JP2010213199A - 高周波モジュール - Google Patents

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慎一 江口
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Abstract

【課題】 コネクタを介してパッケージ外部に漏洩する高調波信号を、より効果的に抑制することを目的とする。
【解決手段】 高周波回路とコネクタとの接続部分において、前段空洞共振器と、前段空洞共振器と異なる径を有した後段空洞共振器と、前段空洞共振器及び後段空洞共振器の間を連通する結合孔とを有して、内導体とともに同軸線を構成するパッケージを備えることにより、コネクタを介した高周波信号の漏洩を、広帯域に抑制することができる。
【選択図】 図1

Description

この発明は、不要な高調波信号がパッケージの外部へ漏洩することを抑制する、高周波モジュールに関するものである。
マイクロ波信号を増幅するマイクロ波増幅器をパッケージの内部に収容し、パッケージ外部から入力されるマイクロ波信号を増幅して、パッケージ外部に出力する高周波モジュールが利用されている。マイクロ波増幅器は、一般的に、増幅処理対象となる基本波以外にも高調波を発生する。このため、マイクロ波増幅器の周辺回路間を接続するには、不要な高調波のみを抑制するフィルター回路が用いられる。
従来、マイクロ波増幅器の出力端子に、基本波に対してオープン、基本波の2倍波に対してショートとなるスタブを接続した高調波抑圧回路が知られている(例えば、特許文献1参照)。
また、マイクロ波増幅器の出力側に、高調波に共振する結合線路を設けて、高調波を反射させる高調波抑圧回路が知られている(例えば、特許文献2参照)。
特開2001−53510号公報 特開平8−139535号公報
従来の高周波モジュールでは、増幅器を金属筐体内に設置した場合、高調波の一部が筐体空間内に放射されて導波管モードで伝播し、コネクタを介して筐体外部に漏洩するので、マイクロ波増幅器を実装する基板上に高調波抑圧回路を設けるだけでは、高調波信号の抑圧が不十分となるという問題があった。
この問題に対する解決策として、出願人は、コネクタ内に中空の空洞共振器を1つ設け、コネクタを介した高調波漏洩を抑制する高周波モジュールを提案している(特願2008−95154)。
しかしながら、この空洞共振器は狭帯域であるために、加工精度のマージンが小さくなるという問題がある。また、この空洞共振器は、空洞内における導波管モードでの電磁波による共鳴を利用した干渉原理により、不要な高調波信号を抑制するものであるが、半径λ/4の空洞共振器を設計しても、期待する周波数で共振しない場合が生じることが判明した。
この発明は、係る課題を解決するためになされたものであり、コネクタを介してパッケージ外部に漏洩する高調波信号を、より効果的に抑制することを目的とする。
この発明による高周波モジュールは、高周波信号を増幅する回路基板を収容する内部空間と、当該内部空間に連通し導体に囲まれた前段空洞共振器と、当該前段空洞共振器と異なる径を有し導体に囲まれた後段空洞共振器と、当該前段空洞共振器及び後段空洞共振器の間を連通し導体に囲まれた結合孔とを有したパッケージと、上記パッケージの外側に取り付けられ、上記後段空洞共振器と連通する外導体と、当該外導体の内側に配置された内導体とを有したコネクタと、を備え、
上記内導体は、一端部が上記回路基板に接続されるとともに、当該一端部と上記コネクタとの間で、上記前段空洞共振器、結合孔及び後段空洞共振器の内部を貫通するように配置され、同軸線を構成するものである。
この発明によれば、コネクタを介した高周波信号の漏洩を、広帯域に抑制することができる。
この発明の実施の形態1による高周波モジュールの構成を示す図である。 この発明の実施の形態1による高周波モジュールについて、パッケージとコネクタとの接続部分周辺の内部構造を示す断面図である。 この発明の実施の形態1による高周波モジュールについて、パッケージとコネクタとの接続部分周辺の構造を示す側面図である。 比較例となる単一空洞共振器の構成を示すモデル図であり、(a)は斜視図、(b)は側断面図である。 比較例となる単一空洞共振器のSパラメータを示す図である。 空洞共振器の厚みによるS(1,1)の変化を示す図である。 空洞共振器の厚みによるSパラメータの変化を示す図である。 空洞共振器による経路差と共振周波数との関係を示す図である。 結合線路の物理長と基本波のSパラメータの関係を示す図である。 2つの空洞共振器を持つフィルタ回路の周波数特性を示す図である。 2つの空洞共振器を持つ回路の概念図である。 この発明の実施の形態1によるフィルタ回路の回路パラメータの一実施例を示す図表である。
実施の形態1.
以下、図を用いてこの発明に係る実施の形態1による高周波モジュールについて説明する。図1は実施の形態1による高周波モジュールの構成を示す図、図2は実施の形態1による高周波モジュールについてパッケージとコネクタとの接続部分周辺の内部構造を示す断面図、図3は実施の形態1による高周波モジュールについてパッケージとコネクタとの接続部分周辺の構造を示す側面図である。
図1において、高周波モジュール1は、パッケージ2と、パッケージ2の上部に取り付けられたカバー3と、パッケージ2の側面に一端部が取り付けられたコネクタ4とを備えて構成される。高周波モジュール1は、入力用または出力用のコネクタ4を通じて、マイクロ波またはミリ波帯等の高周波信号が入力または出力される。コネクタ4は、50Ωの同軸線を構成する内導体9と外導体40を備えて構成され、規格化されたコネクタを構成する。パッケージ2は導電性金属により被覆されたセラミックのような絶縁基材や金属材で構成され、上部が開口して底面との間に内部空間5が形成されるとともに、内壁面が導電性の金属皮膜で覆われており、導電面を形成する。パッケージ2の内部空間5には、マイクロ波増幅器やMMIC(モノリシックマイクロ波集積回路)などのマイクロ波やミリ波帯等の高周波信号を処理する高周波回路が収容され、その周囲はパッケージ2の内壁面によって構成される導電面で覆われている。カバー3は、導電性金属により被覆されたセラミックや樹脂などの絶縁基材や金属材で構成され、パッケージ2の上部に取り付けられて、内部空間5の開口を覆う。
図2、3において、パッケージ2の底面には、増幅器6と、高調波抑圧回路7とが載置されている。増幅器6及び高調波抑圧回路7は、高周波回路を構成する。増幅器6の信号出力端子は、導電性部材を構成する金リボン8を介して、高調波抑圧回路7の信号入力端子に接続される。高調波抑圧回路7の信号出力端子は内導体9の一端部に接続されている。パッケージ2の側面には、内導体9がコネクタ4の軸方向で外導体41を貫通する金属導体からなる側面壁16が設けられている。内導体9の他端は、コネクタ4の他端面周辺で、コネクタ4の外導体40の内周面に接しないように、コネクタ4の内部の空間に配置されている。
側面壁16は、内部空間5に連通した管状(空洞が円筒形状)の外導体を有したエアー同軸15と、エアー同軸15に連通する円筒形状の空洞を形成する前段空洞共振器10と、前段空洞共振器10に連通した管状(空洞が円筒形状)の外導体(結合孔)を有した結合線12と、結合線12に連通する円筒形状の空洞を形成する後段空洞共振器11と、後段空洞共振器11に連通した管状(空洞が円筒形状)のコネクタ孔17が設けられており、何れもコネクタ4の軸に対して同軸となるように配置されている。コネクタ孔17はコネクタ4の内部を貫いて設けられており、外導体40の内周面を形成する。前段空洞共振器6、結合線12及び後段空洞共振器11は、フィルタ回路を構成する。また、外導体41は、エアー同軸15、前段空洞共振器10、結合線12、及び後段空洞共振器11の各外導体を構成する。
エアー同軸15、前段空洞共振器10、後段空洞共振器11、及びコネクタ孔17は、内部に空間を有しており、その内部空間には空気が充填されている。エアー同軸15の外導体は、内導体9とともに50Ωの同軸線路を構成する。前段空洞共振器10及び後段空洞共振器11は、エアー同軸15よりもコネクタ4の軸に直交する方向の径が大きく、空洞共振器を構成する。前段空洞共振器10と後段空洞共振器11は、コネクタ4の軸に直交する方向の径が異なる大きさとなっている。前段空洞共振器10及び後段空洞共振器11を内包する導体壁部分がそれぞれ外導体として作用し、内導体9とともに同軸線路を構成する。結合線12は、エアー同軸15よりもコネクタ4の軸に直交する方向の径が小さく細い。結合線12の外導体は、内導体9とともに同軸線路を構成する。結合線12における結合孔の内部の空間には、フッ素樹脂(例えば、ポリテトラフルオロエチレン)を素材としてなるパイプ型のフッ素樹脂管18が充填されている。フッ素樹脂管18の外周面は、結合線12の一端部側における結合孔の内周面に密着しており、フッ素樹脂管18の内周面に密着して結合線12が貫通している。コネクタ孔17は、コネクタ4の軸に直交する方向の径がエアー同軸15と同程度の大きさになっている。コネクタ孔17における、一端部と他端部の間の一部の内部の空間には、パイプ型のビーズ13が充填されている。コネクタ孔17の内周面には、ビーズ13の外周面が密着し、ビーズ13の内周面には内導体9の他端部側の外周が密着している。すなわち、内導体9は、フッ素樹脂管18とビーズ13による両持ち構造で機械的に支持されている。なお、エアー同軸15について、内導体9と外導体との間にフッ素樹脂(例えば、ポリテトラフルオロエチレン)を素材としてなるパイプ型のフッ素樹脂管を充填しても良く、この場合は、内導体9が、フッ素樹脂管18とビーズ13とエアー同軸15に充填されたフッ素樹脂管によって機械的に支持されることとなる。
次に、実施の形態1による高周波モジュールの動作について説明する。
増幅器6にて増幅処理されたマイクロ波またはミリ波帯等の高周波出力信号は、増幅器6の信号出力端子から高調波抑圧回路7の信号入力端子に出力される。増幅器6は基本波とともに高調波成分を発生する。高調波抑圧回路7は、金リボン8を介して増幅器6から入力された高周波出力信号について、高調波成分を除去し、基本波のみをエアー同軸15に伝達する。エアー同軸15に伝達された高調波成分の除去された高周波信号は、コネクタ4を介しパッケージ2の外へ出力され、コネクタ4に接続される外部コネクタを介して外部装置に入力される。
このとき、増幅器6から発生した高調波の一部は、パッケージ2の内部空間5に放射されて導波管モードで伝播される、もしくはパッケージ2を構成する誘電体の内部に漏洩して導波管モードで伝播する。このパッケージ2の内部を導波管モードで伝播した高調波は、高調波抑圧回路7と内導体9との接続部に結合し、エアー同軸15を介してコネクタ4の外部に向かって出力される。
しかし、実施の形態1による高周波モジュールでは、エアー同軸15を通過した高周波信号のうち、基本波のみが前段空洞共振器6及び後段空洞共振器11を通過し、高調波はパッケージ2の内部へ向かって前段空洞共振器6及び後段空洞共振器11にて反射する。前段空洞共振器6及び後段空洞共振器11を通過した基本波は、コネクタ4を介してパッケージ2の外部へ出力される。このため不要な高調波がコネクタ4を介してパッケージ4の外部に漏洩するのを抑制することができる。
次に、実施の形態1による高周波モジュールのフィルタ回路の動作原理を説明する。
まず、比較例として、単一の空洞共振器を含むフィルタ回路の振る舞いについて説明する。図4は比較例となる単一空洞共振器の構成を示すモデル図であり、(a)は斜視図、(b)は側断面図である。図に示す空洞共振器30は、同軸線の内導体と外導体の経路差を用いた干渉フィルタである。実施の形態1による前段空洞共振器10及び後段空洞共振器11は、それぞれ図4に示す空洞共振器と同じ原理で動作する干渉フィルタである。また、図5は比較例となる単一空洞共振器のSパラメータを示す図である。
図4のモデル図で仮定する空洞共振器30は、半径rの同軸線31と、その対称軸を共有する厚さt、半径Rの円筒形の空洞により構成される。従って、内導体を伝わる信号(図4(b)実線矢印A)と、外導体を伝わる信号(図4(a)破線矢印B)の経路差ΔLは、次式(1)で与えられる。
Figure 2010213199
この経路差によって、内導体である同軸線31と外導体である空洞共振器30を伝わる信号の位相が180°ずれた場合にのみ、信号は相殺され通過することができない。従って、この回路によって遮断される共振周波数は次式(2)のように表すことができる。
Figure 2010213199
ここで、cは信号の伝播速度、Nは0以上の整数である。φは定数であり、共振器の物理的構造による位相の回転を表すパラメータである。
電磁界シュミレーションを用いて、この回路のSパラメータを計算すると、図5に示すような周波数特性を得る。同図において、透過率を示すS(2、1)の極小点が信号を遮断する共振周波数であり、式2で求めた通り、周波数空間上に等間隔で並ぶ共振点が見られる。
次に、空洞共振器に付与するパラメータ値について例示する。図6は図4で説明した空洞共振器30の厚みによるSパラメータの変化を示す図、図7は空洞共振器30の厚みと基本波の関係によるを示す図、図8は空洞共振器30による経路差と共振周波数との関係を示す図である。図において、空洞共振器30の周波数特性は、上式(2)に示される通り、空洞共振器30の半径Rと、50Ωの同軸線の半径rに依存する。また、空洞共振器30の厚みtも、共振の鋭さを決める重要なパラメータであり、周波数特性に影響を与える。ここで、初めに、厚みtの制約を明確化する。
図6は空洞共振器30の厚みを変化させたときの、S(1、1)の変化を示している。この共振器では、基本波を10GHz、空洞共振器30により遮断すべき2倍の高調波を20GHzとしている。厚みtを薄くするに従い、基本波における反射係数が小さくなっていくことが分かる(図中、lamb=波長λ、thickness=厚みt)。また、厚みtとS(1、1)、S(2、1)の関係をまとめたのが図7である。厚みtが小さいほど共振が鋭くなるため、基本波に対しては良好な伝送特性を得ることができる。一方、高調波の遮断を考慮した場合、共振が鋭いことは、フィルターとして狭帯域であることを意味するため、基本波の伝送特性とフィルター特性のトレードオフによって厚みを決定する必要がある。例えば、基本波の伝送特性をS(1、1)<−10dB、S(2、1)>−0.1dBとしたい場合、基本波の波長λに対して、空洞共振器30の厚みは次式(3)に示す程度であれば良い。
Figure 2010213199
空洞共振器30の半径はフィルタ回路の周波数特性を決定する。ここで、図4に示すモデル構成で電磁界シミュレーションを行うことによって、ジオメトリに依存する定数である、上式(2)のφを求める。
図8は空洞共振器の経路差と、遮断周波数となるべき共振周波数の関係を表したものである。プロットされている3つのデータ系列は、式2におけるN=0、N=1、N=2の共振点をそれぞれ表している。これらの解析結果から、空洞共振器のジオメトリによって生じる位相回転は、次式(4)で求められる。
Figure 2010213199
次に、共振周波数の異なる2つの空洞共振器を接続する、結合線12の構造を説明する。図9は、結合線路の物理長と基本波のSパラメータの関係を示す図である。結合線12を設置する目的は、2つの空洞共振器を分離することと、空洞共振器間のインピーダンスマッチングにある。通常、インピーダンスの異なる回路を接続する際には、信号波長のλ/4の長さを持つインピーダンス整合回路で回路間を接続する。これが回路の小型化を制限している場合が多い。
マイクロストリップラインの回路においては、伝送路の電気長を物理長よりも長くするために、ラインの両端にキャパシタを実装したπ型のインピーダンス変換回路が用いられる。実施の形態1ではこれを応用し、2つの空洞共振器を接続する同軸の結合線12においてπ型のインピーダンス変換回路を構成し、結合線12の浮遊容量を大きくすることで、結合線12の同軸線としての線路長の短縮化を実現する。具体的には、外導体となる結合孔の半径を小さくし(例えば0.2mmとする)、内部には比誘電率2.1のフッ素樹脂管12を充填している。この結果、結合線自身の特性インピーダンスは小さくなるが、λ/4より短い物理長(電気長)で空洞共振器を接続することが可能となる。なお、エアー同軸15について内導体9と外導体との間にフッ素樹脂管を充填した場合には、同様にして、エアー同軸自身の特性インピーダンスが小さくなり、λ/4より短い物理長(電気長)で空洞共振器とパッケージ2の内部空間5との間を接続することが可能となる。
ここで、結合線12の物理長は、解析的に求めるのが困難であるため、電磁界シミュレーションを用いて最適化した例を、図9を用いて説明する。基本波10GHz、遮断する高調波を20GHzと仮定し、両端に半径6.2mmおよび半径5.6mmの空洞共振器をそれぞれ接続し、結合線の線路長を変化させて、基本波のSパラメータの変化を調べた。
図9に示した結合線路の長さとSパラメータの関係から、信号波長(ここではフッ素樹脂による波長短縮を考慮している)に対して、結合線路の長さlを、次式(5)に示すように与えたときに、最も良い伝送特性が得られることがわかる。
Figure 2010213199
次に、実施の形態1の実施例として、2つの空洞共振器を含むフィルタ回路の振る舞いを述べる。図10は、2つの空洞共振器を持つフィルタ回路の周波数特性を示す図であり、図11は、2つの空洞共振器を持つ回路の概念図である。
以上に説明した、上式(1)〜式(5)で与えられる制約を満たして、基本波10GHz、2倍高調波20GHzをそれぞれ通過、反射するフィルタ回路を設計すると、図10のような周波数特性を得ることができる。この発明の実施の形態1によるフィルタ回路の回路パラメータの一実施例を、図12の表に示す。
このフィルタ回路では、基本波での通過特性(S(2、1)>−0.03dB)を維持しつつ、2倍高調波に対しては、20GHzを中心に、FWHMで3GHzに及ぶ広い帯域において、透過率−15dB以下を達成している。なお、前段空洞共振器6または後段空洞共振器11の何れか一方の外導体と、内導体9との信号経路差が、コネクタ4を通過する基本波の概略4分の1波長となるように構成しても良い。
この回路特性について、更に具体的に説明する。
空洞共振器の厚み(信号の進行方向の長さ)を上式(3)で求めたλ/64とした場合、フィルタ回路の周波数特性は上式(2)に示す共振周波数から、±1GHzの周波数で、−8dBの遮断特性を持つ。
このように、実施の形態1では直径の異なる空洞共振器を2つ設け、共振周波数の異なるフィルタ回路を2段直列に接続することで、遮断特性を広帯域化することができる。
また、フィルタ回路の目標遮断性能を−15dB以下と設定した場合、2つの共振ピーク間の谷間において、十分なフィルタ特性を維持し、なおかつ最も広い帯域を実現するには、2つの共振器の共振周波数を、中心周波数に対して±1GHzずつずらして設計すれば良い。この場合、ピーク間の谷間で−16dBとなるから、所望の目標性能は達成されることとなる。
例えば、フィルタ回路の中心周波数を20GHzとした場合、これを構成する2つの空洞共振器は、それぞれ19GHz、21GHzで共振すればよい。これらの持つべき半径は上式(2)に従って、以下のように計算される。
Figure 2010213199
ここで、c=光速、R_L, R_Hはそれぞれ前段空洞共振器10,後段空洞共振器11の半径、rはエアー同軸の半径、φはジオメトリの決める定数(84°)である。この実施例の場合、エアー同軸が0.35mm、結合線12が0.2mmなので、平均を取って0.275mmとする。これを解くと、R_H=5.6mm、R_L=6.2mmが得られる。
以上説明した通り、この実施の形態1による高周波モジュールは、高周波信号を増幅する回路基板を収容する内部空間と、当該内部空間に連通し導体に囲まれた前段空洞共振器と、当該前段空洞共振器と異なる径を有し導体に囲まれた後段空洞共振器と、当該前段空洞共振器及び後段空洞共振器の間を連通し導体に囲まれた結合孔とを有したパッケージと、上記パッケージの外側に取り付けられ、上記後段空洞共振器と連通する外導体と、当該外導体の内側に配置された内導体とを有したコネクタと、を備え、上記内導体は、一端部が回路基板に接続されるように、上記パッケージの内部空間に突出するとともに、当該一端部と上記コネクタとの間で、上記前段空洞共振器、結合孔及び後段空洞共振器の内部を貫通するように配置され、同軸線を構成することを特徴としたものである。これにより、コネクタを介した高周波信号の漏洩を、広帯域に抑制することができる。
また、上記前段空洞共振器の外導体または後段空洞共振器の外導体と、上記内導体との信号経路差が、コネクタを通過する基本波の概略4分の1波長となるように構成しても良い。
また、上記結合孔は、上記前段空洞共振器及び後段空洞共振器よりも小さい径を有し、内部に誘電体が充填され、上記内導体とともに構成する同軸線の電気長が、基本波の4分の1波長よりも短くしても良い。これにより、結合線の長さを短く構成できるので、高周波モジュールをより小型化することが可能となる。
なお、側面壁16の周辺部をパッケージ2から分離して別構造としても良く、更にコネクタ4と側面壁16の周辺部とを一体構造としてフィルタ内蔵型のコネクタとしても良い。この場合、上記したコネクタ4と、エアー同軸15と、前段空洞共振器10と、結合線12と、後段空洞共振器11と、内導体9と、エアー同軸15、前段空洞共振器10、結合線12、及び後段空洞共振器11を覆う外導体41とが一体的に設けられた、フィルタ内蔵型のコネクタ構造を、挿抜可能に構成することができる。
1 高周波モジュール、2 パッケージ、3 カバー、4 コネクタ、5 内部空間、6 増幅器、7 高周波抑圧回路、8 金リボン、9 内導体、10 前段空洞共振器、11 後段空洞共振器、12 結合線、15 エアー同軸、16 側面壁、17 コネクタ、18 フッ素樹脂管。

Claims (3)

  1. 高周波信号を増幅する回路基板を収容する内部空間と、当該内部空間に連通し導体に囲まれた前段空洞共振器と、当該前段空洞共振器と異なる径を有し導体に囲まれた後段空洞共振器と、当該前段空洞共振器及び後段空洞共振器の間を連通し導体に囲まれた結合孔とを有したパッケージと、
    上記パッケージの外側に取り付けられ、上記後段空洞共振器と連通する外導体と、当該外導体の内側に配置された内導体とを有したコネクタと、
    を備え、
    上記内導体は、一端部が上記回路基板に接続されるとともに、当該一端部と上記コネクタとの間で、上記前段空洞共振器、結合孔及び後段空洞共振器の内部を貫通するように配置され、同軸線を構成することを特徴とする高周波モジュール。
  2. 上記前段空洞共振器の外導体または後段空洞共振器の外導体と、上記内導体との信号経路差が、コネクタを通過する基本波の概略4分の1波長となることを特徴とした請求項1記載の高周波モジュール。
  3. 上記結合孔は、上記前段空洞共振器及び後段空洞共振器よりも小さい径を有し、内部に誘電体が充填され、上記内導体とともに構成する同軸線の電気長が、基本波の4分の1波長よりも短いことを特徴とする請求項1記載の高周波モジュール。
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