JPWO2021095201A1 - ノイズフィルタおよび電子機器 - Google Patents

ノイズフィルタおよび電子機器 Download PDF

Info

Publication number
JPWO2021095201A1
JPWO2021095201A1 JP2020516483A JP2020516483A JPWO2021095201A1 JP WO2021095201 A1 JPWO2021095201 A1 JP WO2021095201A1 JP 2020516483 A JP2020516483 A JP 2020516483A JP 2020516483 A JP2020516483 A JP 2020516483A JP WO2021095201 A1 JPWO2021095201 A1 JP WO2021095201A1
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
noise filter
noise
outer conductor
housing
dielectric structure
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2020516483A
Other languages
English (en)
Inventor
玲仁 小林
幸司 澁谷
賢一 清水
哲 大和田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Electric Corp filed Critical Mitsubishi Electric Corp
Publication of JPWO2021095201A1 publication Critical patent/JPWO2021095201A1/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H05ELECTRIC TECHNIQUES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H05KPRINTED CIRCUITS; CASINGS OR CONSTRUCTIONAL DETAILS OF ELECTRIC APPARATUS; MANUFACTURE OF ASSEMBLAGES OF ELECTRICAL COMPONENTS
    • H05K9/00Screening of apparatus or components against electric or magnetic fields

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Microelectronics & Electronic Packaging (AREA)
  • Shielding Devices Or Components To Electric Or Magnetic Fields (AREA)
  • Installation Of Indoor Wiring (AREA)
  • Control Of Motors That Do Not Use Commutators (AREA)

Abstract

ノイズフィルタは、電子機器(1)の筐体(1a)の内部に配置された基板(2)から延びた伝送ケーブル(4)の長手方向に沿って伝送ケーブル(4)の外周面を被覆する誘電性構造体(10)と、誘電性構造体(10)の外周面を被覆する外導体(9)を備え、外導体(9)によって誘電性構造体(10)が被覆された構造体であるノイズフィルタ部(8)は、筐体(1a)に電気的に短絡された短絡端(8a)と、短絡端(8a)とは反対側が開放された開放端(8b)とを有した4分の1波長共振器である。

Description

本発明は、電子機器の内部へ侵入または電子機器から外部空間へ漏洩する電磁ノイズを抑制するノイズフィルタおよびこれを備えた電子機器に関する。
電磁妨害(以下、EMIと記載する)が生じる一つの要因として、電子機器に接続された伝送ケーブルを介した電磁波の放射ノイズがある。例えば、車載機器は、電磁波の影響を受けやすい閉空間である車内に設置されるので、電磁遮蔽空間を構成する金属製の筐体を有するものが多い。しかしながら、車載機器で使用される伝送ケーブルには、金属製の筐体を貫通して配設されるものがある。筐体内部で発生して伝送ケーブルに結合した電磁ノイズは、伝送ケーブルを引き出すための筐体開口部から外部空間に漏洩される。
例えば、特許文献1に記載される電磁波抑制体は、磁性体、外被導体および損失誘電体を備えており、電磁遮蔽空間を構成する電磁遮蔽体を貫通して配設された伝送ケーブルに結合した電磁ノイズを抑制する。この電磁波抑制体では、伝送ケーブルの一部に損失誘電体が外嵌されて伝送ケーブルの等価インピーダンスを引き下げ、磁性体が接地されて同軸伝送系となることで、伝送インピーダンスを引き下げている。この結果、磁性体によって低い周波数領域における電磁ノイズが抑制される。損失誘電体は、電磁ノイズの周波数が高くなるに従って伝送ケーブルの伝送損失を増大させ得るので、損失誘電体によって高い周波数領域(例えば、0.3GHz以上)における電磁ノイズが抑制される。
特開2002−185176号公報
特許文献1に記載された電磁波抑制体が備える損失誘電体は、例えば、発泡ウレタンのように、内部に多量の空気が包含された部材によって構成されている。損失誘電体によるノイズ抑制効果は、損失誘電体内部の空気を電磁波が通過する長さに比例するので、目的のノイズ抑制効果を得るためには損失誘電体を長くする必要がある。しかしながら、車内のように電磁波抑圧体の設置スペースが限定される空間においては、損失誘電体の長さを確保できずに目的のノイズ抑制効果が得られない可能性があった。
本発明は上記課題を解決するものであり、損失誘電体を用いずに、電子機器から引き出された伝送線路における電磁ノイズを抑制することができるノイズフィルタおよびこれを備えた電子機器を得ることを目的とする。
本発明に係るノイズフィルタは、導電性の筐体の内部に基板が配置された電子機器に設けられ、基板から筐体の開口部を介して外部に引き出された伝送線路に取り付けられるノイズフィルタであって、基板から延びた伝送線路の長手方向に沿って伝送線路の外周面を被覆する誘電性構造体と、誘電性構造体の外周面を被覆する外導体とを備え、外導体によって誘電性構造体が被覆された構造体であるノイズフィルタ部は、筐体に電気的に短絡された短絡端と、短絡端とは反対側が開放された開放端とを有した4分の1波長共振器であることを特徴とする。
本発明によれば、電子機器の筐体の内部に配置された基板から延びた伝送線路の長手方向に沿って伝送線路の外周面を被覆する誘電性構造体と、誘電性構造体の外周面を被覆する外導体を備え、外導体によって誘電性構造体が被覆された構造体であるノイズフィルタ部は、筐体に電気的に短絡された短絡端と、短絡端とは反対側が開放された開放端とを有した4分の1波長共振器である。伝送線路に沿って外導体よりも長い損失誘電体を設けなくても、ノイズフィルタ部において、その電気長が伝送線路を伝搬するノイズの波長の4分の1と一致するときに共振し、共振周波数のノイズを減衰させることができる。従って、本発明に係るノイズフィルタは、損失誘電体を用いずに、電子機器から引き出された伝送線路における電磁ノイズを抑制することができる。
実施の形態1に係る電子機器の構成を示す斜視図である。 図1の電子機器のY−Z面に沿った断面を示す断面図である。 実施の形態1に係るノイズフィルタによるノイズ抑制の原理を示す回路図である。 実施の形態1に係るノイズフィルタのX−Z面に沿った断面位置を示す断面図である。 実施の形態1に係るノイズフィルタの図4の断面位置aにおける断面を示す断面図である。 実施の形態1に係るノイズフィルタの図4の断面位置bにおける断面を示す断面図である。 実施の形態1に係るノイズフィルタの図4の断面位置cにおける断面を示す断面図である。 実施の形態1に係る電子機器およびノイズフィルタ部を有さない電子機器における電磁波の周波数と伝送効率S21との関係をシミュレーションした結果を示すグラフである。 実施の形態1におけるノイズフィルタ部の変形例を備える電子機器を示す斜視図である。 実施の形態2に係るノイズフィルタにおけるノイズフィルタ部を示す斜視図である。 図10のノイズフィルタ部のY−Z面に沿った断面を示す断面図である。 実施の形態2に係るノイズフィルタによるノイズ抑制の原理を示す回路図である。 実施の形態2に係るノイズフィルタの図4の断面位置bと同じ位置における断面を示す断面図である。 実施の形態1に係る電子機器および実施の形態2に係るノイズフィルタ部を有した電子機器における電磁波の周波数と伝送効率S21との関係をシミュレーションした結果を示すグラフである。 実施の形態2におけるノイズフィルタ部の変形例を示す斜視図である。 実施の形態3に係るノイズフィルタにおけるノイズフィルタ部を示す斜視図である。 図16のノイズフィルタ部のY−Z面に沿った断面を示す断面図である。 実施の形態4に係るノイズフィルタにおけるノイズフィルタ部を示す斜視図である。 図18のノイズフィルタ部のY−Z面に沿った断面を示す断面図である。 実施の形態5に係るノイズフィルタにおけるノイズフィルタ部を示す斜視図である。 図20のノイズフィルタ部のY−Z面に沿った断面を示す断面図である。 実施の形態6に係るノイズフィルタにおけるノイズフィルタ部を示す斜視図である。 図22のノイズフィルタ部のY−Z面に沿った断面を示す断面図である。 実施の形態7に係るノイズフィルタにおける開状態のノイズフィルタ部をX方向から見た様子を示す図である。 図24のノイズフィルタ部をY方向から見た様子を示す図である。 実施の形態8に係るノイズフィルタにおけるノイズフィルタ部を示す斜視図である。 実施の形態8に係る電子機器のY−Z面に沿った断面を示す断面図である。 実施の形態9に係るノイズフィルタにおけるノイズフィルタ部を示す斜視図である。 実施の形態9に係る電子機器のY−Z面に沿った断面を示す断面図である。 実施の形態10に係るノイズフィルタにおけるノイズフィルタ部を示す斜視図である。 実施の形態10に係る電子機器のY−Z面に沿った断面を示す断面図である。
実施の形態1.
図1は、実施の形態1に係る電子機器1の構成を示す斜視図である。図2は、図1の電子機器1のY−Z面に沿った断面を示す断面図である。電子機器1は、例えば、車室内に搭載される電子機器(車載機器)である。電子機器1が備える筐体1aは、導電性材料によって構成された筐体であり、筐体1aの内部には基板2が収納されている。導電性材料には、例えば、銅、鉄、アルミニウム鋼または導電性プラスチック材料がある。筐体1aには、開口部3が形成されており、伝送ケーブル4が開口部3を介して筐体1aの外部に引き出されている。
伝送ケーブル4は、芯線5および被膜6により構成された伝送線路である。伝送ケーブル4には、例えば、シングルエンドの単線ケーブル、複線ケーブルまたはシールド線がある。ただし、伝送ケーブル4がシールド線である場合、伝送ケーブル4の特性インピーダンスは、シールド被膜の径を芯線5の径とみなして算出される。伝送ケーブル4は、コネクタ7によって基板2に接続されている。コネクタ7は、非導電性材料によって構成されている。非導電性材料には、例えば、電気絶縁性のプラスチック材料がある。
コネクタ7を介して基板2から延びた伝送ケーブル4には、ノイズフィルタ部8が形成されている。ノイズフィルタ部8は、外導体9によって誘電性構造体10が被覆された構造体である。ノイズフィルタ部8は、筐体1aに電気的に短絡された短絡端8aと、短絡端とは反対側が開放された開放端8bとを有した4分の1波長共振器である。
外導体9は、導電性の材料によって構成された円筒形状の構造体であり、誘電性構造体10の外周面を被覆している。誘電性構造体10は、高誘電率を有した材料によって構成され、基板2から延びた伝送ケーブル4の長手方向(Y方向)に沿って伝送ケーブル4およびコネクタ7の一部の外周面を被覆している。高誘電率を有した材料は、ノイズを抑制する電磁波の周波数帯域において比誘電率が比透磁率よりも高い材料であり、例えば、セラミックまたは高誘電率プラスチック材料である。
また、誘電性構造体10には、ノイズ抑制シートが使用可能である。ノイズ抑制シートは、薄く扁平な金属フレークをポリマー樹脂材料の中に向きを揃えて高密度に分散させて配置した複合材料であり、比誘電率が非常に高い材料である。実施の形態1に係るノイズフィルタは、基板2から筐体1aの開口部3を介して外部に引き出された伝送ケーブル4に取り付けられたノイズフィルタ部8によって構成される。
図3は、実施の形態1に係るノイズフィルタによるノイズ抑制の原理を示す回路図である。図4は、実施の形態1に係るノイズフィルタのX−Z面に沿った断面位置a、bおよびcを示す断面図である。図5は、実施の形態1に係るノイズフィルタについての図4の断面位置aにおける断面を示す断面図である。図6は、実施の形態1に係るノイズフィルタについての図4の断面位置bにおける断面を示す断面図である。図7は、実施の形態1に係るノイズフィルタについての図4の断面位置cにおける断面を示す断面図である。
図3において、ノイズ源11は、筐体1a内部における電磁波ノイズの発生源であり、電圧源12および負荷インピーダンス13によって構成される。また、ノイズ漏洩先14は、負荷インピーダンス15の終端によって表現されている。
実施の形態1に係るノイズフィルタを、図4に示す断面位置aにおいて切った断面が、図5に示す断面である。図5において被膜6およびコネクタ7の記載が省略されている。図3に示す特性インピーダンスZ1は、図5に示す断面において筐体1aの開口部3の周縁部におけるGND電位を基準電位とし、被膜6およびコネクタ7を考慮せず、芯線5を高周波信号の信号線とした場合における伝送ケーブル4の特性インピーダンスである。
実施の形態1に係るノイズフィルタを、図4に示す断面位置bにおいて切った断面が、図6に示す断面である。図6において、伝送ケーブル4の被膜6は考慮していない。図3に示す特性インピーダンスZ2は、図6に示す断面において、ノイズフィルタ部8における外導体9のGND電位を基準電位とし、被膜6を考慮せず、誘電性構造体10によって芯線5が被覆され、芯線5を高周波信号の信号線とした場合における、伝送ケーブル4の特性インピーダンスである。
実施の形態1に係るノイズフィルタを、図4に示す断面位置cにおいて切った断面が、図7に示す断面である。図7においては、図5と同様に被膜6の記載が省略されている。図3に示す特性インピーダンスZ3は、ノイズフィルタ部8から突出した伝送ケーブル4の部分における特性インピーダンスである。すなわち、特性インピーダンスZ3は、図7に示す断面において、電子機器1が搭載された車両のボディまたは放射EMIの測定系におけるアース16のGND電位を基準電位とし、被膜6を考慮せずに、芯線5を高周波信号の信号線とした場合における伝送ケーブル4の特性インピーダンスである。特性インピーダンスZ1、Z2およびZ3は、近似式またはシミュレーション計算によって算出することが可能である。
図3に示すように、特性インピーダンスZ1は特性インピーダンスZ2よりも大きく、かつ、特性インピーダンスZ3は特性インピーダンスZ2よりも大きい。さらに、ノイズフィルタ部8における伝送ケーブル4に沿った長手方向(Y方向)の電気長が、ノイズとして抑制したい電磁波の波長λの4分の1の長さとなるように構成されている。
ノイズフィルタ部8において、特性インピーダンスZ1側から特性インピーダンスZ2側へ入力するノイズを、入力波V1+とした場合、特性インピーダンスZ1と特性インピーダンスZ2との不連続点PD1において入力波の反射波V1−が生じる。特性インピーダンスZ1は特性インピーダンスZ2よりも大きいので、反射波V1−の位相は、入力波V1+の位相が反転した位相となる。ここで、不連続点PD1が、ノイズフィルタ部8の短絡端8aに相当する。
ノイズフィルタ部8において、特性インピーダンスZ2側から特性インピーダンスZ3側へ透過したノイズ(入力波V1+)を、透過波V2+とした場合、特性インピーダンスZ2と特性インピーダンスZ3との不連続点PD2において透過波の反射波V2−が生じる。ここで、不連続点PD2が、ノイズフィルタ部8の開放端8bに相当する。
特性インピーダンスZ3は特性インピーダンスZ2よりも大きいので、反射波V2−の位相に変化はなく、透過波V2+の位相と同じである。反射波V2−は、ノイズフィルタ部8における往復の電気長がその波長の半波長になる場合に位相が反転し、反射波V1−と位相が一致する。
これにより、ノイズフィルタ部8は、4分の1波長共振器として機能する。すなわち、特性インピーダンスZ1と特性インピーダンスZ2との不連続点PD1において反射した電磁ノイズと、特性インピーダンスZ2と特性インピーダンスZ3との不連続点PD2において反射した電磁ノイズとの位相が一致することにより、ノイズの反射波が強め合う。このように、伝送ケーブル4を伝搬した電磁ノイズは筐体1aの内側へ反射されるので、筐体1aの外部へ漏洩する電磁ノイズが低減される。
図8は、実施の形態1に係る電子機器1およびノイズフィルタ部8を有さない電子機器における電磁波の周波数と伝送効率S21との関係をシミュレーションした結果を示すグラフである。図8において、ノイズフィルタ部8を有さない電子機器は、図1に示した電子機器1からノイズフィルタ部8が除かれ、伝送ケーブル4の芯線5が剥き出しとなった状態の電子機器を想定している。電子機器1が備えるノイズフィルタは、1.5GHz帯のノイズを抑制するノイズフィルタである。
図8において、伝送ケーブル4における被膜6およびコネクタ7は考慮しておらず、伝送ケーブル4は無損失伝送線路である。特性インピーダンスZ1およびZ2の算出には、同軸構造を有した伝送線路についての特性インピーダンスZ0を算出するための下記式(1)が用いられる。η0は、(μ0/ε0)0.5であり、μ0は真空の透磁率であり、ε0は、真空の誘電率であり、η0/2πは、およそ60である。
Z0=(η0/2π・εr0.5)ln(D/d) ・・・(1)
Dは、図5および図6に示した筐体1aの開口部3の直径であり、例えば14(mm)とする。dは、図5、図6および図7に示した芯線5の直径であり、例えば3(mm)とする。また、開口部3は、空気の比誘電率εr=1を有する。上記式(1)を用いることにより、特性インピーダンスZ1は、92.4(Ω)と算出される。
芯線5の直径dが3(mm)である。誘電性構造体10は、直径Dが14(mm)であり、比誘電率εr=40を有する。また、図4に示したノイズフィルタ部8の物理長lは8(mm)である。上記式(1)を用いることで、特性インピーダンスZ2は、14.6(Ω)と算出される。
特性インピーダンスZ3の算出には、誘電体上のワイヤーについての特性インピーダンスZ0を算出するための下記式(2)が用いられる。伝送ケーブル4の芯線5の直径dが3(mm)である。図7に示した測定系のアース16から芯線5の中心までの高さhは、50(mm)である。下記式(2)を用いることによって、特性インピーダンスZ3は、251.9(Ω)と算出される。
Z0=(η0/2π・εr0.5)cosh−1ln(2h/d) ・・・(2)
このように実施の形態1に係るノイズフィルタにおいては、特性インピーダンスZ1は特性インピーダンスZ2よりも大きく、かつ、特性インピーダンスZ3は特性インピーダンスZ2よりも大きい。ノイズフィルタ部8は、比誘電率εr=40の誘電性構造体10を有することで、物理長l=8(mm)であるが、その電気長は、1.5GHzのノイズの波長の4分の1である50(mm)となる。すなわち、ノイズフィルタ部8は、周波数1.5GHzのノイズに共振する4分の1波長共振器として機能する。
図8に示すノイズ抑制効果は、図3に示した負荷インピーダンス13をポート(1)とし、負荷インピーダンス15をポート(2)としたときの伝送効率S21に基づいて評価されたものである。負荷インピーダンス13および負荷インピーダンス15の値は、負荷インピーダンス13が特性インピーダンスZ1と整合し、かつ、負荷インピーダンス15が特性インピーダンスZ3と整合している、ノイズが最も漏洩し易い最悪条件を想定している。実施の形態1に係る電子機器1においては、ノイズフィルタ部8が1.5GHzのノイズの4分の1波長共振器として機能するので、図8において符号A1で示すように、1.5GHz帯において最大で14dBのノイズが低減されている。一方、ノイズフィルタ部8を有さない電子機器は、図8において符号Bを用いて示すように、ノイズ抑制効果を発揮しない。
図9は、実施の形態1におけるノイズフィルタ部8の変形例を備える電子機器1を示す斜視図である。図9に示す電子機器1の筐体1aには、四角形の開口部3が形成されており、外導体9は、断面が四角形の環形状を有し、誘電性構造体10は、外導体9の内周部に収まる四角柱形状を有している。このようにノイズフィルタ部8が円柱形状ではなく、多角柱形状であっても、前述したノイズ抑制効果が得られる。
以上のように、実施の形態1に係るノイズフィルタは、電子機器1の筐体1aの内部に配置された基板2から延びた伝送ケーブル4の長手方向に沿って伝送ケーブル4の外周面を被覆する誘電性構造体10と、誘電性構造体10の外周面を被覆する外導体9を備え、外導体9によって誘電性構造体10が被覆された構造体であるノイズフィルタ部8は、筐体1aに電気的に短絡された短絡端8aと、短絡端8aとは反対側が開放された開放端8bとを有した4分の1波長共振器である。伝送ケーブル4に沿って外導体9よりも長い損失誘電体を設けなくても、ノイズフィルタ部8において、その電気長が伝送ケーブル4を伝搬するノイズの波長の4分の1と一致するときに共振し、共振周波数のノイズを減衰させることができる。これにより、実施の形態1に係るノイズフィルタは、損失誘電体を用いずに、電子機器1から引き出された伝送ケーブル4における電磁ノイズを抑制することができる。
実施の形態2.
図10は、実施の形態2に係るノイズフィルタにおけるノイズフィルタ部8Aを示す斜視図である。図11は、ノイズフィルタ部8AのY−Z面に沿った断面を示す断面図である。ノイズフィルタ部8Aは、外導体9Aおよび誘電性構造体10Aを備えている。外導体9Aは、導電性材料によって構成されており、図10および図11に示すように、誘電性構造体10Aの外周面を被覆している。誘電性構造体10Aは、高誘電率の材料により構成されている。高誘電率の材料は、ノイズを抑制する電磁波の周波数帯域において比誘電率が比透磁率よりも高い材料であり、例えば、セラミックまたは高誘電率プラスチック材料である。
誘電性構造体10Aには、図10および図11において図示を省略した伝送ケーブル4を通す穴が形成されている。図1および図2に示したように、伝送ケーブル4は、コネクタ7を介して基板2から延びている。上記穴に伝送ケーブル4が通った状態で、誘電性構造体10Aは、伝送ケーブル4の長手方向(Y方向)に沿って伝送ケーブル4の外周面を被覆する。
ノイズフィルタ部8Aは、図11に示すように、外導体9Aの内部に、伝送ケーブル4の長手方向(Y方向)に沿った2つの箇所で厚みが異なる誘電性構造体10Aを有している。厚みが薄い箇所10(1)と、箇所10(1)よりも厚い箇所10(2)は、特性インピーダンスおよび電気長が異なる4分の1波長共振器として機能する。すなわち、箇所10(1)の電気長と箇所10(2)の電気長とによって決定される共振周波数がそれぞれf0(1)およびf0(2)である場合、箇所10(1)において周波数f0(1)のノイズが抑制され、箇所10(2)において周波数f0(2)のノイズが抑制される。
箇所10(1)において抑制できない周波数のノイズが、箇所10(2)において抑制され、箇所10(2)において抑制できない周波数のノイズが、箇所10(1)において抑制される。ノイズフィルタ部8Aにおいては、箇所10(1)と10(2)が、互いにノイズの抑制を補完し合うので、ノイズフィルタ全体として抑制可能なノイズの周波数が広帯域化される。
さらに、誘電性構造体10Aにおける伝送ケーブル4の長手方向に沿った複数の箇所で厚みを変更するだけで、ノイズフィルタ部8Aにおいて、特性インピーダンスおよび電気長が異なる複数の4分の1波長共振器を構成可能である。誘電性構造体10Aを構成する高誘電率の材料は一種類でよい。
図12は、実施の形態2に係るノイズフィルタによるノイズ抑制の原理を示す回路図である。図12において、ノイズ源11は、筐体1a内部における電磁波ノイズの発生源であり、電圧源12および負荷インピーダンス13によって構成される。また、ノイズ漏洩先14は、負荷インピーダンス15の終端によって表現されている。ノイズフィルタ部8Aにおける誘電性構造体10Aが薄い箇所10(1)は、図12に示す特性インピーダンスZ2aを有し、誘電性構造体10Aが厚い箇所10(2)は、図12に示す特性インピーダンスZ2bを有する。
図12において、特性インピーダンスZ1は、特性インピーダンスZ2aおよびZ2bよりも大きく、かつ、特性インピーダンスZ3は、特性インピーダンスZ2aおよびZ2bよりも大きい。ノイズフィルタ部8Aにおける箇所10(1)の電気長は、ノイズとして抑制したい電磁波(共振周波数f0(1)の電磁波)の波長λaの4分の1の長さとなるように構成されている。さらに、箇所10(2)の電気長は、ノイズとして抑制したい電磁波(共振周波数f0(2)の電磁波)の波長λbの4分の1の長さとなるように構成されている。
次に、実施の形態2に係るノイズフィルタによるノイズ抑制について説明する。
図13は、実施の形態2に係るノイズフィルタの図4の断面位置bと同じ位置における断面を示す断面図である。ノイズフィルタ部8Aにおける箇所10(1)を、図4に示す断面位置bにおいて切った断面が、図13に示す断面である。図13において、伝送ケーブル4における被膜6は考慮しておらず、伝送ケーブル4は無損失伝送線路である。
図14は、実施の形態1に係る電子機器1および実施の形態2に係るノイズフィルタ部8Aを有した電子機器1における電磁波の周波数と伝送効率S21との関係をシミュレーションした結果を示すグラフである。実施の形態1および実施の形態2に係るノイズフィルタは、1.5GHz帯のノイズを抑制するノイズフィルタである。
特性インピーダンスZ2aの算出には、例えば、2つの異なる比誘電率εr1とεr2を有した同軸構造の伝送線路についての特性インピーダンスZ0を算出するための下記式(3)が用いられる。下記式(3)において、dは図13に示した芯線5の直径であり、例えば3(mm)とする。η0は、(μ0/ε0)0.5であり、μ0は、真空の透磁率であり、ε0は、真空の誘電率であり、η0/2πは、およそ60である。D1は、図13に示した箇所10(1)における中空部分の直径であり、例えば5(mm)とする。D2は、図13に示した誘電性構造体10Aの直径であり、例えば14(mm)とする。誘電性構造体10Aの比誘電率εrを40(=εr1=εr2)とすることで、下記式(3)を用いることにより、特性インピーダンスZ2aは54.5(Ω)と算出される。なお、箇所10(1)のY方向に沿った物理長は、14(mm)である。
Z0=(η0/2π)ln(D/d)・[{εr1・ln(D2/D1)+εr2・ln(D1/d)}/{εr1・εr2・ln(D2/d)}]0.5 ・・・(3)
誘電性構造体10Aの直径Dが14(mm)である場合、箇所10(2)は、直径d=3(mm)の芯線5が比誘電率εr=40の誘電性構造体10Aに被覆されているので、上記式(1)を用いることにより、図6の場合と同様に、特性インピーダンスZ2bは、14.6(Ω)と算出される。なお、箇所10(2)のY方向の物理長は、8(mm)である。また、図3と同様に、特性インピーダンスZ1は、上記式(1)を用いることで、92.4(Ω)と算出され、特性インピーダンスZ3は、上記式(2)を用いることで、251.9(Ω)と算出される。
このように実施の形態1に係るノイズフィルタにおいては、特性インピーダンスZ1は特性インピーダンスZ2aおよびZ2bよりも大きく、かつ、特性インピーダンスZ3は特性インピーダンスZ2aおよびZ2bよりも大きい。さらに、ノイズフィルタ部8Aの箇所10(1)の電気長は、3.0GHzのノイズの波長λaの4分の1の長さであり、箇所10(1)は、3.0GHzのノイズに共振する4分の1波長共振器として機能する。さらに、ノイズフィルタ部8Aの箇所10(2)の電気長は、1.5GHzのノイズの波長の4分の1の長さである50(mm)であり、箇所10(2)は、1.5GHzのノイズに共振する4分の1波長共振器として機能する。図12において、特性インピーダンスZ1側から特性インピーダンスZ2a側へ入力するノイズは、不連続点PD1、PD3およびPD2において反射されて負荷インピーダンス13側に戻される。
図14に示すノイズ抑制効果は、負荷インピーダンス13をポート(1)とし、負荷インピーダンス15をポート(2)としたときの伝送効率S21に基づいて評価されたものである。負荷インピーダンス13および負荷インピーダンス15の値は、負荷インピーダンス13が特性インピーダンスZ1と整合し、かつ、負荷インピーダンス15が特性インピーダンスZ3と整合している、ノイズが最も漏洩し易い最悪条件を想定している。
実施の形態1に係る電子機器1におけるノイズフィルタ部8は、1.5GHzのノイズの4分の1波長共振器として機能するので、図14において符号A1で示すように、1.5GHz帯において最大で14dBのノイズが低減されている。ただし、ノイズフィルタ部8によるノイズ抑制効果は、1.5GHzの奇数倍の周波数帯では劣化している。実施の形態2に係る電子機器1におけるノイズフィルタ部8Aは、図14において符号A2を用いて示すように、1.5GHzの奇数倍の周波数帯である3GHzと9GHzの電磁波を低減しており、抑制可能なノイズの周波数が広帯域化されている。
図15は、実施の形態2におけるノイズフィルタ部8Aの変形例を示す斜視図である。図15に示すように、外導体9Aは、断面が四角形の環形状を有しており、誘電性構造体10Aは、外導体9Aの内周部に収まる四角柱形状を有している。このようにノイズフィルタ部8Aが円柱形状ではなく、多角柱形状であっても、前述したノイズ抑制効果が得られる。
また、実施の形態2に係るノイズフィルタは、4分の1波長共振器を2つ有するノイズフィルタ部8Aに限定されるものではない。例えば、Y方向に沿って段階的に3箇所以上の誘電性構造体10Aの厚みを変更することで、ノイズフィルタ部8Aにおいて、4分の1波長共振器を3つ以上設けることができる。
以上のように、実施の形態2におけるノイズフィルタ部8Aは、伝送ケーブル4の長手方向(Y方向)に沿って特性インピーダンスおよび電気長が異なる複数の4分の1波長共振器を有する。特に、ノイズフィルタ部8Aは、Y方向に沿った複数の箇所で厚みが異なる誘電性構造体10Aを有する。これにより、実施の形態2に係るノイズフィルタは、抑制可能なノイズの周波数を広帯域化することができる。
実施の形態3.
図16は、実施の形態3に係るノイズフィルタにおけるノイズフィルタ部8Bを示す斜視図である。図17は、図16のノイズフィルタ部8BのY−Z面に沿った断面を示す断面図である。ノイズフィルタ部8Bは、外導体9Bおよび誘電性構造体10Bを備える。外導体9Bは、導電性材料によって構成されており、図16および図17に示すように、誘電性構造体10Bの外周面を被覆している。誘電性構造体10Bは、高誘電率の材料により構成されている。高誘電率の材料は、ノイズを抑制する電磁波の周波数帯域において比誘電率が比透磁率よりも高い材料であり、例えば、セラミックまたは高誘電率プラスチック材料である。
外導体9Bは、図16および図17において図示を省略した伝送ケーブル4の長手方向(Y方向)に沿った2つの箇所9(1)および9(2)で開口断面積が異なる。外導体9Bの箇所9(1)における開口断面積は、箇所9(2)における開口断面積よりも広い。また、誘電性構造体10Bは、外導体9Bによって外周が被覆されているので、箇所9(1)に対応する部分よりも箇所9(2)に対応する部分の厚みが薄くなっている。
ノイズフィルタ部8Bにおいて、外導体9Bの開口断面積が広い箇所9(1)と、開口面積が狭い箇所9(2)は、特性インピーダンスおよび電気長が異なる4分の1波長共振器として機能する。すなわち、箇所9(1)の電気長と箇所9(2)の電気長とによって決定される共振周波数がそれぞれf0(1)およびf0(2)である場合、箇所9(1)において周波数f0(1)のノイズが抑制され、箇所9(2)において周波数f0(2)のノイズが抑制される。
箇所9(1)において抑制できない周波数のノイズが、箇所9(2)において抑制され、箇所9(2)において抑制できない周波数のノイズが、箇所9(1)において抑制される。従って、ノイズフィルタ部8Bにおいては、箇所9(1)と9(2)が、互いにノイズの抑制を補完し合うので、ノイズフィルタ全体として抑制可能なノイズの周波数が広帯域化される。
また、実施の形態3に係るノイズフィルタは、4分の1波長共振器を2つ有するノイズフィルタ部8Bに限定されるものではない。Y方向に沿って段階的に3箇所以上の外導体9Bの開口断面積を変更することにより、ノイズフィルタ部8Bにおいて、4分の1波長共振器を3つ以上設けることができる。なお、ノイズフィルタ部8Bは、四角柱形状に限定されるものではなく、外導体9Bの開口断面積が異なる円柱形状であってもよいし、三角柱形状または五角以上の多角柱形状であってもよい。
以上のように、実施の形態3におけるノイズフィルタ部8Bは、伝送ケーブル4の長手方向(Y方向)に沿った複数の箇所で開口断面積が異なる外導体9Bを有する。これにより、実施の形態3に係るノイズフィルタは、抑制可能なノイズの周波数を広帯域化することができる。
実施の形態4.
図18は、実施の形態4に係るノイズフィルタにおけるノイズフィルタ部8Cを示す斜視図である。図19は、図18のノイズフィルタ部8CのY−Z面に沿った断面を示す断面図である。ノイズフィルタ部8Cは、外導体9Aおよび誘電性構造体10Cを備える。外導体9Aは、導電性材料によって構成されており、図18および図19に示すように、誘電性構造体10Cの外周面を被覆している。
誘電性構造体10Cには、図18および図19において図示を省略した伝送ケーブル4を通す穴が形成されている。図1および図2に示したように、伝送ケーブル4は、コネクタ7を介して基板2から延びている。上記穴に伝送ケーブル4が通った状態で、誘電性構造体10Cは、伝送ケーブル4の長手方向(Y方向)に沿って伝送ケーブル4の外周面を被覆する。
誘電性構造体10Cは、図19に示すように、外導体9Aの内部に、伝送ケーブル4の長手方向(Y方向)に沿った2つの箇所で異なる誘電率の誘電体10(3)および10(4)を有している。誘電体10(3)の誘電率は、誘電体10(4)よりも低いので、誘電体10(3)および10(4)は、特性インピーダンスおよび電気長が異なる4分の1波長共振器として機能する。すなわち、誘電体10(3)の電気長および誘電体10(4)の電気長によって決定される共振周波数がそれぞれf0(1)およびf0(2)である場合、誘電体10(3)において周波数f0(1)のノイズが抑制され、誘電体10(4)において周波数f0(2)のノイズが抑制される。
誘電体10(3)において抑制できない周波数のノイズが、誘電体10(4)において抑制され、誘電体10(3)において抑制できない周波数のノイズが、誘電体10(4)において抑制される。ノイズフィルタ部8Cにおいては、誘電体10(3)および10(4)が、互いにノイズの抑制を補完し合うので、ノイズフィルタ全体として抑制可能なノイズの周波数が広帯域化される。
また、実施の形態4に係るノイズフィルタは、4分の1波長共振器を2つ有するノイズフィルタ部8Cに限定されるものではない。互いに誘電率が異なる誘電体をY方向に沿って段階的に3箇所以上設けることで、ノイズフィルタ部8Cにおいて、4分の1波長共振器を3つ以上設けることができる。なお、ノイズフィルタ部8Cは、四角柱形状に限定されるものではなく、円柱形状であってもよいし、三角柱形状または五角以上の多角柱形状であってもよい。
以上のように、実施の形態4におけるノイズフィルタ部8Cは、伝送ケーブル4の長手方向(Y方向)に沿った複数の箇所で誘電率が異なる誘電性構造体10Cを有する。これにより、実施の形態4に係るノイズフィルタは、抑制可能なノイズの周波数を広帯域化することができる。
実施の形態5.
図20は、実施の形態5に係るノイズフィルタにおけるノイズフィルタ部8Dを示す斜視図である。図21は、図20のノイズフィルタ部8DのY−Z面に沿った断面を示す断面図である。ノイズフィルタ部8Dは、外導体9Aおよび誘電性構造体10Dを備える。外導体9Aは、導電性材料によって構成されており、図20に示すように、誘電性構造体10Dの外周面を被覆している。
誘電性構造体10Dには、図20および図21において図示を省略した伝送ケーブル4を通す穴が形成されている。図1および図2に示したように、伝送ケーブル4は、コネクタ7を介して基板2から延びている。上記穴に伝送ケーブル4が通った状態で、誘電性構造体10Dは、伝送ケーブル4の長手方向(Y方向)に沿って伝送ケーブル4の外周面を被覆する。また、ノイズフィルタ部8Dにおいて、誘電性構造体10Dは、図21に示すように、外導体9Aから取り出し可能である。なお、ノイズフィルタ部8Dは、四角柱形状に限定されるものではなく、円柱形状であってもよいし、三角柱形状または五角以上の多角柱形状であってもよい。
以上のように、実施の形態5におけるノイズフィルタ部8Dは、外導体9Aから取り出し可能な誘電性構造体10Dを有する。これにより、実施の形態5に係るノイズフィルタは、異なる誘電率の誘電性構造体10Dに取り替えることにより、フィルタ特性を変更することができる。また、コネクタ7と誘電性構造体10Dとが物理的に干渉する場合、コネクタ7との物理的な干渉がない誘電性構造体10Dに取り替えることも可能である。
実施の形態6.
図22は、実施の形態6に係るノイズフィルタにおけるノイズフィルタ部8Eを示す斜視図である。図23は、図22のノイズフィルタ部8EのY−Z面に沿った断面を示す断面図である。ノイズフィルタ部8Eは、外導体9Aおよび誘電性構造体10Eを備える。外導体9Aは、導電性材料によって構成されており、図22に示すように、誘電性構造体10Eの外周面を被覆している。
誘電性構造体10Eは、高誘電率材料によって構成される。高誘電率材料は、ノイズを抑制する電磁波の周波数帯域において比誘電率が比透磁率よりも高い材料であり、例えば、セラミックまたは高誘電率プラスチック材料である。誘電性構造体10Eには切れ込みCが設けられており、誘電性構造体10Eは、切れ込みCによってY方向およびX−Z面に沿って複数のブロックに分割されている。
例えば、図23に示すように、外導体9Aに被覆された誘電性構造体10Eから、複数のブロックで構成されるブロック群10E(1)を取り除くことで、誘電性構造体10Eとしてブロック群10E(2)を有するノイズフィルタ部8Eが作成される。図23に示すノイズフィルタ部8Eは、Y方向に沿って厚みが薄い箇所と厚い箇所があるブロック群10E(2)を有するので、実施の形態2におけるノイズフィルタ部8Aと同様に動作する。
さらに、誘電率が異なるブロックを用いることで、図23に示すノイズフィルタ部8Eを、実施の形態4におけるノイズフィルタ部8Cと同様に動作させることも可能である。なお、ノイズフィルタ部8Eは、四角柱形状に限定されるものではなく、円柱形状であってもよいし、三角柱形状または五角以上の多角柱形状であってもよい。
以上のように、実施の形態6におけるノイズフィルタ部8Eは、外導体9Aから部分的に取り出し可能な誘電性構造体10Eを有する。これにより、実施の形態6に係るノイズフィルタは、異なる形状の誘電性構造体10Eに変更することで、フィルタ特性を変更することができる。また、コネクタ7と誘電性構造体10Eとが物理的に干渉する場合、コネクタ7と干渉する部分のブロックを除去することも可能である。
実施の形態7.
図24は、実施の形態7に係るノイズフィルタにおける開状態のノイズフィルタ部8FをX方向から見た様子を示す図である。図25は、図24のノイズフィルタ部8FをY方向から見た様子を示す図である。ノイズフィルタ部8Fは、外導体9Cおよび誘電性構造体10Fを備える。外導体9Cは、導電性材料によって構成され、誘電性構造体10Fの外周面を被覆している。
ノイズフィルタ部8Fは、図24および図25に示すように、2つの分割部材片を相互に結合することで構成される。外導体9Cは、2つの分割部材片によって構成され、これらの分割部材片は、Y方向に沿った一辺が蝶番17によって連結されている。誘電性構造体10Fは、2つの分割部材片によって構成されており、それぞれが外導体9Cの分割部材片に被覆されている。
ノイズフィルタ部8Fにおける2つの分割部材片を、蝶番17によって軸回りに開いた状態が、図24に示す開状態である。図25に示すように、ノイズフィルタ部8Fにおける2つの分割部材片は、伝送ケーブル4を挟んだ状態で蝶番17によって軸回りに閉じることで、2つの分割部材片が相互に結合する。このように、ノイズフィルタ部8Fは、伝送ケーブル4に容易に取り付けることができる。また、この状態からノイズフィルタ部8Fにおける2つの分割部材片を蝶番17によって軸回りに開くことで、ノイズフィルタ部8Fを伝送ケーブル4から容易に取り外すことができる。
これまで2つの分割部材片によって構成されるノイズフィルタ部8Fを示したが、ノイズフィルタ部8Fは、3つ以上の分割部材片によって構成されてもよい。さらに、ノイズフィルタ部8Fは、四角柱形状に限定されるものではなく、円柱形状であってもよいし、三角柱形状または五角以上の多角柱形状であってもよい。
以上のように、実施の形態7におけるノイズフィルタ部8Fは、複数の分割部材片を相互に結合することによって構成される。これにより、実施の形態7に係るノイズフィルタは、伝送ケーブル4に容易に着脱することができる。
実施の形態8.
図26は、実施の形態8に係るノイズフィルタにおけるノイズフィルタ部8Gを示す斜視図である。図27は、実施の形態8に係る電子機器1のY−Z面に沿った断面を示す断面図である。ノイズフィルタ部8Gは、図26に示すように、外導体9、誘電性構造体10および鍔部18を備える。外導体9は、導電性材料によって構成されており、外導体9の短絡端8a側には、鍔部18が一体に形成されている。誘電性構造体10は、高誘電率の材料により構成されている。高誘電率の材料は、ノイズを抑制する電磁波の周波数帯域において比誘電率が比透磁率よりも高い材料であり、例えば、セラミックまたは高誘電率プラスチック材料である。
鍔部18は、外導体9を筐体1aに支持する導電性の支持部材であり、図26に示すように、鍔部18には、ねじ穴18aが形成されている。ノイズフィルタ部8Gは、鍔部18に形成されたねじ穴18aに通したねじ19によって電子機器1の筐体1aに固定される。この状態で、外導体9は、鍔部18を介して筐体1aに電気的に短絡されている。なお、ノイズフィルタ部8Gは、四角柱形状に限定されるものではなく、円柱形状であってもよいし、三角柱形状または五角以上の多角柱形状であってもよい。
以上のように、実施の形態8におけるノイズフィルタ部8Gは、外導体9を筐体1aに支持する導電性の鍔部18を備える。外導体9は、鍔部18を介して筐体1aに電気的に短絡されている。これにより、実施の形態8に係るノイズフィルタは、筐体1aに容易に着脱することが可能である。
実施の形態9.
図28は、実施の形態9に係るノイズフィルタにおけるノイズフィルタ部8Hを示す斜視図である。図29は、実施の形態9に係る電子機器1のY−Z面に沿った断面を示す断面図である。ノイズフィルタ部8Hは、図28に示すように、外導体9、誘電性構造体10および導電性テープ20を備える。外導体9は、導電性材料によって構成され、誘電性構造体10は、高誘電率材料により構成されている。高誘電率材料は、ノイズを抑制する電磁波の周波数帯域において比誘電率が比透磁率よりも高い材料であり、例えば、セラミックまたは高誘電率プラスチック材料である。
導電性テープ20は、外導体9を電子機器1の筐体1aに接着する導電性のテープ部材である。ノイズフィルタ部8Hは、図28および図29に示すように、導電性テープ20によって筐体1aに固定される。この状態で、外導体9は、導電性テープ20を介して筐体1aに電気的に短絡されている。なお、ノイズフィルタ部8Hは、四角柱形状に限定されるものではなく、円柱形状であってもよいし、三角柱形状または五角以上の多角柱形状であってもよい。
以上のように、実施の形態9におけるノイズフィルタ部8Hは、外導体9を筐体1aに接着する導電性テープ20を備える。外導体9は、導電性テープ20を介して筐体1aに電気的に短絡されている。これにより、実施の形態9に係るノイズフィルタは、筐体1aに容易に着脱することが可能である。
実施の形態10.
図30は、実施の形態10に係るノイズフィルタにおけるノイズフィルタ部8Iを示す斜視図である。図31は、実施の形態10に係る電子機器1のY−Z面に沿った断面を示す断面図である。ノイズフィルタ部8Iは、図30に示すように、外導体9、誘電性構造体10および係合爪21を備える。外導体9は、導電性材料によって構成され、誘電性構造体10は、高誘電率材料により構成されている。高誘電率材料は、ノイズを抑制する電磁波の周波数帯域において比誘電率が比透磁率よりも高い材料であり、例えば、セラミックまたは高誘電率プラスチック材料である。
係合爪21は、外導体9を筐体1aに係合固定する導電性の係合爪である。係合爪21は、外導体9の短絡端8a側の外周に一体に設けられる。ノイズフィルタ部8Iは、図31に示すように、係合爪21によって筐体1aに係合固定される。この状態で、外導体9は、係合爪21を介して筐体1aに電気的に短絡されている。なお、ノイズフィルタ部8Iは、四角柱形状に限定されるものではなく、円柱形状であってもよいし、三角柱形状または五角以上の多角柱形状であってもよい。
以上のように、実施の形態10におけるノイズフィルタ部8Iは、外導体9を筐体1aに係合固定する導電性の係合爪21を備える。係合爪21は、外導体9の短絡端に設けられ、外導体9は、係合爪21を介して筐体1aに電気的に短絡されている。これにより、実施の形態10に係るノイズフィルタは、筐体1aに容易に着脱することが可能である。
なお、実施の形態1から実施の形態10までにおいて、1本の伝送ケーブル4に1つのノイズフィルタ部を設けた構成を示したが、電子機器1から複数の伝送ケーブル4が引き出されている場合、これらのそれぞれにノイズフィルタ部を設けた構成であってもよい。この場合、実施の形態1から実施の形態10までに示したノイズフィルタ部のいずれかが伝送ケーブル4に取り付けられてもよいし、実施の形態1から実施の形態10までに示したノイズフィルタ部のうち、2つ以上の実施の形態で示したノイズフィルタ部が伝送ケーブル4に取り付けられてもよい。
なお、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内において、実施の形態のそれぞれの自由な組み合わせまたは実施の形態のそれぞれの任意の構成要素の変形もしくは実施の形態のそれぞれにおいて任意の構成要素の省略が可能である。
本発明に係るノイズフィルタは、例えば車載機器における電磁ノイズの抑制に利用可能である。
1 電子機器、1a 筐体、2 基板、3 開口部、4 伝送ケーブル、5 芯線、6 被膜、7 コネクタ、8,8A〜8I ノイズフィルタ部、8a 短絡端、8b 開放端、9(1),9(2),10(1),10(2) 箇所、9,9A〜9C 外導体、10,10A〜10F 誘電性構造体、10(3),10(4) 誘電体、10E(1),10E(2) ブロック群、11 ノイズ源、12 電圧源、13,15 負荷インピーダンス、14 ノイズ漏洩先、16 アース、17 蝶番、18 鍔部、18a ねじ穴、19 ねじ、20 導電性テープ、21 係合爪。

Claims (12)

  1. 導電性の筐体の内部に基板が配置された電子機器に設けられ、前記基板から前記筐体を貫通して外部に引き出された伝送線路に取り付けられるノイズフィルタであって、
    前記基板から延びた前記伝送線路の長手方向に沿って前記伝送線路の外周面を被覆する誘電性構造体と、
    前記誘電性構造体の外周面を被覆する外導体と、
    を備え、
    前記外導体によって前記誘電性構造体が被覆された構造体であるノイズフィルタ部は、前記筐体に電気的に短絡された短絡端と、前記短絡端とは反対側が開放された開放端とを有した4分の1波長共振器であること
    を特徴とするノイズフィルタ。
  2. 前記ノイズフィルタ部は、前記伝送線路の長手方向に沿って特性インピーダンスおよび電気長が異なる複数の4分の1波長共振器を有すること
    を特徴とする請求項1記載のノイズフィルタ。
  3. 前記ノイズフィルタ部は、前記伝送線路の長手方向に沿った複数の箇所で厚みが異なる前記誘電性構造体を有すること
    を特徴とする請求項2記載のノイズフィルタ。
  4. 前記ノイズフィルタ部は、前記伝送線路の長手方向に沿った複数の箇所で開口断面積が異なる前記外導体を有すること
    を特徴とする請求項2記載のノイズフィルタ。
  5. 前記ノイズフィルタ部は、前記伝送線路の長手方向に沿った複数の箇所で誘電率が異なる前記誘電性構造体を有すること
    を特徴とする請求項2記載のノイズフィルタ。
  6. 前記ノイズフィルタ部は、前記外導体から取り出し可能な前記誘電性構造体を有すること
    を特徴とする請求項1記載のノイズフィルタ。
  7. 前記ノイズフィルタ部は、前記外導体から部分的に取り出し可能な前記誘電性構造体を有すること
    を特徴とする請求項6記載のノイズフィルタ。
  8. 前記ノイズフィルタ部は、複数の分割部材片を相互に結合することで構成されること
    を特徴とする請求項1記載のノイズフィルタ。
  9. 前記外導体を前記筐体に支持する導電性の支持部材を備え、
    前記外導体は、前記支持部材を介して前記筐体に電気的に短絡されていること
    を特徴とする請求項1記載のノイズフィルタ。
  10. 前記外導体を前記筐体に接着する導電性のテープ部材を備え、
    前記外導体は、前記テープ部材を介して前記筐体に電気的に短絡されていること
    を特徴とする請求項1記載のノイズフィルタ。
  11. 前記外導体を前記筐体に係合固定する導電性の係合爪を備え、
    前記外導体は、前記係合爪を介して前記筐体に電気的に短絡されていること
    を特徴とする請求項1記載のノイズフィルタ。
  12. 導電性の筐体と、
    前記筐体の内部に配置された基板と、
    前記基板から前記筐体の開口部を介して引き出される伝送線路と、
    前記伝送線路に取り付けられるノイズフィルタと、
    を備え、
    前記ノイズフィルタは、
    前記基板から延びた前記伝送線路の長手方向に沿って前記伝送線路の外周面を被覆する誘電性構造体と、
    前記誘電性構造体の外周面を被覆する外導体と、
    を備え、
    前記外導体によって前記誘電性構造体が被覆された構造体であるノイズフィルタ部は、前記筐体に電気的に短絡された短絡端と、前記短絡端とは反対側が開放された開放端とを有した4分の1波長共振器であること
    を特徴とする電子機器。
JP2020516483A 2019-11-14 2019-11-14 ノイズフィルタおよび電子機器 Pending JPWO2021095201A1 (ja)

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
PCT/JP2019/044693 WO2021095201A1 (ja) 2019-11-14 2019-11-14 ノイズフィルタおよび電子機器

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPWO2021095201A1 true JPWO2021095201A1 (ja) 2021-11-25

Family

ID=75911529

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2020516483A Pending JPWO2021095201A1 (ja) 2019-11-14 2019-11-14 ノイズフィルタおよび電子機器

Country Status (2)

Country Link
JP (1) JPWO2021095201A1 (ja)
WO (1) WO2021095201A1 (ja)

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0537173A (ja) * 1991-07-31 1993-02-12 Canon Inc 電子機器の電磁波防止構造
JPH09321482A (ja) * 1996-05-28 1997-12-12 Uro Denshi Kogyo Kk ライン放射防止素子
JPH11238990A (ja) * 1998-02-19 1999-08-31 Murata Mfg Co Ltd 放射ノイズ抑制部品
JP2002094281A (ja) * 2000-09-11 2002-03-29 Kitagawa Ind Co Ltd シールド構造
JP2011003982A (ja) * 2009-06-16 2011-01-06 Mitsubishi Electric Corp ケーブル用ノイズフィルタ
JP2014225523A (ja) * 2013-05-15 2014-12-04 矢崎総業株式会社 ノイズカット部材

Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0537173A (ja) * 1991-07-31 1993-02-12 Canon Inc 電子機器の電磁波防止構造
JPH09321482A (ja) * 1996-05-28 1997-12-12 Uro Denshi Kogyo Kk ライン放射防止素子
JPH11238990A (ja) * 1998-02-19 1999-08-31 Murata Mfg Co Ltd 放射ノイズ抑制部品
JP2002094281A (ja) * 2000-09-11 2002-03-29 Kitagawa Ind Co Ltd シールド構造
JP2011003982A (ja) * 2009-06-16 2011-01-06 Mitsubishi Electric Corp ケーブル用ノイズフィルタ
JP2014225523A (ja) * 2013-05-15 2014-12-04 矢崎総業株式会社 ノイズカット部材

Also Published As

Publication number Publication date
WO2021095201A1 (ja) 2021-05-20

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US10128556B2 (en) Transition between a SIW and a waveguide interface
US20080158840A1 (en) DC power plane structure
US10374572B2 (en) Radiofrequency filter with improved attenuation of common mode signals
JP6723076B2 (ja) フィルタ
WO2016186136A1 (ja) 同軸マイクロストリップ線路変換回路
JP3929197B2 (ja) 高周波回路素子
JPH09321482A (ja) ライン放射防止素子
JP5457931B2 (ja) 非導波管線路−導波管変換器及び非導波管線路−導波管変換器を用いた通信用装置
US7180392B2 (en) Coaxial DC block
US4939315A (en) Shielded audio cable for high fidelity signals
WO2021095201A1 (ja) ノイズフィルタおよび電子機器
US10033075B2 (en) Cross coupled band-pass filter
JP4262192B2 (ja) 非導波管線路−導波管変換器
JP2018182422A (ja) 基板集積導波管
JP6144456B2 (ja) 高周波モジュール
JP2010213199A (ja) 高周波モジュール
WO2020121815A1 (ja) 高周波モジュール
JP4572819B2 (ja) 誘電体共振器および誘電体フィルタ
JP4712622B2 (ja) 先端短絡(λ/4)同軸避雷器
Yoneda et al. A GHz-band gasket-free electromagnetic shielding structure with built-in cascaded SIW resonators
Chuang et al. A new common-mode EMI suppression technique for GHz differential signals crossing slotted reference planes
JP7336390B2 (ja) 電磁干渉抑制体の評価方法及び評価装置
WO2022215713A1 (ja) アンテナ装置
JP7227662B1 (ja) 電磁気妨害低減装置及び電気回路の設計方法
US10777942B2 (en) Signal transmission cable

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20200318

A871 Explanation of circumstances concerning accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A871

Effective date: 20200318

A975 Report on accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971005

Effective date: 20200403

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20200707

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20210105