JP3829451B2 - 情報入力装置 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、コンピュータのキーボードインタフェースとキーボード等の入力機器との間に接続される情報入力装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、バーコードスキャナ(バーコードリーダ)や磁気カードリーダ等のキーボード以外の入力機器を、パーソナルコンピュータ(以下、パソコンという)のキーボードインタフェースとキーボードとの間に接続する技術が考えられている(例えば、特許第2595221号公報)。
【0003】
そして、近年、パソコンのキーボードインタフェースとキーボード等の他の入力機器との間に接続して使用することのできるバーコードスキャナや磁気カードリーダ等の入力機器(以下、中間入力機器という)が製品化されている。
つまり、この種の中間入力機器は、パソコンのキーボードインタフェースに接続される第1の通信インタフェースと、キーボード等の他の入力機器にパソコンのキーボードインタフェースに代えて接続される第2の通信インタフェースと、バーコードラベルや磁気カード等から情報を取得する入力部とを備えており、パソコンに入力すべき情報を上記他の入力機器から通信によって取得すると共に、その入力機器からの情報を表す信号と、自己の入力部によって取得したバーコード等の情報を表す信号とを、予め定められた調停規則に従いパソコンのキーボードインタフェースへ択一的に送信するよう構成されている。
【0004】
そして、このような中間入力機器を用いれば、当該中間入力機器の入力部と、当該中間入力機器の後段に接続された入力機器との両方から、コンピュータに情報を入力することができるようになる。例えば、中間入力機器の入力部がバーコードを読み取るバーコード読取部であり、後段に接続される入力機器がキーボードであれば、コンピュータに対して、バーコードの入力とキーボードによるキー入力との両方を行うことができるようになる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記のような中間入力機器においては、それを購入した使用者がパソコンのキーボードインタフェースとキーボードとの間に接続した場合に、キーボードからの入力ができなくなってしまう等の不具合が生じることがあった。
【0006】
つまり、中間入力機器は、本来そこに接続されるべきキーボードのまねをしてパソコンと通信を行うのであるが、通常、中間入力機器のパソコンに対する通信仕様は、その出荷時において、パソコンとキーボードとの間の一般的と思われる通信仕様に初期設定されている。
【0007】
このため、客先で実際に使用されているキーボードの型式等が、中間入力機器の出荷時に予想されていたものと異なっていたり、或いは、パソコンとキーボードとの間の通信仕様が客先で独自に拡張されていたりした場合には、中間入力機器のパソコンに対する通信仕様が、パソコンとキーボードとの間の本来の通信仕様と異なってしまい、例えば、コンピュータが特定のコマンドを送信したときに、中間入力機器がキーボードと同じ内容又は同じタイミングで応答を返すことができなくなる。そして、その結果、キーボードからの入力が確実にできなくなる等の不具合が生じてしまうのである。
【0008】
具体例を挙げると、一般に、パソコンは、自己が送信する種々のコマンドに対するキーボードからの応答内容に基づき、キーボードインタフェースに接続されているキーボードの型式や入力モード(カナ入力(カナロック)や英字大/小文字入力(CAPSロック))等を判断する。よって、例えば、パソコンがキーボードの型式を示すデータを要求するためのコマンドを送信したときに、中間入力機器が後段に接続されたキーボードとは異なる型式を示す応答データをパソコンへ返送してしまうと、中間入力機器がキーボードからのデータをそのままパソコンへ送信するように構成されている場合に、パソコンは、キーボードからのデータを正確に解読することができなくなってしまう。
【0009】
同様に、パソコンがキーボードとの間で固有に定められているコマンドを送信したときに、中間入力機器がそのコマンドに対して応答することができないと、パソコンが、キーボードの特定のキー入力を無効にしてしまったり、そのキー入力を他の情報と取り違えて認識してしまったりする不具合が起こる。
【0010】
また、パソコンがコマンドを送信してから中間入力機器が応答を返すまでの時間が、本来接続されるキーボードの応答時間と異なっていると、パソコンが、キーボードインタフェースを介したデータ入力処理を正常に行えない場合もある。そこで、従来より、上記のような通信仕様の相違(つまり、パソコンとキーボードとの間の本来の通信仕様と、中間入力機器のパソコンに対する通信仕様との相違)による通信障害が生じた場合には、中間入力機器のコンピュータに対する適切な通信仕様(延いては、中間入力機器やパソコンの通信仕様を如何に変更すれば良いか)を、オシロスコープ等の測定器を用いて究明するようにしていた。
【0011】
しかしながら、客先等でのメンテナンスサービスにおいて、オシロスコープ等の測定器を持ち歩くことは容易でなく、その上、こうした測定器によって通信障害の原因を究明することは、非常に困難であった。
つまり、オシロスコープ等の測定器を用いる場合には、パソコンと中間入力機器との間の各信号線と、中間入力機器とキーボードとの間の各信号線とに、測定器のプローブを順次接続して、どの機器からどの機器へどの様な波形の信号が出ているかを調査することとなる。ところが、そのような調査で得られる信号波形のみから、中間入力機器のコンピュータに対する適切な通信仕様を究明するには、極めて詳細な知識が必要であり、また、信号線に任意の信号を与えてみる、といった試みを行うことができないからである。
【0012】
一方、例えば、パソコン側で通信テスト用のソフトウェアを実行させることにより、パソコンから中間入力機器へ任意の信号を送信させると共に、その信号に対する中間入力機器の応答状態をパソコンがディスプレイに表示させる、といった手法も考えられるが、十分な検証を行うことはできない。
【0013】
即ち、この手法では、パソコンからの信号に対する中間入力機器の応答状態が分かるだけであり、中間入力機器やパソコンの通信仕様をどの様に変更すれば良いかは分からない。
しかも、パソコン側で通信テスト用のソフトウェアを実行させてしまうと、パソコンの動作環境が、本来のアプリケーションソフトが実行される動作環境とは異なってしまい、もはや、通信テストの意味が無くなってしまう。つまり、実際の動作環境での通信テストを行うことができないのである。
【0014】
その上、このような場合には、キーボードからのキー入力が不能になっていることが多く、通信テスト用のソフトウェアをキーボードによって操作することができない。
尚、こうした問題は、中間入力機器の後段にキーボード以外の入力機器が接続される場合についても同様である。
【0015】
本発明は、こうした問題に鑑みなされたものであり、コンピュータのキーボードインタフェースとキーボード等の入力機器との間に接続される情報入力装置であって、コンピュータに対する適切な通信仕様を容易に且つ確実に調べることができる情報入力装置を提供することを目的としている。
【0016】
【課題を解決するための手段、及び発明の効果】
上記目的を達成するためになされた請求項1に記載の本発明の情報入力装置は、第1の通信インタフェースがコンピュータのキーボードインタフェースに接続され、第2の通信インタフェースがキーボード等の他の入力機器に接続されることにより、コンピュータのキーボードインタフェースと前記他の入力機器との間に接続される。
【0017】
ここで、本発明の情報入力装置では、切替手段が、当該装置の動作モードを、外部指令に応じて通常モードと通信テストモードとに切り替える。そして、この情報入力装置は、その動作モードが通常モードであれば、コンピュータに入力すべき情報を前記他の入力機器から第2の通信インタフェースを介して取得すると共に、その取得した入力機器からの情報を表す信号と、自己の入力部により取得された情報を表す信号とを、第1の通信インタフェースを介してコンピュータへ択一的に送信する。
【0018】
そして特に、本発明の情報入力装置では、切替手段によって当該装置の動作モードが通信テストモードに切り替えられた場合に、通信テスト手段が、コンピュータと前記入力機器との間の通信仕様を調査するための処理を行い、報知手段が、通信テスト手段による処理結果を使用者に対して報知する。
【0019】
尚、使用者とは、当該情報入力装置を用いるユーザーだけではなく、不具合に対するメンテナンスを行う作業者(サービスマン等)を含むものである。
ところで、通信テスト手段が行う処理(即ち、コンピュータと前記入力機器との間の通信仕様を調査するための処理)としては、例えば、下記の▲1▼〜▲7▼等の処理が考えられる。
【0020】
▲1▼:コンピュータから発信される発信信号(各種コマンド)を記憶する処理。
▲2▼:上記▲1▼で記憶したコンピュータからの発信信号を後段の入力機器に送信して、その信号に対する前記入力機器の応答データを記憶する処理。
▲3▼:上記▲1▼から▲2▼までの、一連の応答シーケンス時間を測定する処理。
【0021】
▲4▼:特定のコマンドを後段の入力機器に送信して、その信号に対する前記入力機器の応答データを記憶する処理。
▲5▼:後段の入力機器へ送信開始要求を送信し、その後、その入力機器が応答を返して来るまでの応答時間を測定する処理。
【0022】
▲6▼:後段の入力機器へ送信停止要求を送信し、その後、その入力機器が送信を止めるまでの応答時間を測定する処理。
▲7▼:後段の入力機器へパリティエラーやフレームエラーを有するデータを故意に送信して、そのデータに対する前記入力機器の受理特性(そのまま受け取る,無視する,或いは,再送要求を出して来る等)を判別する処理。
【0023】
そして、上記▲1▼〜▲7▼等の処理結果が、報知手段により使用者に対して報知されることとなり、使用者は、例えば上記▲1▼の処理結果により、コンピュータから入力機器へ、どの様なコマンドが送信されているのかを知ることができる。また、使用者は、上記▲2▼,▲4▼,▲7▼の処理結果により、コンピュータから送信される各種信号に対して入力機器がどの様に応答するかを知ることができ、上記▲3▼,▲5▼,▲6▼の処理結果により、コンピュータから送信される各種信号に対する入力機器の応答時間を知ることができる。よって、使用者は、このような通信テスト手段による処理結果から、コンピュータと入力機器との間の本来の通信仕様を特定することができるようになる。
【0024】
このため、本発明の情報入力装置をコンピュータのキーボードインタフェースと他の入力機器との間に接続した際に、通信障害による不具合が生じた場合には、当該情報入力装置の動作モードを、切替手段により通信テストモードに切り替えさせて、通信テスト手段を作動させれば良い。
【0025】
つまり、報知手段によって報知される通信テスト手段の処理結果から、コンピュータと入力機器との間の本来の通信仕様を特定することができるため、当該情報入力装置が後段の入力機器に成り代わってコンピュータと通信を行うためには、当該情報入力装置のコンピュータに対する通信仕様をどの様に変更すべきか、といった不具合対策が分かるからである。
【0026】
このような本発明の情報入力装置によれば、自らが、コンピュータと後段の入力機器との間の通信仕様を調査するための処理を行って、その処理結果を報知するように構成されているため、オシロスコープ等の測定器を用いなくても、通信障害の原因を究明することができるようになる。このため、客先等でのメンテナンスサービスが非常に容易となる。
【0027】
そして更に、当該情報入力装置自身がコンピュータと入力機器との間の通信仕様を調査するための処理を行うことから、コンピュータ側や後段の入力機器側へ任意の信号を送信してみる、といった通信テストを行うことができるようになり、通信障害の原因を効率的に究明することができるようになる。しかも、当該情報入力装置が実際に使用される動作環境(つまり、コンピュータが本来のアプリケーションソフトを実行する実際の動作環境)のままで、コンピュータと入力機器との間の通信仕様を調べることができる。
【0028】
よって、本発明の情報入力装置によれば、通信障害による不具合が発生した場合に、当該装置のコンピュータに対する適切な通信仕様を、容易に且つ確実に調べることができる。
次に、請求項2に記載の情報入力装置では、通信テスト手段が、入力部により取得される測定指示情報に応じて、第2の通信インタフェースから前記入力機器へ信号を送信すると共に、その信号に対する前記入力機器の応答状態を検出する処理を、コンピュータと入力機器との間の通信仕様を調査するための処理として行うように構成されている。
【0029】
つまり、請求項2に記載の情報入力装置では、入力部を介して測定指示情報が与えられると、その測定指示情報によって示される信号を第2のインタフェースから入力機器へ送信し、その信号に対する入力機器の応答状態のうちで、上記測定指示情報によって示される応答状態を検出するようにしている。そして、その検出された応答状態は、報知手段により使用者に対して報知されることとなる。
【0030】
尚、入力機器の応答状態とは、入力機器が返送して来る応答データの内容や、入力機器が応答するまでの応答時間等である。
このような請求項2に記載の情報入力装置によれば、当該装置から後段の入力機器へ所望の信号を送信して、その信号に対する入力機器の所望の応答状態を知ることができる。よって、後段に接続された入力機器の通信動作、延いては、コンピュータと入力機器との間の本来の通信仕様を、より効率的に調べることができ、通信障害が生じた際の原因究明を速やかに行うことができるようになる。
【0031】
ところで、請求項1,2に記載の情報入力装置において、報知手段は、請求項3に記載の如く、通信テスト手段による処理結果をコンピュータの表示装置に表示させるための信号を、第1の通信インタフェースからコンピュータへ送信することにより、前記処理結果の報知を行うように構成することができる。
【0032】
つまり、請求項3に記載の情報入力装置では、通信テスト手段による処理結果を、コンピュータの表示装置(ディスプレイ)に表示させるようにしている。そして、この情報入力装置によれば、特別な表示手段を設けなくても、通信テスト手段による処理結果を使用者に対して報知することができ、有利である。
【0033】
また、請求項1,2に記載の情報入力装置において、報知手段は、請求項4に記載の如く、通信テスト手段による処理結果を当該装置に設けられた表示手段に表示することにより、前記処理結果の報知を行うように構成しても良い。そして、この情報入力装置によれば、当該装置とコンピュータとの間の通信障害の程度に拘らず通信テスト手段による処理結果を使用者に対して報知できる、という点で有利である。
【0034】
尚、当該装置に設ける表示手段としては、文字等を表示可能なものが最適であるが、例えば、通信テスト手段が前述した▲7▼のような処理を行う場合には、表示手段としてランプやLEDを用いることができる。つまり、通信テスト手段による処理結果がランプ等の点滅状態によって報知可能な程度のものであれば、ランプやLEDを表示手段として用いても良いからである。
【0035】
次に、請求項5に記載の情報入力装置は、請求項1〜4に記載の情報入力装置に対して、設定手段を備えている。そして、その設定手段が、当該情報入力装置のコンピュータに対する通信仕様を、通信テスト手段による処理結果に応じて設定する。よって、この情報入力装置によれば、通信障害による不具合が発生した場合の復旧作業を速やかに行うことができるようになる。
【0036】
一方、請求項6に記載の情報入力装置は、請求項1〜5に記載の情報入力装置において、更に、第2の通信テスト手段を備えている。そして、第2の通信テスト手段は、切替手段により当該装置の動作モードが通信テストモードに切り替えられた場合に、コンピュータからの発信信号の種別と該発信信号に対する当該装置の応答内容とを示す応答指示情報が入力部により取得されると、コンピュータから前記発信信号が送信されて来たときに、コンピュータに対して前記応答内容に応じた応答を行う。
【0037】
このような請求項6に記載の情報入力装置によれば、入力部を介して与える応答指示情報により、コンピュータからの任意の発信信号に対して、任意の応答をさせることができる。よって、コンピュータからの信号に対して当該装置が適切な応答を返せないような通信障害がある場合に、コンピュータとの間で通信が成立し得る当該装置の適切な応答を容易に調べることができ、通常モードでその応答を行うように当該装置の通信仕様を変更すれば、当該装置とコンピュータとを確実に通信可能に接続することができる。
【0038】
特に、第2の通信インタフェースに入力機器が接続されず、当該情報入力装置だけがコンピュータのキーボードインタフェースに接続される場合(具体的には、コンピュータがキーボード付きの所謂ノート型パソコンであり、当該情報入力装置以外の入力機器が接続されない場合)には、後段に接続される入力機器の通信動作を調べることができなくなるが、その様な場合でも、通信障害の原因を究明することができるようになる。
【0039】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態について、図面を用いて説明する。
まず図1は、本発明が適用された第1実施形態のバーコードスキャナ1の使用状態を表す説明図であり、図2は、そのバーコードスキャナ1の内部構成を表す概略構成図である。
【0040】
図1及び図2に示すように、本実施形態のバーコードスキャナ1は、パソコン(パーソナルコンピュータ)3のキーボードインタフェース5とキーボード7との間に接続されて使用されるものである。
具体的には、図1に示すように、バーコードスキャナ1からは、2本のケーブル8,9が伸びており、一方のケーブル8の先端に設けられたコネクタ11が、パソコン3のキーボードインタフェース用コネクタ5aに接続され、他方のケーブル9の先端に設けられたコネクタ13が、キーボード7から伸びたケーブル17の先端に設けられたコネクタ19に接続される。
【0041】
また、バーコードスキャナ1には、バーコードラベル等に付されたバーコードを読み取った際に、その読取の完了を使用者に報知するためのランプ21が設けられている。
一方、パソコン3は、表示装置としてのディスプレイ23を備えた周知のものである。そして、パソコン3は、所定のアプリケーションソフトを実行することにより、バーコードスキャナ1によって読み取られたバーコードのデータと、キーボード7からのキー操作に応じたデータとを、バーコードスキャナ1からキーボードインタフェース5を介して取得し、その取得したデータに基づき予め定められた処理を実行する。
【0042】
次に、バーコードスキャナ1の内部構成について説明する。尚、以下の説明において、「バーコードラベルを読み取る」といった表現は、そのバーコードラベルに付されたバーコードを読み取ることを意味している。
図2に示すように、バーコードスキャナ1は、パソコン3のキーボードインタフェース5にケーブル8を介して接続される第1の通信インタフェースとしてのインタフェース25と、キーボード7にケーブル9を介して接続される第2の通信インタフェースとしてのインタフェース27と、バーコードラベル等に付されたバーコードを読み取る入力部としてのバーコード読取部29と、それら各部を制御するマイクロコンピュータ30とを備えている。つまり、インタフェース27は、キーボード7に対して、パソコン3のキーボードインタフェース5に代えて接続される。
【0043】
そして、マイクロコンピュータ30は、CPU(中央処理装置)31と、CPU31が実行するプログラムを格納するROM33と、CPU31の演算結果等を一時記憶するRAM35と、入出力ポート(I/O)37と、それらを接続するバス39とを備えており、前述したランプ21は、入出力ポート37を介して点灯・消灯されるようになっている。
【0044】
また、上記両インタフェース25,27とバーコード読取部29は、マイクロコンピュータ30の入出力ポート37に接続されている。尚、上記両インタフェース25,27とバーコード読取部29とを、マイクロコンピュータ30のバス39に接続する構成を採ることもできる。
【0045】
このように構成されたバーコードスキャナ1は、特別なバーコードラベルを読み取らせることにより、その動作モードが通常モードと通信テストモードとに切り替わるようになっている。
そして、バーコードスキャナ1は、その動作モードが通常モードであれば、キーボード7から出力されるキー操作に応じたデータ(以下、キーデータという)をインタフェース27を介して取得すると共に、その取得したキーデータを表す信号と、バーコード読取部29部によって読み取られたバーコードのデータ(以下、バーコードデータという)を表す信号とを、予め定められた調停規則に従いインタフェース25を介してパソコン3へ択一的に送信する。
【0046】
例えば、本実施形態においては、上記調停規則として、以下のような調停規則を採用している。
(a)バーコード読取部29によってバーコードが読み取られていないときに、キーボード7からキーデータが出力されて来ると、そのキーデータを表す信号をパソコン3へ送信する。
【0047】
(b)キーボード7からキーデータが出力されていないときに、バーコード読取部29によってバーコードが読み取られると、そのバーコードデータを表す信号をパソコン3へ送信する。
(c)キーデータを表す信号をパソコン3へ送信している最中に、バーコード読取部29によってバーコードが読み取られると、そのバーコードデータをRAM35に一時格納し、キーデータに関する送信動作を終えてから、RAM35に格納したバーコードデータを表す信号をパソコン3へ送信する。
【0048】
(d)バーコードデータを表す信号をパソコン3へ送信している最中に、キーボード7からキーデータが出力されて来ると、そのキーデータをRAM35に一時格納し、バーコードデータに関する送信動作を終えてから、RAM35に格納したキーデータを表す信号をパソコン3へ送信する。
【0049】
但し、調停規則としては、上記(a)〜(d)の規則に限らず、様々なものを採用することができる。
また、バーコードスキャナ1は、その動作モードが通常モードである場合に、当該スキャナ1の通信仕様を示すバーコードが付されたバーコードラベル(以下、動作設定用ラベルという)を読み取ると、パソコン3との通信を行わずに、自己の通信仕様を、その読み取った動作設定用ラベルの内容(詳しくは、動作設定用ラベルに付されたバーコードの内容)に応じた仕様に変更するようになっている。
【0050】
例えば、動作設定用ラベルとしては、キーボード7の型式,パソコン3から特定のコマンドが送信されて来たときに応答すべき応答データの内容,及び,パソコン3から種々の信号が送信されて来たときに応答を返すまでの応答時間等、通信仕様の様々な項目を示すものが予め用意されている。
【0051】
そして、バーコードスキャナ1のROM33には、自己に接続されることが予想される複数種類のキーボード7の基本的な通信仕様が予め記憶されており、当該スキャナ1は、例えば、キーボード7の型式を示す動作設定用ラベルを読み取ると、自己の通信仕様を、予め記憶された通信仕様のうちで、その動作設定用ラベルが示す型式に応じた通信仕様に設定する。また、当該スキャナ1は、パソコン3に対する応答データの内容や応答時間等、通信仕様の更に詳細な内容を示す動作設定用ラベルを読み取ると、その動作設定用ラベルの内容に応じて、自己の通信仕様を変更するようになっている。
【0052】
一方、バーコードスキャナ1は、その動作モードが通信テストモードに切り替えられた場合に、通信テスト用の処理内容を示すバーコードが付されたバーコードラベル(以下、テストラベルという)を読み取ると、そのテストラベルの内容(詳しくは、テストラベルに付されたバーコードの内容)に対応した通信テスト処理を実行すると共に、その処理で得た処理結果をパソコン3のディスプレイ23に表示させるための信号を、インタフェース25からパソコン3へ送信する。
【0053】
つまり、バーコードスキャナ1は、後段に接続されるキーボード7に成り代わってパソコン3と通信を行うが、当該スキャナ1のパソコン3に対する通信仕様は、その出荷時において、パソコン3とキーボード7との間の一般的と思われる通信仕様に初期設定されている。このため、客先で使用されているキーボード7の型式が、当該スキャナ1の出荷時に予想されていたものと異なっていたり、パソコン3とキーボード7との間の通信仕様が客先で独自に拡張されていたりした場合には、当該スキャナ1のパソコン3に対する通信仕様が、パソコン3とキーボード7との間の本来の通信仕様と異なってしまい、例えば、パソコン3が特定のコマンドを送信したときに、バーコードスキャナ1がキーボード7と同じ内容又は同じタイミングで応答を返せない、といった通信障害が発生する。そして、その結果、キーボード7からの入力ができなくなる等の不具合が生じてしまう。
【0054】
そこで、このような通信障害が生じた場合には、バーコードスキャナ1のパソコン3に対する通信仕様を、前述した動作設定用ラベルを読み取らせることによって適宜変更することとなる。ところが、通信仕様をどの様に変更すれば良いかは容易に分からないため、本実施形態のバーコードスキャナ1では、通信テストモードになると、テストラベルの内容に応じた通信テスト処理を実行して、通信障害の原因を究明できるようにしている。
【0055】
そこで以下、バーコードスキャナ1で実行される処理について、図3のフローチャートに基づき説明する。尚、図3では、キーボード7からキーデータを取得して、そのキーデータを表す信号をパソコン3へ送信する処理部分については省略している。また、そのような処理や以下に説明する処理は、実際にはCPU31によって実行される。
【0056】
まず、バーコードスキャナ1は、パソコン3からケーブル8を介して電源が供給されると動作を開始する。そして、図3に示すように、バーコードスキャナ1が動作を開始すると、まずステップ(以下、単に「S」と記す)110にて、当該スキャナ1の動作モードを判定する。尚、このS110では、当該スキャナ1が動作を開始してから所定時間以内に、通信テストモードへの切り替えを示すバーコードが付されたバーコードラベル(以下、通信テストモード切替ラベルという)が、バーコード読取部29によって読み取られた場合に、通信テストモードであると判定し、そうでなければ、通常モードであると判定する。
【0057】
ここで、上記S110で当該スキャナ1の動作モードが通常モードであると判定した場合には、S120〜S160の通常モード処理を行う。
即ち、まずS120にて、バーコード読取部29によりバーコードラベルが読み取られるまで待機し、バーコードラベルが読み取られると、次のS130にて、今回読み取ったバーコードラベルが、パソコン3へバーコードデータを入力させるべき一般的なバーコードラベル(一般ラベル)であるか、一般ラベルではない特殊なバーコードラベル(特殊ラベル)であるかを判定する。
【0058】
そして、S130でバーコードラベルが一般ラベルであると判定した場合には、次のS140に進み、上記S120で今回読み取った一般ラベルのバーコードデータ(ラベルデータ)を表す信号を、前述した調停規則に従って、インタフェース25からパソコン3へ送信し、その後、S120に戻る。
【0059】
また、S130でバーコードラベルが特殊ラベルであると判定した場合には、S150に移行して、上記S120で今回読み取った特殊ラベルの内容に基づき、通信テストモードへ移行すべきか、或いは、自己の通信仕様を変更すべきかを判定する。つまり、S120で読み取った特殊ラベルが、通信テストモード切替ラベルであれば、通信テストモードへ移行すべきと判定し(S150:YES)、S120で読み取った特殊ラベルが、動作設定用ラベルであれば、自己の通信仕様を変更すべきと判定する(S150:NO)。尚、図示はされていないが、S150にて、特殊ラベルが通信テストモード切替ラベルと動作設定用ラベルとの何れでもないと判定した場合には、そのままS120へ戻る。
【0060】
そして、上記S150にて、S120で読み取った特殊ラベルが動作設定用ラベルであり、自己の通信仕様を変更すべきと判定した場合には、S160に進んで、自己の通信仕様を、今回読み取った動作設定用ラベルの内容に応じて変更し、その後、S120へ戻る。
【0061】
一方、上記S110にて当該スキャナ1の動作モードが通信テストモードであると判定した場合、或いは、上記S150にて通信テストモードへ移行すべきと判定した場合には、S170〜S230の通信テストモード処理を行う。
即ち、まずS170にて、バーコード読取部29によりテストラベルが読み取られるまで待機し、テストラベルが読み取られると、次のS180にて、今回読み取ったテストラベルが、第1種と第2種との何れの通信テスト処理に対応するものであるかを判定する。
【0062】
ここで、第1種の通信テスト処理とは、パソコン3とそれに接続されるキーボード7との間の通信仕様を調査するための処理であり、例えば、下記の(1)〜(9)等の処理がある。そして、その各処理の個々について、予めテストラベルが用意されている。
【0063】
(1)パソコン3から発信される発信信号(各種コマンド)を記憶する処理。尚、この処理により、パソコン3からキーボード7へ、どの様なコマンドが送信されているのかを調べることができる。
(2)上記(1)で記憶したパソコン3からの発信信号をキーボード7に送信して、その信号に対するキーボード7の応答データを記憶する処理。
【0064】
(3)上記(1)から(2)までの、一連の応答シーケンス時間を測定する処理。
尚、(2),(3)の処理により、パソコン3からのコマンドに対して、キーボード7がどの様な応答データをどの様なタイミングで返すのかを調べることができる。
【0065】
(4)キーボード7へ、その型式を示すデバイスIDを要求するためのデバイスID要求コマンドを送信して、その信号に対するキーボード7の応答データ(デバイスID)を記憶する処理。尚、この処理により、キーボード7の型式を調べることができる。
【0066】
(5)キーボード7へ標準コマンドを送信して、その信号に対するキーボード7の応答データを記憶する処理。尚、この処理により、キーボード7の制御範囲を調べることができる。
(6)キーボード7へ未定義コマンドを送信して、その信号に対するキーボード7の応答データを記憶する処理。尚、この処理により、キーボード7に固有のコマンドを調べることができる。
【0067】
(7)キーボード7へ送信開始要求を送信し、その後、キーボード7が応答を返して来るまでの応答時間を測定する処理。
(8)キーボード7へ送信停止要求を送信し、その後、そのキーボード7が送信を止めるまでの応答時間を測定する処理。
【0068】
尚、(7),(8)の処理により、キーボード7の応答特性を調べることができる。
(9)キーボード7へパリティエラーやフレームエラーを有するデータを故意に送信して、そのデータに対するキーボード7の受理特性(そのまま受け取る,無視する,或いは,再送要求を出して来る等)を判別する処理。尚、この処理により、通信上のデータエラーが起こった場合のキーボード7の振舞いを調べることができる。
【0069】
よって、使用者は、上記(1)〜(9)等の処理結果を知ることができれば、パソコン3とキーボード7との間の本来の通信仕様を特定することができるようになる。尚、本実施形態では、上記(2)〜(9)のように、バーコードスキャナ1からキーボード7へ信号を送信して、その信号に対するキーボード7の応答状態を検出する処理を示すテストラベルが、測定指示情報に相当している。
【0070】
一方、第2種の通信テスト処理とは、パソコン3から特定の発信信号が送信されて来たときに、パソコン3に対して特定の応答を行う処理である。そして、この処理の対象となるパソコン3からの発信信号の種別と、その発信信号に対する当該スキャナ1の応答内容は、第2種の通信テスト処理に対応した各テストラベル毎に予め定義付けされている。尚、本実施形態では、こうした第2種の通信テスト処理に対応したテストラベルが、応答指示情報に相当している。
【0071】
次に、上記S180にて、今回読み取ったテストラベルが、第1種の通信テスト処理に対応するものであると判定した場合には、続くS190にて、今回読み取ったテストラベルの内容に対応した通信テスト処理(即ち、第1種の通信テスト処理)を実行する。
【0072】
そして、続くS200にて、S190の通信テスト処理で得た処理結果(テスト結果)をパソコン3のディスプレイ23に表示させるための信号を、インタフェース25からパソコン3へ送信する。すると、S190で実行された通信テスト処理の処理結果が、パソコン3のディスプレイ23に表示されることとなる。
【0073】
例えば、S190で前述した(1)の処理を実行した場合には、パソコン3から発信されたコマンドを表示させるための信号を送信し、S190で前述した(4)の処理を実行した場合には、キーボード7からのデバイスIDを表示させるための信号を送信する。また、S190で前述した(7)や(8)の処理を実行した場合には、キーボード7の応答時間を表示させるための信号を送信する。
【0074】
次に、続くS210にて、バーコード読取部29によりバーコードラベルが読み取られるまで待機し、バーコードラベルが読み取られると、次のS220にて、S210で読み取ったバーコードラベルの内容に基づき、通信テストモードを継続すべきか、或いは、通常モードへ戻るべきかを判定する。つまり、S210で読み取ったバーコードラベルが、テストラベルであれば、通信テストモードを継続すべきと判定し(S220:YES)、S210で読み取ったバーコードラベルが、通常モードへの切り替えを示すバーコードが付されたバーコードラベル(以下、通常モード切替ラベルという)であれば、通常モードへ戻るべきと判定する(S220:NO)。尚、図示はされていないが、S220にて、バーコードラベルがテストラベルと通常モード切替ラベルとの何れでもないと判定した場合には、そのままS210へ戻る。
【0075】
そして、上記S220にて、通信テストモードを継続すべきと判定した場合には、S180に戻る。また、上記S220にて、通常モードへ戻るべきと判定した場合には、S120へ移行する。
一方、上記S180にて、今回読み取ったテストラベルが、第2種の通信テスト処理に対応するものであると判定した場合には、S230に移行して、今回読み取ったテストラベルの内容に対応した通信テスト処理(即ち、第2種の通信テスト処理)を実行する。
【0076】
例えば、S170或いはS210にて、第2種の通信テスト処理に対応したテストラベルのうち、パソコン3の発信信号が「A」というコマンドで、そのコマンドに対する応答データが「B」であることを示すテストラベルを読み取った場合には、上記S230では、パソコン3から「A」というコマンドが送信されて来たときに、パソコン3に対して「B」という応答データを返すこととなる。
また、例えば、S170或いはS210にて、第2種の通信テスト処理に対応したテストラベルのうち、パソコン3の発信信号が送信開始要求で、その送信開始要求に対する応答時間が「T」であることを示すテストラベルを読み取った場合には、上記S230では、パソコン3から送信開始要求が送信されて来たときに、「T」なる時間が経過した時点でパソコン3に対し応答を返すこととなる。
【0077】
そして、上記S230にて、このような第2種の通信テスト処理を終了すると、S210に移行する。
尚、本第1実施形態では、S110,S150,及びS220が切替手段に相当し、S190が通信テスト手段に相当し、S200が報知手段に相当している。そして、S230が第2の通信テスト手段に相当している。
【0078】
以上のような本第1実施形態のバーコードスキャナ1において、当該スキャナ1をパソコン3のキーボードインタフェース5とキーボード7との間に接続した際に、通信障害による不具合が生じた場合には、当該スキャナ1の動作モードを通信テストモードに切り替えて、例えば、第1種の通信テスト処理に対応した様々なテストラベルを読み取らせれば良い。
【0079】
つまり、図3のS190及びS200により、テストラベルに応じた上記(1)〜(9)等の通信テスト処理が実行されて、その処理結果がパソコン3のディスプレイ23に表示されるため、使用者は、その表示された処理結果から、パソコン3とキーボード7との間の本来の通信仕様を特定することができ、延いては、バーコードスキャナ1がキーボード7に成り代わってパソコン3と通信を行うためには、当該スキャナ1のパソコン3に対する通信仕様をどの様に変更すれば良いか、といった不具合対策が分かるからである。そして、当該スキャナ1の通信仕様をどの様に変更すべきかが分かれば、当該スキャナ1の動作モードを通常モードに切り替えて、所望の動作設定用ラベルを読み取らせることにより、当該スキャナ1の通信仕様を、不具合が回避できるように変更すれば良い。
【0080】
このような本第1実施形態のバーコードスキャナ1によれば、自らが、パソコン3とキーボード7との間の通信仕様を調査するための処理(第1種の通信テスト処理)を行って、その処理結果を使用者に報知するように構成されているため、オシロスコープ等の測定器を用いなくても、通信障害の原因を究明することができ、客先等でのメンテナンスサービスが非常に容易となる。
【0081】
そして更に、当該スキャナ1自身がパソコン3とキーボード7との間の通信仕様を調査するための処理を行うことから、パソコン3側やキーボード7側へ任意の信号を送信してみる、といった通信テストを行うことができ、通信障害の原因を効率的に究明することができるようになる。
【0082】
しかも、当該スキャナ1が実際に使用される動作環境(つまり、パソコン3が本来のアプリケーションソフトを実行する実際の動作環境)のままで、パソコン3とキーボード7との間の通信仕様を調べることができる。
よって、本第1実施形態のバーコードスキャナ1によれば、通信障害による不具合が発生した場合に、当該スキャナ1のパソコン3に対する適切な通信仕様を、容易に且つ確実に調べることができる。
【0083】
また、本第1実施形態のバーコードスキャナ1によれば、前述した(2)〜(9)のように、読み取らせるテストラベルの内容に応じて、当該スキャナ1からキーボード7へ所望の信号を送信して、その信号に対するキーボード7の所望の応答状態を知ることができる。よって、後段に接続されたキーボード7の通信動作、延いては、パソコン3とキーボード7との間の本来の通信仕様を、より効率的に調べることができ、通信障害が生じた際の原因究明を速やかに行うことができるようになる。
【0084】
また更に、本第1実施形態のバーコードスキャナ1では、通信テスト処理(詳しくは、第1種の通信テスト処理)の処理結果を、パソコン3のディスプレイ23に表示させるようにしているため、特別な表示手段を設けなくても、通信テスト処理の処理結果を使用者に対して報知することができる。
【0085】
一方更に、本第1実施形態のバーコードスキャナ1によれば、当該スキャナ1の動作モードを通信テストモードに切り替えて、第2種の通信テスト処理に対応した所望のテストラベルを読み取らせることにより、パソコン3からの任意の発信信号に対して、任意の応答をさせることができる。
【0086】
よって、パソコン3からの信号に対して当該スキャナ1が適切な応答を返せないような通信障害がある場合に、パソコン3との間で通信が成立し得る当該スキャナ1の適切な応答を容易に調べることができる。そして、そのような適切な応答が判明したならば、当該スキャナ1の動作モードを通常モードに切り替えて、所望の動作設定用ラベルを読み取らせ、当該スキャナ1の通信仕様を上記判明した応答ができるように変更すれば、当該スキャナ1とパソコン3とを通信可能に接続することができる。
【0087】
特に、インタフェース27にキーボード7が接続されず、バーコードスキャナ1だけがパソコン3のキーボードインタフェース5に接続されるような場合(例えば、パソコン3がキーボード付きのノート型パソコンであるような場合)には、後段に接続されるキーボード7の通信動作を調べることができなくなるが、その様な場合でも、通信障害の原因を究明することができるようになる。
【0088】
次に、第2実施形態について説明する。
まず、本第2実施形態のバーコードスキャナでは、前述した第1実施形態のバーコードスキャナ1に対して、図3の処理の代わりに、図4に示す処理が実行される。そして、その他の点については、第1実施形態と全く同じである。このため、以下の説明では、第1実施形態の場合と同様の符号を用いる。
【0089】
ここで、図4に示すように、本第2実施形態のバーコードスキャナ1で実行される処理は、第1実施形態で実行される図3の処理に対して、S200の次にS205が追加されている点のみ異なっている。
即ち、本第2実施形態のバーコードスキャナ1では、S200にて、S190ので処理結果をディスプレイ23に表示させるための信号をパソコン3へ送信すると、次にS205に進む。そして、このS205にて、当該スキャナ1のパソコン3に対する通信仕様を、S190での処理結果(つまり、第1種の通信テスト処理の処理結果)に応じて自動的に設定する、設定手段としての処理を実行し、その後、前述のS210へ進む。
【0090】
例えば、S190で前述した(4)の処理を実行した場合には、キーボード7からのデバイスIDに基づき、キーボード7の型式を判別すると共に、自己のパソコン3に対する通常モードでの通信仕様を、予めROM33に記憶された通信仕様のうちで、その判別した型式に応じた通信仕様に設定する。
【0091】
尚、この場合に設定される通信仕様の中には、パソコン3からの種々のコマンドに対してどの様に応答するのか(応答データや応答タイミング)といった仕様を始め、読み取ったバーコードデータの信号をパソコン3へどの様な形式で送信するのか、といった仕様も含まれている。つまり、キーボード7は、その型式毎にキーデータの出力形式が異なっている場合があり、そのキーデータと同じ形式でバーコードデータの信号をパソコン3へ出力できるようにするためである。
【0092】
また例えば、S190で前述した(6)の処理を実行した場合には、その(6)の処理でキーボード7へ送信した未定義コマンドがパソコン3から送信されて来たときに、その(6)の処理で記憶した応答データをパソコン3へ返送するように、自己のパソコン3に対する通信仕様を設定する。
【0093】
このような本第2実施形態のバーコードスキャナ1によれば、動作設定用ラベルを読み取らせる作業を行わなくても、当該スキャナ1の通信仕様をキーボード7と同じ仕様に変更することができる。よって、通信障害による不具合が発生した場合の復旧作業を速やかに行うことができるようになる。
【0094】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、種々の態様を採ることができる。
例えば、上記各実施形態のバーコードスキャナ1では、バーコード読取部29で読み取ったバーコードの内容により、通常モードと通信テストモードとの切り替えが行われるように構成されていたが、切替手段としての切替スイッチを設けて、その切替スイッチの操作状態により動作モードが切り替わるように構成しても良い。
【0095】
また、上記各実施形態のバーコードスキャナ1では、通信テスト処理(詳しくは、第1種の通信テスト処理)の処理結果を、パソコン3のディスプレイ23に表示させるようにしたが、バーコードスキャナ1に、表示手段として液晶等の表示部を設け、図3或いは図4のS200にて、その表示部に通信テスト処理の処理結果を表示するようにしても良い。そして、このように構成すれば、バーコードスキャナ1とパソコン3との間の通信障害の程度に拘らず、通信テスト処理の処理結果を使用者に対して報知できる、という点で有利である。
【0096】
また例えば、前述した(9)のような通信テスト処理を行う場合には、その処理結果をランプやLEDの点滅状態によって報知可能であるため、バーコードの読取完了を報知するためのランプ21を、通信テスト処理の処理結果を報知するために併用しても良い。
【0097】
一方、上記各実施形態では、バーコードスキャナ1のインタフェース27及びケーブル9に、キーボード7が接続される場合について説明したが、キーボード7以外の入力機器(例えば、他のバーコードスキャナや磁気カードリーダ等)が接続される場合についても、同様の効果を得ることができる。
【0098】
また、上記各実施形態のバーコードスキャナ1は、パソコン3に接続されるものであったが、接続相手としてのコンピュータは、パソコン3に限らない。例えば、上記各実施形態のバーコードスキャナ1は、パソコン3と同じキーボードインタフェースを備えたキャッシュレジスタ等にも接続して使用することができる。
【0099】
また更に、上記各実施形態は、本発明をバーコードスキャナに適用したものであったが、本発明の情報入力装置は、磁気カードリーダ等の他の入力機器に対しても適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1実施形態のバーコードスキャナの使用状態を表す説明図である。
【図2】 第1実施形態のバーコードスキャナの内部構成を表す概略構成図である。
【図3】 第1実施形態のバーコードスキャナで実行される処理を表すフローチャートである。
【図4】 第2実施形態のバーコードスキャナで実行される処理を表すフローチャートである。
【符号の説明】
1…バーコードスキャナ 3…パソコン 5…キーボードインタフェース
5a…キーボードインタフェース用コネクタ 7…キーボード
8,9,17…ケーブル 11,13,19…コネクタ 21…ランプ
23…ディスプレイ 25,27…インタフェース
29…バーコード読取部 30…マイクロコンピュータ 31…CPU
33…ROM 35…RAM 37…入出力ポート 39…バス
【発明の属する技術分野】
本発明は、コンピュータのキーボードインタフェースとキーボード等の入力機器との間に接続される情報入力装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、バーコードスキャナ(バーコードリーダ)や磁気カードリーダ等のキーボード以外の入力機器を、パーソナルコンピュータ(以下、パソコンという)のキーボードインタフェースとキーボードとの間に接続する技術が考えられている(例えば、特許第2595221号公報)。
【0003】
そして、近年、パソコンのキーボードインタフェースとキーボード等の他の入力機器との間に接続して使用することのできるバーコードスキャナや磁気カードリーダ等の入力機器(以下、中間入力機器という)が製品化されている。
つまり、この種の中間入力機器は、パソコンのキーボードインタフェースに接続される第1の通信インタフェースと、キーボード等の他の入力機器にパソコンのキーボードインタフェースに代えて接続される第2の通信インタフェースと、バーコードラベルや磁気カード等から情報を取得する入力部とを備えており、パソコンに入力すべき情報を上記他の入力機器から通信によって取得すると共に、その入力機器からの情報を表す信号と、自己の入力部によって取得したバーコード等の情報を表す信号とを、予め定められた調停規則に従いパソコンのキーボードインタフェースへ択一的に送信するよう構成されている。
【0004】
そして、このような中間入力機器を用いれば、当該中間入力機器の入力部と、当該中間入力機器の後段に接続された入力機器との両方から、コンピュータに情報を入力することができるようになる。例えば、中間入力機器の入力部がバーコードを読み取るバーコード読取部であり、後段に接続される入力機器がキーボードであれば、コンピュータに対して、バーコードの入力とキーボードによるキー入力との両方を行うことができるようになる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記のような中間入力機器においては、それを購入した使用者がパソコンのキーボードインタフェースとキーボードとの間に接続した場合に、キーボードからの入力ができなくなってしまう等の不具合が生じることがあった。
【0006】
つまり、中間入力機器は、本来そこに接続されるべきキーボードのまねをしてパソコンと通信を行うのであるが、通常、中間入力機器のパソコンに対する通信仕様は、その出荷時において、パソコンとキーボードとの間の一般的と思われる通信仕様に初期設定されている。
【0007】
このため、客先で実際に使用されているキーボードの型式等が、中間入力機器の出荷時に予想されていたものと異なっていたり、或いは、パソコンとキーボードとの間の通信仕様が客先で独自に拡張されていたりした場合には、中間入力機器のパソコンに対する通信仕様が、パソコンとキーボードとの間の本来の通信仕様と異なってしまい、例えば、コンピュータが特定のコマンドを送信したときに、中間入力機器がキーボードと同じ内容又は同じタイミングで応答を返すことができなくなる。そして、その結果、キーボードからの入力が確実にできなくなる等の不具合が生じてしまうのである。
【0008】
具体例を挙げると、一般に、パソコンは、自己が送信する種々のコマンドに対するキーボードからの応答内容に基づき、キーボードインタフェースに接続されているキーボードの型式や入力モード(カナ入力(カナロック)や英字大/小文字入力(CAPSロック))等を判断する。よって、例えば、パソコンがキーボードの型式を示すデータを要求するためのコマンドを送信したときに、中間入力機器が後段に接続されたキーボードとは異なる型式を示す応答データをパソコンへ返送してしまうと、中間入力機器がキーボードからのデータをそのままパソコンへ送信するように構成されている場合に、パソコンは、キーボードからのデータを正確に解読することができなくなってしまう。
【0009】
同様に、パソコンがキーボードとの間で固有に定められているコマンドを送信したときに、中間入力機器がそのコマンドに対して応答することができないと、パソコンが、キーボードの特定のキー入力を無効にしてしまったり、そのキー入力を他の情報と取り違えて認識してしまったりする不具合が起こる。
【0010】
また、パソコンがコマンドを送信してから中間入力機器が応答を返すまでの時間が、本来接続されるキーボードの応答時間と異なっていると、パソコンが、キーボードインタフェースを介したデータ入力処理を正常に行えない場合もある。そこで、従来より、上記のような通信仕様の相違(つまり、パソコンとキーボードとの間の本来の通信仕様と、中間入力機器のパソコンに対する通信仕様との相違)による通信障害が生じた場合には、中間入力機器のコンピュータに対する適切な通信仕様(延いては、中間入力機器やパソコンの通信仕様を如何に変更すれば良いか)を、オシロスコープ等の測定器を用いて究明するようにしていた。
【0011】
しかしながら、客先等でのメンテナンスサービスにおいて、オシロスコープ等の測定器を持ち歩くことは容易でなく、その上、こうした測定器によって通信障害の原因を究明することは、非常に困難であった。
つまり、オシロスコープ等の測定器を用いる場合には、パソコンと中間入力機器との間の各信号線と、中間入力機器とキーボードとの間の各信号線とに、測定器のプローブを順次接続して、どの機器からどの機器へどの様な波形の信号が出ているかを調査することとなる。ところが、そのような調査で得られる信号波形のみから、中間入力機器のコンピュータに対する適切な通信仕様を究明するには、極めて詳細な知識が必要であり、また、信号線に任意の信号を与えてみる、といった試みを行うことができないからである。
【0012】
一方、例えば、パソコン側で通信テスト用のソフトウェアを実行させることにより、パソコンから中間入力機器へ任意の信号を送信させると共に、その信号に対する中間入力機器の応答状態をパソコンがディスプレイに表示させる、といった手法も考えられるが、十分な検証を行うことはできない。
【0013】
即ち、この手法では、パソコンからの信号に対する中間入力機器の応答状態が分かるだけであり、中間入力機器やパソコンの通信仕様をどの様に変更すれば良いかは分からない。
しかも、パソコン側で通信テスト用のソフトウェアを実行させてしまうと、パソコンの動作環境が、本来のアプリケーションソフトが実行される動作環境とは異なってしまい、もはや、通信テストの意味が無くなってしまう。つまり、実際の動作環境での通信テストを行うことができないのである。
【0014】
その上、このような場合には、キーボードからのキー入力が不能になっていることが多く、通信テスト用のソフトウェアをキーボードによって操作することができない。
尚、こうした問題は、中間入力機器の後段にキーボード以外の入力機器が接続される場合についても同様である。
【0015】
本発明は、こうした問題に鑑みなされたものであり、コンピュータのキーボードインタフェースとキーボード等の入力機器との間に接続される情報入力装置であって、コンピュータに対する適切な通信仕様を容易に且つ確実に調べることができる情報入力装置を提供することを目的としている。
【0016】
【課題を解決するための手段、及び発明の効果】
上記目的を達成するためになされた請求項1に記載の本発明の情報入力装置は、第1の通信インタフェースがコンピュータのキーボードインタフェースに接続され、第2の通信インタフェースがキーボード等の他の入力機器に接続されることにより、コンピュータのキーボードインタフェースと前記他の入力機器との間に接続される。
【0017】
ここで、本発明の情報入力装置では、切替手段が、当該装置の動作モードを、外部指令に応じて通常モードと通信テストモードとに切り替える。そして、この情報入力装置は、その動作モードが通常モードであれば、コンピュータに入力すべき情報を前記他の入力機器から第2の通信インタフェースを介して取得すると共に、その取得した入力機器からの情報を表す信号と、自己の入力部により取得された情報を表す信号とを、第1の通信インタフェースを介してコンピュータへ択一的に送信する。
【0018】
そして特に、本発明の情報入力装置では、切替手段によって当該装置の動作モードが通信テストモードに切り替えられた場合に、通信テスト手段が、コンピュータと前記入力機器との間の通信仕様を調査するための処理を行い、報知手段が、通信テスト手段による処理結果を使用者に対して報知する。
【0019】
尚、使用者とは、当該情報入力装置を用いるユーザーだけではなく、不具合に対するメンテナンスを行う作業者(サービスマン等)を含むものである。
ところで、通信テスト手段が行う処理(即ち、コンピュータと前記入力機器との間の通信仕様を調査するための処理)としては、例えば、下記の▲1▼〜▲7▼等の処理が考えられる。
【0020】
▲1▼:コンピュータから発信される発信信号(各種コマンド)を記憶する処理。
▲2▼:上記▲1▼で記憶したコンピュータからの発信信号を後段の入力機器に送信して、その信号に対する前記入力機器の応答データを記憶する処理。
▲3▼:上記▲1▼から▲2▼までの、一連の応答シーケンス時間を測定する処理。
【0021】
▲4▼:特定のコマンドを後段の入力機器に送信して、その信号に対する前記入力機器の応答データを記憶する処理。
▲5▼:後段の入力機器へ送信開始要求を送信し、その後、その入力機器が応答を返して来るまでの応答時間を測定する処理。
【0022】
▲6▼:後段の入力機器へ送信停止要求を送信し、その後、その入力機器が送信を止めるまでの応答時間を測定する処理。
▲7▼:後段の入力機器へパリティエラーやフレームエラーを有するデータを故意に送信して、そのデータに対する前記入力機器の受理特性(そのまま受け取る,無視する,或いは,再送要求を出して来る等)を判別する処理。
【0023】
そして、上記▲1▼〜▲7▼等の処理結果が、報知手段により使用者に対して報知されることとなり、使用者は、例えば上記▲1▼の処理結果により、コンピュータから入力機器へ、どの様なコマンドが送信されているのかを知ることができる。また、使用者は、上記▲2▼,▲4▼,▲7▼の処理結果により、コンピュータから送信される各種信号に対して入力機器がどの様に応答するかを知ることができ、上記▲3▼,▲5▼,▲6▼の処理結果により、コンピュータから送信される各種信号に対する入力機器の応答時間を知ることができる。よって、使用者は、このような通信テスト手段による処理結果から、コンピュータと入力機器との間の本来の通信仕様を特定することができるようになる。
【0024】
このため、本発明の情報入力装置をコンピュータのキーボードインタフェースと他の入力機器との間に接続した際に、通信障害による不具合が生じた場合には、当該情報入力装置の動作モードを、切替手段により通信テストモードに切り替えさせて、通信テスト手段を作動させれば良い。
【0025】
つまり、報知手段によって報知される通信テスト手段の処理結果から、コンピュータと入力機器との間の本来の通信仕様を特定することができるため、当該情報入力装置が後段の入力機器に成り代わってコンピュータと通信を行うためには、当該情報入力装置のコンピュータに対する通信仕様をどの様に変更すべきか、といった不具合対策が分かるからである。
【0026】
このような本発明の情報入力装置によれば、自らが、コンピュータと後段の入力機器との間の通信仕様を調査するための処理を行って、その処理結果を報知するように構成されているため、オシロスコープ等の測定器を用いなくても、通信障害の原因を究明することができるようになる。このため、客先等でのメンテナンスサービスが非常に容易となる。
【0027】
そして更に、当該情報入力装置自身がコンピュータと入力機器との間の通信仕様を調査するための処理を行うことから、コンピュータ側や後段の入力機器側へ任意の信号を送信してみる、といった通信テストを行うことができるようになり、通信障害の原因を効率的に究明することができるようになる。しかも、当該情報入力装置が実際に使用される動作環境(つまり、コンピュータが本来のアプリケーションソフトを実行する実際の動作環境)のままで、コンピュータと入力機器との間の通信仕様を調べることができる。
【0028】
よって、本発明の情報入力装置によれば、通信障害による不具合が発生した場合に、当該装置のコンピュータに対する適切な通信仕様を、容易に且つ確実に調べることができる。
次に、請求項2に記載の情報入力装置では、通信テスト手段が、入力部により取得される測定指示情報に応じて、第2の通信インタフェースから前記入力機器へ信号を送信すると共に、その信号に対する前記入力機器の応答状態を検出する処理を、コンピュータと入力機器との間の通信仕様を調査するための処理として行うように構成されている。
【0029】
つまり、請求項2に記載の情報入力装置では、入力部を介して測定指示情報が与えられると、その測定指示情報によって示される信号を第2のインタフェースから入力機器へ送信し、その信号に対する入力機器の応答状態のうちで、上記測定指示情報によって示される応答状態を検出するようにしている。そして、その検出された応答状態は、報知手段により使用者に対して報知されることとなる。
【0030】
尚、入力機器の応答状態とは、入力機器が返送して来る応答データの内容や、入力機器が応答するまでの応答時間等である。
このような請求項2に記載の情報入力装置によれば、当該装置から後段の入力機器へ所望の信号を送信して、その信号に対する入力機器の所望の応答状態を知ることができる。よって、後段に接続された入力機器の通信動作、延いては、コンピュータと入力機器との間の本来の通信仕様を、より効率的に調べることができ、通信障害が生じた際の原因究明を速やかに行うことができるようになる。
【0031】
ところで、請求項1,2に記載の情報入力装置において、報知手段は、請求項3に記載の如く、通信テスト手段による処理結果をコンピュータの表示装置に表示させるための信号を、第1の通信インタフェースからコンピュータへ送信することにより、前記処理結果の報知を行うように構成することができる。
【0032】
つまり、請求項3に記載の情報入力装置では、通信テスト手段による処理結果を、コンピュータの表示装置(ディスプレイ)に表示させるようにしている。そして、この情報入力装置によれば、特別な表示手段を設けなくても、通信テスト手段による処理結果を使用者に対して報知することができ、有利である。
【0033】
また、請求項1,2に記載の情報入力装置において、報知手段は、請求項4に記載の如く、通信テスト手段による処理結果を当該装置に設けられた表示手段に表示することにより、前記処理結果の報知を行うように構成しても良い。そして、この情報入力装置によれば、当該装置とコンピュータとの間の通信障害の程度に拘らず通信テスト手段による処理結果を使用者に対して報知できる、という点で有利である。
【0034】
尚、当該装置に設ける表示手段としては、文字等を表示可能なものが最適であるが、例えば、通信テスト手段が前述した▲7▼のような処理を行う場合には、表示手段としてランプやLEDを用いることができる。つまり、通信テスト手段による処理結果がランプ等の点滅状態によって報知可能な程度のものであれば、ランプやLEDを表示手段として用いても良いからである。
【0035】
次に、請求項5に記載の情報入力装置は、請求項1〜4に記載の情報入力装置に対して、設定手段を備えている。そして、その設定手段が、当該情報入力装置のコンピュータに対する通信仕様を、通信テスト手段による処理結果に応じて設定する。よって、この情報入力装置によれば、通信障害による不具合が発生した場合の復旧作業を速やかに行うことができるようになる。
【0036】
一方、請求項6に記載の情報入力装置は、請求項1〜5に記載の情報入力装置において、更に、第2の通信テスト手段を備えている。そして、第2の通信テスト手段は、切替手段により当該装置の動作モードが通信テストモードに切り替えられた場合に、コンピュータからの発信信号の種別と該発信信号に対する当該装置の応答内容とを示す応答指示情報が入力部により取得されると、コンピュータから前記発信信号が送信されて来たときに、コンピュータに対して前記応答内容に応じた応答を行う。
【0037】
このような請求項6に記載の情報入力装置によれば、入力部を介して与える応答指示情報により、コンピュータからの任意の発信信号に対して、任意の応答をさせることができる。よって、コンピュータからの信号に対して当該装置が適切な応答を返せないような通信障害がある場合に、コンピュータとの間で通信が成立し得る当該装置の適切な応答を容易に調べることができ、通常モードでその応答を行うように当該装置の通信仕様を変更すれば、当該装置とコンピュータとを確実に通信可能に接続することができる。
【0038】
特に、第2の通信インタフェースに入力機器が接続されず、当該情報入力装置だけがコンピュータのキーボードインタフェースに接続される場合(具体的には、コンピュータがキーボード付きの所謂ノート型パソコンであり、当該情報入力装置以外の入力機器が接続されない場合)には、後段に接続される入力機器の通信動作を調べることができなくなるが、その様な場合でも、通信障害の原因を究明することができるようになる。
【0039】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態について、図面を用いて説明する。
まず図1は、本発明が適用された第1実施形態のバーコードスキャナ1の使用状態を表す説明図であり、図2は、そのバーコードスキャナ1の内部構成を表す概略構成図である。
【0040】
図1及び図2に示すように、本実施形態のバーコードスキャナ1は、パソコン(パーソナルコンピュータ)3のキーボードインタフェース5とキーボード7との間に接続されて使用されるものである。
具体的には、図1に示すように、バーコードスキャナ1からは、2本のケーブル8,9が伸びており、一方のケーブル8の先端に設けられたコネクタ11が、パソコン3のキーボードインタフェース用コネクタ5aに接続され、他方のケーブル9の先端に設けられたコネクタ13が、キーボード7から伸びたケーブル17の先端に設けられたコネクタ19に接続される。
【0041】
また、バーコードスキャナ1には、バーコードラベル等に付されたバーコードを読み取った際に、その読取の完了を使用者に報知するためのランプ21が設けられている。
一方、パソコン3は、表示装置としてのディスプレイ23を備えた周知のものである。そして、パソコン3は、所定のアプリケーションソフトを実行することにより、バーコードスキャナ1によって読み取られたバーコードのデータと、キーボード7からのキー操作に応じたデータとを、バーコードスキャナ1からキーボードインタフェース5を介して取得し、その取得したデータに基づき予め定められた処理を実行する。
【0042】
次に、バーコードスキャナ1の内部構成について説明する。尚、以下の説明において、「バーコードラベルを読み取る」といった表現は、そのバーコードラベルに付されたバーコードを読み取ることを意味している。
図2に示すように、バーコードスキャナ1は、パソコン3のキーボードインタフェース5にケーブル8を介して接続される第1の通信インタフェースとしてのインタフェース25と、キーボード7にケーブル9を介して接続される第2の通信インタフェースとしてのインタフェース27と、バーコードラベル等に付されたバーコードを読み取る入力部としてのバーコード読取部29と、それら各部を制御するマイクロコンピュータ30とを備えている。つまり、インタフェース27は、キーボード7に対して、パソコン3のキーボードインタフェース5に代えて接続される。
【0043】
そして、マイクロコンピュータ30は、CPU(中央処理装置)31と、CPU31が実行するプログラムを格納するROM33と、CPU31の演算結果等を一時記憶するRAM35と、入出力ポート(I/O)37と、それらを接続するバス39とを備えており、前述したランプ21は、入出力ポート37を介して点灯・消灯されるようになっている。
【0044】
また、上記両インタフェース25,27とバーコード読取部29は、マイクロコンピュータ30の入出力ポート37に接続されている。尚、上記両インタフェース25,27とバーコード読取部29とを、マイクロコンピュータ30のバス39に接続する構成を採ることもできる。
【0045】
このように構成されたバーコードスキャナ1は、特別なバーコードラベルを読み取らせることにより、その動作モードが通常モードと通信テストモードとに切り替わるようになっている。
そして、バーコードスキャナ1は、その動作モードが通常モードであれば、キーボード7から出力されるキー操作に応じたデータ(以下、キーデータという)をインタフェース27を介して取得すると共に、その取得したキーデータを表す信号と、バーコード読取部29部によって読み取られたバーコードのデータ(以下、バーコードデータという)を表す信号とを、予め定められた調停規則に従いインタフェース25を介してパソコン3へ択一的に送信する。
【0046】
例えば、本実施形態においては、上記調停規則として、以下のような調停規則を採用している。
(a)バーコード読取部29によってバーコードが読み取られていないときに、キーボード7からキーデータが出力されて来ると、そのキーデータを表す信号をパソコン3へ送信する。
【0047】
(b)キーボード7からキーデータが出力されていないときに、バーコード読取部29によってバーコードが読み取られると、そのバーコードデータを表す信号をパソコン3へ送信する。
(c)キーデータを表す信号をパソコン3へ送信している最中に、バーコード読取部29によってバーコードが読み取られると、そのバーコードデータをRAM35に一時格納し、キーデータに関する送信動作を終えてから、RAM35に格納したバーコードデータを表す信号をパソコン3へ送信する。
【0048】
(d)バーコードデータを表す信号をパソコン3へ送信している最中に、キーボード7からキーデータが出力されて来ると、そのキーデータをRAM35に一時格納し、バーコードデータに関する送信動作を終えてから、RAM35に格納したキーデータを表す信号をパソコン3へ送信する。
【0049】
但し、調停規則としては、上記(a)〜(d)の規則に限らず、様々なものを採用することができる。
また、バーコードスキャナ1は、その動作モードが通常モードである場合に、当該スキャナ1の通信仕様を示すバーコードが付されたバーコードラベル(以下、動作設定用ラベルという)を読み取ると、パソコン3との通信を行わずに、自己の通信仕様を、その読み取った動作設定用ラベルの内容(詳しくは、動作設定用ラベルに付されたバーコードの内容)に応じた仕様に変更するようになっている。
【0050】
例えば、動作設定用ラベルとしては、キーボード7の型式,パソコン3から特定のコマンドが送信されて来たときに応答すべき応答データの内容,及び,パソコン3から種々の信号が送信されて来たときに応答を返すまでの応答時間等、通信仕様の様々な項目を示すものが予め用意されている。
【0051】
そして、バーコードスキャナ1のROM33には、自己に接続されることが予想される複数種類のキーボード7の基本的な通信仕様が予め記憶されており、当該スキャナ1は、例えば、キーボード7の型式を示す動作設定用ラベルを読み取ると、自己の通信仕様を、予め記憶された通信仕様のうちで、その動作設定用ラベルが示す型式に応じた通信仕様に設定する。また、当該スキャナ1は、パソコン3に対する応答データの内容や応答時間等、通信仕様の更に詳細な内容を示す動作設定用ラベルを読み取ると、その動作設定用ラベルの内容に応じて、自己の通信仕様を変更するようになっている。
【0052】
一方、バーコードスキャナ1は、その動作モードが通信テストモードに切り替えられた場合に、通信テスト用の処理内容を示すバーコードが付されたバーコードラベル(以下、テストラベルという)を読み取ると、そのテストラベルの内容(詳しくは、テストラベルに付されたバーコードの内容)に対応した通信テスト処理を実行すると共に、その処理で得た処理結果をパソコン3のディスプレイ23に表示させるための信号を、インタフェース25からパソコン3へ送信する。
【0053】
つまり、バーコードスキャナ1は、後段に接続されるキーボード7に成り代わってパソコン3と通信を行うが、当該スキャナ1のパソコン3に対する通信仕様は、その出荷時において、パソコン3とキーボード7との間の一般的と思われる通信仕様に初期設定されている。このため、客先で使用されているキーボード7の型式が、当該スキャナ1の出荷時に予想されていたものと異なっていたり、パソコン3とキーボード7との間の通信仕様が客先で独自に拡張されていたりした場合には、当該スキャナ1のパソコン3に対する通信仕様が、パソコン3とキーボード7との間の本来の通信仕様と異なってしまい、例えば、パソコン3が特定のコマンドを送信したときに、バーコードスキャナ1がキーボード7と同じ内容又は同じタイミングで応答を返せない、といった通信障害が発生する。そして、その結果、キーボード7からの入力ができなくなる等の不具合が生じてしまう。
【0054】
そこで、このような通信障害が生じた場合には、バーコードスキャナ1のパソコン3に対する通信仕様を、前述した動作設定用ラベルを読み取らせることによって適宜変更することとなる。ところが、通信仕様をどの様に変更すれば良いかは容易に分からないため、本実施形態のバーコードスキャナ1では、通信テストモードになると、テストラベルの内容に応じた通信テスト処理を実行して、通信障害の原因を究明できるようにしている。
【0055】
そこで以下、バーコードスキャナ1で実行される処理について、図3のフローチャートに基づき説明する。尚、図3では、キーボード7からキーデータを取得して、そのキーデータを表す信号をパソコン3へ送信する処理部分については省略している。また、そのような処理や以下に説明する処理は、実際にはCPU31によって実行される。
【0056】
まず、バーコードスキャナ1は、パソコン3からケーブル8を介して電源が供給されると動作を開始する。そして、図3に示すように、バーコードスキャナ1が動作を開始すると、まずステップ(以下、単に「S」と記す)110にて、当該スキャナ1の動作モードを判定する。尚、このS110では、当該スキャナ1が動作を開始してから所定時間以内に、通信テストモードへの切り替えを示すバーコードが付されたバーコードラベル(以下、通信テストモード切替ラベルという)が、バーコード読取部29によって読み取られた場合に、通信テストモードであると判定し、そうでなければ、通常モードであると判定する。
【0057】
ここで、上記S110で当該スキャナ1の動作モードが通常モードであると判定した場合には、S120〜S160の通常モード処理を行う。
即ち、まずS120にて、バーコード読取部29によりバーコードラベルが読み取られるまで待機し、バーコードラベルが読み取られると、次のS130にて、今回読み取ったバーコードラベルが、パソコン3へバーコードデータを入力させるべき一般的なバーコードラベル(一般ラベル)であるか、一般ラベルではない特殊なバーコードラベル(特殊ラベル)であるかを判定する。
【0058】
そして、S130でバーコードラベルが一般ラベルであると判定した場合には、次のS140に進み、上記S120で今回読み取った一般ラベルのバーコードデータ(ラベルデータ)を表す信号を、前述した調停規則に従って、インタフェース25からパソコン3へ送信し、その後、S120に戻る。
【0059】
また、S130でバーコードラベルが特殊ラベルであると判定した場合には、S150に移行して、上記S120で今回読み取った特殊ラベルの内容に基づき、通信テストモードへ移行すべきか、或いは、自己の通信仕様を変更すべきかを判定する。つまり、S120で読み取った特殊ラベルが、通信テストモード切替ラベルであれば、通信テストモードへ移行すべきと判定し(S150:YES)、S120で読み取った特殊ラベルが、動作設定用ラベルであれば、自己の通信仕様を変更すべきと判定する(S150:NO)。尚、図示はされていないが、S150にて、特殊ラベルが通信テストモード切替ラベルと動作設定用ラベルとの何れでもないと判定した場合には、そのままS120へ戻る。
【0060】
そして、上記S150にて、S120で読み取った特殊ラベルが動作設定用ラベルであり、自己の通信仕様を変更すべきと判定した場合には、S160に進んで、自己の通信仕様を、今回読み取った動作設定用ラベルの内容に応じて変更し、その後、S120へ戻る。
【0061】
一方、上記S110にて当該スキャナ1の動作モードが通信テストモードであると判定した場合、或いは、上記S150にて通信テストモードへ移行すべきと判定した場合には、S170〜S230の通信テストモード処理を行う。
即ち、まずS170にて、バーコード読取部29によりテストラベルが読み取られるまで待機し、テストラベルが読み取られると、次のS180にて、今回読み取ったテストラベルが、第1種と第2種との何れの通信テスト処理に対応するものであるかを判定する。
【0062】
ここで、第1種の通信テスト処理とは、パソコン3とそれに接続されるキーボード7との間の通信仕様を調査するための処理であり、例えば、下記の(1)〜(9)等の処理がある。そして、その各処理の個々について、予めテストラベルが用意されている。
【0063】
(1)パソコン3から発信される発信信号(各種コマンド)を記憶する処理。尚、この処理により、パソコン3からキーボード7へ、どの様なコマンドが送信されているのかを調べることができる。
(2)上記(1)で記憶したパソコン3からの発信信号をキーボード7に送信して、その信号に対するキーボード7の応答データを記憶する処理。
【0064】
(3)上記(1)から(2)までの、一連の応答シーケンス時間を測定する処理。
尚、(2),(3)の処理により、パソコン3からのコマンドに対して、キーボード7がどの様な応答データをどの様なタイミングで返すのかを調べることができる。
【0065】
(4)キーボード7へ、その型式を示すデバイスIDを要求するためのデバイスID要求コマンドを送信して、その信号に対するキーボード7の応答データ(デバイスID)を記憶する処理。尚、この処理により、キーボード7の型式を調べることができる。
【0066】
(5)キーボード7へ標準コマンドを送信して、その信号に対するキーボード7の応答データを記憶する処理。尚、この処理により、キーボード7の制御範囲を調べることができる。
(6)キーボード7へ未定義コマンドを送信して、その信号に対するキーボード7の応答データを記憶する処理。尚、この処理により、キーボード7に固有のコマンドを調べることができる。
【0067】
(7)キーボード7へ送信開始要求を送信し、その後、キーボード7が応答を返して来るまでの応答時間を測定する処理。
(8)キーボード7へ送信停止要求を送信し、その後、そのキーボード7が送信を止めるまでの応答時間を測定する処理。
【0068】
尚、(7),(8)の処理により、キーボード7の応答特性を調べることができる。
(9)キーボード7へパリティエラーやフレームエラーを有するデータを故意に送信して、そのデータに対するキーボード7の受理特性(そのまま受け取る,無視する,或いは,再送要求を出して来る等)を判別する処理。尚、この処理により、通信上のデータエラーが起こった場合のキーボード7の振舞いを調べることができる。
【0069】
よって、使用者は、上記(1)〜(9)等の処理結果を知ることができれば、パソコン3とキーボード7との間の本来の通信仕様を特定することができるようになる。尚、本実施形態では、上記(2)〜(9)のように、バーコードスキャナ1からキーボード7へ信号を送信して、その信号に対するキーボード7の応答状態を検出する処理を示すテストラベルが、測定指示情報に相当している。
【0070】
一方、第2種の通信テスト処理とは、パソコン3から特定の発信信号が送信されて来たときに、パソコン3に対して特定の応答を行う処理である。そして、この処理の対象となるパソコン3からの発信信号の種別と、その発信信号に対する当該スキャナ1の応答内容は、第2種の通信テスト処理に対応した各テストラベル毎に予め定義付けされている。尚、本実施形態では、こうした第2種の通信テスト処理に対応したテストラベルが、応答指示情報に相当している。
【0071】
次に、上記S180にて、今回読み取ったテストラベルが、第1種の通信テスト処理に対応するものであると判定した場合には、続くS190にて、今回読み取ったテストラベルの内容に対応した通信テスト処理(即ち、第1種の通信テスト処理)を実行する。
【0072】
そして、続くS200にて、S190の通信テスト処理で得た処理結果(テスト結果)をパソコン3のディスプレイ23に表示させるための信号を、インタフェース25からパソコン3へ送信する。すると、S190で実行された通信テスト処理の処理結果が、パソコン3のディスプレイ23に表示されることとなる。
【0073】
例えば、S190で前述した(1)の処理を実行した場合には、パソコン3から発信されたコマンドを表示させるための信号を送信し、S190で前述した(4)の処理を実行した場合には、キーボード7からのデバイスIDを表示させるための信号を送信する。また、S190で前述した(7)や(8)の処理を実行した場合には、キーボード7の応答時間を表示させるための信号を送信する。
【0074】
次に、続くS210にて、バーコード読取部29によりバーコードラベルが読み取られるまで待機し、バーコードラベルが読み取られると、次のS220にて、S210で読み取ったバーコードラベルの内容に基づき、通信テストモードを継続すべきか、或いは、通常モードへ戻るべきかを判定する。つまり、S210で読み取ったバーコードラベルが、テストラベルであれば、通信テストモードを継続すべきと判定し(S220:YES)、S210で読み取ったバーコードラベルが、通常モードへの切り替えを示すバーコードが付されたバーコードラベル(以下、通常モード切替ラベルという)であれば、通常モードへ戻るべきと判定する(S220:NO)。尚、図示はされていないが、S220にて、バーコードラベルがテストラベルと通常モード切替ラベルとの何れでもないと判定した場合には、そのままS210へ戻る。
【0075】
そして、上記S220にて、通信テストモードを継続すべきと判定した場合には、S180に戻る。また、上記S220にて、通常モードへ戻るべきと判定した場合には、S120へ移行する。
一方、上記S180にて、今回読み取ったテストラベルが、第2種の通信テスト処理に対応するものであると判定した場合には、S230に移行して、今回読み取ったテストラベルの内容に対応した通信テスト処理(即ち、第2種の通信テスト処理)を実行する。
【0076】
例えば、S170或いはS210にて、第2種の通信テスト処理に対応したテストラベルのうち、パソコン3の発信信号が「A」というコマンドで、そのコマンドに対する応答データが「B」であることを示すテストラベルを読み取った場合には、上記S230では、パソコン3から「A」というコマンドが送信されて来たときに、パソコン3に対して「B」という応答データを返すこととなる。
また、例えば、S170或いはS210にて、第2種の通信テスト処理に対応したテストラベルのうち、パソコン3の発信信号が送信開始要求で、その送信開始要求に対する応答時間が「T」であることを示すテストラベルを読み取った場合には、上記S230では、パソコン3から送信開始要求が送信されて来たときに、「T」なる時間が経過した時点でパソコン3に対し応答を返すこととなる。
【0077】
そして、上記S230にて、このような第2種の通信テスト処理を終了すると、S210に移行する。
尚、本第1実施形態では、S110,S150,及びS220が切替手段に相当し、S190が通信テスト手段に相当し、S200が報知手段に相当している。そして、S230が第2の通信テスト手段に相当している。
【0078】
以上のような本第1実施形態のバーコードスキャナ1において、当該スキャナ1をパソコン3のキーボードインタフェース5とキーボード7との間に接続した際に、通信障害による不具合が生じた場合には、当該スキャナ1の動作モードを通信テストモードに切り替えて、例えば、第1種の通信テスト処理に対応した様々なテストラベルを読み取らせれば良い。
【0079】
つまり、図3のS190及びS200により、テストラベルに応じた上記(1)〜(9)等の通信テスト処理が実行されて、その処理結果がパソコン3のディスプレイ23に表示されるため、使用者は、その表示された処理結果から、パソコン3とキーボード7との間の本来の通信仕様を特定することができ、延いては、バーコードスキャナ1がキーボード7に成り代わってパソコン3と通信を行うためには、当該スキャナ1のパソコン3に対する通信仕様をどの様に変更すれば良いか、といった不具合対策が分かるからである。そして、当該スキャナ1の通信仕様をどの様に変更すべきかが分かれば、当該スキャナ1の動作モードを通常モードに切り替えて、所望の動作設定用ラベルを読み取らせることにより、当該スキャナ1の通信仕様を、不具合が回避できるように変更すれば良い。
【0080】
このような本第1実施形態のバーコードスキャナ1によれば、自らが、パソコン3とキーボード7との間の通信仕様を調査するための処理(第1種の通信テスト処理)を行って、その処理結果を使用者に報知するように構成されているため、オシロスコープ等の測定器を用いなくても、通信障害の原因を究明することができ、客先等でのメンテナンスサービスが非常に容易となる。
【0081】
そして更に、当該スキャナ1自身がパソコン3とキーボード7との間の通信仕様を調査するための処理を行うことから、パソコン3側やキーボード7側へ任意の信号を送信してみる、といった通信テストを行うことができ、通信障害の原因を効率的に究明することができるようになる。
【0082】
しかも、当該スキャナ1が実際に使用される動作環境(つまり、パソコン3が本来のアプリケーションソフトを実行する実際の動作環境)のままで、パソコン3とキーボード7との間の通信仕様を調べることができる。
よって、本第1実施形態のバーコードスキャナ1によれば、通信障害による不具合が発生した場合に、当該スキャナ1のパソコン3に対する適切な通信仕様を、容易に且つ確実に調べることができる。
【0083】
また、本第1実施形態のバーコードスキャナ1によれば、前述した(2)〜(9)のように、読み取らせるテストラベルの内容に応じて、当該スキャナ1からキーボード7へ所望の信号を送信して、その信号に対するキーボード7の所望の応答状態を知ることができる。よって、後段に接続されたキーボード7の通信動作、延いては、パソコン3とキーボード7との間の本来の通信仕様を、より効率的に調べることができ、通信障害が生じた際の原因究明を速やかに行うことができるようになる。
【0084】
また更に、本第1実施形態のバーコードスキャナ1では、通信テスト処理(詳しくは、第1種の通信テスト処理)の処理結果を、パソコン3のディスプレイ23に表示させるようにしているため、特別な表示手段を設けなくても、通信テスト処理の処理結果を使用者に対して報知することができる。
【0085】
一方更に、本第1実施形態のバーコードスキャナ1によれば、当該スキャナ1の動作モードを通信テストモードに切り替えて、第2種の通信テスト処理に対応した所望のテストラベルを読み取らせることにより、パソコン3からの任意の発信信号に対して、任意の応答をさせることができる。
【0086】
よって、パソコン3からの信号に対して当該スキャナ1が適切な応答を返せないような通信障害がある場合に、パソコン3との間で通信が成立し得る当該スキャナ1の適切な応答を容易に調べることができる。そして、そのような適切な応答が判明したならば、当該スキャナ1の動作モードを通常モードに切り替えて、所望の動作設定用ラベルを読み取らせ、当該スキャナ1の通信仕様を上記判明した応答ができるように変更すれば、当該スキャナ1とパソコン3とを通信可能に接続することができる。
【0087】
特に、インタフェース27にキーボード7が接続されず、バーコードスキャナ1だけがパソコン3のキーボードインタフェース5に接続されるような場合(例えば、パソコン3がキーボード付きのノート型パソコンであるような場合)には、後段に接続されるキーボード7の通信動作を調べることができなくなるが、その様な場合でも、通信障害の原因を究明することができるようになる。
【0088】
次に、第2実施形態について説明する。
まず、本第2実施形態のバーコードスキャナでは、前述した第1実施形態のバーコードスキャナ1に対して、図3の処理の代わりに、図4に示す処理が実行される。そして、その他の点については、第1実施形態と全く同じである。このため、以下の説明では、第1実施形態の場合と同様の符号を用いる。
【0089】
ここで、図4に示すように、本第2実施形態のバーコードスキャナ1で実行される処理は、第1実施形態で実行される図3の処理に対して、S200の次にS205が追加されている点のみ異なっている。
即ち、本第2実施形態のバーコードスキャナ1では、S200にて、S190ので処理結果をディスプレイ23に表示させるための信号をパソコン3へ送信すると、次にS205に進む。そして、このS205にて、当該スキャナ1のパソコン3に対する通信仕様を、S190での処理結果(つまり、第1種の通信テスト処理の処理結果)に応じて自動的に設定する、設定手段としての処理を実行し、その後、前述のS210へ進む。
【0090】
例えば、S190で前述した(4)の処理を実行した場合には、キーボード7からのデバイスIDに基づき、キーボード7の型式を判別すると共に、自己のパソコン3に対する通常モードでの通信仕様を、予めROM33に記憶された通信仕様のうちで、その判別した型式に応じた通信仕様に設定する。
【0091】
尚、この場合に設定される通信仕様の中には、パソコン3からの種々のコマンドに対してどの様に応答するのか(応答データや応答タイミング)といった仕様を始め、読み取ったバーコードデータの信号をパソコン3へどの様な形式で送信するのか、といった仕様も含まれている。つまり、キーボード7は、その型式毎にキーデータの出力形式が異なっている場合があり、そのキーデータと同じ形式でバーコードデータの信号をパソコン3へ出力できるようにするためである。
【0092】
また例えば、S190で前述した(6)の処理を実行した場合には、その(6)の処理でキーボード7へ送信した未定義コマンドがパソコン3から送信されて来たときに、その(6)の処理で記憶した応答データをパソコン3へ返送するように、自己のパソコン3に対する通信仕様を設定する。
【0093】
このような本第2実施形態のバーコードスキャナ1によれば、動作設定用ラベルを読み取らせる作業を行わなくても、当該スキャナ1の通信仕様をキーボード7と同じ仕様に変更することができる。よって、通信障害による不具合が発生した場合の復旧作業を速やかに行うことができるようになる。
【0094】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、種々の態様を採ることができる。
例えば、上記各実施形態のバーコードスキャナ1では、バーコード読取部29で読み取ったバーコードの内容により、通常モードと通信テストモードとの切り替えが行われるように構成されていたが、切替手段としての切替スイッチを設けて、その切替スイッチの操作状態により動作モードが切り替わるように構成しても良い。
【0095】
また、上記各実施形態のバーコードスキャナ1では、通信テスト処理(詳しくは、第1種の通信テスト処理)の処理結果を、パソコン3のディスプレイ23に表示させるようにしたが、バーコードスキャナ1に、表示手段として液晶等の表示部を設け、図3或いは図4のS200にて、その表示部に通信テスト処理の処理結果を表示するようにしても良い。そして、このように構成すれば、バーコードスキャナ1とパソコン3との間の通信障害の程度に拘らず、通信テスト処理の処理結果を使用者に対して報知できる、という点で有利である。
【0096】
また例えば、前述した(9)のような通信テスト処理を行う場合には、その処理結果をランプやLEDの点滅状態によって報知可能であるため、バーコードの読取完了を報知するためのランプ21を、通信テスト処理の処理結果を報知するために併用しても良い。
【0097】
一方、上記各実施形態では、バーコードスキャナ1のインタフェース27及びケーブル9に、キーボード7が接続される場合について説明したが、キーボード7以外の入力機器(例えば、他のバーコードスキャナや磁気カードリーダ等)が接続される場合についても、同様の効果を得ることができる。
【0098】
また、上記各実施形態のバーコードスキャナ1は、パソコン3に接続されるものであったが、接続相手としてのコンピュータは、パソコン3に限らない。例えば、上記各実施形態のバーコードスキャナ1は、パソコン3と同じキーボードインタフェースを備えたキャッシュレジスタ等にも接続して使用することができる。
【0099】
また更に、上記各実施形態は、本発明をバーコードスキャナに適用したものであったが、本発明の情報入力装置は、磁気カードリーダ等の他の入力機器に対しても適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1実施形態のバーコードスキャナの使用状態を表す説明図である。
【図2】 第1実施形態のバーコードスキャナの内部構成を表す概略構成図である。
【図3】 第1実施形態のバーコードスキャナで実行される処理を表すフローチャートである。
【図4】 第2実施形態のバーコードスキャナで実行される処理を表すフローチャートである。
【符号の説明】
1…バーコードスキャナ 3…パソコン 5…キーボードインタフェース
5a…キーボードインタフェース用コネクタ 7…キーボード
8,9,17…ケーブル 11,13,19…コネクタ 21…ランプ
23…ディスプレイ 25,27…インタフェース
29…バーコード読取部 30…マイクロコンピュータ 31…CPU
33…ROM 35…RAM 37…入出力ポート 39…バス
Claims (6)
- コンピュータのキーボードインタフェースに接続される第1の通信インタフェースと、
前記コンピュータに前記キーボードインタフェースを介して情報を入力するための入力機器に、前記キーボードインタフェースに代えて接続される第2の通信インタフェースと、
外部からの情報を取得する入力部とを備え、
前記コンピュータに入力すべき情報を前記入力機器から前記第2の通信インタフェースを介して取得すると共に、その取得した前記入力機器からの情報を表す信号と、前記入力部により取得された情報を表す信号とを、前記第1の通信インタフェースを介して前記コンピュータへ択一的に送信するよう構成された情報入力装置において、
当該装置の動作モードを、外部指令に応じて通常モードと通信テストモードとに切り替える切替手段と、
該切替手段により当該装置の動作モードが前記通信テストモードに切り替えられた場合に、前記コンピュータと前記入力機器との間の通信仕様を調査するための処理を行う通信テスト手段と、
該通信テスト手段による処理結果を使用者に対して報知する報知手段と、
を備えたことを特徴とする情報入力装置。 - 請求項1に記載の情報入力装置において、
前記通信テスト手段は、前記入力部により取得される測定指示情報に応じて、前記第2の通信インタフェースから前記入力機器へ信号を送信すると共に、その信号に対する前記入力機器の応答状態を検出する処理を、前記コンピュータと前記入力機器との間の通信仕様を調査するための処理として行うこと、
を特徴とする情報入力装置。 - 請求項1又は請求項2に記載の情報入力装置において、
前記報知手段は、前記通信テスト手段による処理結果を前記コンピュータの表示装置に表示させるための信号を、前記第1の通信インタフェースから前記コンピュータへ送信することにより、前記処理結果の報知を行うよう構成されていること、
を特徴とする情報入力装置。 - 請求項1又は請求項2に記載の情報入力装置において、
前記報知手段は、前記通信テスト手段による処理結果を、当該装置に設けられた表示手段に表示することにより、前記処理結果の報知を行うよう構成されていること、
を特徴とする情報入力装置。 - 請求項1ないし請求項4の何れかに記載の情報入力装置において、
当該装置の前記コンピュータに対する通信仕様を、前記通信テスト手段による処理結果に応じて設定する設定手段を備えていること、
を特徴とする情報入力装置。 - 請求項1ないし請求項5の何れかに記載の情報入力装置において、
前記切替手段により当該装置の動作モードが前記通信テストモードに切り替えられた場合に、前記コンピュータからの発信信号の種別と該発信信号に対する当該装置の応答内容とを示す応答指示情報が前記入力部により取得されると、前記コンピュータから前記発信信号が送信されて来たときに、前記コンピュータに対して前記応答内容に応じた応答を行う第2の通信テスト手段を備えたこと、
を特徴とする情報入力装置。
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JP35815797A Expired - Fee Related JP3829451B2 (ja) | 1997-12-25 | 1997-12-25 | 情報入力装置 |
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1997
- 1997-12-25 JP JP35815797A patent/JP3829451B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JPH11191033A (ja) | 1999-07-13 |
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