感するために使用された構造を、当業者には周知のように、マーカを増感するために使用しても良い。示された実施例の仕様は説明のみを目的としたものであり、本発明の真の範囲は特許請求の範囲に記載される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 電子物品監視マーカを活性化または不活性化するための、本発明の原理により構成された装置の斜視図である。
【図2】 図1の装置内に組み込まれた不活性化機構を示す。
【図2A】 キャリッジが待機位置にある状態での図1の装置内に組み込まれた不活性化機構を示す。
【図3】 図2の不活性化機構の拡大後部斜視図を示す。
【図3A】 図3の不活性化機構の正面図を示す。
【図4】 図2の不活性化機構の他の斜視図を提供する。
【図4A】 本発明の原理により構成された不活性化機構の他の実施例の斜視図を提供する。
【図5】 本発明の原理により構成される電子監視マーカを活性化および不活性化するための他の装置を示す。
Claims (7)
- 物品に取り付けられた電子物品監視マーカを不活性化するための構成であって、
(a)前記物品に対して第1位置と第2位置との間で少なくとも1つの磁石を移動させるようにしたキャリッジと、
(b)前記マーカの予期される位置に対して整列された位置に前記キャリッジにより運ばれ、かつ前記キャリッジが前記物品に対して移動すると前記マーカを不活性化するに足る強度の磁界を生成する少なくとも1つの磁石と、
(c)前記第1位置と前記第2位置との間で前記キャリッジを移動させて前記マーカを不活性化するために前記キャリッジに動作できる状態で連結されたモータとを具備する、構成。 - 前記第1位置と前記第2位置との間に延在する第1ガイドレールをさらに含み、前記キャリッジが前記第1ガイドレールと滑り係合する、請求項1に記載の構成。
- 前記第1位置と前記第2位置との間で前記物品を保持するための台座をさらに含む、請求項1に記載の構成。
- 前記第1磁石が、前記台座と実質的に平行をなす面で前記台座の下に配置される、請求項3に記載の構成。
- 前記キャリッジが角度を付けたブラケットとして構成され、配置され、前記角度付きブラケットが、前記台座と実質的に平行な第1部分と、前記第1部分と略垂直をなして延在する第2部分とを有する、請求項3に記載の構成。
- 前記マーカを不活性化するに足る強度の磁界を生成する第2磁石をさらに具備し、前記第2磁石が前記角度付きブラケットの前記第2部分に搭載され、前記第1磁石が前記角度付きブラケットの第1部分に搭載され、前記第1および第2磁石のそれぞれが北と南の極を有し、前記第1および第2磁石のそれぞれの同極が前記台座に面している、請求項5に記載の構成。
- 前記磁石が、前記台座上に置かれた物品上の前記マーカを不活性化できない位置で待機する、請求項3に記載の構成。
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