JP2002094281A - シールド構造 - Google Patents

シールド構造

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JP2002094281A
JP2002094281A JP2000275081A JP2000275081A JP2002094281A JP 2002094281 A JP2002094281 A JP 2002094281A JP 2000275081 A JP2000275081 A JP 2000275081A JP 2000275081 A JP2000275081 A JP 2000275081A JP 2002094281 A JP2002094281 A JP 2002094281A
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shield
shield structure
structure according
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JP2000275081A
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Masaharu Hatakeyama
雅春 畠山
Asaharu Nakagawa
朝晴 中川
Masaaki Sasada
雅昭 笹田
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Kitagawa Industries Co Ltd
Original Assignee
Kitagawa Industries Co Ltd
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  • Shielding Devices Or Components To Electric Or Magnetic Fields (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 遮蔽体を貫通するケーブルを介した電磁波の
漏洩又は侵入を広い周波数範囲に渡って阻止することが
可能なシールド構造を提供する。 【解決手段】 円筒形のフェライトリング10を、ケー
ブルCに外嵌して筐体Kの外壁に当接する位置に配置
し、損失層12により、ケーブルCを、筐体Kの外壁か
ら少なくともフェライトリング10の厚さより長い範囲
に渡ってフェライトリング10を含めて被覆し、その一
端を、筐体Kに接地する。なお、損失層12は、所定の
面抵抗(1〜300Ω/□)を有する抵抗体により形成
する。300MHz以下の電磁波に対しては、フェライ
トリング10,損失層12のいずれもが有効に作用しノ
イズ除去効果を格段に向上させ、フェライトリング10
が有効に作用しない300MHz以上でも、損失層12
が、ケーブルCを介した電磁波の漏洩又は侵入を阻止す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、遮蔽体を貫通する
ケーブルを介した電磁波の漏洩又は侵入を阻止するシー
ルド構造に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、電子機器においては、電子回
路の動作により発生する電磁波が筐体外部に漏洩して他
の機器を誤動作させたり、逆に外部で発生した電磁波が
筐体内部に侵入して当該電子機器を誤動作させる等の電
磁波障害を防止するために、筐体を導電性材料で作製す
る等して、シールド効果を付与することが行われてい
る。
【0003】このようなシールド効果を持つ筐体であっ
ても、電子機器への電源供給を行うための電源ケーブ
ル、機器の外部装置との間の通信制御ケーブル等、筐体
を貫通するケーブルを介した電磁波の漏洩や侵入を阻止
することができない。これに対して、筐体を貫通するケ
ーブルにリング状のフェライトリングを取り付けること
が行われている。即ち、ケーブルを流れるノイズなどの
高周波電流に基づく高周波磁界を、フェライトリング上
で発生するヒステリシス損失により抑制し、ひいてはケ
ーブルからの電磁波の放射を抑制しているのである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、フェライトリ
ングは、せいぜい300MHz以下でしか有効に作用し
ないため、近年の高速なマイクロプロセッサに対応した
高速なデジタル信号に基づく高周波ノイズ(電磁波)
や、無線分野での利用が広がりつつあるマイクロ波帯の
電波等に十分に対応できないという問題があった。
【0005】本発明は、上記問題点を解決するために、
遮蔽体を貫通するケーブルを介した電磁波の漏洩又は侵
入を広い周波数範囲に渡って阻止することが可能なシー
ルド構造を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
になされた請求項1に記載の発明は、遮蔽体を貫通する
ケーブルを介した電磁波の漏洩又は侵入を阻止するシー
ルド構造であって、前記ケーブルに外嵌され、前記遮蔽
体に近接配置される環状の磁性体と、抵抗体からなり、
一端が前記遮蔽体に接地され、該遮蔽体から少なくとも
前記磁性体を越える地点まで、前記ケーブルを前記磁性
体を含めて被覆する損失層とからなることを特徴とす
る。
【0007】このシールド構造では、ケーブルを流れる
電流に基づいて生じる磁界は、損失層による被覆の内側
に閉じこめられ、この被覆の内側に位置する磁性体と強
く結合することになり、その結果、ケーブルから放射さ
れた磁界のエネルギーは、磁性体でのヒステリシス損失
によって大きく減衰する。また、遮蔽体に接地された損
失層には、外部から照射される電磁波、或いはケーブル
から放射される電磁波の電磁誘導によってノイズ電流が
流れるが、この電流は、損失層の持つ抵抗分によって大
きく減衰する。
【0008】従って、本発明のシールド構造によれば、
磁性体が有効に作用する300MHz以下の電磁波に対
しては、磁界及び電界のいずれにも作用しノイズ除去効
果を格段に向上させることができる。また、損失層は、
磁性体が有効に作用しない300MHz以上でも、電磁
波を減衰させることができるため(本願出願人による特
願平2000−162476号を参照)、ケーブルを介
した電磁波の漏洩又は侵入を広い周波数範囲に渡って、
効果的に阻止することができる。
【0009】次に、請求項2記載の発明は、請求項1記
載のシールド構造において、前記遮蔽体に固定され且つ
前記磁性体の外周面を被覆する導電性の被覆部材を設
け、前記損失層は、前記被覆部材を介して前記遮蔽体に
接地されていることを特徴とする。
【0010】本発明によれば、被覆部材によって磁性体
を遮蔽体の近傍に確実に固定できるだけでなく、損失層
により、磁性体の外周面を被覆部材の上から被覆するだ
けで、損失層と遮蔽体との接地を容易に確保することが
できる。また次に、請求項3記載の発明は、請求項1記
載のシールド構造において、前記遮蔽体に固定され、且
つ前記損失層にて被覆された前記磁性体が少なくとも収
納される導電性の保持部材と、該保持部材と前記損失層
との間に充填された絶縁性の充填部材とを設けたことを
特徴とする。
【0011】本発明によれば、損失層にて被覆された磁
性体を遮蔽体の近傍に確実に固定することができる。な
お、充填部材は、磁性を有している方が望ましく、この
場合、ノイズ除去効果をより向上させることができる。
また、請求項3記載のシールド構造において、前記保持
部材には、請求項4記載のように、前記損失層にて被覆
された部分のケーブルが収納されていてもよい。
【0012】本発明によれば、損失層にて被覆された部
分のケーブルが確実に保護されるため、優れたノイズ除
去効果を長期に渡って安定して得ることができる。な
お、請求項1ないし請求項4いずれか記載のシールド構
造において、損失層は、例えば請求項5記載のように、
テープ状或いはシート状の抵抗体を巻き付けることによ
り形成されていてもよいし、請求項6記載のように、弾
性又は熱収縮性を有するチューブ状の抵抗体を填めるこ
とにより形成されていてもよい。
【0013】次に、請求項7記載の発明は、請求項1又
は請求項2記載のシールド構造において、前記遮蔽体に
固定され、且つ前記磁性体及び前記ケーブルの一部が収
納される絶縁性の保持部材を設け、前記損失層は、前記
保持部材と前記磁性体及びケーブルとの間を充填する形
状に形成されていることを特徴とする。
【0014】本発明によれば、保持部材の中に必要な長
さのケーブルを収納することで、ケーブルの外周部に簡
単にしかも隙間なく損失層を形成することができ、安定
したシールド除去効果を得ることができるなお、請求項
1ないし請求項7いずれか記載のシールド構造におい
て、前記損失層を構成する抵抗体は、請求項8記載のよ
うに、面抵抗が1〜300Ω/□であることが望まし
い。この場合、損失層により、磁性体が有効に作用しな
い300MHz以上の高周波を効果的に阻止することが
できる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施例を図面と共
に説明する。 [第1実施形態]図1は、本発明が適用された第1実施
形態のシールド構造を表す断面図である。
【0016】なお、本実施形態のシールド構造は、導電
性を有する筐体(遮蔽体に相当)Kに形成された挿通孔
Hを挿通するよう配線されたケーブルCに適用されるも
のである。図1に示すように、本実施形態のシールド構
造は、ケーブルCに外嵌され、筐体Kの外壁に当接する
位置に配置された円筒形のフェライトリング10と、筐
体Kの外壁から少なくともフェライトリング10の厚さ
より長い範囲に渡ってケーブルCを、フェライトリング
10を含めて被覆する損失層12とにより構成されてい
る。
【0017】このうち、損失層12は、所定の面抵抗
(1〜300Ω/□)を有するテープ状或いはシート状
の抵抗体を巻き付けることにより形成されており、その
一端は、筐体Kとの導通が確保され、即ち筐体Kに接地
されるように、筐体Kの外壁に導電性接着剤等によって
固定されている。
【0018】また、損失層12を形成する抵抗体として
は、導電性の繊維と非導電性の繊維を混紡した不織布、
非導電性繊維からなる織物をメッキしたり導電性繊維と
非導電性繊維とを交織してなる導電性織物、蒸着スパッ
タリングや塗装により導電性の薄膜を表面(片面或いは
両面)に形成してなる合成樹脂(例えばポリエチレンや
ポリエチレンテレフタレート)等のフィルム又は紙、導
電性フィラーを混入してなる導電性プラスチックや導電
性ゴム等を用いることができ、特に装着時にフェライト
リング10やケーブルCに密着させることが容易な伸縮
率の大きい材質のものが好適である。
【0019】以上説明したように、本実施形態のシール
ド構造では、ケーブルCを流れる電流によって生じる磁
界は、損失層12で被覆された内側に閉じこめられてフ
ェライトリング10と強く結合することになり、その結
果、ケーブルCから放射された磁界のエネルギーは、フ
ェライトリング10でのヒステリシス損失によって大き
く減衰する。また、筐体Kに接地された損失層12に
は、外部から照射される電磁波や、ケーブルCから放射
される電磁波の電磁誘導によってノイズ電流が流れる
が、この電流は、損失層12の持つ抵抗分によって大き
く減衰する。
【0020】従って、本実施形態のシールド構造によれ
ば、フェライトリング10が有効に作用する300MH
z以下の電磁波に対しては、磁界及び電界のいずれにも
作用しノイズ除去効果を格段に向上させることができ
る。また、損失層12は、フェライトリング10が有効
に作用しない300MHz以上でも、電磁波を減衰させ
ることができるため、ケーブルCを介した電磁波の漏洩
又は侵入を広い周波数範囲に渡って、効果的に阻止する
ことができる。
【0021】なお、フェライトリング10は、図1
(c)に示すように、2分割された分割片を組み合わせ
ることで円筒形状となるものを用いてもよい。この場
合、ケーブルCの配線が既に完了している場合でも、ケ
ーブルCを傷つけることなく簡単に後付して、本実施形
態のシールド構造を簡単に実現することができる。 [第2実施形態]次に第2実施形態について説明する。
【0022】なお、本実施形態では、損失層12を筐体
に接地させるための構造が異なっているため、この相異
する部分を中心に説明する。図2(a)及び(b)に示
すように、本実施形態のシールド構造では、フェライト
リング10の外周面を覆う周壁部14a、及び筐体Kの
外壁に接触するフランジ部14bを有する導電性の被覆
部材14を備えている。そして、フェライトリング10
は、図2(c)に示すように、筐体Kに固定された被覆
部材14のフランジ部14bにて囲まれた部分に収納さ
れ、この被覆部材14の周壁部14aの少なくとも1部
を取り巻くように損失層12が設けられている。即ち、
損失層12は、被覆部材14を介して筐体Kに接地され
るように構成されている。
【0023】ここで、損失層12を構成する抵抗体は、
第1実施形態にて説明したものの他、例えば、図2
(d)に示すように、弾性或いは熱収縮性を有するチュ
ーブ状に形成されたものを用いることができる。即ち、
このチューブ状の抵抗体を、被覆部材14の周壁部14
a及びケーブルCを覆うようにして填めるだけ(或いは
填めて加熱するだけ)で、被覆部材14の周壁部14a
やケーブルCを密着した状態で覆い、しかも筐体Kに接
地された損失層12が形成されることになる。
【0024】このように、本実施形態のシールド構造に
よれば、被覆部材14を設けたことにより、筐体Kへの
損失層12の接地をより簡単且つ確実に行うことができ
る。なお、被覆部材14の代わりに、導電性テープ、或
いは抵抗体テープを用いてフェライトリング10の外周
面を覆い、且つフェライトリング10を筐体Kに固定す
るようにしてもよい。
【0025】また、上記実施形態では、損失層12が、
シート状,テープ状,チューブ状に形成された抵抗体を
用いて形成されているが、ケーブルC及びフェライトリ
ング10を収納する空間を有するブロック状の抵抗体を
用いてもよい。ところで、損失層12の内部に収納され
る磁性体(フェライトリング10)は、厚さ1〜10m
m、長さ10mm以上のものが望ましい。 [第3実施形態]次に、第3実施形態について説明す
る。
【0026】図3に示すように、本実施形態のシールド
構造では、第1実施形態のシールド構造に加え、遮蔽体
Kに固定され、損失層12にて被覆されたフェライトリ
ング10を遊嵌する導電性の保持部材16と、保持部材
16と損失層12との間に充填された絶縁性の充填部材
18とを備えている。なお、充填部材18としては、例
えば、磁性粉末を混入させた合成樹脂等を用いることが
できる。
【0027】このように、本実施形態のシールド構造に
よれば、フェライトリング10を遮蔽体Kの近傍に確実
に固定できると共に、フェライトリング10を被覆する
損失層12を保護でき、安定したノイズ除去効果を得る
ことができる。なお、本実施形態において、保持部材1
6は、フェライトリング10の部分だけを収納するよう
に構成されているが、図4に示すように、損失層12に
て被覆されている部分を全て収納するように構成しても
よい。この場合、ケーブルCを屈曲させた状態で収納す
ることにより、省スペースな構成とすることができ、ま
た、損失層12の全体が、保持部材16及び充填部材1
8によって保護されるため、より一層、安定したノイズ
除去効果を得ることができ、装置の信頼性を向上させる
ことができる。 [第4実施形態]次に第4実施例について説明する。
【0028】図5に示すように、本実施形態のシールド
構造では、ケーブルCに外嵌され、筐体Kの外壁に当接
する位置に配置された円筒形のフェライトリング10
と、このフェライトリング10が外嵌された部分を含め
て、ケーブルCの一部を収納する絶縁性の保持部材20
と、保持部材20の内部に充填する損失層12aとによ
り構成されている。
【0029】なお、損失層12aとしては、導電性フィ
ラーを混入した合成樹脂等を用いることができ、所定の
面抵抗(1〜300Ω/□)を有するように形成されて
いる。このように、本実施形態のシールド構造では、保
持部材20にケーブルCが屈曲した状態で収納されてい
ても、ブロック状の損失層12aによって隙間なく覆わ
れるため、安定したシールド除去効果を得ることができ
る。
【0030】また、本実施形態のシールド構造では、保
持部材20に収納するケーブルCの長さを調節すること
によって、ケーブルCが損失層12aで覆われる長さを
変化させることができるため、所望のシールド除去効果
が得られるよう簡単に調節することができる。
【0031】なお、上述の説明に用いた図1〜図5の各
図において、(b)は(a)におけるA−A断面図であ
る。
【0032】
【実施例】以下では、後述する実施例1〜3及び比較例
1〜3について、ノイズ除去効果及びを測定した結果に
ついて説明する。なお、図6は、測定に用いた実験設備
を表す説明図である。この実験設備では、電波暗室RM
内に3mの間隔を空けて配置された長さLA=1mの送
信用アンテナA1と、この送信用アンテナA1から送出
された電波を受信する受信用アンテナA2とを備えてい
る。
【0033】そして、送信用アンテナA1の下部に、サ
ンプル(実施例1〜3,比較例1〜3のいずれか)SM
を取り付けて損失層の下端を接地した状態、或いはサン
プルを除去した状態で、シグナルジェネレータSGが発
生する送信信号を送信用アンテナA1に供給して送信用
アンテナA1から30MHz〜3GHzの電波を送出さ
せ、その時の電界強度を、受信用アンテナA2での受信
信号に基づいてスペクトルアナライザSAにより測定し
た。
【0034】また、図7は、面抵抗の測定方法を表す説
明図である。図示されているように、面抵抗を測定すべ
き試料Sの表面に、縦10mm×横10mm×厚さ0.
5mmの銀製の電極Dを、10mmの間隔を空けて2つ
配置し、両電極間の抵抗をデジタルマルチメータDM
(製造元:アドバンテスト)にて測定した。 [比較例1]図8(a)に示すように、一対の分割片を
組み合わせると円筒形になる分割タイプのフェライトリ
ング10を送信用アンテナA1の下部に外嵌した。但
し、フェライトリングの各部の寸法は、外径W1=26
mm、内径W2=15mm、長さX=30mmである。 [比較例2]図8(b)に示すように、PET(ポリエ
チレンテレフタレート)繊維と炭素繊維とを混紡するこ
とにより作製された面抵抗が60Ω/□となる厚さ1m
mの不織布により、送信用アンテナA1(ケーブル)の
下部に損失層12を形成し、この損失層の下端を接地し
た。但し、損失層12により被覆されている送信用アン
テナA1の長さ(以下「巻長さ」という)は、LT=2
5cmである。 [比較例3]比較例2の不織布の代わりに、面抵抗が
0.1Ω/□未満の銅テープを用い、比較例2と同様の
構成とした。 [実施例1]磁性体として、比較例1と同じフェライト
リング10を用い、損失層12を構成する抵抗体とし
て、比較例2と同じ不織布を用いて、第1実施形態のシ
ールド構造を構成した。但し、損失層12の巻長さはL
T=25cmである。 [実施例2]磁性体として、比較例1と同じフェライト
リング10を用い、損失層12を構成する抵抗体とし
て、PET繊維と金属メッキしたPET繊維を混紡する
ことにより作製された厚さ1mmの不織布を用いて、第
1実施形態のシールド構造を構成した。但し、損失層1
2の巻長さはLT=25cmである。
【0035】また、不織布は、金属メッキしたPET繊
維の混率を変化させることで面抵抗をコントロールした
6種類(350,280,210,120,60,10
Ω/□)のものを用意し、それぞれについて測定を行っ
た。 [実施例3]磁性体として、比較例1と同じフェライト
リング10を用い、損失層12を構成する抵抗体とし
て、厚さ0.05mmのPETフィルムの表面に、スパ
ッタリングにより面抵抗が15Ω/□になるようモネル
(ニッケル−銅合金)製の薄膜を形成してなる抵抗体フ
ィルムを用いて、第1実施形態のシールド構造を構成し
た。但し、損失層12の巻長さはLT=3,10,2
0,30cmの4種類の設定を用意し、それぞれについ
て測定を行った。 [測定結果]図9には実施例1及び比較例1、図10に
は比較例2,3についての電界強度の測定結果を、サン
プルを除去した時の測定結果と共に示す。
【0036】また、[表1]には、損失層12の面抵抗
を変化させた実施例2及び比較例3の測定結果からノイ
ズ減衰率Eを求めた結果を、また、[表2]には、損失
層12の巻長さLTを変化させた実施例3の測定結果か
らノイズ減衰率Eを求めた結果を示す。
【0037】但し、ノイズ減衰率Eは、送信用アンテナ
A1からサンプルを除去した場合の電界強度をE0[d
B]、送信用アンテナA1にサンプルを取り付けた場合
の電界強度をE1[dB]として、(1)式から求めた
値である。 E=E0−E1 (1)
【0038】
【表1】
【0039】
【表2】
【0040】図9,図10に示すように、実施例1のシ
ールド構造では、比較例1〜3と比較して、測定した全
周波数範囲(30〜3GHz)に渡って受信される電界
強度が低下していること、即ち、ノイズ除去効果が向上
していることがわかる。また、[表1]に示すように、
損失層の面抵抗が1〜300Ω/□の場合に、0.3〜
3GHzの高周波域にて略10dB以上の減衰効果が得
られ、更に10〜200Ω/□の範囲ではより顕著な効
果が得られることがわかる。
【0041】更に、[表2]に示すように、損失層で覆
われているケーブル(送信用アンテナA1)の長さLT
を大きくするほど、ノイズ除去効果が大きく且つ広い周
波数範囲に渡って向上することがわかる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1実施形態のシールド構造を表す説明図で
ある。
【図2】 第2実施形態のシールド構造を表す説明図で
ある。
【図3】 第3実施形態のシールド構造を表す説明図で
ある。
【図4】 第3実施形態のシールド構造の変形例を表す
説明図である。
【図5】 第4実施形態のシールド構造を表す説明図で
ある。
【図6】 ノイズ除去効果を測定するための測定設備を
表す説明図である。
【図7】 面抵抗の測定方法を表す説明図である。
【図8】 比較例1,2の構成を表す説明図である。
【図9】 実施例1及び比較例1について電界強度の測
定結果を表すグラフである。
【図10】 比較例2,3について電界強度の測定結果
を表すグラフである。
【符号の説明】
10…フェライトリング 12,12a…損失層
14…被覆部材 14a…周壁部 14b…フランジ部 16,2
0…保持部材 18…充填部材 A1…送信用アンテナ A2
…受信用アンテナ C…ケーブル H…挿通孔 K…筐体 SA…ス
ペクトルアナライザ SG…シグナルジェネレータ DM…デジタルマルチ
メータ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 笹田 雅昭 愛知県名古屋市中区千代田2丁目24番15号 北川工業株式会社内 Fターム(参考) 5E021 FB07 FB14 FC19 FC21 MA02 MA14 5E321 AA32 GG05 GG07 GG09

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 遮蔽体を貫通するケーブルを介した電磁
    波の漏洩又は侵入を阻止するシールド構造であって、 前記ケーブルに外嵌され、前記遮蔽体に近接配置される
    環状の磁性体と、 抵抗体からなり、一端が前記遮蔽体に接地され、該遮蔽
    体から少なくとも前記磁性体を越える地点まで、前記ケ
    ーブルを前記磁性体を含めて被覆する損失層と、 からなることを特徴とするシールド構造。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のシールド構造において、 前記遮蔽体に固定され且つ前記磁性体の外周面を被覆す
    る導電性の被覆部材を設け、 前記損失層は、前記被覆部材を介して前記遮蔽体に接地
    されていることを特徴とするシールド構造。
  3. 【請求項3】 請求項1又は請求項2記載のシールド構
    造において、 前記遮蔽体に固定され、且つ前記損失層にて被覆された
    前記磁性体が少なくとも収納される導電性の保持部材
    と、 該保持部材と前記損失層との間に充填された絶縁性の充
    填部材と、 を設けたことを特徴とするシールド構造。
  4. 【請求項4】 前記保持部材には、前記損失層にて被覆
    された部分のケーブルが収納されていることを特徴とす
    る請求項3記載のシールド構造。
  5. 【請求項5】 前記損失層は、テープ状或いはシート状
    の抵抗体を巻き付けることにより形成されていることを
    特徴とする請求項1ないし請求項4いずれか記載のシー
    ルド構造。
  6. 【請求項6】 前記損失層は、弾性又は熱収縮性を有す
    るチューブ状の抵抗体を填めることにより形成されてい
    ることを特徴とする請求項1ないし請求項4いずれか記
    載のシールド構造。
  7. 【請求項7】 請求項1又は請求項2記載のシールド構
    造において、 前記遮蔽体に固定され、且つ前記磁性体及び前記ケーブ
    ルの一部が収納される絶縁性の保持部材を設け、 前記損失層は、前記保持部材と前記磁性体及びケーブル
    との間を充填する形状に形成されていることを特徴とす
    るシールド構造。
  8. 【請求項8】 前記損失層を構成する抵抗体は、面抵抗
    が1〜300Ω/□であることを特徴とする請求項1な
    いし請求項7いずれか記載のシールド構造。
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