JP3827783B2 - ガスタービンの制御装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、発電プラントにおけるガスタービンの制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、ガスタービン燃焼時に発生する窒素酸化物(NOx)量を低減させるために、ガスタービン燃焼器に蒸気もしくは水を供給していた。この時の燃焼は拡散燃焼だけであった。
【0003】
現在では、蒸気もしくは水の供給を行わないで、予混合燃焼と拡散燃焼を組み合わせた多段燃焼が一般的に行われており、予混合燃焼の割合を増やしてNOx量の低減を行っている。
【0004】
ところが、近年になって、ガスタービン排ガスの環境に対する配慮、すなわち、低NOx化の要求が強まっており、近い将来は、前記説明の蒸気供給と多段燃焼を組み合わせて、さらなるNOx量の低減をさせる設備が計画されている。
【0005】
かかる計画されているガスタービン及び燃料配管系統と蒸気配管系統とを図18に示す構成図を参照して説明する。
【0006】
同図において、外部から取り入れた空気が空気圧縮機1にて高圧空気に圧縮される。この高圧の空気圧縮機吐出空気は図示しない空気流路を通って燃焼器2内に入り燃料の燃焼用として使用される。燃焼器2はガスタービン軸3の周囲に環状に複数配置されているが、便宜上、図では2台設置してある。
【0007】
ガスタービンの制御装置4の指令によって第1燃料制御弁5aと第2燃料制御弁5bとが制御される。まず、燃料母管から燃料止め弁を経由して第1燃料制御弁5aを通過した燃料が各燃焼器2の拡散燃焼用燃料バーナ2aから燃焼器内に送られ燃焼室2cで拡散燃焼する。また、燃料母管から燃料止め弁を経由して第2燃料制御弁5bを通過した燃料が各燃焼器2の予混合燃焼用燃料バーナ2bから燃焼器内に送られ予混合燃焼室2dで空気と混合した後に、燃焼室2cで予混合燃焼する。
【0008】
また、ガスタービンの制御装置4からの指令によって蒸気噴射制御弁6が制御され、蒸気噴射制御弁6を通過した蒸気が各燃焼器2の蒸気供給ノズル2eから燃焼器2内に送られて拡散燃焼用燃料と混合燃焼する。燃焼器2の高温高圧の燃焼ガスがガスタービン7にてガスタービン軸3を回転させ、同軸上の空気圧縮機1と発電機8とが回転する。ガスタービン7で仕事したガスは大気へ放出される。
【0009】
図18は予混合ラインが1系統の場合を示したものであり、予混合ラインが2系統以上ある場合は、燃料制御弁と燃料ラインと燃料バーナーを2個以上設けることになる。なお、図18の場合、拡散燃焼のみに蒸気噴射供給を行う場合を示したものであり、予混合燃焼にも蒸気噴射供給を行う場合は蒸気供給ノズルを予混合燃焼室2dにも設けるようにするか、あるいは、燃焼器の構造の変更で対応する。また、拡散燃焼と予混合燃焼の両方に蒸気供給する場合は、燃焼器2に供給する前の圧縮空気に蒸気を供給する。
【0010】
次に、ガスタービンの運転について説明する。
【0011】
ガスタービンの運転は、図示していない起動モータ相当によりガスタービン軸の初期回転を行い、所定軸速度で第1燃料制御弁5aを開いて燃焼器2に燃料を供給し、燃焼器2の点火を行う。その後、第1燃料制御弁5aの開度を増加させることにより燃料流量を増加させて軸速度を増加させる。
【0012】
定格速度に到達すると、電力系統に発電機8を併入させて、発電機8は電力系統に発電機出力を送り始める。その後、燃料量を増加させるに従い、発電機出力が増加する。なお、昇速中もしくは発電機出力増加中の予混合燃焼が可能な状態になった所で第2燃料制御弁2bを所定開度まで開いて、同時に第1燃料制御弁5aが所定開度まで閉める。この場合、第1燃料制御弁5aの流量と第2燃料制御弁5bの流量を加算した値が総合燃料流量となるが、総合燃料流量が変わらないように燃料分配が行われる。
【0013】
拡散燃焼用燃料流量と予混合燃焼用燃料流量の分配はNOx量を低減させるために発電機出力の増加に伴って予混合燃料流量の分担が増加するように調整される。また、燃焼器2に蒸気を供給できる状態になった所で、蒸気噴射制御弁6が開かれて、燃焼器2に蒸気を供給し、NOx量の減少が図られる。
【0014】
次に、ガスタービンの制御装置の構成について説明する。図19は従来から計画されているガスタービンの制御装置4の構成を示す図である。
【0015】
同図において、起動制御器4aと速度・負荷制御器4bと排ガス温度制御器4cの各出力信号を低値選択器4dに入力し、総合燃料流量指令を出力する。この総合燃料流量指令を燃料分配制御手段9へ入力し、第1燃料制御弁5aと第2燃料制御弁5bの開度指令を出力するように構成されている。また、蒸気噴射制御手段10は発電機出力を入力し蒸気噴射制御弁6の開度指令を出力するように構成されている。
【0016】
燃料分配制御手段9は、総合燃料流量指令を乗算器9aと減算器9bとに入力し、乗算器9aによって発電機出力を入力とする関数発生器9cの出力との乗算を行い、第1燃料制御弁5aの開度指令を求めている。また、減算器9bは第1燃料制御弁5aの開度指令との減算を行い、第2燃料制御弁5bの開度指令を求めるように構成されている。
【0017】
関数発生器9cの関数設定内容の一例を図20に示す。発電機出力信号の所定範囲で燃料分配比率が低下するように設定されている。
【0018】
なお、図19は、燃料分配が2系統の場合を示したものであり、3系統以上ある場合は、関数発生器9cと乗算器9aと同等のものを2個以上設けることになる。
【0019】
蒸気噴射制御手段10は、発電機出力を関数発生器10aに入力し、蒸気噴射流量目標値を求め、アナログスイッチ10bで0%流量が設定されるている設定器10cとの切り替えを行い、出力される蒸気噴射流量設定と実測蒸気噴射流量との偏差を減算器10dで求めてPID演算器10eに入力し、出力される信号を蒸気噴射制御弁6の開度指令を求めるように構成されている。
【0020】
関数発生器10aの関数設定内容の一例を図21に示す。図19では、蒸気噴射で説明しているが、水噴射であっても同様の構成である。
【0021】
次に、図19に示すガスタービンの制御装置の動作について説明する。
【0022】
まず、起動制御器4aによる信号が低値選択器4dで選択され、起動後に速度・負荷制御器4bに制御が移行する。系統に発電機出力が並列すると、速度・負荷制御器4bにより負荷上昇が行われ、排ガス温度制御器4cによる制御に移行した所で負荷上昇が完了する。定格速度到達後に蒸気噴射が可能な状態になると、アナログスイッチ10bの出力が設定器10cの値から関数発生器10aの出力信号に切り替わる。これにより、蒸気噴射流量が関数発生器10aの値に追従するように制御され蒸気噴射を開始する。また、負荷上昇に伴い、関数発生器9cの出力値である燃料分配設定が1.0から減少し、第2燃料流量制御弁5bにも燃料流量が流れ始める。関数発生器9cの出力は燃料分配設定であり1.0から減少すると第1燃料制御弁5aの燃料分担が減少し、減少した分だけ第2燃料流量制御弁5bの分担が増加する。
【0023】
次に、ガスタービンの排ガスのNOx量について説明する。
【0024】
NOxの低減は、蒸気噴射による燃焼温度を低下させて行っている。燃料流量に対して蒸気流量を増加すればNOxの低減が図れる。蒸気噴射によるNOx量が増えすぎると燃焼器の火炎が失火する。このため、燃料流量と蒸気流量の比率をNOx低減と燃焼効率の関係で総合的に優れている値に調整することが必要である。この考えは、拡散燃焼と予混合燃焼の両方に適用できる。しかし、予混合燃焼の場合は、火炎に直接蒸気を噴射すると失火してしまうので、燃料・空気と蒸気流量の比率を最良値に調整することが、NOx低減と燃焼効率向上の点で望まれる。
【0025】
次に、燃焼器が失火した時の運転状況について説明する。
【0026】
燃焼器が1缶でも失火すると、円周上に配置された燃焼器から出力されるガスタービン入口温度が円周上の一部分で低下し、回転しているガスタービン動翼に熱脈動が発生しストレスがかかる。これは、ガスタービン動翼の寿命低下に影響し、状況によってはクラックの原因にもなる。
【0027】
このため、図示していない燃焼監視装置によって燃焼器の失火を検出している。監視内容は、ガスタービン出口の排ガス温度を円周上に検出し、一部分の温度が低下したことで燃焼器の失火を検出している。この燃焼器失火を検出した場合は、速やかに燃料を遮断しガスタービンの運転を停止している。
【0028】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、現在計画している低NOxガスタービンでは、燃料流量制御と蒸気噴射流量制御とが同じ発電機出力に基づき制御することになっており、互いに独立した制御を行っているため、NOxの低減と燃焼効率の向上について多くを望むことができないという問題がある。
【0029】
また、現在計画している低NOxガスタービンでは、燃料流量と蒸気噴射流量との比率を最良値に制御できないため、ガスタービンの排ガスのNOx低に対して蒸気もしくは水の噴射流量が誤って大きくなることがあり、これによりガスタービン燃焼器が失火し、運転が継続できないという問題がある。
【0030】
そこで、本発明は上記問題を解決するためになされたものであり、その目的はガスタービン燃料分配制御と蒸気もしくは水噴射制御とが協調した制御が行われて、各燃焼の燃料流量と蒸気流量との比率を最良値に調整し、ガスタービン排出のNOx低減と燃焼効率を向上させ、かつ、燃焼器の失火を防止することのできる低NOxのガスタービンの制御装置を提供することにある。
【0033】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、拡散燃焼と予混合燃焼をさせると共に、蒸気あるいは水の供給によってNOxの減少を図る複数の燃焼器と、前記拡散燃焼と前記予混合燃焼をさせる各バーナへ燃料を配分して供給する拡散燃焼用燃料制御弁と予混合燃焼用燃料制御弁と、前記蒸気あるいは水を供給する蒸気噴射制御弁と、前記拡散燃焼用燃料制御弁を拡散燃焼用燃料制御弁開度指令信号によって制御し、予混合燃焼用燃料制御弁を予混合燃焼用燃料制御弁開度指令信号によって制御する一方、前記蒸気噴射制御弁を蒸気噴射制御弁開度指令信号によって制御する制御手段とを具備するガスタービンの制御装置において、NOxの減少と拡散燃焼と予混合燃焼の効率向上を図るために、拡散燃焼用燃料流量と予混合燃焼用燃料流量とのそれぞれに対して蒸気あるいは水の流量が所定比率となるように、前記拡散燃焼用燃料制御弁開度指令信号に基づく信号あるいは相当信号に第1所定の重み付けを加えた信号と、前記予混合燃焼用燃料制御弁開度指令信号に基づく信号あるいは相当信号に第2所定の重み付けを加えた信号とを加算し、得られた加算信号に基づく信号を前記蒸気噴射制御弁開度指令信号とする手段を備えることを特徴とする。この手段によれば、拡散燃焼用燃料流量と予混合燃焼用燃料流量とのそれぞれにつき蒸気噴射流量補正係数による重み付けが行われ、これらの加算した信号に対して蒸気噴射流量が定められる。これによって、拡散燃焼と予混合燃焼の各燃料流量につき蒸気噴射流量が所定の比率とされ、最良な拡散燃焼の燃料流量と蒸気流量とによってNOxを減少させ、かつ、燃焼効率を向上させることができる。
【0034】
請求項2の発明は、請求項1記載のガスタービンの制御装置において、拡散燃焼用燃料流量と予混合燃焼用燃料流量とのそれぞれに発電機出力信号あるいは燃焼温度相当信号に応じた蒸気噴射流量補正係数の関数を設け、発電機出力信号あるいは燃焼温度相当信号に応じてそれぞれ蒸気噴射流量補正係数を求めて第1所定の重み付けおよび第2所定の重み付けとするようにしたものである。この手段によれば、発電機出力信号あるいは燃焼温度相当信号に応じて拡散燃焼用燃料流量と予混合燃焼用燃料流量とのそれぞれにつき蒸気噴射流量補正係数による重み付けが行われ、これらの加算信号に対して蒸気噴射流量が定められる。これによって、拡散燃焼と予混合燃焼の各燃料流量につき蒸気噴射流量が所定の比率とされ、最良な拡散燃焼の燃料流量と蒸気流量とによってNOxを減少させ、かつ、燃焼効率を向上させることができる。
【0035】
請求項3の発明は、請求項1又は請求項2記載のいずれかのガスタービンの制御装置において、実測蒸気噴射流量の異常な増加のとき実測蒸気噴射流量信号に対して所定の関数によって実測蒸気噴射流量信号が増加した分だけ拡散燃焼用燃料分配比率を増加する手段を設けるようにしたものである。この手段によれば、実測蒸気噴射流量信号が異常に上昇したとき所定の比率で燃料分配率信号が上昇される。これによって、拡散燃焼用燃料流量と蒸気噴射流量が所定の比率で制限され、最良な拡散燃焼の燃料流量と蒸気流量とによりNOxを減少させ、かつ、燃焼効率を向上させることができる。
【0037】
請求項4の発明は、拡散燃焼と予混合燃焼をさせると共に、蒸気あるいは水の供給によってNOxの減少を図る複数の燃焼器と、前記拡散燃焼と予混合燃焼をさせる各バーナへ燃料を配分して供給する拡散燃焼用燃料制御弁と予混合燃焼用燃料制御弁と、前記燃焼器へ前記蒸気あるいは水を噴射する主蒸気噴射制御弁と前記燃焼器へ前記蒸気あるいは水に圧縮空気を加えて噴射する副蒸気噴射制御弁と、拡散燃焼用燃料制御弁開度指令信号によって前記拡散燃焼用燃料制御弁を制御し、前記拡散燃焼用燃料制御弁開度指令信号あるいは相当信号と所定の比率となるように生成される予混合燃焼用燃料制御弁開度指令信号によって前記予混合燃焼用燃料制御弁を制御する燃料分配制御手段と、前記拡散燃焼用燃料制御弁開度指令信号あるいは相当信号に対して所定の比率となるように前記主蒸気噴射制御弁開度指令信号を生成出力する一方、前記主蒸気噴射制御弁開度指令信号あるいは相当信号に対して所定の比率となるように前記副蒸気噴射制御弁開度指令信号を生成出力する蒸気噴射制御手段と、を備えることを特徴とする。この手段によれば、拡散燃焼用燃料制御弁開度指令信号に応じて所定の比率で主蒸気噴射制御弁開度指令信号が出力される。さらに、主蒸気噴射制御弁開度指令信号と副蒸気噴射制御弁開度指令信号とが所定の比率として生成出力される。この結果、拡散燃焼用燃料制御弁開度指令信号に基づいて主蒸気噴射制御弁による蒸気の第1供給流量と副蒸気噴射制御弁による第2供給流量の分配流量が調節される。従って、拡散燃焼に最適な蒸気の第1供給流量を得ることができ、かつ、予混合燃焼に最適な蒸気の第2供給流量を得ることができ、NOx低減と燃焼効率向上を最良にできる。しかも、水噴射流量が所定以上となることを抑制でき、燃焼器の失火を防止することができる。
【0038】
請求項5の発明は、拡散燃焼と予混合燃焼をさせると共に、蒸気あるいは水の供給によってNoxの減少を図る複数の燃焼器と、前記拡散燃焼と予混合燃焼とをさせる各バーナへの燃料を配分して供給する拡散燃焼用燃料制御弁と予混合燃焼用燃料制御弁と、前記蒸気あるいは水を前記燃焼器へ供給する主蒸気噴射制御弁と前記蒸気あるいは水に圧縮空気を加えて前記燃焼器へ供給する副蒸気噴射制御弁と、発電機出力信号に基づく燃料分配率信号によって生成される拡散燃焼用燃料制御弁開度指令信号によって前記拡散燃焼用燃料制御弁を制御し、拡散燃焼用燃料制御弁開度指令信号と所定の比率となるように生成される予混合燃焼用燃料制御弁開度指令信号によって前記予混合燃焼用燃料制御弁を制御する燃料分配制御手段と、前記燃料分配率信号あるいは相当信号に対して所定の比率となるように前記主蒸気噴射制御弁開度指令信号を生成出力する一方、前記主蒸気噴射制御弁開度指令信号に対して所定の比率となるように前記副蒸気噴射制御弁開度指令信号を生成出力する蒸気噴射制御手段と、を備えることを特徴とする。この手段によれば、燃料分配率信号に応じて所定の比率で主蒸気噴射制御弁開度指令信号が出力される。さらに、主蒸気噴射制御弁開度指令信号と副蒸気噴射制御弁開度指令信号とが所定の比率として生成出力される。この結果、燃料分配率信号に基づいて主蒸気噴射制御弁による蒸気の第1供給流量と副蒸気噴射制御弁による第2供給流量の分配流量が調節される。従って、拡散燃焼に最適な蒸気の第1供給流量を得ることができ、かつ、予混合燃焼に最適な蒸気の第2供給流量を得ることができ、NOx低減と燃焼効率向上を最良にできる。しかも、水噴射流量が所定以上となることを抑制でき、燃焼器の失火を防止することができる。
【0041】
請求項6の発明は、拡散燃焼と予混合燃焼をさせると共に、蒸気あるいは水の供給によってNoxの減少を図る複数の燃焼器と、前記拡散燃焼と予混合燃焼をさせる各バーナへの燃料を配分して供給する拡散燃焼用燃料制御弁と予混合燃焼用燃料制御弁と、前記蒸気あるいは水を前記燃焼器へ供給する主蒸気噴射制御弁と前記蒸気あるいは水に圧縮空気を加えて前記燃焼器へ供給する副蒸気噴射制御弁と、前記拡散燃焼用燃料制御弁を拡散燃焼用燃料制御弁開度指令信号によって制御し、前記予混合燃焼用燃料制御弁を予混合燃焼用燃料制御弁開度指令信号によって制御する燃料分配制御手段と、前記拡散燃焼用燃料制御弁開度指令信号あるいは相当信号に基づく信号に第1所定の重みを加えた信号と前記予混合燃焼用燃料制御弁開度指令信号あるいは相当信号に基づく信号に第2所定の重みを加えた信号とを加算し得られた加算信号を総合蒸気噴射流量設定信号としてこれに蒸気噴射流量分配率信号を乗算して主蒸気噴射流量設定信号として前記主蒸気噴射制御弁を制御する一方、前記総合蒸気噴射流量設定信号から前記主蒸気噴射流量設定信号を減算した副蒸気噴射流量設定信号によって前記副蒸気噴射制御弁を制御する蒸気噴射制御手段と、を備えることを特徴とする。この手段によれば、拡散燃焼用燃料制御弁開度指令信号に第1所定の重み付けがされた信号と予混合燃焼用燃料制御弁開度指令信号に第2所定の重み付け信号が加算され総合蒸気噴射流量設定信号とされる。そして、この総合蒸気噴射流量設定信号に蒸気噴射流量分配率信号が乗算され主蒸気噴射流量設定信号とされる。また、総合蒸気噴射流量設定信号から主蒸気噴射流量設定信号を減算して副蒸気噴射流量設定信号とされる。従って、拡散燃焼に最適な蒸気の主蒸気噴射制御弁による第1供給流量と予混合燃焼に最適な蒸気の副蒸気噴射制御弁による第2供給流量の全流量を得ることができ、NOx低減と燃焼効率向上を図ることができる。しかも、水噴射流量が所定以上に高くなることを抑制でき、燃焼器の失火を防止することができる。
【0042】
請求項7の発明は、請求項6記載のガスタービンの制御装置において、発電機出力信号あるいは燃焼温度相当信号に応じて第1および第2所定の重みをそれぞれ増減させるようにしたものである。この手段によれば、拡散燃焼用燃料制御弁開度指令信号に対して発電機出力信号あるいは燃焼温度相当信号に基づく第1所定の重み付けがされた信号と予混合燃焼用燃料制御弁開度指令信号に対して発電機出力信号あるいは燃焼温度相当信号に基づく第2所定の重み付け信号が加算され総合蒸気噴射流量設定信号とされる。そして、この総合蒸気噴射流量設定信号に蒸気噴射流量分配率信号が乗算され主蒸気噴射流量設定信号とされる。また、総合蒸気噴射流量設定信号から主蒸気噴射流量設定信号を減算して副蒸気噴射流量設定信号とされる。従って、拡散燃焼に最適な蒸気の主蒸気噴射制御弁による第1供給流量と予混合燃焼に最適な蒸気の副蒸気噴射制御弁による第2供給流量の全流量を得ることができ、NOx低減と燃焼効率向上を図ることができる。しかも、水噴射流量が所定以上に大きくなることを抑制でき、燃焼器の失火を防止することができる。
【0044】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0045】
図1は本発明の第1実施の形態のガスタービン制御装置の構成を示すものである。
【0046】
図1において、図19と同一符号は、同一部分または相当部分を示し、図19の従来計画のものと異なる点は、燃料分配制御手段9の第1燃料流量制御弁5aの開度指令信号(第1燃料制御弁開度指令信号)を蒸気噴射制御手段10の関数発生器10aに対する入力信号として、拡散燃焼の燃料流量に対して蒸気流量が所定値となるように蒸気噴射制御弁開度指令信号を出力するようにしたことである。
【0047】
図1において、低値選択器4dは、起動制御器4aと速度・負荷制御器4bと排ガス温度制御器4cの各出力信号を入力し、総合燃料流量指令を出力する。
【0048】
燃料分配制御手段9は、総合燃料流量指令を乗算器9aと減算器9bとに入力し、乗算器9aで発電機出力を入力とする関数発生器9cの出力との乗算を行い、第1燃料制御弁5aの開度指令信号(第1燃料制御弁開度指令信号)を求めている。また、減算器9bは第1燃料制御弁5aの開度指令との減算を行い、第2燃料制御弁5bの開度指令信号(第2燃料制御弁開度指令信号)を求める。
【0049】
蒸気噴射制御手段10は、燃料分配制御手段9の第1燃料制御弁5aの開度指令信号を関数発生器10aへ入力する。そして、関数発生器10aで蒸気噴射流量設定値を求め、この値とアナログスイッチ10bにより0%流量が設定されるている設定器10cとの切り替えを行い、蒸気噴射流量設定と実測蒸気噴射流量との偏差を減算器10dによって求めてPID演算器10eに入力し、PID演算器10eから出力される信号が蒸気噴射調節弁6の開度指令(蒸気噴射制御弁開度指令信号)とする。
【0050】
次に第1実施の形態の作用について説明する。
【0051】
まず、起動制御器4aによる信号が低値選択器4dで選択され、起動後に速度・負荷制御器4bに制御が移行する。系統に発電機出力が並列し、速度・負荷制御器4bにより負荷上昇が行われ、排ガス温度制御器4cによる制御に移行した所で負荷上昇が完了する。定格速度到達後に蒸気噴射が可能な状態になると、アナログスイッチ10bの出力が設定器10cの値から関数発生器10aの出力信号に切り替わる。
【0052】
ここで、関数発生器10aでは、第1燃料制御弁開度指令信号に対して所定の比率となるように出力信号が設定されている。そして、関数発生器10aの出力信号がアナログスイッチ10bを介して減算器10dへ入力される。減算器10dでは、関数発生器10aの出力信号と実測蒸気噴射流量信号との偏差信号が算出されPID演算器10eへ入力され、PID演算器10eから蒸気噴射制御弁開度指令信号が出力される。
【0053】
このように第1実施の形態では、拡散燃焼用燃料流量指令信号に基づき拡散燃焼の燃料流量と蒸気流量が所定の比率に制御されるため、NOx低減と燃焼効率が良好になる。また、燃料流量に対して蒸気流量が過多になり燃焼器が失火することも防ぐことができる。
【0054】
燃焼蒸気噴射を拡散燃焼のみに行う場合は、本構成で十分である。なお、予混合燃焼用燃料流量指令を使用して、関数発生器10aの関数を変えても同様の効果が得られる。さらに、関数発生器10aの出力信号を燃料流量指令信号に基づき上限リミットさせる方法でもよい。
【0055】
図2は本発明の第2実施の形態のガスタービン制御装置の構成を示すものである。
【0056】
図2において、図19と同一符号は、同一部分または相当部分を示し、図19の従来計画のものと異なる点は、関数発生器9cの出力信号である燃料分配比率を蒸気噴射制御手段10の関数発生器10fに入力し、出力される蒸気噴射流量補正係数と関数発生器10aの出力信号とを乗算器10gで乗算し、アナログスイッチ10bに入力し、燃料分配比率と蒸気噴射流量補正量との関係を定めるデータに基づき、燃料分配比率に応じて蒸気噴射流量補正量を求めて得られる蒸気噴射流量補正量と発電機出力信号に基づく信号とによって蒸気噴射制御弁開度指令信号を生成出力するようにしたことである。
【0057】
図2において、起動制御器4aと速度・負荷制御器4bと排ガス温度制御器4cの各出力信号を低値選択器4dに入力し、総合燃料流量指令を出力する。
【0058】
燃料分配制御手段9は、総合燃料流量指令を乗算器9aと減算器9bとに入力し、乗算器9aで発電機出力を入力とする関数発生器9cの出力との乗算を行い、第1燃料制御弁5aの開度指令を求めている。また、減算器9bは第1燃料制御弁5aの開度指令(第1燃料制御弁開度指令信号)との減算を行い、第2燃料制御弁5bの開度指令(第2燃料制御弁開度指令信号)を求める。
【0059】
蒸気噴射制御手段10は、発電機出力を関数発生器10aに入力すると共に、関数発生器9cの燃料分配比率を関数発生器10fへ入力する。関数発生器10fと関数発生器10aとの出力信号が乗算器10gへ入力し乗算され、蒸気噴射流量目標値を求める。そして、アナログスイッチ10bで0%流量が設定されるている設定器10cとの切り替えを行い、出力される蒸気噴射流量設定と実測蒸気噴射流量との偏差を減算器10dで求めて得られる偏差をPID演算器10eへ入力し、PID演算器10eの出力信号を蒸気噴射調節弁6の開度指令信号(蒸気噴射制御弁開度指令信号)とする。
【0060】
次に、第2実施の形態の作用について説明する。
【0061】
まず、起動制御器4aによる信号が低値選択器4dで選択され、起動後に速度・負荷制御器4bに制御が移行する。系統に発電機出力が並列し、速度・負荷制御器4bにより負荷上昇が行われ、排ガス温度制御器4cによる制御に移行した所で負荷上昇が完了する。定格速度到達後に蒸気噴射が可能な状態になると、アナログスイッチ10bの出力が設定器10cの値から関数発生器10aの出力信号に切り替わる。
【0062】
次に、関数発生器9cの燃料分配比率が関数発生器10fへ入力され図3に示す関数設定によって蒸気噴射流量補正係数が出力される。乗算器10gでは、関数発生器10aの出力信号に対して蒸気噴射流量補正係数が乗算され、アナログスイッチ10bへ入力される。そして、減算器10dとPID演算器10eを介して蒸気噴射制御弁開度指令信号が出力される。
【0063】
このように第2実施の形態によれば、燃料分配比率に基づき蒸気噴射流量を調整でき、燃料分配比率は発電機出力相当信号から求められ、発電機出力は燃料流量相当信号で決められるので、燃料分配比率を使用しても燃料流量相当信号を使用する場合と同等の作用と効果を得られる。これにより、拡散燃焼の燃料流量と蒸気流量が所定の比率に制御されることになり、NOx低減と燃焼効率が良好になる。また、燃料流量に対して蒸気流量が過多になり、燃焼器が失火することも防ぐことができる。燃焼蒸気噴射を拡散燃焼のみに行う場合は、本構成で十分である。なお、乗算器10gの代わりに信号制限器を設けて、関数発生器10aの出力信号を燃料分配指令に基づき上限リミットさせても同等の効果が得られる。また、関数発生器10fに代わるものでもよい。さらに、発電機出力相当信号を関数発生器10fに入力し、関数発生器10fの設定を関数発生器9cと同等の設定にしてもよい。
【0064】
図4は本発明の第3実施の形態のガスタービン制御装置の構成を示すものである。
【0065】
図4において、図19と同一符号は、同一部分または相当部分を示し、図19の従来計画のものと異なる点は、第1燃料流量制御弁5aの開度指令と第2燃料流量制御弁5bの開度指令を蒸気噴射制御手段10の乗算器10hと乗算器10iに各々入力し、設定器10jと設定器10kの値と乗算を行った後に得られる信号を加算器10lで加算し、加算器10lの出力を関数発生器10aに入力するようにし、拡散燃焼用燃料流量と予混合燃焼用燃料流量とのそれぞれに対して蒸気噴射流量補正係数によってそれぞれ重み付けを行い拡散燃焼用燃料流量と予混合燃焼用燃料流量と蒸気噴射流量とをそれぞれ所定比率としたことである。
【0066】
次に、第3実施の形態の作用を説明する。
【0067】
まず、蒸気噴射制御手段10では、第1燃料制御弁開度指令信号が乗算器10hへ入力され、ここで、拡散燃焼用燃料流量に対する蒸気噴射流量をNOxの減少と拡散燃焼効率の向上を図るように重み付けする係数を設定する設定器10jの係数が乗算され加算器10lへ入力される。
【0068】
一方、第2燃料制御弁開度指令信号が乗算器10iへ入力され、ここで、予混合燃焼用燃料流量に対する蒸気噴射流量とをNOxの減少と拡散燃焼効率の向上を図るように重み付けする係数を設定する設定器10kの係数が乗算され加算器10lへ入力される。
【0069】
次に、加算器10lでは、加算された信号が関数発生器10aへ入力される。関数発生器10aは、入力と出力とが比例関係に定められており、この関数発生器10aから出力信号がアナログスイッチ10bを介して減算器10dへ入力される。そして、減算器10dによって関数発生器10aの出力信号と実測蒸気噴射流量信号とが減算されPID演算器10eを介して蒸気噴射制御弁開度指令信号が出力される。
【0070】
このように第3実施の形態によれば、拡散燃焼用燃料流量と予混合燃焼用燃料流量のそれぞれについて予め設定しておいた蒸気噴射流量係数により補正し、補正した信号の加算値から蒸気噴射流量を調整することができる。蒸気噴射流量係数は、拡散燃焼と予混合燃焼の各々に最良となる蒸気流量を求めるための係数である。また、関数発生器10aの設定は従来例の図21とは異なり、入力/出力が比例関係になるように設定する。これにより、拡散燃焼だけでなく、予混合燃焼のための蒸気流量も所定の値に調整できるので、拡散燃焼と予混合燃焼の両方について、燃料流量と蒸気流量が所定の比率に制御される、NOx低減と燃焼効率向上が良好になる。また、燃料流量に対して蒸気流量が過多になり、燃焼器が失火することも防ぐことができる。拡散燃焼と予混合燃焼の両方に蒸気もしくは水噴射する場合に効果が顕著となる。
【0071】
図5は本発明の第4実施の形態のガスタービン制御装置の構成を示すものである。
【0072】
図5において、本発明の第4実施の形態の構成を示す図3と同一符号は、同一部分または相当部分を示し、図3と異なる点は、設定器10jと設定器10kの代わりに関数発生器10mと関数発生器10nとを設け、関数発生器10mと関数発生器10nへ発電機出力信号を入力して発電機出力信号に応じて蒸気噴射流量補正係数を求めて、この係数により拡散燃焼用燃料制御弁開度指令信号と予混合燃焼用燃料流量指令信号を補正し、これらの加算信号によって蒸気噴射流量を定めるようにしたことである。
【0073】
次に、第4実施の形態の作用を説明する。
【0074】
まず、蒸気噴射制御手段10では、関数発生器10mへ発電機出力信号が入力して所定の関数によって蒸気噴射流量補正係数が乗算器10hへ出力される。そして、第1燃料制御弁開度指令信号が乗算器10hへ入力され、ここで、拡散燃焼用燃料流量と蒸気噴射流量とをNOxの減少と拡散燃焼効率の向上を図るように蒸気噴射流量補正係数が乗算され加算器10lへ入力される。
【0075】
また、蒸気噴射制御手段10では、関数発生器10nへ発電機出力信号が入力して所定の関数によって蒸気噴射流量補正係数が乗算器10iへ出力される。そして、第2燃料制御弁開度指令信号が乗算器10iへ入力され、ここで、予混合燃焼用燃料流量と蒸気噴射流量とをNOxの減少と拡散燃焼効率の向上を図るように蒸気噴射流量補正係数が乗算され加算器10lへ入力される。
【0076】
次に、加算器10lでは、加算された信号が関数発生器10aへ入力される。関数発生器10aは、入力と出力とが比例関係に定められており、この関数発生器10aから出力信号がアナログスイッチ10bを介して減算器10dへ入力される。そして、減算器10dによって関数発生器10aの出力信号と実測蒸気噴射流量信号とが減算されPID演算器10eを介して蒸気噴射制御弁開度指令信号が出力される。
【0077】
このように第4実施の形態では、燃焼温度や発電機出力等の燃焼状態もしくは運転状態等のプラントの運転状況に応じて蒸気噴射流量補正係数を求めて、拡散燃焼用燃料流量指令信号と予混合燃焼用燃料流量指令信号を前記蒸気噴射流量係数で補正し、補正した信号の加算値から蒸気噴射流量を調整することができる。これにより、燃焼状態もしくは運転状態に応じて、拡散燃焼だけでなく予混合燃焼のための蒸気流量も所定の値に調整できるので、拡散燃焼と予混合燃焼の両方についてNOx低減と燃焼効率向上が良好になる。
【0078】
図6は本発明の第5実施の形態のガスタービン制御装置の構成を示すものである。
【0079】
図において、図19と同一符号は、同一部分または相当部分を示し、図19の従来計画のものと異なる点は、実測蒸気噴射流量を燃料分配制御手段9の関数発生器9dに入力して出力される燃料分配制限信号を高値選択器9eに入力し、出力信号を乗算器9aに入力し、拡散燃焼用燃料流量と蒸気噴射流量との比率を所定値以内に制限したことである。
【0080】
次に、第5実施の形態の作用を説明する。
【0081】
まず、燃料分配制御手段9では、実測蒸気噴射流量信号が図7に示す関数発生器9dへ入力されている。関数発生器9dは、図示するように実測蒸気噴射流量信号が0.0からaの間は燃料分配比率信号が一定のbを出力する一方、実測蒸気噴射流量がa以上のとき燃料分配比率信号が比例して増加して出力する。関数発生器9dの出力信号である燃料分配制限信号は高値選択器9eへ入力される。
【0082】
一方、発電機出力信号が関数発生器9cへ入力され、高値選択器9eへ出力されている。ここで、実測蒸気噴射流量信号が低いときは、関数発生器9dの燃料分配制限信号の値も低く、高値選択器9eから関数発生器9cの出力信号が燃料分配比率信号として乗算器9aへ出力されている。ところが、実測蒸気噴射流量信号が所定以上に増加すると燃料分配制限信号が高値選択器9eで選択され燃料分配比率信号として乗算器9aへ出力される。これによって、実測蒸気噴射流量信号が増加した分に見合って燃料分配比率信号も増加する。従って、拡散燃焼用燃料流量と蒸気噴射流量とが常に所定の比率とされる。
【0083】
このように第5実施の形態によれば、蒸気噴射流量が異常に増加した場合に、関数発生器9dの出力信号である燃料分配制限信号も増加し、高値選択器9eで選択されて、燃料分配制限信号により燃料分配比率が増加し、第1燃料制御弁5aが開き、第2燃料制御弁5bが閉まる。これによって、蒸気噴射流量が増加した量だけ拡散燃焼用燃料分配比率を増加させることにより、拡散燃焼用燃料流量と蒸気流量の比率を所定値以内に制限することができる。また、燃焼器の失火も防止することができる。高値選択器9eを乗算器9aの出力側に設けて、燃料流量指令を制限しても同様の効果が得られる。
【0084】
なお、関数発生器9cの代わりに設定器を燃焼モードの数だけ設けて、燃焼モードの切り替えで燃料分配設定を切り替えている場合は、燃料流量と蒸気流量の比率が所定値を越えたことで、燃焼モードを切り替えて燃料分配比率を切り替える方法もある。以上の説明では、蒸気もしくは水噴射を拡散燃焼にのみ行っている場合に効果が顕著となる。しかし、予混合燃焼を2系統以上設けている場合は、予混合の1系統のみ分配比率を低下させる方法もあり、この場合は、予混合燃焼に蒸気もしくは水噴射供給している場合にも適用できる。
【0085】
図8は本発明の第6実施の形態のガスタービン制御装置の構成を示すものである。
【0086】
図8において、図19と同一符号は、同一部分または相当部分を示す。図19の従来計画のものと異なる点は、第1燃料流量制御弁5aの開度指令を蒸気噴射制御手段10の変化率検出器10oに入力するようにした点と、関数発生器10aの出力にアナログスイッチ10pを設けて、関数発生器10aの出力信号と設定器10qの設定信号を切り替えるようにする一方、変化率検出器10oの出力論理信号でアナログスイッチ10pを切り替えるようにしたことである。
【0087】
次に、第6実施の形態の作用を説明する。
【0088】
まず、第1燃料制御弁開度指令信号が蒸気噴射制御手段10の変化率検出器10oへ入力されて、変化率が検出される。この場合、変化率検出器10oによる下方への変化率が所定値以上のとき、つまり、急激な低下のとき正理論信号がアナログスイッチ10pへ出力される。アナログスイッチ10pでは、関数発生器10aからの信号から設定器10qの低値の設定信号へ切替える。この結果、第1燃料制御弁開度指令信号の急低下に見合って設定器10qの低値の設定信号がアナログスイッチ10pへ出力される。アナログスイッチ10pからの設定信号は、アナログスイッチ10bを介して減算器10dへ入力され、ここで、減算器10dによって実測蒸気噴射流量信号が減算され、得られる信号がPID演算器10eを介して蒸気噴射制御弁開度指令信号とされる。
【0089】
このように第6実施の形態によれば、第1燃料流量制御弁の開度信号が急降下した時、すなわち、拡散燃焼用燃料が急減少する時に、設定しておいた変化率を越えるので変化率検出器10oが正論理信号を出力する。変化率検出器10oの正論理信号により、アナログスイッチ10pの出力信号が、関数発生器10aから蒸気噴射流量のランバック値を設定している設定器10qの信号に切り替わり、蒸気噴射流量が所定値に減少する。これにより、拡散燃焼用燃料流量が急減少する時に、蒸気噴射流量も減少させることができ、燃料流量と蒸気流量の比率が大幅に変化することを抑制するため、NOx低減と燃焼効率向上が良好になる。
【0090】
また、燃料流量に対して蒸気流量が過多になり、燃焼器が失火することを防ぐことができる。なお、第1燃料流量制御弁5aの開度指令の代わりに、関数発生器9cの出力信号である燃料分配比率設定の変化率を検出しても同様の効果を得ることができる。また、変化率が所定値を越えたことで、蒸気噴射流量を減少させるのでなく、変化率の大小に応じて蒸気噴射流量を補正するようにしてもよい。
【0091】
図9は本発明の第7実施の形態のガスタービン制御装置の構成を示すものである。
【0092】
図9において、図19と同一符号は、同一部分または相当部分を示す。図9が図19の従来計画のものと異なる点は、蒸気噴射制御手段10のアナログスイッチ10bと減算器10dの間に乗算器10rを設けて、第1燃料制御弁5aの開度指令を入力とする関数発生器10sの出力信号とアナログスイッチ10bの出力信号である蒸気噴射総合流量設定信号を乗算した信号を減算器10dに入力するようにした点である。
【0093】
また、減算器10dへ実測信号として実測第1蒸気噴射流量信号を入力し、PID制御器10eの出力信号を図示していない第1(主)蒸気噴射流量制御弁の開度指令にした点である。さらに、乗算器10rの出力信号とアナログスイッチ10bの出力信号である蒸気噴射総合流量設定信号とを減算器10tへ入力し、減算器10tの出力と実測第2(副)蒸気噴射流量信号とを減算器10uへ入力し、減算器10uによる出力をPID制御器10vに入力し、出力信号を図示していない第2(副)蒸気噴射制御調節弁の開度指令にした点である。
【0094】
次に、本発明の第7実施の形態の作用を説明する。
【0095】
まず、燃料分配制御手段9の第1燃料制御弁開度指令信号が関数発生器10sへ入力される。関数発生器10sは、図10に示すように第1燃料制御弁開度指令信号が0.0〜aまでは、第1蒸気噴射流量分配比率信号が1.0に設定され、第1燃料制御弁開度指令信号がa〜bでは一定の比例関係で第1蒸気噴射流量分配比率信号が低下するように設定されている。
【0096】
関数発生器10sからの第1蒸気噴射流量分配比率信号が乗算器10rへ入力されアナログスイッチ10bからの総合蒸気噴射流量設定信号に乗算され、得られる第1蒸気噴射流量設定信号が減算器10dへ入力され、PID演算器10eを介して第1(主)蒸気噴射制御弁開度指令信号として出力される。これにより、第1燃料制御弁開度指令信号に応じて所定の比率で第1(主)蒸気噴射制御弁開度指令信号が出力される。
【0097】
一方、減算器10tにより総合蒸気噴射流量設定信号から第1(主)蒸気噴射流量設定信号が減算され得られる第2蒸気噴射流量設定信号が減算器10uへ入力されPID演算器10vを介して第2(副)蒸気噴射制御弁開度指令信号とされる。これにより、第1(主)蒸気噴射制御弁開度指令信号と第2(副)蒸気噴射制御弁開度指令信号とが所定の分配比率とされる。
【0098】
このように第7実施の形態によれば、関数発生器10sで拡散燃焼用燃料流量指令から直接燃焼器に供給する第1蒸気噴射流量の分配比率を求め、乗算器10rで総合蒸気噴射流量設定から第1蒸気噴射流量設定を求めて、第1蒸気噴射流量を制御する。また、減算器10tで総合蒸気噴射流量設定から第1蒸気噴射流量設定を減算した信号を燃焼器に供給される手前の圧縮空気に蒸気を供給する第2蒸気噴射流量の設定とし、第2蒸気噴射流量を制御する。
【0099】
以上の作用によって、上記蒸気分配比率設定と蒸気噴射総合流量目標値を求め、関数発生器10aとの協認設定により、拡散燃焼用燃料流量と拡散燃焼用蒸気噴射流量が所定の比率に調整でき、かつ、予混合燃焼用燃料流量と予混合用蒸気噴射流量の比率も所定の値に調整できるので、NOx低減と燃焼効率向上が良好になる。また、燃料流量に対して蒸気流量が過多になり、燃焼器が失火することも防ぐことができる。
【0100】
なお、関数発生器10sの入力信号を第1燃料制御弁5aの開度指令の代わりに、第2燃料制御弁5bの開度指令を使用して、第2蒸気噴射流量の分配比率を求めて、第1蒸気噴射制御と第2蒸気噴射制御を入れ替えても同等の効果が得られる。
【0101】
図11は本発明の第8実施の形態のガスタービン制御装置の構成を示すものである。
【0102】
図11において、本発明の第7実施の形態の構成を示す図9と同一符号は、同一部分または相当部分を示す。図9と異なる点は、関数発生器10sの入力信号を関数発生器9cの出力信号である燃料分配比率指令信号にした点である。
【0103】
次に、本発明の第8実施の形態の作用を説明する。
【0104】
まず、燃料分配制御手段9の燃料分配比率信号が関数発生器10sへ入力される。関数発生器10sは、図12に示すように燃焼用燃料分配比率信号に対して、第1蒸気噴射流量分配比率信号が比例関係となるように設定されている。
【0105】
次に、関数発生器10sからの第1蒸気噴射流量分配比率信号が乗算器10rへ入力されアナログスイッチ10bからの総合蒸気噴射流量設定信号に乗算され、得られる第1蒸気噴射流量設定信号が減算器10dへ入力されPID演算器10eを介して第1(主)蒸気噴射制御弁開度指令信号として出力される。これにより、燃料分配比率信号に応じて所定の比例関係で第1(主)蒸気噴射制御弁開度指令信号が増減して出力される。
【0106】
一方、減算器10tにより総合蒸気噴射流量設定信号から第1蒸気噴射流量設定信号が減算され得られる第2蒸気噴射流量設定信号が減算器10uへ入力されPID演算器10vを介して第2(副)蒸気噴射制御弁開度指令信号とされる。これにより、第1(主)蒸気噴射制御弁開度指令信号と第2(副)蒸気噴射制御弁開度指令信号とが所定の分配比率とされる。
【0107】
このように第8実施の形態によれば、関数発生器10sで拡散燃焼用燃料分配比率から直接燃焼器に供給する第1蒸気噴射流量の分配比率を求め、乗算器10rで総合蒸気噴射流量設定から第1蒸気噴射流量設定を求めて、第1蒸気噴射流量を制御する。また、減算器10tで総合蒸気噴射流量設定から第1蒸気噴射流量設定を減算した信号を燃焼器に供給される手前の圧縮空気に蒸気を供給する第2蒸気噴射流量の設定とし、第2蒸気噴射流量を制御する。
【0108】
このように上記蒸気分配比率設定と蒸気噴射総合流量目標値を求め、関数発生器10aとの協調設定により、拡散燃焼用燃料流量と拡散燃焼用蒸気噴射流量が所定の比率に調整でき、かつ、予混合燃焼用燃料流量と予混合用蒸気噴射流量の比率も所定の値の調整できるので、NOx低減と燃焼効率の向上が良好になる。また、燃料流量に対して蒸気流量が過多になり、燃焼器が失火することも防ぐことができる。
【0109】
なお、関数発生器10sを比例定数器に変えてもよく、状況によっては必ずしも必要なものでない。また、関数発生器10sの入力信号を燃料分配指令の代わりに発電機出力信号もしくは相当信号を使用して、関数発生器9cと同様の設定を行っても同等の効果が得られる。
【0110】
図13は本発明の第9実施の形態のガスタービン制御装置の構成を示すものである。
【0111】
図13において、図19と同一符号は、同一部分または相当部分を示す。図19の従来計画のものと異なる点は、蒸気噴射制御手段10を2回路設けて、第1蒸気噴射制御手段10aaと第2蒸気噴射制御手段10bbとした点と、第1蒸気噴射制御手段10aaは第1燃料流量制御弁5aの開度指令信号を入力信号とする一方、第2蒸気噴射制御手段10bbは第2燃料流量制御弁5bの開度指令信号を入力信号とした点である。
【0112】
次に、第9実施の形態の作用を説明する。
【0113】
まず、第1蒸気噴射制御手段10aaでは、第1燃料制御弁開度指令信号が関数発生器10aへ入力され、関数発生器10aにより第1蒸気噴射流量設定信号が生成出力され、アナログスイッチ10bを介して減算器10dへ入力される。減算器10dでは、第1(主)蒸気噴射流量設定信号から実測蒸気噴射流量信号が減算されPID演算器10eを経て第1(主)蒸気噴射制御弁開度指令信号とされる。これによって、第1燃料制御弁開度指令信号と第1蒸気噴射制御弁開度指令信号とが所定の比率とされる。
【0114】
一方、第2蒸気噴射制御手段10bbでは、第2燃料制御弁開度指令信号が関数発生器10aへ入力され、関数発生器10aにより第2蒸気噴射流量設定信号が生成出力され、アナログスイッチ10bを介して減算器10dへ入力される。減算器10dでは、第2蒸気噴射流量設定信号から実測蒸気噴射流量信号が減算されPID演算器10eを経て第2(副)蒸気噴射制御弁開度指令信号とされる。これによって、第2燃料制御弁開度指令信号と第2(副)蒸気噴射制御弁開度指令信号とが所定の比率とされる。
【0115】
このように第9実施の形態によれば、第1蒸気噴射制御手段10aaは関数発生器10aで拡散燃焼用燃料流量指令から直接燃焼器に供給する第1蒸気噴射流量の設定を求めて、第1蒸気噴射流量を制御する。また、第2蒸気噴射制御手段10bbでは関数発生器10aで燃焼器に供給される手前の圧縮空気に蒸気を供給する第2蒸気噴射流量の設定を求めて、第2蒸気噴射流量を制御する。これにより、拡散燃焼用燃料流量と拡散燃焼用蒸気噴射流量が所定の比率に調整でき、かつ、予混合燃焼用燃料流量と予混合用蒸気噴射流量の比率も所定の値の調整できるので、NOx低減と燃焼効率向上が良好になる。また、燃料流量に対して蒸気流量が過多になり、燃焼器が失火することも防ぐことができる。
【0116】
なお、第1蒸気噴射制御手段10aaと第2蒸気噴射制御手段10bbの関数発生器10aの入力信号を第1燃料流量制御弁5aの開度指令と第2燃料流量制御弁5bの開度指令のどちらか一方にして、第1蒸気噴射制御手段10aaと第2蒸気噴射制御手段10bbで関数発生器10aの設定を別々に設定しても同等の効果が得られる。また、燃焼器によっては、第1蒸気噴射制御手段10aaと第2蒸気噴射制御手段10bbの関数発生器10aの入力信号をどちらか一方のみ第1燃料流量制御弁5aの開度指令もしくは第2燃料流量制御弁5bの開度指令として、他方の関数発生器10aの入力信号を別の運転状態信号にしても、同等の効果が得られる。
【0117】
図14は本発明の第10実施の形態のガスタービン制御装置の構成を示すものである。
【0118】
図14において、第9実施の形態を示す図13と同一符号は、同一部分または相当部分を示す。図13と異なる点は、関数発生器10aの入力信号を第1蒸気噴射制御手段10aaと第2蒸気噴射制御手段10bbで同一の関数発生器9cの出力信号である燃料分配比率信号にした点である。
【0119】
次に、第10実施の形態の作用を説明する。
【0120】
まず、第1蒸気噴射制御手段10aaでは、関数発生器9cからの燃料分配比率信号が関数発生器10aへ入力され、関数発生器10aにより第1蒸気噴射流量設定信号が生成出力され、アナログスイッチ10bを介して減算器10dへ入力される。減算器10dでは、第1蒸気噴射流量設定信号から実測蒸気噴射流量信号が減算されPID演算器10eを経て第1(主)蒸気噴射制御弁開度指令信号とされる。これによって、第1燃料制御弁開度指令信号と第1(主)蒸気噴射制御弁開度指令信号とが所定の比率とされる。
【0121】
一方、第2蒸気噴射制御手段10bbでは、燃料分配比率信号が関数発生器10aへ入力され、関数発生器10aにより第2蒸気噴射流量設定信号が生成出力され、アナログスイッチ10bを介して減算器10dへ入力される。減算器10dでは、第2蒸気噴射流量設定信号から実測蒸気噴射流量信号が減算されPID演算器10eを経て第2(副)蒸気噴射制御弁開度指令信号とされる。これによって、第2燃料制御弁開度指令信号と第2(副)蒸気噴射制御弁開度指令信号とが所定の比率とされる。
【0122】
このように第10実施の形態によれば、第1蒸気噴射制御手段10aaは関数発生器10aで拡散燃焼用燃料流量分配比率から直接燃焼器に供給する第1蒸気噴射流量の設定を求めて、第1蒸気噴射流量を制御する。また、第2蒸気噴射制御手段10bbでは関数発生器10aで燃焼器に供給される手前の圧縮空気に蒸気を供給する第2蒸気噴射流量の設定を求めて、第2蒸気噴射流量を制御する。
【0123】
燃料分配比率は発電機出力相当信号から求められ、発電機出力は燃料流量相当信号で決められるので、燃料分配比率を使用しても燃料流量相当信号を使用する場合と同等の作用と効果を得られる。これにより、拡散燃焼用燃料流量と拡散燃焼用蒸気噴射流量が所定の比率に調整でき、かつ、予混合燃焼用燃料流量と予混合用蒸気噴射流量の比率も所定の値に調整できるので、NOx低減と燃焼効率向上が良好になる。また、燃料流量に対して蒸気流量が過多になり、燃焼器が失火することも防ぐことができる。
【0124】
なお、燃焼器によっては、第1蒸気噴射制御手段10aaと第2蒸気噴射制御手段10bbの関数発生器10aの入力信号をどちらか一方のみ燃料分配指令信号にして、他方の関数発生器10aの入力信号を別の運転状態信号にしてもよい。
【0125】
図15は本発明の第11実施の形態のガスタービン制御装置の構成を示すものである。
【0126】
図15において、図19と同一符号は、同一部分または相当部分を示し、図19の従来計画のものと異なる点は、第1燃料流量制御弁5aの開度指令信号と第2燃料流量制御弁5bの開度指令信号を蒸気噴射制御手段10の乗算器10hと乗算器10iに各々入力し、設定器10iと設定器10kの値と乗算を行った後に出力される信号を加算器101で加算し、加算された出力を関数発生器10aに入力するようにした点である。
【0127】
また、蒸気噴射制御手段10のアナログスイッチ10bと減算器10dの間に乗算器10rを設けて、設定器10wに設定している蒸気噴射流量分配比率とアナログスイッチ10bの出力信号である蒸気噴射総合流量設定信号とを乗算した信号を減算器10dに入力するようにすると共に、減算器10dの実測第1蒸気噴射流量信号を入力して、PID制御器10eの出力信号を第1(主)蒸気噴射流量制御弁の開度指令信号にした点である。
【0128】
さらに、乗算器10rの出力信号とアナログスイッチ10bの出力信号である総合蒸気噴射流量設定信号とを減算器10tへ入力し、得られる出力を実測第2蒸気噴射流量信号と共に減算器10uへ入力し、減算器10uの出力をPID制御器10vに入力し、出力信号を第2(副)蒸気噴射流量制御弁の開度指令にした点である。
【0129】
次に、第11実施の形態の作用を説明する。
【0130】
まず、蒸気噴射制御手段10では、燃料分配制御手段9の第1燃料制御弁開度指令信号が乗算器10hへ入力され、設定器10jの設定信号と乗算され所定の重み付けがされた信号が加算器10lへ入力される。一方、燃料分配制御手段9の第2燃料制御弁開度指令信号が乗算器10iへ入力され所定の重み付けがされた信号が乗算器10lへ入力される。
【0131】
加算器10lで加算された信号は、関数発生器10aへ入力し、総合蒸気噴射流量設定信号がアナログスイッチ10bを介して乗算器10rへ入力される。設定器10wは、蒸気噴射流量分配比率信号を出力し、乗算器10rによって総合蒸気噴射流量設定信号に蒸気噴射流量分配比率信号が乗算され、得られる信号が第1蒸気噴射流量設定信号とされる。また、総合蒸気噴射流量設定信号と第1蒸気噴射流量設定信号とが減算器10tで減算されて第2蒸気噴射流量設定信号とされる。
【0132】
このように第11実施の形態によれば、拡散燃焼用燃料流量と予混合燃焼用燃料流量を予め設定された蒸気噴射流量係数により補正し、補正した信号の加算値から全蒸気噴射流量を調整することができる。また、この全蒸気噴射流量を燃焼器に直接供給する第1蒸気噴射流量と燃焼器に供給される手前の圧縮空気に蒸気を供給する第2蒸気噴射流量に所定値に分配する。これにより、拡散燃焼および予混合燃焼の総合燃焼に必要な総合蒸気流量を所定の値に調整でき、総合蒸気流量と蒸気分配比率を設定している設定器10wの設定との協調により、拡散燃焼と予混合燃焼の両方について、燃料流量と蒸気流量が所定の比率に制御されるため、NOx低減と燃焼効率向上が良好になる。また、燃料流量に対して蒸気流量が過多になり、燃焼器が失火することも防ぐことができる。拡散燃焼と予混合燃焼の両方に蒸気噴射する場合に顕著が得られる。
【0133】
なお、設定器10wの代わりに、燃焼状態もしくは運転状態を表す燃焼温度相当信号もしくは発電機出力相当信号を入力とする関数発生器を設けて、蒸気分配比率を調整してもよい。
【0134】
図16は本発明の第12実施の形態のガスタービン制御装置の構成を示すものである。
【0135】
図16において、第11実施の形態を示す図15と同一符号は、同一部分または相当部分を示す。図15と異なる点は、設定器10iと設定器10kの代わりに関数発生器10mと関数発生器10nを設けた点である。関数発生器10m、関数発生器10nの入力信号には燃焼温度相当信号や発電機出力信号を用いる。
【0136】
次に、第12実施の形態の作用を説明する。
【0137】
まず、蒸気噴射制御手段10では、燃料分配制御手段9の第1燃料制御弁開度指令信号が乗算器10hへ入力され、発電機出力信号を入力する関数発生器10mの設定信号と乗算され加算器10lへ入力される。一方、燃料分配制御手段9の第2燃料制御弁開度指令信号が乗算器10iへ入力され、発電機出力信号を入力する関数発生器10nの設定信号と乗算され乗算器10lへ入力される。
【0138】
加算器10lで加算された信号は、関数発生器10aへ入力し、総合蒸気噴射流量設定信号がアナログスイッチ10bを介して乗算器10rへ入力される。設定器10wは、蒸気噴射流量分配比率信号を出力し、乗算器10rによって総合蒸気噴射流量設定信号に蒸気噴射流量分配比率信号が乗算され、得られる信号が第1蒸気噴射流量設定信号とされる。また、総合蒸気噴射流量設定信号と第1蒸気噴射流量設定信号とが減算器10tで減算されて第2蒸気噴射流量設定信号とされる。
【0139】
このように第12実施の形態によれば、燃焼温度や発電機出力等の燃焼状態もしくは運転状態で蒸気噴射流量係数を求めて、拡散燃焼用燃料流量指令と予混合燃焼用燃料流量指令を蒸気噴射流量係数で補正し、補正した信号の加算値から全蒸気噴射流量を調整することができる。これにより、運転状態に応じた最良の総合蒸気流量に調整できるので、拡散燃焼と予混合燃焼の両方についてNOx低減と燃焼効率の向上が良好になる。燃焼器の特性上、運転状態に応じて燃料流量と蒸気噴射流量の比率調整を補正することにより、NOx低減と燃焼効率の向上が行える。
【0140】
図17は本発明の第13実施の形態のガスタービン制御装置の構成を示すものである。
【0141】
図17において、図19と同一符号は、同一部分または相当部分を示し、図19の従来計画のものと異なる点は、蒸気噴射制御弁を燃焼器の個数だけ設けて各燃焼器に供給される蒸気を各々調節できるようにする一方、蒸気噴射制御手段10も燃焼器の個数と同じ数量設けて、蒸気噴射制御手段10と燃焼器を1対1に対応させた点である。また、関数発生器10aの入力信号を対応する燃焼器の燃焼温度とし、PID演算器10eの出力信号を対応する燃焼器専用の蒸気噴射制御弁の開度指令とし、対応する燃焼器に供給される実測蒸気噴射流量を減算器10dに入力するようにした点である。
【0142】
次に、本発明の第13実施の形態の作用を説明する。
【0143】
まず、燃焼器毎にそれぞれ配設される各蒸気噴射制御手段10では、対応する燃焼器の燃焼温度信号が関数発生器10aへ入力されると、関数発生器10aでは、所定関数によって設定信号をアナログスイッチ10bを介して燃焼器No.nの蒸気噴射流量設定信号として減算器10dへ出力する。減算器10dでは、燃焼器No.nの実測蒸気噴射流量信号と減算され、PID演算器10eを経て燃焼器No.nの蒸気噴射制御弁開度指令信号とされる。
【0144】
このように第13実施の形態によれば、各燃焼器の燃焼状態を表す燃焼温度もしくは相当信号に応じて燃焼器1缶毎の蒸気噴射流量を調整できる。従って、各燃焼器に最適な蒸気噴射流量を得ることができ、各燃焼器のNOx低減と燃焼効率向上を最良にできる。しかも、水噴射流量が所定以上に高くなることを抑制でき、各燃焼器の失火を防止することかできる。また、低NOx化のために今後さらに拡散燃焼と予混合燃焼の組み合わせ燃焼が複雑化することが予想できるが、燃焼が複雑になっても各燃焼器の状況に応じて蒸気噴射流量を調節すれば、NOx低減と燃焼効率の向上を最良にすることができる。なお、拡散燃焼用蒸気供給と予混合燃焼用蒸気供給のどちらか一方を上記のように各燃焼器毎に調整し、他方を燃焼器全数すなわち一括で調整してもよい。また、拡散燃焼用蒸気供給と予混合燃焼用蒸気供給とを各々燃焼器毎に調整してもよい。
【0147】
【発明の効果】
請求項1の発明によれば、拡散燃焼用燃料流量と予混合燃焼用燃料流量とのそれぞれにつき蒸気噴射流量補正係数による重み付けをして、これらの加算した信号に対して蒸気噴射流量を定めるので、拡散燃焼と予混合燃焼の各燃料流量につき蒸気噴射流量が所定の比率とされ、最良な拡散燃焼の燃料流量と蒸気流量とによってNOxを減少させ、かつ、燃焼効率を向上させることができる。
【0148】
請求項2の発明によれば、発電機出力信号あるいは燃焼温度相当信号に応じて拡散燃焼用燃料流量と予混合燃焼用燃料流量とのそれぞれにつき蒸気噴射流量補正係数による重み付けをして、これらの加算信号に対して蒸気噴射流量を定めるので、拡散燃焼と予混合燃焼の各燃料流量につき蒸気噴射流量が所定の比率とされ、最良な拡散燃焼の燃料流量と蒸気流量とによってNOxを減少させ、かつ、燃焼効率を向上させることができる。
【0149】
請求項3の発明によれば、実測蒸気噴射流量信号が異常に上昇したとき所定の比率で燃料分配率信号を上昇させるので、拡散燃焼用燃料流量と蒸気噴射流量が所定の比率で制限され、最良な拡散燃焼の燃料流量と蒸気流量とによりNOxを減少させ、かつ、燃焼効率を向上させることができる。
【0151】
請求項4の発明によれば、拡散燃焼用燃料制御弁開度指令信号に応じて所定の比率で主蒸気噴射制御弁開度指令信号を出力すると共に、主蒸気噴射制御弁開度指令信号と副蒸気噴射制御弁開度指令信号とを所定の比率として生成出力するので、拡散燃焼に最適な蒸気の第1供給流量を得ることができ、かつ、予混合燃焼に最適な蒸気の第2供給流量を得ることができ、NOx低減と燃焼効率向上を最良にでき、蒸気噴射流量が所定以上となることを抑制でき、燃焼器の失火を防止することができる。
【0152】
請求項5の発明によれば、燃料分配率信号に応じて所定の比率で主蒸気噴射制御弁開度指令信号を出力すると共に、主蒸気噴射制御弁開度指令信号と副蒸気噴射制御弁開度指令信号とを所定の比率として生成出力するので、拡散燃焼に最適な蒸気の第1供給流量を得ることができ、かつ、予混合燃焼に最適な蒸気の第2供給流量を得ることができ、NOx低減と燃焼効率向上を最良にでき、蒸気噴射流量が所定以上となることを抑制でき、燃焼器の失火を防止することができる。
【0155】
請求項6の発明によれば、拡散燃焼用燃料制御弁開度指令信号に第1所定の重み付けがされた信号と予混合燃焼用燃料制御弁開度指令信号に第2所定の重み付け信号を加算した総合蒸気噴射流量設定信号に蒸気噴射流量分配率信号を乗算して主蒸気噴射流量設定信号とし、総合蒸気噴射流量設定信号から主蒸気噴射流量設定信号を減算して副蒸気噴射流量設定信号とするので、拡散燃焼に最適な蒸気の主蒸気噴射制御弁による第1供給流量と予混合燃焼に最適な蒸気の副蒸気噴射制御弁による第2供給流量の全流量を得ることができ、NOx低減と燃焼効率向上を図ることができ、蒸気噴射流量が所定以上に高くなることを抑制でき、燃焼器の失火を防止することができる。
【0156】
請求項7の発明によれば、拡散燃焼用燃料制御弁開度指令信号に対して発電機出力信号あるいは燃焼温度相当信号に基づく第1所定の重み付けがされた信号と予混合燃焼用燃料制御弁開度指令信号に対して発電機出力信号あるいは燃焼温度相当信号に基づく第2所定の重み付け信号が加算され総合蒸気噴射流量設定信号とし、総合蒸気噴射流量設定信号に蒸気噴射流量分配率信号が乗算され主蒸気噴射流量設定信号とし、また、総合蒸気噴射流量設定信号から主蒸気噴射流量設定信号を減算して副蒸気噴射流量設定信号とするので、拡散燃焼に最適な蒸気の主蒸気噴射制御弁による第1供給流量と予混合燃焼に最適な蒸気の副蒸気噴射制御弁による第2供給流量の全流量を得ることができ、NOx低減と燃焼効率向上を図ることができ、蒸気噴射流量が所定以上に大きくなることを抑制でき、燃焼器の失火を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施の形態を示すガスタービンの制御装置の構成図である。
【図2】本発明の第2実施の形態を示すガスタービンの制御装置の構成図である。
【図3】本発明の第2実施の形態を示す関数発生器の設定を示す図である。
【図4】本発明の第3実施の形態を示すガスタービンの制御装置の構成図である。
【図5】本発明の第4実施の形態を示すガスタービンの制御装置の構成図である。
【図6】本発明の第5実施の形態を示すガスタービンの制御装置の構成図である。
【図7】本発明の第5実施の形態の関数発生器の設定を示す図である。
【図8】本発明の第6実施の形態を示すガスタービンの制御装置の構成図である。
【図9】本発明の第7実施の形態を示すガスタービンの制御装置の構成図である。
【図10】本発明の第7実施の形態の関数発生器の設定を示す図である。
【図11】本発明の第8実施の形態を示すガスタービンの制御装置の構成図である。
【図12】本発明の第8実施の形態の関数発生器の設定を示す図である。
【図13】本発明の第9実施の形態を示すガスタービンの制御装置の構成図である。
【図14】本発明の第10実施の形態を示すガスタービンの制御装置の構成図である。
【図15】本発明の第11実施の形態を示すガスタービンの制御装置の構成図である。
【図16】本発明の第12実施の形態を示すガスタービンの制御装置の構成図である。
【図17】本発明の第13実施の形態を示すガスタービンの制御装置の構成図である。
【図18】従来の計画例を示すガスタービンの系統図である。
【図19】従来の計画例のガスタービンの制御装置の構成図である。
【図20】従来の計画例の燃料分配比率を求める関数発生器の設定を示す図である。
【図21】従来の計画例の蒸気噴射流量設定を求める関数発生器の設定を示す図である。
【符号の説明】
2 燃焼器
2a 拡散燃焼用燃料バーナ
2b 予混合燃焼用燃料バーナ
2c 燃焼室
2d 予混合燃焼室
2e 蒸気供給ノズル
4 ガスタービン制御装置
4a 起動制御器
4b 速度・負荷制御器
4c 排ガス温度制御器
4d 低値選択器
5a 第1燃料制御弁
5b 第2燃料制御弁
9 燃料分配制御手段
9a,10g,10h,10i,10r 乗算器
9b,10d,10t,10u 減算器
9c,9d,10,10f,10m,10n,10s 関数発生器
9e 高値選択器
10 蒸気噴射制御手段
10aa 第1蒸気噴射制御手段
10bb 第2蒸気噴射制御手段
10b,10p アナログスイッチ
10c,10j,10k,10q,10w 設定器
10e,10v PID演算器
10l 加算器
10o 変化率検出器
Claims (7)
- 拡散燃焼と予混合燃焼をさせると共に、蒸気あるいは水の供給によってNOxの減少を図る複数の燃焼器と、前記拡散燃焼と前記予混合燃焼をさせる各バーナへ燃料を配分して供給する拡散燃焼用燃料制御弁と予混合燃焼用燃料制御弁と、前記蒸気あるいは水を供給する蒸気噴射制御弁と、前記拡散燃焼用燃料制御弁を拡散燃焼用燃料制御弁開度指令信号によって制御し、予混合燃焼用燃料制御弁を予混合燃焼用燃料制御弁開度指令信号によって制御する一方、前記蒸気噴射制御弁を蒸気噴射制御弁開度指令信号によって制御する制御手段とを具備するガスタービンの制御装置において、
NOxの減少と拡散燃焼と予混合燃焼の効率向上を図るために、拡散燃焼用燃料流量と予混合燃焼用燃料流量とのそれぞれに対して蒸気あるいは水の流量が所定比率となるように、前記拡散燃焼用燃料制御弁開度指令信号に基づく信号あるいは相当信号に第1所定の重み付けを加えた信号と、前記予混合燃焼用燃料制御弁開度指令信号に基づく信号あるいは相当信号に第2所定の重み付けを加えた信号とを加算し、得られた加算信号に基づく信号を前記蒸気噴射制御弁開度指令信号とする手段を備えることを特徴とするガスタービンの制御装置。 - 拡散燃焼用燃料流量と予混合燃焼用燃料流量とのそれぞれに発電機出力信号あるいは燃焼温度相当信号に応じた蒸気噴射流量補正係数の関数を設け、
発電機出力信号あるいは燃焼温度相当信号に応じてそれぞれ蒸気噴射流量補正係数を求めて前記第1所定の重み付けおよび前記第2所定の重み付けとすることを特徴とする請求項1記載のガスタービンの制御装置。 - 実測蒸気噴射流量の異常な増加のとき実測蒸気噴射流量信号に対して所定の関数によって前記実測蒸気噴射流量信号が増加した分だけ拡散燃焼用燃料分配比率を増加する手段を設けることを特徴とする請求項1又は請求項2記載のいずれかのガスタービンの制御装置。
- 拡散燃焼と予混合燃焼をさせると共に、蒸気あるいは水の供給によってNOxの減少を図る複数の燃焼器と、
前記拡散燃焼と予混合燃焼をさせる各バーナへ燃料を配分して供給する拡散燃焼用燃料制御弁と予混合燃焼用燃料制御弁と、
前記燃焼器へ前記蒸気あるいは水を噴射する主蒸気噴射制御弁と前記燃焼器へ前記蒸気あるいは水に圧縮空気を加えて噴射する副蒸気噴射制御弁と、
拡散燃焼用燃料制御弁開度指令信号によって前記拡散燃焼用燃料制御弁を制御し、前記拡散燃焼用燃料制御弁開度指令信号あるいは相当信号と所定の比率となるように生成される予混合燃焼用燃料制御弁開度指令信号によって前記予混合燃焼用燃料制御弁を制御する燃料分配制御手段と、
前記拡散燃焼用燃料制御弁開度指令信号あるいは相当信号に対して所定の比率となるように前記主蒸気噴射制御弁開度指令信号を生成出力する一方、前記主蒸気噴射制御弁開度指令信号あるいは相当信号に対して所定の比率となるように前記副蒸気噴射制御弁開度指令信号を生成出力する蒸気噴射制御手段と、
を備えることを特徴とするガスタービンの制御装置。 - 拡散燃焼と予混合燃焼をさせると共に、蒸気あるいは水の供給によってNoxの減少を図る複数の燃焼器と、
前記拡散燃焼と予混合燃焼とをさせる各バーナへの燃料を配分して供給する拡散燃焼用燃料制御弁と予混合燃焼用燃料制御弁と、
前記蒸気あるいは水を前記燃焼器へ供給する主蒸気噴射制御弁と前記蒸気あるいは水に圧縮空気を加えて前記燃焼器へ供給する副蒸気噴射制御弁と、
発電機出力信号に基づく燃料分配率信号によって生成される拡散燃焼用燃料制御弁開度指令信号によって前記拡散燃焼用燃料制御弁を制御し、拡散燃焼用燃料制御弁開度指令信号と所定の比率となるように生成される予混合燃焼用燃料制御弁開度指令信号によって前記予混合燃焼用燃料制御弁を制御する燃料分配制御手段と、
前記燃料分配率信号あるいは相当信号に対して所定の比率となるように前記主蒸気噴射制御弁開度指令信号を生成出力する一方、前記主蒸気噴射制御弁開度指令信号に対して所定の比率となるように前記副蒸気噴射制御弁開度指令信号を生成出力する蒸気噴射制御手段と、
を備えることを特徴とするガスタービンの制御装置。 - 拡散燃焼と予混合燃焼をさせると共に、蒸気あるいは水の供給によってNoxの減少を図る複数の燃焼器と、
前記拡散燃焼と予混合燃焼をさせる各バーナへの燃料を配分して供給する拡散燃焼用燃料制御弁と予混合燃焼用燃料制御弁と、
前記蒸気あるいは水を前記燃焼器へ供給する主蒸気噴射制御弁と前記蒸気あるいは水に圧縮空気を加えて前記燃焼器へ供給する副蒸気噴射制御弁と、
前記拡散燃焼用燃料制御弁を拡散燃焼用燃料制御弁開度指令信号によって制御し、前記予混合燃焼用燃料制御弁を予混合燃焼用燃料制御弁開度指令信号によって制御する燃料分配制御手段と、
前記拡散燃焼用燃料制御弁開度指令信号あるいは相当信号に基づく信号に第1所定の重みを加えた信号と前記予混合燃焼用燃料制御弁開度指令信号あるいは相当信号に基づく信号に第2所定の重みを加えた信号とを加算し得られた加算信号を総合蒸気噴射流量設定信号としてこれに蒸気噴射流量分配率信号を乗算して主蒸気噴射流量設定信号として前記主蒸気噴射制御弁を制御する一方、前記総合蒸気噴射流量設定信号から前記主蒸気噴射流量設定信号を減算した副蒸気噴射流量設定信号によって前記副蒸気噴射制御弁を制御する蒸気噴射制御手段と、
を備えることを特徴とするガスタービンの制御装置。 - 発電機出力信号あるいは燃焼温度相当信号に応じて前記第1および第2所定の重みをそれぞれ増減させるようにしたことを特徴とする請求項6記載のガスタービンの制御装置。
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