JP3831184B2 - 熱間加工性に優れたオーステナイト−フェライト二相を有するステンレス鋼鋳片 - Google Patents
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【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば溶接棒などに使用される高デルタフェライトオーステナイト系ステンレス鋼のような、オーステナイトとフェライトの2相を有するステンレス鋼を製造する際の素材である鋳片に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ステンレス鋼は、常温における相によりオーステナイト系やフェライト系等に分類されるが、その中にオーステナイトとフェライトの二相を有するものもある。オーステナイト,フェライトが等量に近いものはオーステナイト−フェライト系と分類されるが、オーステナイト中にフェライトが10%前後含まれているSUSY308やSUSY309等はオーステナイト系に分類される。
【0003】
溶接部がフェライト相(いわゆるデルタフェライト)を多く含む組織であると溶接割れが生じ難くなることから、溶接棒用の材料として鋳造組織に多量のデルタフェライト相が生成するステンレス棒線材が広く使用されている。
溶接金属のフェライト相(デルタフェライト)量は、例えば下記(1)式のような成分との関係式で近似され、このδFe(cal)値の高い成分系、具体的には前述のSUSY309などが溶接棒用の材料として性能良好とされている。
【0004】
しかし、このような組成の鋼の鋳片は多量のフェライト相を含み、フェライト、オーステナイト相の高温伸びの違いから相境界に歪みが集中することにより、熱間圧延において割れが発生しやすいので、小断面の連続鋳造鋳片であってもそのまま熱間圧延することはできなかった。したがって、従来は鋳片を分塊圧延したのち表面疵を研削除去し、再加熱して熱間圧延を行っていた。
【0005】
これらの対策として、従来例えば特公昭56−25265号公報や特開平2−118052号公報のように、オーステナイト−フェライト相境界に粒界偏析するSの影響を極力排除すべく、S低減およびS固定元素であるCa,REM等の添加が広く行われている。しかしながらこれらの対策を行うと、溶接時に溶融金属の溶け込み性、ひいては溶接作業性が悪化するため、溶接棒用の材料には適用し難い。
【0006】
一方本発明者らは、連続鋳造鋳片を分塊圧延工程を経ずに熱間圧延可能とする製造法として、特開平11−256234号公報に記載した発明を開示している。この製造法は、溶接部におけるものと鋳片に熱処理を施した際とでデルタフェライト量と成分の関係が若干異なることを用い、熱処理後のフェライト量を示す前述のδFe(cal)とは異なる推定式の値(以下YI値と呼ぶ)を一定以下に規定し、かつ鋳片に一定の熱処理を施した後圧延を行うことにより、圧延時におけるデルタフェライト相の悪影響を極力排する方法である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
溶接棒用の素材としてフェライト量の多いステンレス線材が要望されているが、同材は従来熱延時の割れ発生を回避するため、分塊圧延を省略することができなかった。そして分塊圧延工程には高コストを要し、加熱のためのエネルギー消費、さらに製造日数の増大といった問題を有していた。
【0008】
上記特開平11−256234号公報に開示された方法によれば、上記分塊工程を省略することは可能である。しかしながら前述のδFe(cal)とYI値は1対1対応していないといえども、溶接特性を向上させるべくδFe(cal)の値を高くするとYI値も高まる傾向にあり、成分に完全な自由度を持って分塊工程を省略し得るわけではない。
【0009】
そこで本発明は、溶接棒用材料として好ましい、フェライト量を多くした成分系のオーステナイト系ステンレス線材のような、オーステナイト−フェライトの2相を含むステンレス鋼について、そのフェライト量やS量の影響をほとんど考慮することなく、連続鋳造鋳片を分塊圧延工程を経ずに熱間圧延可能となる熱間加工性良好なステンレス鋼鋳片を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するための本発明の要旨は、熱間加工を行うための鋳片加熱直前の時点で、任意の断面において鋳片表層から10mm深さまで、鋳造ままの場合フェライト相の面積率が5%以上75%以下、かつ任意のフェライト相の最大長さが0.7mm以下とし、または熱処理後の場合フェライト相の面積率が2%以上75%以下、かつ任意のフェライト相の最大長さが0.4mm以下であることを特徴とする熱間加工性に優れたオーステナイト−フェライト二相を有するステンレス鋼鋳片である。
【0011】
これを得るためには、非金属介在物の見地からは任意の断面において鋳片表層から10mm深さまで、Ti系窒化物とMg系酸化物の最大径0.05〜2μmの複合非金属介在物が200個/mm2 以上存在していれば良いし、成分的には質量%にて、Al:0.05%以下、Ti:0.005〜0.1%、Mg:0.0005〜0.01%、N:0.01〜0.1%であり、かつ(1)Ti×N≧8×10-4、(2)Al/Mg≦4の何れかまたは両方を満たしていればよい。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明者らは、前述したようにこれまで熱間加工性を阻害するフェライト相の量を低減する方策について種々検討してきたが、高フェライト成分系を維持しつつ鋳片のフェライト量を低減するのは自ずから限界があった。そこで、フェライト相の量ではなく形態を制御することにより、高フェライト成分系のまま熱間加工性を向上させる方法を種々検討した結果、下記に示すように、高フェライトであるにもかかわらず熱間加工性の良好な鋳片を得ることが出来た。
【0013】
急冷凝固金属等ではない通常製法の鋳片では、オーステナイト相が柱状晶、フェライト相はオーステナイト相の中に魚の骨状または面状の形態で存在している。このような組織の場合は相境界に歪みが蓄積し、限界を超えると割れを生じる。従って、フェライトを微細分散形態にすれば相境界の歪みが分散されて熱間加工性が向上すると考えた。
【0014】
先ず、請求項1の限定理由について説明する。
図1は、フェライト量10.5〜12%を有するSUSY309の鋳造ままの鋳片において、フェライト相の最大長さと1000℃における破断絞り値との関係を示したものである。フェライト相最大長さが小さくなるに従って熱間加工性は向上し、0.7mm以下になると、通常問題なく圧延し得るとされる破断絞り値60%を超えるまでになることが判る。
【0015】
フェライト相の最大長さは、以下のように算出している。
該鋳片のC断面のうち表層から深さ10mm迄の領域で、村上試薬により着色後光学顕微鏡により任意の20視野(合計約100mm2 )を観察した。図2に示すように、一つに繋がっている(オーステナイト相との境界線が閉じている)フェライト相領域それぞれについて最大距離(矢印)を求め、その最大値を最大長さとした。
100mm2 程度で任意の断面を代表しうるかどうかについては問題もあろうが、後述の製法によるものでは全断面が均一的に同様の組織となるため、工業的には問題なく目的を達成できた。
【0016】
なおフェライト量については、それが5%未満の場合は例えフェライト相が大きくとも、全体に占める割合が少ないから元々熱間加工性良好であるため、本発明では5%以上に限定した。また75%より大量の場合も、元々の熱間加工性が良好であるために効果がなく、本発明の範囲から外した。フェライト量は先述の組織観察の際、フェライトが占める面積を画像解析により求めればよいが、市販のフェライトメーターにより測定する方法でも良い。
【0017】
次に、請求項2の限定理由を述べる。
高フェライト材の場合、鋳片を一度熱処理しフェライトを低減してから圧延に供することがあるが、その場合必要条件が請求項1の鋳造ままの条件より若干変動する。実験の結果、フェライト量は2%以上75%以下、フェライト最大長さは0.4mm以下の時に、鋳造ままのものと同様の効果が得られる事が判った。
【0018】
更に、評価すべき鋳片は、熱間加工を行うための鋳片加熱直前の時点のものとする。例えば表面を研削除去した後に圧延に供する場合は、研削後の鋳片を評価する。
表層から10mmより内部のフェライトが微細分散していない場合、如何様になるかについては、後述の方法では10mmより内部も含めた鋳片全体が微細分散するため評価していないが、経験上10mmより内部で割れが生じても表層に開いて出たりせず、熱間圧延中に再固着してしまうことが判っており、10mmより内部は評価の必要が無い。
【0019】
このような鋳片を得る方法の一つとして、本発明者らはTi系窒化物とMg系酸化物が複合している非金属介在物を分散させることで達成できることを見出した。また、後述するような所定の成分範囲でTiとMgの微量添加を行うことにより、全く通常法の鋳造を行っても、鋳片にこのような非金属介在物を分散させることが出来、フェライト相が微細分散することをつかんだ。
【0020】
非金属介在物のサイズは、その最大径が0.05μm未満の場合にはフェライト微細化効果が少なく、2.0μm超の場合には耐食性の低下等の別課題が生じるため、0.05〜2.0μmの範囲とした。分布密度は200個/mm2 で効果が認められる。
なお、Ti系窒化物とMg系酸化物は、窒素、酸素以外の成分で最も多いものがそれぞれTi,Mgであるものとする。これら非金属介在物の成分、サイズ、分布を測定するには、鋳片や製品の任意の断面において、電子顕微鏡とエネルギー分散型スペクトル法(EDS)あるいはX線マイクロアナライザー(EPMA)等により調査する方法が考えられる。
【0021】
これら非金属介在物がフェライト微細化効果を発揮する原因としては、Ti系窒化物(TiN)がフェライトと格子整合性が良いため、TiNが微細分散することによりフェライト凝固核が多数生成し、その結果フェライトが微細分散するものと推定している。しかしながら、TiNのみを多数生成するように成分調整しても、粗大TiNを析出するのみで効果を発揮できない。Mg系酸化物(MgO)はTiNの析出核となり、TiNを微細析出させるのに効果があると考えられる。
【0022】
これらの非金属介在物を生成するための方策としては、以下の規定範囲に微量成分を制御すれば良く、CrやNi等の量により、前述のδFe(cal)等に沿った形で鋳片中に含有されるフェライトの量そのものには特に影響されない。
【0023】
Al:Alは大量に添加するとAl酸化物が生成され、MgOの生成を阻害するので、0.05%を上限とした。
【0024】
Ti:TiはTi系窒化物を形成し、Mgと複合で添加することで本発明の課題である組織制御を可能とする元素であり、その効果が発揮されるのは0.005%以上であるのでこれを下限とした。しかし、0.1%を超えて添加すると製造性、加工性等の問題が生じるため、0.1%を上限とした。
【0025】
Mg:MgはMg系酸化物を形成することで、本発明の課題である組織制御を可能とする重要な元素である。この効果を発揮するのは0.0005%であり、これを下限とした。また大量に添加してもその効果は飽和し、耐食性低下等の問題を生じるため、0.01%を上限とした。
【0026】
N:NはTi系窒化物を形成することで重要な元素である。この効果を発揮するのは0.01%であり、これを下限とした。また大量に添加すると硬くなり、加工性を損ねるため0.1%を上限とした。
【0027】
更に、TiとNをTi×N≧8×10-4に制御すると、溶鋼の凝固前にTiNの固溶限界を超えTiNが析出するため、フェライトの微細分散効果が得られる。しかしながらTiNの固溶限界以下でも、Al/Mgが4以下の場合には、微細なMgOが生成することによりそれを核にしてTiNが析出するため、同様の効果が得られる。4を超える場合には粗大なAl−Mg複合酸化物が形成され、このような効果は期待できない。
Ti,Mgの範囲は、Alを0.07%,Nを0.02%一定とすると、図3の斜線で示すようになる。但し、図3の斜線で示した範囲の境界線はAl,Nが変動することにより変動する。
【0028】
【実施例】
表1に示す化学成分で、残部がFeおよび不可避的不純物からなる No.AからVまでのステンレス鋼について、直径170mmφの連続鋳造鋳片を1200℃に加熱し、連続線材圧延ラインで5.5mmφまで熱間圧延を行った。
No.AからVそれぞれについて、鋳片の非金属介在物およびフェライトの評価を行った結果を表2に示す。各々の鋳片は、表層から深さ10mmまでの任意の位置で、合計100mm2 の面積について顕微鏡および電子顕微鏡による評価を行った。
【0029】
非金属介在物は、電子顕微鏡+EDSにより任意の20個について組成分析を行い、組成と形状,色彩の対応を付け、その上でMg系酸化物+Ti系窒化物の複合非金属介在物であり、かつ最大径が0.5〜2μmである非金属介在物の個数をカウントした。
全非金属介在物を分析したわけではないので、全ての非金属介在物が同様の組成を持っているとは限らないが、先述の20個についてはほぼ組成と形状、色彩間の対応が1対1で付くことから、これでほぼ所要の条件を満たしていると考える。
【0030】
フェライトは顕微鏡により各々の粒について、図2で示した方法で最大長さを算出し、その中の最大値を求めた。
更に、圧延後の疵の状況を表2に○、△、×で示した。○は成品として全く問題ない程度、△は研削にて救済可能又は一部が成品に使用可能のもの、×は全く使用不可又は圧延途中で切断したため圧延を中止したものである。
なお、表中の No.Aは現行ままの通常部の鋳片である。
また、評価材のうちNo. A,C,D,G,I,J,Lの7種類については、1200℃×20時間の均熱処理を施した後、フェライトの状況及び圧延結果について同様の評価を行った。それらの結果を表2に各アルファベットに「’」を付けた記号で示す。
【0031】
まず、鋳造まま材の18種類の中で、本発明例に当たる No. I〜Mは圧延結果良好であった。全実施例18種類のうちNo. C,D以外について、フェライト状況と圧延結果との関係を見てみると、面積率については○材で7.2〜14.5%、△×材で6.8〜10.5%と違いは見いだせないが、フェライト相最大長さは○材で0.09〜0.7mm、△×材で0.73〜8.5mmと、最大長さ0.7mm以下で、良好な特性が得られていることが判る。
なお No.C,Dについては、フェライト面積率が本発明範囲外であるため、フェライト相最大長さが0.7mmより大きくても圧延結果良好である。
【0032】
No.Aと異なり No.I〜Mは、鋳片全長に渡り安定してフェライトが分断されている。これらについて非金属介在物組成を見ると、評価した各20個のほとんど全てがMg系酸化物とTi系窒化物の複合非金属介在物であった。
本発明例の No.I,K,Lには、それ以外にTi系窒化物の単独非金属介在物が多少あったが、これは電子顕微鏡写真の色彩で区別できた。
そこで最大径0.5〜2μmで上記複合非金属介在物である個数をカウントしたところ、表2に示すように245〜640個/mm2 であり、規定の200個/mm2 以上を満たしていた。これらの熱間加工性は、図1に示すように1000℃で60%以上をクリアしており、その結果問題なく圧延できたと考えられる。
【0033】
一方、比較例であるTi,Mg無添加の No.EおよびTiのみ添加の No.Fは、非金属介在物が全てそれぞれAl,Cr,Mn酸化物、Ti酸化物であり、その上ほとんどサイズが2μmを超えていた。そのためフェライト最大長さはそれぞれ8.5mm、2.1mmであり、熱間加工性は非常に不良であった。
比較例 No.G,HはTi,Mgとも所定の条件に不足しており、一部狙いの複合非金属介在物が見られるものの数が少なく、その結果フェライト最大長さが未だ大きく、熱間加工性不足であった。
【0034】
更に No.E〜L,N〜Vについて、圧延結果(○△×)を横軸Ti,縦軸Mgで整理したものを図4に示す。図中の No.E,F,N〜Sのうち、No. E,F,O,Q,は図4の矢印で示した範囲を外れている。 No.NはAl、 No. SはNが発明範囲外のため、特性が悪化した。
【0035】
図4に示す No.G〜L、U,Vについては、Ti量、Mg量だけで見ると○と△の違いは明確でないが、今回規定しているTixNおよびAl/Mgで整理すると、図5に示すように本発明範囲内の No.I,J,K,Lは良好であり、本発明範囲外の No.G,H,U,Vは若干不良であるのが明確に判る。
【0036】
熱処理材については、圧延結果は熱処理前と同様で、 No.I’,J’,L’が良好であった。その際のフェライト最大長さは表2の通りであり、0.4mm以下であれば熱間加工性良好である。
なお、 No.C’,D’については、フェライト面積率が本発明範囲外であるため、フェライト相最大長さが0.4mmより大きくても圧延結果良好である。
【0037】
【表1】
【0038】
【表2】
【0039】
【発明の効果】
本発明法により、溶接棒用材料として好ましい、溶接金属のフェライト量を多くした成分系のオーステナイト系ステンレス鋼のような、オーステナイト中にフェライトを含有した難熱間加工性のステンレス鋼についても、連続鋳造鋳片を分塊圧延工程を経ずに、熱間圧延により工業的に安定して製品を製造することができる。したがって、分塊圧延省略により製造コスト低減、製造時間短縮、消費エネルギー低減といった効果が発揮される。
【図面の簡単な説明】
【図1】フェライト最大長さと熱間加工性との関係を示すグラフである。
【図2】フェライト最大長さの求め方を示す図である。
【図3】本発明法における必要Ti量とMg量の関係を示すグラフである。
【図4】実施例の各供試材について、Ti,Mg量と圧延結果との関係をまとめたグラフである。
【図5】実施例の各供試材について、Ti×N,Al/Mgと圧延結果との関係をまとめたグラフである。
Claims (3)
- オーステナイト相中にフェライト相を有する熱間圧延用ステンレス鋼の鋳造ままの鋳片であって、前記鋳片の表層から10mm深さまでの領域において、鋳造ままの場合フェライト相の面積率が5%以上75%以下、かつ任意のフェライト相の最大長さが0.7mm以下であり、Ti系窒化物とMg系酸化物の最大径0.05〜2μmの複合非金属介在物が200個/mm 2 以上存在することを特徴とする熱間加工性に優れたオーステナイト−フェライト二相を有するステンレス鋼鋳片。
- オーステナイト相中にフェライト相を有する熱間圧延用ステンレス鋼の鋳片を熱処理した鋳片であって、前記鋳片の表層から10mm深さまでの領域において、フェライト相の面積率が2%以上75%以下、かつ任意のフェライト相の最大長さが0.4mm以下であり、Ti系窒化物とMg系酸化物の最大径0.05〜2μmの複合非金属介在物が200個/mm 2 以上存在することを特徴とする熱間加工性に優れたオーステナイト−フェライト二相を有するステンレス鋼鋳片。
- 質量%にて、
Al:0.05%以下、
Ti:0.005〜0.1%、
Mg:0.0005〜0.01%、
N :0.01〜0.1%
であり、かつTi×N≧8×10-4、Al/Mg≦4の何れかまたは両方を満たすことを特徴とする請求項1または2に記載の熱間加工性に優れたオーステナイト−フェライト二相を有するステンレス鋼鋳片。
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