JP3832675B2 - 直線動作機構 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電動機の回転動作を往復直線動作に変換する往復直線動作アクチュエータの改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
回転機と変速装置とを備え、該変速装置の出力段にいわゆるラック・ピニオン機構で回転動作を直線動作に変換するように構成された直線動作アクチュエータはよく知られている。図7と図8はその一例を示す正面透視略図及び要部断面図で、電動機1の出力軸に連結された歯車12と、該歯車12と係合する初段歯車16及び該初段歯車6と一体に結合される駆動側歯車17が地板19と軸20により軸支され、該駆動側歯車17に係合する出力段のラック13が電動機の外被ケース14に固着配設された保持部材15で摺動自在に支承され、前記ラック13には保持部材15の外側に位置する部分に突起13−3が形成され、該突起13−3と直線動作機構の外部に設けられるストッパー18とでラック13の動作範囲を規制するように構成されている。
【0003】
図7及び図8に示された従来技術の構成においては、電動機1に連接される変速装置は、回転子歯車12と係合する初段歯車16と該初段歯車16と結合された駆動側歯車17を初め上下対の地板19で軸支されてラック13へ動力を伝達するように構成されているが、外被ケース14,地板19,ラック13の保持部材15が夫々別部材として構成されていることや、ラック13の動作限度位置決めの機能をもたせる突起13−3と外部に設けられるストッパー18が機構的に別体であることにより組立精度の維持には調整作業等を要していた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上述の如き従来の構成は、夫々が別体で構成されていることから、回転動作する歯車と該歯車に係合して直線動作するラックとの係合精度や、直線動作の動作範囲の設定での組立精度確保の調整等改良すべき問題を抱えていた。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明に成る直線動作機構は、固定子と回転子とを有する電動機と、該電動機に連結された歯車若しくは歯車列を有する変速装置と、該変速装置の駆動側歯車と係合するラックを備えた直線動作体と、該直線作動体を直線動作自在に保持する保持部材とが設けられ、該保持部材はカップ形の筺体と、該筺体の解放端を塞ぐ蓋体より成り、前記筺体の胴部に一対の前記直線動作体の貫挿部が設けられ、該貫挿部にはその摺動部底面に対の突起が形成され、該貫挿部に前記直線動作体が貫挿され、該直線作動体のラックの背面に摺動方向に伸長する凹みが所定の長さで形成されるか、若しくは前記ラックの背面に所定の距離で一対の突起を備え、前記ラックの背面に設けられた凹部の終端と前記摺動部底面に形成された突起との当接により直線動作部の動作始点及び動作終点の位置決め機構となるように構成され、かつ前記カップ形の筺体と蓋体とにより前記変速装置の歯車列を軸支するように構成されている。
【0006】
上述の如き構成においては、回転動作とこれに連動する直線動作だけでなく、往復動作の動作範囲に関係する部分までもが一体的に構成されているので、組立時の作業容易化と共に動作時の精度維持及び信頼性の向上を実現することが出来る。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下図面によって本発明の実施例を説明する。図1は本発明に成る第1の実施例の正面透視略図で、図2は図1の例の要部断面図である。図1及び2において1は駆動用の電動機、2は電動機の歯車、3は直線動作体、3ー1は直線動作体に設けられたラック、3ー2は直線動作体3の背面に所定の長さに設けられた凹部、4は電動機1の外被ケース、5は直線動作体3を直線動作自在に保持する保持部材、5ー1はカップ形の筺体、5ー2は筺体5ー1の解放端を塞ぐ蓋体、5ー3は筺体5ー1の胴部に設けられた一対の前記直線動作体の貫挿部、5ー4は前記貫挿部5ー3の摺動部上面内側に設けられた一対の突起、6は電動機歯車2と係合する初段歯車、7は初段歯車6と一体結合された駆動側歯車である。
直線動作体3を、前記貫挿部5ー3に設けられた突起5ー4に前記ラック3ー1の背面に形成された凹部3ー2を摺動可能に嵌合せしめて貫挿部5ー3に貫挿し、駆動側歯車7を前記ラック3ー1に係合せしめ蓋体2を筺体5ー1の解放端に嵌着して直線動作体3の脱落を防止すると共に、筺体5ー1と蓋体5ー2に設けられた穴5ー5により保持された軸5ー6により歯車7及び6を軸支している。
【0008】
図1及び図2に示した直線動作機構は、電動機1を動作せしめると電動機1の回転が歯車7に伝達され歯車7と係合するラック3ー1との作用で直線動作体3が直線動作し、前記ラック3ー1に設けられた凹部3ー2の終端3ー4が前記貫挿部に設けられた突起5ー4に当接することにより動作始点及び動作終点の位置決め機構となるように構成されている。該例では電動機1に連接する変速装置の構成は簡略化して電動機1に結合した電動機歯車2と該電動機歯車2と係合する初段歯車6とこれと一体の駆動側歯車7のみを図示しているが、中間歯車列の構成が任意であることは言うまでもない。
【0009】
本発明では、図2に示すように電動機1の回転力伝達のための歯車列初段歯車6及び駆動側歯車7を軸支する部分が直線動作体3を保持する保持部材5の筺体5ー1と蓋体5ー2により一体に設けられている。
【0010】
又、駆動用電動機として、変速装置を内装した変速装置付電動機を使用し内装された変速装置の変速比を変更することにより駆動速度を簡単に変更することができる。
【0011】
さらには樹脂等の一体成型手段で、保持部材5の外周に取付機構5−7を一体形成することも取り扱い性や部品統合でのコストメリットの向上のために有効である。
【0012】
【発明の効果】
本発明に成る直線動作機構は上述のように構成されているので、直線動作部の保持部材に結合歯車の軸支部材及び動作範囲の限定部材等が一体に形成されているので、組立等取り扱い性の向上等大きな作用効果をもたらす。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に成る直線動作機構の正面透視略図である。
【図2】図1の例の要部断面図である。
【図3】図1の例の保持部材の正面図である。
【図4】図3の例の保持部材の断面図である。
【図5】図1の例の直線動作体の正面図である。
【図6】図5の例の直線動作体の断面図である。
【図7】従来技術に成る直線動作機構の正面透視略図である。
【図8】図7の例の要部断面図である。
【符号の説明】
1 電動機(変速装置付電動機)
2 回転子歯車
3,13 直線動作体
3−1,13ー2 直線動作体のラック
3−2 直線動作体のラックの凹部
13ー3 直線動作体に設けられた突起
3ー4 ラックの凹部の終端
4,14 電動機の外被ケース
5,15 保持部材
5−1 保持部材を構成する筺体
5−2 保持部材を構成する蓋体
5−3 保持部材の筺体の貫挿部
5−4 貫挿部の突起
5ー5 軸の保持穴
5ー6 歯車軸
5ー7 取付機構
6,16 初段歯車
7,17 駆動側歯車
18 外部に設けられるストッパー
19 地板
20 歯車軸
Claims (3)
- 固定子と回転子を有する電動機と、該電動機に連結され歯車若しくは歯車列を有する変速装置と、該変速装置の歯車若しくは歯車列に連結し駆動側歯車と係合して直線動作する様に構成されるラックを備えた直線動作体より成る出力部とを備え、該出力部を直線動作自在に保持する保持部材が、前記歯車若しくは歯車列の軸支部をも一体的に備える直線動作機構で、前記出力部は、該直線動作体を直線動作自在に保持する保持部材がカップ形の筺体と該筺体の解放端を塞ぐ蓋体より成り、前記筺体の胴部に一対の前記直線動作体の貫挿部が設けられ、該一対の貫挿部の摺動部上面内側に突起を備え、一方前記直線動作体のラックの背面には摺動方向に伸長する凹部が所定の長さで形成され、該凹部が前記突起に摺動可能に嵌合されており、前記直線動作体を動作せしめた時、前記凹部の終端が前記突起に当接することにより動作始点及び動作終点の位置決め機構となるように構成されていること、を特徴とする直線動作機構。
- 前記保持部材が、カップ形の筺体と該筺体の解放端を塞ぐ蓋体より成り、駆動電動機の外被が前記筺体に固着され、かつ、前記駆動側歯車及び電動機と係合する歯車列が前記筺体と蓋体とにより軸支されていると共に、取り付け機構が前記保持部材に一体形成されていること、を特徴とする請求項1に記載の直線動作機構。
- 前記電動機が変速装置を内装した変速装置付き電動機であること、を特徴とする請求項1又は2に記載の直線動作機構。
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Family Applications (1)
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Cited By (1)
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1996
- 1996-04-04 JP JP10646796A patent/JP3832675B2/ja not_active Expired - Fee Related
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