JP3832679B2 - 頭部保護具 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、頭部を覆う頭部保護具に関し、特に外部の電磁波から生体への悪影響を仰止する頭部保護具に関する。
【0002】
【従来の技術】
各種の電気機器やOA機器の普及が進んでいる。また、各家庭内においてもテレビ、電子レンジ及び携帯電話機等の機器が存在し、これらの機器の使用時には、電磁波が放射されている。
【0003】
これら機器から放射された電磁波が生体に及ぼす作用として、▲1▼直接あるいは誘導電流によるジュール熱の発生、▲2▼神経・筋等の刺激による電撃感覚、筋の収縮等、▲3▼電磁界による直接力、分子構造の共振等があり人体へ及ぼす影響について研究がなされている。
【0004】
これら、健康障害を防止するものとして、テレビやOA機器のディスプレイに装着するシールドスクリーンや、電磁波防止用エプロン等が市販されている。シールドスクリーンは、テレビ等の画面専用であり、電磁波防止用エプロンは身体に対して装着するものである。
【0005】
また、最近、携帯電話機の急速な普及にともない、電磁波の、人体の頭部に及ぼす影響が懸念されている。携帯電話機を使用する場合は、アンテナを含む本体を頭部に近づけて使用するのが一般的である。
【0006】
携帯電話機(波源)を頭部に近接させるという事は、目や頭部に至近距離で電磁波を受け続けることであり、熱効果を中心に近接部位への生体効果の点で問題である。
【0007】
これらの問題を解決するために、人間の頭部を覆う略半球状の頭部保護具等が提案されている。
【0008】
従来の頭部保護具の一例として、導電材あるいは導電体層が形成されている部材が使用されているため、電位が不安定であり、かつ携帯電話機のアンテナパターンに大きく影響し、指向性や受信感度の劣化するという欠点があった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明は、携帯電話機等に代表される移動体通信機を使用する際、機器の電気的特性を劣化させることなく、健康障害を防止する頭部保護具を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は、頭部保護具の少なくとも一部が表面に酸化皮膜を有する扁平状及び/または針状である金属軟磁性体粉末と有機結合剤からなる複合磁性体によって成形されていることを特徴とする頭部保護具である。
【0011】
本発明は、頭部保護具の少なくとも一部が上記複合磁性体と導電体との多層構造を有していることを特徴とする頭部保護具である。
【0013】
本発明の構成によれば、磁性体の磁気損失、即ち虚数部透磁率μ'を利用した仰止方法が有効であり、携帯電話機等に代表される移動体通信機のアンテナを含む本体と人体の頭部との間に磁気損失の大きい磁性体を配置することで至近距離から放射される電磁波を仰止することができる。
【0014】
また、酸化被膜を有する軟磁性体粉末と有機結合材からなる複合磁性体で形成しているため、携帯電話機からの電磁波を吸収すると同時に、複合磁性体の表面抵抗が高インビーダンスのため、従来の導電材料のみからなる頭部保護具に見られるような機器のアンテナパターン等の電気的特性の劣化は見られない。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0016】
本発明の第1の実施の形態を図1に示す。
【0017】
図1に示すように、本体3及び鍔4からなる既存の帽子2に本発明の複合磁性体で構成される頭部保護具1を装着するものである。
【0018】
図2及び図3は、本発明の第2及び第3の実施の形態を示したもので、図2は、本体3及び鍔4からなる帽子2全体を複合磁性体で構成したものであり、図3は本体3の全周に鍔4のある帽子2全体を複合磁性体で構成した頭部保護具1である。
【0019】
図4(a)に、複合磁性体Aの構成断面図を示す。複合磁性体Aは、カップリング処理を施した軟磁性体粉末11と有機結合剤12をニーダーで混練・分散することで得られる。
【0020】
図4(b)に、複合磁性体Bの構成断面図を示す。複合磁性Bは、前記複合磁性体Aを2枚準備し、この間に導電材13を挟み込みロール圧延して、成形することで得られる。
【0021】
頭部保護具の構成をなす複合磁性体は、上記複合磁性体A及び複合磁性体Bで各々構成するか、それらの組み合わせにより構成することができる。
【0022】
頭部保護具1は、上記複合磁性体A又はBを用い、帽子2の本体3の形状に合わせて略半球状に成形して得るか、あるいは繊維状にした複合磁性体を編んだり、あるいは織布を裁断し、縫製することで得られる。
【0023】
有機結合剤12としては、伸縮性の良好なエラストマーを使用することが好ましい。また、軟磁性体粉末11は、実質的に扁平状の粉末であることが好ましい。
【0024】
有機結合材12としては、ポリエステル系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリウレタン樹脂、セルロース系樹脂、ニトリル−ブタジエン系ゴム、スチレン−ブタジエン系ゴム等の熱可塑性樹脂あるいはそれらの重合体等を挙げることができる。
【0025】
軟磁性体粉末11としては、高周波透磁率の大きな鉄−アルミ珪素合金(センダスト)、鉄−ニッケル合金(パーマロイ)あるいは、アモルファス合金等の金属軟磁性材料を原料素材として用いることができる。
【0026】
また、個々の磁性粉末同士の電気的隔離、即ち複合磁性体の非良導性を磁性粉の高充填状態においても確保出来る様、軟磁性体粉末は、その表面に誘電体層が形成されている必要がある。この誘電体層は、金属磁性粉末の表面を酸化させることにより得られる構成元素と酸素とからなる金属酸化物質である。
【0027】
金属粉末の表面を酸化させる手段の一例として、特に粉末の大きさが比較的小さく、活性度の高いものについては、炭化水素系有機溶媒中あるいは、不活性ガス雰囲気中にて酸素分圧の制御された窒素−酸素混合ガスを導入する液相中徐酸法あるいは、気相中徐酸法により酸化処理する事が制御の容易性、安定性及び安全性の点で好ましい。
尚、軟磁性体粉末11のアスペクト比は十分大きい。(例えば、おおよそ5:1以上)ことが望ましい。
【0028】
【実施例】
以下、本発明の実施例について説明する。
【0029】
本発明の実施例に用いた軟磁性体粉末と有機結合剤を下記の表1に示す。
【0030】
(表1)
【0031】
軟磁性体粉末は、酸素濃度20vol%の窒素−酸素混合ガス雰囲気中で気相酸化し、表面に酸化被膜が形成されていることを確認している。軟磁性体粉末と有機結合剤とを加熱、混練、加工成形した成形体(複合磁性体)を得る。この複合磁性体の表面抵抗を測定したところ、1×107Ωであった。
【0032】
(実施例1)
前記複合磁性体で平均肉厚が0.5mmの頭部保護具を形成した。
【0033】
(実施例2)
前記複合磁性体を2層として中間に10μmの銅メッキを施し、3層の積層構造とし、トータルの平均肉厚が0.5mmの頭部保護具を形成した。
【0034】
評価は、実施例のチューブの平均肉厚と同じ厚さ0.5mmの評価試料20を用いて、それぞれの透過減衰レベル及び結合レベルの測定を行った。
【0035】
測定装置は、図5(a)及び図5(b)に示すように、電磁界波源用発信器21と電磁界強度測定器22とそれぞれループ径が2mm以下の電磁界送信用マイクロループアンテナ23と電磁界受信用マイクロループアンテナ24との間に試料20を配置させた。
【0036】
結合レベルの測定では、図5(b)の様に、試料の一面に電磁界送受信用マイクロループアンテナ23,24とを対向させた。電磁界強度測定器22にはスペクトラムアナライザ(図示せず)を用い、試料が存在しない状態での電磁界強度を基準として測定を行った。
【0037】
前述の方法で測定した透過減衰レベルを図6(a)に、結合レベルを図6(b)に示す。実施例1が▲1▼、実施例2が▲2▼、比較例として銅板(35μm厚)を▲3▼で示している。
【0038】
これによると、実施例1では、透過減衰レベル、結合レベルは共に減衰している。また、実施例2では、透過減衰レベルがいっそう減少し、遮蔽・吸収効果が高まっていることが分かる。結合レベルは、実施例1ほどではないが、これも減少している。これに対して比較例では、透過減衰レベルは非常に減少しているが、結合レベルが高くなっているのが分かる。
【0039】
【発明の効果】
以上説明したごとく、本発明による複合磁性体で構成される頭部保護具は、導体板にみられる反射による2次放射ノイズで、機器の電気的特性を劣化させることなく頭部の至近距離から放射される電磁波を吸収し、電磁波から頭や目を保護することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態の頭部保護具の説明図。
【図2】本発明の第2の実施の形態の頭部保護具の説明図。
【図3】本発明の第3の実施の形態の頭部保護具の説明図。
【図4】本発明の頭部保護具を構成する複合磁性体を説明する断面図。図4(a)は、複合磁性体Aの構成断面図。図4(b)は、複合磁性体Bの構成断面図。
【図5】本発明の抑制効果を評価するために使用される測定装置を示す概略斜視図。図5(a)は、透過減衰レベルを測定する場合の評価系を示す図。図5(b)は、結合レベルを測定する場合の評価系を示す図。
【図6】本発明の実施例による頭部保護具における評価結果を示す図。図6(a)は透過減衰レベルを示す図、図6(b)は結合レベルを示す図。
【符号の説明】
1 頭部保護具
2 帽子
3 本体
4 鍔
11 軟磁性体粉末
12 有機結合剤
13 導電材
20 試料(複合磁性体)
21 電磁界波源用発振器
22 電磁界強度測定器(スペクトラムアナライザ)
23 電磁界送信用マイクロループアンテナ
24 電磁界受信用マイクロループアンテナ
A,B 複合磁性体
Claims (2)
- 頭部を覆う頭部保護具において、前記頭部保護具の本体の少なくとも一部が表面に酸化皮膜を有する扁平状及び/または針状である金属軟磁性体粉末と有機結合材からなる複合磁性体によって成されていることを特徴とする頭部保護具。
- 前記頭部保護具の本体の少なくとも一部が前記複合磁性体と導電体との多層構造を有していることを特徴とする請求項1記載の頭部保護具。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP27414796A JP3832679B2 (ja) | 1996-09-24 | 1996-09-24 | 頭部保護具 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP27414796A JP3832679B2 (ja) | 1996-09-24 | 1996-09-24 | 頭部保護具 |
Publications (2)
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JPH1096114A JPH1096114A (ja) | 1998-04-14 |
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ID=17537686
Family Applications (1)
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---|---|---|---|
JP27414796A Expired - Fee Related JP3832679B2 (ja) | 1996-09-24 | 1996-09-24 | 頭部保護具 |
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-
1996
- 1996-09-24 JP JP27414796A patent/JP3832679B2/ja not_active Expired - Fee Related
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---|---|
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