JP3832103B2 - 裏カーボン用複写用紙 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は裏カーボン式複写に用いる複写用紙の改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
裏カーボン複写用紙とは、複写用紙の表面を筆記面とし、裏面に着色カーボンを印刷して、これと被複写用紙とを重ね、表面から筆記もしくは機械的圧により印字した時その圧力を受けた部分の裏面の着色カーボンが剥離し、被複写用紙表面に転移し印字が行われるという原理に基づくものであって、筆記面または印字面と着色カーボン面がそれぞれ同一用紙の裏表に存在するものをいう。
【0003】
複写用紙は通常、数枚重ね合わせて糊付けし、いわゆる枚数伝票として、または連続伝票として使用され、流通過程において配送物品に添付されるなど重要な役割を果たしている。
【0004】
着色カーボンとは「カーボン印刷ハンドブック」(内外カーボンインキ株式会社発行)にも記載されているように、カーボンブラック、紺青、炭酸カルシウムなどの顔料、鉱物油、植物油などの油分、カルナバワックス、モンタンワックス、パラフィンワックスなどのワックス等により構成される。これらの成分、量を選択することにより印刷性、記録性、保存性、耐汚れ性などを考慮したインクが得られる。
【0005】
該複写用紙に要求される特性としては前出の「カーボン印刷ハンドブック」(内外カーボンインキ株式会社発行)に記載されている通り、以下の特性が必要であることが知られている。
(1)複写された印字濃度が高くかつ均一であること。
(2)複写枚数が多く取れること。
(3)カーボンインキが複写紙表面にしみ出さないこと(裏抜けが少ない)。
(4)カーボンインキが表面に透けて見えないこと(裏写りが少ない)。
(5)複写された文字の受理性がよく、複写能力が経時的に変化しにくいこと。
(6)印刷適性、作業適性、加工適性に優れていること。
(7)寸法安定性が良いこと。
【0006】
従来このような適性のある用紙としては高灰分でかつ、シングルワイヤー長網抄紙法で抄紙された紙が使用されてきた。この理由は、この長網抄紙法により得られる用紙は一般に顔料の表裏への分布に差が付きやすく、この特性を複写用紙に応用してきたのである。
【0007】
すなわち、オモテ面は表面に顔料が多量に分布され圧力で転移されたインクの受理性に適し、逆にウラ面は表面に顔料の量が少なく裏カーボン着色層を印刷した時インクが紙層内部にしみ込みにくく効率の良いカーボン着色層が得られるためである。
【0008】
また、この受理性およびカーボン着色層印刷の改良を目的に特公昭57−10836号では表裏に異なる層を設け上記の2面性を更に強調することが提案されている。これは、上記要求特性(1)〜(5)の複写特性に関する性能であって、近年伝票の作成工程が高速化するに従い、上記(6)〜(7)の原紙の走行性、加工適性に関する問題について、原紙に対する要求が一段と厳しくなってきた。
【0009】
多数枚の連続伝票を作成する場合の工程について述べる。オモテ面に印刷、ウラ面にカーボンインクを塗工した後、用紙の両端にマージナルパンチを開け、連続用紙を作成する。次に伝票に必要な数の同様な加工済み連続用紙をコレーターに架けて帳合いし、多数枚連続伝票となる。
【0010】
このコレーター工程において、紙の流れ方向の伸縮が大きかったり、紙の表裏特性差が大きいと各々のマージナルパンチの位置が合わず帳合いができないという重大な問題が生じるが、近年このコレーターの高速化が進み、原紙の物性に起因すると思われる問題が生じている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
したがって本発明は、伝票の作成工程の高速化に対応した機械適性を持った原紙を作成し、かつその際に生じる記録特性の低下を解決せしめた複写用紙を開発することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明者らはこの問題を解決するため原紙の抄造方法から徹底的に検討した結果、従来のシングルワイヤー長網抄紙に原因していることが分かり、ツインワイヤーを採用し、紙の特性を特定範囲に制御することにより解決できることを見出し、
紙の一方の面に顔料および結着剤を主成分とするインク受理層、他方の面に水溶性結着剤を主成分とするバリヤー層を設けた裏カーボン用複写用紙において、
前記紙がツインワイヤー抄紙機により製造された米坪30〜60g/m2のものであり、
前記顔料が焼成カオリン、クレー及び/又は重質炭酸カルシウムであり、
前記結着剤の含有量が前記顔料100部に対して13〜20部であり、
前記インク受理層の塗工量が2〜8g/mであり、
塗布されたインク受理層のブリストー法により測定される粗さ指数Vr(ジブチルフタレート使用、0.1MPa加圧下)が3〜10ml/m2であり、
前記バリヤー層の塗工量が0.5〜2g/mであって、
インク受理層およびバリヤー層を設けた後の透気度が400〜1500秒であることを特徴とする裏カーボン用複写用紙を完成するに至った。
【0013】
すなわち、各々のマージナルパンチの位置が合わなくなるという現象は単に紙の伸縮が大きいことや、巻き取りの巻き硬さだけが原因ではなく、紙の表裏物性差(内添填料、繊維の配向性、繊維長の分布)が関連した複合的な現象であることが判明した。詳細なメカニズムについてはまだ解明されていないが、ツインワイヤー法で抄紙することにより本課題を解決することができることが分かった。
【0014】
本発明者らはツインワイヤーにより得られる原紙の伝票作成時の高速適性に適した優秀な性能を保持し、かつ記録特性の良い複写用紙を得るため更に鋭意検討して本発明をなすに至った。
【0015】
すなわち、ツインワイヤーとすることで顔料や微細繊維の分布がほぼ中央に局在し、オモテ、ウラ面の表面に局在することが無くなったため、紙の表裏差が減少し、カールや寸法安定性で優れる一方、従来のような長網抄紙法で好ましいと見られた表裏差がもたらす複写適性という特性が低下する。
【0016】
インク受理面の受理性に関して検討した結果、従来指標として特公昭57−10836号公報では紙の吸油度、吸油量等の静的な測定法による特性値の提案がなされているが、確かにそれらの値はある一面を表してはいるが加圧(高速印字)により油分、ワックスの一部が溶融しインク受理層に瞬時に吸収されていく過程を分析するとこれらの静的な特性ではとうてい記録特性を推定できないことが分かった。
【0017】
本発明者らは種々のシュミレーションをした結果、ブリストー法(J.TAPPI紙パルプ試験法No.51−87)によりジブチルフタレートを用い、0.1MPaの加圧下で測定される粗さ指数(Vr)がインク受理と非常に密接に関係していることを見い出した。
【0018】
このブリストー法試験において、インクの瞬時の吸収性を評価するため、各種の鉱物油、植物油などを用いてテストしたが、油の粘度のばらつきが大きく、得られるデータにもばらつきが生じ正確に評価できなかった。そこで各種合成物を用いて評価したところ、ジブチルフタレートが好適であることを見出した。ジブチルフタレートの粘度は15.5mPa・s(25℃)であり、アマニ油は26.7mPa・sであった。
【0019】
複写用紙の受理層としては、粗さ指数は3〜10ml/m2であることが重要である。10ml/m2を越えると表面の粗さが大きすぎ、印字がかすれたような状態となり、3ml/m2未満ではインク受理性が極端に低下し印字濃度が低下することが分かった。
【0020】
インク受理面(オモテ面)とは反対面(ウラ面)に着色インクを塗布するが、この際バリヤー層を設けJIS P8117に規定される透気度を400秒以上にすることにより、着色インクの紙層内へのしみこみが無く、塗布量が減少でき更にインク表面の平滑性が上がるため、印字の鮮明性、転写効率、などの印字品質特性が良好となり、しかもインク表面が平滑でかつインク量そのものが少ないことは経済性に有利であるだけでなく、インクのこすれ汚れを低減することが可能となることが分かった。ただし、1500秒を越えると着色インクの塗布適性が低下し必要とする量を塗布しにくくなる。
【0021】
なお、評価する両特性値は、塗工終了後に必要に応じて行われるカレンダー処理等の仕上げ工程を経た後の数値であって、通常は20℃65%RHで調湿後に測定する。以上により、伝票作成時の高速加工適性があり、インクの受理性が良好でかつインク着色層の紙層へのしみこみがない前記(1)〜(7)の性能を満たした理想的な複写用紙が得られる。
【0022】
【発明の実施の形態】
本発明の裏カーボン用複写用紙を製造するために用いられるパルプは、通常の印刷用紙、情報記録紙用原紙などに使用されるパルプであれば特に制限はない。化学パルプ(NBKP、LBKPなど)、機械パルプ(GP、CGP、RGP、TMPなど)、脱墨古紙パルプ(DIP)のいずれでも良く、これらが混合して配合されたものであっても良い。
【0023】
次に本発明のインク受理層、バリヤー層に使用する材料について述べる。インク受理層の塗料には、一般的な製紙用顔料と水溶性バインダーの中から選択使用される。顔料としては炭酸カルシウム、シリカ、酸化亜鉛、酸化チタン、水酸化アルミニウム、水酸化亜鉛、硫酸バリウム、クレー、タルク、表面処理されたカルシウムやシリカ等の無機質系微粒末、尿素−ホルマリン樹脂、スチレン・メタアクリル共重合体、ポリスチレン樹脂等の有機質系微粉末等の顔料が適宜用いられる。
【0024】
顔料の選択にあたっては、インクの着肉性、光沢、表面強度等の印刷適性を向上させることにも観点を置き、通常の印刷用紙の塗工材料として使用される重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、およびカオリンが好ましく混合使用される。
【0025】
水溶性バインダーとして利用される高分子樹脂には、澱粉およびその誘導体、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース等のセルロース誘導体、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸ソーダ、ポリビニルピロリドン、アクリルアミド・アクリル酸エステル共重合体、アクリルアミド・アクリル酸エステル・メタクリル酸共重合体、スチレン・無水マレイン酸共重合体アルカリ塩、イソブチル・無水マレイン酸共重合体アルカリ塩、ポリアクリルアミド、アルギン酸ソーダ、ゼラチン、カゼイン等の水溶性高分子などが例示される。
【0026】
さらにポリ酢酸ビニル、ポリウレタン、ポリアクリル酸エステル、ポリメタアクリル酸エステル、塩化ビニル、酢酸ビニル共重合体、エチレン・酢酸ビニル共重合体等による水系エマルジョン、スチレン・ブタジエン共重合体、スチレン・ブタジエン・アクリル系共重合体等によるラテックス、等の水分散性高分子が利用される。
【0027】
本発明のインク受理層塗布液はこれら顔料および水系結着剤により得られるが、その配合量および材料種類は目的とする粗さ指数Vr(ジブチルフタレート使用、0.1MPa加圧下)が3〜10ml/m2であるように任意に組み合わせて達成できる。例えば、顔料の粒度分布や吸油度、顔料と水系結着剤の配合比率などで制御可能である。ただし、極端に水系結着剤の使用量を減らすとカーボンインクの受理性は良くなるが、オフセット印刷等による固定事項印刷時に表面強度が不足することがあるので注意が必要である。
【0028】
塗料中には、更に通常の補助添加成分、例えば分散剤、滑剤、界面活性剤、蛍光染料、着色染料等が、必要に応じて併用され得ることは勿論であり、具体例を挙げると、分散剤としては上記水溶性バインダーのほか、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ラウリルアルコール硫酸エステル・ナトリウムなどの界面活性剤が使用できる。
【0029】
これらの物質をインク受理層用の塗工液に調整する方法としては、一般に水を分散媒体として、アトライター、サンドグラインダー、コーレスなどの湿式分散機を用いて分散し、各成分が必要な配合率になるように計量、混合して作成する。塗布量は本目的、物性値を満たす量であれば特に限定はないが、通常1〜10g/m2であれば十分である。
【0030】
バリヤー層は要求特性上、透気度を400〜1500秒にすることを目的に設けられるが、材料は前述のインク受理層形成に用いられる水溶性樹脂が用いられ、その塗布量は本目的、物性値を満たす量であれば特に限定はないが、通常0.1〜4g/m2であれば十分である。特に透気度の制御はバリヤー層の塗布量、または水溶性樹脂等の皮膜形成性による選択配合で行うのがよい。
【0031】
ただし、表裏の塗工量の差が大きいと表裏の吸湿量に差を生じ、用紙のカール挙動が激しくなるため、複写効果および印刷適性をも考慮した上での表裏塗工量のバランスとしては、インク受理層で2〜8g/m2、バリヤー層で0.5〜2g/m2が好ましい。
【0032】
インク受理層およびバリヤー層はゲートロールコーター、ブレードコーター、バーコーター、グラビアコーターなどの通常の塗布設備を用いて紙に付与される。これはオンマシン塗工であってもオフマシン塗工であってもよい。塗工後には、スーパーカレンダー、グロスカレンダー等により表面処理がなされ、印刷適性、カーボンインクの複写適性が一層向上する。しかしながら、設備等の制約があれば表面処理を行わなくてもよい。
【0033】
【実施例】
以上説明した本発明の技術的思想を実施例に基づいて、具体的に説明する。本発明は実施例に限定されるものではない。なお、以下に記載の部数および%はすべて固形分または有効成分重量基準によるものである。以下の実施例および比較例において、各種測定試験の測定および評価方法は次の通りである。
【0034】
コレーター適性はカーボン塗工後の原紙を、テストコレーター(応用印刷機械社製ロールコレーター)を用いて帳合いし、ピッチのずれ、カールによる反りの良否を判定した。
【0035】
カーボンの塗工適性はカーボンインク塗工機(明立機械工業製)を用いてカーボンインク(帝国インキ社製凸版コバルト)を試料ウラ面に塗工し、インクの載り、ムラの良否を目視で判定した。
【0036】
カーボンインクの受理性は前記同要領にてカーボンインクを試料ウラ面に塗工し、同2枚を重ねてドットタイププリンターで打字し、複写された印字の濃淡、均一の程度を目視で評価した。同時にカーボンインクの裏抜け、裏写りも目視で評価した。
【0037】
表面強度はRI印刷機を用いて、スピード60rpm、インクタック20の墨インク(東洋インキ製造社製)を試料表面に印刷し、印刷面の強度レベルを目視で評価した(JIS P8129)。判定基準はいずれの項目も、○:良好、△:やや劣るが品質上問題ないレベル、×:致命的欠陥につき商品価値なし、とした。
【0038】
(実施例1〜2)
NBKP:LBKP=1:1の混合パルプをカナダ標準式フリーネスで150mlに調製したパルプを用いて、填料として軽質炭酸カルシウムを乾紙重量当たり15重量%となるように添加配合し、また内添薬品として対風乾パルプ当たり、AKDサイズ剤(荒川化学社製SPK287)を有効成分で0.2重量%添加し、米坪35g/m2、透気度150秒の塗料未塗工の原紙を、ツインワイヤー抄紙機にて得た。
【0039】
インク受理層の塗料として、クレー90部、焼成カオリン10部、酸化澱粉10部およびアクリルエマルジョン10部から成る濃度約25%の塗料を調製した(表1.A塗料)。別にバリヤー層の塗料として、PVA100部から成る濃度約10%の塗料を調製した(表2.a塗料)。
【0040】
実施例1では前記原紙のインク受理層にA塗料を5.0g/m2、バリヤー層にはa塗料を0.6g/m2になるよう、また実施例2ではA塗料を5.0g/m2、バリヤー層にはa塗料を1.0g/m2になるよう塗工、乾燥を行った。
【0041】
(比較例1)
前記原紙のインク受理層にA塗料を5.0g/m2、バリヤー層にはa塗料を0.3g/m2になるよう、塗工、乾燥を行った。
【0042】
(比較例2)
インク受理層の塗料として、軽質炭酸カルシウム50部、重質炭酸カルシウム50部、酸化澱粉10部およびPVA15部から成る濃度約25%の塗料を調製した(表1.B塗料)。
【0043】
前記原紙のインク受理層にB塗料を5.0g/m2、バリヤー層にはa塗料を1.0g/m2になるよう、塗工した。
【0044】
(実施例3)
前記原紙のインク受理層にA塗料を5.0g/m2、バリヤー層にはa塗料を1.2g/m2になるよう、塗工した。
【0045】
(実施例4)
インク受理層の塗料として、重質炭酸カルシウム100部、アクリルエマルジョン10部およびPVA5部から成る濃度約25%の塗料を調製した(表1.C塗料)。前記原紙のインク受理層にC塗料を5.0g/m2、バリヤー層にはa塗料を1.0g/m2になるよう、塗工した。
【0046】
(比較例3)
インク受理層の塗料として、軽質炭酸カルシウム90部、焼成カオリン10部、酸化澱粉10部およびPVA5部から成る濃度約25%の塗料を調製した(表1.D塗料)。前記原紙のインク受理層にD塗料を5.0g/m2、バリヤー層にはa塗料を1.0g/m2になるよう、塗工した。
【0047】
(比較例4)
バリヤー層の塗料として、酸化澱粉90部およびアルギン酸ソーダ10部から成る濃度約10%の塗料を調製した(表2.b塗料)。前記原紙のインク受理層にA塗料を5.0g/m2、バリヤー層にはb塗料を1.8g/m2になるよう、塗工した。
【0048】
(比較例5)
実施例1と同様に、NBKP:LBKP=1:1の混合パルプをカナダ標準式フリーネスで150mlに調製したパルプを用い、填料として軽質炭酸カルシウムを紙当たり15%配合し、また内添薬品として対パルプ当たり、AKDサイズ剤(荒川化学社製SPK287)を0.2%添加し、米坪35g/m2、透気度150秒の塗料未塗工の原紙を、シングルワイヤー長網抄紙機にて得た。この原紙のインク受理層にA塗料を5.0g/m2、バリヤー層にはb塗料を1.0g/m2になるよう、塗工し、比較例5の試料とした。表裏に何も塗工しない原紙を参考例として評価した。
【0049】
(実施例5)
インク受理層の塗料として、重質炭酸カルシウム100部、SBRラテックス10部およびPVA3部から成る濃度約25%の塗料を調製した(表1.E塗料)。別にバリヤー層の塗料として、酸化澱粉50部およびPVA50部から成る濃度約10%の塗料を調製した(表2.c塗料)。前記ツインワイヤー抄紙機にて得た実施例1の原紙を用い、インク受理層にE塗料を5.0g/m2、バリヤー層にはc塗料を1.2g/m2になるよう、塗工した。
【0050】
(比較例6)
前記実施例1のツインワイヤー抄紙機にて得た原紙に、インク受理層としてA塗料を6.5g/m2、バリヤー層にはa塗料を2.5g/m2になるよう、塗工した。以上これらの試料を各種測定試験に供し、得られた結果を表3に示す。
【0051】
【表1】
Figure 0003832103
[使用材料明細]
焼成カオリン:エンゲルハード社製 アンシレックス93
クレー:エンゲルハード社製 UW−90
重質炭酸カルシウム:ECCインターナショナル社製 カービタル95
軽質炭酸カルシウム:白石工業製 ブリリアント15
酸化澱粉:王子コーンスターチ製 王子エースA
アクリルエマルジョン:昭和高分子社製 AM−2260
PVA:クラレ製 PVA117
SBRラテックス:旭化成製 L−1393
【0052】
【表2】
Figure 0003832103
[使用材料明細]
PVA:クラレ製 PVA117
アルギン酸ソーダ:富士化学工業社製 スノーアルギンM
酸化澱粉:王子コーンスターチ製 王子エースA
【0053】
【表3】
Figure 0003832103
【0054】
表3より明らかなように、本発明の実施例では比較例と比べて、良好なコレーター適性、複写適性を併せ持つことが可能となった。以下表3に示した各試験評価結果について、具体的に説明する。
【0055】
実施例1〜2と比較して、比較例1ではバリア層の塗工量が少ないため透気度が低く、カーボンの裏抜け、裏写りが劣る。また比較例2ではインク受理層のバインダーが多いため、粗さ指数が小さく、カーボンの受理性が劣る。
【0056】
実施例4ではインク受理層に重質炭酸カルシウムを用いても、疎水性高分子の水系エマルジョンを使用しバインダー部数を減らして、粗さ指数を維持し、かつ適正な透気度に調節することにより、目的とした品質に到達する。
【0057】
比較例3では粗さ指数が大きいため、カーボンの受理性が劣り、同時に表面強度が不足する。比較例4ではバリア層の被膜を増やし、透気度を適正値以上にすると、カーボンの塗工適性が低下する。
【0058】
比較例5ではシングルワイヤー長網抄紙機で得た原紙のため、コレーター適性が不適であり、また表面強度も弱い。実施例5では実施例4と同様の理由で、目的とした品質に到達する。
【0059】
比較例6では比較例4と同様の理由で、カーボンの塗工性が低下する。以上、実施例では比較例と比べて、良好なコレーター適性、複写適性を併せ持つことが可能となった。
【0060】
【発明の効果】
本発明はコレーターの高速化に伴うピッチズレをツインワイヤー抄紙機にて製造することにより解消できることを見出した。さらには紙の一方の面に顔料および結着剤を主成分としブリストー法で3〜10ml/m2であるインク受理層を、また他方の面に水溶性結着剤を主成分としたバリヤー層を設け、インキ受理層およびバリヤー層を設けた後の透気度が400〜1500秒とすることにより、優れた複写適性を有した裏カーボン用複写用紙を得ることができる。

Claims (1)

  1. 紙の一方の面に顔料および結着剤を主成分とするインク受理層、他方の面に水溶性結着剤を主成分とするバリヤー層を設けた裏カーボン用複写用紙において、
    前記紙がツインワイヤー抄紙機により製造された米坪30〜60g/m2のものであり、
    前記顔料が焼成カオリン、クレー及び/又は重質炭酸カルシウムであり、
    前記結着剤の含有量が前記顔料100部に対して13〜20部であり、
    前記インク受理層の塗工量が2〜8g/mであり、
    塗布されたインク受理層のブリストー法により測定される粗さ指数Vr(ジブチルフタレート使用、0.1MPa加圧下)が3〜10ml/m2であり、
    前記バリヤー層の塗工量が0.5〜2g/mであって、
    インク受理層およびバリヤー層を設けた後の透気度が400〜1500秒であることを特徴とする裏カーボン用複写用紙。
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