以下、本発明の実施の形態について図面を用いて詳細に説明する。
(実施の形態1)
まず、本発明の実施の形態1について説明する。
図1は、本実施の形態における車載用コンテンツ再生装置10の外観図である。この車載用コンテンツ再生装置10は、カーナビゲーション装置やカーオーディオ装置と一体化、又は、それらと接続された状態で使用される車載用の装置であり、過去の走行履歴(経路、時刻等)とそのときに聴いていた曲の履歴を蓄積して、経路や目的地等と聴いていた曲の特性(ジャンル、アーティストなど)との相関を抽出し、これから走行しようとしている経路や目的地等に応じた音楽を自動演奏する装置である。
図2は、車載用コンテンツ再生装置10の構成を示す機能ブロック図である。この車載用コンテンツ再生装置10は、大きく分けて2つの機能、つまり、走行履歴を蓄積する機能と、蓄積された走行履歴に基づいて楽曲を自動選択し再生する機能を有し、構成要素として、地図データ記憶部11、状況検出部12、履歴データ蓄積部13、目的地予測部14、相関抽出部15、楽曲選択部16、音楽コンテンツ記憶部17、再生部18及びスピーカー19を備える。
地図データ記憶部11は、図示されていないカーナビゲーション装置に用いられる地図データ11aや、走行経路を特定するためのノードデータベース11b等を記憶しているハードディスク等である。ノードデータベース11bは、図3に示されるように、全国における予め設定された主要な地点をノードとし、ノードごとの「ノード番号」、「種別、名称」、「東経」及び「北緯」を記録したデータベースである。
状況検出部12は、その時点での車及び車がおかれた状況を検出する各種センサー等からなり、エンジンの状態(起動/停止)、車の位置、運転者、同乗者、天気等を検出する。具体的には、エンジンキーの位置等からエンジンの状態を検出し、カーナビゲーション装置が備えるGPSによって現在位置を検出し、内蔵するカレンダー・タイマーによって日時を検出し、各座席に組み込まれた着座センサー、運転席のシート位置、ミラーの調整位置、エンジンキーと一体化された赤外線送信器からのID信号、乗車する人が所有する携帯電話機からの無線信号によるID又は電話番号等から運転者及び同乗者を検出し、ワイパーの動作状態、雨滴センサー、温度・湿度センサー等から天気を検出する。
履歴データ蓄積部13は、履歴データ記憶部131を備え、状況検出部12から送られてくる状況信号と、再生部18から送られてくる選曲信号等に基づいて、走行状況とそのときに聴いていた楽曲とを対応付けた履歴データ131aを履歴データ記憶部131に蓄積していく処理部である。履歴データ131aは、図4に示されるように、エンジンが始動してから停止されるまで(あるいは、出発地から目的地に到着するまで)の走行及び再生された楽曲に関する情報を集めたものを1つのエントリ(単位)として蓄積されたデータベースであり、エントリごとに、その「日時」、エンジン始動から停止までの「所要時間」、「出発地」、「目的地」、ノードの連なりからなる「経路」、「天気」、「運転者」、「同乗者」、再生された「曲」等の項目を記録した情報である。
目的地予測部14は、状況検出部12で検知された状況(日時、現在地、運転者、同乗者等)を履歴データ記憶部131に記憶された履歴データ131aと照合することによって、現在の走行における目的地を予測する。例えば、現在状況における日時(時間帯、曜日)、現在地、運転者、同乗者それぞれと一致する「日時(時間帯、曜日)」「出発地」、「運転者」、「同乗者」が記録された全てのエントリを履歴データ131aから抽出し、抽出したエントリに記録された全ての「目的地」のうち最も件数の多い「目的地」を予測目的地として予測する処理部である。
相関抽出部15は、目的地予測部14から通知された現在状況及び予測目的地に基づいて、履歴データ記憶部131に記憶された履歴データ131aを参照することで、現在状況と過去に聴いていた曲の特性(アーティスト、ジャンル、曲調)との相関を抽出し、相関の最も強い曲の特性、つまり、現在状況に近い過去の状況において頻繁に聴いていた音楽コンテンツの曲の特性(いずれのアーティスト、ジャンル、曲調であるか)を特定する処理部である。
楽曲選択部16は、音楽コンテンツ記憶部17に記憶された音楽データ17bを参照することで、相関抽出部15が特定した曲の特性をもつ全ての曲の「曲ID」を特定し、それら「曲ID」を順に再生部18に通知することで、音楽コンテンツの再生を繰り返させる制御部である。
音楽コンテンツ記憶部17は、音楽コンテンツ(楽曲の集まり)17a及びその一覧を示す音楽データ17bを記憶しているDVD−RAM等の記憶装置である。音楽データ17bは、図5に示されるように、記憶されている音楽コンテンツ17aに含まれる全ての曲を識別する「曲ID」、「アーティスト」、「ジャンル」及び「曲調」等の属性が記録されたディレクトリデータである。
再生部18は、ユーザからの指示、又は、楽曲選択部16からの指示に基づいて、音楽コンテンツ記憶部17に格納された音楽コンテンツ17aを楽曲ごとに読み出して再生し、音声信号としてスピーカー19に送るデコーダ等である。なお、履歴データ蓄積部13からの問い合わせを受けた場合には、現在演奏している楽曲を履歴データ蓄積部13に通知する。
スピーカー19は、再生部18からの音声信号を音として出力するスピーカーである。
次に、以上のように構成された車載用コンテンツ再生装置10の動作について説明する。
図6は、車載用コンテンツ再生装置10による履歴データの蓄積についての動作手順を示すフローチャートである。状況検出部12は、まず、エンジンが始動されたことを検出すると(ステップS10でYes)、車の位置と現在日時とを検出し(ステップS11)、検出した位置と地図データ記憶部11のノードデータベース11bに登録された各ノードの位置とを照合することによって、車がいずれかのノードに位置するか否かの判断を繰り返す(ステップS12)。たとえば、検出した位置がノードデータベース11bに登録されたノードの位置から一定範囲内に位置する場合に、その車は、そのノードに位置すると判断し(ステップS12でYes)、続いて、運転者の検出(ステップS13)、同乗者の検出(ステップS14)、天気の検出(ステップS15)を行い、その検出結果を履歴データ蓄積部13に通知する。
その通知を受けた履歴データ蓄積部13は、その時点において、再生部18で音楽コンテンツが再生されているか否かを判定し(ステップS16)、再生されている場合には、再生部18への問い合わせに対する通知(曲ID等)に基づいて、音楽コンテンツ記憶部17の音楽データ17bを参照することによって現在再生されている楽曲の属性(アーティスト等)を読み出し、状況検出部12から通知された検出結果とともに履歴データ131aとして履歴データ記憶部131に記録する(ステップS17)。このような履歴の蓄積処理は(ステップS11〜S17)、状況検出部12によってエンジン停止が検出されるまで繰り返される(ステップS18)。
具体的には、履歴データ蓄積部13は、状況検出部12によってエンジン始動後に最初に検出された日時及び車の位置(ノード)を、それぞれ、履歴データ131aの「日時」及び「出発地」として記録し、目的地に到達するまでの各ノードにおいて状況検出部12によって検出された車の位置(ノード)、天気、運転者、同乗者、及び、再生部18によって再生された曲(曲ID)を、それぞれ、履歴データ131aの「経路」、「天気」、「運転者」、「同乗者」、「曲」として記録し、状況検出部12によってエンジン停止直前に検出された車の位置(ノード)及び日時から算出される所要時間を、それぞれ、履歴データ131aの「目的地」及び「所要時間」として記録する。
このようにして、車の走行履歴及び音楽コンテンツの再生履歴が対応づけられて蓄積され、図4に示されるような履歴データ131aが作成される。
図7は、車載用コンテンツ再生装置10による音楽選択の動作手順を示すフローチャートである。状況検出部12は、まず、エンジンが始動されたことを検出すると(ステップS20でYes)、その時点における車の状況を検出する(ステップS21)。具体的には、日時、現在地、運転者、同乗者等を検出し、目的地予測部14に通知する。
目的地予測部14は、状況検出部12から通知された状況データ(日時、現在地、運転者、同乗者等)を履歴データ記憶部131に記憶された履歴データ131aと照合することによって目的地を予測し、その予測目的地を状況データと併せて相関抽出部15に通知する(ステップS22)。
続いて、相関抽出部15は、目的地予測部14から通知された状況データ及び予測目的地に基づいて、履歴データ記憶部131に記憶された履歴データ131aを参照することで、現在状況と過去に聴いていた曲の特性(アーティスト、ジャンル、曲調)との相関を抽出し、相関の最も強い曲の特性、つまり、現在状況に近い過去の状況において頻繁に聴いていた音楽コンテンツの特性(いずれのアーティスト、ジャンル、曲調であるか)を特定し、楽曲選択部16に通知する(ステップS23)。
その通知を受けた楽曲選択部16は、音楽コンテンツ記憶部17に記憶された音楽データ17bを参照することで、相関抽出部15から通知された曲の特性をもつ全ての楽曲の「曲ID」を特定し、それら「曲ID」を順に再生部18に通知することで、音楽コンテンツの再生を繰り返させる(ステップS24)。
このようにして、車のエンジンが始動された直後に、現在状況が検出されるとともに目的地が予測され、現在状況と予測目的地に近い過去の状況において聴いていた楽曲と同一傾向の音楽コンテンツが自動再生される。
図8は、相関抽出部15による相関の抽出及び最も強い相関の特定の詳細な処理手順を示すフローチャートである。
まず、相関抽出部15は、現在状況を構成する項目(「運転者」、「同乗者」、「目的地」、「曜日」など)のうち、予め設定された項目の組み合わせ(図9に示されたNo.1〜nまでの「相関抽出に使用する項目」)それぞれについて(ステップS30〜S34)、内容が一致する全てのエントリを履歴データ記憶部131の履歴データ131aから抽出し(ステップS31)、それらエントリに記録された「曲」について、最も選曲件数の多いアーティスト、ジャンル及び曲調それぞれを特定し(ステップS32)、特定した最頻度のアーティスト、ジャンル及び曲調の選曲比率(それぞれ、抽出した全エントリに記録された全アーティスト、全ジャンル、全曲調に対する最頻度のアーティスト、最頻度のジャンル、最頻度の曲調が選択された割合)を算出する(ステップS33)。
そして、予め設定された全ての組み合わせ(図9に示されたNo.1〜nまでの「相関抽出に使用する項目」)について算出した最頻度のアーティスト、ジャンル、曲調の選曲比率の中から、最も高い選曲比率の特性(具体的なアーティスト、ジャンル、曲調)を最も相関の強い曲の特性として決定する(ステップS35)。
たとえば、現在状況の「運転者」が「お父さん」、「同乗者」が「なし」、「目的地」が「会社」、「曜日」が「平日」である場合には、相関抽出部15は、以下のようにして、最も相関の強い曲の特性を決定する。
まず、図9に示されたNo.1の項目の組み合わせ(「運転者」及び「目的地」)について現在状況と一致するエントリ、つまり、「運転者」が「お父さん」で、かつ、「目的地」が「会社」である全てのエントリを履歴データ131aから読み出し、それらのエントリに記録された全ての「曲」について、アーティスト、ジャンル及び曲調ごとに集計することで、最も多く選曲されたアーティスト、ジャンル及び曲調とそれぞれの選曲比率(例えば、最頻度で選択されたアーティストが「F」でその選択比率が25%、最頻度で選択されたジャンルが「J−POP」で選択比率が42%、最頻度で選択された曲調が「躍動感」でその選択比率が34%)を算出する。
同様にして、図9に示されたNo.2の項目の組み合わせ(「運転者」、「目的地」及び「同乗者」)について現在状況と一致するエントリ、つまり、「運転者」が「お父さん」で、かつ、「目的地」が「会社」で、かつ、「同乗者」が「なし」である全てのエントリを履歴データ131aから読み出し、それらのエントリに記録された全ての「曲」について集計することで、最も多く選曲されたアーティスト、ジャンル及び曲調とそれぞれの選曲比率を算出する。
以下、同様にして、図9に示されたNo.3〜No.nの項目の組み合わせそれぞれについて、最も多く選曲されたアーティスト、ジャンル及び曲調とそれぞれの選曲比率を算出し、最後に、算出された合計3n個の選曲比率の中から最も高いものを特定し、その選曲比率に対応する曲の特性(例えば、ジャンル「J−POP」)が現在状況と最も相関が強い曲の特性と決定する。
図10は、以上のような手順によって自動選曲される曲と現在状況との組み合わせの例を示す図である。ここでは、例えば、車で、「平日」に「お父さん」が「会社」に行くときには、ジャンル「J−POP」の曲が自動演奏され、「お母さん」が「スーパーA」に行くときには、ジャンル「洋楽」の曲が自動演奏され、「休日(「土・日」)」に「家族(運転者が「お父さん」で同乗者が「お母さん」)で経路「C6−C8(海岸沿いの道)」を走行するときには、曲調「そう快」な曲が自動演奏され、食事(「目的地」が「レストランB」)に行くときには、ジャンル「バラード」の曲が自動演奏され、「長男A」が運転するときには、「アーティストC」の曲が自動演奏される例が示されている。
このように、本発明に係る車載用コンテンツ再生装置によれば、それまでの走行における選曲履歴に基づいて、日時(時間帯、曜日)、出発地、目的地、経路、天気、運転者、同乗者などの複数の項目における一致度から決定される音楽が自動選曲され、演奏される。したがって、時間帯だけ、あるいは、走行地点だけによって固定的に音楽が選曲される従来の技術に比べ、よりユーザの嗜好に近い楽曲が選曲され、演奏される。
また、本発明に係る車載用コンテンツ再生装置によれば、自動演奏される楽曲は、過去の走行中において演奏されていた音楽の選曲履歴に基づいて決定されるので、たとえば、音楽ジャンル等に対するユーザの嗜好が変化した場合であっても、変化した後の選曲履歴に基づいて自動選曲が行われ、ユーザの利便性が長期間にわたって確保される。
なお、本実施の形態では、図8に示される手順によって、選曲比率が最も高い1つのアーティスト/ジャンル/曲調が決定されたが、もし、最も高い選曲比率が複数個ある場合(例えば、ジャンル「バラード」及びアーティスト「G」の過去における選曲比率がいずれも32パーセントの場合)には、図11に示される画面表示例のように、ユーザに対して選択させるようにしてもよい。
また、図12の画面表示例に示されるように、自動選曲によって決定された各曲の演奏スケジュールを走行経路上に表示してもよい。たとえば、車載用コンテンツ再生装置は、ジャンル「ジャズ」を自動演奏すると決定した場合に、音楽データ17bを参照することによって、「ジャズ」に属する複数の曲、それらの演奏順序及び演奏時間を決定し、カーナビゲーション装置等から予測走行経路及びその経路上での所要時間を取得することで、演奏予定の各曲の題名等を走行経路上に重ねて表示する。これによって、ユーザは、どのようなタイミングでいかなる楽曲が自動演奏されるかを一目で知ることができる。そして、このような演奏スケジュールの表示に対して、ユーザが曲単位で他の曲に変更することができるような編集機能を車載用コンテンツ再生装置が備えてもよい。
また、本実施の形態では、図7のフローチャートに示されるように、車載用コンテンツ再生装置10による自動演奏モードは、エンジンの始動によって開始されたが、本発明はこのようなトリガーだけに限られず、ユーザによる明示的な指示、例えば、画面に表示されたボタン「楽曲自動演奏モード」の押下、あるいは、カーオーディオ機器の操作、ユーザによる曲の選択操作等であってもよい。つまり、車載用コンテンツ再生装置10は、車のエンジンが始動したとき、ユーザが音楽を聴きたい旨の指示を発したとき、及び、ユーザが「自動選曲」の指示を発したときの少なくとも1つを起因として自動演奏モードを開始してもよい。
また、自動演奏するジャンルやアーティスト、曲調が決定されたとき、その中のどの曲を演奏するかという基準として、「最近演奏されていない曲を演奏する」や、「演奏された回数の少ない曲を演奏する」という基準を設けてもよい。これは、曲が演奏される度に、曲ごとに演奏された日時やその頻度に関する情報を記憶することで実現される。これらの情報を参照することで、演奏された日時の古い曲から演奏したり、演奏された回数の少ない曲から演奏したりするのでもよい。さらに、これらの基準と選曲比率による基準とを組み合わせて、次のようにしてもよい。すなわち、選曲比率によりジャンルAとジャンルBが選択された場合、ジャンルAに属する曲がジャンルBに属する曲と比べて演奏頻度が高いのであれば、ジャンルBに属する曲を優先的に演奏してもよい。
また、図4に示すような履歴データには、演奏した曲の履歴だけではなく、その曲に対してなされた操作やその頻度を記録してもいてもよい。ここでいう操作とは、「早送り」や「リピート演奏」などの操作である。これらの履歴を選曲に利用すれば、決定されたジャンルやアーティスト、曲調の中で、「リピート演奏」など曲を2回以上繰り返し聴くための操作がなされた曲はユーザが好む曲であるため優先的に演奏し、「早送り」操作など曲をとばすための操作が頻度よくなされた曲はユーザが好まないと判断できるため演奏の優先度を下げる、ということが可能となる。
また、本実施の形態では、図6のフローチャートに示されるように、ノードを抽出することによって履歴データ131aが作成されたが、履歴データ131aの作成方法としては、この方式に限られず、例えば、出発地、経由道路(名称、種別)及び目的地のセットを単位として蓄積する方式であってもよい。
また、地図データ記憶部11に格納される地図データ11a及びノードデータベース11b、あるいは、音楽コンテンツ記憶部17に格納される音楽コンテンツ17a及び音楽データ17bについては、予め固定的に格納された形態だけに限られず、無線通信等でアクセスしたインターネット上のサイトからダウンロードして更新してもよい。
また、本実施の形態では、図7のステップS22に示されるように、「目的地」が予測され、予測された「目的地」に基づいて音楽が自動選曲されたが、ユーザによって経路設定がなされ「目的地」が明示的に設定された場合であっても、同様に、その「目的地」を自動選曲のパラメータとして利用することができるのは言うまでもない。
以上のように、本実施の形態におけるコンテンツ再生装置は、音楽を含むコンテンツを再生するコンテンツ再生装置であって、車の走行履歴と走行時に聴いていた楽曲を示す情報とを含む履歴データを蓄積している履歴データ蓄積手段と、車の走行時において、前記履歴データ蓄積手段に蓄積された履歴データを参照することによって、現在の走行状況と相関の強い楽曲の種類を特定する音楽特定手段と、特定された種類に属する楽曲を再生する再生手段とを備えることを特徴とする。これによって、走行履歴に基づいて、自動選曲が行われるので、時間帯や走行地点に固定的に対応づけられた楽曲が選択される従来の選曲方式に比べ、よりユーザの走行状況にマッチした楽曲の自動選択が可能となる。
ここで、前記走行履歴及び前記走行状況には、時刻、曜日、出発地、目的地、出発地から目的地までの所要時間、走行経路、天気、運転者及び同乗者の少なくとも1つの項目が含まれ、前記楽曲の種類には、アーティスト、ジャンル及び曲調が含まれる。これによって、車で同じ地点を走行する場合であっても、例えば、平日に仕事のための走行しているのか、休日に遊びに行くために走行しているのか、同乗者が居るか、同乗者が誰であるか、その風景の雰囲気(経路)がいかなるものか等に応じて、過去の選曲に対応したアーティスト、ジャンル又は曲調の楽曲が自動演奏される。
また、前記再生手段は、複数の楽曲と当該複数の楽曲の種類を示す音楽データとを記憶している音楽コンテンツ記憶部を有し、当該音楽データを参照することによって、前記音楽特定手段によって特定された種類に属する楽曲を選択し、選択した楽曲を前記音楽コンテンツから順に読み出して再生してもよい。このとき、前記再生手段は、再生の対象となる楽曲及び再生のタイミングを地図上の走行経路に対応させて表示してもよい。これによって、ユーザが過去に聴いていた音楽と同種類の楽曲が順に自動演奏されるとともに、その演奏スケジュールを一目で知ることができる。
また、前記音楽特定手段は、前記走行履歴及び前記走行状況を構成する複数の項目の中から予め選択された項目について一致する履歴データだけを前記履歴データ蓄積手段から抽出し、抽出した履歴データに含まれる前記楽曲を示す情報に基づいて、過去の走行において最も頻繁に選択された楽曲の種類を特定してもよい。具体的には、前記音楽特定手段は、前記履歴データ蓄積手段から抽出した履歴データを対象として、最も頻繁に選択された楽曲のアーティスト、ジャンル及び曲調と、そのアーティスト、ジャンル及び曲調の全アーティスト、全ジャンル及び全曲調に対する選択比率を算出し、算出した選択比率の最も高いアーティスト、ジャンル又は曲調を現在の走行状況と相関の強い楽曲の種類として特定してもよい。これによって、現在状況と音楽との相関性を算出するのに用いる項目を予め指定しておくことができるので、自動選曲の結果から、よりユーザが好む楽曲が適切に選択されるように選曲基準をチューニングすることが可能となる。
また、前記音楽特定手段は、過去の走行において最も頻繁に選択された楽曲の種類が複数ある場合に、その旨を画面に表示し、ユーザからの選択指示に従って1つの種類を特定してもよいし、前記音楽特定手段は、車のエンジンが始動したとき、ユーザが音楽を聴きたい旨の指示を発したとき、及び、ユーザが「自動選曲」の指示を発したときの少なくとも1つを起因として、前記種類を特定してもよい。これによって、お薦めのジャンル等が複数ある場合にユーザが好みの方を選択したり、自動選曲の始動タイミングを指定したりすることが可能となる。
また、前記コンテンツ再生装置はさらに、前記走行履歴と現在の走行状況とから目的地を予測する目的地予測手段を備え、前記音楽特定手段は、前記目的地予測手段によって予測された目的地を含む現在の状況と相関の強い楽曲の種類を特定したり、前記コンテンツ再生装置はさらに、前記車の走行経路を、予め設定された主要な地点に対応するノードの連なりとして検出する走行経路検出手段を備え、前記音楽特定手段は、前記状況検出手段によって検出された走行経路を含む現在の状況と相関の強い楽曲の種類を特定してもよい。
(実施の形態2)
次に、本発明の実施の形態2について説明する。
近年、家庭内テレビだけでなく、車載機器においても映像を視聴することができ、また、携帯電話等においても映像コンテンツが視聴できるようになってきている。また、音楽等のコンテンツにおいても、家庭内オーディオ機器だけで視聴するのではなく、モバイルオーディオ機器、車載機器においても音楽コンテンツを再生することができ、様々なシーンで、音楽、映像等のコンテンツを視聴することができるようになってきている。さらに、コンテンツを蓄積する記憶媒体の大容量化に伴い、多量のコンテンツが各視聴端末において蓄積できるようになってきている。そのため、コンテンツを視聴するユーザは、自らがどの視聴端末に、どのコンテンツを蓄積していたかを把握することができなくなってきている。例えば、家庭内オーディオ機器で蓄積した音楽コンテンツを半導体メモリに転送し、車載機器やモバイル端末で視聴できるようになっているが、その音楽の数が増えてくると、家庭内オーディオ機器に蓄積されている、どの音楽を半導体メモリに転送したのかを、メモリ内のコンテンツを確認しなければ把握できなくなってきている。
そこで、本実施の形態においては、音楽等のコンテンツが蓄積されたメモリまたは再生装置において、ユーザの各端末での視聴履歴を蓄積し、コンテンツを転送、コピーするときに、各端末での視聴履歴に応じて簡単なユーザ操作により実現するものである。従来、ある特定の端末のコンテンツの再生履歴の統計情報から、端末の所有者の嗜好を抽出し、その嗜好にあったコンテンツを推薦する装置が提案されているが、本実施の形態では、複数の端末のコンテンツの再生履歴を用いて、コンテンツの移動を支援するものであり、前記コンテンツを推薦する装置とは根本的に異なる発明である。
以下、本発明の実施の形態2について図面を参照しながら説明する。本実施の形態では、複数のコンテンツ再生装置におけるコンテンツの再生履歴を利用して、各装置に蓄積されてあるコンテンツを相互に転送し、再生装置において再生されるコンテンツを更新する。
図13は本実施の形態における全体構成を表した図である。図中、家庭内コンテンツ再生装置1301は、主に家庭内において利用され、大容量のHDD等を備え多数の音楽コンテンツを蓄積して再生する装置であり、半導体メモリカード1304は、SDメモリカードなどの音楽コンテンツを蓄積可能な記憶媒体であり、携帯型コンテンツ再生装置1302は、主に利用者に携行されて利用され、半導体メモリカード1304などに蓄積された音楽コンテンツを再生する装置であり、コンテンツ管理装置1303は、パーソナルコンピュータに代表される機器であり、家庭内コンテンツ再生装置1301が有する音楽コンテンツと半導体メモリカード1304に蓄積された音楽コンテンツを互いに転送したり、削除したりする機能を有する装置である。コンテンツ管理装置1303と家庭内コンテンツ再生装置1301はネットワーク接続されており、また、コンテンツ管理装置1303は半導体メモリカード1304を参照可能である。
図14に、家庭内コンテンツ再生装置1301、携帯型コンテンツ再生装置1302に共通する構成を示す。これらの装置は、音楽コンテンツ記憶部17、履歴データ蓄積部13、状況検出部12、ユーザ入力部1401、再生部18、スピーカー19を備える。なお、実施の形態1と同一の構成要素については同一の符号を付し、詳細な説明を省略する。また、家庭内コンテンツ再生装置1301においては、音楽コンテンツ記憶部17、履歴データ蓄積部13は内臓のハードディスクドライブなどの記録媒体に備わっていることを仮定するが、携帯型コンテンツ再生装置1302においては着脱可能な半導体メモリカード1304に備わっていてもよい。
状況検出部12は、実施の形態1では車載装置に備わっていたため、運転者や同乗者を判定するなど様々なセンサーからなっていたが、本実施の形態では状況検出部12は少なくとも日時に関する情報を検出することを特徴としている。
履歴データ蓄積部13は、実施の形態1と同様の動作をするが、状況検出部12により検出される情報が少なくとも日時に関する情報であるので、蓄積される情報が異なる。図15に本実施の形態において履歴データ131aとして記憶されるデータの一例を示す。図15(a)に示される履歴データ1501は、携帯型コンテンツ再生装置1302により蓄積される履歴データの例であり、図15(b)に示される履歴データ1502は、家庭内コンテンツ再生装置1301により蓄積される履歴データの例である。このように、履歴データはコンテンツを再生する装置ごとに蓄積されることになる。
ユーザ入力部1401は、ユーザが再生したいコンテンツを指定するためのインタフェースであり、再生部18はユーザ入力部1401で指定されたコンテンツを再生し、スピーカー19から出力する。なお、実施の形態1で示したように、履歴データ蓄積部13に蓄積された履歴情報に基づいて再生すべきコンテンツを自動的に決定するための相関抽出部15、音楽選択部16を設けてもよい。
図16は、コンテンツ管理装置1303の構成を示す機能ブロック図である。このコンテンツ管理装置1303は、表示部1606、ユーザ入力部1605、転送基準記憶部1607、転送音楽判定部1608、第一履歴参照部1609、第二履歴参照部1610、音楽消去部1611、音楽転送部1612を有する。このコンテンツ管理装置1303は、半導体メモリカード1304に蓄積されている第一音楽コンテンツ記憶部1602、第一履歴記憶部1601と、家庭内コンテンツ再生装置1301に蓄積されている第二音楽コンテンツ記憶部1604、第二履歴記憶部1603とを参照して、コンテンツの管理を行う。上述の通り、第一音楽コンテンツ記憶部1602は携帯型コンテンツ再生装置1302において再生されるコンテンツを、第一履歴記憶部1601は携帯型コンテンツ再生装置1302において再生された履歴情報を、それぞれ蓄積している。
第一履歴参照部1609、第二履歴参照部1610は、それぞれ携帯型コンテンツ再生装置1302、家庭内コンテンツ再生装置1301において再生されたコンテンツの履歴情報である第一履歴記憶部1601と第二履歴記憶部1603を参照する。
転送基準記憶部1607は、第二音楽コンテンツ記憶部1604に蓄積されているコンテンツを第一音楽コンテンツ記憶部1602に転送するための判定基準に関する情報を記憶しており、これらの基準に関する情報は表示部1606によりユーザに示される。
図17は、図16に示されたコンテンツ管理装置1303の表示部1606によりユーザに示される転送基準の一例を示した図である。転送基準はユーザに対して、選択項目として、「家庭での好みを」1701、「好みの充実」1702、「なつかしい曲をコピー」1703、「好みをリフレッシュ」1704という解釈が容易な表現で提示される。今回例示した転送基準は、具体的には以下のような意味合いを持つ。「家庭での好みを」1701は、携帯型コンテンツ再生装置1302において再生回数が少ない音楽を消去して、家庭内コンテンツ再生装置1301において再生回数が多い音楽を携帯型コンテンツ再生装置1302に転送する。「好みの充実」1702は、携帯型コンテンツ再生装置1302において再生回数が少ない音楽を消去して、家庭内コンテンツ再生装置1301において蓄積されているコンテンツの中で、携帯型コンテンツ再生装置1302において再生回数が多いアーティストの音楽を転送する。「なつかしい曲をコピー」1703は、携帯型コンテンツ再生装置1302において再生回数が少ない音楽を消去して、家庭内コンテンツ再生装置1301において過去に再生回数が多かった音楽を携帯型コンテンツ再生装置1302に転送する。「好みをリフレッシュ」1704は、携帯型コンテンツ再生装置1302において再生回数が多い音楽を消去して、家庭内コンテンツ再生装置1301において再生回数が多い音楽を携帯型コンテンツ再生装置1302に転送する。
なお、転送基準はこれらに限るものではなく、他にも様々に考えられる。例えば音楽データ17bを参照して、携帯型コンテンツ再生装置1302で頻繁に再生されるコンテンツのジャンルや曲調が同一のものを、第二音楽コンテンツ記憶部1604から選択するのでもよい。これにより、特徴が類似したお気に入り(所定の回数以上再生したもの)のコンテンツをまとめることが可能になる。これらのコンテンツを他人に紹介するときには、属性情報中の書誌情報(アーティスト、タイトル)のみを提供することにより、著作権を考慮した情報の受け渡しが可能になる。
また、履歴データ131aに記憶されている情報からコンテンツが再生された日時情報を取り出し、携帯型コンテンツ再生装置1302において頻繁に再生されているコンテンツの再生日時と同一のものを第二音楽コンテンツ記憶部1604から選択するのでもよい。これにより、ある特定の日時(誕生日)等に再生したコンテンツを簡単に選択することができるようになる。また、特定の時間(午前中等)に、よく再生しているコンテンツをとりだすこともできる。
さらには、リズムやテンポなど音楽の特徴パラメータを自動的に抽出する機能を有すればあらかじめ与えられている音楽データ17bだけではなく、このように抽出された特徴パラメータの類似度などを考慮してもよい。
なお、コンテンツ管理装置1303は、第一音楽コンテンツ記憶部1602、第二音楽コンテンツ記憶部1604に記憶されている音楽データ17bをすべて装置内にもっていてもよいし、ネットワークを介して取得してもよいことは言うまでもない。
ユーザ入力部1605は、図17に示される表示画面例のようにユーザに提示された転送基準の中から、ユーザの選択を受け付ける。
転送音楽判定部1608は、ユーザにより選択された転送基準に従って、第一履歴参照部1609、第二履歴参照部1610により参照された家庭内コンテンツ再生装置1301と携帯型コンテンツ再生装置1302におけるコンテンツ再生履歴情報に基づいて、第一音楽コンテンツ記憶部1602に記憶されたコンテンツの中で消去すべきコンテンツと第二音楽コンテンツ記憶部1604に記憶されたコンテンツの中で第一音楽コンテンツ記憶部1602に転送すべきコンテンツとを判定する。
一例として、図17において「家庭での好みを」1701が選択された場合について説明する。この転送基準においては、まず携帯型コンテンツ再生装置1302における再生回数が少ないコンテンツを消去する。そのために第一履歴記憶部1601に記憶されている、図15(a)の履歴データ1501に示す携帯型コンテンツ再生装置1302の履歴情報をスキャンして再生回数順にコンテンツをソートし、再生回数が少ないコンテンツから所定の数(例えば30曲)を抽出して消去コンテンツの候補とする。次に家庭内コンテンツ再生装置1301における再生回数が多いコンテンツを携帯型コンテンツ再生装置1302に転送する。そのために第二履歴記憶部1603に記憶されている、図15(b)の履歴データ1502に示す携帯型コンテンツ再生装置1302の履歴情報をスキャンして再生回数順にコンテンツをソートし、再生回数が多いコンテンツから所定の数(例えば30曲)を抽出して消去コンテンツの候補とする。
なお、転送コンテンツや消去コンテンツの候補抽出方法は、これ以外にも様々に考えることができる。例えば、上位所定の数のコンテンツを消去・転送するのではなく、再生回数の閾値を設けて、再生回数が2回以下のコンテンツは一律消去、再生回数が10回以上のコンテンツは一律転送という処理を行ってもよい。また、コンテンツを消去した後に第一音楽コンテンツ記憶部1602に存在する空き領域に応じて転送するコンテンツ数を選択してもよいし、逆に転送候補のコンテンツを保存するために必要な領域に応じて、消去するコンテンツ数を選択してもよい。
音楽消去部1611は、転送音楽判定部1608により消去すべきと判定されたコンテンツを第一音楽コンテンツ記憶部1602から消去し、音楽転送部1612は、転送音楽判定部1608により転送すべきと判定されたコンテンツを第二音楽コンテンツ記憶部1604から第一音楽コンテンツ記憶部1602へと転送する。
次に、転送音楽判定部1608、音楽消去部1611、音楽転送部1612の処理の流れについて、図18から図20のフローチャートを用いて説明する。
図18のフローチャートに示されるように、まず、転送音楽判定部1608は、ユーザ入力部1605から受け付けたユーザの入力に基づいて、ユーザが選択した転送基準を特定し(S40)、第一音楽コンテンツ記憶部1602から消去すべきコンテンツの候補を抽出する(S41)。
音楽消去部1611は、転送音楽判定部1608により消去候補となったコンテンツを第一音楽コンテンツ記憶部1602から消去する(S42)。
転送音楽判定部1608はさらに、転送基準に基づいて第二音楽コンテンツ記憶部1604から第一音楽コンテンツ記憶部1602へ転送すべきコンテンツの候補を抽出する(S43)。
音楽転送部1612は、転送音楽判定部1608により転送候補となったコンテンツを第二音楽コンテンツ記憶部1604から第一音楽コンテンツ記憶部1602へ転送する。
次に、図18のフローチャートにおける消去音楽候補抽出処理(S41)の詳細について図19のフローチャートを用いて説明する。
転送音楽判定部1608は、第一履歴参照部1609により参照された携帯型コンテンツ再生装置1302の再生履歴の中から音楽を1曲選択し(S50)、ユーザにより選択された転送基準における消去基準を満たすかどうか判定を行う(S51)。満たす場合(S51でYes)は該音楽を消去候補に追加して(S52)、まだ消去判定されていない音楽があるかどうかを確認する(S53)。一方満たさない場合(S51でNo)は、まだ消去判定されていない音楽があるかどうかを確認する(S53)。
消去判定されていない音楽がある場合(S53でYes)は再び音楽を1曲選択し、同様の処理を繰り返す。また、すべての音楽に対して消去判定が終了している場合(S53でNo)は処理を終了する。
次に、図18のフローチャートにおける転送音楽候補抽出処理(S43)の詳細について図20のフローチャートを用いて説明する。
転送音楽判定部1608は、第二履歴参照部1610により参照された家庭内コンテンツ再生装置1301の再生履歴の中から音楽を1曲選択し(S60)、ユーザにより選択された転送基準を満たすかどうか判定を行う(S61)。満たす場合(S61でYes)は該音楽を転送候補に追加して(S62)、まだ転送判定されていない音楽があるかどうかを確認する(S63)。一方、満たさない場合(S61でNo)は、まだ転送判定されていない音楽があるかどうかを確認する(S63)。
転送判定されていない音楽がある場合(S63でYes)は再び音楽を1曲選択し、同様の処理を繰り返す。またすべての音楽に対して転送判定が終了している場合(S63でNo)は処理を終了する。
なお、本実施の形態ではコンテンツ管理装置1303としてパーソナルコンピュータのような独立した装置を想定したが、家庭内コンテンツ再生装置1301がコンテンツ管理装置1303の機能を有してもよい。また、家庭内コンテンツ再生装置1301内に音楽コンテンツが備わっている構成としたが、これ以外にも、コンテンツ管理装置1303内に備わっていたり、別途ネットワーク上のサーバ内に備わっていたりしてもよく、家庭内コンテンツ再生装置1301はネットワークを介して音楽コンテンツを再生可能であってもよい。また、携帯型コンテンツ再生装置1302における履歴情報や記憶されている音楽コンテンツに関する情報は、半導体メモリカード1304を介して参照可能である構成としたが、ネットワーク接続可能な携帯型コンテンツ再生装置1302であれば、直接参照可能であってもよいことは言うまでもない。
また、本実施の形態では、家庭内コンテンツ再生装置1301と携帯型コンテンツ再生装置1302を対象として音楽コンテンツを転送する形態について述べたが、対象とする機器はこれに限るものではなく、他にも車載オーディオ装置などコンテンツの再生が可能ないずれの装置においても適用可能である。また、音楽コンテンツの転送方向も一方向に限るものではなく、いずれの装置からいずれの装置へ転送されるのであってもよいし、3台以上の複数の装置間で転送されてもよい。いずれにせよ、音楽コンテンツを再生可能な装置間において、各装置でのコンテンツ再生履歴に基づいて蓄積されている音楽コンテンツが転送されるのであればよい。また転送されるコンテンツは、転送元の装置内から削除される(コンテンツが移動する)のでも、複製されて転送元の装置内にも保存されるのでもよい。
なお、携帯型コンテンツ再生装置1302として車載オーディオ装置を想定した場合、状況検出部12としてワイパー等の動作状況を検出するセンサーを利用することにより、天候等の情報を利用することができる。また家庭内コンテンツ再生装置1301がネットワークから天候等の情報を取得し、再生履歴として蓄積することで、家庭内で雨のときに視聴していた音楽を車載機器で視聴するために自動的に転送するといった利用法も考えることができる。
なお、本実施の形態では、一人のユーザの所有する複数のコンテンツ再生装置間でのコンテンツ転送について述べたが、所有者の異なる端末間で転送がなされてもよい。あるユーザが最近再生しているコンテンツで、友人があまり再生していないコンテンツを推薦する場合においては、ユーザの再生回数が多く友人の再生回数が少ないコンテンツを再生履歴に基づいて検索を行うことにより実現できる。これにより、友人に対して、お互いの再生履歴を用いて実体験に基づくコンテンツの交換を行うことが可能になる。
また、本実施の形態では、対象とするコンテンツとして音楽を想定したが、これ以外にも図5に示すような属性情報を有し再生日時が記憶可能なコンテンツであればよく、例えば動画コンテンツであれば、属性情報として、出演者に関する情報、バラエティやドラマといったジャンルに関する情報、動画内容に関する解説情報などを利用することが可能である。
このように本実施の形態によると、携帯型コンテンツ再生装置1302で再生するコンテンツを記憶しておく容量が十分でなく、記憶されているコンテンツを入れ替える作業が必要となる場合に、複数の端末での再生履歴情報を用いることで、ユーザの少ない負担で入れ替えが自動的になされることになる。
次に、本実施の形態における応用例を説明する。
頻繁に更新される動画コンテンツ(例えば、月曜から金曜まで毎日放送されるTV番組など)の場合、特定のコンテンツに関する履歴情報を参照して次のような利用形態の応用例を考えることができる。ユーザはあらかじめ特定のコンテンツ「世界ビジネスニュース」というTV番組を指定し、家庭内コンテンツ再生装置1301で番組を録画しておく。図21に、家庭内コンテンツ再生装置1301に録画されている番組の一覧を示す。本実施の形態においては、第二音楽コンテンツ記憶部1604に蓄積される。
図22および図23に、それぞれ、第二履歴記憶部1603、第一履歴記憶部1601に記憶されている「世界ビジネスニュース」に関する履歴情報を示す。コンテンツ管理装置1303は、第二音楽コンテンツ記憶部1604(図21)、第二履歴記憶部1603(図22)、第一履歴記憶部1601(図23)を参照して、第二音楽コンテンツ記憶部1604に録画された番組の中で、12月12日放送分がいずれの装置においても視聴されていないと判定し、この放送分を第一音楽コンテンツ記憶部1602へ転送することを決定する。
具体的な利用形態として次のようなものが考えられる。
ユーザは毎晩、帰宅した後に家庭で「世界ビジネスニュース」を欠かさず視聴している。ある日帰宅が遅かったなどの都合によりその日の放送分を視聴できなかった。このような場合でも翌朝、ユーザが携帯型コンテンツ再生装置1302と家庭内コンテンツ再生装置1301をシンクロさせると、それぞれの視聴履歴からまだ視聴されていない番組が自動的に携帯型コンテンツ再生装置1302へ転送され、翌日出勤途中などに視聴が可能となる。特に、携帯型コンテンツ再生装置1302を家庭内の充電機器に接続するというような日常的な操作と連携して行うことにより、ユーザがコンテンツ転送を忘れることを防止することが可能になる。また、無線ネットワーク環境等と連携して、ユーザが意図的に転送するための行為を行うことなく、上記実施の内容を実行することにより、さらに効果が増す。
以上のように、本実施の形態は、映像又は音楽のコンテンツを再生する第1再生装置が備える第1記憶手段に格納されたコンテンツを第2再生装置が備える第2記憶手段に転送するコンテンツ転送装置であって、前記第1及び第2再生装置の少なくとも一方によるコンテンツの再生履歴を記憶する再生履歴記憶手段と、前記再生履歴記憶手段に記憶された再生履歴に基づいて、前記第1記憶手段に格納されたコンテンツを前記第2記憶手段に転送する転送手段とを備えることを特徴とする。これによって、再生履歴に基づいて第1記憶手段から第2記憶手段にコンテンツが転送されるので、莫大な数のコンテンツの中からユーザが好むコンテンツをいちいち選択してコピーするという手間が不要となる。
そして、前記コンテンツ転送装置はさらに、前記再生履歴に基づいて、前記第1及び第2記憶手段の少なくとも一方に格納されたコンテンツを消去する消去手段を備える。これによって、たとえば、あまり視聴しなくなったコンテンツを記憶手段から削除し、新たなコンテンツの格納用スペースを確保することができる。
また、前記再生履歴には、前記第1再生装置によるコンテンツの再生履歴が含まれ、前記転送手段は、前記再生履歴を参照することで、前記第1記憶手段に格納されたコンテンツのうち、再生回数が多い又は少ないコンテンツを特定し、特定したコンテンツを前記第1記憶手段から前記第2記憶手段に転送する。同様に、前記再生履歴には、前記第1再生装置によるコンテンツの再生履歴が含まれ、前記消去手段は、前記再生履歴を参照することで、前記第1記憶手段に格納されたコンテンツのうち、再生回数が多い又は少ないコンテンツを特定し、特定したコンテンツを前記第1記憶手段から消去する。これによって、たとえば、家庭内コンテンツ再生装置でよく視聴していた、あるいは、あまり視聴していないコンテンツを屋外で視聴するために携帯型コンテンツ再生装置に自動転送させることができる。
また、前記再生履歴には、前記第2再生装置によるコンテンツの再生履歴が含まれ、前記転送手段は、前記再生履歴を参照することで、前記第2記憶手段に格納されたコンテンツのうち、再生回数が多い又は少ないコンテンツを特定し、特定したコンテンツと類似するコンテンツを前記第1記憶手段から前記第2記憶手段に転送する。同様に、前記再生履歴には、前記第2再生装置によるコンテンツの再生履歴が含まれ、前記消去手段は、前記再生履歴を参照することで、前記第2記憶手段に格納されたコンテンツのうち、再生回数が多い又は少ないコンテンツを特定し、特定したコンテンツを前記第2記憶手段から消去する。これによって、たとえば、携帯型コンテンツ再生装置に格納されているコンテンツのうち、よく視聴していた、あるいは、あまり視聴していないコンテンツを消去したり、類似するコンテンツを家庭内コンテンツ再生装置からに自動転送させ、携帯型コンテンツ再生装置に格納しておくコンテンツを充実させたり、リフレッシュさせたりすることができる。
また、前記再生履歴には、コンテンツを再生した日時を示す情報が含まれ、前記転送手段は、前記再生履歴に含まれる日時を条件として、転送の対象となるコンテンツを前記第1記憶手段に格納されてコンテンツの中から特定し、特定したコンテンツを前記第1記憶手段から前記第2記憶手段に転送する。これによって、特定の日時に再生したコンテンツだけを選択したり、特定の時間帯によく再生していたコンテンツだけをコピーしたりすることが可能となり、莫大な数のコンテンツの中から所望のコンテンツを容易に取り出すことができる。
(実施の形態3)
次に、本発明の実施の形態3について説明する。
状況に応じて楽曲を自動的に選択するためには、ユーザの状況を認識するための多くのセンサー情報が必要である。しかしながら、多くのセンサーを設置するためには、コストがかかることが多い。さらには、日常的に起きる事件、事故、イベント等により、ユーザが保有するコンテンツデータから自動的に検索されると便利である。
そこで、本実施の形態では、日常的な事件、事故、イベント等により、公共的に放送されるコンテンツが変化することに着目し、その変化に応じて自らが保有するコンテンツを自動的に選択する装置を提供するものである。例えば、ある歌手のコンサートツアーが開始されると、各放送番組において、その歌手の楽曲が多く再生されるようになる。そこで、その情報を受信・解析することで、その日時、時間に応じた楽曲を自動的に選択する装置を提供するものである。また、音楽コンテンツを配信する放送業者においては、楽曲を配信することに対して多くのノウハウを保有している。そこで、放送業者が楽曲を選択しているノウハウを利用して、自らが保有する楽曲を自動的に選択して再生する装置を提供するものである。
また、放送の受信においては、地域によって受信状況が異なる。そこで、受信状況が悪い場合には、自ら保有するコンテンツで代用することにより、快適に放送コンテンツを楽しむことが可能になる。
また、実施の形態1で述べたような、HDDや半導体メモリなど大容量記憶媒体に蓄積された多量の音楽コンテンツなどをどのような順序で再生すればよいか、という課題に対して、ラジオなどで放送される音楽を参考にすることで再生順序を決定することができる。
以下、本発明の実施の形態3について図面を参照しながら説明する。本実施の形態においては、ラジオなどの放送局により放送される音楽に関する情報を参照してコンテンツ再生装置に蓄積されたコンテンツの再生を決定する。
図24は、本実施の形態におけるコンテンツ再生装置2410の構成を示す機能ブロック図である。コンテンツ再生装置2410は、放送を受信する受信部2401、受信した放送を解析する解析部2402、音楽コンテンツを記憶しておく音楽コンテンツ記憶部17、コンテンツを再生する基準を記憶する選択基準記憶部2405、選択基準をユーザに提示する表示部2404、選択に関するユーザ入力を受け付けるユーザ指定部2403、再生するコンテンツを選択する音楽選択部16、コンテンツを再生する再生部18、およびスピーカー19から構成されている。
図25は、図24に示された受信部2401により受信されるラジオ放送について模式的に示した図である。ラジオ放送では、番組の中でDJによるトークと音楽の再生がストリーム2501のように交互に繰り返される。この中で、各音楽には、音楽の属性情報2502が多重化されている、またはタグ情報として付随している、など属性情報を利用可能な状況を想定しており、コンテンツ再生装置2410における解析部2402で抽出される。属性情報2502は、図示されているように、音楽のタイトル、歌手名、ジャンル、曲調を表す感性語などにより構成されている。属性情報は各音楽自体に多重化されている以外に、音楽が始まる直前のDJのトークに多重化されていてもよいし、DJのトークや各音楽のタイムテーブルを表す番組のプログラム情報が放送されていて何時何分頃にどういう音楽が放送されるのかを、実際の音楽の放送の前にあらかじめ知ることができるようになっていてもよい。また、音楽に多重化される属性情報ではなく、実施の形態2に示したような音楽のテンポやビートといった音楽の特徴パラメータが解析部2402により抽出されるのでもよいし、その両方の情報を利用するのでもよい。
選択基準記憶部2405には、受信部2401により受信された放送内容にしたがって、音楽コンテンツ記憶部17に記憶されたコンテンツを再生するための選択基準が記憶されている。選択基準の具体的内容について、図26の表示画面例、つまり、表示部2404によりユーザに提示される画面を用いて説明する。
図26(a)に示される表示画面2601は、放送される音楽と、音楽コンテンツ記憶部17に蓄積されている音楽と、いずれを重視するかという聴取スタイルに関する基準を表した画面(選択項目群)である。「受信曲優先」2602は、受信部2401が受信した音楽を優先して再生し、電波の受信状態が悪く受信した音楽をクリアに再生できないなどの状況において、受信している音楽と関連のあるコンテンツを音楽コンテンツ記憶部17から選択して再生するという基準である。つまり図25に示すラジオ放送の模式図を用いて説明すると、「DJのトーク2」の電波の受信状態が悪い場合や、「曲3」の途中で電波の受信状態が悪くなった場合には、「曲3」の代わりに「曲3」と関連のあるコンテンツを再生することになる。一方、「保存曲優先」2603は、受信部2401が受信した放送を再生し、音楽が再生されるパートになると、受信している音楽と関連のあるコンテンツを音楽コンテンツ記憶部17から選択して再生するという基準である。つまり図25に示すラジオ放送の模式図を用いて説明すると、「曲1」、「曲2」、「曲3」、「曲4」が放送されるタイミングに合わせて、それぞれの音楽と関連のあるコンテンツを再生することになる。
図26(b)に示される表示画面2606は、放送されている曲の代わりに、関連のある音楽を音楽コンテンツ記憶部17から選択して再生するための選曲基準に関する基準を表した画面(選択項目群)である。「アーティスト優先」2607は、音楽コンテンツ記憶部17のコンテンツの中で放送されている曲と同一アーティストの音楽を再生するという基準であり、「曲調優先」2608は、放送されている曲と類似した感性語、特徴パラメータを有する音楽を再生するという基準であり、「ジャンル優先」2609は、放送されている曲と同一ジャンルの音楽を優先するという基準である。先に述べたように、アーティスト名、曲調、ジャンルに関する情報は解析部2402において抽出される。
次に本実施の形態における選択基準について図27に示すフローチャートを用いて説明する。
受信部2401によりラジオ放送の曲の演奏が開始されたと判断されると(ステップS70でYes)、ユーザ指定部2403においてユーザに指定される、もしくは、事前に指定されている聴取スタイルの判定が行われる(ステップS71)。
聴取スタイルが受信曲優先であると判定されると(ステップS72)、受信部2401において受信感度の計測がなされ(ステップS72)、感度が良好であると判定されると(ステップS73でYes)、音楽選択部16は放送されている音楽を流すことを選択し、再生部18により演奏される(ステップS74)。
聴取スタイルが受信曲優先であってかつ受信感度が悪い場合(ステップS73でNo)、または、聴取スタイルが保存曲優先と判定された場合(ステップS71)、ユーザ指定部2403においてユーザに指定される、もしくは、事前に指定されている選曲基準の判定が行われる(ステップS75)。そして音楽選択部16により、音楽コンテンツ記憶部17の中からユーザの指定する基準に合致する曲の選択が行われ(ステップS76)、再生部18により音楽の再生が行われる(ステップS77)。
次に、本実施の形態における応用例を説明する。
本実施の形態では、ラジオ放送で受信した曲の代わりに類似した音楽を再生する例について述べたが、それを応用して、ユーザが受信したラジオ番組表やラジオ放送の履歴に基づいて、音楽選択部16により音楽コンテンツ記憶部17の中の音楽を再生することも可能である。
図28に、応用例におけるコンテンツ再生装置2410aの構成を示す。図24に示されたコンテンツ再生装置2410の構成と異なるのは、受信履歴記憶部2801を設けた点である。受信履歴記憶部2801は、受信部2401により受信されるラジオ番組表や、受信部2401で受信したラジオ放送番組、ラジオ放送番組自体の属性情報、放送される曲に関して解析部2402で解析される属性情報の履歴情報が蓄積される。
図29は、図28に示されたコンテンツ再生装置2410aの受信部2401で受信し、ユーザが実際に聴いた放送番組、DJの名前、番組の属性情報(「爽快」というような感性語や、「ヒットチャート」など番組で放送する曲の性質を表したもの)に関する履歴情報を記憶している一例を示す。このような情報を、表示部2404によりユーザにタイムテーブル形式で提示し、ユーザ指定部2403によりユーザが番組を指定できるようにすると、ユーザが選択した番組の属性情報(例えば、「爽快」)に合致した音楽を音楽選択部16により選択することが可能となる。このようにタイムテーブル形式で提示すると、ユーザにとって視認性がよくなる。
なお、ユーザに提示するのはこのようにユーザが実際に聴いた番組に関する情報だけではなく、各放送局の1日分、1週間分の放送予定表あるいは放送実績であってもよい。いずれにせよ、番組名や感性語などの属性情報を元にユーザが指定し、それに基づいて音楽選択部16による選択が行われるのであればよい。
また、各放送局のタイムテーブルに、番組でかけられる音楽に関する情報が付随する場合、複数の放送局のタイムテーブルを取得できると、1日や1週間、あるいはある日を基準に過去3日などの適当な期間にかけられた音楽の頻度に関する情報を把握することができ、その頻度に基づいて音楽選択部16が音楽の自動選択を行ってもよい。
また、季節や時間帯、曜日などの状況に応じて、ユーザがよく聴取する番組に関する情報と関連の深い曲を自動的に再生するのでもよい。これによると、例えば図29の例において、ユーザは平日の午前中には「爽快」という感性語で表される番組をよく聴取しているため、ユーザのもつ曲の中で、「爽快」に合致する曲を自動的に再生することができる。
(実施の形態4)
次に、本発明の実施の形態4について説明する。
上記実施の形態3は、公共のラジオ放送等を利用して、音楽コンテンツが再生されるときに、すでに蓄積されている音楽コンテンツか放送コンテンツかを選択することにより、常にクリアな音質でコンテンツを再生できるコンテンツ再生装置に関するものであったが、本実施の形態は、あるテーマをもって、すでに蓄積されているコンテンツとネットワークやラジオ等で取得できる情報とを再生することで、簡単にユーザの好みのコンテンツを再生することができる装置に関する。
車載端末においては、すでに蓄積されている音楽を再生するだけでなく、ネットワークや放送を介して新たな情報を取得する必要がある。特に、音楽を再生していても、車両を安全に走行させるには、交通情報も必要であるし、また、自らの好みの情報がラジオ等で放送されている可能性もある。このような場合に、従来では、複数のメディアから供給されるコンテンツを楽しもうとすると、ソース源が変更されるたびに、車載のオーディオ機器を操作する必要がある。
そこで、本実施の形態では、音楽の再生リストとして再生されるべきコンテンツに関する情報と、ユーザにとって必要な情報が配信される情報とを融合した再生コンテンツリストを利用することで、自動的に、再生パターンを生成し、ユーザが何も操作しなくても、自動的に音楽を再生することができる音楽コンテンツ再生システムについて説明する。
図30は、本実施の形態4における音楽コンテンツ再生システムの構成を示す機能ブロック図である。この音楽コンテンツ再生システムは、公衆ネットワークを介して接続されたサーバ3100aと車載端末3100bとから構成される。サーバ3100aは、車載端末3100bに各種情報を提供する情報サーバであり、音楽間情報蓄積部3104を備える。車載端末3100bは、車載のオーディオ機器等の音楽コンテンツ再生装置であり、音楽コンテンツ蓄積部3101、音楽コンテンツタグ蓄積部3102、再生リスト蓄積部3103、音楽間情報取得部3105、再生コンテンツ順序決定部3106、再生コンテンツ選択部3107、コンテンツ再生部3108及び再生リスト指定部3109を備える。
音楽コンテンツ蓄積部3101は、音楽コンテンツが蓄積されている記憶装置であり、例えば、ハードディスクや半導体メモリにより構成され、WAV形式、MP3形式等により多量の音楽コンテンツが蓄積されている。音楽コンテンツタグ蓄積部3102は、音楽コンテンツ蓄積部3101に蓄積されている音楽コンテンツのタイトルやアーティスト、曲調、発売日、等の音楽コンテンツを検索するための情報が蓄積されている記憶部である。
再生リスト蓄積部3103は、再生する音楽コンテンツの一覧である再生リストを蓄積している記憶部である。再生リストは、再生する音楽コンテンツのタグに関する情報と、放送等の番組情報を利用してユーザにコンテンツ再生を楽しませるための音楽間情報(音楽コンテンツを再生する合間に再生する情報)等からなり、例えば、図31に示されるように、あるテーマ(ここではアニメ特集)に関して、音楽を特定するための情報と、特定されたテーマに対して音楽の間を放送やネットワークを介して取得するコンテンツに関する情報が記載されている。これらの他にも、「90年代ヒット曲集」「映画音楽特集」「ドラマ主題歌特集」「いやし系特集」等のテーマについて、音楽情報が記載されている。なお、再生リストは、ネットワーク等を介して取得するものであり、再生リストに記載されている音楽は、必ずしも蓄積されている音楽と一致しない。蓄積されている音楽は、再生リストに記載されているものの一部である場合が多い。
再生リスト指定部3109は、ユーザの指示に従って、再生リスト蓄積部3103に蓄積されている再生リストの中から1つの再生リストを指定して選択するユーザインターフェースである。この再生リスト指定部3109によって選択された再生リストは、音楽間情報取得部3105及び再生コンテンツ順序決定部3106によって読み出され、参照される。
音楽間情報蓄積部3104は、サーバ3100aが備える記憶装置であり、音楽間情報、つまり、音楽コンテンツを再生する間に再生する情報が蓄積されているハードディスク等である。音楽間情報としては、例えば、各音楽に関する説明の音声情報や、交通情報、天気予報に関する情報等、音楽以外に関する情報である。
音楽間情報取得部3105は、音楽間情報蓄積部3104に蓄積されている音楽間情報を取得する音楽間情報取得部である。音楽間情報取得部3105においては、再生リスト蓄積部3103に蓄積されている再生リストのうち再生リスト指定部3109によって選択された再生リストに基づき、ネットワーク等を介して取得すべき情報があった場合に、その情報が配信または更新されるタイミングで情報を取得するものである。また、放送等で配信されたコンテンツについては、この音楽間情報取得部3105において蓄積し、所定のタイミングで再生させることが可能になる。
再生コンテンツ順序決定部3106は、再生リスト蓄積部3103に蓄積されている再生リストのうち再生リスト指定部3109によって選択された再生リストについて、再生すべきコンテンツの順序を決定する処理部である。この再生コンテンツ順序決定部3106は、再生リスト指定部3109で選択された再生リストで指定されているすべての音楽が音楽コンテンツ蓄積部3101に蓄積されているとは限らないため、それら音楽コンテンツのうち音楽コンテンツ蓄積部3101にすでに蓄積されている音楽コンテンツの再生順序を決定する。
再生コンテンツ選択部3107は、再生コンテンツ順序決定部3106で決定された順序と音楽間情報取得部3105で取得された音楽間情報とを用いて再生するコンテンツを選択する処理部である。
コンテンツ再生部3108は、再生コンテンツ選択部3107で選択されたコンテンツを再生する再生装置である。
上記のように構成された音楽コンテンツ再生システムの動作について、図32のフローチャートを用いて説明する。
まず、ユーザは、再生リスト蓄積部3103に蓄積されている再生リストからユーザが希望する再生リストを選択する(S3301)。つまり、再生リスト指定部3109は、ユーザからの指示に従って、再生リスト蓄積部3103から、ユーザが選択した再生リストを読み出す。例えば、再生リスト指定部3109が、図33(a)に示されるように、蓄積されている再生リストをユーザに提示し、ユーザが「アニメ特集」を選択したものとする。さらに、図33(b)に示されるように、ユーザは、再生リストを選択した後に、選択された再生リストを用いてコンテンツを再生する時間を指定する。なお、終了時間については、ユーザが必ずしも設定する必要はない。
次に、再生コンテンツ順序決定部3106は、いま選択された再生リストを用いて、音楽コンテンツ蓄積部3101に蓄積されている音楽の検索を行う(S3302)。具体的には、選択された再生リストには、図31に示されるように、再生音楽リストとして、複数音楽のタイトルが記述されているので、再生コンテンツ順序決定部3106は、音楽コンテンツタグ蓄積部3102に蓄積されたタグを利用して、音楽コンテンツ蓄積部3101に蓄積されている音楽コンテンツの検索を行う。その結果、例えば、図34に示される検索結果が得られる。図34に示される検索結果では、音楽コンテンツ「シグナル」3501が再生リストに記載されているが、音楽コンテンツ蓄積部3101には蓄積されていないことがわかる。なお、演奏時間に関する情報や、第1コーラスが終わる部分である区切り演奏時間や、音楽に関する説明情報も、再生リストに記載されていてもよい。また、音楽コンテンツタグ蓄積部3102において、音楽コンテンツをコピーするときに、同時に音楽コンテンツタグとしてコピーしてもよい。
続いて、再生コンテンツ順序決定部3106は、放送コンテンツを再生する時刻を決定する(S3303)。たとえば、図31の再生リストに示されるように、「アニメ特集」に関しては、10時から「今日のアニメ」というラジオ番組が再生されることがわかるので、再生コンテンツ順序決定部3106は、10時からは、ラジオ番組を受信し、再生するコンテンツとして利用する。
そして、再生コンテンツ順序決定部3106は、ネットコンテンツを再生する時刻を決定する(S3304)。たとえば、現在時刻8:45から11:00までの間においては、9:00に交通情報がWEBサイトの ”http://www.trafic.com/ ” で配信されることが再生リストに記載されているので、再生コンテンツ順序決定部3106は、9:00になった時点で、WEBをアクセスし、交通情報を取得することとする。その結果、再生コンテンツ順序決定部3106は、図35に示されるように、交通情報と、ラジオ番組のコンテンツが再生される時間が決定された後に、空いた時間3601〜3603を、すでに蓄積されている音楽コンテンツの再生時間とする。
次に、現在時刻8:45から11:00までの間で、放送コンテンツを再生する時間(30分)と交通情報を再生する時間(3分)とを除く空き時間、つまり、102分(135−33=102分)と、ステップS3301で検索された音楽の総時間(95分32秒)とを比較する(S3305)。この場合、演奏総時間の方が短いためステップS3307へ進む。逆に、演奏総時間の方が長い場合には、すべての音楽を再生することができないため、ステップS3306へ進む。
空き時間よりも演奏総時間が長い場合には、上記ステップS3302で検索された音楽をステップS3305で計算された空き時間内におさめるために、再生コンテンツ順序決定部3106は、過去の音楽の再生履歴を利用して、再生する音楽を選択する(S3306)。例えば、最近、視聴していない音楽から順に再生するコンテンツとして決定する。また、実施の形態1で述べたように、現在の状況を加味して再生すべき音楽コンテンツを選択してもよい。
一方、空き時間よりも演奏総時間が短い場合には、上記ステップS3302で検索された音楽をすべて再生コンテンツとして選択したとしても11時まで音楽で埋めることができないので、再生コンテンツ順序決定部3106は、11時までは音楽で埋めず、終了時刻を早める(S3307)。
続いて、再生コンテンツ順序決定部3106は、音楽の再生順序を決定する(S3308)。このとき、音楽の再生履歴を利用して、音楽の再生順序を決定する。例えば、最近、視聴していない曲を優先的に、先に再生する。また、ラジオ番組等で再生される可能性が高い音楽は、ラジオ番組が放送される時間帯とは、離れた時間帯で再生するようにする。
そして、決定された順序に従って再生コンテンツ選択部3107が音楽コンテンツを選択し、選択された音楽コンテンツをコンテンツ再生部3108が再生する(S3309)。例えば、コンテンツ再生部3108は、図36(a)に示されるような画面を表示しながら音楽を再生する。図36(a)には、現在再生されている楽曲のタイトル3701、楽曲に関する解説3702、楽曲のソース(記憶媒体)3703等が表示された画面表示例が示されている。
ここで、交通情報を取得する時刻が9:00で設定されているため、音楽間情報取得部3105は、その時刻がきたかどうかを判定する(S3310)。もし、9:00になっていた場合には、ステップS3311へ進む。それ以外は、音楽再生を継続する。
9:00になっていた場合には、音楽間情報取得部3105は、再生リスト指定部3109で選択された再生リストに記載されている所定のアドレスにアクセスし、交通情報コンテンツを取得する(S3311)。
再生コンテンツが終了した場合には(S3312でYES)、フローを終了する。それ以外は(S3312でNO)、コンテンツ再生を継続する。
上記の構成により、蓄積されているコンテンツと、放送やネットワークで取得されるコンテンツを融合して、自動的に再生することが可能になる。これにより、ユーザは、曲の合間にラジオに切り替えたり、ネットワークを介して情報を取得する操作をすることなく、自動的に、選択されたテーマに関する音楽を再生することが可能になる。特に車両を運転中には、安全運転を実現するため、オーディオ機器を操作することなく、自動的に必要なコンテンツの取得と音楽の再生とを両立させることが可能になる。
なお、図36(a)〜(c)に示されるように、本車載端末3100bでは、放送コンテンツやネットワークから取得したコンテンツが再生されているときも、音楽が再生されているときと同様のインタフェースで音楽のスキップ等を行うことができる。例えば、放送コンテンツが再生されているときに、図36(c)に示される操作リモコンのスキップボタンがおされると、この車載端末3100bは、その番組の再生を終了し、次の音楽の再生を開始する。従来、ラジオ番組が放送されているときに、音楽の再生に変更しようとすると、ラジオを停止したのちに音楽再生のモードへの変更、さらに、音楽の選択というように多数の操作を行わなければならなかったが、この車載端末3100bによれば、音楽が再生されているときと同様の作法で、ラジオから音楽再生へ変更することができる。特に、図36(b)に示されるように、車両のハンドル等にコンテンツの再生を制御するボタンが装着されている場合は、少ないボタンでコンテンツの再生制御を行うことができ、安全かつ便利である。
さらに、この車載端末3100bは、音楽がスキップされたときには、次の音楽の再生を開始するが(図37(a)参照)、このとき、ラジオ放送や、ネットワークによるコンテンツ再生の時刻までの時間が短いときには、音楽再生の順序を変更して、再生する時刻が決まっているコンテンツまでの時間に応じた音楽コンテンツを再生する(図37(b)参照)。このとき再生される音楽コンテンツは、スキップされたときから次の放送コンテンツを再生する時刻までを最も隙間なく埋める音楽コンテンツが選択される。また、音楽コンテンツと放送コンテンツの間に空き時間ができた場合には、あらかじめ用意されていたBGM等で時間を埋める(図37(c)参照)。
また、この車載端末3100bは、ネットワークを介して取得した交通情報等の場合には、交通情報を再生する時刻の遅れをなるべく小さくするように、音楽コンテンツの順序を変更する(図38参照)。もし、適当な音楽コンテンツがない場合には、所定の時間より長い演奏時間の音楽コンテンツを再生し、途中でフェードアウトさせることで、再生する時刻が決まっているコンテンツの再生までの自然な流れを実現する。また、放送コンテンツが再生されているときに、スキップ(送り)ボタンが押された場合には、次の音楽コンテンツの再生を行う(図39参照)。
また、この車載端末3100bは、音楽コンテンツ再生中に、リバース(戻る)ボタンが押された場合には、再生していた音楽コンテンツを再び最初から再生する(図40参照)。このために、放送コンテンツを再生する時刻までに、時間があく場合には、あらかじめ蓄積されていたBGM等を利用して時間を埋める。また、ネットワークで取得した交通情報の前に、リバース(戻る)ボタンが押された場合には(図41(a)参照)、交通情報の再生の遅らせを最も少なくする音楽コンテンツを選択した後に、交通情報を再生する(図41(b)参照)。さらに、適切な音楽コンテンツがない場合には、BGM等で音楽と交通情報との間を埋めて再生を行う(図41(c)参照)。
なお、本実施の形態では、再生リストは、あらかじめ決められたものを利用することとしていたが、再生リストを家庭で演奏された履歴から生成してもよい。これにより、家庭内で演奏されたパターンで、車載機器でも演奏することが可能になる。
また、実施の形態1のように、過去に視聴した音楽の履歴を用いて、音楽の自動選択をしてもよい。つまり、本実施の形態においても、再生リストにおける音楽のリストを過去の履歴と、現在の状況から自動的に選択してもよい。これにより、公共の放送やネットワークから取得したコンテンツと融合して、自動的に音楽コンテンツと放送コンテンツを楽しむことが可能になる。また、家庭内機器等、車載機器以外の機器で再生した音楽の履歴を利用することで、車載機器に十分な音楽の再生履歴がないときでも、ユーザの嗜好にあった音楽の選択が可能になる。また、自分以外のユーザの視聴履歴を用いて音楽を推薦することで、他人の嗜好で、ユーザの蓄積した音楽の再生を行うことができ、音楽再生のバリエーションを増やすことが可能になる。
また、本実施の形態においては、「アニメ特集」等の1つの再生リストを選択したが、複数の再生リストを選択してもよい。このときは、再生リストに記載された音楽情報、曲間情報の論理和をとり、再生するコンテンツを決定すればよい。特に、蓄積されている音楽が十分にない場合には、複数の再生リストを利用しなければ、十分な時間、コンテンツ再生を楽しむことができない場合があるので、そのような場合に有効である。
また、本実施の形態においては、ユーザが最初に再生リストを選択したが、ユーザが、現在、再生している音楽コンテンツを利用して、続きのコンテンツを再生するときに、再生リストを選択してもよい。具体的には、図30のシステム構成に対して、現在、再生されている音楽コンテンツのタグ情報(タイトル、アーティスト、メロディ、発売年等の識別子情報)を利用して、再生リスト蓄積部3103に蓄積されている再生リストを検索する再生リスト検索部を付加し、前記再生リスト検索部で検索された再生リストをもとにコンテンツの再生順序を決定することにより、実現可能である。例えば、一曲の音楽コンテンツの再生を終了と同時に、図42に示されるように楽曲の再生リストが表示され、ユーザに、この後の再生するコンテンツの選択を促す。これにより、ユーザは、最初に選択した音楽コンテンツのイメージを継続する形で、再生リストを選択することができるようになる。
また、本実施の形態では、音楽の演奏時間は、1つの曲に対して1つの演奏時間が対応していたが、1つの曲に対して、第1コーラスが終わる部分を区切り演奏時間として設定することで、1つの曲に対して複数の演奏時間を設定してもよい(図34の表参照)。演奏時間が長くて入らない場合には、区切り演奏時間でフェードアウトを利用することで、より多様な音楽スケジューリングを行うことができる。
(実施の形態5)
次に、本発明の実施の形態5について説明する。
上記実施の形態4においては、音楽間情報が指定され、あらかじめ音楽の再生スケジュールが決まっていたが、本実施の形態では、より柔軟な再生スケジュールで音楽コンテンツ等を再生する、例えば、スポーツ関連の生放送が行われているときに、その内容に応じて、視聴するか否かをユーザが決定することができる。
例えば、プロ野球中継をラジオ放送等で放送しているときに、ユーザの好みのチームが点数をいれたときだけ、その放送を視聴したい場合がある。この場合、点数をいれた場面だけラジオ放送に切替えても、すでに点数が入ったあとであるため、十分にコンテンツを楽しむことができない場合が多い、また、点数が入ったときが、音楽を再生している途中であった場合には、突然、ラジオ放送に切り替わってしまうことになる。そこで、本実施の形態では、放送されている内容を自動的に蓄積し、必要なコンテンツのみを蓄積されたコンテンツから切り出し、音楽の再生が終了した時点で、必要なコンテンツのみを再生することが可能な音楽コンテンツ再生システムについて述べる。
図43は、本実施の形態5における音楽コンテンツ再生システムの構成を示す機能ブロック図である。この音楽コンテンツ再生システムは、公衆ネットワークを介して接続されたサーバ4300aと車載端末4300bとから構成される。サーバ4300aは、車載端末4300bに各種情報を提供する情報サーバであり、音楽間メタ情報蓄積部4308を備える。車載端末4300bは、放送受信機能を備える車載オーディオ機器等であり、再生リスト指定部4301、再生リスト蓄積部4302、音楽コンテンツ蓄積部4303、音楽コンテンツタグ蓄積部4304、再生コンテンツ順序決定部4305、放送コンテンツ指定部4306、放送コンテンツ端末蓄積部4307、音楽間メタ情報取得監視部4309、放送再生コンテンツ端末蓄積部4310、再生コンテンツ選択部4311及びコンテンツ再生部4312を備える。
再生リスト指定部4301は、実施の形態4における再生リスト指定部3109に相当し、再生リスト蓄積部4302に蓄積されている再生リストをユーザが選択・指定するユーザインターフェースである。再生リスト蓄積部4302は、再生リスト指定部4301で指定される対象となる複数の再生リストを蓄積しているハードディスク等である。音楽コンテンツ蓄積部4303は、音楽コンテンツが蓄積されているDVD−ROM等である。音楽コンテンツタグ蓄積部4304は、音楽コンテンツ蓄積部4303に蓄積されている音楽のタイトル、アーティスト、発売年、ジャンル等の音楽コンテンツのタグ情報が蓄積されている記憶部である。再生コンテンツ順序決定部4305は、再生リスト蓄積部4302に蓄積された再生リストのうち再生リスト指定部4301で選択された再生リストに従って、コンテンツの再生順序を決定する処理部である。
放送コンテンツ指定部4306は、音楽コンテンツを再生する合間に再生する放送コンテンツを指定するユーザインターフェースである。この車載端末4300bは、放送コンテンツを監視し、ユーザが指定した条件の放送コンテンツが放送されたときには、その放送コンテンツを蓄積・再生することができるが、この放送コンテンツ指定部4306は、その条件を入力する処理部である。例えば、野球放送の場合、応援している野球チームが得点を取得した場合や逆転した場合、サッカー中継の場合には、得点を取得した場合などの指定を行うための処理部である。例として、図44に示されるように、ユーザとの対話によって、どの放送コンテンツで、どういう条件のコンテンツを取得するかを決定する。
放送コンテンツ端末蓄積部4307は、放送を受信するとともに、受信した放送ンテンツを一時的に車載端末4300b内に蓄積するものであり、放送されるコンテンツを後で再生できるよう、一時的にハードディスク等の2次記憶媒体に蓄積する記録装置である。これにより、すでに放送されたコンテンツであっても遡って再生することが可能になる。
音楽間メタ情報蓄積部4308は、音楽間(車載端末4300bにおいて音楽コンテンツを再生する合間)に再生するコンテンツを決定するための音楽間のコンテンツのメタ情報を蓄積しているハードディスク等である。この音楽間メタ情報蓄積部4308は、放送局からリアルタイムに送られてくるメタ情報を蓄積するものであり、そのときに放送されているコンテンツの内容に関する情報が蓄積されている。例えば、野球放送の場合、現在、攻撃しているチームのアウトカウントやストライク・ボールのカウント、さらには、試合の得点経過等が蓄積されている部分である。放送コンテンツとともに、多重化されて配信される場合もある。また、放送配信業者とは別のサービス業者が、サーバにおいて試合の得点経過の情報をメンテナンスしてもよい。
音楽間メタ情報取得監視部4309は、音楽間メタ情報蓄積部4308に蓄積されているメタ情報を、車載端末4300b側から監視・蓄積する処理部である。この音楽間メタ情報取得監視部4309は、インターネット等のネットワークに接続されたサーバ4300aに定期的にアクセスすることで、音楽間メタ情報に変化がないかを監視する。例えば、30秒間隔で、サーバ4300aの所定のアドレスにアクセスし、そこに、音楽間に再生すべき放送コンテンツがあるか否かの情報を取得する部分である。先の例の野球中継のコンテンツの場合であれば、ユーザから指定されたチームの点数が変更されているか否か、イニングが終了したか否か等の情報を、音楽間に再生する放送コンテンツとして適切か否かを判断するための情報として、取得する部分である。一般に、インターネット上のコンテンツの場合、音楽間メタ情報蓄積部4308に蓄積されているメタ情報は、XML等のフォーマットで記述されている場合が多いため、XMLフォーマットを解釈する処理部が、この音楽間メタ情報取得監視部4309に含まれていることもある。例えば、図44に示されるように、チーム「タイゲース」の得点が入ったときという条件が指定されていた場合には、図45に示されるように、所定のURLの情報のXMLコンテンツを監視することで、「タイゲース」のvalueの値が変化するか否かを取得・監視する。なお、取得したメタ情報はテキスト情報であるため、例えば一日分のメタ情報をハードディスク等に蓄積しても、車載端末4300bが備える記録媒体の容量を圧迫することは少ない。
放送再生コンテンツ端末蓄積部4310は、放送コンテンツ指定部4306で指定された放送コンテンツが音楽間メタ情報取得監視部4309によって取得されていることがわかると、放送コンテンツ端末蓄積部4307に蓄積されているコンテンツから、再生すべき放送コンテンツとして一時的に蓄積するメモリ等である。この放送再生コンテンツ端末蓄積部4310は、例えば、放送コンテンツ指定部4306で、野球中継の放送コンテンツにおいて、応援しているチーム「タイゲース」が得点をいれたコンテンツとして指定されていた場合、音楽間メタ情報取得監視部4309において、「タイゲース」が得点を入れたことがわかると、放送コンテンツ端末蓄積部4307に蓄積されている既に放送されたコンテンツの中から、その内容が十分にわかる放送(例えば、得点をあげたイニング)のコンテンツを再生コンテンツとして切り出し、放送再生コンテンツとして一時的に蓄積する。なお、どの時点まで遡って再生するかは、音楽間メタ情報取得監視部4309によって取得されたメタ情報が蓄積されているため、例えば、イニングが変わった時刻や打席が変わった時間に関する情報が放送コンテンツのメタ情報の履歴として蓄積されているため、これらの情報を利用することで放送コンテンツのどの部分を切り出すかを判断することが可能になっている。
再生コンテンツ選択部4311は、再生コンテンツ順序決定部4305で決定された順序で音楽コンテンツを再生し、放送再生コンテンツ端末蓄積部4310に蓄積されたコンテンツがある場合には、音楽間にそのコンテンツを選択する処理部である。この再生コンテンツ選択部4311は、再生コンテンツ順序決定部4305で決定された音楽コンテンツを順に選択するが、各曲の再生が終了した時点で、放送再生コンテンツ端末蓄積部4310で再生すべき放送コンテンツがある場合には、その再生コンテンツを優先的に再生する。なお、放送再生コンテンツ端末蓄積部4310に再生すべきコンテンツがない場合には、音楽を順に選択する。例えば、先の例の応援しているチーム「タイゲース」が得点をいれた放送コンテンツがある場合には、現在、再生している音楽の再生が終了するとともに蓄積されている野球中継の放送(タイゲースが得点をいれた放送等)を選択する。
コンテンツ再生部4312は、再生コンテンツ選択部4311で選択されたコンテンツを再生する再生装置である。
以上のように構成された本音楽コンテンツ再生システムの動作を図46のフローチャートを用いて説明する。
まず、実施の形態4と同様にして(図32のステップS3301〜S3308)、車載端末4300bは、音楽コンテンツの再生順序を決定する(S4601)。
次に、図44に示されるように、ユーザは、放送コンテンツ指定部4306によって、音楽間に再生する放送コンテンツ(メタ情報)の監視条件を入力する(S4602)。ここでは、「タイゲース」が得点をいれたとき、という条件が監視条件として設定されたとする。なお、放送コンテンツ端末蓄積部4307は、監視すべき放送コンテンツを取得時刻情報と連携させて蓄積しておく(S4603)。
音楽間メタ情報取得監視部4309は、監視情報(音楽間メタ情報蓄積部4308から取得したメタ情報)がステップS4602で設定された監視条件を満足したか否かを判断する(S4604)。監視条件を満足しなかった場合には、ステップS4603へ戻り、継続して放送コンテンツの取得・蓄積を行う。監視条件を満足した場合には、ステップS4605へ進む。
監視条件が満たされた場合には、放送再生コンテンツ端末蓄積部4310は、監視情報の放送コンテンツを放送コンテンツ端末蓄積部4307から抽出し、再生コンテンツとして一時的に保持する(S4605)。図47に示されるように、放送コンテンツ端末蓄積部4307では、放送されたすべてのコンテンツを取得・蓄積し、音楽間メタ情報取得監視部4309で取得された放送のコンテンツに関する内容が履歴として蓄積されている。そこで、音楽間メタ情報取得監視部4309によって監視条件を満足する音楽間情報が取得されると、放送再生コンテンツ端末蓄積部4310は、以前に取得したメタ情報の内容を参照して、放送コンテンツ端末蓄積部4307から放送コンテンツを切り出す部分を抽出する。
再生コンテンツ選択部4311は、再生すべき放送コンテンツがある場合、音楽コンテンツが再生中か否かを判断する(S4606)。音楽コンテンツが再生中の場合には、連続して音楽を再生するように、音楽コンテンツを選択し、コンテンツ再生部4312に再生させる。次に、一曲の音楽コンテンツの再生が終了した場合、ステップS4607へ進む。
一曲の音楽コンテンツの再生が終了すると、再生コンテンツ選択部4311は、放送再生コンテンツ端末蓄積部4310に蓄積されている再生コンテンツを選択し、コンテンツ再生部4312に再生させる(S4607)。
放送コンテンツを再生後、さらに、再生する音楽コンテンツがある場合には(S4608でNO)、ステップS4509へ進む。ない場合には(S4608でYES)、フローを終了する。
再生する音楽コンテンツが残っている場合には、続けて音楽コンテンツを再生し(S4609)、ステップS4603へもどる。最終的には、図48に示されるように、音楽コンテンツの間に、放送コンテンツが再生されることになる。
以上の動作により、音楽コンテンツを再生する合間に、すでに放送されたコンテンツから必要な放送コンテンツを選択して再生することが可能になる。これにより、音楽を再生中に、ラジオ等の他のメディアを視聴するための操作が不要となり、車両の運転に集中することができる。
なお、本実施の形態では、音楽コンテンツの再生の合間に放送コンテンツが再生されたが、車両の運転中においては、音楽を聴いているときに、突然、放送コンテンツが挿入されると、運転に支障をきたす場合がある。そこで、現在の車両の運転状況を監視する運転状況監視部を車載端末4300bに付加することで、例えば、車両がカーブの途中である場合や車線変更等でウインカーをつけている場合には、放送コンテンツを再生しないようにしてもよい。また、逆に、サイドブレーキや車両の速度を運転情報監視部で取得することで、車両が停車している場合のみ放送コンテンツを挿入するようにしてもよい。
また、本実施の形態では、音楽間メタ情報取得監視部4309がメタ情報の監視と履歴の蓄積を行うことで再生すべきコンテンツの始まり部分の検出を行ったが、監視すべきメタ情報が取得された瞬間から所定時間(例えば、5分間)だけ遡った時点を再生コンテンツの開始部分としてもよい。
また、本実施の形態では、放送コンテンツとして野球放送の例で説明したが、交通情報を監視し、その情報が変化したときにのみ、音楽間に情報として挿入してもよい。
また、本実施の形態では、放送コンテンツなど、場所等の位置に依存しない情報の例で説明した。さらに、位置に依存した情報の場合の例について述べる。例えば、図49に示すように、車両が走行した先にレストランが存在し、そのレストランのメニューに関する情報をネットワーク等を介して事前に取得したとする。このとき、図49(a)にあるように、取得した情報を取得後、はじめての曲の間に挿入することができる。しかしながら、レストランのメニューに関する情報は、レストランに十分に近づき、そのレストランの外観を確認した上で情報を確認した方がいい場合がある。特に、あらかじめレストランのメニュー情報が提供されていても、レストランの外観を確認するまでは、そのレストランに立ち寄るか否かを判断できない場合がある。
そこで、レストランに関する情報を取得した後、すぐに情報を再生するのではなく、レストランに十分に近づいてから情報を再生することが必要となる。しかしながら、レストランを通過してから情報を提供しても意味がない。そこで、車両の速度と、レストランの位置情報、再生する音楽データの時間より、レストランに十分に近づいたときの曲の間に情報の再生を行えるようにスケジューリングする必要がある。図49の例では、レストランの情報を取得してから、コンテンツ間で情報を再生するにあたり、レストランを通過しないで、なるべくレストランに近い、音楽間のタイミングで情報を再生することで適切なタイミングで情報を再生することができる(図49(b))。このように、再生する情報が位置に依存した情報の場合には、その位置を通過しない範囲の音楽間のタイミングを選択することで、適切なタイミングでの情報再生が可能になる。なお、交差点の交通情報についても同様のことがいえる。