JP3831207B2 - 電子写真装置現像ローラ上のトナー層形成方式 - Google Patents

電子写真装置現像ローラ上のトナー層形成方式 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、高粘度で高濃度の液体トナーを用いる電子写真装置現像ローラ上のトナー層形成方式に関する。
【0002】
【従来の技術】
高粘性、高濃度の液体卜ナーを用いた現像方式において、非画像部にトナーが付着するのを防止するために感光ドラム上にあらかじめプリウェット液と呼ばれる絶縁性液体を塗布することが行われている。
【0003】
また粘性が高い液体トナーを使って、現像ローラ上に薄いトナー層を形成して現像する現像方式においては、現像ローラと感光ドラムのニップ部出口でトナーの粘性による層の乱れが発生して、リブレットと呼ばれるスジ上の不均一な層が形成され、画像を乱し、またカブリも発生する。
【0004】
このため高粘性、高濃度の液体トナーの現像方式において現像前に現像ローラ上に設けられたブレードにバイアスを印加することにより、プリウェット液を必要とせず、高画質な画像を得る現像方式を、本出願人は先に提案した(特願2000−142880号参照)。このような現像方式により、高い画像品質を得ることができるが、さらに一層の画像品質が望まれる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、現像ローラ上のブレードにバイアスを印加する導電性ブレード方式をさらに改良して、現像ローラと感光ドラムのニップ部出口でトナーの粘性による層の乱れを発生することなく、さらに、画像品質の高い画像を得ることを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の電子写真装置現像ローラ上のトナー層形成方式は、高粘度で高濃度の液体トナーを用いる。現像ローラ上に接触する導電性ブレードを備え、このブレードにバイアスを印加した後の位置において、現像ローラ上に形成された均一なトナー薄層を感光体に接触させて現像を行う。この現像ローラへ液体トナーを供給するために、現像ローラに当接して回転するパターンドローラが備えられる。導電性ブレードは、可撓性を持つフィルムより構成して、ブレードが現像ローラと接触し現像ローラの回転によって現像ローラ表面が該ブレードと離れる際にブレード先端から離れるようにブレードを現像ローラ上に配置する。これによって、ブレードと現像ローラのニップ幅を十分取ると共に、現像ローラ上のトナー層を掻きとることなく通過させるよう構成する。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、実施の形態に従って本発明を詳細に説明する。図1に、本発明を適用することのできる液体トナーを用いる電子写真装置の全体構成を図示する。図示したように、電子写真装置は主要構成部材として、感光体と、帯電器と、露光装置と、色毎の現像機(2つのみ図示)と、中間転写体IMRと、バックアップローラとを備える。
【0008】
帯電器は、感光体を約700Vに帯電させる。露光装置は、780nmの波長を持つレーザ光を使って感光体を露光することで、露光部分の電位が約100Vとなる静電潜像を感光体に形成する。
【0009】
現像機は、通常、イエロー/マゼンタ/シアン/ブラックに対応付けて設けられ、約400V(E1)にバイアスされ、かつ、トナー粘度が400〜4000mPa・Sで、キャリア粘度が2.5cSt〜1000cSt、望ましくは20〜200cStを持つ液体トナーを用いて、現像ローラに10μm以下、望ましくは7〜8μmの厚さのトナー層を形成する。現像ローラは、感光体との間の電界に従って、正に帯電しているそのトナー粒子を感光体に供給することで、約100Vに帯電される感光体の露光部分(あるいは未露光部分)にトナー粒子を付着させる。
【0010】
中間転写体IMRは、約−800V(E2)にバイアスされて、感光体との間の電界に従って、感光体に付着されたトナーを転写する。この中間転写体IMRは、先ず最初に、例えば、感光体に付着されるイエローのトナーを転写し、続いて、感光体に付着されるマゼンタのトナーを転写し、続いて、シアンのトナーを転写し、続いて、ブラックのトナーを転写することになる。
【0011】
中間転写体IMRに付着されたトナーは、バックアップローラを用いて、印刷媒体に転写され、そして定着させられる。
【0012】
図2は、本発明の液体現像方式の電子写真装置現像ローラ上のトナー層形成方式を例示する図である。液体トナーは、図示しないトナー貯蔵漕或いはトナー供給ボトルからポンプ等を用いてトナー溜まりに、そしてそこから供給ローラ表面に付着させられる。供給ローラ表面に付着した液体トナーは、供給ローラを現像ローラに当接させて回転させることにより、供給ローラは液体トナーを薄く引き延ばして、現像ローラに供給する。液体トナーを液体現像液として用いるために、1〜50μm の薄層にして現像ローラ上に塗布し、図示しない感光ドラムとの当接部である現像ギャップ部に送る。これによって、現像が行われる。現像ギャップ部を通過後現像ローラ上に残留した液体現像液は、トナー回収ブレード(図示せず)によって掻き取られてトナー貯蔵漕に戻される。
【0013】
現像ローラは、抵抗値105 〜108 Ω、硬度JIS ・ A20 °〜60°、表面粗さRz1〜5μm程度が好ましい。現像ローラの抵抗値が高すぎると画像濃度の低下を招き、また低すぎると感光ドラムに傷があるなどの欠陥のある場合に、電流がリークし、画像抜けがその傷部分だけでなく、現像ニップ方向で発生することになる。導電性のブレードの抵抗値は103 〜104 Ωが好ましく、ブレード支持体からバイアスを印加することができる。これにより現像ローラ上のトナー層に均一に電圧を印加することが可能になる。
【0014】
また、図2とは別の例を示す図3に示すように、過電流により現像ローラに損傷を与えないため電源との間に電流制限抵抗(例えば106 Ω程度)を設けることができる。バイアス電圧は、トナー抵抗値によって変化するブレードバイアス電流を、電流制限抵抗両端の電圧降下としてチェックすることにより、ブレードと現像ローラ間のトナーに印加される実効電圧が常に一定となるように可変させることができる。さらに、温度によって変化する導電性のブレードの抵抗値、或いはトナーの移動特性によるブレード電流の変化をチェックすることにより、一定のブレード電流が流れるようにブレードバイアスを変化させることができる。なお、現像ローラに、例えば600V程度のバイアス電圧が印加される場合に、ブレードに印加される電圧として、トナー極性と同極性の電圧、例えば+1200V〜1600V程度のバイアス電圧を印加することができる。
【0015】
現像ローラに傷などの欠陥がある場合、電流がその部分からリークして、ブレードバイアスが電圧降下を起こし、十分なバイアスがトナー層に印加されない。そのため導電性ブレードの抵抗値を体積抵抗率108 〜109 Ωcmとすることによって、現像ローラの欠陥による電流のリークからブレード幅(ローラ回転方向に対して直交する方向)全体で発生するブレードバイアス電圧降下を防ぐことができる。導電性ブレード裏面には、低抵抗の導電塗料(例えば、カーボンを混ぜた接着剤)を塗布することにより、ブレード支持体からの電圧供給を均一にして、ブレード接触部近傍に安定に印加できるようにすることが可能になる。
【0016】
ブレードは、十分な可撓性を持つように厚さ50〜100 μmのフィルムで構成し、ブレード先端部をローラに接触させて、ニップ幅を2mm程度の十分なものとすることができる。これによって、現像ローラ上のトナー層をブレード先端で切るようにして、トナー層を掻きとることがないように、現像ローラに当てることができる。ブレードフィルムの材質はたとえば熱膨張の少ないポリイミド等が用いられる。これによりブレードをトナー層が通過した後の現像ローラ上に、リブレットのない均一なトナー凝集層とキャリア層が形成される。仮に、ブレードが現像ローラに腹の部分で接触し、そこからトナー層が現像ローラの回転により分離していくとすれば、そのニップ出口においてトナー層内で破壊分離され、リブレットが発生して、バイアスによる電界の力ではそのリブレットの発生を抑えることができないことになる。これに対して、本発明のブレードは、可撓性を持つフィルムより構成して、現像ローラの回転によって現像ローラ表面がブレードと離れる際にブレード先端から離れるようにして、ブレードと現像ローラのニップ幅を十分取ると共に、現像ローラ上のトナー層を掻きとることなく通過させるよう構成したものである。
【0017】
バイアス電圧によって、バイアス印加後の現像ローラ上においては、トナー粒子が現像ローラ表面近く、即ちトナー層の下層側に移動し、その結果として、キャリア液がトナー層の表面側に移動することになる。言い換えると、現像ローラ上のトナー層表面側においては、液体トナーに含まれているトナー粒子が疎になる状態が形成される。
【0018】
このような現像ローラ上のトナー層が、感光体に接触して、現像するときに、感光体上に直接接触することになるのは、現像ローラ上のトナー層の表面側のトナー粒子が疎のキャリア液である。このキャリア液は、現像の前段階で感光体上に予め塗布する絶縁性の液体(プリウェット液)と同様な機能を果たすので、本発明においては、プリウェット液を用いなくとも、トナー流体の粘性的付着によって発生する非画像部でのカブリを抑制することが可能になる。
【0019】
液体トナーを現像ローラへ供給する供給ローラとしては、パターンドローラが用いられる。トナー溜まりからパターンドローラにトナーがくみ上げられ、パターンドローラに接するブレードによりパターン目のみにトナーが保持されるように余剰のトナーが掻き取られる。そして現像ローラとパターンドローラの接触部においてパターン目に保持されたトナーが現像ローラへ転移される。もしこの掻き取りが不充分で、パターン目だけでなくパターンの土手部分にもトナーが存在する揚合、現像ローラとのニップ出口でやはりトナー層内で破壊分離され、リブレットが発生する。パターン目のみにトナーが保持されている場合、ニップ出口でトナーは破壊分離されて転移するが、パターンによってトナーがしきられているため連続して起こることなく、スジ状のリブレットは発生することなく、パターンドローラのパターン目がそのまま現像ローラへと転移される。このパターンドローラのパターンは、例えば1インチ当たり100 〜350 線と非常に細かい一方向の斜めライン状のパターン、或いはそれに交差するラインも加えた交差ライン状パターン等を用いることができる。トナーの流動性が十分に良いと現像ローラ上に細かなパターン状に形成されたトナー層は、自己のレベリング機能でブレードに到達する前に均一な層になる。トナーの流動性が悪いとパターン状のトナー層はレベリングせず、ブレードバイアスによりそのままの状態で凝集させられるため、画像にパターンドローラの目が発生してしまうことになる。
【0020】
このように、現像ローラ上にパターンドローラのパターン状に塗布されたトナーが現像ローラの回転によって導電性ブレードに到達するまでに均一層になるようにトナーの表面張力が十分低く、十分な流動性を持つように調整することが望ましい。
【0021】
トナーの流動特性はその固形分濃度で変化し、30%以下、望ましくは20%以下に設定する。また現像ローラ上のトナー層厚はパターンドローラのパターン線数できまり、トナー粘性によっても変化するが、100LPI(インチ当たり100 ライン)では12μm、160LPIでは10μm、250LPIでは、7μm程度となる。
【0022】
画像濃度を満足するために十分な固形分量は決まっていて、例えば単位面積あたりの固形分量が、Cyanでは、1g /m2 、Magenta では、1.5g/m2 、Yellowでは、1.3g/m2 、B1ack では、1.5g/m2 必要となる。トナー固形分濃度を、上述のように20%以下に設定するとすれば、この固形分量を満足する層厚の最低が決まる。
【0023】
一方画像品質を見た場合、トナー層厚はなるべく薄いほうがよい。これは現像ローラと感光ドラムのニップ部においてトナー層厚が厚すぎると画像が乱される。この画像の乱れはトナー層厚が厚いほど、トナー粘性が低いほど、現像ローラ硬度が高いほど激しくなる。このためトナー層厚は、10μm以下、望ましくは7μm以下に設定するほうがよい。
【0024】
また、トナー貯蔵漕或いはトナー供給ボトルにヒータを装備して、トナーの温度を一定に保って、パターンドローラからトナー転移率を一定とすることが望ましい。
【0025】
【発明の効果】
本発明は、現像ローラに当接して回転するパターンドローラを備えると共に、現像ローラ上に備えられる導電性ブレードは、可撓性を持つフィルムより構成して、回転によって現像ローラ表面がブレードと離れる際にブレード先端から離れるように配置して、ブレードと現像ローラのニップ幅を十分取ると共に、現像ローラ上のトナー層を掻きとることなく通過させるよう構成するものであるから、現像ローラと感光ドラムのニップ部出口でトナーの粘性による層の乱れを発生することなく、さらに、画像品質の高い画像を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用することのできる液体トナーを用いる電子写真装置の全体構成を図示する。
【図2】本発明の液体現像方式の電子写真装置現像ローラ上のトナー層形成方式を例示する図である。
【図3】本発明の図2とは別の例を示す図である。

Claims (10)

  1. 高粘度で高濃度の液体トナーを現像ローラに供給し、かつ該現像ローラ上のトナー層に接触する導電性ブレードにバイアスを印加した後の位置において、該現像ローラ上に形成された均一なトナー薄層を感光体に接触させて現像する電子写真装置現像ローラ上のトナー層形成方式において、
    記導電性ブレードは、可撓性を持つフィルムより構成して、該ブレードの先端部が現像ローラ上のトナー層と接触し、前記ブレードと現像ローラのニップ幅を十分取ると共に、現像ローラ上のトナー層を掻きとることなく通過させるよう構成した、
    ことから成る電子写真装置現像ローラ上のトナー層形成方式。
  2. ブレード抵抗値を103 〜104 Ωとし、電流制限抵抗を設けてブレードバイアスを印加する構成とした請求項1に記載の電子写真装置現像ローラ上のトナー層形成方式。
  3. トナー抵抗値によって変化するブレードバイアス電流による電圧降下をチェックし、ブレードと現像ローラ間のトナーに印加される実効電圧が常に一定となるようにブレードバイアスを可変させる請求項2に記載の電子写真装置現像ローラ上のトナー層形成方式。
  4. 前記導電性ブレードを熱膨張係数が小さいポリイミドによって構成した請求項1に記載の電子写真装置現像ローラ上のトナー層形成方式。
  5. 前記導電性ブレードは体積抵抗率を108 〜109 Ωcmとして、現像ローラの欠陥による電流のリークからブレード幅全体で発生するブレードバイアス電圧降下を防ぎ、かつ、現像ローラとの接触面とは反対の面に導電性塗料を設けて、接触部近傍まで安定に電圧を供給するよう構成した請求項1に記載の電子写真装置現像ローラ上のトナー層形成方式。
  6. 温度によって変化する導電性ブレードの抵抗値或いはトナーの移動特性によるブレード電流の変化をチェックして、一定のブレード電流が流れるようにブレードバイアスを変化させる請求項5記載の電子写真装置現像ローラ上のトナー層形成方式。
  7. 前記現像ローラへ液体トナーを供給するために該現像ローラに当接して回転するパターンドローラを備え、
    パターンドローラからトナー転移率を一定とするため、トナーの温度を一定に保つためのヒータをトナー供給源に装備した請求項1に記載の電子写真装置現像ローラ上のトナー層形成方式。
  8. 前記現像ローラへ液体トナーを供給するために該現像ローラに当接して回転するパターンドローラを備え、
    液体トナーを現像ローラ上に均一に塗布するため、現像ローラとパターンドローラとのニップ出口で発生するリブレットを連続して発生させないようにパターンドローラのパターン目だけにトナーが存在するように過剰のトナーを現像ローラに供給する前に掻き取るブレードをパターンドローラ上に装備し、また現像ローラ上にパターンドローラのパターン状に塗布されたトナーが現像ローラの回転によって導電性ブレードに到達するまでに均一層になるようにトナーの表面張力が十分低く、十分な流動性を持つように調整された液体トナーを用いた請求項1に記載の電子写真装置現像ローラ上のトナー層形成方式。
  9. 現像ローラが抵抗値105 〜108 Ω、硬度JIS ・ A20°〜60°、表面粗さRz1〜5μmである請求項1に記載の電子写真装置現像ローラ上のトナー層形成方式。
  10. トナー固形分濃度を20%wt以下、トナー層厚を10μm以下とした請求項1に記載の電子写真装置現像ローラ上のトナー層形成方式。
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