JP3832714B2 - 光スイッチ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は光スイッチに関し、特に光ファイバーの接続を切替える機械式光スイッチに係わる。
【0002】
【従来の技術】
光通信の発達に伴って、光ファイバー通信網は長い光路と複雑な分岐を持つようになった。このような環境では光通信装置や光伝送装置内において、回線間で光ファイバーの光路(伝送経路)を切替える用途が増大し、多くの光スイッチが用いられている。光スイッチを切替方式でみると、電気的あるいは光学的に光路の屈折率や位相を変化させて光の進行方向を切替える方式のものや、機械的に光路を移動させて光の進行方向を切替える方式のもの等が開発されている。精密な駆動を実現する低損失な光スイッチとしては、後者の機械式光スイッチが有望である。光スイッチを分岐の数でみると、1本の可動光ファイバーを2本の固定光ファイバーに対して切替える1×2型光スイッチや、多数の光ファイバーの端面を対向させた1×m型光スイッチあるいはn×m型光スイッチ等がある。また、切替の目的は、通常の回線切替の他に、断線した伝送経路を別の断線していない経路に切替える障害復旧用途や、建物内や地域内の光通信ネットワークの回線を切替える保守点検用途、あるいは測定装置における光路の変更等にも用いられている。
【0003】
従来の光スイッチは、例えば特開昭63−85522号公報に開示されている。この光スイッチは、光ファイバーを位置決め固定した2個のブロック(プラグ)をつき合わせて接続し、一方のブロック(固定部)を他方のブロック(可動部)に対して平行移動させて、固定光ファイバーと可動光ファイバー間で光路を切替える光スイッチである。精密な平行移動を実現すべく、ガイドピンとガイドピンを保持する穴と、ガイドピンを内部でスライドさせる穴を有する。この構成は光スイッチの切替機構を開口した容器の中に配置している。電磁力を利用したアクチュエーターでブロックを平行移動させる。なお、用途によっては、固定光ファイバーから可動光ファイバーに光信号を伝えたり、その逆向きに光信号を伝えたり、あるいは双方向で光信号を伝達したりする。そこで、光信号を光スイッチに入力してくる側を入力側光ファイバーと称し、光信号を光スイッチから出力する側を出力側光ファイバーと称する。どちらも含む場合には、光ファイバーという総称として用いる。
【0004】
光ファイバーに伝送させる光信号には、レーザー光を用いている。ある光ファイバーを入力側として光信号を送るとき、その光信号が反射して光路を戻る割合を反射損と称する。例えば、光信号の光源としてレーザーダイオード(LD)を用いる際に反射損が大きいと、レーザーダイオードの動作が不安定になって光信号の精度を劣化させる。反射損が小さいと、レーザーダイオードの動作は安定する。光信号の精度を保持するためには、反射損を抑制する必要がある。以下、レーザーダイオードをLDと記す。
【0005】
従来の技術では、光ファイバーの端面で起こる反射について対策が検討されている。光ファイバーの端面同士を対向させて光路を接続するときに、コアと屈折率の異なる空気が光ファイバー間に存在すると、光ファイバーから出る光の一部はコアと空気の境界(端面)で反射されて元の光路に戻ってしまう。この反射損を抑える方法として、光ファイバーの端面を傾斜させる構成や屈折率整合剤を用いる構成が考えられている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
光スイッチの開発を進めるにあたって、光ファイバー端面以外の箇所で反射損が生じることがわかってきた。例えば、光路切替のために入力側光ファイバーを動かしている間、入力側光ファイバーは出力側光ファイバーを支持するブロックと向き合う。この際、ブロックの対向面でレーザー光が反射されて入力側光ファイバーに戻って反射損が大きくなる。LDに戻ってくる反射光の割合が高いと、LD自体が劣化することもある。反射損を抑制してLDの劣化を回避するためには、ブロックでの反射を抑制する必要がある。そこで、本発明の目的は、従来の問題点を解決して反射損を抑制した光スイッチを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の光スイッチは、少なくとも1本の可動光ファイバーを支持する可動ブロックと、複数の固定光ファイバーを同一面に支持する固定ブロックを有し、少なくとも1本の可動光ファイバーと固定光ファイバーは対向しており、光路切替え信号でファイバー駆動回路を駆動し、電磁力で可動ブロックを固定ブロックに対し平行移動させて、少なくとも1本の可動光ファイバーと他の固定光ファイバーを対向させて光路を切替える光スイッチであって、光を受ける側の光ファイバーを支持するブロックは斜面を有し、前記斜面は光ファイバーの長さ方向に垂直な面に対して角度θで傾斜しており、前記光ファイバーはコア径dであり、光が出る側の光ファイバーの端面と可動ブロックが平行移動中に光ファイバーから出た光が固定ブロックに当たる位置との間の距離Lに対して、tan(2θ)>d/Lの関係にあることを特徴とする。ここで、光ファイバーとは、固定光ファイバーと可動光ファイバーを含む総称として用いた。固定光ファイバーと可動光ファイバーのいずれかを入力側光ファイバー(光が出る側)とするかは適宜選択可能である。ただし、入力側光ファイバーと対向するブロック、すなわち、光を受ける側のブロックには反射損を抑制するための斜面を設ける。斜面を設けることによって、斜面がない従来構成に比べて、反射損を低減できる。
【0008】
本発明において、前記斜面は、面粗さRaが0.5μm以下であることを特徴とする。特にRaを0.2μm以下とすると光の乱反射を抑制する上で好ましい。さらに前記斜面は面粗さRaが0.05μm以下の鏡面であることが望ましい。また、前記斜面の面粗さを規定する表現としてRmaxを用い、Rmaxが3μm以下の斜面としてもよい。Rmaxは高さの最大値と最小値を含むので同じ斜面を測定してもRaに比べてRmaxの方が大きい数値になり易い。RaやRmaxの定義はJISのB0601を参照する。斜面の面粗さが粗いと、乱反射された光の一部が元の入力側光ファイバーに戻ってしまう。本願の構成では、斜面の面粗さを規定して光の乱反射を抑制することで、反射損を十分に低減できる。
【0009】
本発明において、前記ブロックはV溝を形成する上面とV溝に収める光ファイバーを有し、前記斜面は、前記ブロックの上面方向に形成されており、下面方向は光ファイバーの長さ方向に垂直な面であることを特徴とする。前記斜面が上面から光ファイバー底部までの大きさ以上であれば、斜面が小さくて光線が外れるということはない。光ファイバーの底部とは、V溝内に設けた光ファイバーにおいて、V溝の底にもっとも近接する箇所を指す。可動部と固定部の互いに向き合う部分に平行な対向面を設けると、光スイッチを組み立てる際に両者を正確に位置合せすることができる。斜面の長さ=ブロック厚さであると、すなわち、対向面がなく斜面のみであると、ブロック同士を高精度に位置合せすることが難しい。
【0010】
上記構成を詳細に説明する。ブロックとは、光ファイバーを支持する部材のことを言い、単に形状のみを指す用語ではない。2個のブロックの少なくとも一方は、光を受ける側のブロックに相当する。ブロック同士は対向しており、光を受ける側のブロックは他方のブロックと対向する側に斜面と対向面を有する。この斜面は入力側光ファイバーから受けたレーザー光を入力側光ファイバーのコアとは違う向きに反射させるものである。従って、斜面はV溝を含むように設けるか、V溝の近傍に設けることが望ましい。コアは光ファイバー中において光が伝播する領域をいう。コア径dは光ファイバーを長手方向に垂直な断面でみたときのコアの直径である。距離Lは、コアから出た光が対向するブロックに当たるまでの光路の長さに相当する。
【0011】
この光スイッチは、固定光ファイバーと可動光ファイバーの端面を対向させることにより光路を接続させる光スイッチであって、固定部に対して可動部を移動させて、可動光ファイバーと接続する固定光ファイバーを選択することで光路の切替を行う光スイッチであって、対向する光ファイバーの端面同士は所定の間隔をおいてギャップを構成する。ギャップには空気あるいは屈折率整合剤が満たされる。前記斜面の面粗さを上述のように定義して鏡面にすることで、入力側光ファイバーから出た光が、対向するブロックの斜面で反射されても元の入力側光ファイバーに戻らず、光スイッチ内の他の部分にて繰り返し反射されて減衰し、反射損に寄与しなくなる。光ファイバー間のギャップあるいはブロック間の間隔がないと反射光を逃がすことが難しくなり、反射損を抑制し難い。極まれに短時間であるが、前述した光スイッチにおいて入出力を逆にして使うことがある。このような場合のためにブロックの双方に斜面をつけることもできる。
【0012】
上記本発明の光スイッチにおいて前記ブロックは可動ファイバーもしくは固定ファイバーを設けるV溝を有し、前記V溝を覆う蓋を有し、前記蓋は前記斜面で反射された波長2μm以下の光が80%以上透過する材料で構成されることを特徴とする。基板の材料としては、波長2μm以下の光が80%以上透過するガラスを用いることが好ましい。斜面で反射した光が更に蓋で反射して(2次反射)、元の入力側光ファイバーに戻ることを防ぐ必要がある。蓋の材料を規定して斜面からの2次反射光をほとんど透過させることにより、2次反射光による反射損を抑制できる。
【0013】
上記本発明の光スイッチにおいて、前記ブロックは可動光ファイバーもしくは固定光ファイバーを設けるV溝を有し、前記V溝を覆う蓋を有し、前記蓋の端は前記斜面よりも対向するブロックから離れていることを特徴とする。この構成は、上述の2次反射光の発生を回避するために、反射光の光路となりうる領域に蓋を設けないことを目的とする。蓋における2次反射を防止できる。
【0014】
上記本発明の光スイッチにおいて、前記ブロックを支持する基板を備え、前記基板は前記斜面で反射された波長2μm以下の光が80%以上透過する材料で構成されることが好ましい。この構成は、上述の蓋以外で2次反射が発生し易い部材として基板に着目し、その構成材料を規定することにより2次反射を抑制するものである。
以 上
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、図面を用いて本発明の実施形態を説明する。図1は、本発明の実施形態である2×4光スイッチにおいて、可動部と固定部の関係を説明する斜視図である。2本の光ファイバー(入力側)を有する可動部1を、4本の光ファイバー(出力側)を有する固定部11に対して平行移動させて光路を切替える構成であり、固定部に反射損を抑制する斜面14を有する。次に各々の構成を説明する。可動部1は矩形に加工したセラミックス基板であって、その一つの面を固定部と向き合う対向面5とした。さらに、可動光ファイバーを接着するためのV溝3a、3bと、位置決めピンのための溝1m、1nをセラミックス基板の上面1fに切削加工で形成した。位置決めピンの図示は省略した。説明し易くするために可動部1から蓋6を外した状態で図示したが、実際にはV溝3a、3bを覆うように蓋6を上面1fに接着で固定した。次に、固定部11は、4本のV溝と位置決めピンを固定する溝を上面11fに形成した。なお、4本のV溝と位置決めピンを固定する溝はブロックの陰になるので図示を省略した。4本の固定光ファイバー12a、12b、12c及び12dを可動部と同様の4本のV溝内に入れて、蓋16を上面11fに固定した。固定部の対向面15には斜面14を設けた。この斜面の長さd1は、V溝の深さd2よりわずかに大きくした。なお、d1とd2は、ブロック厚さd3の向きと平行な成分(図中矢印Zの向き)に換算した。V溝の深さd2は可動部と固定部で同じにした。
【0016】
さらに、固定部11において、斜面14は対向面15に対して角度θ=1.5°で傾斜し、面粗さRa=0.1μmの鏡面とした。光ファイバーの径(外径)125μmとし、この光ファイバーが収まるようにV溝は面と面の為す角度60°で溝の深さd2=188μmとした。V溝を設けたセラミックスブロックの対向面15について、V溝近傍を斜めに研磨することにより斜面14を形成した。斜面の向きは、図1中に例示したXYZ座標のYZ平面に対して角度θ傾けるようにした。対向面15はX方向に垂直な面である。各々の光ファイバーのコア径d=9.5μm、対向する光ファイバー間の距離(ギャップ)=20μm、V溝から飛び出している部分の各々の光ファイバー長さ=170μmとしたため、光を出す側の光ファイバーから光を受ける側のブロックまでの距離Lは190μmとなった。なお、位置決めピンに係る溝、斜面の有無、あるいはV溝の数以外の要件は可動部と固定部で同様にした。部材間の固定には接着剤を用いた。同図中、例示した座標の矢印Xの向きは光ファイバーの長手方向(光軸の向き)に相当する。次に、可動光ファイバーの端面から固定光ファイバーに送られる光線は点線の矢印で表した。可動光ファイバー1a、1bの端面から出た光線は、対向する固定光ファイバー12a、12cに入射した。これらの可動光ファイバー1a、1bを固定光ファイバー12b、12cに切替えると、切り換えが完了するまで可動光ファイバーから斜面14にレーザー光があたったが、元の光路を戻らないように斜面14で反射されたため、反射損が生じなかった。
【0017】
図2は、図1の構成の一部を拡大した概略図である。同図(2a)は、可動光ファイバー1aが固定光ファイバー12aから12bに切り替わる途中で、角度θで傾斜している斜面14と対向する様子を示す。Y軸は図2の紙面に垂直な向きである。斜面14で反射された反射光は、入射光に対して角度2θで反射されるため、コア1a′に直接戻ることがなく、反射損を抑制することができた。このとき、角度はtan(2θ)>d/Lの関係式を満たすようにした。特に、本願の構成では、ブロックの対向面から光ファイバーの先端を突出させたために距離Lが長くなり、角度θが小さい値でも効果的に反射損を抑制できた。斜面14の長さk2(矢印Zの向きの長さ成分)は、上面から可動光ファイバーの底部までの長さk1より大きくした。光ファイバーの底部とは、V溝内に設けた光ファイバーにおいて、V溝の底にもっとも近接する箇所を指す。比較の為、対向面15に傾斜面14を設けない構成を同図(2b)に示す。可動光ファイバー1aの端面が傾斜していない対向面15に平行になったとき、反射光がコア1a′に戻って反射損の原因となる様子を示す。なお、図1の実施形態は固定部11に斜面14と対向面15を設けたが、他の実施形態として、対向面15を研磨で削って斜面14のみとした構成を用いることもできる。但し、可動部1と固定部11の双方に部分的にでも平行な対向面を設けると、光スイッチを組み立てる際にブロック相互の配置を正確に位置合せすることができた。従って、後述するgやLの精度を高める上でも、本願の光スイッチのブロックは対向面を備える構成とすることが好ましい。
【0018】
なお、斜面の面粗さが粗いと、斜面で乱反射した光が固定光ファイバーに戻るため、反射損が増加するおそれがある。傾斜角や面粗さを変えた複数のサンプルを用意して比較した。表1に示す結果のように、斜面を傾斜させるとともに、斜面を鏡面に近づけた構成において最も反射損を抑制することができた。反射損は次の式で表す。
反射損(dB)=−10*log10(A/B)
A:反射光を測定装置で測定した出力(w)
B:入力光を測定装置で測定した出力(w)
測定装置にはリフレクトメーターを用いた。A及びBはリフレクトメーターのワット換算出力で測定した値とした。Aが小さいほど、すなわちデシベル表示が大きいほど、反射が抑制されている。反射損が40dBより小さいとき不合格(×)とし、40dB以上のときを合格(○)とした。従来例は反射損が抑制されなかった。比較例は、入射側光ファイバーから出た光が反射して戻ってくることがあり、反射損の抑制が十分でない。これに対して、実施例の構成は反射損の抑制を行うことができた。光信号の精度をより高くする必要がある場合には、傾斜角を大きくして斜面をRa≦0.20μm以下にすることにより、入力側光ファイバーから出力側光ファイバーに光が伝達する場合と同等の反射損にすることができた(表1中の◎)。このとき、反射損50dB以上となった。製造方法や測定方法は次の通りとした。斜面は、ブロックを角度θで傾斜させて治具に固定し、研磨することで形成した。斜面の面粗さの測定は、ブロックを治具に固定した状態で、研磨面を触針式の面粗さ測定機で測定した。
【0019】
【表1】
Figure 0003832714
【0020】
図3は、本発明の他の実施形態について、光スイッチの要部を拡大した概略図である。同図(3a)は可動部と固定部の双方について対向面の一部に斜面を設けた様子を示す側面図である。可動部1はV溝に可動光ファイバー1bを設けて接着剤と蓋6で固定したものであり、固定部11はV溝に固定光ファイバー12bを設けて接着剤と蓋16で固定したものである。双方のV溝近傍に斜面4、14を有する点で図1と異なる。斜面4、14の面粗さはRa=0.10μmとし、蓋6、16には光透過率90%の透明なガラスを用いた。固定光ファイバー12dと可動光ファイバー1bを接続するとき、端面同士を間隔(ギャップ)g=10μmとし、固定光ファイバー12bの端面と可動ブロックの対向面5間の距離はL=180μmとした。固定光ファイバー12bが可動部の斜面と対向するとき、固定光ファイバーの端面と可動部の対向面5を距離L=160μm離した。この構成を矢印Zの向きから見た平面図を同図(3b)と(3c)に示す。同図(3b)では、可動光ファイバー1a、1bから固定光ファイバー12a、12cに光信号を伝達するように接続され、固定光ファイバー12b、12dは固定部1に設けられた斜面と向きあわせるように配置された。この構成により、各々の光ファイバーにおける反射損を抑制することができた。蓋6、16を透明なガラスで構成したので2次反射による反射損が生じるおそれもない。つぎに、光スイッチを切替えると(3c)のような過渡状態を経た後に、可動光ファイバー1a、1bが固定光ファイバー12b、12dに接続された。(3c)の状態において、全ての固定光ファイバーは可動部の斜面と対向し、全ての可動光ファイバーは固定部の斜面と対向した。この際、可動部と固定部の双方について、V溝近傍に斜面を設けていないと、いずれかの光ファイバーにおいて反射損を生じることになる。極まれに、固定光ファイバーから可動光ファイバーに短時間の間だけレーザー光を送る用途がある。可動ブロックと固定ブロックの双方に斜面を有する図3の構成は、そのような用途においても反射損を抑制する構成として用いることができる。
【0021】
図4は、本発明の他の実施形態について、光スイッチの要部を拡大した側面の概略図である。この構成は、固定部29の固定光ファイバーから可動部26の光ファイバーに光信号を伝達するような場合、光路を切替える際に固定光ファイバーが可動部と対向する状態を説明する。可動部26と固定部29を支持する基板27が、固定光ファイバー28と近い場合に、2次反射光による反射損を低減するものである。固定部27に設けた固定光ファイバー28から出た入射光は、可動部に設けた斜面24で反射されて反射光となる。もしも、反射光に対して透過率の低いセラミックス基板を用いると、反射光の大部分が基板表面で反射されて2次反射光となる。前記斜面の傾斜角や可動部と基板との距離によっては、2次反射光が元の固定光ファイバー28に戻って反射損を増加させる可能性がある。そこで、本実施形態は、屈折率1.55で可視光から波長1.5μmの光透過率90%である透明なガラスで基板を構成し、反射光が主として基板を通過するようにして2次反射光を抑制した。なお、可動部26に設けた蓋22の端は、可動部の対向面25に対して距離tだけ離して配置した。矢印Xの向きにおいて、固定光ファイバー28から距離(L+t)離して配置したとも言える。このように蓋を対向面から離すと、斜面で反射した光が蓋によって2次反射されるおそれがなくなる。距離tは矢印Xの向きにおける斜面の深さより大きくした。なお、可動光ファイバーから固定光ファイバーにレーザー光を送る用途に用いる場合についても、図4の構成は同様に反射損の抑制に寄与する。
【0022】
図5は、1実施形態に係る光スイッチの外観を説明する斜視図である。図6は、図5の光スイッチの分解斜視図である。図5において、光スイッチは一対のファイバー駆動用電極36と光スイッチ切替手段等を有するセラミックスの筺体33と、一対の補助電極37が設けられたセラミックス製の蓋35を設ける構成とした。筐体33に設けられた切り欠き部から入力の可動光ファイバー31と出力の固定光ファイバー32が突出するように固定される。筐体33と蓋35はエポキシ系の接着材34で接合した。筐体33に設けられた切り欠き部も接着材34で塞ぎ、密封した。筐体33と蓋35の密封された空間には屈折率整合剤を満たした。
【0023】
図6に、光スイッチ内部の構成を説明し易くする為に、蓋35をはずした様子を示している。点線に沿って蓋35と筺体33を接着材で接合させた状態が、前述した図5に相当する。この光スイッチは、ファイバー駆動用電極36に流す電流の向きを変えることにより、光ファイバー切替手段を駆動し、入力の可動光ファイバー31と対向する出力の固定光ファイバー32の組合せを変更して、入力の可動光ファイバー31から入射させたレーザー光を出力の固定光ファイバー32に導く光路を切替えるものである。
【0024】
蓋35の一方の側面に設けられた凹み35bは、筺体33に設けられた一対のファイバー駆動用電極36に対応する。凹み35bは、蓋35と筐体33を接合した状態でも、蓋35がファイバー駆動用電極36を圧迫しないようにするために設けた。蓋35の他端には、一対の補助電極37が蓋35に打ち込まれている。補助電極37は、光スイッチ内に他の電気回路を組んだときに電流を供給する手段として使うためのものである。
【0025】
図6の光スイッチの光ファイバー切替手段について詳細に説明する。筺体33の内部に設けた光ファイバー切替手段は、入力側固定ブロック41と可動ブロック42と出力側固定ブロック43と、可動ブロック42をY−Y′方向に動かすファイバー駆動回路47と、光信号を入力する可動光ファイバー31と、光信号を出力する固定光ファイバー32を備える。2本の入力の可動光ファイバー31は途中で入力側固定ブロック41に固定され、その先端を可動ブロック42に設けた。4本の出力側光ファイバー32は、その先端を出力側固定ブロック43に設けた。可動ブロック42と出力側固定ブロック43は、各々に設けられた光ファイバー31、32の端面と共に対向させた。対向する光ファイバー間では光信号(レーザー光)の伝達が可能となる。ファイバー駆動回路47は、略コ字状型のヨーク44にコイル45を巻き、略コ字状型のヨーク44の間に出力側固定ブロック43と永久磁石46を配置した構成とした。ヨーク44の両方の腕において各々に巻いたコイル45に流す電流の向きを変えることによって、ヨーク44の先端の間で可動ブロック42をYもしくはY′方向に平行移動させて、入力側光ファイバー31と出力側光ファイバー32の対向する接続の組合せを変更することができた。可動ブロック42を平行移動させる際のストッパーとして、可動ブロック42には突出させた2本の非磁性超硬ピンを設けた。出力側固定ブロック43には前記非磁性超硬ピンを挿入させる為に2カ所の幅広の孔を設けた。この幅広の孔の内部で非磁性超硬ピンが平行移動することで、可動ブロックが平行移動した際に、磁気ヨークの一方の先端との間に隙間を残した状態で近接させることができた。なお、説明を分かり易くするため、図6では、前述非磁性超硬ピンおよび光ファイバー31、32を覆う被覆の図示は省略した。
【0026】
【発明の効果】
本発明の光スイッチは、固定光ファイバーと可動光ファイバーの各々を支持するブロックを有し、
前記ブロックのうち、光を受ける側のブロックは斜面を有し、前記斜面は光ファイバーの長さ方向に垂直な面に対して角度θで傾斜しており、前記光ファイバーはコア径dであり、光ファイバーと対向するブロック間の距離Lに対して、tan(2θ)>d/Lの関係にある構成とすることにより、接続していない光ファイバーにおける反射損を抑制し、LDを安定した状態に保持することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係る光スイッチの要部を説明する斜視図である。
【図2】図1の構成の一部を拡大した概略図である。
【図3】本発明の他の実施形態に係る光スイッチの要部を拡大した概略図である。
【図4】本発明の他の実施形態について、光スイッチの要部を拡大した側面の概略図である。
【図5】本発明の光スイッチの外観を説明する斜視図である。
【図6】図5の光スイッチの分解斜視図である。
【符号の説明】
1 可動部、1a′ コア、1f 上面、1a 1b 可動光ファイバー、
1m 1n 位置決めピン用溝、3a 3b V溝、4 14 斜面、
5 15 対向面、6 16 蓋、11 固定部、11f 上面、
12a 12b 12c 12d 固定光ファイバー、22 蓋、24 斜面、
26 可動部、27 基板、28 固定光ファイバー、29 固定部、
31 可動光ファイバー、32 固定光ファイバー、33 筐体、
34 接着剤、35 蓋、35b 凹み、36 ファイバー駆動用電極、
37 補助電極、41 入力側固定ブロック、42 可動ブロック、
43 出力側固定ブロック、44 ヨーク、45 コイル、46 永久磁石、
47 ファイバー駆動回路

Claims (5)

  1. 少なくとも1本の可動光ファイバーを支持する可動ブロックと、複数の固定光ファイバーを同一面に支持する固定ブロックを有し、少なくとも1本の可動光ファイバーと固定光ファイバーは対向しており、光路切替え信号でファイバー駆動回路を駆動し、電磁力で可動ブロックを固定ブロックに対し平行移動させて、少なくとも1本の可動光ファイバーと他の固定光ファイバーを対向させて光路を切替える光スイッチであって、光を受ける側の光ファイバーを支持するブロックは斜面を有し、前記斜面は光ファイバーの長さ方向に垂直な面に対して角度θで傾斜しており、前記光ファイバーはコア径dであり、光が出る側の光ファイバーの端面と可動ブロックが平行移動中に光ファイバーから出た光が固定ブロックに当たる位置との間の距離Lに対して、
    tan(2θ)>d/L
    の関係にあることを特徴とする光スイッチ。
  2. 前記斜面は面粗さRaが0.5μm以下であることを特徴とする請求項1に記載の光スイッチ。
  3. 前記ブロックはV溝を形成する上面とV溝に収める光ファイバーを有し、前記斜面は、前記ブロックの上面方向に形成されており、下面方向は光ファイバーの長さ方向に垂直な面であることを特徴とする光スイッチ。
  4. 前記ブロックは可動光ファイバーもしくは固定光ファイバーを設けるV溝を有し、前記V溝を覆う蓋を有し、前記蓋は前記斜面で反射された波長2μm以下の光が80%以上透過する材料で構成されることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の光スイッチ。
  5. 前記ブロックは可動光ファイバーもしくは固定光ファイバーを設けるV溝を有し、前記V溝を覆う蓋を有し、前記蓋の端は前記斜面よりも対向するブロックから離れていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の光スイッチ。
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