JP3830856B2 - 注湯弁 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は注湯弁に関し、特に給湯装置からの温水を浴槽に導く配管の途中に設けられて浴槽の汚水が上水道へ逆流してしまうのを防止する機能を持った注湯弁に関する。
【0002】
【従来の技術】
図4は従来の給湯システムの構成例を示す図である。
従来の給湯システムにおいて、上水道の給水管101は、流量センサ102を介して熱交換器103および水バイパス弁104の上流側に接続され、熱交換器103および水バイパス弁104の下流側は合流した後、水比例弁105に接続されて、給湯器を構成している。水比例弁105の下流側は、たとえば台所の蛇口などへ出湯する給湯管106に接続される。
【0003】
水比例弁105の下流側は、また、風呂の浴槽107に注湯するための注湯弁108が設けられている。この注湯弁108は、流量センサ109と、電磁弁110と、ダイヤフラム弁111と、直列に2つ配置した逆止弁112,113とから構成されている。
【0004】
風呂の浴槽107に注湯するときは、電磁弁110をオンにして全開にする。これにより、ダイヤフラム弁111は、ダイヤフラムによって分離された2つのダイヤフラム室がダイヤフラムに形成されたオリフィスを介して均圧になっている状態から一方のダイヤフラム室(図示の上側のダイヤフラム室)が下流側に連通される状態になるため、流量センサ109の下流側の水圧がダイヤフラムを図の上方へ押し上げて全開にし、給湯器から供給された湯が流量センサ109、ダイヤフラム弁111、逆止弁112,113を介して浴槽107に供給されるようになる。
【0005】
注湯弁108は、浴槽107から上水道への汚水の逆流を防ぐために、浴槽107側に逆止弁を設け、しかも安全のために2つの逆止弁112,113を直列に配置している。
【0006】
しかし、このような逆止弁112,113は、長年使用している間に配管のさびなどの析出物を挟み込んでしまうことがあり、その場合、逆止弁112,113は、全閉しなくなる。このとき、断水などにより給水管101の元圧が低下し、かつ、浴槽107が給湯器よりも高い位置に設置されているという条件が重なると、その水頭圧により故障した逆止弁112,113およびダイヤフラム弁111を介して給湯管106、さらには給水管101に浴槽107の汚水が逆流することがある。そのような不具合を解消するため、たとえ浴槽107から汚水が逆流しても、その汚水が上水道までは逆流しないように機能する大気開放弁(縁切り装置)を注湯弁に設けたものが知られている。
【0007】
図5は従来の大気開放弁付き注湯弁を有する給湯システムの構成例を示す図である。この図5において、図4に記載のものと同じ要素については同じ符号を付してその詳細な説明は省略する。
【0008】
この給湯システムにおいて、注湯弁108は、ダイヤフラム弁111と逆止弁112,113との間の配管に大気開放弁114を設けてある。この大気開放弁114は、そのダイヤフラム室の一方が検圧管115を介して給水管101に接続され、他方のダイヤフラム室にはダイヤフラム弁111と逆止弁112,113との間の配管に接続されている。これにより、この大気開放弁114は、上水道の元圧(1次圧)とダイヤフラム弁111から逆止弁112へ通過する配管内の通水圧(2次圧)とを比較していて、1次圧が2次圧より高い通常時は、1次圧と2次圧との差圧により駆動されて全閉している。もし、停電により上水を汲み上げているポンプが停止したり断水が発生するなどして、1次圧が2次圧より低くなる異常時には、全開して、ダイヤフラム弁111から逆止弁112に至る配管を大気に開放する。
【0009】
このとき、逆止弁112,113が故障して閉まらなくなっていた場合には、高所にある浴槽107内の汚水がその水頭圧により逆止弁113,112を介して大気開放弁114まで逆流してくるが、その汚水は大気開放弁114により大気に放出されるため、汚水が給湯管106や給水管101の方まで逆流することがなく、浴槽の汚水と上水とを確実に縁切りすることができる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
このように、従来の注湯弁は、浴槽側に設けられた逆止弁がたとえ故障したとしても、大気開放弁が上水道の元圧の低下を感知した場合には、逆止弁の上流側を大気に開放するため、浴槽が給湯器よりも高所にあることによって逆流して故障した逆止弁を通ってきた汚水を大気に放出して、給湯管や給水管の方までは逆流することはない。しかし、大気開放弁は、逆止弁が故障したときに汚水の逆流を防止する安全弁でありながら、元圧が下がらなければ、いつまでも閉じたままの状態を維持し続けているので、長年にわたって長期連続使用しているうちに弁体が固着してしまうことが考えられ、そのような状態になった場合にも、元圧の低下に応動して正常かつ確実に開放動作をするかどうか不安があるという問題点があった。
【0011】
本発明はこのような点に鑑みてなされたものであり、大気開放弁の信頼性を向上させた注湯弁を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明では上記問題を解決するために、給湯器からの湯を風呂へ供給する注湯弁において、前記給湯器の側に配置された元弁と、前記元弁の下流側の通路を大気に開放する大気開放弁と、前記元弁の下流側の通路と風呂に通じる出口との間に配置された出口弁と、注湯時に前記元弁の上流側の水圧を受けて前記元弁を開け、前記大気開放弁を閉じ、前記出口弁を開けるように前記元弁、前記大気開放弁および前記出口弁を連動して開閉駆動するダイヤフラムと、注湯時に前記元弁の上流側の水圧を前記ダイヤフラムによって仕切られたダイヤフラム室に導入して前記元弁、前記大気開放弁および前記出口弁を連動して開閉駆動する方向に前記ダイヤフラムを変位させる電磁弁と、を備えていることを特徴とする注湯弁が提供される。
【0013】
このような注湯弁によれば、注湯していない電磁弁オフのときには、ダイヤフラム室に給湯器からの水圧が導入されないので、ダイヤフラムには、大気開放弁、出口弁および元弁を駆動する力がなく、したがって、大気開放弁は開き、元弁および出口弁は閉じていて、元弁と出口弁との間の通路は常に大気に開放されている。注湯時の電磁弁オンのときには、ダイヤフラム室に給湯器からの水圧が導入され、ダイヤフラムの駆動力によって大気開放弁が閉じ、次いで出口弁および元弁が順次開いて、給湯器からの湯が風呂の方へ供給される。注湯中に、給湯器側の水圧が低下すると、ダイヤフラム室に導入されていた水圧も低下し、電磁弁がオフのときと同じになり、元弁および出口弁が順次閉じて大気開放弁が開くので、風呂からの汚水の逆流があったとしても、汚水は大気開放弁により大気に放出されるため、風呂の汚水を上水と完全に縁切りすることができる。大気開放弁は、注湯のたびに元弁の開閉に連動して開閉するため、長期閉止状態が持続することによる弁体の固着がなく、異常時にも確実に縁切り動作をすることができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して詳細に説明する。
図1は本発明による注湯弁を適用した給湯システムの構成を模式的に示した図である。
【0015】
この給湯システムにおいて、上水道の給水管1は、流量センサ2を介して熱交換器3および水バイパス弁4の上流側に接続され、熱交換器3および水バイパス弁4の下流側は合流した後、水比例弁5に接続されて、給湯器を構成している。水比例弁5の下流側は、たとえば台所の蛇口などへ出湯する給湯管6に接続されている。
【0016】
水比例弁5の下流側は、また、風呂の浴槽7に注湯するための注湯弁8が設けられている。この注湯弁8は、流量センサ9と、電磁弁10と、ダイヤフラム11と、このダイヤフラム11によって駆動される元弁12、大気開放弁13および出口弁14と、逆止弁15とから構成されている。
【0017】
電磁弁10は、流量センサ9の下流側の通路とダイヤフラム11によって仕切られた図の上側のダイヤフラム室11aとを連通または閉塞するよう開閉するもので、注湯時にオンされて流量センサ9の下流側の水圧をダイヤフラム室11aに導入する。図の下側のダイヤフラム室は、元弁12の下流側の通路に連通されている。ダイヤフラム11には、オリフィス16が設けられていて、電磁弁10がオフのときに、上側のダイヤフラム室11aと下側のダイヤフラム室とはオリフィス16を介してほぼ大気圧と同じ圧力になる。元弁12、大気開放弁13および出口弁14は、ダイヤフラム11の動きに連動して開閉動作する。元弁12は、ダイヤフラム11が変位しないとき全閉、図の下方向に変位したとき全開する。大気開放弁13は、ダイヤフラム11が変位しないとき全開、変位したとき全閉する。出口弁14は、ダイヤフラム11が変位しないとき全閉、変位したとき全開する。なお、この図1の例では、電磁弁10は、流量センサ9の下流側の水圧をダイヤフラム室11aに導入するよう構成したが、流量センサ9の上流側の水圧をダイヤフラム室11aに導入するように構成してもよい。
【0018】
注湯を行わないとき、注湯弁8は、電磁弁10をオフにして全閉にする。これにより、元弁12は全閉、大気開放弁13は全開、出口弁14は全閉する。つまり、元弁12の下流側および出口弁14の上流側の通路17は、大気開放弁13によって大気に開放されている。
【0019】
次に、風呂の浴槽7に注湯するときには、注湯弁8は、電磁弁10をオンにして全開にする。これにより、上側のダイヤフラム室11aには、流量センサ9の下流側の水圧が導入されるので、ダイヤフラム11は、元弁12、大気開放弁13および出口弁14を駆動し、元弁12を全開、大気開放弁13を全閉、出口弁14を全開の状態にする。給湯器から導入された湯は、流量センサ9、元弁12、出口弁14および逆止弁15を通って浴槽7に供給される。
【0020】
この注湯中に、たとえば断水などによって給水管1の元圧が低下する、あるいはたとえば複数の給湯用蛇口が同時に全開されることによって、所定の出湯温度を維持すべく水比例弁5が流量を絞ったために給湯管6の水圧が低下したとする。この場合、その水圧低下は、ダイヤフラム11によって検知され、元弁12を全閉、大気開放弁13を全開、出口弁14を全閉の状態、すなわち、電磁弁10をオフにしたときと同じ状態にする。
【0021】
ここで、浴槽7が給湯器よりも高い位置に設置されていて、注湯弁8の逆止弁15に大きな水頭圧がかかっているような状況を想定する。もし、注湯中に注湯弁8の入口側の水圧が低下してしまったときに、逆止弁15が全閉しないというような故障が起きた場合、注湯弁8は、ダイヤフラム11が水圧低下を感知して電磁弁10をオフにしたときと同じ状態に制御するため、浴槽7から汚水が故障した逆止弁15を通って逆流したとしても、出口弁14が全閉していることで通路17に到達することはない。たとえ、この出口弁14も同時に全閉しないというような故障が起きたとしても、通路17は大気開放弁13によって大気に開放されているため、通路17に逆流してきた汚水は、その大気開放弁13を介して大気に放出される。しかも、このとき、元弁12は全閉状態になっているため、給湯管6まで逆流することはない。また、大気開放弁13は、注湯を行うたびに、すなわち電磁弁10がオン・オフするたびに開閉動作をするので、長年全閉状態を維持することによる弁体の固着といった不具合は実質上発生することはなく、通路17まで逆流してきた汚水は、大気開放弁13によって確実に大気に放出される。
【0022】
図2は本発明による注湯弁の構成例を電磁弁オフの状態で示す断面図、図3は本発明による注湯弁の構成例を電磁弁オンの状態で示す断面図である。この図2および図3において、図1に示した構成要素と同じまたは対応する構成要素は同じ符号を付してあり、かつ電磁弁がオフのときの状態を示している。
【0023】
この注湯弁8は、給湯器の給湯管6に接続される入口20と、浴槽7への配管が接続される出口21と、大気開放口22とがボディ23と一体に形成されている。ただし、この図2の断面図では、内部通路の接続関係を同時に示すために、これら入口20、出口21および大気開放口22の断面が同一平面上にあるように示したが、実際には、大気開放口22が重力方向と逆方向の真上に形成されている以外は、異なる角度での断面を組み合わせた形になっている。
【0024】
入口20の通路には、ストレーナ24および流量センサ9が設けられ、その下流は、一方は通路25を介して電磁弁10に連通し、他方は、元弁12に連通している。元弁12は、上流側の面に弁座として機能する環状突起を持ったシートリング26と、このシートリング26に上流側から対向して進退自在に配置された弁体27と、この弁体27を弁閉方向に付勢しているスプリング28とからなり、シートリング26への着座部には、弁シート29が弁体27に嵌合されている。この弁体27は、弁孔を介して軸線方向に延びるシャフトを有し、このシャフトの先端がシートリング26に進退自在に配置されている。この元弁12の下流側は、通路17を介して出口弁14と大気開放弁13とに連通している。
【0025】
出口弁14は、下流側の面に弁座として機能する環状突起を持ったシートリング30と、このシートリング30に下流側から対向して進退自在に、かつ元弁12と同一軸線上に配置された弁体31と、この弁体31を弁閉方向に付勢しているスプリング32とからなり、シートリング30への着座部には、弁シート33が弁体31に嵌合されている。この弁体31は、軸線方向に延びるシャフトを有し、このシャフトの先端がシートリング26に進退自在に配置され、かつその端面が元弁12のシャフトの先端面と対向しており、弁体31が弁開方向に移動すると、それに連動して元弁12の弁体27も弁開方向に移動するようにしている。この出口弁14の下流側は、出口21の通路内に設けられた逆止弁15に連通している。
【0026】
逆止弁15は、ボディ23に一体に形成された弁座を有し、その弁座に対向して下流側から進退自在に弁体34が配置され、その弁体34はスプリング35によって弁閉方向に付勢されている。弁体34は、また、その着座部分に弁シート36が嵌合されている。
【0027】
大気開放弁13は、下流側の面に弁座として機能する環状突起を持ったシートリング37と、このシートリング37に下流側から対向して元弁12および出口弁14と同一軸線上を進退自在に配置されたピストン状の弁体38とを有し、弁体38は、その着座部分に弁シート39が嵌合されている。この大気開放弁13の下流側は、大気開放口22に連通し、上流側は、出口弁14の上流側の空間と通路17を介して弁体38の出口弁14と反対側の空間とに連通している。この弁体38を挟んで出口弁14の上流側の空間と反対側の空間は、弁閉時において、大気開放口22から遮断されるように、ダイヤフラム40によってシールされている。このダイヤフラム40は、ピストン状の弁体38がなるべく小さな摺動抵抗で動かすためと、弁体38の移動ストロークを大きくとるために採用している。このダイヤフラム40は、その有効径をシートリング37に形成された弁座の有効径と等しく設計されている。これにより、弁体38には大気圧が軸線方向逆向きに等しくかかることになり、大気圧がこの大気開放弁13の駆動に関してキャンセルされ、弁体38を大気圧に関連しないで動かすことができる。
【0028】
弁体38は、また、その軸線位置にシャフト41が遊嵌されている。このシャフト41は、径の小さな部分と径の大きな部分とからなり、その径の違いによる段差がストッパとなって径の小さな部分に遊嵌された弁体38の図の右側端面が当接されるようになっている。シャフト41の径の大きな部分にはリングが嵌め込まれており、そのリングと出口弁14のシートリング30との間にスプリング42が介挿されている。シャフト41の径の小さな部分の端面は、スプリング42の付勢力によってダイヤフラム11を保持しているセンターディスク43に当接され、ダイヤフラム11を押している。また、センターディスク43と弁体38との間には、シャフト41をダイヤフラム11の方へ付勢しているスプリング42よりもばね力の小さなスプリング44が介挿され、弁体38をシャフト41のストッパに当接する方向に付勢している。シャフト41は、また、ダイヤフラム11により駆動されて大気開放弁13が閉じたときでも、まだ、出口弁14の側の端部が出口弁14に当接しないように隙間ができるだけの長さを有している。
【0029】
ボディ23の長手方向両端は、ハウジング45,46によって閉止されている。ダイヤフラム11との間にダイヤフラム室11aを形成するハウジング46には、そのダイヤフラム室11aと元弁12の上流側の空間との間を連通または遮断する電磁弁10が設けられている。
【0030】
以上の構成の注湯弁8において、まず、注湯していないときの注湯弁8の動作について説明する。注湯していないときは、図2に示したように、電磁弁10はオフであり、ダイヤフラム11とハウジング46との間のダイヤフラム室11aは、元弁12の上流側の空間と遮断されている。したがって、ダイヤフラム11の両側の空間は、オリフィス16を介して均圧になっているため、ダイヤフラム11は、シャフト41を介してスプリング42の付勢力により図の一番左端まで押されている。このとき、大気開放弁13の弁体38は、スプリング44により弁閉方向へ付勢されているが、シャフト41のストッパに係止されて弁開位置に保持されている。
【0031】
また、大気開放弁13を貫通しているシャフト41は、出口弁14の弁体31から離れているため、その弁体31はスプリング32によってシートリング30に着座され、出口弁14は弁閉されている。元弁12も、その弁体27がスプリング28によってシートリング26に着座されて弁閉されている。
【0032】
このように、電磁弁10がオフのときは、元弁12および出口弁14が全閉、大気開放弁13が全開となり、注湯弁8内の通路17を含む内部空間が大気開放口22によって大気に開放されている。
【0033】
この状態で、入口20の圧力が大気圧よりも低くなったとした場合、たとえ元弁12が閉まらなくなるという故障が起きていたとしても、通路17は、大気に開放されているから、入口20には空気が入っていくだけである。また、出口21の逆止弁15が閉まらなくなるという故障が起きたとした場合、浴槽7が高所にあると、出口21には水頭圧がかかるが、その水頭圧は出口弁14を弁閉方向に押すことになるので、浴槽7の汚水は、その出口弁14で遮断される。仮に、この出口弁14も閉まらなくなるという故障が同時に起きていたとした場合、汚水が注湯弁8内にまで逆流してくることになるが、この注湯弁8内は大気に開放されており、汚水は大気開放口22から大気に放出される。このとき、元弁は入口20の水圧とスプリング28の荷重とによって閉止されているので、入口20に汚水が逆流することはない。
【0034】
次に、風呂の浴槽7に注湯するときには、注湯弁8は、電磁弁10をオンにする。すると、図3に示したように、入口20の水圧が通路25および電磁弁10を介してダイヤフラム室11aに導入される。これにより、ダイヤフラム11は、図の右方向へシャフト41を押していく。これとともに、シャフト41を遊嵌している大気開放弁13の弁体38も、スプリング44によってシャフト41のストッパに当接された状態で一緒に図の右方向へ移動する。
【0035】
このように、ダイヤフラム11がシャフト41を駆動していくと、まず、大気開放弁13の弁体31がシートリング37に着座し、大気開放弁13を全閉にする。ダイヤフラム11がさらにシャフト41を駆動すると、大気開放弁13の弁体31はシートリング37に取り残され、シャフト41だけが図の右方向へ移動していく。この移動に伴い、ダイヤフラム11と弁体31との間に介挿されたスプリング44が圧縮され、これが弁体31をさらに全閉方向へ付勢する。
【0036】
シャフト41は、さらに図の右方向へ移動すると、次に、出口弁14の弁体31に当接し、その弁体31を弁開方向へ駆動する。この弁体31が開き始めた直後に、今度は、その弁体31のシャフトが元弁12の弁体27のシャフトを押すことになる。このようにして、電磁弁オンになると、まず、大気開放弁13が閉じ、次に、出口弁14が開き、そして元弁12が開くので、入口20に供給された湯は、流量センサ9、元弁12、通路17、出口弁14および逆止弁15を通って出口21から出て行き、浴槽7に注湯されるようになる。
【0037】
この注湯している最中に、断水などが発生して入口20の水圧が低下すると、ダイヤフラム室11aの水圧も低下するため、ダイヤフラム11はスプリング42によって図の左方向へ押し戻される。これにより、出口弁14および元弁12もそれらのスプリング32,28によって弁閉方向に押し戻される。その結果、まず、元弁12が閉じ、次に出口弁14が閉じた後、大気開放弁13の弁体38がシャフト41のストッパにより図の左方向へ押し戻されることで、大気開放弁13が開いて、注湯弁8の元弁12と出口弁14との間の空間を大気に開放する。つまり、電磁弁10がオンであっても、入口20の圧力が低下すると、注湯弁8は、図2に示した電磁弁10がオフのときと同じ状態になる。したがって、注湯中に入口20の圧力が低下した場合、上記した電磁弁10がオフのときと同じように、あらゆる弁の故障に対しても、風呂側の配管は給湯器側の配管から完全に縁切りされるので、汚水が上水道の方まで逆流することが防止される。
【0038】
また、この注湯弁8は、大気開放口22を注湯弁8の上に開口するよう設けられている。このため、電磁弁10をオフにしたとき、元弁12および出口弁14を全閉してから大気開放弁13を全開するため、注湯弁8の内部が大気に開放されているにも拘らず、中にある水は、大気開放口22からこぼれ出ることがなく溜まったままである。もちろん、逆止弁15および出口弁14が故障して風呂からの汚水の逆流があったときには、その汚水は、大気開放口22からあふれ出て、大気に捨てられるが、注湯弁8が正常に動作しているうちは、ほとんど出ることはない。
【0039】
注湯弁8内は常に水で満たされていて空気が入ってこないので、たとえば風呂が給湯器よりも低い位置にあって出口21が負圧になるような場合、注湯時に出口弁14が開いたときに中に溜まっている水を吸い出すが、そのときに、決して空気が混じることはない。したがって、注湯するたびに、空気混入による異音が発生するということもない。
【0040】
以上、本発明をその好ましい実施の形態について説明したが、本発明は、その特定の実施の形態に限定されるものではない。たとえば、実施の形態では、逆止弁の上流側に出口弁を設けたが、この出口弁はなくても注湯弁としての機能は有しているので、必ずしも必要なものではない。また、大気開放弁から大気に開口する大気開放口の開口端を大気開放弁よりも上方位置に設けたが、その大気開放口は、大気開放弁よりも下方位置にて開口するように構成してもよい。
【0041】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明では、注湯のたびに元弁の開閉動作に連動して大気開放弁を開閉するように構成にした。これにより、長期間、非作動の状態が持続されることによる弁体の固着がないため、逆止弁が故障したときのような異常の発生に対して確実に大気開放弁を動作させて風呂の汚水を上水から縁切りすることができるので、注湯弁の信頼性を向上させることができる。
【0042】
また、圧力低下の感知を、元圧ではなくて、給湯圧を感知して動作する構成にしたことで、お風呂に注湯中に給湯用の蛇口が全開となって注湯弁入口の圧力が元弁と大気開放弁との間の圧力よりも低下することがあっても、逆止弁故障により逆流した汚水が給湯管まで逆流して設置家庭の蛇口から汚水が出てしまうことはもちろん、給水管を通じて他の家庭の蛇口から汚水が出てしまうこともまったくない。
【0043】
電磁弁がオフすると元弁が閉じて大気開放弁が大気開放するが、大気開放口を元弁や大気開放弁よりも高い位置に設けたことにより、電磁弁がオフするたびに毎回大気開放するにも拘らず、中に溜まっていた水が外部にあふれ出ることがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による注湯弁を適用した給湯システムの構成を模式的に示した図である。
【図2】本発明による注湯弁の構成例を電磁弁オフの状態で示す断面図である。
【図3】本発明による注湯弁の構成例を電磁弁オンの状態で示す断面図である。
【図4】従来の給湯システムの構成例を示す図である。
【図5】従来の大気開放弁付き注湯弁を有する給湯システムの構成例を示す図である。
【符号の説明】
1 給水管
2 流量センサ
3 熱交換器
4 水バイパス弁
5 水比例弁
6 給湯管
7 浴槽
8 注湯弁
9 流量センサ
10 電磁弁
11 ダイヤフラム
11a ダイヤフラム室
12 元弁
13 大気開放弁
14 出口弁
15 逆止弁
16 オリフィス
17 通路
20 入口
21 出口
22 大気開放口
23 ボディ
24 ストレーナ
25 通路
26 シートリング
27 弁体
28 スプリング
29 弁シート
30 シートリング
31 弁体
32 スプリング
33 弁シート
34 弁体
35 スプリング
36 弁シート
37 シートリング
38 弁体
39 弁シート
40 ダイヤフラム
41 シャフト
42 スプリング
43 センターディスク
44 スプリング
45,46 ハウジング
Claims (9)
- 給湯器からの湯を風呂へ供給する注湯弁において、
前記給湯器の側に配置された元弁と、
前記元弁の下流側の通路を大気に開放する大気開放弁と、
前記元弁の下流側の通路と風呂に通じる出口との間に配置された出口弁と、
注湯時に前記元弁の上流側の水圧を受けて前記元弁を開け、前記大気開放弁を閉じ、前記出口弁を開けるように前記元弁、前記大気開放弁および前記出口弁を連動して開閉駆動するダイヤフラムと、
注湯時に前記元弁の上流側の水圧を前記ダイヤフラムによって仕切られたダイヤフラム室に導入して前記元弁、前記大気開放弁および前記出口弁を連動して開閉駆動する方向に前記ダイヤフラムを変位させる電磁弁と、
を備えていることを特徴とする注湯弁。 - 前記ダイヤフラム、前記大気開放弁、前記出口弁および前記元弁は、この順で同一軸線上に配置され、注湯時に前記ダイヤフラムによる駆動によって、前記大気開放弁が閉じた後、前記出口弁が開けられ、その後、前記元弁が開けられるようにしたことを特徴とする請求項1記載の注湯弁。
- 前記大気開放弁は、弁体にその軸線位置に前記ダイヤフラムの変位を前記出口弁に伝えるシャフトが遊挿され、前記出口弁側に配置された第1のスプリングにより前記シャフトが付勢されることにより前記シャフトに設けられたストッパに前記弁体が当接されて弁開方向に付勢され、前記ダイヤフラムとの間に配置され前記第1のスプリングよりもばね力の小さな第2のスプリングにより前記弁体が前記ストッパに当接する方向に付勢されていることを特徴とする請求項1記載の注湯弁。
- 前記シャフトは、前記ダイヤフラムにより駆動されて前記大気開放弁が閉じたとき、前記元弁側の端部とこれが前記元弁に当接する場所との間に隙間があるような長さを有していることを特徴とする請求項3記載の注湯弁。
- 前記大気開放弁は、前記元弁の下流側の通路から大気に開口した大気開放口へ通じる通路の途中に配置された弁座と、前記弁座に対向して前記大気開放口の側から前記ダイヤフラムによる駆動方向に進退自在に配置された弁体と、前記弁体の前記ダイヤフラムから駆動力を受ける側に前記大気開放口へ通じる通路を前記元弁の下流側の通路から遮断するシール部材とを有していることを特徴とする請求項1記載の注湯弁。
- 前記シール部材は、前記弁座と同じ有効径を有して前記大気開放弁の動作に大気圧が関与しないようにした第2のダイヤフラムであることを特徴とする請求項5記載の注湯弁。
- 前記大気開放弁から大気に開口する大気開放口を有し、前記大気開放口の開口端を前記大気開放弁よりも上方位置に設けて、内部の水が大気に抜けずに溜まるようにしたことを特徴とする請求項1記載の注湯弁。
- 前記出口弁の下流側に逆止弁を備えていることを特徴とする請求項1記載の注湯弁。
- 前記元弁の上流側の入口に流量センサを備えていることを特徴とする請求項1記載の注湯弁。
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