JP3827950B2 - 軸封止装置 - Google Patents

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、概括的に回転装置と共に使用される軸封止装置に関する。
【０００２】
【従来の技術】
回転装置の適切な整備は、多くの加工プラントにおいて、該装置の作動サイクルが高く、整備要素が少なく、予備の回転装置が欠如していることなどのため、困難である。このことは、特に、工作機械のスピンドル、製紙機械のローラの湿潤軸、アルミニウム転造ミル、蒸気急冷ポンプ、その他の潤滑に影響する極端な汚染物を使用する設備において適合する。
【０００３】
軸受環境の一体性を保護するため各種形式の軸封止装置が使用されており、例えば、ゴムのリップ封止装置、隙間のラビリンス封止装置、および吸着性磁気封止装置などがある。リップ封止装置またはＯ−リングの軸封止装置は簡単に磨耗し、効果がなく、ロータとステータとの間の界面が破損する以前に過剰の水分その他の汚染物が作動装置の貯油槽に入るという問題がある。
【０００４】
密接に関連するステータリングとロータリングとを含むラビリンス型封止装置は、これらのリングが互いに接触しないが相互間にラビリンス通路を画定するものであり、このようなラビリンス型封止装置は開発され使用されており、オルロウスキー（Orlowski）の米国特許明細書第４７０６９６８号、第４９８９８８３号、第５０６９４６１号およびオルロウスキーが引用した他の特許明細書に示されている。米国特許明細書第４９８９８８３号および第５０６９８８３号明細書に開示されているように、改良されたラビリンス封止装置は各種形式のＯ−リングシールの使用が示され、軸が静止しているときの静的封止作用を改良し、軸が回転しているとき非接触の動的封止作用が提供されている。
【０００５】
米国特許明細書第５３７８０００号にはラビリンス封止装置およびＯ−リング封止装置の改良が示されている。この封止装置はロータおよびステータの凹所に挿入されてロータおよびステータを軸方向位置に錠止めする封止リングを含む。このようなロータおよびステータを錠止めすることは、ステータからのロータの移動の可能性を著しく減少せしめる。その結果、従来のロータとステータとの間に存在した半径方向の間隙の変化を減少する。
【０００６】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は封止装置すなわち軸受隔離装置を改良し回転装置内のステータを囲んでロータの半径方向端部において軸方向に向かう界面を形成し、潤滑剤の漏洩を防止し、汚染物の侵入を防止する。従来技術の封止装置は伝統的にロータとステータとの間に半径方向に汚染物に、または封止装置の半径方向縁部において潤滑剤に露出した界面を有する。
【０００７】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、ロータ内へのステータの軸線方向の突出部１９は半径方向に拡張せしめられている。この突出部すなわちステータの突出部材はステータの本体の主要部分の直径を超えて半径方向に拡張せしめられている。
【０００８】
ロータおよびロータ内の凹所は、従来技術ではステータの突出部または凹所に囲まれていたが、ステータの主要部分を超えて半径方向に延長せしめられる。これに対して本発明では、ロータはステータまたはステータの突出部の実質的な部分を囲んで、潤滑剤または汚染物の侵入を受ける界面が軸線方向に伸びてこの軸方向界面間隙がハウジングの方を向いて開口している。この軸線方向界面間隙によれば潤滑剤または汚染物の封止装置の内部への近接を減少せしめ、ロータおよびステータの間の一定の寸法的界面をステータに相対的なロータの軸線方向運動に拘らず達成する。
【０００９】
ステータに環状溝２２を機械加工によって設けロータおよびステータの新規な半径方向延長部を強調してもよい。環状溝２２は封止能力を改善し、汚染物がロータとステータとの間の軸方向界面間隙から入る汚染物を防止するシールの能力を改善する。なお、図２から明らかな如く、環状溝２２のロータ有底筒状部１３Ａ側半径方向面２２ａは、有底筒状部１３Ａの端面１３Ｂと略同一面レベルである。
【００１０】
この新規な改良、すなわちステータをロータによってカプセル化することによってステータとロータとの近接可能部分間の間隙が予め定めた値であるようになされる。さらに、ロータとステータとの間の相対的軸方向運動によっても軸方向界面間隙に変動または変化がないことを意味する。
【００１１】
この新規な封止装置、すなわち軸受隔離装置は汚染物がロータとステータとの間の軸方向界面間隙２１に侵入することを排除する。軸方向界面間隙への侵入は汚染物の正常な流れ、すなわち軸の軸線に沿ってハウジングに向う流れを受けない方向に開口している。軸方向界面間隙は機械加工によって著しく小さい間隙となされ、ロータとステータとの間に半径方向運動がなく、両者の相対的軸方向運動は軸方向界面間隙に影響を与えない。
【００１２】
本発明のその他の目的、効果および本発明の実施例は図面を参照し、従来技術の特許明細書を参照する以下の詳細な説明により明らかとなされる。
【００１３】
【発明の実施の形態】
図１はロータとステータとの間の相対的軸方向運動に対する制御を有する従来技術を示す。従来技術によれば図１に示すように、実質的に潤滑部または汚染物に半径方向に開いた界面間隙を有している。
【００１４】
本発明は第２図に示され、以下に詳述する。本発明は従来技術の多くに示されるラビリンスのみを使用するシール又は軸受隔離装置に適用可能である。
図２に示すように、ロータおよびステータ表面に関する間隙の位置および開放している界面間隙の方向は共に本発明において重要である。
【００１５】
図１の従来例においては、ステータ１４に対するロータ１３の軸線方向運動は２つの半径方向界面間隙２０、２１の寸法を変化せしめる。半径方向界面間隙２１は汚染物に対して感受性が高く即ち、汚染物が侵入し易く、特にロータ１３とステータ１４の半径方向表面１３ａ、１４ａの方向に起因しており、これは半径方向界面間隙２１の寸法の大小とは無関係である。
【００１６】
図２に示すように、本発明によれば、ロータ１３はステータ１４の主要直径を超えて半径方向に延長する。これによってロータ１３の有底筒状部１３Ａはステータ１４の半径方向に延長する突出部１９を取り囲む。これにより、図２に示す如く、有底筒状部１３Ａと前記ステータ１４の突出部１９の半径方向面１９Ａ及び外周面１９Ｂとの間に夫々半径方向間隙としての半径方向界面間隙２０及び軸方向間隙としての軸方向界面間隙２１を形成する。ロータ１３の有底筒状部１３Ａがステータ１４の基本的半径方向寸法を超えていることが重要である。これは従来技術との差において重要であり、従来技術ではロータ１３はステータ１４の主要直径と半径方向に同一の広がりを有する。
【００１７】
汚染物または潤滑剤に露出しているロータ１３とステータ１４との間の軸方向界面間隙２１は、寸法が一定で、かつロータ１３とステータ１４との間の相対的軸線方向運動に無関係である。半径方向界面間隙２０はロータ１３とステータ１４との間の相対的運動により寸法の変化を受ける。この相対的運動は作動には重要ではなく、界面間隙の寸法および位置のために少量の汚染物のみがラビリンスを通過可能である。ロータ１３及びステータ１４の相対的運動を拘束されていないシールにおいては軸方向界面間隙２１の変動の防止が特に重要である。
【００１８】
軸方向界面間隙２１の開口の方向は、ロータとステータとの相対的運動に関係無く重要である。汚染物の侵入を制御するため軸線方向に指向されている軸方向界面間隙２１は新規であって、重要である。軸方向界面間隙２１の開口はハウジングの方へ、且つ汚染物流を正面から受けないように面する。汚染物の流れ又は冷却流は通常は軸１０の軸線に沿い、ハウジング１１に（即ち、図２中左方へ）向かっている。
【００１９】
溝２２はステータ１４に設けてもよい。溝２２は、その方向性と軸方向界面間隔２１から独立していることとによって、ロータ１３及びステータ１４の半径方向延長部の利点を強化し、強調するものである。なお、図において符号１５はロータ１３を駆動する部材であり、符号１７はスタータ１４とハウジング１１との間を封止しているシールであり、符号１８は所定の機能を提供するシール装置全体をさしている。
【００２０】
【発明の効果】
本発明による封止装置は任意の機械加工可能な金属、例えばブロンズ、ステンレス鋼、または機械加工可能なプラスチック材料、例えばテフロン（商標名）または他の機械加工可能なプラスチック材料製とする。本発明の望ましい実施例について説明したが、本発明の精神と請求の範囲から離れることなく各種の変化、変更が実施可能であることは当業者に明きらかである。
【図面の簡単な説明】
【図１】 従来技術の封止装置を軸と共に示す断面図である。
【図２】 本発明の封止装置を示す断面図である。
【符号の説明】
１０：軸 １１：ハウジング
１３：ロータ １４：ステータ
１５：ロータ回転部材 １７：シール
１８：シール装置 １９：突出部
２０：界面間隔 ２１：界面間隔

Claims (7)

1. ハウジング（１１）に入っている回転軸（１０）を封止する軸封止装置であって、
   ａ．軸（１０）を囲みハウジング（１１）内に固着されたステータ（１４）と、
   ｂ．前記軸（１０）を囲み、該軸に回転可能に連結されたロータ（１３）とを具備し、
   ｃ．前記ロータ（１３）及びステータ（１４）は前記軸（１０）上で互いに当接し、
   ｄ．前記ステータ（１４）は、該ハウジング（１１）内に固着された本体（１４）と、該本体から、該ハウジング（１１）から離れてロータ（１３）の方向の軸方向へ延長し且つ半径方向外方へ延長して、半径方向面（１９Ａ）及び外周面（１９Ｂ）を有する軸方向且つ半径方向外方突起部（１９）とを有し、且つ前記ロータ（１３）は、前記ステータ（１４）の前記突起部（１９）の半径方向面（１９Ａ）及び外周面（１９Ｂ）に夫々対向して半径方向間隙（２０）及び軸方向間隙（２１）を形成する有底筒状部（１３Ａ）を有しており、
   ｅ．前記ステータ（１４）の前記軸方向且つ半径方向外方延長の突起部（１９）の半径方向内方位置において前記ステータ（１４）の本体に形成された環状溝部（２２）を有しており、且つ環状溝部（２２）の前記ロータ（１３）の有底筒状部（１３Ａ）側の半径方向面（２２ａ）は該有底筒状部（１３Ａ）の筒状端面（１３Ｂ）と略同一面であり、
   ｆ．前記軸方向間隙（２１）が軸方向に前記ハウジング（１１）の方へ向いて開口している、
   ことを特徴とする軸封止装置。
2. 前記軸方向通路（２１）が前記ハウジング（１１）と前記ロータ（１３）およびステータ（１４）の半径方向延長部（１９）との間の空間に開放しており、該空間が汚染物の流れから離れかつ該流れにより浸透されないように開放していることを特徴とする請求項１に記載の軸封止装置。
3. 前記軸方向通路（２１）の寸法が一定であることを特徴とする請求項１に記載の軸封止装置。
4. 前記軸方向通路（２１）の寸法が予め定められている請求項３に記載の軸封止装置。
5. 前記ステータの本体（１４）と前記ロータ（１３）との間に少なくとも１つのラビリンスが設けられている請求項１に記載の軸封止装置。
6. 前記ロータ（１３）と前記ステータ（１４）は相互間の相対的軸方向運動を抑止されている請求項１に記載の軸封止装置。
7. 前記ステータの本体（１４）が前記ロータ（１３）の一部を囲んでいる請求項１に記載の軸封止装置。

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