JP3833349B2 - 水洗トイレ用薬剤供給具 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、貯水タンク式水洗トイレの貯水タンク内に配置して使用される水洗トイレ用薬剤供給具に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の水洗トイレ用薬剤供給具としては、容器体の内部に水溶性薬剤を収容し、この水溶性薬剤を収容した容器ごと貯水タンク式水洗トイレの貯水タンク内の水に浸漬して、該貯水タンク内の水に水溶性薬剤を溶解させるものが知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような従来の水洗トイレ用薬剤供給具にあっては、水溶性薬剤を単に貯水タンク内の水に浸漬することにより、溶解させるようにしている。したがって、貯水タンクから放出される水の薬液濃度は、前回の放水時点から今回の放水時点までの時間により異なり、該時間が長くなるに従って薬液濃度の高い水が貯水タンクから便器に放出されることとなる。よって、逆に前回の放水時点から今回の放水時点までの時間が短い連続放水を行った場合には、今回の放水時までに十分な量の薬剤が貯水タンク内の水に溶解しておらず、薬剤濃度が低く十分な薬剤効果が得られない。
【0004】
本発明は、このような従来の課題に鑑みてなされたものであり、前回の放水時点から今回の放水時点までの時間が短い連続放水を行った場合であっても、適正濃度の薬剤を溶解させた水を放水することのできる水洗トイレ用薬剤供給具を提供することを目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するために本発明にあっては、貯水タンク式水洗トイレの貯水タンク内に配置されて、少なくとも下端部を前記貯水タンク内に貯留する水に浸漬可能な容器体と、この容器体の底面部に立設されて、該容器体の下端内部に第1室と該第1室よりも大容積からなる第2室とを隔成する仕切部と、前記仕切部の上端よりも低い位置に設けられ前記第1室を外部と連通させる第1流入出部と、前記仕切部の上端よりも低い位置であって、前記第2室に収容された水溶性薬剤と、前記仕切部の上端よりも低い位置であって、前記水溶性薬剤よりも高い位置に設けられ、該第2室を外部と連通させる第2流入出部とを備え、前記第1流入出部の総開口面積を、前記第2流入出部の総開口面積よりも大きく設定し、前記貯水タンク式水洗トイレの貯水時における前記貯水タンク内の水面レベルの上昇に伴って、前記各流入出部から前記各室に水を流入させて、前記第1室の水位が第2室の水位よりも高い水位差を生じさせ、該水位差が生じている間において、前記第1室から前記仕切部を越えた水を第2室に落下させるようにした
【0006】
かかる構成おいて、使用に際しては貯水タンク式水洗トイレにおける貯水タンク内に、底面部が下端となる垂直状態に配置する。この配置状態において、貯水タンク内の水が便器内に放水し終わった直後では、第2室内に配置される水溶性薬剤の上部には、第2流入出部の直下のレベルにて、水が滞留している。このとき、第2流入出部は、仕切部の上端よりも低い位置に設けられていることから、当然にこのレベルは仕切部の上端までの高さよりも低い位置である。
【0007】
また、貯水タンク内の弁が閉じて貯水が開始されると、該貯水タンク内の水面レベルは徐々に上昇して行き、該水面レベルが第1流入部以上となると、貯水タンク内の水は第1流入出部を介して第1室内に侵入し、第1室内の水面レベルが上昇する。そして、第1室内の水が仕切部の上端を越え得るレベルになると、該第1室内の水は仕切部の上端を越えて第2室内に落下する。これにより、第2室に配置されている水溶性薬剤上に貯留している水に流圧が付加されるのみならず、該貯留している水が撹拌される。このため水溶性薬剤は、第1室から流下した水による流圧及び撹拌に伴って適量が水中に溶解し、水溶性薬剤の上部に、高濃度の薬剤溶液が生成される。そして、第1室内から第2室への水の流入に伴って、第2室内の水面レベルが仕切部の上端まで到達すると、前述した落下した水による流圧、及び撹拌に伴う水溶性薬剤の溶解は停止する。
【0008】
また、トイレ使用後、貯水タンク内の水を便器内に放出すると、貯水タンクの水面レベルは下降して行く。この水面レベルの下降に伴って、容器体内の薬剤溶液が、第1流入出部及び第2流入出部を介して容器体外に流出し、該容器体外の貯水タンク内の水に混入する。したがって、便器内には貯水タンクから薬剤溶液が混入したブルーの水等が放出され、便器の洗浄、消臭等がなされる。このとき、前記貯水タンクへの貯水時に、前述した流圧と攪拌とにより、容器体内の水に十分に薬剤が溶解していることから、前回の放水時点から今回の放水時点までの時間が短い連続放水を行った場合であっても、適正濃度の薬剤を溶解させた水を放水することができる。
【0009】
また、本発明の他の構成にあっては、貯水タンク式水洗トイレの貯水タンク内に配置されて、少なくとも下端部を前記貯水タンク内に貯留する水に浸漬可能な容器体と、
該容器体の底面部に立設され、容器体の下端内部に第1室と該第1室よりも大容積からなる第2室とを隔成する第1仕切部と、該第1仕切部の上端よりも低い位置であって、前記第2室に収容された水溶性薬剤と、前記容器体の底面部に立設され、容器体の下端部に前記第2室と該第2室よりも小容量からなる第3室とを隔成する前記第1仕切部よりも低くかつ前記水溶性薬剤よりも高い第2仕切部と、前記第1仕切部の上端よりも低い位置に設けられ前記第1室を外部と連通させる第1流入出部と、前記第2仕切部の上端よりも低い位置に設けられ前記第3室を外部と連通させる第2流入出部とを備え、前記第1流入出部の総開口面積を、前記第2流入出部の総開口面積よりも大きく設定し、前記貯水タンク式水洗トイレの貯水時における前記貯水タンク内の水面レベルの上昇に伴って、前記各流入出部から前記各室に水を流入させて、前記第1室の水位が第2室の水位よりも高い水位差を生じさせ、該水位差が生じている間において、前記第1室から前記第1仕切部を越えた水を前記第2室に落下させるようにした
【0010】
かかる構成において、使用に際しては貯水タンク式水洗トイレにおける貯水タンク内に、底面部が下端となる垂直状態に配置する。この配置状態において、貯水タンク内の水が便器内に放水し終わった直後では、第2室内に配置される水溶性薬剤の上部には、第2仕切部の高さレベルにて、水が滞留している。このとき、第2仕切部は、第1仕切部よりも低いことから、当然にこのレベルは第1仕切部の上端までの高さよりも低い位置である。
【0011】
そして、貯水タンク内の弁が閉じて貯水が開始されると、該貯水タンク内の水面レベルは徐々に上昇して行き、該水面レベルが第1流入出部以上となると、該第1流入出部から第1室内に水が侵入する。また、第1室内の水が第1仕切部の上端を越え得るレベルになると、該第1室内の水は第1仕切部の上端を越えて第2室内に侵入する。このとき、第1仕切部の高さと第2仕切部の高さとの差により水位差が生じていることから、第1仕切部の上端を越えた水は、この水位差をもって落下して水溶性薬剤上に貯留している水に流圧を付加するのみならず、該貯留している水を攪拌する。このため水溶性薬剤は、第1室から流下した水による流圧、及び攪拌に伴って適量が容器体内の水中に溶解し、水溶性薬剤の上部に、高濃度の薬剤溶液が生成される。
【0012】
また、この生成された高濃度の薬剤溶液は、第2仕切部の高さレベルと第3室内の水面レベルとにレベル差が生じている間は、第2仕切部の上端を乗り越えて、第3室内に流入する。したがって、水が第1仕切部の上端を越えて第2室内に流入しても、第1室と第2室との間に一定の水位差を維持することができる。よって、この間、この一定の水位差をもって落下する水により、確実に水溶性薬剤上に貯留している水に流圧を付加できるのみならず、該貯留している水を攪拌することができ、これにより、所定量が薬剤が水中に溶解する。
【0013】
そして、第2室から第3室への薬剤溶液の流入と、第2流入出部から第3室内への水の流入とに伴って、該第3室内の水面レベルが第2仕切部の上端まで到達すると、前記水位差が減少し始める。やがて、水位差がなくなると、前述した水位差をもって落下した水による流圧及び攪拌に伴う水溶性薬剤の溶解は停止する。
【0014】
また、トイレ使用後、貯水タンク内の水を便器内に放出すると、貯水タンクの水面レベルは下降して行く。この水面レベルの下降に伴って、容器体内の薬剤溶液が、第1流入出部及び第2流入出部を介して容器体外に流出し、該容器体外の貯水タンク内の水に混入する。したがって、便器内には貯水タンクから薬剤溶液が混入したブルーの水等が放出され、便器の洗浄、消臭等がなされる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施の形態について図にしたがって説明する。すなわち、図1は本発明の第1の実施の形態を示すものであり、水洗トイレ用薬剤供給具1は、容器体2を有している。この容器体2は、底面部3と、この底面部3の左右に立設された左側面部4と右側面部5、及び前後に立設された前面部6と後面部7を一体的に有している。また、この容器体2は、上下方向に長尺状であって、後述するように、貯水タンク式水洗トイレにおける貯水タンク内に配置した場合において、下部が貯水タンク内に貯留されている水に浸漬し得る長さを有し、上端部には水溶性薬剤投入用の開口部が設けられている。
【0016】
容器体2の内部であって底面部3上には、仕切部8が一体的に立設されており、この仕切部8は、底面部3上に配置される後述する水溶性薬剤の高さよりも高い寸法に設定されている。また、この仕切部8は、左右側面部4,5と平行に延在しているとともに、左側面部4側に変位して該左側面部4との間に所定の間隔を設けて形成されており、下縁は底面部3に接合され、前縁及び後縁は前面部6と後面部7とに接合されている。これにより、左側面部4と仕切部8との間に第1室9が形成され、仕切部8と右側面部5との間に、この第1室9よりも大容積からなる第2室10が形成されている。
【0017】
第1室9内の底面部3には、3個の貫通孔からなる底面孔11が形成されており、右側面部5には仕切部8の上端8aよりもやや低い位置に単一の貫通孔からなる側面孔12が形成されている。ここで、側面孔12の開口面積は、底面孔11の総開口面積よりも遙かに小さく設定されている。
【0018】
また、第2室10内には、底面部3上に水溶性薬剤13が収容配置されている。この水溶性薬剤13は、各種洗浄剤、漂白剤、酸素剤、殺菌剤、消臭剤、脱臭剤、及びブルー染料等が適宜選択されて混入されており、仕切部8より低い高さ寸法を有している。
【0019】
なお、後面部7の上端部には、貯水タンク式水洗トイレにおける貯水タンクの上端部等の係止可能なフック等の適宜の固定手段が設けられており、また、この固定手段により固定した場合において、貯水タンク頂面とほぼ面一状をなす水溶性薬剤を投入するための投入口が、容器体2の上端全面を開口することにより形成されている。
【0020】
以上の構成にかかる第1の実施の形態において、使用に際しては貯水タンク式水洗トイレにおける貯水タンクの上蓋を持ち上げて、水洗トイレ用薬剤供給具1を貯水タンク内に挿入し、前記固定手段により容器体2を貯水タンクの上端部等に固定して、底面部3が下端となる垂直状態に配置する。このとき、容器体2は断面矩形であることから、例えば後面部7を貯水タンクの内面に接面させることにより、安定的に配置することができる。
【0021】
この配置状態において、貯水タンク内の水が便器内に放水し終わった直後では、第1室9内に水の滞留はなく、第2室10内の水溶性薬剤13の上部には、側面孔12の直下のレベルL1にて、水が滞留している。このとき、前述したように側面孔12は、仕切部8の上端8aよりもやや低い位置に設けられていることから、当然にこのレベルL1は仕切部8の上端8aまでの高さL3よりも低い位置である。
【0022】
また、貯水タンク内の水が便器内に放水し終わった後、貯水タンク内の弁が閉じて貯水が開始されると、該貯水タンク内の水面レベルは徐々に上昇して行き、やがて底面部3以上となる。すると、底面部3には底面孔11が設けられていることから、貯水タンク内の水は底面孔11を介して第1室9内に侵入して、第1室9内の水面レベルが上昇する。このとき、第1室9内には底面孔11を介して水が侵入することから、該第1室9内の水面レベルの上昇は急峻ではなく、水道水が直接流入する貯水タンク内の水面レベルの方が急速に上昇する。したがって、該貯水タンク内の水面レベルは先行して満タンレベルL2に到達し、この時点で水道水の供給が停止されることにより、貯水タンク内の水面レベルは満タンレベルL2にて停止する。
【0023】
一方、第1室9内の水面レベルは、前述のように貯水タンク内の水面レベルよりも緩慢に上昇して行く。そして、第1室9内の水が仕切部8の上端8aを越え得るレベルL3になると、該第1室9内の水は仕切部8の上端8aを越えて第2室10内に侵入する。このとき、仕切部8の上端8aを越え得るレベルL3と、前記レベルL1との間には“L3−L1”の水位差が生じている。したがって、仕切部8の上端8aを越えた水は、この水位差をもって落下して水溶性薬剤13上に貯留している水に流圧を付加するのみならず、該貯留している水を攪拌する。このため水溶性薬剤13は、第1室9から流下した水による流圧及び攪拌に伴って適量が水中に溶解し、水溶性薬剤13の上部に、高濃度の薬剤溶液が生成される。
【0024】
そして、第1室9内から第2室10への水の流入、及び側面孔12から第2室10への水の流入に伴って、第2室10内の水面レベルLが仕切部8の上端8aまで到達すると、第1室9の水面レベルL3と第2室10の水面レベルL1との関係は、L3=L1となる。したがって、両者の水位差がなくなることにより、前述した水位差をもって落下した水による流圧、及び撹拌に伴う水溶性薬剤13の溶解は停止する。
【0025】
しかし、L3=L1となった後も、容器体2内の水面レベルが満タンレベルL2と等しくなるまでは、底面孔11及び側面孔12から貯水タンク内の水が容器体2内に流入し、容器体2内の水面レベルが満タンレベルL2と等しくなった時点で、貯水タンク内の水の容器体2内への流入が停止する。
【0026】
このとき、容器体2内においては、前述した攪拌時の水の流動が慣性により生じており、また、L3=L1となった後の底面孔11及び側面孔12から容器体2内への水の流入によっても、水の流動が生じている。したがって、前述した水溶性薬剤13の上部に生成されている高濃度の薬剤溶液は、この容器体2内における水の流動により、該容器体2内において分散し、さらに濃度拡散により、容器体2内において分散する。よって、容器体2内は、所定濃度の薬剤溶液が充満することとなり、貯水タンクが満水レベルL2に維持されている間、薬剤溶液はほぼ容器体2内に封入されている。
【0027】
そして、トイレ使用後、貯水タンク内の水を便器内に放出すると、貯水タンクの水面レベルL2は下降して行く。この水面レベルL2の下降に伴って、容器体2内の薬剤溶液が、底面孔11及び側面孔12を介して容器体2外に流出し、該容器体2外の貯水タンク内の水に混入する。したがって、便器内には貯水タンクから薬剤溶液が混入したブルーの水等が放出され、便器の洗浄、消臭等がなされる。
【0028】
このとき、前述した貯水タンクへの貯水時における流圧と攪拌とにより、水溶性薬剤13が容器体2内の水に十分に薬剤が溶解していることから、前回の放水時点から今回の放水時点までの時間が短い連続放水を行った場合であっても、適正濃度の薬剤を溶解させた水を便器に放水することができる。
【0029】
また、この放水時において、貯水タンク内の水面レベルL2は、容器体2内の水面レベルよりも急速に低下し、よって、貯水タンク内の水面レベルL2が容器体2よりも下方となった時点でも、容器体2内の薬剤溶液は全て外部に流出してはいない。しかし、貯水タンク内の水面レベルL2が容器体2よりも下方となった時点からも、貯水タンクから便器への放水が継続している状態にある。したがって、底面孔11及び側面孔12からの薬剤溶液が、貯水タンク内の水に滴下しつつ混入して、この薬剤溶液が混入した水の便器への放出が継続する。よって、便器内へ放出される水は、その放出初期よりも放出終期の方が薬剤濃度が濃くなることから、便器から汚物が流出した後に、洗浄効果や消臭効果が高まることとなり、これにより、理想的な薬剤供給を行うことができる。
【0030】
そして、第1室9の薬剤溶液が外部に流出し終わる頃、貯水タンクから便器への放水も完了し、貯水タンク内の弁が閉じて貯水が開始され始める。このとき、第2室10において、水溶性薬剤13の上部に残存している薬剤溶液は、側面孔12からの流出を継続しており、貯水タンク内の水面レベルが徐々に上昇して底面部3に到達するまでには、側面孔12よりも上部の水は該側面孔12より外部に流出し終わっている。したがって、前述したように、貯水タンクの水面上昇に伴って底面孔11から第1室9内に侵入した水が、仕切部8の上端8aを越え得るレベルL3となった際には、第2室10内の水溶性薬剤13の上部の水面は、側面孔12の直下のレベルL1となっている。よって、“L3−L1”の水位差が生じて、前述した水位差をもって落下して水による水溶性薬剤13に対する流圧の付加、及び水溶性薬剤13上に貯留している水の攪拌がなされることとなる。
【0031】
なお、水溶性薬剤13が溶解し終わってなくなった場合には、上部の投入口から新たな水溶性薬剤13を投入すれば、該水溶性薬剤13は第2室10内に落下し、再度使用を開始することができる。このとき、投入口が貯水タンクの頂面とほぼ面一状であれば、水溶性薬剤13の投入を容易に行うことができる。
【0032】
図2は、本発明の第2の実施の形態を示すものであり、容器体2の内部であって底面部3上には、第1仕切部14と第2仕切部15とが一体的に立設されている。第1仕切部14は、前述した第1の実施の形態の仕切部8と同様の構成である。第2仕切部15は、第1仕切部14の高さ寸法L3よりも低い高さ寸法L4を有し、第1仕切部14及び右側面部5と平行に延在している。また、第1仕切部14は、右側面部5側に変位して該右側面部5との間に所定の間隔を設けて形成されており、下縁は底面部3に接合され、前縁及び後縁は前面部6と後面部7とに接合されている。これにより、左側面部4と第1仕切部14との間に第1室16が形成され、第2仕切部15と右側面部5との間に第3室17が形成され、両仕切部14,15の間に、第1及び第3室16,17よりも大容積からなる第2室10が形成されている。
【0033】
第1室16には、底面部3に3個の貫通孔からなる底面孔11が形成されており、第3室17には、底面部3から前面部6、及び底面部3から後面部7に各々亙って、コーナー孔18が形成されている。ここで、コーナー孔18の総開口面積は、底面孔11の総開口面積よりも遙かに小さく設定されている。また、第2室10内には、底面部3上に図示しない水溶性薬剤が収容配置され、該水溶性薬剤は第2仕切部15の高さ寸法L4よりも低い高さ寸法を有している。
【0034】
以上の構成にかかる第2の実施の形態において、この実施の形態にかかる水洗トイレ用薬剤供給具1も前述した第1の実施の形態と同様に、貯水タンク内に垂直状態で配置される。また、この配置状態において、貯水タンク内の水が便器内に放水し終わった直後では、第1及び第3室16,17内に水の滞留はなく、第2室10内の水溶性薬剤の上部には、第2仕切部15の高さレベルL4にて、水が滞留している。
【0035】
そして、貯水タンク内の水が便器内に放水し終わった後、貯水タンク内の弁が閉じて貯水が開始されると、該貯水タンク内の水面レベルは徐々に上昇して行き、やがて底面部3以上となる。すると、貯水タンク内の水が底面孔11とコーナー孔18とを介して第1及び第3室16,17内に侵入して、第1及び第3室16,17内の水面レベルが上昇する。
【0036】
このとき、第1及び第3室16,17内には各々前記孔11,18を介して水が侵入することから、第1及び第3室16,17内の水面レベルの上昇は急峻ではなく、水道水が直接流入する貯水タンク内の水面レベルの方が急速に上昇し、該貯水タンク内の水面レベルは、満タンレベルL2にて停止する。さらに、コーナー孔18の総開口面積は、底面孔11の総開口面積よりも遙かに小さく設定されていることから、第1室16内の水面レベルは、第3室17の水面レベルよりも急速に上昇して行く。
【0037】
そして、第1室16内の水が第1仕切部14の上端14aを越え得るレベルL3になると、該第1室16内の水は第1仕切部14の上端14aを越えて第2室10内に侵入する。このとき、第1仕切部14の上端14aを越え得るレベルL3と、第2仕切部15の高さレベルL4との間には“L3−L4”の水位差が生じている。したがって、第1仕切部14の上端14aを越えた水は、この水位差をもって落下して水溶性薬剤上に貯留している水に流圧を付加するのみならず、該貯留している水を攪拌する。このため水溶性薬剤は、第1室16から流下した水による流圧、及びその上部に貯留している水の攪拌に伴って適量が水中に溶解し、水溶性薬剤の上部に、高濃度の薬剤溶液が生成される。また、この生成された高濃度の薬剤溶液は、第2仕切部15の高さレベルL4と第3室17内の水面レベルL5とにレベル差が生じている間は、第2仕切部15の上端15aを乗り越えて、第3室17内に流入する。
【0038】
したがって、この実施の形態においては、水が第1仕切部14の上端14aを越えて、第2室10内に流入しても、L4=L5となるまでの間は、“L3−L4”の水位差を維持することができる。よって、この間、この水位差“L3−L4”をもって落下する水により、確実に水溶性薬剤上に貯留している水に流圧を付加できるのみならず、該貯留している水を攪拌することができ、これにより、所定量が薬剤が水中に溶解する。
【0039】
そして、第2室10から第3室17への薬剤溶液の流入と、コーナー孔18から第3室17内への貯水タンク内の水の流入とに伴って、該第3室17内の水面レベルL5が第2仕切部15の上端15aまで到達すると、水位差が減少し始める。やがて、L3=L5となって水位差がなくなると、前述した水位差をもって落下した水による流圧、及び水溶性薬剤上に貯留している水の攪拌に伴う水溶性薬剤の溶解は停止する。しかし、L3=L5となった後も、容器体2内の水面レベルが満タンレベルL2と等しくなるまでは、底面孔11及びコーナー孔18から貯水タンク内の水が容器体2内に流入し、容器体2内の水面レベルが満タンレベルL2と等しくなった時点で、貯水タンク内の水の容器体2内への流入が停止する。
【0040】
このとき、容器体2内においては、前述した攪拌時の水の流動が慣性により生じており、また、L3=L5となった後の底面孔11及びコーナー孔18から容器体2内への水の流入によっても、水の流動が生じている。したがって、前述した水溶性薬剤の上部に生成されている高濃度の薬剤溶液は、この容器体2内における水の流動により、該容器体2内において分散し、さらに濃度拡散により、容器体2内において分散する。よって、容器体2内は、所定濃度の薬剤溶液が充満することとなり、貯水タンクが満水レベルL2に維持されている間、薬剤溶液はほぼ容器体2内に封入されている。
【0041】
そして、トイレ使用後、貯水タンク内の水を便器内に放出すると、貯水タンクの水面レベルL2は下降して行く。この水面レベルL2の下降に伴って、容器体2内の薬剤溶液が、底面孔11及びコーナー孔18を介して容器体2外に流出し、該容器体2外の貯水タンク内の水に混入する。したがって、便器内には貯水タンクから薬剤溶液が混入したブルーの水等が放出され、便器の洗浄、消臭等がなされる。このとき、前述した貯水タンクへの貯水時における流圧と攪拌とにより、水溶性薬剤13が容器体2内の水に十分に薬剤が溶解していることから、前回の放水時点から今回の放水時点までの時間が短い連続放水を行った場合であっても、適正濃度の薬剤を溶解させた水を便器に放水することができる。
【0042】
また、放水に伴って、貯水タンク内の水面レベルL2は、容器体2内の水面レベルよりも急速に低下し、よって、貯水タンク内の水面レベルL2が容器体2よりも下方となった時点でも、容器体2内の薬剤溶液は全て外部に流出してはいない。しかし、貯水タンク内の水面レベルL2が容器体2よりも下方となった時点からも、貯水タンクから便器への放水が継続している状態にある。したがって、底面孔11及びコーナー孔18からの薬剤溶液が、貯水タンク内の水に滴下しつつ混入して、この薬剤溶液が混入した水の便器への放出が継続する。よって、便器内へ放出される水は、その放出初期よりも放出周期の方が薬剤濃度が濃くなることから、便器から汚物が下水に流れこんた後に、洗浄効果や消臭効果が高まることとなり、これにより、理想的な薬剤供給を行うことができる。そして、第1及び第3室16,17の薬剤溶液が外部に流出し終わる頃、貯水タンクから便器への放水も完了し、貯水タンク内の弁が閉じて貯水が開始され始める。
【0043】
なお、この第2の実施の形態においては、コーナー孔18を底面部3から前面部6、及び底面部3から後面部7に各々亙って設けるようにしたが、図3に示す第3の実施の形態のように、一対のコーナー孔18を、右側面部5から底面部3に亙って設けるようにしてもよい。
【0044】
図4は、本発明の第4の実施の形態を示すものであり、前記コーナー孔18に代わって、右側面部5の下端部に一対の右側面孔19が形成されている。この一対の右側面孔19の総開口面積と底面孔11の総開口面積との関係は、前述した実施の形態と同様に、右側面孔19の総開口面積が、底面孔11の総開口面積よりも遙かに小さく設定されている。
【0045】
また、図5は、本発明の第5の実施の形態を示すものであり、左側面部4の下端部に3個の左側面孔20が形成され、第3室17の底面部3に2個の底面孔21が形成されている。この底面孔21の総開口面積と左側面孔20の総開口面積との関係は、底面孔21の総開口面積が、左側面孔20の総開口面積よりも遙かに小さく設定されている。
【0046】
さらに、図6は、本発明の第6の実施の形態を示すものであり、左側面部4から底面部3に亙って3個のコーナー孔22が形成され、第3室17の底面部3に2個の底面孔21が形成されている。この底面孔21の総開口面積とコーナー孔22の総開口面積との関係は、底面孔21の総開口面積が、コーナー孔22の総開口面積よりも遙かに小さく設定されている。したがって、これら第4〜第6の実施の形態においても、前述した第2の実施の形態と同様に、水溶性薬剤の溶解及び薬剤溶液の供給がなされる。
【0047】
図7は、本発明の第7の実施の形態を示すものであり、第1室16の底面部3に3個の大底面孔23が形成され、第3室17の底面部3に2個の小底面孔24が形成されている。さらに、右側面部5には、1個の中右側面孔25が形成され、該中右側面孔25は、第1仕切部14の上端14aの高さ位置と第2仕切部15の上端15aの高さ位置との中間位置に設けられている。また、こられ大底面孔23と中右側面孔25と小底面孔24の直径は、3mm:2mm:1mmである。
【0048】
以上の構成にかかる第7の実施の形態において、貯水タンク内の水が便器内に放水し終わった後、貯水タンク内の弁が閉じて貯水が開始されると、該貯水タンク内の水面レベルは徐々に上昇して行き、やがて底面部3以上となる。すると、貯水タンク内の水が、大底面孔23と小底面孔24とを介して第1及び第3室16,17内に侵入して、第1及び第3室16,17内の水面レベルが上昇する。このとき、第1及び第3室16,17内には各々孔23,24を介して水が侵入することから、第1及び第3室16,17内の水面レベルの上昇は急峻ではなく、水道水が直接流入する貯水タンク内の水面レベルの方が急速に上昇して、該貯水タンク内の水面レベルは、満タンレベルL2にて停止する。
【0049】
一方、大底面孔23の総開口面積は、小底面孔24の総開口面積よりも遙かに大きく設定されていることから、第1室16内の水面レベルは、第3室17の水面レベルよりも急速に上昇して行く。そして、第1室16内の水が第1仕切部14の上端14aを越え得るレベルL3になると、該第1室16内の水は第1仕切部14の上端14aを越えて第2室10内に落下し、前述したと同様に、水溶性薬剤の溶解が促進される。
【0050】
また、容器体2内の水面レベルが中右側面孔25よりも高位置になると、該中右側面25から容器体2内に侵入する水の流れが、水平方向に形成される。このとき、中右側面孔25は、第1仕切部14の上端14aの高さ位置と第2仕切部15の上端15aの高さ位置との中間位置に設けられていることから、中右側面孔25からの流入による水流が、同図に矢印Fで示すように、両仕切部14,15間において水平方向に生ずることとなる。このため、この水平方向に生ずる水流Fによっても、水溶性薬剤の上部が攪拌され、これにより水溶性薬剤の溶解効率を高めて、適正な高い濃度で水溶性薬剤を溶解させることが可能となる。
【0051】
図8は、本発明の第8の実施の形態を示すものであり、前述した第7の実施の形態と異なり、左側面部4には、1個の中左側面孔26が形成され、該中左側面孔26は、第1仕切部14の上端14aの高さ位置よりもやや上部に設けられている。また、大底面孔23と中左側面孔26と小底面孔24の直径は、3mm:2mm:1mmである。
【0052】
かかる第8の実施の形態において、貯水タンク内の弁が閉じて貯水を行っているとき、容器体2内の水面レベルが中左側面孔26よりも高位置になると、該中左側面孔26から容器体2内に侵入する水の流れが、水平方向に形成される。このとき、中左側面孔26は、第1仕切部14の上端14aの高さ位置よりもやや上部であることから、中左側面孔25からの流入による水流が、同図に矢印Fで示すように、第1仕切部14の上部において第2仕切部15方向に生ずる。このため、この水平方向に生ずる水流Fによっても、水溶性薬剤の上部が攪拌され、これにより水溶性薬剤の溶解効率を高めて、適正な高い濃度で水溶性薬剤を溶解させることが可能となる。
【0053】
図9は、本発明の第9の実施の形態を示すものであり、第1室16の底面部3に3個の大底面孔23が形成され、第3室17の底面部3に1個の小底面孔24が形成されている。こられ大底面孔23と小底面孔24の直径は、3mm:1mmである。
【0054】
以上の構成にかかる第9の実施の形態において、貯水タンク内の水が便器内に放水し終わった後、貯水タンク内の弁が閉じて貯水が開始されると、該貯水タンク内の水面レベルは徐々に上昇して行き、やがて底面部3以上となる。すると、貯水タンク内の水が、大底面孔23と小底面孔24とを介して第1及び第3室16,17内に侵入して、第1及び第3室16,17内の水面レベルが上昇する。このとき、大底面孔23の総開口面積は、小底面孔24の総開口面積よりも遙かに大きく設定されていることから、第1室16内の水面レベルは、第3室17の水面レベルよりも急速に上昇して行く。そして、第1室16内の水が第1仕切部14の上端14aを越え得るレベルL3になると、該第1室16内の水は第1仕切部14の上端14aを越えて第2室10内に落下し、前述したと同様に、水溶性薬剤が溶解して薬剤溶液が生成される。
【0055】
また、水が第1仕切部14の上端14aを越えて第2室10内に落下することにより、両仕切部14,15間で溢れた高濃度の薬剤溶液は、第2仕切部15の上端15aを乗り越えて、第3室17内に流入する。したがって、この間は“L3−L4”の水位差が確保されて、この水位差による流圧の付加と攪拌とが行われる。このとき、小底面孔24は1個のみ形成されていることから、該小底面孔24から第3室17への水の流入は少なく、よって、長期に亙って“L3−L4”の水位差が維持される。よって、この間、この水位差“L3−L4”をもって落下する水により、確実に水溶性薬剤に流圧を付加できるのみならず、水溶性薬剤上に貯留している水が攪拌され、これにより、確実に所定量の薬剤を水中に溶解させることができる。
【0056】
図10は、本発明の第10の実施の形態を示すものであり、第3室17の底面部3に2個の小底面孔24が形成されている点のみが、第9の実施の形態とは異なっており、大底面孔23と小底面孔24の直径は、3mm:1mmである。
【0057】
かかる第10の実施の形態において、トイレ使用後、貯水タンク内の水を便器内に放出すると、貯水タンクの水面レベルL2は下降して行く。この水面レベルL2の下降に伴って、容器体2内の薬剤溶液が、大底面孔23と小底面孔24とを介して容器体2外に流出し、該容器体2外の貯水タンク内の水に混入する。したがって、便器内には貯水タンクから薬剤溶液が混入したブルーの水等が放出され、便器の洗浄、消臭等がなされる。
【0058】
このとき、前述したように、貯水タンク内の水面レベルL2は、容器体2内の水面レベルよりも急速に低下し、よって、貯水タンク内の水面レベルL2が容器体2よりも下方となった時点でも、容器体2内の薬剤溶液は全て外部に流出してはいない。しかし、貯水タンク内の水面レベルL2が容器体2よりも下方となった時点からも、貯水タンクから便器への放水が継続している状態にある。したがって、大底面孔23及び小底面孔24からの薬剤溶液が、貯水タンク内の水に滴下しつつ混入して、この薬剤溶液が混入した水の便器への放出が継続する。このとき、小底面孔24が2個設けられていることから、貯水タンク内の弁が閉じて貯水が開始され始める前に、容器体2内の薬剤溶液を貯水タンク内に導出させることができる。よって、1回の貯水で容器体2内に生成された薬剤溶液を、確実に1回の放水により使用して、便器内に流入する薬剤の濃度を安定的なものにすることができる。
【0059】
図11は、本発明の第11の実施の形態を示すものであり、第1室16の底面部3に3個の大底面孔23が形成され、右側面部5の第2仕切部15の上端15aよりもやや下部に1個の中右側面孔25が形成されている。こられ大底面孔23と中右側面孔25の直径は、3mm:1mmである。
【0060】
以上の構成にかかる第11の実施の形態において、トイレ使用後、貯水タンク内の水を便器内に放出すると、貯水タンクの水面レベルL2は下降して行く。この水面レベルL2の下降に伴って、容器体2内の薬剤溶液が、大底面孔23と中右側面孔25とを介して容器体2外に流出して、該容器体2外の貯水タンク内の水に混入し、便器内には貯水タンクから薬剤溶液が混入したブルーの水等が放出される。
【0061】
しかし、中右側面孔25は前述のように、右側面部5の第2仕切部15の上端15aよりもやや下部に設けられていることから、第3室17内の中右側面孔25よりも下部に薬剤溶液が残存した状態で、容器体2から外部への薬剤溶液の流出が停止する。したがって、溶解率の高い水溶性薬剤を用いた場合には、便器内に流出する溶液の濃度を規制することができ、溶解率の高い水溶性薬剤を用いた場合であっても、適切な濃度の薬剤溶液を便器内に供給することできる。
【0062】
図12は、本発明の第12の実施の形態を示すものであり、第1室16の底面部3に2個の中底面孔27が形成され、右側面部5の第2仕切部15の上端15aよりもやや下部に1個の小右側面孔28が形成されている。こられ中底面孔27と小右側面孔28の直径は、2mm:1mmである。
【0063】
以上の構成にかかる第12の実施の形態において、トイレ使用後、貯水タンク内の水を便器内に放出した際には、前述した第11の実施の形態と同様に、第3室17内の小右側面孔28よりも下部に薬剤溶液が残存した状態で、容器体2から外部への薬剤溶液の流出が停止する。また、貯水時においては、2個の中底面孔27から流入した水が第1仕切部14の上端14aを乗り越えて落下することから、単位時間当たりの落下水量も少ないものとなる。したがって、溶解率の極めて高い水溶性薬剤を用いた場合には、放水時と貯水時の双方で薬剤溶液の濃度を規制することができ、溶解率の高い水溶性薬剤を用いた場合であっても、適切な濃度の薬剤溶液を便器内に供給することできる。
【0064】
なお、各実施の形態においては、断面矩形の容器体2を用いたものを示したが、これに限ることなく、断面半円形、断面円形等、容器体2は他の断面形状であってもよく、さらには伸縮自在として上下方向の長さを調整可能としてもよい。また、容器体2に設けられる各孔の数、径、形状も各実施の形態のものに限ることなく、適宜変更し、あるいはその形成部位を適宜組み合わせてもよい。
【0065】
【発明の効果】
以上説明したように本発明は、容器体内で水位差を生じさせ、この水位差で落下する水による流圧及び攪拌により、容器体内に配置される水溶性薬剤を溶解させるようにした。よって、前回の放水時点から今回の放水時点までの時間が短い連続放水を行った場合であっても、適正濃度の薬剤を溶解させた水を放水させることが可能となる。さらに、前記水位差で落下する水による流圧及び攪拌で水溶性薬剤を積極的に溶解させることから、水溶性薬剤の残存量が少なくなってその表面積が少なくなったとしても、これに左右されることなく薬剤を充分溶解させることができ、その結果、薬剤が消失するまで薬剤の溶解濃度を適正に保つことができる。
【0066】
また、容器体内に異なる高さの仕切部を設けて、第1室、第2室、第3室を形成し、第1室と第3室とに外部に連通する流入出部を設けるようにしたことから、第1室と第2室とに一定の水位差を一定時間確保することができる。よって、この水位差で、第1室から第2室に落下する水による流圧及び攪拌により、容器体内に配置される水溶性薬剤を確実に溶解させることができ、適正濃度の薬剤を確実に溶解させた水を放水させることが可能となる。
【0067】
また、容器体を断面矩形とすることにより、周面を貯水タンク式水洗トイレの貯水タンクの内周壁に接面させて安定的に配置することができる。また、容器体を、長さ調整可能とすることにより、販売時にコンパクト化し、使用時には貯水タンクのサイズに左右されることなく使用が可能となる。また、容器体の上端部に、水溶性薬剤を投入するための投入口を設けることにより、この水洗トイレ用薬剤供給具の永続的な使用が可能となる。また、投入口が、容器体を前記貯水タンクに装着したとき、該貯水タンクの縁部と略面一状をなすことにより、水溶性薬剤の投入が容易となる。
【0068】
また、各仕切部が容器体と一体的に形成されることにより製造工程の簡略化を図ることができる。
【0069】
また、第1流入出部の総開口面積が、第2流入出部の総開口面積よりも大きいことにより、前記水位差を確実に形成することができる。また、第1流入出部や第2流入出部を容器体の底面部に設けることにより、容器体内に溶液を残存させることなく、貯水タンク内に流出させることができる。また、前記第1流入出部や第2流入出部を、前記容器体の側面部に設けることにより、逆に、第1室内の溶液を残存させて、貯水タンク内の薬剤濃度を調整することもできる。
【0070】
また、第1流入出部や第2流入出部を、容器体の底面部と側面部とに亙って設けた構成により、容器体を射出成型する場合、流入出部の形成が容易となる。さらに、流入出部を、複数の貫通孔で構成することにより、容器体の剛性を低下させることなく、必要な開口面積を確保することができる。
【0072】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態を示す要部斜視図である。
【図2】本発明の第2の実施の形態を示す要部斜視図である。
【図3】本発明の第3の実施の形態を示す要部斜視図である。
【図4】本発明の第4の実施の形態を示す要部斜視図である。
【図5】本発明の第5の実施の形態を示す要部斜視図である。
【図6】本発明の第6の実施の形態を示す要部斜視図である。
【図7】本発明の第7の実施の形態を示す要部斜視図である。
【図8】本発明の第8の実施の形態を示す要部斜視図である。
【図9】本発明の第9の実施の形態を示す要部斜視図である。
【図10】本発明の第10の実施の形態を示す要部斜視図である。
【図11】本発明の第11の実施の形態を示す要部斜視図である。
【図12】本発明の第12の実施の形態を示す要部斜視図である。
【符号の説明】
1 水洗トイレ用薬剤供給具
2 容器体
3 底面部
4 左側面部
5 右側面部
6 前面部
7 後面部
8 仕切部
8a 上端部
9 第1室
10 第2室
11 底面孔
12 側面孔
13 水溶性薬剤
14 第1仕切部
15 第2仕切部
16 第1室
17 第3室
18 コーナー孔

Claims (15)

  1. 貯水タンク式水洗トイレの貯水タンク内に配置されて、少なくとも下端部を前記貯水タンク内に貯留する水に浸漬可能な容器体と、
    この容器体の底面部に立設されて、該容器体の下端内部に第1室と該第1室よりも大容積からなる第2室とを隔成する仕切部と、
    前記仕切部の上端よりも低い位置に設けられ前記第1室を外部と連通させる第1流入出部と、
    前記仕切部の上端よりも低い位置であって、前記第2室に収容された水溶性薬剤と、
    前記仕切部の上端よりも低い位置であって、前記水溶性薬剤よりも高い位置に設けられ、該第2室を外部と連通させる第2流入出部とを備え
    前記第1流入出部の総開口面積を、前記第2流入出部の総開口面積よりも大きく設定し、
    前記貯水タンク式水洗トイレの貯水時における前記貯水タンク内の水面レベルの上昇に伴って、前記各流入出部から前記各室に水を流入させて、前記第1室の水位が第2室の水位よりも高い水位差を生じさせ、該水位差が生じている間において、前記第1室から前記仕切部を越えた水を第2室に落下させるようにしたことを特徴とする水洗トイレ用薬剤供給具。
  2. 貯水タンク式水洗トイレの貯水タンク内に配置されて、少なくとも下端部を前記貯水タンク内に貯留する水に浸漬可能な容器体と、
    該容器体の底面部に立設され、容器体の下端内部に第1室と該第1室よりも大容積からなる第2室とを隔成する第1仕切部と、
    該第1仕切部の上端よりも低い位置であって、前記第2室に収容された水溶性薬剤と、
    前記容器体の底面部に立設され、容器体の下端部に前記第2室と該第2室よりも小容量からなる第3室とを隔成する前記第1仕切部よりも低くかつ前記水溶性薬剤よりも高い第2仕切部と、
    前記第1仕切部の上端よりも低い位置に設けられ前記第1室を外部と連通させる第1流入出部と、
    前記第2仕切部の上端よりも低い位置に設けられ前記第3室を外部と連通させる第2流入出部とを備え
    前記第1流入出部の総開口面積を、前記第2流入出部の総開口面積よりも大きく設定し、
    前記貯水タンク式水洗トイレの貯水時における前記貯水タンク内の水面レベルの上昇に伴って、前記各流入出部から前記各室に水を流入させて、前記第1室の水位が第2室の水位よりも高い水位差を生じさせ、該水位差が生じている間において、前記第1室から前記第1仕切部を越えた水を前記第2室に落下させるようにしたを特徴とする水洗トイレ用薬剤供給具。
  3. 前記容器体は、断面矩形であることを特徴とする請求項1又は2記載の水洗トイレ用薬剤供給具。
  4. 前記容器体は、長さ調整可能であることを特徴とする請求項1又は2記載の水洗トイレ用薬剤供給具。
  5. 前記容器体の上端部には、水溶性薬剤を投入するための投入口が設けられていることを特徴とする請求項1又は2記載の水洗トイレ用薬剤供給具。
  6. 前記投入口は、前記容器体を前記貯水タンクに装着したとき、該貯水タンクの縁部と略面一状をなすことを特徴とする請求項5記載の水洗トイレ用薬剤供給具。
  7. 前記各仕切部は、前記容器体と一体的に形成されたことを特徴とする請求項1又は2記載の水洗トイレ用薬剤供給具。
  8. 前記第1流入出部を、前記容器体の底面部に設けたことを特徴とする請求項1又は2記載の水洗トイレ用薬剤供給具。
  9. 前記第1流入出部を、前記容器体の周面部に設けたことを特徴とする請求項1又は2記載の水洗トイレ用薬剤供給具。
  10. 前記第1流入出部を、前記容器体の底面部と周面部とに亙って設けたことを特徴とする請求項1又は2記載の水洗トイレ用薬剤供給具。
  11. 前記第1流入出部は、複数の貫通孔よりなることを特徴とする請求項1又は2記載の水洗トイレ用薬剤供給具。
  12. 前記第2流入出部を、前記容器体の底面部に設けたことを特徴とする請求項2記載の水洗トイレ用薬剤供給具。
  13. 前記第2流入出部を、前記容器体の周面部に設けたことを特徴とする請求項1又は2記載の水洗トイレ用薬剤供給具。
  14. 前記第2流入出部を、前記容器体の底面部と周面部とに亙って設けたことを特徴とする請求項2記載の水洗トイレ用薬剤供給具。
  15. 前記第2流入出部は、複数の貫通孔よりなることを特徴とする請求項1又は2記載の水洗トイレ用薬剤供給具。
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