JP3828414B2 - 電動内包ブラインドの制御装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、サッシに内包される電動ブラインドに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
電動ブラインドの一種類として、二重ガラスサッシ内に横型ブラインドが配設されたものがある。このようなサッシは、防音性及び断熱性を向上させるために、ガラスサッシの内外で高気密性を確保することが必要となっている。
【0003】
このような電動内包ブラインドにサッシ外部から電源を供給する場合には、電源配線を介してサッシ内のモータに電源を供給したり、引き戸として窓枠上を移動するサッシには、ブラシ装置を介してサッシ内に電源を供給したり、あるいはサッシに電池パックを差し込む等の構成が採用される。
【0004】
また、電動内包ブラインドをサッシ外から操作するために、窓枠近傍に設けられる操作スイッチの操作信号を、信号線を介してサッシ内のモータに出力したり、ブラシを介してサッシ内のモータに出力したり、あるいは、無線式のリモコンスイッチを使用して、サッシ内のモータを制御する構成が採用されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、電源配線を介して電源を供給する構成、あるいは信号線を介して操作信号を伝達する構成では、配線の引き回し部分において高気密性を確保することが困難である。
【0006】
また、ブラシを使用する構成では、安定して動作させるために機械的なメンテナンスが必要となり、その作業が煩雑である。
また、リモコンスイッチを使用する構成では、サッシ内に受光部及び制御回路が必要となり、電気的構成が複雑となるとともに、コストも上昇する。
【0007】
この発明の目的は、二重ガラスサッシの気密性を確保しながら、サッシに内包された電動ブラインドを簡便な構成で制御し得る電動内包ブラインドの制御装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1では、二重ガラスサッシ内に横型ブラインドを配設し、前記横型ブラインドのスラットをモータの正逆転動作に基づいて角度調節可能とした電動内包ブラインドにおいて、前記二重ガラスサッシ内に、光の照射に基づいて前記モータを正転方向に回転させる電力を該モータに供給する第一の太陽電池と、光の照射に基づいて前記モータを逆転方向に回転させる電力を該モータに供給する第二の太陽電池とを設け、前記二重ガラスサッシ外において、前記第一及び第二の太陽電池に対向する位置には、該第一及び第二の太陽電池のいずれかを選択して光を照射可能とした照射装置を設けた。
【0009】
請求項2では、前記照射装置は、前記太陽電池に電力を発生させるための照射光を出力する一対のランプと、前記ランプを選択して点灯させる一対のスイッチとで構成した。
【0010】
請求項3では、前記各スイッチは、その操作に基づいてそれぞれリレーコイルを励磁可能とし、前記リレーコイルの励磁に基づいて動作するリレー接点は、前記スイッチの一方のみが操作されたとき、当該スイッチに対応するランプに電源を供給する。
【0011】
請求項4では、前記各太陽電池は、前記モータに対し互いに逆極性となるように接続し、各太陽電池とモータとの間には、前記スラットが垂直方向となるまで回動されたとき、各太陽電池からモータへの電力の供給を遮断するリミットスイッチを介在させた。
【0012】
請求項5では、前記各太陽電池を室内側に向かって取着し、前記ランプを各太陽電池に対向するように配設した。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、この発明を具体化した電動内包ブラインドの一実施の形態を図面に従って説明する。
【0014】
図1に示す電動内包ブラインドは、二重ガラスサッシ1内に横型ブラインド2が内包される。前記横型ブラインド2のヘッドボックス3は、二重ガラスサッシ1の上枠4内に配設され、その上枠4からラダーコードを介して多数段のスラット5が吊下支持されている。
【0015】
前記ヘッドボックス3内には、前記スラット5を角度調節するための角度調節軸6が回転可能に支持され、その角度調節軸6は、ヘッドボックス3の一側に配設されるモータ7により正逆転可能に回転駆動される。
【0016】
従って、モータ7が作動して、角度調節軸6が回転されると、ヘッドボックス3内のスラット角度調節装置及びラダーコードを介して、各スラット5が同位相で角度調節される。
【0017】
前記二重ガラスサッシ1内の上部には、2枚の太陽電池8a,8bが室内に向かって取着されている。そして、各太陽電池8a,8bに光が照射されると、その各太陽電池8a,8bの起電力により前記モータ7が正転あるいは逆転されるようになっている。
【0018】
前記モータ7と太陽電池8a,8bとの接続回路を図4に従って説明すると、前記太陽電池8a,8bは、前記モータ7に対し並列に接続され、かつモータ7に対し互いに逆極性となるように接続されている。
【0019】
前記各太陽電池8a,8bには、前記モータ7に対しそれぞれリミットスイッチ9a,9bが直列に接続されている。
リミットスイッチ9aが閉路(導通)されている状態で、太陽電池8aに光が照射されると、モータ7が正転されて各スラット5はその凸面が室内側となるように回動される。
【0020】
そして、各スラット5がほぼ垂直方向となるまで回動されると、リミットスイッチ9aが開路(不導通)されて、モータ7の作動が停止され、各スラット5の同方向へのそれ以上の回動が阻止される。
【0021】
リミットスイッチ9bが閉路(導通)されている状態で、太陽電池8bに光が照射されると、モータ7が逆転されて各スラット5はその凸面が室外側となるように回動される。
【0022】
そして、各スラット5がほぼ垂直方向となるまで回動されると、リミットスイッチ9bが開路(不導通)されて、モータ7の作動が停止され、各スラット5の同方向へのそれ以上の回動が阻止される。
【0023】
前記太陽電池8a,8bに対向する位置には、ライトユニット10が前記二重ガラスサッシ1のガラス面に接するように配設され、図2に示すように、そのライトユニット10の前面にはハロゲンライトで構成されるランプ11a,11bが設けられている。
【0024】
そして、ランプ11a,11bは、ライトユニット10内でそれぞれ区画された状態で設けられ、ランプ11aの照射光は太陽電池8aのみを照射し、ランプ11bの照射光は太陽電池8bのみを照射するようになっている。
【0025】
前記ライトユニット10の電気的構成を図3に従って説明すると、直流電源14のプラス側端子とマイナス側端子との間には、第一のスイッチ12aと、第一のリレーコイルRuとが直列に接続され、かつ第二のスイッチ12bと、第二のリレーコイルRdとが直列に接続される。
【0026】
前記第一及び第二のスイッチ12a,12bは、ライトユニット10から離れて、前記二重ガラスサッシ1近傍の壁面等に設けられる。
直流電源14のプラス側端子とマイナス側端子との間には、前記リレーコイルRuの励磁に基づいて動作する常開接点Ruaと、前記リレーコイル13bの励磁に基づいて動作する常閉接点Rdbと、前記ランプ11aとが直列に接続される。
【0027】
また、直流電源14のプラス側端子とマイナス側端子との間には、前記リレーコイルRdの励磁に基づいて動作する常開接点Rdaと、前記リレーコイルRuの励磁に基づいて動作する常閉接点Rubと、前記ランプ11bとが直列に接続される。
【0028】
このような構成により、第一のスイッチ12aが閉路されてリレーコイルRuが励磁されると、常開接点Ruaが閉路されるとともに、常閉接点Rdbが閉路状態に維持される。また、常開接点Rdaは開路状態に維持され、常閉接点Rubは開路される。従って、ランプ11aが点灯される。
【0029】
また、第二のスイッチ12bが閉路されてリレーコイルRdが励磁されると、常閉接点Rdbが開路されるとともに、常開接点Ruaが開路状態に維持される。また、常開接点Rdaは閉路され、常閉接点Rubは閉路状態に維持される。従って、ランプ11bが点灯される。
【0030】
次に、上記のように構成された電動内包ブラインドの動作を説明する。
第一のスイッチ12aを閉路すると、ランプ11aが点灯され、その光が太陽電池8aに照射される。すると、モータ7が正転されて、スラット5はその凸面が室内側となるように回動される。そして、各スラット5がほぼ垂直方向となるまで回動されると、リミットスイッチ9aが開路されて、モータ7の作動が停止される。
【0031】
第二のスイッチ12bを閉路すると、ランプ11bが点灯され、その光が太陽電池8bに照射される。すると、モータ7が逆転されて、スラット5はその凸面が室外側となるように回動される。そして、各スラット5がほぼ垂直方向となるまで回動されると、リミットスイッチ9bが開路されて、モータ7の作動が停止される。
【0032】
また、誤って第一及び第二のスイッチ12a,12bがともに閉路されたとき、常閉接点Rdb,Rubはともに開路されるため、ランプ11a,11bは双方とも消灯状態となる。
【0033】
従って、第一及び第二のスイッチ12a,12bの誤操作によって太陽電池8a,8bがともに電力を発生する状態となることはない。
上記のように構成された電動内包ブラインドでは、次に示す作用効果を得ることができる。
(1)第一及び第二のスイッチ12a,12bの操作により、モータ7を作動させて、スラット5の角度調節操作を行うことができる。
(2)ライトユニット10から太陽電池8a,8bに光を照射することにより、モータ7への電源の供給及びモータ7の回転方向の制御を行うことができる。
(3)モータ7へ電源を供給するために、二重ガラスサッシ1の外部から電源を供給する必要はない。従って、二重ガラスサッシ1の外部から電源を供給するための電源配線を必要としないので、二重ガラスサッシ1の気密性を向上させることができる。
(4)第一及び第二のスイッチ12a,12bの操作による操作信号をモータ7に伝達するための信号線を必要としないので、二重ガラスサッシの気密性を向上させることができる。
(5)二重ガラスサッシ1内に収納する電気回路は、太陽電池8a,8b、モータ7及びリミットスイッチ9a,9bのみで、簡便に構成することができる。
(6)ライトユニット10は、リレーとランプ11a,11bのみで、簡便に構成することができる。
(7)第一及び第二のスイッチ12a,12bを誤ってともに閉路しても、ランプ11a,11bの同時点灯を防止することができる。従って、ランプ11a,11bの同時点灯による太陽電池8a,8bあるいはモータの破損を未然に防止することができる。
【0034】
上記実施の形態は、次に示すように変更することもできる。
・太陽電池の起電力を増大させて、スラットの角度調節操作に続いて、モータによりスラットの昇降装置を駆動して、スラットの引き上げ操作あるいは下降操作を行うようにしてもよい。
・ランプ11a,11bは、ハロゲンランプ以外のランプを使用してもよい。
【0035】
【発明の効果】
以上詳述したように、この発明は二重ガラスサッシの気密性を確保しながら、サッシに内包された電動ブラインドを簡便な構成で制御し得る電動内包ブラインドの制御装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 一実施の形態の電動内包ブラインド示す斜視図である。
【図2】 一実施の形態のライトユニットを示す正面図である。
【図3】 ライトユニットの電気的構成を示す回路図である。
【図4】 電動内包ブラインドの電気的構成を示す回路図である。
【符号の説明】
1 二重ガラスサッシ
2 横型ブラインド
5 スラット
7 モータ
8a 第一の太陽電池
8b 第二の太陽電池
10 照射装置(ライトユニット)
Claims (5)
- 二重ガラスサッシ内に横型ブラインドを配設し、前記横型ブラインドのスラットをモータの正逆転動作に基づいて角度調節可能とした電動内包ブラインドにおいて、
前記二重ガラスサッシ内に、光の照射に基づいて前記モータを正転方向に回転させる電力を該モータに供給する第一の太陽電池と、光の照射に基づいて前記モータを逆転方向に回転させる電力を該モータに供給する第二の太陽電池とを設け、前記二重ガラスサッシ外において、前記第一及び第二の太陽電池に対向する位置には、該第一及び第二の太陽電池のいずれかを選択して光を照射可能とした照射装置を設けたことを特徴とする電動内包ブラインドの制御装置。 - 前記照射装置は、前記太陽電池に電力を発生させるための照射光を出力する一対のランプと、前記ランプを選択して点灯させる一対のスイッチとで構成したことを特徴とする請求項1記載の電動内包ブラインドの制御装置。
- 前記各スイッチは、その操作に基づいてそれぞれリレーコイルを励磁可能とし、前記リレーコイルの励磁に基づいて動作するリレー接点は、前記スイッチの一方のみが操作されたとき、当該スイッチに対応するランプに電源を供給することを特徴とする請求項2記載の電動内包ブラインドの制御装置。
- 前記各太陽電池は、前記モータに対し互いに逆極性となるように接続し、各太陽電池とモータとの間には、前記スラットが垂直方向となるまで回動されたとき、各太陽電池からモータへの電力の供給を遮断するリミットスイッチを介在させたことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の電動内包ブラインドの制御装置。
- 前記各太陽電池を室内側に向かって取着し、前記ランプを各太陽電池に対向するように配設したことを特徴とする請求項2乃至4のいずれかに記載の電動内包ブラインドの制御装置。
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