JP3830222B2 - 固体撮像装置及びその駆動方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、任意領域の受光画素の出力を読み出すことの可能な固体撮像装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、2次元状に配列された複数の画素からなる画素アレイの任意領域の受光画素の読み出し可能なXYアドレス型の固体撮像装置としては、例えば、特開平7−46483号に開示されているように、受光画素の出力を時系列的に読み出すための走査手段を構成するシフトレジスタを複数のブロックに分割し、各分割したブロックに対応した領域を読み出す方法が知られている。しかし、この方法は、シフトレジスタの繰り返しの単位は分割したブロックとなり、ブロックとブロックの境界で信号の質が変化する可能性がある。また、固体撮像装置の製造時にあらかじめ設定されたブロック単位での読み出しのため、任意の領域からの信号の読み出しはできない。
【0003】
上記問題点を解消するための走査回路の構成を、本件出願人が先に特願平7−339935号において提案した。上記出願において提案した走査回路の構成を図8に示す。図8において、101 は第1のクロック型インバータ101-1と第2のクロック型インバータ101-2を直列に接続したシフトレジスタユニットで、該シフトレジスタユニット101 を多段に縦続接続してシフトレジスタを構成している。102 はアナログスイッチで構成され、クロックφTBAがHレベルの時に導通する記憶用スイッチ、103 はアナログスイッチで構成され、クロックφLDがHレベルの時に導通する転送用スイッチであり、両スイッチ102 ,103 の一端は第1のクロック型インバータ101-1の出力端に接続されている。104 は第1,第2及び第3のインバータ104-1,104-2及び104-3と、アナログスイッチからなるラッチ用スイッチ104-4とで構成される記憶部で、第1のインバータ104-1の出力端と第2のインバータ104-2及び第3のインバータ104-3の入力端を接続し、第3のインバータ104-3の出力端と第1のインバータ104-1の入力端の間に、ラッチ用スイッチ104-4を設け、第1のインバータ104-1の入力端は記憶用スイッチ102 の他端に、第2のインバータ104-2の出力端は転送用スイッチ103 の他端にそれぞれ接続されている。そして、ラッチ用スイッチ104-4は、クロックφTBBがLレベルの時に導通するようになっている。
【0004】
更に、第1のインバータ104-1の入力端と電源VDDの間には、リセットスイッチ105 が接続されており、クロック/φR(φRの反転クロック)がLレベルの時に導通するようになっている。また、第2のクロック型インバータ101-2の出力端と電源VSSの間には、クロックφCLで駆動されるクリアスイッチ107 が設けられている。なお、このクリアスイッチについては、特開平6−338198号公報において更に詳述されている。このように構成された走査回路の単位段は106 で示されており、図8には8段の単位段で構成された走査回路を示しているが、実際の固体撮像装置の走査回路においては、更に多段構成となっている。なお、各スイッチを駆動する各クロックは、制御用クロック発生部より出力されるようになっている。
【0005】
次に、8段の走査回路単位段のうち、第3,4,5の単位段を選択範囲とする動作について、図9のタイミングチャートをもとに説明する。時刻tST1 に、スタートパルスφSTを第1単位段のシフトレジスタユニット101 の入力端に入力する。その後、時刻tTB1 において、φTBA,φTBBをクロックφ2のHレベルに同期してHレベルとする。これによりラッチ用スイッチ104-4が非導通となり、記憶用スイッチ102 が導通し、各単位段のシフトレジスタユニットの第1のクロック型インバータの出力端であるノードSR0.5 ,SR1.5 ,SR2.5 ,SR3.5 ,SR4.5 ,SR5.5 ,SR6.5 ,SR7.5 の各情報が、記憶部104 の入力端に伝達される。したがって、第1から第8の単位段の各シフトレジスタユニット101 に対応した各記憶部には、それぞれH,H,L,H,H,H,H,Hレベルが伝達される。
【0006】
その後、φTBA,φTBBがLレベルとなると、記憶用スイッチ102 が非導通となり、ラッチ用スイッチ104-4が導通し、記憶部104 の入力端と各ノードSR0.5 ,SR1.5 ,SR2.5 ,SR3.5 ,SR4.5 ,SR5.5 ,SR6.5 ,SR7.5 が切り離され、記憶部104 に入力された情報がラッチされ、新たにノードSR0.5 ,SR1.5 ,SR2.5 ,SR3.5 ,SR4.5 ,SR5.5 ,SR6.5 ,SR7.5 から記憶部104 の入力端に情報が伝達されない限り、この情報を維持する。これで、走査開始位置の設定動作(先行走査)が完了する。
【0007】
その後、時刻tLD1 において、クロックφ1のHレベルに同期してクロックφLDをHレベルとすることで、任意の領域に選択信号を出力する本走査が開始する。これにより転送用スイッチ103 が導通し、各シフトレジスタユニット101 に対応した記憶部104 に記憶された情報H,H,L,H,H,H,H,Hレベルが、各単位段の各ノードSR0.5 ,SR1.5 ,SR2.5 ,SR3.5 ,SR4.5 ,SR5.5 ,SR6.5 ,SR7.5 に伝達される。また、クロックφ1がHレベルであるので、第1のクロック型インバータ101-1がアクティブとなり、SR1.0 ,SR2.0 ,SR3.0 ,SR4.0 ,SR5.0 ,SR6.0 ,SR7.0 ,SR8.0 の各ノードには、それぞれSR0.5 ,SR1.5 ,SR2.5 ,SR3.5 ,SR4.5 ,SR5.5 ,SR6.5 ,SR7.5 の各ノードの反転信号が伝達される。したがって、時刻tLD1 にはノードSR3.0 に選択信号が出力され、以降ノードSR4.0 ,SR5.0 に伝達される。時刻tCL1 で、クロックφ2のHレベルに同期してクロックφCLをHレベルとする。これにより、クリアスイッチ107 が導通し、各ノードSR1.0 ,SR2.0 ,SR3.0 ,SR4.0 ,SR5.0 ,SR6.0 ,SR7.0 ,SR8.0 がLレベルとなり、以降の選択信号の伝達は行われない。以上の動作により、時刻tLD1 以降のノードSR3.0 ,SR4.0 ,SR5.0 にのみ選択信号が出力される。
【0008】
そして、時刻tTB1 とtCL1 を適当なタイミングに調整することにより、任意の範囲に選択信号を出力することができる。また、同一範囲の走査を繰り返して行うためには、時刻tLD2 において、クロックφ1のHレベルに同期してクロックφLDをHレベルとする。これにより再び転送用スイッチ103 が導通し、各シフトレジスタユニット101 に対応した記憶部104 に記憶された情報H,H,L,H,H,H,H,Hレベルが、各単位段の各ノードSR0.5 ,SR1.5 ,SR2.5 ,SR3.5 ,SR4.5 ,SR5.5 ,SR6.5 ,SR7.5 に伝達され、走査を行うことができる。ここで、クロックφLDをHレベルとする時刻は、クロックφCLをHレベルとした後である必要がある。ここで、時刻tLD1 と時刻tLD2 の最小の間隔は、クロックφ1の4周期分となる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
次に、図8に示した先に提案した走査回路の問題点について説明する。図8に示した走査回路においては、クロックφ1の2周期分以上の幅をもった選択信号を、シフトレジスタから出力する場合が生じる。図8に示した構成のシフトレジスタにおいて、クロックφ1の2周期分の幅のシフトパルスを選択信号としてシフト動作をさせる場合の動作を、図10に示すタイミングチャートをもとに説明する。ここでは、各シフトレジスタユニットから出力されるクロックφ1の2周期分の信号を選択信号とする。時刻tST11において、クロックφ1の2周期分Hレベルを保つスタートパルスφSTを、第1の単位段のシフトレジスタユニット101 の入力端に入力する。その後、時刻tTB11において、φTBA,φTBBをクロックφ2のHレベルに同期してHレベルとする。これにより、ラッチ用スイッチ104-4が非導通となり、記憶用スイッチ102 が導通し、ノードSR0.5 ,SR1.5 ,SR2.5 ,SR3.5 ,SR4.5 ,SR5.5 ,SR6.5 ,SR7.5 の各情報が、記憶部104 の入力端に伝達される。したがって、第1の単位段から第8の単位段の各シフトレジスタユニット101 に対応した各記憶部104 には、それぞれH,L,L,H,H,H,H,Hレベルが伝達される。
【0010】
その後、φTBA,φTBBがLレベルとなると、記憶用スイッチ102 が非導通となり、ラッチ用スイッチ104-4が導通し、記憶部104 の入力端と各ノードSR0.5 ,SR1.5 ,SR2.5 ,SR3.5 ,SR4.5 ,SR5.5 ,SR6.5 ,SR7.5 が切り離され、記憶部104 に入力された情報がラッチされ、新たにノードSR0.5 ,SR1.5 ,SR2.5 ,SR3.5 ,SR4.5 ,SR5.5 ,SR6.5 ,SR7.5 から記憶部104 の入力端に情報が伝達されない限り、この情報を維持する。
【0011】
その後、時刻tLD11において、クロックφ1のHレベルに同期してクロックφLDをHレベルとする。これにより転送用スイッチ103 が導通し、各シフトレジスタユニット101 に対応した記憶部104 に記憶されている情報H,L,L,H,H,H,H,Hレベルが、各単位段の各ノードSR0.5 ,SR1.5 ,SR2.5 ,SR3.5 ,SR4.5 ,SR5.5 ,SR6.5 ,SR7.5 に伝達される。また、クロックφ1がHレベルであるので、第1のクロック型インバータ101-1がアクティブとなり、SR1.0 ,SR2.0 ,SR3.0 ,SR4.0 ,SR5.0 ,SR6.0 ,SR7.0 ,SR8.0 の各ノードには、それぞれSR0.5 ,SR1.5 ,SR2.5 ,SR3.5 ,SR4.5 ,SR5.5 ,SR6.5 ,SR7.5 の各ノードの反転信号が伝達される。したがって、時刻tLD11よりノードSR3.0 に選択信号が出力され、以降ノードSR4.0 ,SR5.0 に伝達される。時刻tCL11で、クロックφ2のHレベルに同期してクロックφCLをHレベルとする。これにより、クリアスイッチ107 が導通し、各ノードSR1.0 ,SR2.0 ,SR3.0 ,SR4.0 ,SR5.0 ,SR6.0 ,SR7.0 ,SR8.0 がLレベルとなり、以降の選択信号の伝達は行われない。以上の動作により、時刻tLD11以降のノードSR3.0 ,SR4.0 ,SR5.0 にのみ選択信号が出力される。なお、ノードSR2.0 ,SR6.0 にもHレベルが出力されるが、クロックφ1の2周期分の幅をもたないので選択信号とはならない。
【0012】
ノードSR3.0 ,SR4.0 ,SR5.0 に対して選択信号を出力させる走査を繰り返して行うためには、時刻tLD12において、クロックφ1のHレベルに同期してクロックφLDをHレベルとする。これにより再び転送用スイッチ103 が導通し、各シフトレジスタユニット101 に対応した記憶部104 に記憶された情報H,L,L,H,H,H,H,Hレベルが、各単位段の各ノードSR0.5 ,SR1.5 ,SR2.5 ,SR3.5 ,SR4.5 ,SR5.5 ,SR6.5 ,SR7.5 に伝達され、走査を行うことができる。ここで、ノードSR5.0 にクロックφ1の2周期分の選択信号が出力される前にφCL又はφLDをHレベルとすると、シフトレジスタ全段の出力が変化してしまうため、所望の段数に選択信号を出力することができなくなる。したがって、クロックφLDをHレベルとする時刻は、ノードSR5.0 にクロックφ1の2周期分の選択信号が出力された後に、クロックφCLをHレベルとした後である必要がある。ここでは、時刻tLD11と時刻tLD12の最小の間隔はクロックφ1の5周期分となる。したがって、図10を用いて説明した動作を垂直走査に適用した場合には、クロックφ1の5周期分が1垂直走査期間に相当し、3単位段のシフトレジスタユニットに選択信号が出力されるので、クロックφ1の3周期が有効垂直走査期間に相当する。したがって、残りのクロックφ1の2周期分が垂直ブランキング期間となる。
【0013】
ここでは、3単位段のシフトレジスタユニットからクロックφ1の2周期分の幅をもった選択信号を出力する例を示したが、より多段で幅の広い選択信号を出力させるためには、クロックφLDをHレベルとする間隔は、選択信号を出力する段数と選択信号の幅の和に相当するクロックφ1の周期分、離す必要がある。例えば、200 段のシフトレジスタに、クロックφ1の 100周期分の幅をもった選択信号を出力するには、クロックφLDのHレベルの間隔は、クロックφ1の約 300周期分となる。垂直走査に当てはめると、1垂直走査期間はクロックφ1の 300周期分に、有効垂直走査期間はクロックφ1の 200周期分に、垂直ブランキング期間はシフトパルスの幅であるクロックφ1の 100周期分に相当する。ブランキング期間すなわち走査と走査の間の無効期間は、シフトパルスの幅により変化することになる。なお、幅をもった選択信号は、特開平3−127567号で開示されているような、電子シャッタ動作等において利用される。
【0014】
本発明は、従来の画素アレイの有効画素領域の一部分の任意の領域から画素信号を読み出すことが可能な固体撮像装置における上記問題点を解消するためになされたもので、シフトレジスタ内を転送されるパルスに幅をもたせた場合においても、連続撮像において無効期間を短縮することが可能な固体撮像装置を提供することを目的とする。請求項毎の目的を述べると、請求項1及び2記載の発明は、画素アレイの有効画素領域の一部分の任意の領域から画素信号を読み出すことが可能なXYアドレス型の固体撮像装置において、走査回路を構成するシフトレジスタ内を転送されるパルスに幅をもたせた場合においても、連続撮像において無効期間を短縮することが可能な固体撮像装置及びその駆動方法を提供することを目的とする。請求項3記載の発明は、連続撮像を途切らせることなく読み出し領域の変更が可能な固体撮像装置の駆動方法を提供することを目的とする。請求項4記載の発明は、先行走査期間を短期間に完了させることが可能な固体撮像装置の駆動方法を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上記問題点を解決するため、請求項1記載の発明は、2次元状に配列された複数の画素からなる画素アレイと、該画素アレイの画素信号の読み出しを行うための水平及び垂直走査回路とからなり、前記水平及び垂直走査回路の走査範囲を設定して、前記画素アレイの有効画素領域の一部分の任意領域からの画素信号を読み出す任意画素読み出しを行うようにしたXYアドレス型の固体撮像装置において、前記各走査回路を、シフトレジスタユニットを多段に直列に接続しクロックにより情報を伝達していくように構成したシフトレジスタと、任意段のシフトレジスタユニットの情報を記憶する走査開始位置記憶部と、前記シフトレジスタユニットの情報を前記走査開始位置記憶部に記憶させるための走査開始位置記憶用スイッチと、前記走査開始位置記憶部に記憶させた情報を前記シフトレジスタユニットに転送するための走査開始位置転送用スイッチと、任意段のシフトレジスタユニットの情報を記憶する走査停止位置記憶部と、前記シフトレジスタユニットの情報を前記走査停止位置記憶部に記憶させるための走査停止位置記憶用スイッチと、前記走査停止位置記憶部に記憶させた情報を前記シフトレジスタユニットに転送するための走査停止位置転送用スイッチとで構成するものである。
【0016】
このように構成することにより、画素アレイの有効画素領域の一部分の任意の領域から画素信号を読み出すことが可能な固体撮像装置において、電子シャッタ動作等を行わせるために幅をもつ選択信号を出力させるため、走査回路を構成するシフトレジスタ内を転送されるパルスに幅をもたせた場合においても、連続撮像において無効期間を短縮することが可能となる。
【0017】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の固体撮像装置を駆動するための駆動方法において、前記各走査回路の駆動ステップとして、前記画素アレイの任意領域の走査の開始位置までシフトさせたシフトレジスタの情報を、対応する走査開始位置記憶部に走査開始位置記憶用スイッチを介して記憶させ、続いて任意領域の走査の停止位置までシフトさせたシフトレジスタの情報を、対応する走査停止位置記憶部に走査停止位置記憶用スイッチを介して記憶させる、本走査に先立つ走査範囲設定のための先行走査ステップと、前記先行走査ステップにおいて前記走査開始位置記憶部に記憶させた情報を、走査開始位置転送用スイッチを介してシフトレジスタに転送して前記画素アレイの任意領域の走査を開始し、前記先行走査ステップにおいて前記走査停止位置記憶部に記憶させた情報を、走査停止位置転送用スイッチを介してシフトレジスタに転送して前記画素アレイの任意領域の走査を停止させる本走査ステップとを有することを特徴とするものである。
【0018】
このように構成することにより、画素アレイの有効画素領域の一部分の任意の領域から画素信号を読み出すことが可能な固体撮像装置において、電子シャッタ動作等を行わせるために幅をもつ選択信号を出力させるため、走査回路を構成するシフトレジスタ内を転送されるパルスに幅をもたせた場合においても、連続撮像において無効期間を短縮することが可能な駆動方法を実現することができる。
【0019】
請求項3記載の発明は、請求項2記載の固体撮像装置の駆動方法において、前記先行走査を垂直ブランキング期間内に行うことを特徴とするものである。このように駆動することにより、連続撮像を途切らせることなく読み出し領域の変更が可能となる。
【0020】
請求項4記載の発明は、請求項2又は3記載の固体撮像装置の駆動方法において、前記先行走査におけるシフトレジスタの駆動周波数を、本走査におけるシフトレジスタの駆動周波数より高くすることを特徴とするものである。このように駆動することにより、先行走査期間を短縮することが可能となる。
【0021】
【発明の実施の形態】
(第1の実施の形態)
本発明においては、2次元状に配列された複数の画素を有している固体撮像素子と該固体撮像素子の画素信号の読み出しを行うための水平及び垂直走査回路とからなり、有効画素領域の一部分の任意領域からの画素信号を読み出す任意画素読み出しを行うようにしたXYアドレス型の固体撮像装置において、走査回路を構成する部分が問題となる。したがって、本実施の形態では走査回路部分の構成に着目して説明を行う。
【0022】
まず、本発明に係る固体撮像装置の第1の実施の形態を、図1に示した走査回路の概念図をもとに説明する。図1において、1−1は奇数段目のシフトレジスタユニットを構成する第1のシフトレジスタユニット、1−2は偶数段目のシフトレジスタユニットを構成する第2のシフトレジスタユニットで、第1のシフトレジスタユニット1−1及び第2のシフトレジスタユニット1−2を多段に交互に直列に接続してシフトレジスタ1を構成している。第1のシフトレジスタユニット1−1は、走査開始位置記憶用スイッチ3を介して走査開始位置記憶部2−1の入力に接続され、走査開始位置記憶部2−1の出力は、走査開始位置転送用スイッチ4を介して第1のシフトレジスタユニット1−1に接続されている。また、第2のシフトレジスタユニット1−2は、走査停止位置記憶用スイッチ5を介して走査停止位置記憶部2−2の入力に接続され、走査停止位置記憶部2−2の出力は、走査停止位置転送用スイッチ6を介して第2のシフトレジスタユニット1−2に接続されている。7はパルス入力端子で、シフトレジスタユニットをシフトさせるパルスを入力する端子である。8は走査回路の構成単位を示していて、ここではシフトレジスタユニット2段分に相当する。なお、図1ではクロック、制御信号並びにそれらの発生回路の図示は省略している。
【0023】
シフトレジスタユニット1−1,1−2は、外部もしくは内部から供給されるクロックにしたがって、入力パルスを順次次段にシフトさせるものである。走査開始位置記憶部2−1及び走査停止位置記憶部2−2は、それぞれ任意領域走査の開始位置及び停止位置の情報を制御信号にしたがって記憶するもので、走査開始位置記憶用スイッチ3及び走査停止位置記憶用スイッチ5は、シフトレジスタユニット1−1,1−2の情報を制御信号にしたがって、走査開始位置記憶部2−1及び走査停止位置記憶部2−2に伝達するもので、走査開始位置転送用スイッチ4は制御信号及び走査開始位置記憶部2−1に記憶された情報にしたがって、対応するシフトレジスタユニットに選択レベルを転送するものであり、また走査停止位置転送用スイッチ6は制御信号及び走査停止位置記憶部2−2に記憶された情報にしたがって、対応するシフトレジスタユニットの出力を非選択レベルにするものである。ここでは、説明を簡単にするため、シフトレジスタ1を構成するシフトレジスタユニットの段数が8段の場合を示している。
【0024】
次に、このように構成されている走査回路の基本的な動作について説明する。本発明による走査回路においては、任意の位置からの走査、及び任意の位置での走査の停止を行う任意範囲走査(本走査)を行う前に、走査を開始する位置、及び走査を停止する位置を設定する先行走査が必要になる。本走査に先立つ先行走査において、パルス入力端子7よりシフトレジスタ1に入力されたパルスを、本走査において走査を開始しようとする位置までシフトした後、走査開始位置記憶用スイッチ3を導通させ、シフトレジスタ1の情報を走査開始位置記憶部2−1に記憶する。また、本走査において走査を停止しようとする位置までシフトした後、走査停止位置記憶用スイッチ5を導通させ、シフトレジスタ1の情報を走査停止位置記憶部2−2に記憶する。この操作によって先行走査は完了する。
【0025】
本走査ににおける走査開始は、先行走査において走査開始位置を記憶している走査開始位置記憶部2−1の出力及び制御信号により走査開始位置転送用スイッチ4が導通し、シフトレジスタ1の所望の位置のシフトレジスタユニット1−1からパルスが供給されることにより行われる。ここで、シフトレジスタ1の出力が変化するシフトレジスタユニットは、先行走査において走査開始位置を記憶した段のみである。また、本走査における走査停止は、先行走査において走査停止位置を記憶している走査停止位置記憶部2−2の出力及び制御信号により走査停止位置転送用スイッチ6が導通し、シフトレジスタ1の所望の位置のシフトレジスタユニット1−2でパルスが消滅することにより行われる。ここでもシフトレジスタ1の出力の変化するシフトレジスタユニットは、先行走査において走査停止位置を記憶した段のみである。したがって、出力が変化させられるシフトレジスタユニット以外のシフトレジスタユニットの情報は、各転送用スイッチの動作においても保存される。
【0026】
(第2の実施の形態)
次に、第2の実施の形態を、図2に示した走査回路の具体的な構成例に基づいて説明する。図2において、11−3及び11−4はそれぞれ第1及び第2のクロック型インバータであり、直列に接続されて第1のシフトレジスタユニット11−1及び第2のシフトレジスタユニット11−2を構成する。そして第1及び第2のシフトレジスタユニット11−1,11−2を交互に直列に多段(この実施の形態では8段)接続してシフトレジスタ11を構成している。12−1及び12−2は、それぞれ走査開始位置記憶部及び走査停止位置記憶部であり、いずれもラッチ回路により構成されている。そして、走査開始位置記憶部12−1及び走査停止位置記憶部12−2は、それぞれクロックφTB1A及びφTB1BがHレベルの時に、入力される情報を記憶するようになっている。13及び15は、それぞれ走査開始位置記憶用スイッチ及び走査停止位置記憶用スイッチであり、いずれもアナログスイッチにより構成されており、それぞれクロックφTB1A及びφTB1BがHレベルの時に導通するようになっている。14及び16は、走査開始位置転送用スイッチ及び走査停止位置転送用スイッチである。また17はパルス入力端子、18は走査回路の構成単位を示している。
【0027】
次に、本実施の形態の動作を、図3及び図4に示すタイミングチャートをもとに説明する。本走査における読み出し範囲を指定する先行走査では、図3のタイミングチャートに従って動作が行われる。時刻t0 において、シフトレジスタ11の第1段のシフトレジスタユニット11−1のパルス入力端子17に、入力パルスφSTとしてφ1の1周期(1T)分Hレベルを入力する。その後、クロックφ1,φ2に従い順次入力パルスは次段に伝達され、SR1.0 〜SR8.0 に示すように各シフトレジスタユニットの各ノードから出力される。ここで、時刻t1 においてクロックφ2のHレベルの期間に合わせて、クロックφTB1AにHレベルを入力すると、走査開始位置記憶用スイッチ13が導通し、各奇数段のシフトレジスタユニット11−1内の第1のクロック型インバータ11−3の出力SRn.5 (n=0,2,4,6)が走査開始位置記憶部12−1に記憶される。ここで、3段目のシフトレジスタユニット内の第1のクロック型インバータの出力SR2.5 はLレベルで、その他の段のシフトレジスタユニット内の第1のクロック型インバータの出力SRn.5 (n=0,4,6)はHレベルであるので、3段目のシフトレジスタユニットに接続される走査開始位置記憶部12−1に記憶される情報はLレベルとなり、その他の段の走査開始位置記憶部12−1に記憶される情報はHレベルとなる。
【0028】
その後、時刻t2 において、クロックφTB1Bをクロックφ2のHレベルの期間に合わせてHレベルとすると、走査停止位置記憶用スイッチ15が導通し、各偶数段のシフトレジスタユニット11−2内の第1のクロック型インバータ11−3の出力SRn.5 (n=1,3,5,7)が走査停止位置記憶部12−2に記憶される。ここでは、6段目のシフトレジスタユニット11−2内の第1のクロック型インバータ11−3の出力SR5.5 はLレベルで、その他の段のシフトレジスタユニット11−2の第1のクロック型インバータ11−3の出力SRn.5 (n=1,3,7)はHレベルであるので、6段目のシフトレジスタユニット11−2に接続される走査停止位置記憶部12−2に記憶される情報はLレベルとなり、その他の段の走査停止位置記憶部12−2に記憶される情報はHレベルとなる。これにより、走査開始位置、及び走査停止位置が設定され、先行走査の動作は完了する。しかし、時刻t2 では第5段のシフトレジスタユニットの出力SR5.0 にHレベルの情報が残っている。このように、シフトレジスタユニットの出力にHレベルの情報が残った状態で本走査を行うと、走査開始位置記憶部12−1より入力される情報と先行走査完了時に残った情報の双方がシフトレジスタユニットより出力され、同時に2箇所から選択信号が出力されてしまう。この問題を避けるために、先行走査完了後、時刻t2bまでシフト動作を継続させて、各シフトレジスタユニットの出力SR1.0 ,SR2.0 ,・・・・・SR8.0 をLとして、初期状態に設定する必要がある。
【0029】
次に、本走査の動作を図4のタイミングチャートをもとに説明する。先行走査の後に、時刻t3 においてクロックφINにクロックφ1の1周期分Hレベルを入力する。また、クロックφTB2にはクロックφ1と同様のクロックを供給する。先行走査において、3段目のシフトレジスタユニット11−1に接続された走査開始位置転送用スイッチ14は導通し、3段目のシフトレジスタユニット11−1の第1のクロック型インバータ11−3の出力SR2.5 はVSSレベルになる。第1のクロック型インバータ11−3の出力は、クロックφ2がLレベルの時にはハイインピーダンスであるので、3段目のシフトレジスタユニット11−1の第1のクロック型インバータ11−3の出力SR2.5 は、時刻t3 のタイミングでLレベルとなる。更に時刻t3 では、クロックφ1がHレベルであるので、第2のクロック型インバータ11−4はアクティブとなり、3段目のシフトレジスタユニット11−1の出力SR3.0 はHレベル、その他の段のシフトレジスタユニットの出力SRn.0 (n=1,2,4,5,6,7,8)はLレベルとなる。
【0030】
時刻t3 以降はt4 まで、クロックφINがHレベルとなることはないので、走査開始位置記憶部12−1にどのような情報が記憶されていても、走査開始位置転送用スイッチ14が導通することはない。したがって、クロックφINがHレベルで、クロックφTB2がHレベルのタイミングで、3段目のシフトレジスタユニット11−1の第1のクロック型インバータ11−3の出力SR2.5 がLレベルに操作される以外は、奇数段目のシフトレジスタユニット11−1の第1のクロック型インバータ11−3の出力SRn.5 (n=0,4,6)のレベルが操作されることはない。その結果、時刻t3 以降はノードSR3.0 ,SR4.0 ,・・・・・にHレベルが順次出力される。図3に示した先行走査の結果、6段目のシフトレジスタユニット11−2の走査停止位置記憶部12−2に記憶されている情報はLレベルで、その他の段の走査停止位置記憶部12−2に記憶されている情報はHレベルであるので、6段目のシフトレジスタユニット11−2に接続された走査停止位置転送用スイッチ16内の、走査停止位置記憶部12−2に接続されているPMOSトランジスタが導通する。更にφTB2がHレベルのタイミングでは、6段目のシフトレジスタユニット11−2に接続された走査停止位置転送用スイッチ16が導通し、6段目のシフトレジスタユニット11−2の第1のクロック型インバータ11−3の出力SR5.5 がVDDレベルになる。
【0031】
第1のクロック型インバータ11−3の出力は、クロックφ2がLレベルの時にはハイインピーダンスであるので、6段目のシフトレジスタユニット11−2の第1のクロック型インバータ11−3の出力SR5.5 は、φTB2がHレベルのタイミングで常にHレベルになる。ここで、時刻t4 以前ではSR5.5 は、φTB2がHレベルの時にもともとHレベルであるので、出力が変化することはない。時刻t4 の直前では、SR5.5 はLレベルであるので、時刻t4 においてHレベルに変化する。更に時刻t4 では、クロックφ1がHレベルであるので、第2のクロック型インバータ11−4はアクティブとなり、6段目のシフトレジスタユニット11−2の出力SR6.0 はLレベルとなる。したがって、6段目以降のシフトレジスタユニットにHレベルが伝達されることはない。
【0032】
したがって、本走査では第3,4,5段目のシフトレジスタユニットの出力、すなわちノードSR3.0 ,SR4.0 ,SR5.0 に選択信号としてのHレベルが出力される。また、同一範囲の走査を繰り返して行うためには、時刻t4 において、クロックφ1のHレベルに同期してクロックφINをHレベルとする。これにより、3段目のシフトレジスタユニット11−1に接続された走査開始位置転送用スイッチ14が導通し、時刻t3 以降と同様の走査を行うことができる。ここでは、SR3.0 ,SR4.0 ,SR5.0 の3段のシフトレジスタユニットから連続して順次選択信号を出力させるために、φINの周期はクロックφ1の3周期としてある。したがって、ブランキング期間に相当する無効期間は零である。φINの周期をクロックφ1の3周期以上とすることも可能である。
【0033】
以上の本走査の説明では、シフトレジスタ内をシフトされるパルス幅がクロックφ1の1周期分の例を示したが、次に、シフトされるパルスの幅をクロックφ1の2周期分とした場合の動作を、図5に示したタイミングチャートをもとに説明する。この場合の先行走査は、図3に示したものと同一である。3段目のシフトレジスタユニットの走査開始位置記憶部12−1に記憶されている情報はHレベルであるので、時刻t5 にてクロックφINをHレベルとすると、図4に示したタイミングチャートと同様に、ノードSR3.0 にHレベルが出力される。クロックφINはクロックφ1の2周期分Hレベルであるので、時刻t6 においてもノードSR3.0 はHレベルとなる。ノードSR3.0 以降は図4に示した動作と同様に、HレベルがノードSR4.0 ,SR5.0 に伝達されるが、6段目のシフトレジスタユニットの走査停止位置記憶部12−2に記憶されている情報がLレベルであるので、クロックφTB2がHレベルのタイミングで、6段目のシフトレジスタユニットの走査停止位置転送用スイッチ16が導通し、ノードSR5.5 がHレベルとなり、ノードSR6.0 以降Hレベルの伝達は行われない。
【0034】
また、時刻t7 において再びクロックφINはクロックφ1の2周期分Hレベルとすると、ノードSR3.0 にHレベルが現れる。ここで、クロックφINをHレベルとすることにより、シフトレジスタユニット内の第1のクロック型インバータの出力が変化するのは、3段目のシフトレジスタユニットに対してのみであるので、その他の段のクロック型インバータの出力は、どの様な状態であっても変化することはない。したがって、図5に示すように時刻t7 では、ノードSR5.0 にHレベルが出力されていても、それを変化させることはなく、3段目以外の段のシフトレジスタユニットは、φINをHレベルとしたことによる影響を受けることなく、シフトレジスタ動作を継続する。また、走査の停止に伴う動作も6段目のシフトレジスタユニットに対してのみ行われるので、その他の段のシフトレジスタ動作に影響を与えない。
【0035】
よって、走査の開始及び走査の停止が全く独立に制御できるので、読み出し範囲に指定されたノードに対して、任意の幅の選択信号としてのHレベルが順次出力され、更に、読み出し範囲内のシフトレジスタユニットの出力にHレベルが出力されている期間内においても、新たに読み出し開始位置よりHレベルを出力させることができる。連続する走査においては、φINの周期をクロックφ1の3周期分とすることにより、SR3.0 ,SR4.0 ,SR5.0 の3段に順次クロックφ1の2周期分の選択信号を出力することができる。したがって、φINに幅のあるクロックを入力した場合においても、図4のタイミングチャートに示したφINがクロックφ1の1周期分Hレベルとなる場合と同様に、ブランキング期間に相当する無効期間を零とすることができる。
【0036】
このように構成した走査回路を垂直走査回路に適用することにより、クロックφ1の複数周期分の幅をもつ選択信号を連続して出力することが可能となり、特開平3−127567号に開示されているような、選択信号の立ち上がりで信号読み出しを、立ち下がりで蓄積電荷のリセットを行わせるような電子シャッタを、任意の範囲を読み出す固体撮像装置においても実現可能となる。
【0037】
本実施の形態では、シフトレジスタユニット8段で走査回路を構成した例を示したが、シフトレジスタユニットの段数に制限はない。また、第3,4,5段のシフトレジスタユニットから選択信号を出力する例を示したが、先行走査においてφTB1A及びφTB1Bを入力するタイミングを調整することにより、任意の範囲のシフトレジスタユニットから選択信号を出力するようにできる。
【0038】
以上説明したように、シフトレジスタユニットの出力がHレベルとなる状態を選択状態とすることにより、先行走査において設定した範囲に選択信号を出力することが可能となる。シフトレジスタを構成するシフトレジスタユニットの全ての段の情報を一斉に変化させるのではなく、シフトレジスタの特定のシフトレジスタユニット段からシフトパルスを入力し、特定のシフトレジスタユニット段以降にはシフトパルスを伝達しない構成であるので、シフトパルスに幅をもったものを利用することができる。
【0039】
また、本実施の形態では、クロック型インバータを2段直列に接続したものをシフトレジスタユニットとして用いる例を示したが、シフトレジスタユニットの構成には制限はなく、この他の構成のダイナミックシフトレジスタやスタティックシフトレジスタを用いても、同様の効果を得ることが可能である。ラッチ回路及びアナログスイッチにおいても、本実施の形態で示した構成のものに限るものではない。また、走査開始位置転送用スイッチ、走査停止位置転送用スイッチの構成は、同様の効果をもつものであれば、本実施の形態に示した構成のものに限らない。
【0040】
また、本実施の形態では、全ての奇数段のシフトレジスタユニットに走査開始位置記憶用スイッチ、走査開始位置記憶部、走査開始位置転送用スイッチを設け、全ての偶数段のシフトレジスタユニットに走査停止位置記憶用スイッチ、走査停止位置記憶部、走査停止位置転送用スイッチを設けているが、任意の複数の奇数段のシフトレジスタユニット毎に走査開始位置記憶用スイッチ、走査開始位置記憶部、走査開始位置転送用スイッチを設けること、及び任意の複数の偶数段のシフトレジスタユニット毎に走査停止位置記憶用スイッチ、走査停止位置記憶部、走査停止位置転送用スイッチを設けることも可能である。このように構成することにより、走査範囲の設定の任意性が低下するが、走査回路の構成要素を減らすことができるので、チップ面積の縮小が可能となり、歩留まりを向上させることが可能となる。
【0041】
更に、本実施の形態では、走査開始位置記憶部を奇数段のシフトレジスタユニットに、走査停止位置記憶部を偶数段のシフトレジスタユニットに対応させて設けているが、走査開始位置記憶部を偶数段のシフトレジスタユニットに、走査停止位置記憶部を奇数段のシフトレジスタユニットに対応させることもできる。
【0042】
(第3の実施の形態)
次に、第3の実施の形態として、第2の実施の形態で示した走査回路を水平及び垂直走査回路に用いた2次元固体撮像装置の例を、図6に示した構成図をもとに説明する。図6において、21は第2の実施の形態で示した走査回路で構成された水平走査回路、22は第2の実施の形態で示した走査回路で構成された垂直走査回路、23は水平走査回路21から出力される選択信号に応じて画素からの信号を信号線に出力するための信号選択回路、24は画素、25は信号出力端子である。本実施の形態では、説明を簡単にするため8×8画素の画素アレイ構成を示し、左上の画素を(1,1)、右上の画素を(8,1)、右下の画素を(8,8)で示している。
【0043】
次に、このように構成されている2次元固体撮像装置の動作について説明する。第2の実施の形態における図3に示した先行走査を、水平及び垂直走査回路21,22に対して行い、次いで図4に示した本走査を行うことにより、図7のタイミングチャートに示すように、(3,3)、(4,3)、(5,3)、(3,4)、(4,4)、(5,4)、(3,5)、(4,5)、(5,5)の画素からの信号を読み出すことができる。ここでは、水平及び垂直走査回路21,22による走査の範囲を同一にして説明したが、それぞれ別個の範囲の走査をすることが可能であることは明白である。
【0044】
また、上記実施の形態では、画素アレイを構成する画素数を8×8のものを例として示したが、画素数はこの限りではない。また、NTSC方式等連続画像撮像に必要な画素数よりも多い画素数をもつ固体撮像装置のうち、NTSC方式等に必要な画素数に相当する部分を、任意範囲読み出し方式で読み出そうとする場合、先行走査をブランキング期間に行うことにより、連続する画像信号を途切らせることなく、信号読み出しの範囲の変更を行うことが可能となる。また、撮像領域を狭めてフレームレートをあげる場合にも有効である。この場合、蓄積された入射光情報を垂直ブランキング期間等1フレームのあるタイミングで一括転送して読み出す方式の固体撮像装置においては、全画素領域で1フレームを単位とした同一の蓄積時間となるが、いわゆる線順次リセット方式の固体撮像装置では、読み出し状態にある行を単位にリセット動作を行うため、読み出し範囲を垂直方向に変更した場合に、それまで読み出し範囲外にあった画素行にはリセット動作が行なわれていない場合がある。このような場合には、読み出し範囲変更後の1画面内の蓄積時間が統一されなくなるので、正常な画像が得られなくなる。この場合には、正常な画像を連続して出力するためには、垂直方向に読み出し範囲を変更した場合には、読み出し範囲を変更する直前のフレーム画像をメモリに記憶し、読み出し範囲を変更した直後のフレーム画像として、記憶された情報をメモリから読み出すようにすることにより、連続画像を途切らせることなく読み出し範囲を変更することができる。
【0045】
また、先行走査におけるシフトレジスタの駆動を、本走査時に比べて高い周波数で行うことにより、先行走査を短時間で終了することが可能となる。特に、垂直走査回路は本走査では低い周波数で駆動されるため、垂直走査回路の先行走査を本走査時より高い周波数で行うことにより、NTSC方式等の垂直ブランキング期間内に先行走査を完了することが可能となり、全く画像をとぎらせることなく、読み出し範囲の変更が可能となる。
【0046】
【発明の効果】
以上実施の形態に基づいて説明したように、請求項1及び2記載の発明によれば、有効画素領域の一部分の任意の領域から画素信号を読み出すことが可能な固体撮像装置において、電子シャッタ動作等を行わせるために幅をもつ選択信号を出力させるため、走査回路を構成するシフトレジスタ内を転送されるパルスに幅をもたせた場合においても、連続撮像において無効期間を短縮することが可能となる固体撮像装置及びその駆動方法を実現することができる。また請求項3記載の発明によれば、請求項2記載の発明の駆動方法において、連続撮像をとぎらせることなく読み出し領域の変更が可能となり、また請求項4記載の発明によれば、請求項2又は3記載の発明の駆動方法において、先行走査期間を短縮することが可能となる等の効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る固体撮像装置の第1の実施の形態における走査回路部分の構成を示す概念図である。
【図2】本発明の第2の実施の形態における走査回路の具体的な構成を示す回路構成図である。
【図3】図2に示した第2の実施の形態における先行走査動作を説明するためのタイミングチャートである。
【図4】図2に示した第2の実施の形態における本走査動作を説明するためのタイミングチャートである。
【図5】図2に示した第2の実施の形態における本走査動作の他の態様を説明するためのタイミングチャートである。
【図6】本発明の第3の実施の形態を示すブロック構成図である。
【図7】図6に示した第3の実施の形態の動作を説明するためのタイミングチャートである。
【図8】先に提案した固体撮像装置の走査回路部分の構成を示す回路構成図である。
【図9】図8に示した走査回路の動作を説明するためのタイミングチャートである。
【図10】図8に示した走査回路の問題点を説明するためのタイミングチャートである。
【符号の説明】
1 シフトレジスタ
1−1 第1のシフトレジスタユニット
1−2 第2のシフトレジスタユニット
2−1 走査開始位置記憶部
2−2 走査停止位置記憶部
3 走査開始位置記憶用スイッチ
4 走査開始位置転送用スイッチ
5 走査停止位置記憶用スイッチ
6 走査停止位置転送用スイッチ
7 パルス入力端子
8 走査回路構成単位
11 シフトレジスタ
11−1 第1のシフトレジスタユニット
11−2 第2のシフトレジスタユニット
11−3 第1のクロック型インバータ
11−4 第2のクロック型インバータ
12−1 走査開始位置記憶部
12−2 走査停止位置記憶部
13 走査開始位置記憶用スイッチ
14 走査開始位置転送用スイッチ
15 走査停止位置記憶用スイッチ
16 走査停止位置転送用スイッチ
21 水平走査回路
22 垂直走査回路
23 信号選択回路
24 画素
25 信号出力端子
Claims (4)
- 2次元状に配列された複数の画素からなる画素アレイと、該画素アレイの画素信号の読み出しを行うための水平及び垂直走査回路とからなり、前記水平及び垂直走査回路の走査範囲を設定して、前記画素アレイの有効画素領域の一部分の任意領域からの画素信号を読み出す任意画素読み出しを行うようにしたXYアドレス型の固体撮像装置において、前記各走査回路は、シフトレジスタユニットを多段に直列に接続しクロックにより情報を伝達していくように構成したシフトレジスタと、任意段のシフトレジスタユニットの情報を記憶する走査開始位置記憶部と、前記シフトレジスタユニットの情報を前記走査開始位置記憶部に記憶させるための走査開始位置記憶用スイッチと、前記走査開始位置記憶部に記憶させた情報を前記シフトレジスタユニットに転送するための走査開始位置転送用スイッチと、任意段のシフトレジスタユニットの情報を記憶する走査停止位置記憶部と、前記シフトレジスタユニットの情報を前記走査停止位置記憶部に記憶させるための走査停止位置記憶用スイッチと、前記走査停止位置記憶部に記憶させた情報を前記シフトレジスタユニットに転送するための走査停止位置転送用スイッチとからなることを特徴とする固体撮像装置。
- 請求項1記載の固体撮像装置を駆動するための駆動方法において、前記各走査回路の駆動ステップとして、前記画素アレイの任意領域の走査の開始位置までシフトさせたシフトレジスタの情報を、対応する走査開始位置記憶部に走査開始位置記憶用スイッチを介して記憶させ、続いて任意領域の走査の停止位置までシフトさせたシフトレジスタの情報を、対応する走査停止位置記憶部に走査停止位置記憶用スイッチを介して記憶させる、本走査に先立つ走査範囲設定のための先行走査ステップと、前記先行走査ステップにおいて前記走査開始位置記憶部に記憶させた情報を、走査開始位置転送用スイッチを介してシフトレジスタに転送して前記画素アレイの任意領域の走査を開始し、前記先行走査ステップにおいて前記走査停止位置記憶部に記憶させた情報を、走査停止位置転送用スイッチを介してシフトレジスタに転送して前記画素アレイの任意領域の走査を停止させる本走査ステップとを有することを特徴とする固体撮像装置の駆動方法。
- 前記先行走査を垂直ブランキング期間内に行うことを特徴とする請求項2記載の固体撮像装置の駆動方法。
- 前記先行走査におけるシフトレジスタの駆動周波数を、本走査におけるシフトレジスタの駆動周波数より高くすることを特徴とする請求項2又は3記載の固体撮像装置の駆動方法。
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