JP3829827B2 - トナー用ポリエステル樹脂および静電荷像現像用トナーの製造方法 - Google Patents

トナー用ポリエステル樹脂および静電荷像現像用トナーの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、電子写真法、静電記録法等を利用して画像の形成がなされる電子写真複写機、レーザービームプリンター、静電記録装置等において、静電荷像を現像するために用いられる静電荷像現像用トナー、この静電荷像現像用トナーに用いられるトナー用ポリエステル樹脂に関する。
原稿の複写を行う複写機あるいはパーソナルコンピュータを含むコンピュータの出力を行うプリンター、ファクシミリ受信装置のプリンターなどにおいては、複写または記録画像を得る方法として、電子写真法または静電記録法が従来から広く採用されている。この電子写真法あるいは静電記録法を用いた複写機、プリンターとしては、電子写真複写機、レーザービームプリンター、液晶アレイを用いたプリンター、静電プリンターなどが代表的なものとして挙げられる。電子写真法あるいは静電記録法においては、電子写真感光体や静電記録体などの静電荷像担持体上に種々の手段で静電潜像(静電荷像)が形成され、この静電潜像を現像剤により現像し、得られたトナー像を必要に応じ紙などの被転写体に転写し、加熱、加圧、加熱加圧あるいは溶剤蒸気などにより定着することにより最終トナー像を得る一方、静電荷像担持体上に転写しないで残留するトナーはクリーニング手段によって除去される。これら工程を繰り返し行うことにより、順次複数枚の複写物あるいは記録物が得られる。
上記静電潜像を現像する方法としては、微細トナーが電気絶縁性液体に分散された液体現像剤を用いる方法(湿式現像法)、結着樹脂中に着色剤、必要に応じ磁性体等が分散された粉体トナーをキャリア粒子と共に用いる方法、結着樹脂中に磁性体が分散された磁性トナーを用い、キャリア粒子を用いることなく現像を行う方法など(乾式現像法)が知られている。これらの方法の内、近年では、粉体トナーあるいは磁性トナーを用いる乾式現像法が主として採用されている。
ところで、電子写真複写機、レーザービームプリンターなどは、最近では小型化、パーソナル化が進む一方で、高速化も要求されるようになっており、更に低エネルギー化も要求されている。したがって、これら装置については出来得る限りシンプルな機構により、信頼性高く且つ高品質の画像を高速且つ低エネルギーで長期間に亘り形成するための改良が種々試みられている。また、このような装置の改良とともに、現像の際に用いられるトナーの改善も種々試みられている。
例えば、トナー像を定着する装置としては、加熱ローラを用いた加熱加圧定着装置や、ロール状または長尺状の耐熱性フィルム、所謂定着ベルトを用い、この定着ベルトを介して加熱体と転写シート現像面を対峙させ、加圧ローラにより転写シートを裏から加圧しつつ搬送して加熱加圧定着する加熱加圧定着装置が広く採用されている。これらの加熱定着装置を用いる定着方法においては、定着時に熱ローラあるいは定着ベルトがトナー像と直接接触するためトナーへの熱の伝播が効率良く行われ、トナーの溶融を低エネルギーで、迅速かつスムーズに行うことができる。しかし、反面、定着時に溶融したトナーと熱ローラあるいは定着ベルトとが直接接触するため、溶融したトナーの一部が熱ローラあるいは定着ベルト表面に転移付着し、熱ローラあるいは定着ベルトが再度紙などの被転写体と接触する際に、この転移付着したトナーが被転写体に再転移するとか、被転写体が存在しない場合には熱ローラ等に転移付着したトナーが加圧ロールに転移し、次の被転写体が定着装置を通過する際この加圧ロールに付着したトナーにより被転写体の裏面が汚れるなど、所謂オフセット現象を引き起こし、被転写体を汚すという問題がある。
このようなトナーのオフセット現象を防止するため、従来熱ロール表面をシリコンゴムやフッ素樹脂などの離型性材料で形成し、その表面にシリコンオイルのような離型性の良い液を塗布し、熱ロール表面を離型性の液膜層で被覆することが一般に行われている。この方法によればオフセット現象の発生をほぼ防止することができるが、離型性液の塗布装置が必要となるとともに、シリコンオイルが熱により蒸発し、機内を汚染するという問題が発生する。また、このような離型性液の塗布装置を設けることは、装置の小型化と相容れないものである。このため、離型性の液を塗布装置により塗布するのではなく、トナー自体に離型性物質を含有させ、定着時の加熱により離型性物質を融解し、トナーから離型性液体を供給してオフセット現象を防止することが提案され、このような離型性物質として低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン、炭化水素系ワックス、天然ワックス、これらを変性した変性ワックスなど多数のワックス類が提案されている(例えば、特許文献1、2参照)。
特公昭52−3304号公報 特開昭60−252360号公報
これに対し、静電荷像現像用トナーの結着樹脂の特性を改善して、上記オフセットの発生を防止しようとする試みもなされている。このような耐オフセット性に優れた結着樹脂としては、例えば、エーテル化ジフェノール、ジカルボン酸成分、および3価以上の単量体成分を反応させ、架橋構造を形成させて得られる架橋型ポリエステル樹脂(例えば、特許文献3参照)、エーテル化ジフェノール、特定のジカルボン酸を含むジカルボン酸成分、および無水トリメリット酸を含む3価以上の単量体成分を反応させ、架橋構造を形成させて得られる架橋型ポリエステル樹脂(例えば、特許文献4参照)などが知られているが、低温定着性が必ずしも良好ではない。
一方、トナーの低温定着性を改善する観点からは、トナー結着樹脂の軟化温度(Tm)を低下させることが有効である。しかし、一般にTmを下げると、同時にトナーのガラス転移温度(Tg)も低下するため、トナーが保存状態で塊を形成する、いわゆるトナーブロッキングや、定着時のトナーのオフセットを起こし易くなることが知られており、このことが定着温度を思い通りに下げられない原因の一つとなっている。この低温定着性と耐ブロッキング性あるいは耐オフセット性を同時に満足させる方法として、TmやTgが高い場合でも比較的定着温度が低いポリエステル系樹脂を用いる方法(例えば、特許文献5参照)などが提案されている。しかしながら、この方法は低温定着性と耐ブロッキング性、耐オフセット性などを同時に且つ充分に満足するものではなかった。またポリエステル樹脂のアルコール成分としてアルキレングリコールとエーテル化ジフェノールを併用する例も知られているが(例えば、特許文献6、7参照)、トナーの粉砕性が十分でないとか、あるいはTgが低く、得られたトナーの耐ブロッキング性が十分満足できるものではない。その他にも、アルコール成分として2価アルコールを用い、酸成分としてロジンと不飽和ジカルボン酸および他のジカルボン酸からなる非線状架橋型ポリエステル樹脂(例えば、特許文献8参照)、特定のアルコール成分あるいは酸成分を用いる例(例えば、特許文献9、10、11等参照)、ブロック重合体を用いる例(例えば、特許文献12参照)、非晶質ポリエステルと結晶性ポリエステルを併用する例(例えば、特許文献13参照)などトナーバインダー用ポリエステル樹脂について多数のものが提案され、トナー特性として要求される耐オフセット性、低温定着性、シャープメルト性、耐ブロッキング性、帯電特性、粉砕性、透明性などの特性を同時に満たすことのできるトナー用樹脂の開発がなされてきている。
特開平1−155362号公報 特開昭57−109825号公報 特開昭56−1952号公報 特開平1−267661号公報 特開平1−155360号公報 特開平4−70765号公報 特開平6−27728号公報 特開平9−278872号公報 特開平10−268558号公報 特開2001−324832号公報 特開2002−284866号公報
このように、従来からポリエステル樹脂をトナーのバインダー樹脂として用いて、特性の良好な静電荷像現像用トナーを製造する試みがなされてきているが、従来トナー特性の良好なトナー用ポリエステルバインダー樹脂を得る際には、アルコール成分としてビスフェノールAあるいはその誘導体を用いることが一般に行われている。しかし、近年ビスフェノールAは環境ホルモンの観点から必ずしも使用が好ましいものでないことが明らかとなってきており、ビスフェノールAあるいはその誘導体を用いることなく、従来と同様耐オフセット性、低温定着性、シャープメルト性、耐ブロッキング性、帯電特性、粉砕性、透明性などの特性が優れ、かつ長期にわたり良好な現像画像を形成することができるトナー用ポリエステル樹脂の開発が望まれている。
更に、近時トナーの経済性も重要視されるようになり、安価なトナーバインダー樹脂の提供が要望されているが、従来のトナーバインダーではこのような要求に必ずしも応えることはできないものであった。
また、省資源の観点から、少量のトナーにより従来と同様の高濃度の画像を形成することができる静電荷像現像用トナーも要望されている。
このような現状に鑑み、本発明の目的は、アルコール成分としてビスフェノールAあるいはその誘導体を用いることなく、熱ローラ定着あるいは定着ベルト方式の定着において、耐オフセット性に優れるとともに、低温定着性、シャープメルト性、耐ブロッキング性、帯電特性、粉砕性、透明性などのトナー特性も優れ、長期にわたり良好な現像画像を形成することができるトナー用のポリエステル樹脂を提供することである。特に、安定した画像濃度および画像の均質性を得ることができるトナー用のポリエステル樹脂を提供することである。
また、本発明の他の目的は、アルコール成分としてビスフェノールAあるいはその誘導体を用いることなく製造されたポリエステル樹脂を結着樹脂として用いて、熱ローラ定着あるいは定着ベルト方式による定着の際の耐オフセット性に優れるとともに、低温定着性、シャープメルト性、耐ブロッキング性、帯電特性、粉砕性、透明性などのトナー特性も優れ、長期にわたり良好な現像画像を形成することができる静電荷像現像用トナーを提供すること、特に、安定した画像濃度および画像の均質性を得ることができる静電荷像現像用トナーを提供することである。
さらに、本発明の他の目的は、トナー用バインダー樹脂としての特性に優れ、かつ安価なトナー用ポリエステル樹脂およびこのトナー用ポリエステル樹脂を結着樹脂として用いた静電荷像現像用トナーを提供することである。
また、本発明の他の目的は、少量の使用により従来と同様の濃度の画像を形成することができる静電荷像現像用トナーを提供することである。
本発明は、酸成分が、(1)不均化ロジンと(2)テレフタル酸および/またはイソフタル酸、アルコール成分が、ビスフェノールAあるいはその誘導体を用いることなく、(3)三級脂肪酸のグリシジルエステルと(4)炭素数2〜10の脂肪族ジオール、架橋成分が3価以上のポリカルボン酸および/または3価以上のポリオールから構成され、酸成分(1)および(2)のモル比(1)/(2)が0.2〜0.6であり、前記アルコール成分(3)および(4)のモル比(3)/(4)が0.05〜0.4であり、テトラヒドロフラン(THF)不溶分が1〜30重量%であるトナー用ポリエステル樹脂の製造方法であって、架橋反応温度が160〜250℃、架橋反応時間が3〜15時間、架橋反応終了時の反応容器からの取り出し温度を160〜250℃に保つ条件に設定し、THF不溶分をコントロールすることを特徴とするトナー用ポリエステル樹脂の製造方法に関する。
また、本発明はアルコール成分としてロジングリシジルエステルがさらに含まれることを特徴とする上記トナー用ポリエステル樹脂の製造方法に関する。
更に、本発明は、樹脂の真密度が1.1〜1.3g/cm3であることを特徴とする上記各トナー用ポリエステル樹脂の製造方法に関する。
また、本発明は、上記いずれかに記載の製造方法により得られたトナー用ポリエステル樹脂、着色剤および荷電制御剤を混練、粉砕、分級して得られる静電荷像現像用負帯電性トナーの製造方法に関する。
また、本発明は、帯電制御剤が芳香族ヒドロキシカルボン酸の金属塩であることを特徴とする上記静電荷像現像用負帯電性トナーの製造方法に関する。
また、本発明は、トナーが磁性トナーであることを特徴とする上記静電荷像現像用負帯電性トナーの製造方法に関する。
発明の具体的態様
以下、本発明を更に詳細に説明する。まず、本発明のトナー用ポリエステル樹脂は、(a)酸成分が、不均化ロジン(1)とテレフタル酸および/またはイソフタル酸(2)、(b)アルコール成分が、三級脂肪酸のグリシジルエステル(3)と炭素数2〜10の脂肪族ジオール(4)、(c)架橋成分が3価以上のポリカルボン酸類および/または3価以上のポリオール類から構成され、酸成分(1)および(2)のモル比(1)/(2)が0.2〜0.6であり、前記アルコール成分(3)および(4)のモル比(3)/(4)が0.05〜0.4であり、THF不溶分が1〜30重量%である。
本発明において、(a)の酸成分として用いられる不均化ロジンは、従来知られたいずれの製法によるものであってもよく、その一例を挙げれば、ロジンをPdカーボン触媒などの不均化触媒の存在下で、280℃、10kg/cm2、4時間反応させ、反応物をけん化する方法が挙げられる。一方、テレフタル酸およびイソフタル酸は、テレフタル酸、イソフタル酸およびそれらの低級アルキルエステルからなるものである。テレフタル酸およびイソフタル酸の低級アルキルエステルの例としては、例えばテレフタル酸ジメチル、イソフタル酸ジメチル、テレフタル酸ジエチル、イソフタル酸ジエチル、テレフタル酸ジブチル、イソフタル酸ジブチル等があるが、コストおよびハンドリングの点でテレフタル酸ジメチルやイソフタル酸ジメチルが好ましい。これらのジカルボン酸またはその低級アルキルエステルは、単独で用いられても、二種以上が併用されてもよい。
本発明においては、不均化ロジン(1)とテレフタル酸および/またはイソフタル酸(2)のモル比は、(1)/(2)=0.2〜0.6であることが必要である。その理由は、不均化ロジン(1)とテレフタル酸および/またはイソフタル酸(2)のモル比が0.2より低い場合には定着性が悪くなり、トナーの負帯電性が大きくなることによる画像欠陥が生じる傾向があり、また0.6を超える場合には耐オフセット性が悪くなり、トナーの負帯電性が小さくなることによる画像欠陥が生じる傾向が出てくるからである。
また、本発明においては、本発明の目的を阻害しない範囲で、テレフタル酸およびイソフタル酸とともに、これら以外のジカルボン酸を用いることができる。これら他のジカルボン酸としては、フタル酸、無水フタル酸などのベンゼンジカルボン酸類;コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸などのアルキルジカルボン酸類;炭素数16〜18のアルキル基で置換されたコハク酸;フマル酸、マレイン酸、シトラコン酸、イタコン酸、グルタコン酸などの不飽和ジカルボン酸;シクロヘキサンジカルボン酸;ナフタレンジカルボン酸;ジフェノキシエタン−2,6−ジカルボン酸およびこれらの酸の低級モノエステル、ジエステル、酸無水物等が挙げられる。これらジカルボン酸はトナーの定着性や耐ブロッキング性に大きく影響を与えるため、トナーの要求性能を勘案して適宜の量で用いられる。
本発明において(b)のアルコール成分として用いられる三級脂肪酸のグリシジルエステルの例としては、例えば下記一般式(1)で表されるものが挙げられる。
Figure 0003829827
(式中、R1、R2およびR3はアルキル基を表す。)
上記式中、R1とR2とR3の炭素数およびこれらの基の炭素数の合計数は特に限定されないが、R1+R2+R3の合計炭素数が8のネオデカン酸グリシジルエステルが好ましい。
また、三級脂肪酸のグリシジルエステルとともにロジングリシジルエステルが用いられてもよい。炭素数2〜10の脂肪族ジオールの例としては、例えば、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、1,4−ブテンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、2−エチル−2−メチルプロパン−1,3−ジオール、2−ブチル−2−エチルプロパン−1,3−ジオール、1,6−ヘキサンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、2,4−ジメチル−1,5−ペンタンジオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、3−ヒドロキシ−2,2−ジメチルプロピル−3−ヒドロキシ−2,2−ジメチルプロパノエート、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコールなどが挙げられる。脂肪族ジオールとしては、酸との反応性および樹脂のガラス転移温度の観点からネオペンチルグリコールが好ましい。これら脂肪族ジオールは単独で用いても、二種以上を併用してもよい。
本発明においては、三級脂肪酸のグリシジルエステル(3)と炭素数2〜10の脂肪族ジオール(4)のモル比は、(3)/(4)=0.05〜0.4であることが必要である。その理由は、三級脂肪酸のグリシジルエステル(3)と炭素数2〜10の脂肪族ジオール(4)のモル比が0.05より低い場合には、トナーの負帯電性が大きくなることによる画像欠陥が生じる傾向があり、また0.4を超える場合には耐オフセット性および耐ブロッキング性が悪くなる傾向が出てくるからである。
なお、三級脂肪酸のグリシジルエステルとともにロジングリシジルエステルを併用することにより、耐オフセット性および耐ブロッキング性が良好になる。ロジングリシジルエステルは(b)成分中2〜50モル%、三級脂肪酸のグリシジルエステルは(b)成分中5〜30モル%用いることが好ましい。また、酸成分の成分(2)のジカルボン酸に対するアルコール成分の(4)の脂肪族ジオールのモル比は、酸成分(1)および(2)のモル比(1)/(2)および、アルコール成分(3)および(4)のモル比(3)/(4)の値によっても異なるが、通常0.8〜2.0が好ましい。
本発明において(c)の架橋成分として用いられる3価以上のポリカルボン酸の例としては、トリメリット酸、ピロメリット酸、1,2,4−シクロヘキサントリカルボン酸、ナフタレントリカルボン酸、ブタントリカルボン酸、ヘキサントリカルボン酸、テトラ(メチレンカルボキシル)メタン、オクタンテトラカルボン酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸やその無水物等が挙げられ、これらは単独で用いても、二種以上を併用してもよい。3価以上のポリカルボン酸としては、反応性の観点から、無水トリメリット酸が好ましい。また、3価以上のポリオールの例としては、グリセロール、ジグリセロール、ソルビトール、ソルビタン、ブタントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等の多価アルコール類が挙げられる。これらは単独で用いても、二種以上を併用してもよい。3価以上のポリオールとしては、ペンタエリスリトール、トリメチロールプロパンなどが好ましい。
これら架橋成分は線状ポリエステル樹脂を架橋あるいは分岐化させて非オフセット性を高める効果があり、その含有量は酸成分(a)あるいはアルコール成分(b)における成分(1)/(2)の比、成分(3)/(4)の比により、また酸成分(a)およびアルコール成分(b)の使用割合あるいは酸成分の(2)成分およびアルコール成分の(4)成分の使用割合、更には架橋成分が酸であるかアルコールであるか、酸またはアルコールの官能基の数により異なる。また、架橋成分は、本発明の重要な特性であるTHF不溶分を決める重要な因子の1つである。
本発明においては、ポリエステル樹脂のTHF不溶分は1〜30重量%、好ましくは1〜25重量%であることが望ましい。この範囲を満足することにより、トナーとして用いた場合、良好な画像を得ることができる。本発明のポリエステル樹脂のTHF不溶分をコントロールするには
(1)架橋成分の添加量
(2)架橋反応の温度
(3)架橋反応の時間
(4)架橋反応終了後の反応容器からの取り出し温度
が重要なファクターとなる。THF不溶分を1〜30重量%にするには、(1)の架橋成分の添加量は、例えば架橋成分としてトリカルボン酸あるいはトリオールを用いる場合には、全酸成分に対し5〜35モル%が好ましく、(2)の架橋反応の温度は160〜250℃が好ましく、(3)の架橋反応の時間は3〜15時間が好ましく、(4)の取り出し温度はポリエステル樹脂の温度を160〜250℃に保つことが好ましい。これら4つの項目は、所望の樹脂特性(酸価、水酸基価等)が得られるように、酸成分およびアルコール成分の条件と共に条件設定すればよい。これらの範囲外で製造すると、樹脂のTHF不溶分が1重量%未満あるいは30重量%を超える可能性がある。THF不溶分が1重量%未満では、トナーの耐オフセット性が低下し、THF不溶分が30重量%を超える場合には、トナーの定着性が悪くなる、または樹脂の抵抗が大きくなって、トナーのチャージアップによる画像欠陥が生じる。
本発明のトナー用ポリエステル樹脂は、前記所定の酸成分、アルコール成分および架橋成分を原料として、反応容器中で反応、合成され、反応方法としては、エステル交換反応または直接エステル化反応のいずれも適用可能である。また、加圧して反応温度を高くする方法、減圧法または常圧下で不活性ガスを流す方法によって重縮合を促進することもできる。上記反応においては、アンチモン、チタン、スズ、亜鉛およびマンガンより選ばれる少なくとも一種の金属化合物など公知慣用の反応触媒が用いられ、反応が促進されてもよい。反応触媒としては、具体的には、酸化ジ−n−ブチル錫、シュウ酸第一錫、三酸化アンチモン、チタンテトラブトキシド、酢酸マンガン、酢酸亜鉛等が挙げられる。これら反応触媒の添加量は得られるポリエステル樹脂中、通常0.001〜0.5モル%程度の量が好ましい。
本発明のトナー用ポリエステル樹脂の製造方法においては、上記種々の反応中、常圧でも直接エステル化法を採用することができる。この直接エステル化法においては、例えば、アルコール成分は反応開始時に全量を仕込み、160℃程度まで昇温してから酸成分を仕込む。反応触媒として酸化ジ−n−ブチル錫、シュウ酸第一錫、三酸化アンチモン等を用い、添加量は全酸成分に対して0.01〜0.1モル%が適当である。この場合は常圧でも充分な反応速度が得られるが、加圧操作を適用して反応温度を高くすることもできる。減圧操作による反応の促進は、反応の終期において、未反応のアルコールが殆どなくなり、生成水の系外への除去が遅くなったような場合に適用される。不活性ガスを通じることによる反応の促進は、それによるアルコールの系外への散逸を最小限に止める程度の量で、反応のどの過程にも適用可能である。また、反応は樹脂の軟化点が所定の温度になったことを確認して終了される。
合成反応が終了した後、ポリエステル樹脂は反応容器内のポリエステル樹脂の温度条件を規定して反応容器から取り出される。樹脂取り出し時の反応容器内のポリエステル樹脂の温度は、160〜250℃に保つことが好ましい。反応容器内のポリエステル樹脂の温度が160℃よりも低くなると、樹脂は粘度が高くなってしまい取り出しが困難になってしまう。また、250℃よりも高くなってしまうと、生成したポリエステル中に含まれる水分が除去されることにより更にポリエステル樹脂の架橋反応が進行し、樹脂のTHF不溶分が30重量%を超える可能性がある。
以上の構成からなる本発明のトナー用ポリエステル樹脂は、軟化温度が115〜150℃、好ましくは120〜145℃、酸価が10〜60mgKOH/g、好ましくは15〜55mgKOH/g、水酸基価が20mgKOH/g以下、好ましくは15mgKOH/g以下、テトラヒドロフラン(THF)可溶分の数平均分子量が1,000〜6,000、好ましくは2,000〜4,000であることが望ましい。これは、軟化温度が115℃未満では、樹脂の凝集力が極端に低下し、一方、150℃を超えるとその樹脂を使用したトナーの溶融流動および低温定着性が低下するため、高速複写機用トナーバインダーには適さなくなるからである。また、酸価が10mgKOH/g未満では、トナーの負帯電性が小さくなりすぎて画像欠陥が生じ、これに対し酸価が60mgKOH/gを超える場合には、特に低湿環境において、トナーの負帯電性が大きくなりすぎて画像欠陥が生じ、特に高湿環境において、また親水性が大きくなるため画像欠陥が生じる。さらに水酸基価が20mgKOH/gを超える場合には、特に高湿環境において、親水性が大きくなるため画像欠陥が生じる。ポリエステル樹脂の数平均分子量が小さくなると、トナーの耐オフセット性が低下する傾向にあり、また、数平均分子量が大きくなると定着性が低下する傾向を示す。また、ポリエステル樹脂は、特定の低分子量の縮重合体成分と特定の高分子量の縮重合体成分とからなる2山の分子量分布曲線を有するタイプ、あるいは1山の単分子量分布曲線を有するタイプのいずれのものであってもよい。また、トナーの凝集防止の点からは、本発明のトナー用ポリエステル樹脂は、示差走査熱量計(DSC)によって測定されるガラス転移温度(Tg)が45〜70℃、好ましくは50〜65℃であるものが望ましい。さらに、ポリエステル樹脂の真密度は1.1〜1.3g/cm3であることが好ましい。樹脂の真密度が小さい場合には、同じ濃度の画像を形成する場合にトナーの使用重量が少なくて済み、結果的に経済的な複写を行うことができる。
本発明の静電荷像現像用トナーは、上記のポリエステル樹脂を結着樹脂として含有するとともに、更に必要に応じ着色剤および荷電制御剤などが適宜配合される。本発明の静電荷像現像用トナーの結着樹脂は、上記のポリエステル樹脂単独でもよいが、上記のポリエステル樹脂の二種以上が併用されてもよい。さらに、本発明の目的を達成することができる範囲で、ポリスチレン系重合体、スチレン−アクリル系樹脂などのポリスチレン系共重合体、上記ポリエステル樹脂以外のポリエステル樹脂など、従来トナー用結着樹脂として使用されている樹脂が上記ポリエステル樹脂とともに用いられてもよい。
本発明の静電荷像現像用トナーには、現像される静電潜像の極性に応じて、正または負の電荷制御剤が、必要に応じ添加、含有される。電荷制御剤の代表的な例としては、トナーに正荷電を与えるものとして、例えばニグロシン系染料(例えば、特許文献14参照)やトリアリールメタン系染料のような塩基性染料、第4級アンモニウム塩(例えば、特許文献15参照)、有機錫オキサイド(例えば、特許文献16参照)、アミノ基を有するポリマー等の電子供与性物質が、またトナーに負荷電を与えるものとして、例えばモノアゾ染料の金属錯体、含クロム有機染料(銅フタロシアニングリーン、含クロムモノアゾ染料)のごとき含金属染料、サリチル酸などのアリールオキシカルボン酸の金属錯体(例えば、特許文献17参照)、その二価または三価の金属塩(例えば、特許文献18、19参照)などが挙げられる。これらの荷電制御剤のうち、負荷電制御剤としては、下記一般式(2)で表される芳香族ヒドロキシカルボン酸の金属塩、より好ましくは3,5−ジ−tert−ブチルサリチル酸または3−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸のカルシウム、クロム、鉄などの金属塩が好ましいものとして挙げられる。前記芳香族ヒドロキシカルボン酸の金属塩は白色であるため、カラートナー用の荷電制御剤としても優れている。これら荷電制御剤は荷電制御剤の種類に応じ適宜の量で用いられればよく、例えば上記芳香族ヒドロキシカルボン酸の金属塩であれば、通常結着樹脂100重量部に対し0.1〜10重量部程度の量で用いられる。
Figure 0003829827
(式中、R4、R5およびR6は、水素原子、飽和または不飽和の直鎖または分岐鎖アルキル基、または芳香族炭化水素基の残基であるアリール基を表すか、あるいはR4およびR5、またはR5およびR6が互いに結合して、飽和または不飽和の直鎖または分岐鎖アルキル基を有していてもよい縮合環を形成する基を表す。)
特公昭48−25669号公報 特開昭57−119364号公報 特公昭57−29704号公報 特公昭55−42752号公報 特開平11−255705号公報 特公平7−62766号公報
本発明の静電荷像現像用トナーにおいて用いることができる着色剤としては、従来トナーの製造において用いられることが知られた着色剤がいずれも使用可能である。これら着色剤の例としては、黒の着色剤としては、カーボンブラック、アニリンブラック、アセチレンブラック、鉄黒等が、またカラー用着色剤としては、フタロシアニン系、ローダミン系、キナクリドン系、トリアリルメタン系、アントラキノン系、アゾ系、ジアゾ系、メチン系、アリルアミド系、チオインジゴ系、ナフトール系、イソインドリノン系、ジケトピロロピロール系、ベンズイミダゾロン系などの各種染顔料化合物、これらの金属錯化合物、レーキ化合物などが挙げられる。これらは単独であるいは2種以上を混合して使用することができる。
本発明の静電荷像現像用トナーには、離型剤として、140℃における溶融粘度が100mPa・s(CS)以下で、かつ酸価が2mgKOH/g以下のワックスを、例えば0.5〜10重量%含有させることができる。このようなワックスとしては、例えばポリプロピレンワックス、ポリエチレンワックス、パラフィンワックス、脂肪酸アミドワックス、カルナウバワックス、モンタンワックスなどの脂肪酸エステル、部分けん化脂肪酸エステルワックス、脂肪酸金属塩等が挙げられる。ワックスの140℃における溶融粘度が100mPa・sを超える場合には、低温定着性に劣るという問題が生じ、またワックスの酸価が2mgKOH/gを超える場合には、ワックス中に低分子量物が混入していることが多く、この低分子量物により定着時に臭気が発生したり、トナーの貯蔵安定性を悪化させるという問題が生じるため好ましくない。
ワックスとトナー用ポリエステル樹脂とは通常相溶性が良くなく、トナー用ポリエステル樹脂中にワックスを均一に分散させることが難しい。このような問題を解決するため、本発明の静電荷像現像用トナーに、相溶化剤を配合することができる。相溶化剤としては、エチレンユニット、(メタ)アクリル酸エステルユニット、および(メタ)アクリル酸グリシジルエステルユニットおよび/または一酸化炭素ユニットからなり、エチレンユニットを55重量%以上含有する共重合体が挙げられる。これら相溶化剤は、単独で用いられてもよいし、例えばエチレンユニット、(メタ)アクリル酸エステルユニットおよび(メタ)アクリル酸グリシジルエステルユニットからなる共重合体と、エチレンユニット、(メタ)アクリル酸エステルユニットおよび一酸化炭素ユニットからなる共重合体との併用など、2種以上の共重合体が併用されてもよい。なお、前記共重合体中のポリエチレンユニットの量は、57〜85重量%とすることがより好ましい。また、(メタ)アクリル酸エステルユニットの量は5〜44重量%、好ましくは10〜35重量%であり、更に(メタ)アクリル酸グリシジルエステルユニットおよび一酸化炭素ユニットの量は1〜30重量%、好ましくは2〜20重量%である。
前記共重合体を構成する(メタ)アクリル酸エステルとしては、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸nブチル、アクリル酸イソブチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸nブチル等が挙げられる。また前記共重合体としては、例えばエルバロイHP771、同PT(三井・デュポンポリケミカル)などが挙げられ、市場から容易に入手することができる。前記相溶化剤は、ワックスに対して0.2〜2倍量で用いることが好ましい。
また、本発明の静電荷像現像用トナーにおいては、必要に応じ磁性粉体が内添され、磁性トナーとされてもよい。これらトナーに内添される磁性粉体としては、従来磁性トナーの製造において使用されている強磁性の元素を含む合金、酸化物、化合物等の粉体の何れのものも用いることができる。これら磁性粉体の例としては、マグネタイト、マグヘマイト、フェライト等の磁性酸化鉄または二価金属と酸化鉄との化合物、鉄、コバルト、ニッケルのような金属あるいはこれらの金属のアルミニウム、コバルト、銅、鉛、マグネシウム、スズ、亜鉛、アンチモン、ベリリウム、ビスマス、カドミウム、カルシウム、マンガン、セレン、チタン、タングステン、バナジウムのような金属の合金の粉体、およびこれら粉体の混合物が挙げられる。これらの磁性粉体は、平均粒径が0.05〜2.0μmであるものが好ましく、0.1〜0.5μm程度のものがより好ましい。また、磁性粉体のトナー中の含有量は、熱可塑性樹脂100重量部に対して、約5〜200重量部、好ましくは10〜150重量部である。また、トナーの飽和磁化としては、15〜35emu/g(測定磁場 1キロエルステッド)が好ましい。本発明の静電荷像現像用トナーにおいては、磁性粉体は、着色剤としても機能するものであり、磁性粉体を用いた場合には、他の着色剤を用いなくてもよいが、必要であれば例えば、カーボンブラック、銅フタロシアニン、鉄黒などをともに用いてもよい。
本発明の静電荷像現像用トナーには、さらに必要に応じて滑剤、流動性改良剤、研磨剤、導電性付与剤、画像剥離防止剤等、トナーの製造に当たり使用されている公知の添加剤を内添、あるいは外添することができる。これら添加剤の例としては、滑剤としては、ポリフッ化ビニリデン、ステアリン酸亜鉛などが、流動性改良剤としては、乾式法あるいは湿式法で製造したシリカ、酸化アルミニウム、酸化チタン、珪素アルミニウム共酸化物、珪素チタン共酸化物およびこれらを疎水性化処理したものなどが、研磨剤としては窒化珪素、酸化セリウム、炭化ケイ素、チタン酸ストロンチウム、タングステンカーバイド、炭酸カルシウムおよびこれらを疎水化処理したものなどが、導電性付与剤としてはカーボンブラック、酸化スズなどが挙げられる。また、ポリビニリデンフルオライドなどのフッ素含有重合体の微粉末は、流動性、研磨性、帯電安定性などの点から好ましいものである。
本発明においては、疎水化処理されたシリカ、珪素アルミニウム共酸化物、珪素チタン共酸化物微粉体を外添剤として含有することが好ましい。これら微粉体の疎水化処理は、シリコンオイルやテトラメチルジシラザン、ジメチルジクロロシラン、ジメチルジメトキシシランなどのシランカップリング剤による処理等が挙げられる。疎水化処理されたシリカなど疎水化微粉体の使用量は、現像剤重量当り、0.01〜20%、好ましくは0.03〜5%である。
本発明の静電荷像現像用トナーにおけるトナー粒子の重量平均粒径は3〜15μmであることが好ましい。特に、5μm以下の粒径を有するトナー粒子が12〜60個数%含有され、8〜12.7μmの粒径を有するトナー粒子が1〜33個数%含有され、16μm以上の粒径を有するトナー粒子が2.0重量%以下含有され、トナーの重量平均粒径が4〜11μmであることが、現像特性の観点からはより好ましい。なお、トナーの粒度分布測定は、例えばコールターカウンターを用いて行うことができる。
本発明の静電荷像現像用トナーを構成するトナー粒子は、従来から公知のトナー粒子の製造方法を用いて製造することができる。一般的には、上述したようなトナー粒子の構成材料となる結着樹脂、荷電制御剤、着色剤などを、乾式ブレンダー、ボールミル、ヘンシェルミキサーなどの混合機により充分予備混合した後、熱ロール、ニーダー、一軸あるいは二軸のエクストルーダーなどの熱混練機を用いて良く混練し、冷却固化後、ハンマーミルなどの粉砕機を用いて機械的に粗粉砕し、次いでジェットミルなどにより微粉砕した後、分級する方法が好ましい方法として挙げられる。分級されたトナーは、必要に応じ外添剤とともにヘンシェルミキサー等の混合機を用いて十分に混合され、本発明の静電荷像現像用トナーとされる。
本発明の静電荷像現像用トナーは、キャリアと混合して二成分系現像剤として用いることができる。本発明のトナーとともに用いることのできるキャリアとしては、従来公知のキャリアがいずれも使用できる。使用することができるキャリアとしては、例えば、鉄粉、フェライト粉、ニッケル粉のような磁性粉体やガラスビーズなどが挙げられる。これらのキャリア粒子は、必要に応じ表面を樹脂などで被覆処理したものであってもよい。キャリア表面を被覆する樹脂としては、スチレン−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−メタクリル酸エステル共重合体、アクリル酸エステル共重合体、メタクリル酸エステル共重合体、フッ素含有樹脂、シリコン含有樹脂、ポリアミド樹脂、アイオノマー樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂など、あるいはこれらの混合物が挙げられる。これらのなかでは、スペントトナーの形成が少ないためフッ素含有樹脂、シリコン含有樹脂が特に好ましいものである。
本発明の静電荷像現像用トナーは、トナーの結着樹脂であるポリエステル樹脂のアルコール成分として、ビスフェノールAあるいはビスフェノールAのエチレンオキシド付加物などのビスフェノールA誘導体を用いていないため、環境ホルモンの観点から好ましく、環境にやさしいトナーを得ることができる。また本発明のトナー用ポリエステル樹脂によれば、ビスフェノールAあるいはビスフェノールAの誘導体を用いなくても、従来と同様あるいはそれ以上の耐オフセット性、低温定着性、シャープメルト性、耐ブロッキング性、帯電特性、粉砕性、透明性などの特性を有するトナーを得ることができる。また、ポリエステル樹脂のTHF不溶分を規定することで、特に、耐オフセット性、低温定着性、および帯電特性の優れたトナーを得ることができる。これにより、トナー分級品の貯蔵安定性が向上する上、定着時の定着ローラあるいは定着ベルトへのオフセット、転写材への定着不良も起きず、現像の立ち上がり当初から長期にわたり良好な現像画像を形成することができる。更に、本発明においてはビスフェノールAあるいはその誘導体が用いられていないためトナー用ポリエステル樹脂を安価に製造することができ、しかも本発明のトナー用ポリエステル樹脂は、アルコール成分としてビスフェノールAあるいはその誘導体を用いたものに比べ樹脂の真密度も小さいため、これを用いて調製されたトナーにより現像すれば1枚当りの使用トナー量を少なくすることができ、複写コストを下げることができる。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれら実施例により何等限定されるものではない。なお、以下においては、「部」は全て「重量部」を表す。
以下の実施例および比較例における樹脂の酸価、水酸基価、ガラス転移温度(Tg)、軟化点、真密度およびTHF不溶分は以下のとおりのものである。
(酸価および水酸基価)
酸価は、試料1g中に含まれる酸基を中和するために必要な水酸化カリウムのミリグラム数をいう。水酸基価は、試料1gをアセチル化するときに水酸基に結合した酢酸を中和するために必要な水酸化カリウムのミリグラム数をいう。
(ガラス転移温度)
ガラス転移温度は、示差走査熱量計(島津製作所社製 DSC−50)を用いて、昇温速度20℃/minで測定した時のTg以下のベースラインの延長線と、Tg近傍の吸熱カーブの接線の交点の温度をいう。
(軟化点)
軟化点は、高架式フローテスター(島津製作所社製 CFT−500D)を用いて、測定条件を荷重30kg、ノズルの直径1mm、ノズルの長さ10mm、予備加熱80℃で5分間、昇温速度3℃/minとし、サンプル量1gとして測定した時、フローテスターのプランジャー降下量−温度曲線におけるS字曲線の高さをhとする時、h/2の時の温度をいう。
(真密度)
真密度は、乾式自動密度計(島津−マイクロメリティックス社製 アキュピック1330(10cm3))を用いて、気相置換法により測定した値をいう。測定条件は次のとおりである。
測定ガス :ヘリウム
導入圧力 :パージおよびラン 19.5psig(134.35Kpag)
平衡判定圧力:0.0050psig/min(0.0345Kpag/min)
温湿度 :23℃/50%RH
(THF不溶分)
THF不溶分は、400メッシュのステンレス金網にてサンプル量0.5gを包み、THF50mlに23℃/12時間浸漬した後、金網をTHF30mlで洗い流し、40℃/4時間減圧乾燥し、金網に残ったサンプル量から算出した値をいう。
実施例1
ポリエステル樹脂原料アルコール成分としてネオペンチルグリコール100モル%、ネオデカン酸グリシジルエステル13モル%、原料酸成分として不均化ロジン23モル%を、攪拌装置、加熱装置、温度計、分留装置、窒素ガス導入管を備えたステンレス製反応容器に仕込み、攪拌しながら160℃まで昇温して、内容物を溶融させた。溶融後、原料酸成分としてテレフタル酸77モル%、および酸化ジ−n−ブチル錫0.03モル%を仕込み、分留装置塔頂部の温度が100℃を越えないようにして、生成する縮合水を窒素ガス気流によって系外に除去しながら、徐々に240℃まで昇温して15時間エステル化反応を行い、酸価が15mgKOH/gになったところで200℃まで冷却した。冷却後、無水トリメリット酸25モル%を仕込み、その後は、前述と同様の操作で縮合水を系外に除去しながら、徐々に240℃まで昇温して7時間架橋反応を行い、フローテスターにより所定の軟化点に達したことを確認し、反応を終了した。反応終了後、反応容器中の樹脂温度を190℃に保ち、空気中でポリエステル樹脂を取り出した。得られたポリエステル樹脂Aの特性値を表1に示す。
なお、各モノマーの組成量モル%は、全酸成分に対するモル%である。
実施例2〜4
表1に示す配合割合とすることを除き、実施例1と同様にしてポリエステル樹脂B、CおよびDを得た。得られたポリエステル樹脂の特性値を表1に示す。
実施例5
ポリエステル樹脂原料アルコール成分としてネオペンチルグリコール70モル%、ネオデカン酸グリシジルエステル8モル%、原料酸成分として不均化ロジン23モル%を、攪拌装置、加熱装置、温度計、分留装置、窒素ガス導入管を備えたステンレス製反応容器に仕込み、攪拌しながら160℃まで昇温して、内容物を溶融させた。溶融後、原料酸成分としてテレフタル酸77モル%、および酸化ジ−n−ブチル錫0.03モル%を仕込み、分留装置塔頂部の温度が100℃を越えないようにして、生成する縮合水を窒素ガス気流によって系外に除去しながら、徐々に240℃まで昇温して15時間エステル化反応を行い、酸価が30mgKOH/gになったところで160℃まで冷却した。冷却後、ペンタエリスリトール8.5モル%を仕込み、その後は、前述と同様の操作で縮合水を系外に除去しながら、徐々に220℃まで昇温して9時間架橋反応を行い、フローテスターにより所定の軟化点に達したことを確認し、反応を終了した。反応終了後、反応容器中の樹脂温度を210℃に保ち、空気中でポリエステル樹脂を取り出した。得られたポリエステル樹脂Eの特性値を表1に示す。
比較例1
実施例1で反応終了後、反応容器中の樹脂温度を260℃に保ち、空気中でポリエステル樹脂を取り出したことを除き、実施例1と同様にしてポリエステル樹脂Fを得た。得られたポリエステル樹脂の特性値を表1に示す。
比較例2
実施例3で反応終了後、反応容器中の樹脂温度を270℃に保ち、空気中でポリエステル樹脂を取り出したことを除き、実施例3と同様にしてポリエステル樹脂Gを得た。得られたポリエステル樹脂の特性値を表1に示す。
比較例3
実施例4で240℃まで昇温して7時間の架橋反応を行うところを、200℃まで昇温して2時間の架橋反応とすることを除き、実施例4と同様にしてポリエステル樹脂Hを得た。得られたポリエステル樹脂の特性値を表1に示す。
比較例4〜7
表1に示す配合割合とすることを除き、実施例1と同様にしてポリエステル樹脂I、J、KおよびLを得た。得られたポリエステル樹脂の特性値を表1に示す。
比較例8
ポリエステル樹脂原料アルコール成分としてビスフェノールAのエチレンオキサイド2モル付加物100モル%、ネオデカン酸グリシジルエステル13モル%、原料酸成分として不均化ロジン23モル%を、攪拌装置、加熱装置、温度計、分留装置、窒素ガス導入管を備えたステンレス製反応容器に仕込み、攪拌しながら160℃まで昇温して、内容物を溶融させた。溶融後、原料酸成分としてのテレフタル酸77モル%、および酸化ジ−n−ブチル錫0.03モル%を仕込み、分留装置塔頂部の温度が100℃を越えないようにして、生成する縮合水を窒素ガス気流によって系外に除去しながら、徐々に240℃まで昇温して15時間エステル化反応を行い、酸価が15mgKOH/gになったところで200℃まで冷却した。冷却後、無水トリメリット酸25モル%を仕込み、その後は、前述と同様の操作で縮合水を系外に除去しながら、徐々に240℃まで昇温して7時間架橋反応を行い、フローテスターにより所定の軟化点に達したことを確認し、反応を終了した。反応終了後、反応容器中の樹脂温度を190℃に保ち、空気中でポリエステル樹脂を取り出した。得られたポリエステル樹脂Mの特性値を表1に示す。
Figure 0003829827
表1中の「BPA−EO2モル付加物」は、ビスフェノールAのエチレンオキサイド2モル付加物を表す。
実施例6
(成 分) (配合量)
ポリエステル樹脂A 100部
磁性体(マグネタイト) 84部
荷電制御剤(芳香族ヒドロキシカルボン酸のクロム塩化合物) 2部
低分子量ポリプロピレン 3部
上記材料を均一に混合した後、混練、粉砕、分級して、平均粒径10.4μmの負帯電性トナー粒子を得た。次いで、このトナー粒子100部に対し、ジメチルジクロロシランで処理したシリカ微粉体0.25部、アミノシランで処理した炭酸カルシウム微粉体1.0部、窒化珪素微粒子1.0部を添加、混合して負帯電性磁性トナーを得た。
この負帯電性磁性トナーの帯電量を測定して、帯電性を評価するとともに、貯蔵安定性についても評価した。結果を表2に示す。
さらに、この負帯電性磁性トナーを用いて、市販の複写機(キヤノン(株)製 iR6000)を用いて実写テストを行い、画像濃度(初期および10,000枚後の画像濃度の値)、カブリ(初期および10,000枚後のカブリの値)、消費量、定着性、耐オフセット性および現像担持体(10,000枚後の現像担持体上のトナー層の状態)の評価を行った。結果を表2に示す。
なお、帯電量の測定および評価、貯蔵安定性の試験および評価、画像濃度の測定、カブリ濃度の測定、トナー消費量の測定、定着性の試験および評価、耐オフセット性の試験および評価、現像担持体の評価は次のようにして行った。
(帯電量の測定および評価)
平均粒径80〜120μmのCu−Znフェライトキャリア粒子とトナーサンプルとを、全体に対してトナー濃度5重量%になる割合で秤量し、ボールミル等で混合した後、ブローオフ帯電量測定装置にてトナーの帯電量を算出した。具体的には、下記の方法によって測定を行った。
パウダーテック社製Cu−Znフェライトキャリアコア(商品名F−100)を19.0g、乾燥後のトナーサンプル1.0gを50ccポリ瓶に秤量し、5回振った後、ボールミル(新栄工機産業社製 PLASTIC PLANT SKS型)にて、回転数を実測値で230回転(ポリ瓶本体は120回転)の条件で30分間混合を行った。
混合後の得られた試料を東芝ケミカル社製ブローオフ帯電量測定装置により帯電量測定を行った。この時ブロー圧は1kgf/cm2、測定時間20秒で最大の数値を読み取り、メッシュは400メッシュを用いて行った。また測定環境は23℃50%RHの条件下で行った。
(貯蔵安定性の試験および評価)
トナー40gを200mlのガラス製容器に密閉し、50℃の恒温槽に24時間放置後、トナーのブロッキング性を観察することにより行い、凝集が発生しないものを○、容易にほぐれる程度の凝集が発生するものを△、容易にほぐれない凝集が発生するものを×とした。
(画像濃度の測定)
画像濃度はマクべス光度計を用いて行った。1.35以上の濃度であればよい。
(カブリ濃度の測定)
フォトボルトにて、反射率を測定することにより行った。1.5%以下が良好な値である。
(トナー消費量の測定)
黒化率6%の原稿の実写で、1,000枚当り消費したトナーグラム数として表した。
(定着性の試験および評価)
定着画像を消しゴム(トンボ鉛筆 MONO)で摺擦し、〔摺擦後の画像濃度/摺擦前の画像濃度〕×100で計算した値を定着強度として表した。85%以上が良好な値である。
(耐オフセット性の試験および評価)
定着試験用画像を200枚連続複写後、5分間停止した後、白紙20枚を通紙し、白紙の紙汚れの状態により評価を行った。評価結果は、紙汚れが発生しなかったものを○、紙汚れが発生したものを×とした。
(現像担持体の評価)
現像担持体のトナー層を観察することにより行い、トナー層が均一であるか確認した。
実施例7
(成 分) (配合量)
ポリエステル樹脂B 100部
磁性体(マグネタイト) 78部
荷電制御剤(芳香族ヒドロキシカルボン酸の鉄塩化合物) 1部
低分子量ポリプロピレン 2部
上記材料を均一に混合した後、混練、粉砕、分級して、平均粒径9.5μmの負帯電性トナー粒子を得た。次いで、このトナー粒子100部に対し、ジメチルジクロロシランで処理したシリカ微粉体0.3部、タングステンカーバイド微粒子0.5部を添加、混合して負帯電性磁性トナーを得た。
実施例6と同様にしてこの負帯電性磁性トナーの帯電量を測定して、帯電性を評価するとともに、貯蔵安定性についても評価した。結果を表3に示す。
さらに、この負帯電性磁性トナーを用いて、市販の複写機(キヤノン(株)製 GP40)を用いて実写テストを行い、画像濃度(初期および10,000枚後の画像濃度の値)、カブリ(初期および10,000枚後のカブリの値)、消費量、定着性、耐オフセット性および現像担持体(10,000枚後の現像担持体上のトナー層の状態)の評価を行った。結果を表2に示す。
実施例8
実施例6で用いたポリエステル樹脂Aに替えてポリエステル樹脂Dを用いることを除き実施例6と同様にして、負帯電性磁性トナーを得た。この負帯電性磁性トナーについて、実施例6と同様にして、帯電性、貯蔵安定性、画像濃度カブリ、消費量、定着性、耐オフセット性および現像担持体の評価を行った。結果を表2に示す。
比較例6
実施例6で用いたポリエステル樹脂Aに替えて、ポリエステル樹脂Fを用いることを除き実施例6と同様にして、負帯電性磁性トナーを得た。この負帯電性磁性トナーについて、実施例6と同様にして、帯電性、貯蔵安定性、画像濃度、カブリ、消費量、定着性、耐オフセット性および現像担持体の評価を行った。結果を表2に示す。
比較例7
実施例6で用いたポリエステル樹脂Aに替えて、ポリエステル樹脂Hを用いることを除き実施例6と同様にして、負帯電性磁性トナーを得た。この負帯電性磁性トナーについて、実施例6と同様にして、帯電性、貯蔵安定性、画像濃度、カブリ、消費量、定着性、耐オフセット性および現像担持体の評価を行った。結果を表2に示す。
比較例8
実施例6で用いたポリエステル樹脂Aに替えて、ポリエステル樹脂Jを用いることを除き実施例6と同様にして、負帯電性磁性トナーを得た。この負帯電性磁性トナーについて、実施例6と同様にして、帯電性、貯蔵安定性、画像濃度、カブリ、消費量、定着性、耐オフセット性および現像担持体の評価を行った。結果を表2に示す。
比較例9
実施例7で用いたポリエステル樹脂Bに替えて、ポリエステル樹脂Lを用いることを除き実施例7と同様にして、負帯電性磁性トナーを得た。この負帯電性磁性トナーについて、実施例7と同様にして、帯電性、貯蔵安定性、画像濃度、カブリ、消費量、定着性、耐オフセット性および現像担持体の評価を行った。結果を表2に示す。
比較例10
実施例6で用いたポリエステル樹脂Aに替えて、ポリエステル樹脂Mを用いることを除き実施例6と同様にして、負帯電性磁性トナーを得た。この負帯電性磁性トナーについて、実施例6と同様にして、帯電性、貯蔵安定性、画像濃度、カブリ、消費量、定着性、耐オフセット性および現像担持体の評価を行った。結果を表2に示す。
実施例9
(成 分) (配合量)
ポリエステル樹脂C 100部
カーボンブラック 10部
荷電制御剤(芳香族ヒドロキシカルボン酸のカルシウム塩化合物) 2.5部
低分子量ポリプロピレン 4部
上記材料を均一に混合した後、混練、粉砕、分級して、平均粒子径11.0μmの負帯電性トナー粒子を得た。次いで、このトナー粒子100部に対し、ジクロロジメトキシシランで処理したシリカ微粉体0.4部、ポリフッ化ビニリデン微粒子0.3部、タングステンカーバイド微粒子0.7部を添加、混合して負帯電性非磁性トナーを得た。
実施例6と同様にしてこの負帯電性非磁性トナーの帯電量を測定して、帯電性を評価するとともに、貯蔵安定性についても評価した。結果を表3に示す。
さらに、この負帯電性非磁性トナーを用いて、市販の複写機(東芝(株)製 6550)を用いて実写テストを行い、画像濃度(初期および10,000枚後の画像濃度の値)、カブリ(初期および10,000枚後のカブリの値)、消費量、定着性、耐オフセット性および現像担持体(10,000枚後の現像担持体上のトナー層の状態)の評価を行った。キャリアとしてはシリコーン樹脂にてコートしたフェライトキャリアを用い、このキャリア94部に対し非磁性トナー6部を用いて現像剤を作成し、評価を行った。結果を表3に示す。
実施例10
実施例9で用いたポリエステル樹脂Cに替えてポリエステル樹脂Eを用いることを除き実施例9と同様にして、負帯電性非磁性トナーを得た。この負帯電性非磁性トナーについて、実施例9と同様にして、帯電性、貯蔵安定性、画像濃度カブリ、消費量、定着性、耐オフセット性および現像担持体の評価を行った。結果を表3に示す。
比較例11
実施例9で用いたポリエステル樹脂Cに替えて、ポリエステル樹脂Gを用いることを除き実施例9と同様にして、負帯電性非磁性トナーを得た。この負帯電性非磁性トナーについて、実施例9と同様にして、帯電性、貯蔵安定性、画像濃度、カブリ、消費量、定着性、耐オフセット性および現像担持体の評価を行った。結果を表3に示す。
比較例12
実施例9で用いたポリエステル樹脂Cに替えて、ポリエステル樹脂Iを用いることを除き実施例9と同様にして、負帯電性非磁性トナーを得た。この負帯電性非磁性トナーについて、実施例9と同様にして、帯電性、貯蔵安定性、画像濃度、カブリ、消費量、定着性、耐オフセット性および現像担持体の評価を行った。結果を表3に示す。
比較例13
実施例9で用いたポリエステル樹脂Cに替えて、ポリエステル樹脂Kを用いることを除き実施例9と同様にして、負帯電性非磁性トナーを得た。この負帯電性非磁性トナーについて、実施例9と同様にして、帯電性、貯蔵安定性、画像濃度、カブリ、消費量、定着性、耐オフセット性および現像担持体の評価を行った。結果を表3に示す。
Figure 0003829827
Figure 0003829827

Claims (6)

  1. 酸成分が、(1)不均化ロジンと(2)テレフタル酸および/またはイソフタル酸、アルコール成分が、ビスフェノールAあるいはその誘導体を用いることなく、(3)三級脂肪酸のグリシジルエステルと(4)炭素数2〜10の脂肪族ジオール、架橋成分が3価以上のポリカルボン酸および/または3価以上のポリオールから構成され、酸成分(1)および(2)のモル比(1)/(2)が0.2〜0.6であり、前記アルコール成分(3)および(4)のモル比(3)/(4)が0.05〜0.4であり、テトラヒドロフラン(THF)不溶分が1〜30重量%であるトナー用ポリエステル樹脂の製造方法であって、架橋反応温度が160〜250℃、架橋反応時間が3〜15時間、架橋反応終了時の反応容器からの取り出し温度を160〜250℃に保つ条件に設定し、THF不溶分をコントロールすることを特徴とするトナー用ポリエステル樹脂の製造方法。
  2. アルコール成分として、さらにロジングリシジルエステルが含まれることを特徴とする請求項1に記載のトナー用ポリエステル樹脂の製造方法。
  3. 樹脂の真密度が1.1〜1.3g/cm3であることを特徴とする請求項1または2に記載のトナー用ポリエステル樹脂の製造方法。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の製造方法により得られたトナー用ポリエステル樹脂、着色剤および荷電制御剤を混練、粉砕、分級して得られる静電荷像現像用負帯電性トナーの製造方法。
  5. 帯電制御剤が芳香族ヒドロキシカルボン酸の金属塩であることを特徴とする請求項4記載の静電荷像現像用負帯電性トナーの製造方法。
  6. トナーが磁性トナーであることを特徴とする請求項4または5に記載の静電荷像現像用負帯電性トナーの製造方法。
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