JP2019215402A - トナー - Google Patents
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Abstract
Description
トナーのさらなる低温定着化のためのアプローチとして、(1)メインバインダーそのものの改良と、(2)可塑剤の改良の二つが主に行われてきた。
しかし、ポリエステル樹脂はスチレンアクリル樹脂よりも帯電性、現像性、及び高温弾性の面で劣る部分もある。そのため、両者の長所を伸ばし、短所を補い合うためにスチレンアクリル樹脂とポリエステル樹脂を混合しての使用や、さらには両者を化学的に結合させたハイブリッド樹脂の使用が提案されている(特許文献1及び2)。
しかしながら、低温定着性を追及すればするほど、トナーの過剰溶融に伴う弊害も顕著となる。
これは主に熱定着時に溶融したトナーの弾性が不足しているために発生する弊害である。
具体的には、過剰溶融したトナーが定着器に付着したのち再度紙上に定着されるホットオフセットや、過剰溶融したトナーが紙の繊維中に吸入され繊維の凹凸に応じたパターンを画像上に形成する定着ムラなどが挙げられる。これらは画質に重大な影響を及ぼすものである。
しかしながら、これら熱溶融しにくい成分の添加は、トナーの低温定着性の向上とは、本来矛盾するものでもあり、抜本的な対策が求められてきた。
具体的には、高速化されたLBPにおいて、高画質化及び省エネルギー化を達成するために、従来よりも高いレベルで耐久現像性及び低温定着性が両立され、さらに過剰溶融による弊害が抑制された高い画質を示すトナーを提供するものである。
ハイブリッド樹脂組成物、非晶性ポリエステル樹脂、及び結晶性材料を含有するトナー粒子を有するトナーであって、
該ハイブリッド樹脂組成物が、ポリエステル部位及びビニル共重合体部位を有するハイブリッド樹脂を含有し、
該ハイブリッド樹脂中の該ポリエステル部位の含有量が、85質量%以上98質量%以下であり、
該非晶性ポリエステル樹脂の溶解度パラメータが、10.20(cal/cm3)1/2以上12.34(cal/cm3)1/2以下であることを特徴とするトナーである。
また、モノマーユニットとは、ポリマー中のモノマー物質の反応した形態をいう。
さらに、結晶性材料とは、示差走査熱量測定(DSC)において吸熱ピークが観測される材料である。
ハイブリッド樹脂、非晶性ポリエステル樹脂、及び結晶性材料を含有するトナー粒子を有するトナーであって、
該ハイブリッド樹脂組成物が、ポリエステル部位及びビニル共重合体部位を有するハイブリッド樹脂を含有し、
該ハイブリッド樹脂中の該ポリエステル部位の含有量が、85質量%以上98質量%以下であり、
該非晶性ポリエステル樹脂の溶解度パラメータが、10.20(cal/cm3)1/2以上12.34(cal/cm3)1/2以下であることを特徴とするトナーに関する。
以下にその詳細を説明する。
しかしながら、定着時のトナーの過剰溶融による弾性不足に起因する弊害に対しては、
結着樹脂成分の分子量を大きくすることや、結着樹脂に高密度架橋成分であるゲル分の増量など、低温定着性と矛盾する対策手法が主であった。
従来、トナーの弾性保持手段として、結着樹脂に高密度架橋成分であるゲル分を添加する手法が用いられている。
該ゲル分とは、テトラヒドロフラン(THF)を用いてソックスレー抽出を実施した場合に、THFに不溶である高分子量成分として定義される場合が多いが、より本質的には比較的高密度の架橋点を持つ高分子量成分を指す。
このゲル分は、比較的架橋点が多いため、構造体として頑強であり、物理的負荷に対し塑性変形よりも弾性変形を起こす割合が高く、それゆえにトナーに弾性を付与することができる。
しかし、従来のゲル分は、それ以外の結着樹脂成分と混ざり合った状態で、トナー全体に満遍無く存在する。そのため熱定着時にトナー全体の溶融及び変形を阻害する。
そこで、本発明者らは、トナー中に高密度架橋体を複数分散させることで、低温定着性に影響を与えることなく、熱定着後のトナーにある程度の弾性を保持させることが可能となると考えた。
該放射状構造を有するハイブリッド樹脂は、分子単体で見た場合、高密度の架橋点を中心に持つことで高い弾性を示し、さらにポリエステル部位を表面に持つことで高い低温定着性を示す。
さらに、トナー粒子が該放射状構造を有するハイブリッド樹脂を含有する場合、トナー粒子全体を覆う高分子体は存在しないため熱定着時には迅速に溶融し、トナー粒子としての粒子形状を崩し紙繊維と密着する。
しかし、トナー粒子中に分散された放射状構造を有するハイブリッド樹脂の高密度架橋体はそのまま維持されるため、紙繊維上でのトナー粒子の弾性は保持され、過剰溶融が抑制され、定着ムラなどの弊害は起きにくくなると考えられる。
該ハイブリッド樹脂中の該ポリエステル部位の含有量が、85質量%以上98質量%以下である。また、該ポリエステル部位の含有量は、90質量%以上98質量%以下であることが好ましい。
ハイブリッド樹脂中のポリエステル部位の含有量が上記範囲であると、上述した放射状構造を有するハイブリッド樹脂を形成することができる。
該ポリエステル部位の含有量が85質量%よりも低い場合、該放射状構造を十分に形成することができず、熱定着時にトナーの高温弾性が保持できず、ホットオフセットが発生しやすくなる。
トナーの熱溶融時に、該放射状構造の内奥まで可塑剤分子が侵入することが物理的に困難であるためと考えられる。
これに対して、トナー粒子中に溶解度パラメータ(以下、SP値ともいう)が10.20(cal/cm3)1/2以上12.34(cal/cm3)1/2以下の非晶性ポリエステル樹脂を混合することで、この問題を解決可能であることを見出した。
さらに、該非晶性ポリエステル樹脂のSP値が上記範囲であると、結晶性材料などの可塑剤分子との熱溶融時の親和性が著しく低下する。これにより可塑剤分子を、放射状構造を有するハイブリッド樹脂の方に追いやり、可塑効果を発揮させることが可能になると考えられる。
逆に、非晶性ポリエステル樹脂のSP値が10.20(cal/cm3)1/2よりも小さい場合、熱定着時に結晶性材料がハイブリッド樹脂よりも非晶性ポリエステル樹脂の可塑に消費され、ハイブリッド樹脂の可塑が不十分となり、低温定着性が低下する。
一方、非晶性ポリエステル樹脂のSP値が12.34(cal/cm3)1/2よりも大きい場合、非晶性ポリエステル樹脂と結晶性材料の親和性が著しく低下する。そのため熱定着時に非晶性ポリエステル樹脂に追いやられた結晶性材料による、ハイブリッド樹脂の可塑化が急速に進行するため、ホットオフセットが発生しやすくなる。
なお、該非晶性ポリエステル樹脂の溶解度パラメータは、10.70(cal/cm3)1/2以上12.34(cal/cm3)1/2以下であることが好ましい。
該非晶性ポリエステル樹脂のSP値を上記範囲に調整する方法として、非晶性ポリエステル樹脂を構成するモノマーユニットを、後述するSP値の計算方法を参考に適宜選択する方法が挙げられる。
また、該非晶性ポリエステル樹脂のガラス転移温度(Tg)は、48.0℃以上56.0℃以下であることが好ましく、49.0℃以上55.0℃以下であることがより好ましい。
一方、該非晶性ポリエステル樹脂の軟化点(Tm)は、90.0℃以上95.0℃以下であることが好ましく、91.0℃以上94.0℃以下であることがより好ましい。
炭素数の平均値が27以上50以下(好ましくは30以上40以下)の長鎖アルキルモノアルコールのアルコール残基、及び炭素数の平均値が27以上50以下(好ましくは30以上40以下)の長鎖アルキルモノカルボン酸のカルボン酸残基の少なくとも一方の残基を末端に有するポリエステル部位及びビニル共重合体部位を有するハイブリッド樹脂、
並びに、
炭素数の平均値が27以上50以下(好ましくは30以上40以下)の脂肪族炭化水素、を含有することが好ましい(以下、該残基及び該脂肪族炭化水素を長鎖アルキル成分ともいう)。
該長鎖アルキル成分は、結晶性材料と親和性が高く、共晶構造を形成することも可能である。そのため、長鎖アルキル成分が該ポリエステル部位の末端(すなわち、ハイブリッド樹脂の末端)に存在する、又はハイブリッド樹脂組成物中に含有されることで、結晶性材料とハイブリッド樹脂の親和性が向上する。また、ハイブリッド樹脂組成物中に結晶性材料が微小なドメインとなって分散し易くなる。
これにより、熱定着時のハイブリッド樹脂の可塑が迅速に進み、低温定着性がより向上する。また、結晶性材料と長鎖アルキル成分が共晶構造を形成することで、長期保存時にも結晶性材料の染み出しを抑制することができ、保存性向上にも寄与する。
炭素数の平均値が27以上50以下の長鎖アルキルモノカルボン酸のカルボン酸残基とは、炭素数の平均値が27以上50以下の長鎖アルキルモノカルボン酸のカルボキシ基から水素原子が脱離して得られる基を意味する。例えば、該長鎖アルキルモノカルボン酸が
ポリエステルのヒドロキシ基と縮合して形成される。
該長鎖アルキル成分が2.5質量%以上である場合、上記効果が十分発揮される。一方、10.0質量%以下である場合、長鎖アルキル成分自体がハイブリッド樹脂を可塑することによる過剰溶融、及び保存性低下などの弊害を発生させにくい。
該ビニル共重合体部位中の、該式(1)で表される化合物由来のモノマーユニットの含有量が、50質量%以上100質量%未満であることが好ましく、75質量%以上100質量%以下であることがより好ましい。
該式(1)で表される化合物由来のモノマーユニットの含有量が上記範囲である場合、ハイブリッド樹脂の弾性が十分保持されるため好ましい。
CH2=CR1COOR2 (1)
式(1)中、R1は水素原子又はメチル基を表し、R2は炭素数1〜12のアルキル基又は炭素数1〜12のヒドロキシアルキル基を表す。
また、該スチレン化合物としては、スチレン;o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレンのようなスチレン及びその誘導体が挙げられる。
該ハイブリッド樹脂組成物のガラス転移温度(Tg)は、50.0℃以上65.0℃以下であることが好ましく、53.0℃以上63.0℃以下であることがより好ましい。
また、該ハイブリッド樹脂組成物の軟化点(Tm)は、90.0℃以上140.0℃以下であることが好ましく、120.0℃以上138.0℃以下であることがより好ましい。
結晶性材料のSP値が上記範囲である場合、ハイブリッド樹脂と非晶性ポリエステル樹脂の可塑のバランスが最適化され、低温定着性をさらに向上させることができる。
該結晶性材料のSP値を上記範囲に調整する方法として、結晶性材料を構成するモノマーユニットを、後述するSP値の計算方法を参考に適宜選択する方法が挙げられる。
また、該吸熱ピークのピーク面積は、0.30J/g以上5.30J/g以下であることが好ましく、1.00J/g以上4.50J/g以下であることがより好ましい。
該吸熱ピークのピーク温度及び吸熱ピークのピーク面積が上記範囲である場合、保存性低下や、過剰溶融による定着ムラ及びホットオフセットの発生などの画像弊害を抑制しつつ、低温定着性を向上させることができる。
該結晶性材料に由来する吸熱ピークのピーク温度及び該吸熱ピークのピーク面積は、結晶性材料の種類及び添加量を調節することで上記範囲に調整することができる。
該ジオールに由来するモノマーユニット中の、直鎖脂肪族ジオールに由来するモノマーユニットの含有量は、30.0mol%以上92.1mol%以下であることが好ましく、39.4mol%以上92.1mol%以下であることがより好ましい。
直鎖脂肪族ジオールに由来するモノマーユニットの含有量が上記範囲にある場合、非晶性ポリエステル樹脂のSP値を十分高くすることができ、結晶性材料による可塑効果を優先的にハイブリッド樹脂に発揮させることができる。
具体的には、比較的高分子量のものでは結晶性ポリエステル樹脂が、比較的低分子量のものとしてはワックスなどが挙げられる。
結晶性ポリエステル樹脂は、そのSP値が上述の範囲に制御し易く、また保存性などの観点からも好ましい。
該結晶性材料の融点は、70℃以上130℃以下であることが好ましく、75℃以上125℃以下であることがより好ましい。
該結晶性材料の含有量は、結着樹脂100質量部に対して、0.25質量部以上25.00質量部以下であることが好ましく、0.75質量部以上20.00質量部以下であることがより好ましい。
結晶性ポリエステル樹脂は、炭素数4以上20以下の脂肪族ジオールと多価カルボン酸の縮重合体であることが好ましい。さらに、該脂肪族ジオールは直鎖型であるのが好ましい。直鎖型である場合、結晶性ポリエステル樹脂の結晶性がより高くなる。
該脂肪族ジオールとしては、例えば以下のものを挙げることができるが、下記に限定されるものではない。なお、これらのジオールは混合して用いることも可能である。
1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、1,11−ウンデカンジオール、1,12−ドデカンジオール、1,13−トリデカンジオール、1,14−テトラデカンジオール、1,18−オクタデカンジオール、1,20−エイコサンジオール。
また、二重結合を持つ脂肪族ジオールを用いることもできる。
該二重結合を持つ脂肪族ジオールとしては、例えば以下のものを挙げることができる。
2−ブテン−1,4−ジオール、3−ヘキセン−1,6−ジオール、4−オクテン−1,8−ジオール。
なかでも脂肪族ジカルボン酸が好ましく、結晶性の観点から、特に直鎖型のジカルボン酸が好ましい。
脂肪族ジカルボン酸としては、例えば以下のものを挙げることができるが、下記に限定されるものではない。なお、これらのジカルボン酸は混合して用いることも可能である。
蓚酸、マロン酸、琥珀酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、1,9−ノナンジカルボン酸、1,10−デカンジカルボン酸、1,11−ウンデカンジカルボン酸、1,12−ドデカンジカルボン酸、1,13−トリデカンジカルボン酸、1,14−テトラデカンジカルボン酸、1,16−ヘキサデカンジカルボン酸、1,18−オクタデカンジカルボン酸、これらの低級アルキルエステル及びこれらの酸無水物。
これらのうち、セバシン酸、アジピン酸、1,10−デカンジカルボン酸、これらの低
級アルキルエステル及びこれらの酸無水物が好ましい。
テレフタル酸、イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、4,4’−ビフェニルジカルボン酸。
これらのうちテレフタル酸が、入手容易性、低融点のポリマーを形成しやすいという点で好ましい。
二重結合を有するジカルボン酸を用いることもできる。
該ジカルボン酸としては、フマル酸、マレイン酸、3−ヘキセンジオイック酸、3−オクテンジオイック酸が挙げられる。また、これらの低級アルキルエステル、酸無水物も挙げられる。
該結晶性ポリエステル樹脂の製造方法としては、特に制限はなく、酸成分とアルコール成分とを反応させる一般的なポリエステル重合法で製造することができる。
例えば直接重縮合法、又はエステル交換法をモノマーの種類によって使い分けて製造すればよい。
結晶性ポリエステル樹脂の製造において、重合温度は180℃以上230℃以下で行うことが好ましい。また、必要に応じて反応系内を減圧にし、縮合時に発生する水やアルコールを除去しながら反応させてもよい。
結晶性ポリエステル樹脂の製造時に使用可能な触媒としては、以下のものを挙げることができる。チタンテトラエトキシド、チタンテトラプロポキシド、チタンテトライソプロポキシド、チタンテトラブトキシドなどのチタン触媒;ジブチルスズジクロライド、ジブチルスズオキシド、ジフェニルスズオキシドなどのスズ触媒。
該ワックスとして、低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン、マイクロクリスタリンワックス、パラフィンワックスのような脂肪族炭化水素系ワックス、酸化ポリエチレンワックスのような脂肪族炭化水素系ワックスの酸化物、又は、それらのブロック共重合物;カルナバワックス、サゾールワックス、モンタン酸エステルワックスのような脂肪酸エステルを主成分とするワックス類;脱酸カルナバワックスのような脂肪酸エステル類を一部又は全部を脱酸化したもの;パルミチン酸、ステアリン酸、モンタン酸のような飽和直鎖脂肪酸類;ブラシジン酸、エレオステアリン酸、パリナリン酸のような不飽和脂肪酸類;ステアリルアルコール、アラルキルアルコール、ベヘニルアルコール、カルナウビルアルコール、セリルアルコール、メリシルアルコールのような飽和アルコール類;長鎖アルキルアルコール類;ソルビトールのような多価アルコール類;リノール酸アミド、オレイン酸アミド、ラウリン酸アミドのような脂肪酸アミド類;メチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビスカプリン酸アミド、エチレンビスラウリン酸アミド、ヘキサメチレンビスステアリン酸アミドのような飽和脂肪酸ビスアミド類;エチレンビスオレイン酸アミド、ヘキサメチレンビスオレイン酸アミド、N,N’−ジオレイルアジピン酸アミド、N,N−ジオレイルセバシン酸アミドのような不飽和脂肪酸アミド類;m−キシレンビスステアリン酸アミド、N,N−ジステアリルイソフタル酸アミドのような芳香族系ビスアミド類;ステアリン酸カルシウム、ラウリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウムのような脂肪酸金属塩(一般に金属石けんといわれているもの);脂肪族炭化水素系ワックスにスチレンやアクリル酸のようなビニル系モノマーを用いてグラフト化させたワックス類;ベヘニン酸モノグリセリドのような脂肪酸と多価アルコールの部
分エステル化物;植物性油脂の水素添加によって得られるヒドロキシ基を有するメチルエステル化合物。
これらのうち、脂肪族炭化水素系ワックスが好ましい。
これらは、必要に応じて一種又は二種以上を、併用してもかまわない。
ビスコール(登録商標)330−P、550−P、660−P、TS−200(三洋化成工業株式会社);ハイワックス400P、200P、100P、410P、420P、320P、220P、210P、110P(三井化学株式会社);サゾール H1、H2、C80、C105、C77(サゾール社);HNP−1、HNP−3、HNP−9、HNP−10、HNP−11、HNP−12(日本精蝋株式会社)、ユニリン(登録商標)350、425、550、700、ユニシッド(登録商標)350、425、550、700(東洋ペトロライト社);木ろう、蜜ろう、ライスワックス、キャンデリラワックス、カルナバワックス(株式会社セラリカNODA)。
また、該結着樹脂における、ハイブリッド樹脂組成物と非晶性ポリエステル樹脂との質量比(ハイブリッド樹脂組成物:非晶性ポリエステル樹脂)は、40:60〜98:2であることが好ましく、55:45〜98:2であることがより好ましい。
上述のようにハイブリッド樹脂は、ポリエステル部位及びビニル共重合体部位を有する。
該ポリエステル部位及び非晶性ポリエステル樹脂としては、特に限定されないが、アルコール成分と酸成分との縮重合体が例示できる。
該アルコール成分としては、以下のものが挙げられる。
エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオールなどの脂肪族ジオール。
水素化ビスフェールA、下記式(A)で表されるビスフェノール誘導体及び下記式(B)で表されるジオール類などの芳香族ジオール。
ソルビトール、1,2,3,6−ヘキサンテトロール、1,4−ソルビタン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,5−ペンタントリオール、グリセロール、2−メチルプロパントリオール、2−メチル−1,2,4−ブタントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、1,3,5−トリヒドロキシベンゼンなどの三価以上の多価アルコール。
これらは、必要に応じて一種又は二種以上を、併用してもかまわない。
フタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、無水フタル酸のようなベンゼンジカルボン酸類又はその無水物;こはく酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸のようなアルキルジカルボン酸類又はその無水物;炭素数6以上18以下のアルキル基若しくは炭素数6以上18以下のアルケニル基で置換されたこはく酸又はその無水物;フマル酸、マレイン酸、シトラコン酸、イタコン酸のような不飽和ジカルボン酸又はその無水物。
トリメリット酸、ピロメリット酸、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸、1,2,5−ベンゼントリカルボン酸、2,5,7−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ブタントリカルボン酸、1,2,5−ヘキサントリカルボン酸、1,3−ジカルボキシル−2−メチル−2−メチレンカルボキシプロパン、テトラ(メチレンカルボキシル)メタン、1,2,7,8−オクタンテトラカルボン酸、エンポール三量体酸、及びこれらの無水物などの三価以上の多価カルボン酸。
これらは、必要に応じて一種又は二種以上を、併用してもかまわない。
エチレン、プロピレン、ブチレン、イソブチレンのような不飽和モノオレフィン類;ブタジエン、イソプレンのような不飽和ポリエン類;塩化ビニル、塩化ビニリデン、臭化ビニル、フッ化ビニルのようなハロゲン化ビニル類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、安息香酸ビニルのようなビニルエステル類;ビニルメチルエーテルのようなビニルエーテル類;ビニルメチルケトンのようなビニルケトン類;N−ビニルピロールのようなN−ビニル化合物;ビニルナフタリン類;アクリロニトリルのようなニトリル類;マレイン酸のような不飽和二塩基酸;マレイン酸無水物、のような不飽和二塩基酸無水物;マレイン酸メチルハーフエステルのような不飽和二塩基酸のハーフエステル;ジメチルマレイン酸のような不飽和二塩基酸エステル;アクリル酸のようなα,β−不飽和酸;クロトン酸無水物のようなα,β−不飽和酸無水物;アルケニルマロン酸のようなカルボキシ基を有するモノマー。
具体的には、ビニル共重合体部位の(メタ)アクリル酸アルキルエステルと、ポリエステル部位に含有されるアルコールモノマーの末端水酸基とがエステル交換反応を行うこと
で架橋構造が形成される。この際、ハイブリッド樹脂中の該ポリエステル部位の含有量が上記範囲内である場合、十分な放射状構造が形成されやすい。
ポリエステル部位を構成するモノマーのうちビニル共重合体部位と反応し得るものとしては、フマル酸、マレイン酸、シトラコン酸、イタコン酸のような不飽和ジカルボン酸又はその無水物が挙げられる。
一方、ビニル共重合体部位を構成するモノマーのうちポリエステル部位と反応し得るものとしては、カルボキシ基又はヒドロキシ基を有するものや、アクリル酸エステル類又はメタクリル酸エステル類が挙げられる。
該ビニル共重合体部位とポリエステル部位の反応生成物を得る方法としては、先に挙げたビニル共重合体部位及びポリエステル部位の両方と反応し得るモノマー成分を含むポリマーの存在下で、どちらか一方又は両方のポリマーの重合反応をさせる方法が好適に例示できる。
i)該アルコール成分は、炭素数の平均値が27以上50以下の長鎖アルキルモノアルコールを含み、該組成物(A)は炭素数の平均値が27以上50以下の脂肪族炭化水素を含有する。
ii)該酸成分は、炭素数の平均値が27以上50以下の長鎖アルキルモノカルボン酸を含み、該組成物(B)は炭素数の平均値が27以上50以下の脂肪族炭化水素を含有する。
該長鎖アルキルモノアルコールを用いた場合、安定して変性率を高めやすい。そして、該長鎖アルキルモノアルコール、該長鎖アルキルモノカルボン酸、該脂肪族炭化水素をポリエステル部位の合成反応の初期から投入することで、効率的かつ均一に該ポリエステル部位中へ該長鎖アルキル成分を取り込むことができる。
該荷電制御剤としては、アゾ系鉄錯体又は錯塩、アゾ系クロム錯体又は錯塩、アゾ系マンガン錯体又は錯塩、アゾ系コバルト錯体又は錯塩、アゾ系ジルコニウム錯体又は錯塩、カルボン酸誘導体のクロム錯体又は錯塩、カルボン酸誘導体の亜鉛錯体又は錯塩、カルボン酸誘導体のアルミ錯体又は錯塩、カルボン酸誘導体のジルコニウム錯体又は錯塩が挙げられる。該カルボン酸誘導体は、芳香族ヒドロキシカルボン酸が好ましい。
また、荷電制御剤として荷電制御樹脂を用いることもできる。
該荷電制御剤の含有量は、結着樹脂100質量部に対して、0.1質量部以上10質量部以下であることが好ましい。
イエロー着色剤としては、縮合アゾ化合物、イソインドリノン化合物、アントラキノン化合物、アゾ金属錯体、メチン化合物、アリルアミド化合物などが挙げられる。
マゼンタ着色剤としては、縮合アゾ化合物、ジケトピロロピロール化合物、アントラキノン化合物、キナクリドン化合物、塩基染料レーキ化合物、ナフトール化合物、ベンズイミダゾロン化合物、チオインジゴ化合物、ペリレン化合物などが挙げられる。
シアン着色剤としては、銅フタロシアニン化合物及びその誘導体、アントラキノン化合物、塩基染料レーキ化合物などが挙げられる。
これらの着色剤は、単独又は混合して用いることができ、さらには固溶体の状態で用いることもできる。
該磁性体としては、マグネタイト、ヘマタイト、フェライトのような酸化鉄;鉄、コバルト、ニッケルのような金属又は該金属とアルミニウム、コバルト、銅、鉛、マグネシウム、スズ、亜鉛、アンチモン、ビスマス、カルシウム、マンガン、チタン、タングステン、バナジウムのような金属の合金及びその混合物が挙げられる。
該磁性体の個数平均粒径は、0.05μm以上2.0μm以下であることが好ましく、0.06μm以上0.50μm以下であることがより好ましい。
該磁性体の含有量は、結着樹脂100質量部に対して、30質量部以上120質量部以下であることが好ましく、40質量部以上110質量部以下であることがより好ましい。
流動性向上剤としては、フッ化ビニリデン微粒子、ポリテトラフウルオロエチレン微粒子のようなフッ素系樹脂微粒子;湿式製法シリカ微粒子又は乾式製法シリカ微粒子のようなシリカ微粒子、酸化チタン微粒子、及びアルミナ微粒子などの無機微粒子、並びに該無機微粒子をシラン化合物、チタンカップリング剤、シリコーンオイルにより表面処理が施された処理無機微粒子;酸化亜鉛、酸化スズのような酸化物微粒子;チタン酸ストロンチウム、チタン酸バリウム、チタン酸カルシウム、ジルコン酸ストロンチウム、ジルコン酸カルシウムのような複酸化物微粒子;炭酸カルシウム及び炭酸マグネシウムのような炭酸塩化合物微粒子が挙げられる。
これらのうち、シリカ微粒子を疎水化処理した疎水性シリカ微粒子が好ましい。
該流動性向上剤は、BET法で測定した窒素吸着による比表面積が30m2/g以上300m2/g以下であることが好ましい。
懸濁重合法では、モノマー、重合開始剤、着色剤及び離型剤などを含むトナー組成物を、分散安定剤を含む水相中に撹拌しながら加えて油滴を形成させ、その後、昇温して重合反応を行わせることにより、トナー粒子を得る。
また、乳化凝集法では、結着樹脂などの樹脂成分を水相中で乳化分散した後、脱溶剤して得られた微粒子と、着色剤及び離型剤(ワックス)などを水相中で分散させて形成した微粒子とを凝集させ、加熱融着させることによりトナー粒子を得る。
ハイブリッド樹脂、非晶性ポリエステル樹脂及び結晶性材料、並びに、必要に応じて着
色剤などのその他の添加剤を、ヘンシェルミキサー又はボールミルのような混合機により混合する。
得られた混合物を二軸混練押出機、加熱ロール、ニーダー、又はエクストルーダーのような熱混練機を用いて溶融混練し、溶融混練物を得る。
得られた溶融混練物を冷却固化した後、粉砕し、粉砕物を得る。
得られた粉砕物に対して分級を行い、トナー粒子を得る。
混合機としては、以下のものが挙げられる。
FMミキサ(日本コークス工業株式会社製);スーパーミキサー(カワタ社製);リボコーン(大川原製作所社製);ナウターミキサー、タービュライザー、サイクロミックス(ホソカワミクロン社製);スパイラルピンミキサー(太平洋機工社製);レーディゲミキサー(マツボー社製)。
熱混練機としては、以下のものが挙げられる。
KRCニーダー(栗本鉄工所社製);ブス・コ・ニーダー(Buss社製);TEM型押し出し機(東芝機械社製);TEX二軸混練機(日本製鋼所社製);PCM混練機(池貝鉄工所社製);三本ロールミル、ミキシングロールミル、ニーダー(井上製作所社製);ニーデックス(三井鉱山社製);MS式加圧ニーダー、ニダールーダー(森山製作所社製);バンバリーミキサー(神戸製鋼所社製)。
粉砕機としては、以下のものが挙げられる。
カウンタージェットミル、ミクロンジェット、イノマイザ(ホソカワミクロン社製);IDS型ミル、PJMジェット粉砕機(日本ニューマチック工業社製);クロスジェットミル(栗本鉄工所社製);ウルマックス(日曹エンジニアリング社製);SKジェット・オー・ミル(セイシン企業社製);クリプトロン(川崎重工業社製);ターボミル(ターボエ業社製);スーパーローター(日清エンジニアリング社製)。
分級機としては、以下のものが挙げられる。
クラッシール、マイクロンクラッシファイアー、スペディッククラシファイアー(セイシン企業社製);ターボクラッシファイアー(日清エンジニアリング社製);ミクロンセパレータ、ターボプレックス(ATP)、TSPセパレータ(ホソカワミクロン社製);エルボージェット(日鉄鉱業社製)、ディスパージョンセパレータ(日本ニューマチックエ業社製);YMマイクロカット(安川商事社製)。
表面改質装置としては、以下のものが挙げられる。
ファカルティー(ホソカワミクロン社製)、メカノフュージョン(ホソカワミクロン社製)、ノビルタ(ホソカワミクロン社製)、ハイブリダイザー(奈良機械社製)、イノマイザ(ホソカワミクロン社製)、シータコンポーザ(徳寿工作所社製)、メカノミル(岡田精工社製)。
粗粒子をふるい分けるために用いられる篩い装置としては、以下のものが挙げられる。
ウルトラソニック(晃栄産業社製);レゾナシーブ、ジャイロシフター(徳寿工作所社);バイブラソニックシステム(ダルトン社製);ソニクリーン(新東工業社製);ターボスクリーナー(ターボエ業社製);ミクロシフター(槙野産業社製);円形振動篩い。
また、該トナーの軟化点(Tm)は、90.0℃以上120.0℃以下であることが好ましく、100.0℃以上115.0℃以下であることがより好ましい。
<樹脂などの構造決定>
樹脂などの構造決定は以下の手法を用いる。
日本電子(株)製ECA−400(400MHz)を用い、1H−NMR、及び、13C−NMRのスペクトル測定を行う。
内部標準物質としてテトラメチルシランを含む重水素化溶剤中、25℃で測定を行う。
化学シフト値は内部標準物質であるテトラメチルシランを0としたppmシフト値(δ値)として示す。
長鎖アルキル成分の炭素数分布は、ガスクロマトグラフィー(GC)により、以下のようにして測定する。
サンプル10mgを精秤し、サンプルビンに入れる。このサンプルビンに精秤した10gのヘキサンを加えてフタをした後、ホットプレートで150℃に加温して混合する。
その後、長鎖アルキル成分が析出してこないようすばやくガスクロマトグラフィーの注入口へこのサンプルを注入して、下記測定装置及び測定条件で分析を行う。
横軸を炭素数、縦軸をシグナルの強度とするチャートを得る。次いで、得られたチャートにおいて、検出された全ピークのトータルの面積に対する各炭素数成分のピークの面積の割合を算出し、これを各炭化水素化合物の存在比率(面積%)とする。そして、横軸に炭素数、縦軸に炭化水素化合物の存在比率(面積%)を取り、炭素数分布チャートを作成する。
そして、炭素数分布チャートのピークトップの炭素数を、炭素数の平均値とする。
・GC:HP社 6890GC
・カラム:ULTRA ALLOY−1 P/N:UA1−30M−0.5F(フロンティア・ラボ社製)
・キャリアーガス:HE
・オーブン:
(1)温度100℃で5分ホールド
(2)30℃/分で温度360℃まで昇温
(3)温度360℃で60分ホールド
・注入口:温度300℃
・初期圧力:10.523PSI
・スプリット比:50:1
・カラム流量:1mL/min
溶解度パラメータ(SP値)とは、「接着(40巻8号、1996、p342−350;高分子刊行会発行)」において、沖津俊直(おきつとしなお)によって示された、下記式(I)により算出される値(δ)である。
δ=ΣΔF/ΣΔv (I)
式(I)中、ΔFは、各原子団のモル引力定数を表し、Δvは、各原子団のモル容積(1モル当りの容積)を表し、それぞれ具体的な値は下記表1に示す通りである。
また、混合物(混合溶剤など)のSP値を計算する場合には、各成分の溶解度パラメータとモル分率の積を計算し、その総和で求めることができる。具体的には式(II)によって算出される。
δmix=φ1δ1+φ2δ2+・・・+φnδn (II)
式(B)中、φnはn番目の成分のモル分率であり、δnはn番目の成分の溶解度パラメータであり、φ1+φ2+・・・+φn=1である。
ヘプタンは、原子団として、−CH3を2個、−CH2−を5個有する。表1に記載された各原子団の値に基づいて、ΣΔF、ΣΔvを計算すると以下のようになる。
ΣΔF=205×2+132×5=1070
ΣΔv=31.8×2+16.5×5=146.1
従って、上記式(I)よりヘプタンのSP値は、以下のように算出される。
δ=ΣΔF/ΣΔv=1070/146.1=7.32
トナーの吸熱ピークのピーク温度及びピーク面積は、示差走査熱量計「Q1000」(TA Instruments社製)を用いて、ASTM D3418−82に準じて測定する。
装置検出部の温度補正はインジウムと亜鉛の融点を用い、熱量の補正についてはインジウムの融解熱を用いる。
具体的には、試料約5mgを精秤し、これをアルミニウム製のパンの中に入れ、リファレンスとして空のアルミニウム製のパンを用いる。
測定範囲は、20〜220℃とし、昇温速度10℃/minで測定を行う。
なお、測定においては、一度、20℃から220℃まで昇温速度10℃/minで昇温し、続いて220℃から20℃まで降温速度10℃/minで降温する。
その後、20℃から220℃まで昇温速度10℃/minで再度昇温を行う。
該2回目の昇温時の20〜220℃の範囲におけるDSC曲線(温度−吸熱量曲線)の吸熱ピークから、吸熱ピークのピーク温度及びピーク面積を算出する。
トナーをメチルエチルケトン(MEK)中に入れ、25℃で数時間放置した後、十分振とうし、トナーとMEKをよく混ぜ、試料の合一体が無くなるまで、さらに12時間以上静置する。
得られた溶液を3500rpmで20分間遠心分離(遠心機「H−18」、株式会社コクサン社)した後、固形分を回収し、乾固する。
乾固したサンプルを75℃の加温下でMEKに溶解し、遠心分離によって分離した上澄み液から、結晶性樹脂を得る。
一方、トナーからヘキサン溶媒を使用したソックスレー抽出によってワックスが抽出できる。
得られた結晶性樹脂又はワックスを、上記示査走査熱量計を用い、上記方法で吸熱ピークを測定し、得られた吸熱ピークとトナーの吸熱ピークを比較することにより、結晶性材料に由来する吸熱ピークを同定する。
また、上記DSC曲線(温度−吸熱量曲線)において、比熱変化が出る前と出た後のベースラインを延長した直線から縦軸方向に等距離にある直線と、DSC曲線における階段状変化部分の曲線とが交わる点の温度を、試料のガラス転移温度(Tg;単位℃)とする。
軟化点(Tm)は、定荷重押し出し方式の細管式レオメータ「流動特性評価装置 フローテスターCFT−500D」(島津製作所社製)を用いて測定する。
該CFT−500Dは、上部からピストンによって一定荷重を加えつつ、シリンダに充填した測定試料を昇温させて溶融してシリンダ底部の細管孔から押し出し、この際のピストンの降下量(mm)と温度(℃)から流動曲線をグラフ化する装置である。
本発明においては、「流動特性評価装置 フローテスターCFT−500D」に付属のマニュアルに記載の「1/2法における溶融温度」を軟化点(Tm)とする。
なお、1/2法における溶融温度とは、次のようにして算出されたものである。
まず、流出が終了した時点におけるピストンの降下量(流出終了点、Smaxとする)と、流出が開始した時点におけるピストンの降下量(最低点、Sminとする)との差の1/2を求める(これをXとする。X=(Smax−Smin)/2)。そして、ピストンの降下量がXとSminの和となるときの流動曲線の温度を、1/2法における溶融温度とする。
測定試料は、1.0gの試料を、25℃の環境下で、錠剤成型圧縮機(標準手動式ニュートンプレス NT−100H、エヌピーエーシステム社製)を用いて10MPaで、60秒間圧縮成型し、直径8mmの円柱状としたものを用いる。
測定における具体的な操作は、装置に付属のマニュアルに従って行う。
CFT−500Dの測定条件は、以下の通りである。
試験モード:昇温法
開始温度:50℃
到達温度:200℃
測定間隔:1.0℃
昇温速度:4.0℃/min
ピストン断面積:1.000cm2
試験荷重(ピストン荷重):10.0kgf(0.9807MPa)
予熱時間:300秒
ダイの穴の直径:1.0mm
ダイの長さ:1.0mm
結晶性材料の分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用い、以下のようにして測定する。
先ず、試料50mgをクロロホルム5mLに入れ、25℃で数時間放置した後、十分振とうし、クロロホルムとよく混ぜ、試料の合一体が無くなるまで、さらに24時間以上静置する。
そして、得られた溶液を、ポア径が0.5μmの耐溶剤性メンブランフィルター「マイショリディスク H−25−5」(東ソー社製)で濾過してサンプル溶液を得る。
このサンプル溶液を用いて、以下の条件で測定する。
装置:高速GPC装置「Labsolutions GPC」(島津製作所製)
カラム:PLgel 5μm MIXED−C 300mm×7.5mm(Agilent Technologies製):2本、PLgel 5μm Guard 50mm×7.5mm(Agilent Technologies製):1本
溶離液:クロロホルム
流速:1.0mL/min
オーブン温度:45℃
試料注入量:60μL
検出器:RI(屈折率)検出器
試料の分子量は、標準ポリスチレン樹脂(商品名「TSKスタンダード ポリスチレン
F−850、F−450、F−288、F−128、F−80、F−40、F−20、F−10、F−4、F−2、F−1、A−5000、A−2500、A−1000、A−500」、東ソ−社製)を用いて作成された分子量校正曲線を使用し、重量平均分子量(Mw)、数平均分子量(Mn)及びピーク分子量(Mp)を算出する。
結晶性材料の融点は、示差走査熱量分析装置「Q1000」(TAインストルメント社製)を用いて、ASTM D3418−82に準じて測定する。
装置検出部の温度補正はインジウムと亜鉛の融点を用い、熱量の補正についてはインジウムの融解熱を用いる。
具体的には、試料5mgを精秤し、これを銀製のパンの中に入れ、リファレンスとして空の銀製のパンを用い、測定開始温度20℃から測定終了温度180℃まで、昇温速度10℃/minで、1回の測定を行う。この1度目の昇温過程での温度20℃以上180℃以下の範囲におけるDSC曲線の最大吸熱ピークのピーク温度を求める。
該最大吸熱ピークのピーク温度を融点(℃)とする。
炭素数の平均値が35の脂肪族炭化水素1200部をガラス製の円筒型反応容器に入れ、硼酸38.5部を温度140℃で添加した。その後、直ちに空気50容量%と窒素50容量%の酸素濃度約10容量%の混合ガスを毎分20リットルの割合で吹き込み、200℃で3.0時間反応させた。反応後、反応液に温水を加え、95℃で2時間加水分解を行い、静置後上層の反応物を得た。該反応物20部をn−ヘキサン100部に加え、未変性成分を溶解除去して、長鎖アルキルモノマー1を得た。なお、長鎖アルキルモノマー1は、アルコールに転化されなかった脂肪族炭化水素を含有する。
脂肪族炭化水素を炭素数の平均値が48の脂肪族炭化水素に変更した以外は長鎖アルキルモノマー1の製造例と同様にして、長鎖アルキルモノマー2を得た。なお、長鎖アルキルモノマー2は、アルコールに転化されなかった脂肪族炭化水素を含有する。
脂肪族炭化水素を炭素数の平均値が27の脂肪族炭化水素に変更した以外は長鎖アルキルモノマー1の製造例と同様にして、長鎖アルキルモノマー3を得た。なお、長鎖アルキルモノマー3は、アルコールに転化されなかった脂肪族炭化水素を含有する。
・ビスフェールAプロピレンオキサイド(2.3mol)付加物 50.0mol部
・ビスフェールAエチレンオキサイド(2.0mol)付加物 50.0mol部
・テレフタル酸 10.0mol部
上記材料に加えて、長鎖アルキルモノマー1を樹脂全体に対して5.0質量%になるように添加した混合物96部を4口フラスコに仕込み、減圧装置、水分離装置、窒素ガス導入装置、温度測定装置及び攪拌装置を装着して窒素雰囲気下にて160℃で攪拌する。
そこに、ビニル共重合体部位を構成するビニル系モノマー(スチレン:10.0部、アクリル酸−2−エチルヘキシル:90.0部)4部と重合開始剤としてベンゾイルパーオキサイド2.0部を混合したものを滴下ロートから4時間かけて滴下した。
その後、160℃で5時間反応した後、230℃に昇温してテトライソブチルチタネートを0.05質量%添加し、所望の軟化点となるように反応時間を調節した。
反応終了後容器から取り出し、冷却、粉砕してハイブリッド樹脂組成物1を得た。得られたハイブリッド樹脂組成物1の物性を表2に示す。
また、ハイブリッド樹脂組成物1において、ポリエステル部位とビニル共重合体部位の質量比が96:4であること、該ビニル共重合体部位中の、該アクリル酸−2−エチルヘキシルの含有量が、90質量%であることを確認した。
BPA−PO:ビスフェノールAのプロピレンオキサイド(2.3mol)付加物
BPA−EO:ビスフェノールAのエチレンオキサイド(2.0mol)付加物
TPA :テレフタル酸
IPA :イソフタル酸
TMA :無水トリメリット酸
AA :アジピン酸
FA :フマル酸
ST :スチレン
2−EHA :アクリル酸−2−エチルヘキシル
X :ビニル共重合体部位中の、式(1)で表される化合物由来のモノマーユニットの添加量(質量%)
Tg :ガラス転移温度(単位:℃)
Tm :軟化点(単位:℃)
ハイブリッド樹脂組成物1の製造例において、ポリエステルモノマー、長鎖アルキルモノマー及びビニル共重合体モノマーの種類と添加量を表2の記載に変更した以外は同様にして、ハイブリッド樹脂組成物2〜17を得た。得られたハイブリッド樹脂組成物2〜17の物性を表2に示す。
・エチレングリコール 54.0mol部
・ネオペンチルグリコール 45.0mol部
・テレフタル酸 107.0mol部
・無水トリメリット酸 1.0mol部
上記ポリエステルモノマーを4口フラスコに仕込み、減圧装置、水分離装置、窒素ガス導入装置、温度測定装置及び撹拌装置を装着して窒素雰囲気下にて160℃で撹拌し重縮合反応を行った。所望の軟化点になるように反応時間を調整した。
反応終了後容器から取り出し、冷却、粉砕して非晶性ポリエステル樹脂1を得た。得られた非晶性ポリエステル樹脂1の物性を表3に示す。
また、非晶性ポリエステル樹脂1において、ジオールに由来するモノマーユニット中の、直鎖脂肪族ジオールに由来するモノマーユニットの含有量が、54.5mol%であることを確認した。
BPA−PO:ビスフェノールAのプロピレンオキサイド(2.3mol)付加物
BPA−EO:ビスフェノールAのエチレンオキサイド(2.0mol)付加物
EG :エチレングリコール
NPG :ネオペンチルグリコール
AA :アクリル酸
TPA :テレフタル酸
IPA :イソフタル酸
TMA :無水トリメリット酸
Tg :ガラス転移温度(単位:℃)
Tm :軟化点(単位:℃)
SP :SP値、単位(cal/cm3)1/2
Y :ジオールに由来するモノマーユニット中の、直鎖脂肪族ジオールに由来するモノマーユニットの添加量(mol%)
非晶性ポリエステル樹脂1の製造例において、ポリエステルモノマーの種類と添加量を表3の記載に変更した以外は同様にして、非晶性ポリエステル樹脂2〜7を得た。得られた非晶性ポリエステル樹脂2〜7の物性を表3に示す。
・1,12−ドデカンジオール 100.0mol部
・セバシン酸 100.0mol部
上記モノマー及び、モノマー総量に対して1.0質量%のジブチル錫オキシドを、窒素導入管、脱水管、撹拌装置及び熱電対を装備した10Lの四つ口フラスコに入れ、180℃で4時間反応させた。その後、10℃/1時間で210℃まで昇温し、210℃で8時間保持した。その後、210℃で8.3kPaにて60分間反応させることにより、結晶性材料1(結晶性ポリエステル樹脂)を得た。結晶性材料1の物性を表4に示す。
結晶性樹脂1の製造例において、モノマーの種類を表4の記載に変更した以外は同様にして、結晶性材料2〜8を得た。得られた結晶性材料2〜8の物性を表4に示す。
・ハイブリッド樹脂組成物1 70.0部
・非晶性ポリエステル樹脂1 30.0部
・磁性酸化鉄粒子(個数平均粒径=0.20μm) 90.0部
・結晶性材料1 4.0部
・離型剤 2.0部
(フィッシャートロプッシュワックス、サゾール社製、C105、
SP値 8.40(cal/cm3)1/2、融点105℃)
・荷電制御剤(T−77:保土谷化学工業社製) 2.0部
上記材料をFMミキサ(日本コークス工業株式会社製)で前混合した後、二軸混練押し出し機を用い、120℃で、溶融混練した。
得られた混練物を冷却し、ハンマーミルで粗粉砕した後、機械式粉砕機(ターボ工業(株)製T−250)で微粉砕した。
得られた微粉砕物を、コアンダ効果を利用した多分割分級機を用いて分級し、重量平均粒径(D4)6.7μmの負帯電性の原料トナー粒子を得た。
該原料トナー粒子を、表面改質装置ファカルティー(ホソカワミクロン社製)で表面改質処理を行った。その際、分散ローターの回転周速を150m/secとし、原料トナー粒子の投入量を1サイクル当たり7.6kgとし、表面改質時間(=サイクルタイム、原料供給が終了してから排出弁が開くまでの時間)を82secとした。また原料トナー粒子排出時の温度は40℃であった。
以上の工程を経てトナー粒子1を得た。
100部のトナー粒子1に対して、疎水性シリカ微粒子1.0部とチタン酸ストロンチウム微粒子0.6部とをFMミキサ(日本コークス工業株式会社製FM−75型)で混合した。その後、目開き150μmのメッシュで篩い、トナー1を得た。トナー1の物性を表5に示す。
なお、該疎水性シリカ微粒子は、BET比表面積150m2/gのシリカ微粒子100部に対してヘキサメチルジシラザン(HMDS)30部及びジメチルシリコンオイル10部で疎水化処理したものである。
また、該チタン酸ストロンチウム微粒子のメジアン径(D50)は1.0μmである。
トナー1の製造例において、ハイブリッド樹脂組成物、非晶性ポリエステル樹脂及び結晶性材料の種類と添加量を表5の記載に変更した以外は同様にして、トナー2〜29、32、33を得た。トナー2〜29、32、33の物性を表5に示す。
トナー1の製造例において、離型剤の添加量を4.0部に変更し、ハイブリッド樹脂組成物、非晶性ポリエステル樹脂及び結晶性材料の種類と添加量を表5の記載に変更した以外は同様にして、トナー30を得た。トナー30の物性を表5に示す。
トナー1の製造例において、離型剤の添加量を5.0部に変更し、ハイブリッド樹脂組成物、非晶性ポリエステル樹脂及び結晶性材料の種類と添加量を表5の記載に変更した以外は同様にして、トナー31を得た。トナー31の物性を表5に示す。
Tg :ガラス転移温度(単位:℃)
Tm :軟化点(単位:℃)
SP :SP値、単位(cal/cm3)1/2
A :トナーの示差走査熱量計により測定される、2回目の昇温時のDSC曲線における結晶性材料に由来する吸熱ピークのピーク温度(単位:℃)
B :トナーの示差走査熱量計により測定される、2回目の昇温時のDSC曲線における結晶性材料に由来する吸熱ピークのピーク面積(単位:J/g)
PPW1:ポリプロピレンワックス(融点80℃)
PPW2:ポリプロピレンワックス(融点140℃)
トナー1を用いて、下記評価を実施した。評価結果を表6に示す。
評価は図1に示した汲み上げ現像方式のプロセスカートリッジを用いて行った。
ここで、該プロセスカートリッジの構成部材は以下の通りとした。
現像スリーブ105は、直径14mmの非磁性アルミスリーブを用いた。
該現像スリーブ105の表面は、トナーの搬送及びトリボ付与を行うために導電性粒子を含有する樹脂層でコートしたものを用いた。
該現像スリーブ105は、感光ドラムに対し1.0倍の周速度で駆動されており、周速400mm/secで駆動される。
マグネット106としては、その周方向にN極とS極とが交互に配置された4極のマグネットロールが使用され、該現像スリーブ105内部に固定的に配置した。
なお、107aは弾性ブレード、107bは支持板金、108は現像部を表す。
上記に設定されたプロセスカートリッジに対して、トナー700gを充填し、感光ドラムと現像スリーブを上記周速で駆動できるよう改造したHP Laser Jet Enterprise M609dn(HP Inc.)を用いて、以下の評価を行った。
該評価機の定着器の温度を170℃以上220℃以下の範囲で5℃おきに温調制御を行い、フォックスリバー社製ボンド紙(坪量105g/m2)に画像濃度が0.60〜0.65となるようにハーフトーン画像を出力した。
得られた画像を4.9kPaの荷重をかけたシルボン紙で5往復摺擦し、摺擦前後の画像濃度の濃度低下率を測定した。
定着器の設定温度を横軸に、濃度低下率を縦軸にして座標平面にプロットし、全てのプロットを直線で繋ぎ、濃度低下率10%の時の定着器の設定温度をトナーの定着開始温度とし、下記の基準により低温定着性を評価した。
定着開始温度が低い方が、低温定着性が良いことを示す。なお、低温定着性の評価はトナーの熱定着に対し不利な条件である低温低湿環境下(7.5℃/15%RH)で行った。
(評価基準)
A:定着開始温度が180℃未満
B:定着開始温度が180℃以上185℃未満
C:定着開始温度が185℃以上190℃未満
D:定着開始温度が190℃以上
ホットオフセットは、評価機の定着器の温度を任意に設定できるように改造し、定着器の温度190℃以上240℃以下の範囲で5℃おきに温調して、普通紙(秤量75g/m2)紙にベタ黒画像を出力した。
得られた画像上のオフセット現象による汚れを目視で確認し、汚れが発生した最も低い温度をもってホットオフセットを評価した。ホットオフセットが発生する温度が高いほど優れている。
(評価基準)
A:ホットオフセットの発生が230℃以上
B:ホットオフセットの発生が225℃以上230℃未満
C:ホットオフセットの発生が220℃以上225℃未満
D:ホットオフセットの発生が220℃未満
普通紙(秤量75g/m2)にベタ黒画像を100枚ずつ片面連続で出力した。
得られた画像上の定着ムラを目視で確認し、下記評価基準で判断した。
定着ムラとは、過剰溶融したトナーが紙の繊維中に吸入され繊維の凹凸に応じたパターンを画像上に形成する現象である。
(評価基準)
A:100枚全てに定着ムラの発生箇所が無い
B:100枚中、1〜5枚に定着ムラの発生箇所が有る
C:100枚中、6〜10枚に定着ムラの発生箇所が有る
D:100枚中、11枚以上に定着ムラの発生箇所が有る
実施例1において、トナー1をトナー2〜33にそれぞれ変更すること以外は、同様にして評価を実施した。結果を表6に示す。
Claims (7)
- ハイブリッド樹脂組成物、非晶性ポリエステル樹脂、及び結晶性材料を含有するトナー粒子を有するトナーであって、
該ハイブリッド樹脂組成物が、ポリエステル部位及びビニル共重合体部位を有するハイブリッド樹脂を含有し、
該ハイブリッド樹脂中の該ポリエステル部位の含有量が、85質量%以上98質量%以下であり、
該非晶性ポリエステル樹脂の溶解度パラメータが、10.20(cal/cm3)1/2以上12.34(cal/cm3)1/2以下であることを特徴とするトナー。 - 前記ハイブリッド樹脂組成物が、
炭素数の平均値が27以上50以下の長鎖アルキルモノアルコールのアルコール残基、及び炭素数の平均値が27以上50以下の長鎖アルキルモノカルボン酸のカルボン酸残基の少なくとも一方の残基を末端に有するポリエステル部位及びビニル共重合体部位を有するハイブリッド樹脂、並びに
炭素数の平均値が27以上50以下の脂肪族炭化水素
を含有する、請求項1に記載のトナー。 - 前記ハイブリッド樹脂組成物中の、前記残基及び前記脂肪族炭化水素の合計の含有量が、2.5質量%以上10.0質量%以下である、請求項2に記載のトナー。
- 前記ビニル共重合体部位が、スチレン化合物由来のモノマーユニット及び下記式(1)で表される化合物由来のモノマーユニットを有し、
該ビニル共重合体部位中の、該式(1)で表される化合物由来のモノマーユニットの含有量が、50質量%以上100質量%未満である、請求項1〜3のいずれか1項に記載のトナー。
CH2=CR1COOR2 (1)
(式(1)中、R1は水素原子又はメチル基を表し、R2は炭素数1〜12のアルキル基又は炭素数1〜12のヒドロキシアルキル基を表す。) - 前記結晶性材料の溶解度パラメータが、9.40(cal/cm3)1/2以上13.40(cal/cm3)1/2未満である、請求項1〜4のいずれか1項に記載のトナー。
- 前記トナーの示差走査熱量計により測定される、2回目の昇温時のDSC曲線において、
前記結晶性材料に由来する吸熱ピークのピーク温度が、70℃以上130℃以下であり、
該吸熱ピークのピーク面積が、0.30J/g以上5.30J/g以下である、請求項1〜5のいずれか1項に記載のトナー。 - 前記非晶性ポリエステル樹脂が、ジオールに由来するモノマーユニット及びジカルボン酸に由来するモノマーユニットを有し、
該ジオールに由来するモノマーユニット中の、直鎖脂肪族ジオールに由来するモノマーユニットの含有量が、30.0mol%以上92.1mol%以下である、請求項1〜6のいずれか1項に記載のトナー。
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